(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るPOS(Point Of Sale)システム1(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、管理装置10と、2台の登録装置20−1、20−2と、3台の精算装置30−1、30−2、30−3とを備える。
なお、以降の説明にあたり、登録装置20−1、20−2について特に区別しない場合には、登録装置20と記載する。また、精算装置30−1、30−2、30−3について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
管理装置10と登録装置20と精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に接続されている。
【0014】
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1において、登録装置20と精算装置30との設置数は特に限定されるものではなく、それぞれ1台以上であればよい。また、本実施形態のPOSシステム1は、管理装置10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステム1の構成として、管理装置10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、複数の登録装置20のうち代表となる1台の登録装置20)に、管理装置10としての機能を兼用させてもよい。
【0015】
管理装置10は、POSシステム1を管理する情報処理装置であり、POSシステム1において登録装置20や精算装置30などを管理し、商品マスタなどの種々の情報を管理する。管理装置10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0016】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。商品を登録する操作(商品登録操作)は、例えば、スキャナを用いて商品に付されているバーコードを読み取らせる操作、あるいは商品登録画面に表示されたプリセットボタン等に対する操作等として行われる。このような商品登録操作によって、登録装置20には例えば商品識別情報が入力され、登録装置20は、入力された商品識別情報に対応する商品情報を取得する。
また、登録装置20は、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(以下、精算情報という)を生成し、記憶する。
【0017】
精算情報は、当該精算情報を識別するための精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、精算情報は、当該精算情報を生成した登録装置20(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。
【0018】
精算情報は、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0019】
本実施の形態では、複数の精算装置30が設置され、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された商品登録データを用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0020】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0021】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された商品登録データを含む精算情報が、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、商品登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該商品登録処理に基づく商品登録データを含む精算情報を送信する。
なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に精算情報を送信するが、管理装置10を経由して、精算装置30に精算情報を送信してもよい。
【0022】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置20を示す登録装置識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置30は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報から商品登録データを取得する。
【0023】
精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0024】
次に、
図2〜
図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
図3は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図4は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
【0025】
登録装置20は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210を備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0026】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0027】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、管理装置10から取得した商品マスタや、商品登録処理後に生成された精算情報などを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0028】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0029】
客用表示部205aは、客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0030】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0031】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行することができる。
【0032】
カードリーダ210は、例えばIC(Integra Circuit)カード形式のRFID(Radio Frequency Identifier)タグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0033】
図2においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0034】
精算装置30は、
図4に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、カードリーダ313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0035】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0036】
RAM303は、CPU301の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、管理装置10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した精算情報に基づいて精算処理を実行した結果が反映された精算処理情報を記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷されたコード(バーコードまたは2次元コード)や、会員カード等に付されているコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0037】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0038】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0039】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち、商品の買上金額の決済)が終了した場合、客が持ち帰る精算済みレシートを印刷して発行する。
【0040】
決済部310は、決済(精算)に関する処理を行う。本実施形態における決済部310が対応可能な決済の種別としては、現金による決済と、クレジットカードの使用による決済と、電子マネーの使用による決済とのうちの少なくともいずれか1つである場合を例に挙げる。
