(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記鏡面支持部における2枚の鏡面の形態、又は、前記鏡面支持部における前記三角柱状の形態の、前記二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面に配置された鏡面の形態は、前記基台部に配置されたカメラから見て、長方形状又は円形状又は上底を共通として構成される2つの台形状である、請求項2又は4に記載のマルチステレオカメラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したような、例えば、自動運転装置などに用いられるようなカメラに求められる性能は、自車両周囲にある他の車両や歩行者等の状況を正確に撮像することである。そのため、かかる自車両周囲の状況の正確な撮像のために、出来るだけ広い範囲の視野(画角乃至視野角)を有するカメラが用いられるが、自車両との関係で、撮像が必要な自車両周囲の他の車両や歩行者等は、一般的には水平方向に広がっており、垂直方向には、自車両が通行している路面から高さ数メートル程度の領域に限られた範囲内にある。
【0008】
したがって、自車両周囲の状況を把握するために、光軸の廻りに高視野角のカメラを使用したとしても、路面から高さ数メートル程度の領域よりも更に上部に当たる、建物の上部や上空の領域に係る部分については、画像として取得しても有効に活用されていない無駄な部分となっており、情報処理がなされたとしても、情報処理のためのリソースを無駄に消費する部分ともなっていた。
【0009】
そのため、従来の技術では、自車両周囲の状況を把握するために、高視野角のカメラを使用した場合には、無駄な領域の画像も取得してしまう、という課題があった。
【0010】
また、自車両と自車両周囲の他の車両や歩行者等の距離に関する情報を画像から取得するためには、一般的には、上述した特許文献2に記載されたようなステレオカメラが用いられる。
【0011】
しかし、上述した特許文献1に記載されたような自車両の前後左右の画像を、更にステレオ画像として取得するために、特許文献2に記載されたようなステレオカメラを用いる場合には、自車両の前後左右の各方向に、カメラがそれぞれ2台必要となり、合計8台のカメラが必要とされることになっていた。
【0012】
そのため、自車両の前後左右のステレオ画像を取得しようとする場合には、カメラの台数の増加によるコストの増加や、カメラの設置場所が多くなってしまうことによる設置場所の制限やデザイン上の問題、更に、各カメラによる画像の整合性を採るための調整が煩雑になる、等の問題が懸念されていた。
【0013】
そこで、本発明は、上記課題や問題の解決を目的とするものであり、カメラが設けられた自車両周囲の状況等を把握するために、カメラの有する視野角の有効な利用を図ると共に、1台のカメラにより、正方向とその逆方向との撮影を可能とするカメラ用支持装置を提供し、これにより、カメラの有効活用を図り、併せて、かかる課題を達成することによって、ステレオカメラと、多方向のステレオ画像の取得が可能なステレオカメラ(マルチステレオカメラ)とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明は、
カメラ用支持装置を用いるステレオカメラを2台用いるマルチステレオカメラであって、前記カメラ用支持装置は、正逆方向を同時に撮影するためのカメラ用支持装置であって、少なくとも、基台部と、前記基台部から延伸するように設けられた支柱と、前記支柱の基台部側とは反対側に設けられた鏡面支持部と、から構成され、前記基台部には、カメラが、前記鏡面支持部の方向に向けて配置され、前記鏡面支持部には、少なくとも、中心線に沿って配置された2
枚の鏡面が前記カメラのレンズ側に向くように配置されており、前記基台部に配置されたカメラが、前記中心線を境界として、前記2
枚の鏡面のうちの1 方の鏡面から反射して得られる正方向画像と、前記2 枚の鏡面のうちの他の1 方の鏡面から反射して得られる逆方向画像との、双方の画像を撮影することが可能であり、
前記ステレオカメラは、前記カメラ用支持装置2台が相互に接続され、前記相互の接続は、前記カメラ用支持装置2台の基台部相互間を、前記鏡面支持部を構成する前記中心線の延長線上の方向に、接続体を介して接続することにより行われていると共に、前記2台のカメラ用支持装置の光軸が相互に平行となるように配置されており、前記マルチステレオカメラは、前記ステレオカメラ2台が、前記接続体の略中央部で相互に接続されており、前記ステレオカメラ2台の相互の接続は、水平面に対して垂直に設けられた接続柱を介して上下に接続されると共に、前記上下の接続は、前記接続柱の上側と下側に前記接続柱に対して垂直に、前記ステレオカメラの前記接続体の前記2台のカメラ用支持装置が接続された部分から見て略中央部分を、前記上側と下側とで相互に接続することにより行われる、ことを特徴とするマルチステレオカメラを提供する。
