(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に卓上で使用される鉛筆削り器として、鉛筆の芯の尖がり状態を選択できる機能を備えるものがある。このような鉛筆削り器では、鉛筆の芯の先端部に接触して、芯の位置を定める部材を鉛筆削り器の回転刃部の内側に位置変更可能に配置して、鉛筆の回転刃部に対する挿入位置を定め芯の尖がり状態を設定している。
【0003】
しかし、鉛筆を削るにあたっては、芯の尖がり状態の他に、鉛筆軸の削り角度を選択できることが望まれる。
【0004】
即ち、小学校低学年児童が使用する鉛筆の芯は軟らかく(例えば2B−4B)、また強い筆圧で使用される。このため、芯の折れ防止を図るため、一般に使用される鉛筆(例えば硬度がH、HB、B等)の削り角度(例えば20度)より大きな削り角度(例えば26度)とすることが望ましい。
【0005】
また、色鉛筆は芯の強度が一般の鉛筆より弱いため、同様に大きな削り角度(例えば35度)とすることが望ましい。
【0006】
このため、従来より、卓上で使用する鉛筆削り器として用途や鉛筆の種類によって削り角度を最適とされる角度に設定できる鉛筆削り器が望まれている。
【0007】
鉛筆の削り角度を変更できる鉛筆削り器として、特許文献1には、切削ロールの軸の一端を、出入自在の楔で支承することにより、切削ロールの傾斜を変化し得る鉛筆削器が記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明を実施するための形態に係る鉛筆削り器について説明する。
【0058】
<第1実施形態>
以下本発明の第1実施形形態に係る鉛筆削り器について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る鉛筆削り器の外観を示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は平面図である。
【0059】
まず鉛筆削り器10の外観について説明する。
図1に示すように、鉛筆削り器10は、前部材11Aと後部材11Bとから形成された本体11に、削り角度設定用の回転ダイヤル12、鉛筆の挿入孔13、ハンドル14、削りかすケース15を備えて構成されている。
【0060】
回転ダイヤル12には、裏面に位置する本体11に表示された削り程度を示す鉛筆のアイコン及び硬度(HB、B等の文字)を視認するための一対の表示窓16、17が開設され、更に回転ダイヤル12には回転ダイヤル12の回転位置を示す方向表示部18が配置されている。なお、回転ダイヤル12、表示窓16、17、方向表示部18の形状等はこの例に限らず、他の形状、デザインでも差し支えない。
【0061】
本実施形態に係る鉛筆削り器10では、
図10に示すように、鉛筆を3段階、
硬度HB−2Bに適した削り角度20度、
硬度2B−4Bに適した削り角度26度、
硬度6Bや色鉛筆に適した削り角度35度で削ることができる。
【0062】
このように、鉛筆の削り角度を選択できるようにするため、本実施形態に係る鉛筆削り器10は、
図2及び
図3に示すように、鉛筆Pの削り機構20と、挿入孔13に挿入された鉛筆Pを回転方向に保持するとともに削り方向に送る送り機構70と、を備える。本実施形態に係る鉛筆削り器10において、送り機構70の構成は公知であり、一般の鉛筆削り器と同様の構成を備える。
【0063】
図2は同鉛筆削り器の削り内部構造を示すものであり、(a)は削り角度20度、(b)は削り角度26度、(c)は削り角度35度の場合について示し、それぞれ(i)はダイヤルを示す正面図、(ii)は内部の状態を示す
図1(a)の従断面図、
図3は同鉛筆削り器の内部構造を示す断面図である。また、
図4は同鉛筆削り器における削り角度の設定状態示すものであり、(a)は削り角度20度、(b)は削り角度26度、(c)は削り角度35度における鉛筆削り器の内部を示す斜視図、
図5は同鉛筆削り器の削り角度の設定状態を示すものであり、(a)は削り角度35度、(b)は削り角度26度、(c)は削り角度20度の内部状態を示す断面図である。