現金による決済に対応するため、決済部310は、釣銭機を備える。釣銭機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。決済部310は、釣銭機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
また、クレジットカードの使用による決済に対応する場合、決済部310は、クレジットカードリーダを備え、クレジットカードリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
また、電子マネーの使用による決済に対応する場合、決済部310は、電子マネーリーダを備え、電子マネーリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
【0041】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(客)がいることを検知するセンサである。
なお、人感知センサ312の検知出力は、例えば精算装置30が、人が自機に近づいたことに応じて、自動的に精算画面を表示させる際に、人が自機に近づいたか否かを判定するのに用いられる。しかしながら、精算装置30は、例えば精算画面は、例えば精算情報の受信や、お会計券に印刷されたバーコードの読み取りなどに応じて表示されるようにしてもよく、この場合には、人感知センサ312は、省略されてよい。
【0042】
カードリーダ313は、例えばICカード形式のRFIDタグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0043】
図2においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、サインポール311及びカードリーダ313などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0044】
次に、
図5を参照して、管理装置10の構成例について説明する。同図の管理装置10は、通信部101、制御部102、及び記憶部103を備える。
通信部101は、LAN11を介して登録装置20や精算装置30と通信を行う。
制御部102は、管理装置10における各種の制御を実行する。制御部102としての機能は、管理装置10が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0045】
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部103は、商品マスタ記憶部131と会員情報記憶部132とを備える。
【0046】
商品マスタ記憶部131は、商品マスタを記憶する。
図6は、商品マスタの一例を示している。商品マスタは、商品ごとに対応する商品情報を格納する構造である。
同図において、1行が1つの商品に対応する商品情報である。1つの商品に対応する商品情報は、商品識別情報、商品名、価格、原材料情報等の情報の領域を含む構造である。
ここで、原材料情報の領域には、対応の商品に使用されている原材料を示す原材料情報が格納される。原材料情報は、原材料について予め定められた原材料識別情報により記述するようにしてもよいし、テキストで表される原材料の名称により記述するようにしてもよい。
【0047】
会員情報記憶部132は、店舗の会員として登録された顧客の情報(会員情報)を記憶する。
図7は、会員情報記憶部132が記憶する会員情報の一例を示している。同図における1行が1の会員としての顧客に対応する会員情報である。1の会員に対応する会員情報は、会員識別情報、会員基本情報及び商品指定条件情報の各領域を含む構造である。
会員識別情報の領域は、対応の会員を一意に示す会員識別情報を格納する。
会員基本情報の領域は、対応の会員についての基本的な情報(会員基本情報)を格納する。例えば会員基本情報には、対応の会員の名前、性別、年齢、住所、電話番号などを含めることができる。
商品指定条件情報の領域は、商品指定条件情報を格納する。本実施形態の商品指定条件情報は、客にとってアレルゲンとなる原材料を含んでいるとして購入対象外とする商品の条件を示す情報であり、客により指定された原材料が条件として示される情報である。つまり、商品指定条件情報において示される原材料を含む商品が条件に該当する商品(以下、「該当商品」という)となる。
【0048】
なお、商品指定条件情報によっては、例えば、産地(例えば、地産地消の観点から客の地元産の作物を優先して購入したいため、地元以外の産地を条件として指定するような場合がある)、使用農薬、添加物などが条件として指定されてもよい。
ただし、以降においては、説明を簡単にするため、条件としてアレルゲンに対応する原材料が指定される商品指定条件情報を例に説明する。
【0049】
上記構成による本実施形態のPOSシステム1において、登録装置20は、商品登録処理に際して、対応の客の商品指定条件情報により示される条件に該当する該当商品が登録された場合には、該当商品が登録対象とされたことの報知を行う。
このように該当商品が登録対象とされたことが報知された場合、該当商品を購入する意思が顧客にあるか否かを指定する操作(購入意思指定操作)が、店員あるいは客により登録装置20に対して行われる。
例えば、客が該当商品であると気付かずに間違って買上商品に含めてしまっていたような場合には、店員あるいは客は、購入意思指定操作として、購入意思無し(即ち、購入キャンセル)を指定する操作を行えばよい。一方、該当商品であっても必要に応じて客が購入する場合もある。このような場合、店員あるいは客は、購入意思指定操作として、購入意思有りを指定する操作を行えばよい。
購入意思指定操作として、購入意思無しを指定する操作が行われた場合、登録装置20は、対応の該当商品については、商品登録処理結果に含まれないように処理する。つまり、登録装置20は、対応の該当商品の商品情報を精算情報に含めないように処理する。
一方、購入意思指定操作として、購入意思有りを指定する操作が行われた場合、登録装置20は、対応の該当商品について、商品登録処理結果に含まれるように処理する。つまり、登録装置20は、対応の該当商品の商品情報を精算情報に含めるように処理する。
このようにして、本実施形態の登録装置20においては、商品登録に際して該当商品が登録された場合には店員、客に向けて報知が行われたうえで、客の購入意思の確認が行われる。これにより、客が気付かずに該当商品を購入してしまうことを防止できる。
【0050】
図7のフローチャートを参照して、本実施形態の登録装置20が商品登録処理に関連して実行する処理手順例について説明する。同図は、一取引に対応する商品登録処理が開始されてから終了するまでの処理手順となる。また、同図では、第1の指定態様によって精算処理を実行させる精算装置30の指定が行われる場合を例に挙げる。
【0051】
ステップS101:登録装置20のオペレータである店員は、一取引に対応する商品登録操作を開始するにあたり、先ず、対応の店員の会員識別情報を登録装置20に入力する操作(会員識別情報入力操作)を行う。会員識別情報入力操作は、例えば客から手渡された会員カードに記録されている会員識別情報を、スキャナ部204あるいはカードリーダ210により読み取らせる操作であればよい。登録装置20は、会員識別情報入力操作に応じて入力された会員識別情報を取得する。
【0052】
ステップS102:登録装置20は、1商品(あるいは1商品種別)についての商品登録操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS103:商品登録操作が行われると、登録装置20は、今回の商品登録操作により登録対象とされた商品の商品情報を商品マスタから取得する。ここで、登録装置20は、管理装置10に記憶されている商品マスタから商品情報を取得してもよいし、既に管理装置10から受信して自己のRAM203に記憶している商品マスタから商品情報を取得してもよい。
【0053】
ステップS104:次に、登録装置20は、今回の商品登録操作により登録対象とされた商品が該当商品であるか否かについて判定する。
このために、登録装置20は、今回の商品登録操作に対応するステップS103により取得された商品情報に含まれる原材料情報により示される原材料(商品対応原材料)を認識する。そのうえで、登録装置20は、認識した商品対応原材料のうちの少なくとも1つが、ステップS101により入力された会員情報の商品指定条件情報において示される原材料のうちのいずれかと一致するか否かについて判定すればよい。
【0054】
ステップS105:今回の商品登録操作により登録対象とされた商品が該当商品であると判定された場合、登録装置20は、店員用表示部205と客用表示部205aとのそれぞれにおいて、該当商品報知画面を表示させる。
該当商品報知画面は、今回の商品登録操作により登録対象とされた商品が該当商品であることを報知するメッセージが表示された画面である。このような該当商品報知画面を見ることで、店員と客は、今回の商品登録操作により登録対象とされた商品が該当商品であることを認識できる。