【0015】
また、上記課題の解決は、前記鏡面支持部は、底面が二等辺三角形状に形成された三角柱状の形態を有していて、前記底面の一部で前記支柱に接続されていると共に、前記二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面の全部又は一部は鏡面になっており、前記中心線は、前記二等辺三角形状の頂角が属する前記三角柱状の形態の高さ方向の1辺であると共に、前記基台部に配置されたカメラのレンズに対向するように設けられており、前記基台部に配置されたカメラが、前記中心線である前記二等辺三角形状の頂角が属する前記三角柱状の形態の高さ方向の1辺を境界として、前記二等辺三角形状の1方の等辺部分が属する前記三角柱状の形態の側面の鏡面部分から反射して得られる正方向画像と、前記二等辺三角形状の他の1方の等辺部分が属する前記三角柱状の形態の側面の鏡面部分から反射して得られる逆方向画像との、双方の画像を撮影することが可能であることにより、或いは、前記中心線の中点部分における2つの鏡面のなす角の2等分線が、前記カメラのレンズの光軸と一致するように前記カメラが配置されていることにより、或いは、前記鏡面支持部における2枚の鏡面の形態、又は、前記鏡面支持部における前記三角柱状の形態の、前記二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面に配置された鏡面の形態は、前記基台部に配置されたカメラから見て、長方形状又は円形状又は上底を共通として構成される2つの台形状であることによ
り、更に効果的に達成される。
【0019】
また、上記課題の解決
は、前記ステレオカメラ2台の相互の接続は、前記ステレオカメラ2台を相互に直交するように行われることにより、或いは、前記基台部、前記支柱、前記鏡面支持部、前記接続体、前記接続柱について、これらの全部又は一部が、一体の部品として形成されていることにより、更に効果的に達成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるカメラ用支持装置によれば、カメラが設けられた自車両周囲の状況等を把握するために、1台のカメラが有する単一の視野の範囲内に、正方向と逆方向の双方の画像を入射させることを可能としたために、カメラの有する視野角の有効な利用を図ることが可能である。
【0021】
そして、このように、1台のカメラにより、正方向とその逆方向との撮影を可能とすることで、1台のカメラの効率的な利用を達成し、それにより、従来技術で必要とされていたカメラの台数に比べて、これを更に減少させることが可能である。
【0022】
また、本発明のカメラ用支持装置を用いたステレオカメラによれば、上記カメラ用支持装置2台を並列して用いることにより、正方向とその逆方向とについてステレオ画像を撮影することが可能であり、個々のカメラの効率的な利用を図ると共に、ステレオ撮影のために従来から必要とされていたカメラの台数を減少させることが可能である。
【0023】
また、更に、本発明によるマルチステレオカメラ(多方向ステレオカメラ)によれば、上記ステレオカメラ2台を相互に接続して用い、当該接続は例えば、接続柱を介して上下に直交して用いること等により、多方向のステレオ画像を撮影することが可能である。そのため、個々のカメラの効率的な利用を図ると共に、ステレオ撮影のために従来から必要とされていたカメラの台数を減少させることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、一方を正方向とし、当該正方向から180度異なる方向を逆方向とした場合に、正方向の画像と逆方向の画像とを1台のカメラが有する単一の視野の範囲内に入射させることで、1台のカメラで、正逆方向を同時に撮影することが可能な、正逆方向同時撮影のためのカメラ用支持装置、を基本的な発明としている。そして本発明では、更に、かかるカメラ用支持装置を用いた、ステレオカメラ、及び、かかるステレオカメラを用いたマルチステレオカメラ(多方向ステレオカメラ)を提供する。
【0026】
そこで、以下の説明では、これらについて、順次、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一の構成要素については、他の形態を採り得るものについても同一の記号を用い、重複する説明や構成については、一部省略する場合がある。また、本発明の理解を容易にするために、本発明によるカメラ用支持装置等を構成する基台部や鏡面支持部等の大きさ並びにこれらを構成する要素の大きさの比率や図面の縮尺は、実際のものとは適宜変更して表現する場合が有る。
【0027】
最初に、本発明によるカメラ用支持装置について説明する。