【0064】
図3及び
図5に示すように、削り機構20は、回転刃部21と、刃保持部材22と、保持部23と、弾性部材24と、角度決定部材として機能する第1円筒部材40と、刃部角度保持部材として機能する第2円筒部材50とを備える。
【0065】
本実施形態では、第1円筒部材40は外部の回転ダイヤル12により回転駆動可能であり、側壁部42にカム溝43を備えている。同じく第2円筒部材50は第1円筒部材40内に配置され、カム溝43に嵌まり込む突起部58を備えている。第1円筒部材40を回転駆動すると第2円筒部材50が挿入軸OPに沿って前後動して角度保持内面部50Aに接触する刃保持部材22の挿入軸OPに対する角度を変更する。
【0066】
回転刃部21は、ハンドル14の回転によって駆動されるハンドルギア60により、鉛筆Pの先端部に対して回転駆動される。回転刃部21は公知のスパイラル歯を備える。回転刃部21は、鉛筆Pの回りを公転しつつ自転して鉛筆Pを削る。
【0067】
刃保持部材22は、回転刃部21を回転可能に保持する。また、刃保持部材22は、刃保持部材22に設定された傾動軸Oを中心として揺動可能であり、刃保持部材22、即ち回転刃部21が挿入軸OPとなす角度を可変としている。
【0068】
また、刃保持部材22は、ハンドル14の回転操作により、保持部23に保持された鉛筆Pの周囲を公転する。この機構は公知である、また、刃保持部材22は、ローラ部材として構成された転動部材25の軸26を保持する転動軸保持部22Aを備えている。本実施形態において、転動部材25の公転半径が後述する第2円筒部材50の角度保持内面部50Aのへの接触位置で決定され、これにより回転刃部21の挿入軸OPに対する傾斜角度が設定される。
【0069】
弾性部材24は、回転刃部21を保持した刃保持部材22を挿入軸OPとの傾斜角度が増す方向への付勢力としての回転力(図中時計回りの力)を付与する。本実施形態では、弾性部材24としてねじりスプリングを使用している。
【0070】
次に第1円筒部材40について説明する。
図2及び
図3に示すように、第1円筒部材40は、第2円筒部材50より大径に形成されている。第1円筒部材40は、底部41と側壁部42とを備える。第1円筒部材40は、底部41において回転ダイヤル12に連結部材31により接続されており、回転ダイヤル12を回転操作すると回転駆動されて回転する。回転ダイヤル12は角度決定部材を構成する。
【0071】
第1円筒部材40の側壁部42には、2本のカム溝43、43が形成されている。このカム溝43、43には、後述する第2円筒部材50の外周面に形成された突起部58が係合し、第2円筒部材50を挿入軸OPに沿って直線運動(前後動)させる。カム溝43、43は、第1円筒部材40の母線に対して傾斜して、挿入軸OPを軸とした対称位置に形成されている。第1円筒部材40を回転させることにより、係合した第2円筒部材50の突起部58、58を前後方向に駆動して、第2円筒部材50を前後に移動させる。
【0072】
次に第2円筒部材50について説明する。
図2及び
図4に示すように、第2円筒部材50は、角度保持内面部50Aが上述した刃保持部材22の転動部材25に接触して、回転刃部21の傾斜角度を指定された角度に保持する。
【0073】
第2円筒部材50は、前後動だけが可能に配置され、外周面に第1円筒部材40のカム溝43、43に嵌まる突起部58、58が形成されている。第1円筒部材40を回転駆動することにより、第2円筒部材50は挿入軸OPに沿って前後方向に移動する。
【0074】
第2円筒部材50は、挿入軸OPに沿って配置される。第2円筒部材50は、挿入軸OPを軸とし挿入軸OPに沿って異なる半径を備える回転面で形成された角度保持内面部50Aを備える。また、第2円筒部材50の外側面には、上述した2本の突起部58、58が突出形成されている。
【0075】