そのうえで、客用表示部205aに表示される該当商品報知画面については、該当商品の購入意思の有無を指定する購入意思指定操作が可能とされている。一例として、購入意思指定操作は、該当商品報知画面において配置される、購入意思無し(購入キャンセル)に対応するボタンと購入意思有りに対応するボタンとのうちのいずれかをタッチする操作であればよい。
【0055】
ステップS106:登録装置20は、ステップS105により該当商品報知画面を表示させた状態で、客用表示部205aに対する購入意思指定操作が行われるのを待機する。購入意思指定操作が行われると、登録装置20は、購入意思指定操作により購入意思無しが指定されたか否かについて判定する。
【0056】
なお、購入意思指定操作は、店員用表示部205に表示された該当商品報知画面においても行われるようにされてもよい。つまり、店員側でも購入意思指定操作を行えるようにされてよい。
この場合、店員は、客から口頭で購入意思の有無を確認したうえで、購入意思指定操作を行えばよい。店員用表示部205においても購入意思指定操作が行えるようにすることで、例えば客がタッチパネル等に対する操作に慣れていない場合において、購入意思指定操作を円滑に済ませることができる。
なお、運用によっては、登録装置20における購入意思指定操作は、店員側で行うことは可能であるが、客側では不可であるようにされてもよい。
【0057】
ステップS107:購入意思指定操作が購入意思無しを指定する操作であった場合、登録装置20は、今回の商品登録装置に応じてステップS103にて取得された商品情報を破棄する。これにより、今回の商品登録装置に応じてステップS103にて取得された商品情報を精算情報に含めないようにすることができる。
ステップS108:一方、購入意思指定操作が購入意思有りを指定する操作であった場合、登録装置20は、今回の商品登録装置に応じてステップS103にて取得された商品情報を精算情報(商品登録処理結果の一例)に含めるべきものとして登録する処理を実行する。
【0058】
ステップS109:ステップS107またはステップS108の処理の後、あるいはステップS102にて商品登録操作の行われないことが判定された場合、登録装置20は、小計操作が行われたか否かについて判定する。小計操作が行われない場合には、ステップS102に処理が戻される。
【0059】
ステップS110:店員は、小計操作を行った場合には、次に、精算装置30−1〜30−3のうちから、精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作(精算装置指定操作)を行う。そこで、小計操作が行われたことに応じて、登録装置20は、精算装置指定操作が行われるのを待機したうえで、店員が行った精算装置指定操作を受け付ける。
【0060】
ステップS111:精算装置指定操作を受け付けると、登録装置20は、今回の一取引に応じた商品登録処理結果が反映された精算情報により示される商品のうちに該当商品が含まれているか否かについて判定する。
ステップS112:該当商品の商品情報が含まれている場合、登録装置20は、精算情報と該当商品情報とを含む精算指示情報を、精算装置指定操作により指定された精算装置30に対して送信する。
精算指示情報は、精算装置30に精算処理を指示する情報である。また、精算指示情報に含まれる該当商品情報は、同じ精算指示情報に含まれる精算情報において示される商品のうちのいずれが該当商品であるのかを示す情報である。具体的に、該当商品情報は、商品識別情報により該当商品を示した情報であっても、精算情報の構造において、該当商品の商品情報に対応付けて該当商品であることを示すフラグが格納されるようにした情報であってもよい。
ステップS113:一方、該当商品が含まれていなかった場合、登録装置20は、精算情報を含み、該当商品情報を含まない精算指示情報を、精算装置指定操作により指定された精算装置30に対して送信する。
【0061】
同図のような処理が実行されることにより、登録装置20にて、該当商品が登録対象とされた場合には、該当商品であることの報知が行われる。そのうえで、購入意思の確認が行われたうえで、購入意思無しとの確認が得られた場合には、該当商品を精算情報に含めないようにできる。これにより、原材料がアレルゲンとなるため客にとって購入すべきでない商品が誤って購入されてしまうことが防がれる。
【0062】
しかしながら、例えば、本来であれば購入すべきでない該当商品であったのにかかわらず、客が勘違いして購入意思有りを指定する操作を行ってしまうという可能性がある。また、本来であれば購入すべきでない該当商品についての該当商品報知画面が表示された際に、購入意思無しの操作を行うことを忘れてしまった結果、購入意思有りと扱われて精算情報に含められてしまう可能性がある。いずれの場合も、客が気付かなければ、そのまま該当商品が購入されて客の手に渡ることになる。
このように、登録装置20にて該当商品報知画面を表示させても、該当商品が購入される可能性が残る。
【0063】
そこで、本実施形態のPOSシステムでは、精算装置30についても、精算処理対象の精算情報に該当商品が含まれている場合には、該当商品についての報知を行うように構成される。即ち、本実施形態においては、該当商品についての報知は、登録装置20にて商品登録が行われる段階と、この後において精算装置30にて精算処理が行われる段階とで2段階で行われる。
これにより、例えば登録装置20にて商品登録が行われる段階で、本来であれば購入すべきでない該当商品が精算情報に登録されてしまっても、客が精算装置30にて精算をしようとする際に、もう一度、該当商品についての報知が行われる。従って、この場合には、客が精算装置30にて精算をしようとする際に、本来であれば購入すべきでない該当商品について購入しようとしていることに気付く機会が再度得られることになる。この結果、本来であれば購入すべきでない該当商品が誤って購入されることの防止の強化を図ることができる。
また、本実施形態の精算装置30は、精算処理の終了にあたり、客に精算終了確認のための操作(精算終了操作)を行わせるようにされている。そのうえで、本実施形態の精算装置30は、該当商品についての報知を行った場合において、該当商品についての購入意思の確認操作が完了していない状態では、精算終了操作を受け付けないように構成される。これにより、購入意思の無い該当商品を客が購入してしまうことをさらに強固に防止できる。
また、本実施形態のPOSシステム1においては、精算装置30は、該当商品について購入意思無しを指定する操作が客により行われたことに応じて、精算情報に含まれる該当商品を取り消すための訂正処理が可能なようにされている。このため、登録装置20による商品登録処理が完了した後の精算処理の段階で、購入すべきでない該当商品が含まれていることに気付いたとしても、該当商品を取り消す訂正を行って精算処理を済ませることができる。つまり、取引自体を取り消して購入対象の商品を登録し直すような手間が省かれる。
【0064】
図9のフローチャートを参照して、本実施形態の精算装置30が実行する処理手順例について説明する。同図は、一取引に対応する精算処理に関連した処理手順となる。また、同図は、現金による支払いに対応する精算処理が行われる場合の処理手順となる。
ステップS201:精算装置30は、登録装置20から送信される精算指示情報が受信されるのを待機している。
ステップS202:精算指示情報が受信されたことに応じて、精算装置30は、預かり金としての現金の入金操作の受け付けを開始する。つまり、本実施形態の精算装置30では、精算処理の開始に伴って、客が、預かり金としての現金を入金する操作を行っていくことが可能なようにされている。
【0065】
ステップS203:また、精算指示情報が受信されたことに応じて、精算装置30は、今回受信された精算指示情報に該当商品情報が含まれていたか否かについて判定する。
【0066】
ステップS204:受信された精算指示情報に該当商品情報が含まれていた場合、精算装置30は、同じ精算指示情報に含まれる精算情報に基づく精算画面とともに、あるいは精算画面に代えて、該当商品報知画面を表示部305に表示させる。
【0067】
なお、精算画面と該当商品報知画面とを併せて表示する場合の態様については特に限定されない。例えば、精算画面と該当商品報知画面とは、表示部305の表示面において同時に並んで配置されるように表示されればよい。あるいは、表示部305の表示面において表示される精算画面上に重畳されるようにして該当商品報知画面のウィンドウが表示されるようにしてもよい。
【0068】
なお、該当商品報知画面は、該当商品情報により示される全ての該当商品の一覧を表示する態様であってもよい。あるいは、該当商品報知画面は、1つの該当商品を表示する画面であってもよい。この場合、該当商品報知画面は、複数の該当商品ごとに対応する複数のページ構造とされて、ページ送りあるいはページ戻しの操作に応じて1つの該当商品ごとに対応するページが切り替わるように表示されてよい。