図1は、本発明によるカメラ用支持装置1000の例を示したものであり、(A)はその上面図、(B)は正面図、(C)は側面図、(D)は斜視図である。
【0028】
本発明によるカメラ用支持装置は、基本的には、
図1に例示したように、例えば、三角柱状の形態を有する鏡面支持部150の隣り合った2つの鏡面(151F,151B)に、前後方向、又は、左右方向等の正逆方向の画像をそれぞれ反射させて、これを基台部110に配置されたカメラCにより撮影することが可能な構成にしたものである。そして、上記基台部110と鏡面支持部150とは、支柱130により接続され、支持されるようになっている。
【0029】
そのため、本発明の例によるカメラ用支持装置1000は、少なくとも、基台部110と、基台部110から延伸するように設けられた支柱130と、支柱130の基台部110側とは反対側に設けられた鏡面支持部150と、から構成され、基台部110には、カメラCが、鏡面支持部150の方向に向けて配置され、鏡面支持部150は、底面(S1、S2)が二等辺三角形状に形成された三角柱状の形態を有していて、底面(S1、S2)の一部で支柱130に接続されており、上記三角柱状の形態のうち、二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面の全部又は一部は鏡面(151F、151B)になっている。
【0030】
上記のようなカメラ用支持装置1000の構成要素のうち、基台部110は、カメラ用支持装置1000の筐体の基台となる部分であり、かかる基台部110には撮像のためのカメラCが配置されると共に、鏡面支持部150をカメラCに対して所定の位置に配置するための支柱130が設けられている。
【0031】
そのため、上記カメラ用支持装置1000の例では、基台部110は略長方形状の平板に形成されており、その材質については特に限定を設けるものでは無いが、カメラCと支柱130とを容易に変形しないで支持できるように、金属材料などによる剛体が用いられる。
【0032】
また、かかる基台部110に対するカメラCの配置の具体的手段については、特に限定を設けるものでは無いが、カメラCをねじ止めなどにより基台部110に固定するものであっても良く、或いは、カメラCを適当な雲台を介して、基台部110に固定するものであっても構わない。但し、後述するように、カメラCは、そのレンズ及びその光軸MLを鏡面支持部150に配した鏡面(151F、151B)に対して一定の関係を採るように配置する必要が有る。そのため、必要に応じてカメラCの光軸MLの方向を微調整できるように配置することが望ましい。なお、カメラCについては、その種類は問われず、画像を撮影するものであれば、動画撮影用のものであっても、静止画撮影のものであっても構わず、可視光線用か否かも問われない。
【0033】
また、本実施形態によるカメラ用支持装置1000の例では、基台部110の形態は、略長方形状であり、その板面を水平面上に載置して、その上面にカメラCや支柱130を垂直に配置するように構成されている。
【0034】
しかし、基台部110の形態は、カメラCを配置することが可能であると共に、支柱130を接続して、鏡面支持部150に配した鏡面(151F、151B)に対して、カメラCを後述するような一定の関係に配置することが可能であれば、特に限定を設けるものでは無い。
【0035】
そのため、例えば、後述する
図8(A)で示したマルチステレオカメラ8000の例で示すように、長辺側が水平方向に延伸している長方形状の板材として形成され、その板面が水平面に対して垂直に設けられている接続体500を基台部110として用い、その側面にカメラCを配置し、支柱130を接続するようなものであっても構わない。
【0036】
次に、カメラ用支持装置1000の構成要素のうち、支柱130について説明する。支柱130は、基台部110に設けられたカメラCに対して、鏡面支持部150に設けられた鏡面(151F、151B)を対向させるために、基台部110から一定の距離を採って鏡面支持部150を配置し保持するために設けられるものである。
【0037】
そのため、本実施形態によるカメラ用支持装置1000の例では、支柱130は、基台部110に配置されたカメラCに対向する方向に鏡面支持部150を配置するために、基台110に垂直に立設して延伸するように設けられた、長辺方向に延伸している長方形状の板材体として構成され、基台部110と同様に、容易に変形しないように、金属合金などによる剛体により形成されている。
【0038】
そして、本実施形態によるカメラ用支持装置1000の例では、支柱130は、基台部110の長方形状の形態の対向する2辺のうち短辺の部分にそれぞれ設けられていて、鏡面支持部150を構成する(後述するような)三角柱状の形態を構成する2つの底面(S1、S2)の一部にそれぞれ接続されて、基台部110を構成する面と上記三角柱状の形態を構成する高さ方向の辺TLとが平行に支持されるようになっている。