また、第2円筒部材50には、本体11の内部に対向して形成された2組のガイドレール19、19に嵌めこまれ、第2円筒部材50の回転を禁止し、第2円筒部材50を挿入軸OPに沿って直線運動だけを許容する2つの案内突起56、56を備える。
【0076】
本実施形態では、角度保持内面部50Aは、
図3に示すように、異なる半径の内周を備えた複数、本例では3つの短円筒内面部51、52、53と、この短円筒内面部51、52、53を接続する2つ円錐状内面部54、55を備えている。転動部材25は、角度保持内面部50Aの短円筒内面部51、52、53のうち、回転ダイヤル12及び第1円筒部材40の操作で設定された面に沿って転動する。
【0077】
本例では、短円筒内面部51に転動部材25が接触することにより削り角度20度、同じく短円筒内面部52により削り角度26度、同じく短円筒内面部53により削り角度35度を設定する。なお、転動部材としてはローラ部材の他の構成を備える部材、例えば転動可能な球形部材等を使用することができる。
【0078】
次に回転ダイヤル12について説明する。
図1及び
図2に示すように、回転ダイヤル12には、2つの表示窓16、17と、方向表示部18とを備える。本実施形態では、表示窓16、17は開口しており、回転ダイヤル12の裏面に形成されたダイヤル基板30に記載されたアイコン、文字等を視認できる。
【0079】
ダイヤル基板30には、
図10に示した、鉛筆の削り状態を示す3種類のアイコン(鉛筆画像)が表示され、表示窓16を通して観察できる。またダイヤル基板30には、
図10に示した、芯の硬度を示す種類の文字(「HB−2B」、「2B−4B」、「6B−色鉛筆」)が表示され、表示窓17を通して観察できる。また、本体11の上面には、方向表示部18の指示する個所に削った鉛筆のアイコンが表示されている。なお、回転ダイヤル12、表示窓16、17、方向表示部18の形状は。必要に応じてその形状を適宜変更することができる。
【0080】
図2(a)に示すように、回転ダイヤル12の方向表示部18が上を向き、20度に設定されている状態では、鉛筆削り器10は鉛筆を20度の削り角で削る設定となっている。このとき、表示窓16には
図10(a)に示す鉛筆のアイコン、表示窓17には適合する鉛筆の硬度(HB−2B)が表示されている。同様に、回転ダイヤル12を回転させて、
図2(b)の状態では26度のアイコン及び適合する鉛筆のアイコン及び硬度(2B−4B)、
図2(c)の状態では35度のアイコン及び硬度(6B−色鉛筆)が表示される。なお、これらのアイコンや文字はその形状や内容を必要に応じて変更することができる。
【0081】
よって、使用者は、方向表示部18の位置、方向表示部18が示す本体11上面のアイコンに加えて、表示窓16から観察できるアイコン、表示窓17から観察できる芯の硬度で、現在の鉛筆削り器10の削り状態を把握できる。
【0082】
次に第1実施形態に係る鉛筆削り器10の作用について説明する。まず、使用者は、鉛筆の削り状態を選択する。この選択は鉛筆の種類、鉛筆の硬度や使用状態により行う。硬度がHB−2Bのとき削り角度20度、硬度が2B−4Bのとき、削り角度26度、硬度6B以上や色鉛筆のとき削り角度35度が好適である。なお、使用者が小学校低学年児童であるときは、削り角度を大きくすることが望ましい。
【0083】
削り角度は、
図2、
図4及び
図5に示すように、回転ダイヤル12を回転して、所望の角度を設定する位置に配置する。使用者は、回転ダイヤル12の方向表示部18の位置、方向表示部18が指示する本体11の上面のアイコン、表示窓16に表示されるアイコン、表示窓17に表示される鉛筆の硬度を視認して鉛筆の削り角度を選択する。
【0084】
回転ダイヤル12を回転すると、
図2、
図4及び
図5に示すように、回転ダイヤル12の回転に伴い第1円筒部材40が回転する。これにより、第1円筒部材40のカム溝43が回転して第2円筒部材50の突起部58を案内する。このとき、第2円筒部材50は、挿入軸OPに沿った移動しかできないため、挿入軸OPに沿って前後方向に移動して、指定の位置に配置される。
【0085】