上記の点については、登録装置20にて該当商品報知画面を表示する場合も同様である。
【0069】
ステップS205:ステップS204により表示された該当商品報知画面は、該当商品ごとを対象として購入意思指定操作が可能となっている。客は、該当商品報知画面にて提示された全ての該当商品のそれぞれについて、購入意思指定操作を行う。
精算装置30は、該当商品報知画面にて提示された各該当商品についての購入意思指定操作が完了するのを待機する。
【0070】
ステップS206:各該当商品についての購入意思指定操作が完了すると、精算装置30は、購入意思指定操作により購入意思無しが指定された該当商品、即ち購入がキャンセルされた該当商品が有るか否かについて判定する。
ステップS207:購入がキャンセルされた該当商品が有る場合、精算装置30は、ステップS202による入金操作の受け付け開始から現在までにおいて既に入金された現金があるか否かについて判定する。
ステップS208:既に入金された現金がある場合、精算装置30は、入金されたのと同じ金額の現金を決済部310から排出させるための制御を実行する。
【0071】
ステップS209:ステップS208の処理を実行した後、あるいはステップS207にて既に入金された現金はないと判定された場合、精算装置30は、ステップS201に対応して受信された精算情報の訂正を要求する訂正要求を、登録装置20に送信する。
なお、訂正要求の送信先となる登録装置20は、訂正対象の精算情報に対応する商品登録処理を行った登録装置20であればよい。あるいは、精算装置30は、例えば現在の登録装置20ごとの状態に基づいて訂正要求の送信先となる登録装置20を決定し、決定された登録装置20に訂正要求を送信してよい。訂正要求には、訂正対象の精算情報が含まれる。また、精算装置30は、訂正要求の送信に応じて、送信先の登録装置20にまで赴いて該当商品の取り消しの処理を受けてもらうように伝えるメッセージを表示する。
【0072】
登録装置20は、精算装置30から送信された訂正要求の受信に応じて、例えば店員用表示部205において訂正要求が受信されたことを報知する表示を行う。この場合、店員は、対応の客が赴いてきたことに応じて、該当商品を取り消すための操作を行う。
この場合において、例えば訂正要求に該当商品を指定する情報を含めれば登録装置20は、例えば店員用表示部205に訂正画面を表示させた際に、取り消し対象の該当商品を他の商品と区別が可能な所定の態様で表示させることができる。
上記のような表示としては、例えば取り消し対象の該当商品の表示部分の色などを他の商品の表示部分と異なるようにさせてよい。あるいは、取り消し対象の該当商品は表示し、他の商品については非表示としてもよい。このような表示を行うことで、店員が該当商品と他の商品とを間違えて取消操作を行ってしまうようなことが防がれる。
【0073】
店員は、精算情報の訂正を完了させると、例えば精算装置指定操作を行う。これにより、訂正処理によって該当商品の商品情報が削除された精算情報が、精算装置指定操作によって指定された精算装置30に送信される。客は、送信先の精算装置30に赴いて、改めて精算の操作を行えばよい。
【0074】
ステップS210:一方、ステップS203にて、精算指示情報に該当商品情報が含まれていなかった場合、精算装置30は、精算指示情報に含まれる精算情報に基づく精算画面を表示させる。この場合、精算指示情報に該当商品情報は含まれていなかったため、精算装置30は、該当商品報知画面は表示しない。
【0075】
なお、該当商品を取り消す訂正が行われた精算情報において、購入意思有りが指定された該当商品が含まれている可能性がある、このような場合に、精算装置30が精算処理を実行した際に、購入意思有りが指定された該当商品があることにより再び該当商品報知画面が表示されると、客は、また同じ該当商品について購入意思有りを指定する購入意思指定操作を行うことになるので、客が煩わしさを覚える場合がある。
そこで、このように該当商品を取り消す訂正が行われた精算情報において、購入意思有りが指定された該当商品が残っている場合には、登録装置20は、精算指示情報の送信の際に、訂正後の精算情報のみを送信し、該当商品情報は含めないようにしてよい。該当商品情報が含まれていないことで、精算装置30は、ステップS210の処理を実行することとなり、精算画面は表示するが該当商品報知画面は表示しないようにすることができる。
【0076】
ステップS211:ステップS210の処理の後、あるいはステップS206にて購入がキャンセルされた該当商品が無いと判定された場合、精算装置30は預かり金としての現金の入金が完了するのを待機する。決済部310にて検出される入金された現金の金額が、精算情報により示される合計金額以上の金額に到達するとステップS211にて入金が完了したと判定される。入金が完了した段階での入金された現金の総額が預かり金として処理される。
ステップS212:入金が完了したことに応じて、精算装置30は、例えば預かり金の金額から合計金額を減算して釣銭の金額を算出し、算出された金額の現金を釣銭として決済部310から排出させる。また、精算装置30は、今回の精算処理結果が反映されたレシートを印刷部309から発行させる。
そのうえで、精算装置30は、これまでの精算終了操作が不可の状態から、精算終了操作が可能な状態に変更する。
精算終了操作が可能な状態への変更にあたり、精算装置30は、例えば表示部305において、客により精算終了操作が行われるボタンを表示させてよい。
ステップS213:精算終了操作が可能となった状態のもとで、精算装置30は、客による精算終了操作が行われるのを待機する。精算終了操作が行われたのであれば、精算装置30は同図に示される処理を終了させる。
【0077】
このような処理が実行されることで、精算装置30においても、精算処理対象の精算情報に該当商品が含まれている場合には、該当商品についての報知が行われる。
また、同図の処理によれば、該当商品報知画面を表示させた場合には、ステップS205にて全ての該当商品についての購入意思指定操作が完了しなければ、ステップS212の処理にまで進めることができないようになっている。つまり、精算装置30は、該当商品についての購入意思の確認操作が完了していない状態では、精算終了操作を受け付けないようにされている。
また、精算装置30は、該当商品について購入意思無しを指定する操作が客により行われた場合には、登録装置20に訂正要求を送信することで、該当商品の購入キャンセルに応じた商品登録の取り消しを行うことができる。この際、既に入金された現金についてはステップS208により全て排出されて客の手元に戻るように配慮されている。
【0078】
ここで、
図10を参照して、本実施形態の精算装置30にて表示される該当商品報知画面の態様例について説明する。
前述のように、精算指示情報が受信され、受信された精算指示情報に該当商品情報が含まれていた場合、精算装置30は、
図9のステップS204にて、先ず、精算画面とともに、該当商品報知画面として、
図10(A)の一次該当商品報知画面を表示する。同図の一次該当商品報知画面は、精算画面と並ぶように配置されてもよいし、例えば精算画面に重畳するウィンドウとして表示されてもよい。
同図の一次該当商品報知画面には、該当商品が購入対象の商品のうちに含まれているため再度の購入意思指定操作を促すメッセージが文字により表示されている。また、同図の一次該当商品報知画面には、「はい」ボタンBT11と「いいえ」ボタンBT12とが配置されている。
「はい」ボタンBT11は、客が、購入対象に含まれている該当商品の全てについての購入をキャンセル(中止)する場合、即ち、購入意思指定操作として購入意思無しを指定する場合に操作するボタンである。
「いいえ」ボタンBT12は、客が、購入対象に含まれている該当商品が何であるのかを確認する場合、即ち、購入意思指定操作として購入意思有りを指定する可能性がある場合に操作するボタンである。
【0079】
「はい」ボタンBT11が操作された場合には、
図9のステップS205〜S209の処理が実行されることになる。この場合のステップS209では、購入対象の商品に含まれていた全ての該当商品のキャンセルに応じた訂正要求が送信される。
【0080】
一方、「いいえ」ボタンBT12が操作された場合には、ステップS204の処理として、さらに、
図10(A)の一次該当商品報知画面に代えて、
図10(B)の二次該当商品報知画面が表示される。
同図の二次該当商品報知画面においては、購入対象の商品に含まれる該当商品の一覧が表示される。また、二次該当商品報知画面においては、「購入する」ボタンBT21と「購入中止」ボタンBT22とが配置されている。二次該当商品報知画面における該当商品の一覧において、客の操作により選択された該当商品がない状態では、「購入する」ボタンBT21は操作可能であるが、「購入中止」ボタンBT22は例えばグレーアウトの状態とされて操作が不可の状態(あるいは、非表示の状態等でもよい)である。
【0081】