【0039】
但し、本発明において支柱130は、基台部110に配置されたカメラCに対向する方向に鏡面支持部150を配置することが可能であれば、その数や形態は問われない。
【0040】
そのため、上記のように構成されなくとも、例えば、支柱130を、基台部110を構成する長方形状の形態の対向する短辺のうちの1辺の部分にのみ設ける構造とするものであっても構わない。
【0041】
また、同様に、
図8(A)に示したように、基台部110の板面が水平面に対して垂直に設けられている場合には、カメラCの配置に併せて、基台部110の板面に沿って、支柱130を設けることも可能である。
【0042】
次に、カメラ用支持装置1000の構成要素のうち、鏡面支持部150について説明する。本発明によるカメラ用支持装置では、例えば、前方の画像と後方の画像、或いは、右方の画像と左方の画像のような、正方向の画像と逆方向の画像とを、中心線に沿って配置された2枚の鏡面を使用して1つのカメラCに導く構成になっている。そして、鏡面支持部150は、このように用いられる鏡面(151F、151B)を支持して、基台部110に配置されたカメラCに対向するように設けられている。
【0043】
そのため、かかる目的を達成するために、本発明による鏡面支持部150は、
図1に加えて
図2に示したように、例えば、底面(S1、S2)が二等辺三角形状に形成された三角柱状の形態を有していて、底面(S1、S2)の一部で支柱130に接続されており、かかる三角柱状の形態のうち、上記底面を構成する二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面の全部又は一部は、鏡面(151F、151B)になっている。
【0044】
ここで、
図2は、鏡面支持部150とカメラCとの関係を模式的に表した斜視図である。そして、
図2中では、鏡面支持部150の構造を透視して表示しており、支柱130等は省略して表している。
【0045】
鏡面支持部150の構成を更に詳細に説明すると、
図1及び、
図2において示したように、本発明の鏡面支持部150を構成する三角柱状の形態は、二等辺三角形状を構成する底面S1と底面S2とを有している。そして、かかる底面S1とS2とは、それぞれ支柱130のうち、基台部110が接続された側とは反対側に接続されており、これにより、当該三角柱状の形態を有する鏡面支持部150は、高さ方向の辺TLが基台部110と平行になるように配設されている。
【0046】
そのため、カメラCの光軸をMLとした場合には、鏡面支持部150を構成する三角柱状の形態のうち、二等辺三角形状の頂角の部分をTとした場合に、当該頂角Tの属する三角柱形状の高さ方向の辺を上記のようにTLとし、これを中心線と定義すると、当該TLは、カメラの光軸MLに対して、垂直に配置されるようになっている。
【0047】
また、同じく鏡面支持部150を構成する三角柱状の形態のうち、二等辺三角形状の2つの等辺が属する側面の全部又は一部は、それぞれが鏡面(151F、151B)になっていて、例えば、後述する
図6に示す、前方の風景FVの画像や、後方の風景BVの画像を、かかる鏡面を介して、カメラC方向に反射出来るように構成されている。
【0048】
なお、ここで、上述した三角柱形状の形態を構成する二等辺三角形状の2つの等辺が属する側面の一部でも鏡面となっていれば良いこととしたのは、上述した二等辺三角形状の2つの等辺が属する側面全部を鏡面としなくとも、使用されるカメラCの画角(視野角)に応じて、鏡面とする領域を設けることが可能である旨を考慮したためである。
【0049】
そのため、かかる鏡面の領域は、使用されるカメラCにより上記鏡面(151F、151B)を見た場合に、鏡面の領域がカメラCの視野角の範囲と同一若しくはこれを超える程度であれば、特に限定を設けるものでは無い。したがって、上記二等辺三角形状の等辺部分が属する2つの側面に配置された鏡面(151F、151B)の形態は、例えば、
図3に記載したように、基台部110に配置されるカメラCの視野角に応じて、当該カメラCから見て、
図3(A)に記載したように長方形状であっても、又は、
図3(B)に記載したように円形状であっても、或いは、
図3(C)に記載したように、中心線TLの部分で上底を共通として構成される2つの台形状であっても構わない。なお、ここで
図3は、カメラCの方向から見た、鏡面支持部150における鏡面(151F、151B)の形態の例を示した図である。
【0050】
また、
図2に戻って説明を続けると、本発明によるカメラ用支持装置1000の例では、鏡面支持部150における三角柱形状の形態の、高さ方向の辺TL(すなわち中心線)の中点部分Mにおける、2つの底面S1又はS2と平行な断面S3を構成する二等辺三角形状の頂角Tの角度φの2等分線が、カメラCのレンズの光軸MLと一致するように、カメラCが配置されている。言い換えれば、中心線TLの中点部分Mにおける2つの鏡面(151F、151B)のなす角φの2等分線が、カメラCのレンズの光軸MLと一致するようにカメラCが配置されている、