すると、刃保持部材22の転動部材25は、任意の位置から角度保持内面部50A内面を転動して回転ダイヤル12で指定された位置、例えば短円筒内面部51に接触する。なお、回転ダイヤル12の回転時にはハンドル14を回転させると、角度保持内面部50Aにおける転動部材25の移動が円滑になる。
【0086】
この状態で、刃保持部材22は挿入軸OPに対して指定された角度となり、鉛筆を挿入孔13に挿入して保持部23で保持しつつ、ハンドル14を回転させると、鉛筆Pは、送り機構70で送られつつ回転刃部21により指定した削り角度で削ることができる。
【0087】
次に鉛筆削り器10の効果について説明する。本実施形態に係る鉛筆削り器10によれば、芯の硬度に適合する削り角度を回転ダイヤル12で簡単に指定することができる。
【0088】
また、削り機構20において、回転刃部21は、刃保持部材22の転動部材25と第2円筒部材50の角度保持内面部50Aとで確実に保持されているので、回転刃部21がぶれることなく、安定して鉛筆を削ることができる。
【0089】
なお、上記実施形態では、角度保持内面部50Aの短円筒内面部の数を3としたが、この数は、2、又は4以上とすることができる。
【0090】
<第2実施形態>
図6(a)は第2実施形態に係る鉛筆削り器の一部正面図、(b)は第2実施形態に係る鉛筆削り器の断面図である。本発明の第2実勢形態である鉛筆削り器110について説明する。本実施形態に係る鉛筆削り器110には、鉛筆削り器110の本体11の上面に突出して第1円筒部材40を回転駆動するつまみ部材111を角度決定部材として備えるものである。
【0091】
その他の構成は第1実施形態に係る鉛筆削り器と同じであるので、同一の部材には同一の符号を付して省略する。
【0092】
本実施形態に係る鉛筆削り器110によれば、構成部材の点数を削減して簡単な構成とできるので、簡単に削り角度を安定して設定できる鉛筆削り器を安価に提供できる。
【0093】
<第3実施形態>
図6(c)は第3実施形態に係る鉛筆削り器の断面図である。本実施形態に係る鉛筆削り器120において、刃部角度保持部材である第2円筒部材50の角度保持内面部50Aを、挿入軸OPに沿って、内面の半径が線形に変化する円錐状内面部121としている。その他の構成は第1実施形態に係る鉛筆削り器と同じであるので、同一の部材には同一の符号を付して省略する。
【0094】
本実施形態に係る鉛筆削り器120によれば、回転刃部21の挿入軸OPに対する削り角度を芯の硬度に適合する所望の角度に連続的に設定でき、鉛筆の削り角度を連続的に変更できる。
【0095】
<第4実施形態>
図7(a)は第4実施形態に係る鉛筆削り器の断面図である。本実施形態に係る鉛筆削り器130は、鉛筆削り器130の本体11の上面に突出して、連結部材132で第2円筒部材50に連結され、第2円筒部材50を挿入軸OPに沿って移動するスライド部材131を角度決定部材として備えるものである。本鉛筆削り器130には、第1実施形態の鉛筆削り器10の回転ダイヤル12や第1円筒部材40は具備していない。その他の構成は第1実施形態に係る鉛筆削り器10と同じであるので、同一の部材には同一の符号を付して省略する。
【0096】
本実施形態に係る鉛筆削り器130によれば、簡単に削り角度を安定して設定できる鉛筆削り器を安価に提供できる。
【0097】
<第5実施形態>
図7(b)は第5実施形態に係る鉛筆削り器の断面図である。本実施形態に係る鉛筆削り器140は、角度決定部材としてレバー部材141を備えている。レバー部材141は、一端側に鉛筆削り器の本体11に配置された支点142を備え、他端を操作する力点として、力点と支点142との間に刃部角度保持部材である第2円筒部材50との接合部143を備える。これにより、第2円筒部材50を挿入軸OPに沿って直線動作させる。本鉛筆削り器140には、第1実施形態の鉛筆削り器10の回転ダイヤル12や第1円筒部材40は具備していない。その他の構成は第1実施形態に係る鉛筆削り器10と同じであるので、同一の部材には同一の符号を付して省略する。