客は、二次該当商品報知画面にて表示された該当商品の一覧を見ることで、購入対象の商品にどの該当商品が含まれていたのかを確認できる。
そのうえで、客は、購入をキャンセルしたい該当商品がなければ、そのまま、購入意思有りを指定する購入意思指定操作として、「購入する」ホタンBT21に対する操作を行えばよい。この場合には、ステップS206からステップS211の処理が移行することになる。
【0082】
一方、客が、購入をキャンセルしたい該当商品がある場合には、以下のように該当商品単位で購入意思無しを指定する購入意思指定操作を行えばよい。つまり、客は、該当商品の一覧のうちから購入をキャンセルしたい商品の項目にタッチする操作を行う。当該操作に応じて、タッチされた項目の表示態様が変更される。また、この場合には「購入する」ホタンBT21が操作不可で、「購入中止」ボタンBT22が操作可能な状態となる。客は、このような操作によって、該当商品の一覧のうちから、1以上の任意の購入をキャンセルしたい該当商品を選択できる。なお、選択状態の項目に再度タッチ操作を行った場合には、選択状態が解除されるようにされてよい。
客は、該当商品の一覧からの購入をキャンセルしたい該当商品の選択を終えると、「購入中止」ボタンBT22に対する操作を行う。当該操作に応じて、精算装置30は、ステップS205〜S209の処理が実行されることになる。この場合のステップS209では、該当商品の一覧から選択された該当商品のキャンセルに応じた訂正要求が送信される。
【0083】
また、二次該当商品報知画面は、例えば、
図10(C)のような態様であってもよい。即ち、二次該当商品報知画面は、購入対象の商品に含まれる該当商品を1つずつ提示する態様であってもよい。
同図においては、購入対象の商品に含まれる2つの該当商品(商品D、G)のうち、1つ目である商品Dについての二次該当商品報知画面が示されている。同図の二次該当商品報知画面においては、商品Dが該当商品であることと、商品Dの購入意思確認指定操作を促すメッセージが表示されている。また、二次該当商品報知画面においては、「はい」ボタンBT31と「いいえ」ボタンBT32とが配置されている。
客は、同図の二次該当商品報知画面を見ることで、購入対象の商品のうちに、該当商品として商品Dが含まれていることを確認できる。そのうえで、客は、商品Dを購入する場合には、購入意思有りを指定する購入意思指定操作として、「はい」ボタンBT31を操作する。一方、客は、商品Dの購入をキャンセルする場合には、購入意思無しを指定する購入意思指定操作として、「いいえ」ボタンBT32を操作する。
「はい」ボタンBT31と「いいえ」ボタンBT32のいずれかが操作されると、同図の二次該当商品報知画面に代えて、2つ目の該当商品である商品Gについての二次該当商品報知画面が表示される。客は、上記と同様の操作によって、商品Gについても、「はい」ボタンBT31と「いいえ」ボタンBT32とのいずれかに対する操作によって、購入意思指定操作を行うことができる。
【0084】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
日替わり弁当などの商品は、例えば日ごとに商品に含まれる原材料が異なる。このように原材料が変更される商品(原材料不定商品)については、商品マスタに商品情報を格納しておくことが適さない場合がある。
そこで、原材料が変更される商品については、例えば商品マスタとは別の商品情報(原材料不定商品情報)がPOSシステム1にて記憶されるようにしてよい。そのうえで、例えば登録装置20がステップS104により該当商品であるか否かを判定するにあたり、登録対象とされた商品が原材料不定商品である場合には、原材料不定商品情報を参照するようにしてよい。
【0085】
[第2変形例]
上記実施形態においては、登録装置20にて該当商品の登録を取り消す訂正処理が行われる場合を例に挙げた。
しかしながら、該当商品の登録を取り消す訂正処理は、例えば精算装置30にて行えるようにされてよい。この場合には、例えば、訂正処理に対応する操作は、店員を呼び出して、店員により行われるようにされてよい。
この場合、例えば精算装置30は、購入意思無しを指定する購入意思指定操作が行われた場合には、店員を呼び出すための報知を行うようにしてよい。
店員を呼び出すための報知としては、例えばサインポール311を所定の態様で点灯させてよい。あるいは、登録装置20、管理装置10、店員が携帯する端末装置などに対して、通信により報知を行ってよい。店員が携帯する端末装置に対する報知は、例えばプッシュ通知、メール送信などの手段が採られてよい。
【0086】
また、このように精算装置30にて訂正処理が行われる場合、訂正処理が完了すれば、引き続き同じ精算装置30にて訂正後の精算情報に基づく精算処理を開始させることができる。この際に、訂正前の精算処理に際して既に入金された預かり金の金額を引き継ぐようにしてよい。このようにすれば、精算情報の訂正に際して、それまでに入金された現金を排出させて客に戻す必要がなくなる。
【0087】
また、このような精算装置30での該当商品の登録を取り消す訂正処理は、客の操作によって行えるようにされてもよい。この場合、訂正処理を精算装置30により行わせるにあたり店員を呼び出す必要がない。
この場合、客が手元にある取り消し対象の該当商品を返品するにあたり、店員に手渡せない場合もある。そこで、この場合には、店舗において、客が返品した該当商品を置いておくことのできる返品用容器などを設けてよい。そのうえで、この場合には、精算装置30は、該当商品の登録の取り消しに応じた返品の実績を示す返品レシートを発行するようにしてよい。客は、返品する該当商品を容器に置くにあたり、返品レシートを添えるようにする。これにより、店員が容器に容れられた該当商品を回収する際に、容器に容れられた該当商品と返品レシートとを照らし合わせることができる。この場合において、例えば計量装置を精算装置30の近傍に配置しておくとともに、予め商品ごとの単位重量を管理装置10に記憶させるなどして管理しておく。そのうえで、返品された商品については、計量装置に載置された返品用容器に容れるようにする。そして、計量装置により計量された、返品用容器内の商品の重量と、返品の実績を示す情報に基づいて算出された返品の商品の重量とが同じであるか否かを判定することで、商品が適正に返品されたか否かを確認するようにしてよい。
【0088】
[第3変形例]
前述のように、精算装置30は、精算処理の終了に際してレシートを発行する。ここで、精算処理の対象とされた商品のうちに、購入意思有りの購入意思指定操作が行われた該当商品が含まれている場合には、レシートにおいて該当商品と該当商品でない商品とを区別できるようにした所定の態様で印刷が行われるようにしてよい。
図11は、該当商品と該当商品でない商品とを区別できるようにしたレシートの一例を示している。同図のレシートには、商品A〜商品Hとして示す8つの商品が客により購入されたことが示されている。そのうえで、商品A〜商品Hのうち、商品D、商品Gの各欄に対応しては「(該当商品)」と印刷されている。このようなレシートの印刷内容を見ることで、対応の取引において購入された8つの商品A〜商品Hのうち、商品D、商品Gがそれぞれ該当商品であり、商品D、商品G以外の商品が該当商品ではないことが把握される。
なお、レシートにおいて該当商品と該当商品でない商品とを区別できるようにした態様としては、同図の例に限定されない。例えば、該当商品の欄に対して、該当商品に対応して予め定めたマークを付すように印刷が行われてもよい。
【0089】
また、前述の
図9の説明によれば、精算装置30にて該当商品の購入がキャンセルされた場合には、登録装置20にて購入がキャンセルされた該当商品を取り消す訂正処理が行われる。そして、訂正結果が反映された精算情報に基づいて、精算装置30にて改めて精算処理が実行される。このように、訂正結果が反映された精算情報に基づく精算処理において発行されるレシートには、購入がキャンセルされた商品についての情報が反映されてよい。
図12は、このように購入がキャンセルされた商品についての情報が反映されたレシートの一例を示している。同図のレシートにおいては、
図11の例と同様に、商品A〜商品Hの8つの商品のうち、商品D、商品Gが該当商品である例が示されている。そのうえで、同図のレシートにおいては、商品D、商品Gの該当商品のうち、商品Dについては購入されたが、商品Gについては購入がキャンセルされたことが示されている。
つまり、同図のレシートによっては、精算装置30にて1回目の精算処理が行われる段階で、登録された商品A〜商品Hのうちで、該当商品が商品D、商品Gの2つであったことが示されている。また、該当商品が商品D、商品Gのうち、商品Dについてキャンセルされることなく購入され、商品Gについては購入がキャンセルされたことが示されている。