そのため、本発明の例によるカメラ用支持装置1000の光軸KLは、鏡面支持部150を構成する三角柱形状の形態の高さ方向の辺TLに対して垂直な線上にあるところ、上記のように構成することで、
図4(A)に示したように、鏡面支持部150のカメラCに対する視野角が、上記三角柱形状の形態の、高さ方向に対して最も広い視野角を取れる位置、すなわち鏡面(151F、151B)の幾何学中心の位置で、上記二等辺三角形状の頂角Tの角度φの2等分線とカメラCのレンズの光軸MLとを一致させることが可能である。
【0051】
なお、ここで
図4は本発明の例によるカメラ用支持装置1000の光軸の例を示したものであり、(A)は、
図1(A)に記載したと同様に本装置を上面から見た場合に、カメラCの配置に併せて、カメラ用支持装置1000の光軸KLを一点鎖線で表したものである。
【0052】
そして、
図4(A)中で、前方と後方と表記したのは、基台部110に配置されたカメラCの位置に併せて、鏡面支持部150のうち、前方に向けた鏡面151Fにより前方方向に対して有する光軸KLと、鏡面支持部150のうち、後方に向けた鏡面151Bにより後方方向に対して有する光軸KLとの方向を表示する趣旨である。
【0053】
また、
図4(B)は、鏡面支持部150とカメラCとの配置の関係及びこれらの視野角を、
図1(C)に記載したと同様に、本装置1000を水平面上に載置した場合の側面図として示したものである。なお、ここでは、支柱130については省略して示しており、図中の一点鎖線は、カメラCの視野角の前方方向の視野の外縁を表し、二点鎖線は、カメラCの視野角の後方方向の視野の外縁を表している。また、
図4(B)中の点線は、前方及び後方に対する視野角の中心線CLf及びCLbを表し、実線で表したHLは、かかるCLf及びCLbと鏡面(151F、151B)上で接する水平線を示しており、θfとθbは、かかるCLf及びCLbにおけるそれぞれの水平線HLとの偏差角を表している。
【0054】
図4(B)に示したように、鏡面支持部150を構成する三角柱形状の形態を構成する二等辺三角形状の頂角Tの角度φは、カメラCの視野角αよりも広いものが用いられる。そして、本発明による実施形態であるカメラ用支持装置1000の場合には、かかるカメラCの光軸MLは、上記のように、かかる角度φの二等分線と一致させているために、前方及び後方のそれぞれに対して、垂直方向に対して、カメラCの視野角αの半分であるα/2の視野角を得ることが可能である。
【0055】
また、かかる、前方方向の視野角の中心線CLfの水平線に対する偏差角(角度θf)は、
図4(B)の例では、水平線HLに対してマイナス方向(下方)に向いており、後方方向についても同様であるが、かかる偏差角は、カメラCの視野角αや上記角度φなどを調整することにより任意に調整が可能である。
【0056】
なお、本発明によるカメラ用支持装置1000の例では、上述のように、カメラCの視野角αの半分ずつを前方と後方に均等に振り分けており、水平線HLに対する偏差角も前方と後方とで同様に形成している。しかし、例えば、
図5で示したような構成を採用することにより、用途に応じて、前方の視野角の方を後方に比べて大きくしたり、或いは、前方と後方とで、水平線からの偏差角を異なるものとしたりすることも可能である。
【0057】
ここで、
図5は、本発明による鏡面支持部を構成する三角柱形状の形態の配置の例を示したものであり、
図5(A)は、上記三角柱形状を構成する底面の頂角Tの二等分線T2LをカメラCの光軸MLから後方へシフトした例を示した側面図であり、
図5(B)は、かかる二等分線T2LをカメラCの光軸MLから傾けた例を示した側面図である。そして、例えば、
図5(A)に示したように、三角柱形状の形態の上記頂角Tの二等分線T2LをカメラCの光軸MLから後方へシフトした場合には、後方に比べて前方の垂直方向のカメラCの視野角を拡大することが可能であり、
図5(B)に記載したように、上記二等分線T2LをカメラCの光軸MLから後方へ傾けた場合にも同様に、後方に比べて前方の垂直方向のカメラCの視野角を拡大することが可能である。そして、これらの構成については更に、これらを組み合わせて使用することも可能である。
【0058】
なお、本発明の例においては、鏡面支持部150は三角柱形状の形態を採用しているが、かかる三角柱形状の形態を採用する趣旨は、2つの鏡面を適当な角度に保持して、カメラに対向させることを目的としているためである。そのため、かかる三角柱形状の形態については、必ずしも全面が閉局面に囲まれたものでは無く、例えば、フレームにより三角柱形状の形態を構成したものでも良い。また、更には、全体の形態自体も三角柱形状に限らずに、例えば、鏡面を「く」の字状に折り曲げたような形態を採用し、その変曲点部分の両端等を支柱で支持するようなものであっても構わない。