【0098】
本実施形態に係る鉛筆削り器140によれば、レバー部材141により、小さな力で簡単に削り角度を安定して設定できる。
【0099】
<第6実施形態>
図8(a)は第6実施形態に係る鉛筆削り器の断面図である。本実施形態に係る鉛筆削り器150は、回転刃部21の刃保持部材22を取付け側と挿入軸OPを対称軸として転動部材25と対称の位置に第2の転動部材151を配置している。第2の転動部材151は、傾動軸O1を中心に揺動するアーム部材152の先端に転動可能に配置され、第2円筒部材50の移動に伴って角度保持内面部50Aに接触して転動する。
【0100】
本実施形態に係る鉛筆削り器150によれば、転動部材25と対象位置に第2の転動部材151を備えるので、第2円筒部材50に偏った力が加わることなく、第2円筒部材50を安定して駆動させることができる。
【0101】
<第7実施形態>
図8(b)は第7実施形態に係る鉛筆削り器の断面図、(c)はカムの一例を示す正面図である。本実施形態に係る鉛筆削り器160において、刃部角度保持部材として板カム161を備え、角度決定部材として選択ダイヤル163を備える。板カム161は、鉛筆の挿入側と反対の側において刃保持部材22の後端部162と接触して回転刃部21の挿入軸OPとの傾斜角度を変更する。板カム161は、
図8(c)に示すように、段階的に回転刃部21の角度を変更する段部を備えた輪郭形状を備えるものとする。
【0102】
また、角度決定部材は、鉛筆削り器のハンドル14の軸部(ハンドル軸部)に配置され板カム161を回転駆動させる選択ダイヤル163として構成される。
【0103】
本実施形態に係る鉛筆削り器160によれば、選択ダイヤル163の操作により、板カム161が回転して刃保持部材22の後端部162との接触位置により刃保持部材22の挿入軸OPに対する角度が変化する。よって、選択ダイヤル163を回動させるという簡単でわかり易い操作で、鉛筆の削り角度を芯の硬度に応じて変更することができる。
【0104】
上記実施形態では、板カム161の輪郭形状は、段部を備えるもの(段階カム)としたが、
図8(d)に示すように段差がなく連続的に刃保持部材22の角度を変化させる輪郭形状のもの(無段カム)としてもよい。
【0105】
<第8実施形態>
図9は本発明の第8実施形態に係る鉛筆削り器を示すものであり、(a)は鉛筆削り器の断面図、(b)同鉛筆削り器の機構部の斜視図である。本実施形態に係る鉛筆削り器170は、ハンドル14の駆動によって鉛筆を回転させるとともに回転刃部21を自転させる。また、刃保持部材22の位置を位置変更機構171により変更することで、回転刃部21の挿入軸OPとの傾斜角を設定する。
【0106】
回転機構180は、ハンドル14で回転される第1歯車181、第1歯車181と同軸に回転する延長シャフト183、延長シャフト183で回転駆動される第2歯車184、この第2歯車184とかみ合って送り機構70を回転させる第3歯車185を備える。そして、第1歯車181には回転刃部21を回転させる第4歯車182がかみ合うように配置される。この機構により、回転刃部21をハンドル14の駆動で自転をさせつつ鉛筆Pと回転刃部21とを相対的に回転させて鉛筆Pを削る。
【0107】
また、鉛筆削り器170において、刃部角度保持部材及び角度決定部材として、刃保持部材22の上端部と接触して挿入軸OPと垂直な方向(図中上)からの位置を決定する位置変更機構171を備える。なお、刃保持部材22は、弾性部材24で挿入軸OPとの角度が開く方向に押されている。
【0108】
また、位置変更機構171は、この位置変更機構171に上方から接触して、刃保持部材22の位置を決定する。位置変更機構171は、回転ハンドル172と、送りねじ機構173とで構成される。
【0109】
本実施形態に係る鉛筆削り器170によれば、回転刃部21は公転しないため、公転する回転刃部21の角度を全周で保持して決定する必要がなくなり、刃部角度保持部材と角度決定部材を位置変更機構171として簡単なものにできる。