また、このようなレシートは、例えば電子レシートとして発行されてもよい。電子レシートは、例えば客の携帯する端末装置に電子メールにより送信されてもよいし、電子レシートを管理するサーバにて記憶されるようにしたうえで、客の端末装置がアクセスして閲覧、取得ができるようにしてよい。さらに、該当商品が購入された場合には、該当商品を購入した会員に関連する他の会員が会員情報に基づいて特定されるようにしてよい。他の会員の例としては、該当商品を購入した会員と同じ住所が会員情報に登録されている、同居人としての会員でもよい。そして、他の会員に対して、電子メールやSNS(Social Networking Service)等により、該当商品が購入されたことの通知を行ってもよい。
【0090】
[第4変形例]
なお、管理装置10が記憶する会員情報における商品指定条件情報の内容は、例えば店舗に備えられた端末、客が所持する端末などからのアクセスによって変更できるようにされてよい。
また、例えば登録装置20または精算装置30にて該当商品報知画面が表示されている状態のもとで、購入意思指定操作に加えて、例えば商品指定条件情報を変更する操作も行えるようにされてよい。
この場合において、例えば該当商品を該当商品から除外する操作を行ったことに応じて、商品指定条件情報において示される原材料のうち、除外された該当商品に含まれるのと同じ原材料については削除されるようにして商品指定条件情報が変更されるようにしてよい。
【0091】
[第5変形例]
商品指定条件情報によっては、客が購入を控えるべき商品を指定する条件以外の条件が示されてよい。
例えば指定の原材料、材料、材質のものについてまとめ買いをしておくことを客が心がけている場合において、このようなまとめ買い対象の商品となる条件が商品指定条件情報により示されるようにしてよい。この場合、客は、該当商品報知画面が表示された際に、該当商品についてまとめ買いすることを忘れていることに気付き、まとめ買いすることができる。この場合の精算情報の訂正は、まとめ買いによる登録商品の追加を行うようにされればよい。
【0092】
[第6変形例]
例えば、クレジットカードやプリペイドカード、品券等による決済のように、現金によらずに行うことのできるような特定の種別の決済に関しては、登録装置20にて商品登録から精算までの会計が完結されてよい。
このように登録装置20にて会計が完結される場合、精算装置30は対応の取引についての精算処理を行わず、会計を受ける客は精算装置30を利用しない。従って、この場合客は、精算装置30にて該当商品についての報知を受けられなくなる。
そこで、本変形例では、登録装置20にて決済を含む会計が完結した場合において、決済に応じて購入された商品に依然として該当商品が含まれていた場合には、精算装置30による報知に代えて、再度、登録装置20の処理に基づく該当商品についての報知(登録装置対応再報知)が行われるようにする。
【0093】
登録装置対応再報知としては、例えば登録装置20にて発行されるレシートにおいて、該当商品が購入されているため注意してもらうようにすることを、強い訴求度合い(警告度合い)で客に通知する内容(第1態様)が印刷されるようにしてよい。
あるいは、登録装置対応再報知は、対応の取引の客のメールアドレスへの電子メールの送信により行われるようにしてよい。電子メールにおいては、例えば件名や本文などにおいて、強い訴求度合いで該当商品が購入されているため注意してもらうようにすることを、示す第1態様としての内容により客への報知が行われる。
あるいは、登録装置対応再報知は、登録装置20から音声によって客に向かって出力されてもよい。この場合の音声による案内の内容も、第1態様として、該当商品が購入されていることから十分に注意してもらうようにすることを強い訴求度合いで客に通知するようにされてよい。
【0094】
図13(A)は、登録装置対応再報知に応じた第1態様としての印刷内容を含んで登録装置20により発行されるレシートの一例を示している。
同図のレシートにおいては、第1態様エリアAR11が配置される。第1態様エリアAR11は、第1態様としての内容の印刷が行われている。具体的には、第1態様エリアAR11を太枠で囲うようにされているとともに、太枠内の該当商品が購入されていることから十分に注意してもらうようにする旨のメッセージの文字を、第1態様エリアAR11以外の領域に印刷される文字よりも大きいサイズで目立つように印刷している。
【0095】
また、本変形例においても、精算装置30にて精算処理が行われて会計が完了するようにされた場合には、先の実施形態と同様に、精算装置30においても該当商品についての報知が行われる。しかしながら、本変形例の場合には、第1態様による登録装置対応再報知が行われることを考慮すると、精算装置30における該当商品についての報知まで第1態様により行うと、訴求度合いが強すぎてしまい客が煩わしさを覚える場合がある。
そこで、本変形例では、精算装置30での該当商品についての報知については、第1態様よりも客への訴求度合いが低い第2態様で行われるようにする。
【0096】
図13(B)は、精算装置30が発行するレシートにより第2態様による該当商品についての報知を行う場合のレシートの一例を示している。
同図のレシートにおいては、第2態様エリアAR12が配置される。第2態様エリアAR12は、第2態様としての内容の印刷が行われている。具体的には、第2態様エリアAR12は、
図13(A)の第1態様エリアAR11のように、太枠で囲われていない。また、第2態様エリアAR12は、メッセージの文字を、第2態様エリアAR12以外の領域に印刷される文字と同様の大きいサイズで印刷している。
【0097】
[第7変形例]
また、先の実施形態では、精算装置30は、該当商品についての報知を行った場合において、該当商品についての購入意思の確認操作が完了していない状態では、精算終了操作を受け付けないようにされている。
本変形例として、上記の精算装置30の構成に準じて、登録装置20は、該当商品についての報知を行った場合において、該当商品についての購入意思の確認操作が完了していない状態では、次の商品の商品登録処理への移行が禁止されるようにされてよい。また、最後に登録された商品が該当商品である場合には、購入意思の確認操作が完了していない状態では小計操作を受け付けないようにしてよい。即ち、本変形例では、報知された該当商品についての客の購入要否の指定が完了するまで、精算処理に利用される精算情報が出力されないようにする。
登録装置20にて行われる購入意思の確認操作に関しては、店員用表示部205に、購入意思の確認に応じた操作が行われる購入意思確認ダイアログなどを表示させる。店員は、客の購入意思の有無を確認したうえで、購入意思確認ダイアログにおいて配置される購入意思有りに対応するボタンと購入意思無しに対応するボタンとのいずれかを操作するというものであればよい。
【0098】
[第8変形例]
本変形例において、登録装置20における第1報知手段による報知の態様の具体例を挙げて説明する。
登録装置20にて、複数の商品が登録されていく過程において、商品登録のためにバーコードの読み取りが行われた或る1つの商品(登録対象の商品)が該当商品であった場合には、店員用表示部205には、購入意思確認ダイアログが表示される。
購入意思確認ダイアログは、今回登録の対象とされた該当商品についての購入意思の確認のための操作が行われる画面である。
【0099】
図14(A)は、登録された該当商品がオムレツサンドであった場合の購入意思確認ダイアログの例が示されている。購入意思確認ダイアログにおいては、購入意思有りに対応する「購入」ボタンと、購入意思無しに対応する「キャンセル」ボタンが配置される。
【0100】
上記のように店員用表示部205において購入意思確認ダイアログが表示されている一方で、客用表示部205aにおいては、今回の店員による商品登録操作によって登録対象とされた該当商品であったことを示す該当商品通知画面が表示されてよい。
図14(B)は、該当商品通知画面の一例を示している。同図の該当商品通知画面においては、登録対象とされた商品がオムレツサンドであり、オムレツサンドに含まれる材料のうちで客にとってアレルゲンとなる原材料が卵と鶏肉であることが示される。同図の例では、アレルゲンとなる原材料の名称とともに原材料を絵柄により表すアイコンが表示されることで、客に対してアレルゲンの原材料が何であるのかが視覚的に容易に把握可能なようにしている。
なお、このような該当商品通知画面においても、例えば
図14(A)の購入意思確認ダイアログと同様に、「購入」ボタンと「キャンセル」ボタンとが配置されることで、客による購入意思確認の操作が行えるようにされてもよい。
【0101】
[第9変形例]
また、登録装置20において一取引に応じた全ての商品の登録を終えた段階において、登録された商品のうちに購入意思有りの確認が行われた該当商品が含まれている場合には、さらなる確認のために、登録装置20の店員用表示部205において、登録された該当商品のリストが表示されるようにしてよい。このようなリストにおいては、該当商品のリスト項目ごとに対応の商品に含まれるアレルゲンの原材料が示されるようにしてよい。
また、該当商品のリストに対する操作によって、この段階においても、客による購入意思の無いことが確認された商品について登録の取り消しが行われるようにされてよい。
【0102】
[第10変形例]