【0059】
また、かかる三角柱形状の形態を構成する底面(S1、S2)の二等辺三角形状の頂角の大きさ等については、カメラCの視野角に応じて決定されるが、例えば、頂角を128.77±0.5degに設定し、これに併せて、上記二等辺三角形状の等辺の長さを55mm、三角柱形状の高さを142mmなどに設定することが可能である。また、基台部110と支柱130との接続に当たっては、例えば、水平方向に対する接続角度等に、予め、遊び(組立て上の余裕)を設けておき、カメラCを配置した場合などの調整が容易なように構成しておくことも可能である。
【0060】
なお、本発明の上述の例においては、カメラ用支持装置を構成する各要素である、基台部、支柱、鏡面支持部等については、それぞれ別個に構成されている。しかし、本発明では、上記各構成要素が本発明の趣旨の範囲でその機能を発揮すれば良い為、これらの構成要素については、その全部又は一部が一体の部品として形成されたものでも良く、同様に、後述する接続体や接続柱も、これらの構成要素と共に、或いは、これらの構成要素の一部と一体の部品として形成されているものでも構わない。
【0061】
次に、
図6を参照しつつ、本発明によるカメラ用支持装置1000の例による使用例を説明する。ここで、
図6(A)は、本発明の例によるカメラ用支持装置1000の撮像可能な方向を示す例を示した斜視図であり、図中では、正方向を図中の太い実線で示した矢印のように前方とし、逆方向を後方としている。また、
図6(B)は、本発明の例によるカメラ用支持装置を
図6(A)のように配置した場合において、カメラCにより得られる画像の例を示したものである。
【0062】
本発明では、
図6(A)で示したように、前方の風景FVを鏡面支持部150の前方方向に設けられた鏡面151Fを介して、また、後方の風景BVを鏡面支持部150の後方方向に設けられた鏡面151Bを介して、カメラCの方向に反射させて導くようになっている。
【0063】
そして、かかるカメラCにおいては、
図6(B)に示したように、鏡面支持部150を構成する2つの底面(S1、S2)の二等辺三角形状の頂角Tが属する三角柱状の形態の高さ方向の1辺TLを境界として、当該二等辺三角形状の1方の等辺部分が属する三角柱状の形態の側面の鏡面151F部分から反射して得られる前方画像Fvと、上記二等辺三角形状の他の1方の等辺部分が属する三角柱状の形態の側面の鏡面151B部分から反射して得られる後方画像Bvとの、双方の画像を撮影することが可能である。
【0064】
したがって、本発明によるカメラ用支持装置によれば、例えば、カメラが設けられた自車両周囲の状況等を把握するために、1台のカメラが有する単一の視野の範囲内に、正方向と逆方向の双方の画像を入射させることを可能としたために、カメラの有する視野角の有効な利用を図ることが可能である。
【0065】
そして、このように、1台のカメラにより、正方向とその逆方向との撮影を可能とすることで、1台のカメラの効率的な利用を達成し、それにより、従来技術で必要とされていたカメラの台数に比べて、これを更に減少させることが可能である。
【0066】
次に、本発明によるカメラ用支持装置を用いたステレオカメラについて、
図7を参照しつつ説明する。ここで、
図7は、本発明によるステレオカメラ7000及びこれを用いて得られる画像を例示したものであり、(A)はステレオカメラ7000の正面図、(B)は上面図であり、(C)はかかるステレオカメラ7000により撮像されるステレオ画像の例を示したものである。
【0067】
本発明によるステレオカメラ7000は、基本的には上述したカメラ用支持装置1000をベースとしたものであり、上記カメラ用支持装置1000が2台用いられており、これら2台が相互に接続されている。
【0068】
そして、かかる相互の接続は、2台用いられるカメラ用支持装置1000の基台部110相互間を、鏡面支持部150を構成する三角柱状の形態の高さ方向の辺(例えば、TL)の延長線上の方向、言い換えれば、鏡面支持部150を構成する三角柱状の形態の高さ方向を延長した場合に、これらの三角柱状の形態が相互に重なり合うような方向に、接続体500を介して接続することにより行われている。
【0069】
そして、かかる接続体500の構成については、特に限定を設けるものでは無いが、本発明によるステレオカメラ7000の例では、長辺部分を延伸させた長方形状の板状体が用いられており、かかる板状体の長辺側の両側方向にそれぞれカメラ用支持装置1000が配置されるようになっている。
【0070】
そのため、接続体500の素材は、かかるカメラ用支持装置1000の荷重を支えられるだけの強度を有し、安定したステレオ画像の取得のために容易に変形や捻じりが生じないことが求められることから、金属合金などによる剛体が使用される。なお、本ステレオカメラ7000に用いられる接続体500については、カメラ用支持装置1000の基台部110を兼ねて構成されており、このように構成することによって、カメラCや支柱130を接続体500に接続配置することも可能である。
【0071】
また、上記カメラ用支持装置1000の接続は、更に、
図7(B)に示したように、上記2台のカメラ用支持装置の光軸KLが相互に平行となるように行われている。
【0072】
そのため、これら2つのカメラ用支持装置1000を用いたステレオカメラ7000では、カメラCを基台部110に配置して水平面上に載置した場合には、かかる基台部110に配置された2つのカメラCについて、平行等位の関係が容易に得られるように構成されている。なお、この際用いられるカメラCは少なくとも視野角と焦点距離とが同一のものが望ましい。
【0073】
そして、本発明によるステレオカメラ7000では、
図7(B)に例示したように、同図の上側を前方、下側を後方とし、右側を右方、左側を左方とし、同図中の左側に配置されたカメラ用支持装置1000を1000(L)、右側に配置されたカメラ用支持装置1000を1000(R)とし、同図中の左側に配置されたカメラ用支持装置1000(L)に設けられたカメラCをC(L)、右側に配置されたカメラ用支持装置1000(R)に設けられたカメラCをC(R)とすると、カメラC(L)とカメラC(R)により取得できる画像は、次の
図7(C)に示したようなものとなる。
【0074】
すなわち、本発明によるカメラ用支持装置1000では、例えば、前方と後方のような正逆方向の画像を1台のカメラで同時に取得することが可能である。そのため、これをステレオカメラとして用いた場合には、
図7(C)に示したように、正面に対して左側に配置された1台のカメラ用支持装置1000(L)のカメラC(L)により、ステレオカメラ7000の左前方画像LFvと左後方画像LBvの取得が可能であり、同様に、右側に配置された1台のカメラ用支持装置1000(R)のカメラC(R)により、ステレオカメラ7000の右前方画像RFvと右後方画像RBvの取得が可能である。
【0075】
したがって、かかる本発明の例によるステレオカメラ7000によれば、
図7(C)に示したように、前方ステレオ画像SFvと後方ステレオ画像SBvとを同時に取得することが可能である。
【0076】
そのため、本発明のカメラ用支持装置1000を用いたステレオカメラ7000によれば、カメラ用支持装置2台を並列して用いることにより、正方向とその逆方向とについてステレオ画像(SFv、SBv)を撮影することが可能であり、個々のカメラCの効率的な利用を図ると共に、ステレオ撮影に必要とされるカメラの台数を、従来技術を用いた場合よりも更に減少させることが可能である。
【0077】
次に、本発明によるカメラ用支持装置を用いたマルチステレオカメラについて、
図8を参照しつつ説明する。ここで、
図8(A)は、本発明によるマルチステレオカメラ8000の斜視図を示したものであり、
図8(B)は、その上面図を示したものである。
【0078】
図8(A)に例示したように、本発明によるマルチステレオカメラ8000では、本発明によるステレオカメラ2000を2台使用しており、これを相互に接続する構成を採用している。なお、
図8に示したステレオカメラ2000の例は、
図7に示したものとは異なり、接続体500の板面が垂直方向を向いた構成を有しているが、基本的な構成は同様である。
【0079】
そして、かかる相互の接続は、例えば、
図8(A)に示したように、ステレオカメラ2台が、1台のステレオカメラを水平面上に載置した場合に垂直方向に立設した接続柱600を介して上下に接続されるようになっている。
【0080】
そのため、かかる水平面上に載置される1台のステレオカメラから見た場合には、接続柱600は、接続体500の延伸された長辺方向に対して垂直に接続されることになる。
【0081】
また、2つのステレオカメラの上下の接続は、接続柱600の上側と下側に、当該接続柱600に対して垂直に、ステレオカメラの筐体の中心部分である接続体500が垂直になるように行われており、さらに当該接続体500の2台のカメラ用支持装置が接続された部分から見て略中央部分MPを、前記上側と下側とで相互に直交するように行われている。なお、ここで、略中央部分としたのは、厳密に中央部とする趣旨ではなく、カメラの視界を遮らない範囲で接続を行なえば足りるとする趣旨である。
【0082】