なお、例えば精算装置30における該当商品についての報知、あるいは第6変形例における登録装置対応再報知が不要と考える客もいる。そこで、例えばこれらの二次的な報知の要否について会員としての客が登録可能なようにされてもよい。登録は、例えば客の端末からネットワークなどを経由して会員情報を管理するサーバ(管理装置10であってもよい)に対して行えるようにされればよい。
あるいは、例えばこのような二次的な報知は、特に老人に向けて行われるようにすることが有効であるとの考えに立ち、例えば会員情報において示される年齢が一定以下である場合には、二次的報知は行わないようにしてもよい。
【0103】
[第11変形例]
また、該当商品が購入された場合には、購入された該当商品を示す情報のバーコード等を印刷したレシートを発行してもよい。該当商品を購入してしまった後に客が該当商品の返品を行いたい場合、客は、例えば登録装置20あるいはサービスカウンタに赴いて、店員にレシートを提示する。店員は、登録装置20あるいはサービスカウンタの端末に、よりレシートに印刷されたバーコードを読み取らせる。これにより、例えば店員が返品対象の商品を特定して、返品対象の商品を指定する操作を行わなくとも、登録装置20あるいはサービスカウンタの端末に返品処理を実行させることができる。
【0104】
あるいは、レシートに印刷されたレシート番号(取引番号)を店員が入力する操作を行ったうえで、ボタン等を操作して該当商品の特定を指示したことに応じて、該当商品の特定が行われ、特定された該当商品についての画面等の表示により、返品に関する処理が行われるようにしてもよい。
【0105】
[第12変形例]
また、商品に対して商品情報を記憶させたRFID(Radio Frequency IDentifier)タグを付加するようにしてよい。この場合、登録装置20には、RFIDタグリーダが設けられる。登録装置20は、買い物カゴに容れられてRFIDタのリーダの通信範囲に存在する全ての商品のRFIDタグを読み取ることで、カゴに容れられた商品についての商品登録を一括で行うことができる。この場合において、登録された商品に該当商品が含まれている場合に応じて行われる第1報知手段による該当商品の報知は、例えば、該当商品の一覧を表示させるようにしてよい。
【0106】
[第13変形例]
なお、例えば登録装置20により、精算装置30にて発行するレシートについて、通常の明細が印刷された様式のレシートと、明細に領収書が付加された様式のレシートとのいずれを発行させるのかを指定できるようにしてよい。レシートの様式の指定は、例えば店員の操作に応じて行われるようにされてよい。また、例えば会員情報に、領収書が付加されたレシートの発行を希望するか否かの情報(レシート指定情報)を含め、レシート指定情報に基づいて、指定が行えるようにされてよい。
また、領収書が付加された様式のレシートの発行を指定した場合は、例えば但し書きの欄に印刷する情報を、リストから選択する操作が登録装置20に対して行えるようにされてよい。また、精算装置30にて領収書の発行を指示する操作が行われた場合にも、同様に、但し書きの欄に印刷する情報を、リストから選択する操作が精算装置30に対して行えるようにされてよい。
【0107】
[第14変形例]
なお、上記各実施形態において、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、精算装置30を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のように精算装置30を指定する態様であってもよい。
1つの態様として、商品登録の完了に応じて店員用表示部205に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置20が、例えば精算装置30に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置30を認識し、使用中でない精算装置30のうちから所定の規則(例えば精算装置番号順)に従って、1つの精算装置30を決定する。そして、登録装置20は、決定した精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
もう1つの態様として、予め精算装置30について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、店員用表示部205に精算装置30への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置20は、設定された優先順位に従った順で精算装置30の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置30について確認するようにする。そのうえで、登録装置20は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0108】
もう1つの態様として、登録装置20は、全ての精算装置30に精算情報を送信する。精算情報を受信した精算装置30は、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置20に送信する。
登録装置20は、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先の精算装置30を示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行する精算装置30がいずれであるのかを客に伝えればよい。
この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信した精算装置30のサインポール311を所定のパターンで点灯させたり、精算装置30から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0109】
もう1つの態様として、登録装置20にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、精算装置30ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。
カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサが備えられる。センサによりカゴ置き場買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応の精算装置30が要求を行って、登録装置20から対応の精算情報を取得し、精算処理を実行するようにされる。
この場合にも、精算処理を実行することとなった精算装置30が、サインポール311の点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0110】
もう1つの態様として、登録装置20は、精算情報と、複数の精算装置30間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、或る1つの精算装置30に送信する。転送順情報は、精算装置30間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の登録装置20に対して、精算処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行する。
一方、精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行不可である場合、受信された精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の精算装置30に対して、受信された精算指示情報を転送する。このようにして、精算装置30間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、精算処理を実行させるべき精算装置30の指定に相当する手順が実現される。
【0111】
なお、上述の登録装置20、精算装置30または管理装置10などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録装置20、精算装置30または管理装置10などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0112】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を行う登録装置(20)と、客の操作に応じて精算処理を行う精算装置(30)とを備える商品販売データ処理システム(例えば、POSシステム1)であって、前記登録装置は、一取引に対応する客の客識別情報に対応付けられた商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品が商品登録処理対象とされたか否かについて判定する判定手段と、前記判定手段により、該当商品が商品登録処理対象とされたことが判定された場合、前記該当商品についての報知を行う第1報知手段とを備え、前記精算装置は、前記一取引に対応して前記登録装置により行われた商品登録処理の結果に基づく精算処理を実行する精算処理手段と、前記商品登録処理の結果において前記該当商品の登録が含まれる場合に、前記該当商品についての報知を行う第2報知手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【0113】
上記構成によれば、商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品については、登録装置20にて登録の対象とされたことに応じて該当商品についての報知が行われ、さらに、商品登録処理結果に該当商品が含まれていた場合には、さらに精算装置30にて該当商品についての報知が行われる。
これにより、取引において、所定の条件に該当するものとして指定された商品が、指定されなかったのと同じ結果となることの防止に関して強化が図られる。
【0114】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記第1報知手段は、所定種別の決済に対応して一取引に応じた精算処理が前記精算装置にて行われることなく前記登録装置にて行われた場合に、さらに所定の第1態様により前記該当商品についての報知を行う。
【0115】
上記構成によれば、登録装置20にて会計が完了し精算装置30にて精算処理が実行されない場合に応じて、登録装置対応再報知が行われる。これにより、登録装置20にて会計が完了し精算装置30にて精算処理が実行されない場合であっても、客への該当商品についての報知を複数段階により行える。
【0116】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記第2報知手段は、一取引に応じた精算処理が前記精算装置にて行われた場合、前記第1態様よりも訴求度合いが少ない第2態様により前記該当商品についての報知を行う。
【0117】
上記構成によれば、登録装置20での報知の後の段階で精算装置30にて行われる該当商品についての報知については、例えば客に対する訴求度合いを低く(弱く)して行うことができる。これにより、客が、複数段階により該当商品についての報知を受けることに対する煩わしさを覚えにくくなる。
【0118】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の商品販売データ処理システムであって、前記第2報知手段により報知の対象とされた該当商品の登録取消指示(例えば、購入意思指定操作による購入意思有りの指定)が得られたことに応じて、前記登録取消指示に応じた該当商品の登録の取り消しが前記登録装置において行われるようにする取消手段をさらに備える。
【0119】
上記構成によれば、精算装置30にて報知された該当商品について、購入意思無しの指定を行える。そのうえで、購入意思無しの指定が行われたことに応じて、指定の対象とされた該当商品の登録の取り消しを登録装置20にて行うことが可能となる。
【0120】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算処理手段は、前記第2報知手段により報知された該当商品についての登録取消の要否の指定(例えば、購入意思指定操作による指定)が完了していない場合、精算処理が終了されないようにする。
【0121】
上記構成によれば、精算装置30にて、該当商品についての購入意思指定操作が行われないまま、精算処理が終了してしまうことで、客が購入する意思の無い該当商品を含む合計金額による精算処理が行われてしまうことを防ぐことができる。
【0122】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算処理手段は、前記第2報知手段により報知された該当商品について登録取消指示が得られた場合に、既に代金支払いに応じて入金された現金がある場合には、前記入金された現金を排出させる。
【0123】
上記構成によれば、精算装置30にて報知された該当商品について購入意思無しの指定が行われたことに応じて、客が預かり金として入金していた現金がある場合には、入金していた現金が排出され、客に戻されるようにすることができる。これにより、例えば購入意思無しの指定に応じた該当商品の登録の取り消し後の精算を分かりやすく行える。
【0124】
(7)本実施形態の一態様は、(1)から(6)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記第1報知手段または前記第2報知手段は、前記該当商品の一覧表示により前記該当商品について報知を行う。
【0125】
上記構成によれば、該当商品を報知するにあたり、該当商品を一覧させた態様で表示させることができる。
【0126】
(8)本実施形態の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記第1報知手段または前記第2報知手段は、1つの前記該当商品の画面を、前記該当商品ごとに個別に表示することにより、前記該当商品について報知を行う。
上記構成によれば、該当商品を報知するにあたり、該当商品を個々に提示した態様で表示させることができる。
【0127】
(9)本実施形態の一態様は、(1)から(8)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算装置は、前記第2報知手段により報知された該当商品について登録取消指示が得られた場合に、店員を呼び出すための報知を行う呼出手段をさらに備える。
上記構成によれば、精算装置30にて購入意思無しが指定されたことに応じて、店員を呼びだす報知が行われる。これにより、例えば精算装置30にて購入意思無しの指定に応じた該当商品の登録の取り消しの処理を実行させる場合に、取り消しの操作を行う店員に来てもらうようにすることができる。
【0128】
(10)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を行う登録装置と、客の操作に応じて精算処理を行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記精算装置であって、一取引に対応して前記登録装置により行われた商品登録処理の結果に基づく精算処理を実行する精算処理手段と、前記一取引に対応する客の客識別情報に対応付けられた商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品であるとして前記登録装置にて報知された商品が、前記商品登録処理の結果に含まれる場合に、前記該当商品についての報知を行う報知手段とを備える精算装置である。
【0129】
(11)本実施形態の一態様は、一取引に対応する客の客識別情報に対応付けられた商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品が商品登録処理対象とされたか否かについて判定する判定手段と、前記判定手段により、該当商品が商品登録処理対象とされたことが判定された場合、前記該当商品についての報知を行う報知手段と、前記報知手段による報知された該当商品についての客の購入要否の指定が完了するまで、精算処理に利用される精算情報が出力されないようにする禁止手段とを備える登録装置である。
【0130】
(12)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を行う登録装置と、客の操作に応じて精算処理を行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記精算装置としてのコンピュータを、一取引に対応して前記登録装置により行われた商品登録処理の結果に基づく精算処理を実行する精算処理手段、前記一取引に対応する客の客識別情報に対応付けられた商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品であるとして前記登録装置にて報知された商品が、前記商品登録処理の結果に含まれる場合に、前記該当商品についての報知を行う報知手段として機能させるためのプログラムである。
【0131】
(13)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を行う登録装置と、客の操作に応じて精算処理を行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記登録装置としてのコンピュータを、一取引に対応する客の客識別情報に対応付けられた商品指定条件情報が示す条件に該当する該当商品が商品登録処理対象とされたか否かについて判定する判定手段、前記判定手段により、該当商品が商品登録処理対象とされたことが判定された場合、前記該当商品についての報知を行う報知手段、前記報知手段による報知された該当商品についての客の購入要否の指定が完了するまで、精算処理に利用される精算情報が出力されないようにする禁止手段として機能させるためのプログラムである。