また、接続柱600の素材は、本発明の例によるマルチステレオカメラ8000において、例えば、ステレオカメラ2000を上下方向に2台直交して設けた状態で、全体の形態を一定に維持するための強度が必要とされており、上述した接続体500等と同様に金属合金などを用いた剛体により構成される。なお、上記マルチステレオカメラの例では、接続柱600の下面に台座630を設けているが、このような構成により、接続柱600による接続の安定を向上させると共に、かかるマルチステレオカメラ8000を水平面上に載置した場合の安定性の向上を図ることも可能である。
【0083】
また、このように2つのステレオカメラ2000を直交して配置させることにより、それぞれのステレオカメラの光軸KLは、
図8(B)に示したように、直交することになる。
【0084】
そのため、このように配置することにより、本発明によるマルチステレオカメラ8000では、前後方向及び左右方向のステレオ画像を同時に取得することが可能である。
【0085】
したがって、例えば、このように構成される
図9(A)に示したようなマルチステレオカメラ9000によれば、
図9(B)に示したように、前方ステレオ画像SFvと後方ステレオ画像SBv、及び、左方ステレオ画像SLvと右方ステレオ画像SRvとを同時に取得することが可能であり、更に、カメラCの視野角を適当に調整すれば、全方位についてのステレオ画像を取得することも可能である。なお、ここで、
図9(A)は、
図8に示したものとは異なるマルチステレオカメラ9000の例を示した正面図であり、
図9(B)は、その水平方向での視野角の例を、当該マルチステレオカメラ9000の上方から見た場合を示したものである。
【0086】
そのため、本発明によるマルチステレオカメラによれば、上記ステレオカメラ2台を、例えば、接続柱を介して上下に直交して用いることにより、多方向のステレオ画像(マルチステレオ画像)を撮影することが可能であり、個々のカメラの効率的な利用を図ると共に、ステレオ撮影に必要とされるカメラの台数を、従来技術によるものよりも更に減少させることが可能である。
【0087】
なお、上述したカメラ用支持装置及びステレオカメラ並びにマルチステレオカメラの各構成例は例示であるため、上記の構成に限定を設けるものでは無く、かかる構成例及びその構成要素は、本発明の趣旨の範囲で、他の形態を選択することも可能である。
【0088】
そのため、例えば、本発明によるカメラ用支持装置を構成する三角柱形状の形態の底面は、必ずしも二等辺三角形状に限定されるものでは無い。したがって、取得したい前方画像或いは後方画像に応じて、カメラCの光軸MLに対する鏡面151Fと151Bとの角度を、予め当該三角柱形状の形態の底面を構成する三角形状の形態の内角の角度を適宜調整して構成しておくことで決定することも可能である。
【0089】
また、本発明によるカメラ用支持装置を構成する鏡面支持部の鏡面の種類は特に限定を設けるものでは無い為、必ずしも平面鏡に限らず、カメラCの視野角などに応じて、凸面鏡や凹面鏡、或いはフレネル鏡等を用いることも可能である。
【0090】
また、更に、本発明によるマルチステレオカメラ8000や9000の例では、2つのステレオカメラを直交させて用いている。しかし、かかる構成に限らずに、例えば、
図10で示したように、正逆方向でステレオ画像を取得したい領域に応じて、2つのステレオカメラを直交させずに用いることも当然に可能である。
【0091】
すなわち、
図10は、実線で示すステレオカメラ9500Aと鎖線で示す9500Bとを接続柱600を介して上下で相互に接続しているものの、かかる相互の接続を、それぞれの有する接続体500を直交させずに行っている例と、その視野角とを示したものである。
【0092】
そして、このような構成を用いた場合には、
図10に太い実線で示すステレオカメラ9500Aにより撮像可能な前方ステレオ画像の領域SFv(A)及び、後方ステレオ画像の領域SBv(A)と、太い鎖線で示すステレオカメラ9500Bにより撮像可能な前方ステレオ画像の領域SFv(B)及び、後方ステレオ画像の領域SBv(B)とが、特定の方向に対して隣接して得られるように設けることも可能である。したがって、本発明によるマルチステレオカメラでは、カメラの視野角等に応じて、多方向のステレオ画像を選択的に取得することも可能である。
【0093】
また、上記本発明によるマルチステレオカメラ8000や9000の構成例では、ステレオカメラ2台を接続柱600を介して上下に接続しているが、これに限らずに、接続柱600を使わず高さに差を付けることなく、2つのステレオカメラを水平面上に十字状等に接続しても良い。但し、その場合には、カメラの視野角によっては、一方のステレオカメラの視野に他方のステレオカメラが写り込む場合もあり得るが、これらはマルチステレオカメラの用い方や、画像データの処理等に応じて調整可能である。またこのように、水平面上に2つのステレオカメラを配置した場合には、各カメラ用支持装置の基台部を接続体を兼ねたものとして構成し、これらを一体化して用いることも可能である。