【実施例1】
【0011】
以下、本発明の実施例を図に従って説明する。
図1に示すように本発明に係る加工ヘッドが設けられたワーク加工装置1はワーク加工ロボット3と、ワーク支持装置5により構成され、ワーク加工ロボット3としては、複数のアーム7を揺動及び回動して先端側のアーム7先端部に設けられたワーク加工具9をアーム数に応じた軸数で回動及び揺動してワーク加工を行う多関節型ロボットにより構成される。なお、ワーク加工ロボット3としての多関節型ロボットに付いては従来公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0012】
上記ワーク加工具9は、
図2に示すように先端側アーム7の先端部に対し、後述する加工ヘッドとしての三次元移動加工ヘッド11を介して取り付けられる。また、ワーク加工具9としてはワークWの所定箇所に孔を形成するドリル等の穿孔具、ワークWの周縁や開口内周縁のバリ等を除去したり、開口を所要の内径に切削加工したりするエンドミル、ワークWを切断したり、孔を形成したりする切断刃やレーザ光出力ヘッド等のいずれであってもよい。また、ワークWとしては、車種ごとに大きさや形状が異なる合成樹脂製の車両用バンパー、車両用内装パネル(ダッシュパネル、ドアパネル等)に適用できる。
【0013】
上記三次元移動加工ヘッド1のX軸フレーム13は、先端側アーム7の長手方向と直交する方向(X軸方向)へ延出し、そのX軸向中間部が先端側アーム7に内蔵された数値制御可能なサーボモータ等の電動モータ(図示せず)の出力軸に固定される。該X軸フレーム13にはX軸可動体15がX軸方向へ移動可能に支持され、該X軸可動体15はX軸移動部材17によりX軸方向へ数値制御可能に往復移動される。
【0014】
上記X軸可動体15には上記X軸と直交する方向(先端側アーム7の長手方向と一致するY軸方向)へ延出するY軸フレーム19の基端部が固定され、該Y軸フレーム19にはY軸可動体21がY軸方向へ移動可能に支持される。該Y軸可動体21はY軸移動部材23によりY軸方向へ数値制御可能に往復移動される。
【0015】
上記Y軸可動体21にはX軸及びY軸方向と直交する方向(Z軸方向)へ延出するZ軸フ
レーム25のZ軸方向中央部が固定され、該Z軸フレーム25にはZ軸可動体27がZ軸方向へ移動可能に支持される。該Z軸可動体27はZ軸移動部材29によりY軸方向へ数値制御可能に往復移動される。
【0016】
上記X軸移動部材17、Y軸移動部材23及びZ軸移動部材29は対応するX軸フレーム13、Y軸フレーム19及びZ軸フレーム25内にてそれぞれの長手方向に軸線を有して回転可能に軸支されると共に対応するX軸可動体15、Y軸可動体21及びZ軸可動体27に設けられたナット(図示せず)に噛合わされる送りねじ(図示せず)と、それぞれの送りねじに駆動連結される数値制御可能なサーボモータ等の電動モータとにより構成され、各電動モータの駆動に伴って対応するX軸可動体15、Y軸可動体21及びZ軸可動体27をそれぞれの方向へ移動させる。なお、符号17,23及び29はX軸移動部材17、Y軸移動部材23及びZ軸移動部材29を構成する各電動モータを示す。
【0017】
上記Z軸可動体27には上記したワーク加工具9が取り付けられる。図はワークに予め形成された孔の内周円を切削加工するエンドミルを取り付けた例を示し、Z軸可動体27に対してZ軸方向に軸線を有した電動モータ34の出力軸に固着されたスピンドルに対してエンドミルのワーク加工具9がチャック等(図示せず)を介して着脱可能に取り付けられる。
【0018】
また、Z軸可動体27に固着された取付け板33には図示する下端が開放し、上記ワーク加工具9の周囲に対して間隙を有して覆い、図示しない吸引集塵装置に集塵パイプ35を介して接続された表面集塵フード37の基端部が取り付けられる。該表面集塵フード37としては加工時にワークW表面に対する圧接により伸縮してワークWの表面とワーク加工具9の周囲に閉鎖空間を形成する蛇腹ブーツ等が適している。
【0019】
上記ワーク支持装置5は
図3乃至
図7に示すように本体39にワークWの中央部を支持する中央支持手段41、ワークWの後側(ワーク加工ロボット3側)を支持する第1支持手段43、ワークWの前側を支持する第2支持手段45及びワークWの両端部を把持するクランプ手段47を配置して構成される。
【0020】
なお、後述する第1支持手段43、第2支持手段45及びクランプ手段47は左右一対として配置されるものであるが、説明の便宜上、各構成部材に付いては1個の符号を付して説明する。
【0021】
本体39の後側(ワーク加工ロボット3側)において所定の高さ位置に配置される第1支持手段43の左右支持フレーム49は本体39又はワークWの長手方向(左右方向とも称する。)に対応する長さで本体39の長手方向へ延出し、図示する左右方向へ2区分される。各区画内に応じた左右支持フレーム49には第1左右走行体53がそれぞれ上記左右方向へ独立して移動可能に支持される。
【0022】
また、各区画内に応じた左右支持フレーム49には上記左右方向に軸線を有し、上記第1左右走行体53にそれぞれ設けられたナット部(図示せず)に噛合う第1送りねじ55がそれぞれ回転可能に軸支される。各第1送りねじ55の軸端部には左右支持フレーム49にそれぞれ固定された数値制御可能なサーボモータ等の第1電動モータ57がそれぞれタイミングベルト(図示せず)等を介して駆動連結される。各第1左右走行体53は対応する第1電動モータ57の駆動に伴って互いに独立して上記左右方向へ往復移動される。
【0023】
各第1左右走行体53には上下方向へ延出する第1上下フレーム59がそれぞれ設けられ、各第1上下フレーム59には第1昇降体61が昇降可能にそれぞれ支持される。各第1上下フレーム59には上下方向に軸線を有し、第1昇降体61に設けられたナット部(図
示せず)に噛合う第2送りねじ63がそれぞれ回転可能にそれぞれ軸支され、各第2送りねじ63の軸端部には対応する第1左右走行体53に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第2電動モータ65がタイミングベルト(図示せず)等を介してそれぞれ駆動連結される。各第1昇降体61は対応する第2電動モータ65の駆動に伴って互いに独立してそれぞれ昇降される。
【0024】
各第1昇降体61には前側へ延出した後に起立する第1取付けアーム67がそれぞれ取り付けられ、各第1取付けアーム67の上端部にはワークWの裏面を弾性的に支持する第1支持部材69がそれぞれ取り付けられる。第1支持部材69としては負圧発生源(図示せず)に接続され、ワークWの裏面を吸着する吸着部材(図示せず)、ワークW裏面に設けられた突片をクランプするクランプ部材(図示せず)としてもよい。
【0025】
上記第2支持手段45の第1前後フレーム71は本体39の図示する左右側にそれぞれ取り付けられ、各第1前後フレーム71には第1前後走行体75が上記前後方向へそれぞれ移動可能に支持される。
【0026】
また、各第1前後フレーム71には上記前後方向に軸線を有し、対応する第1前後走行体75にそれぞれ設けられたナット部(図示せず)に噛合う第3送りねじ77がそれぞれ回転可能に軸支され、各第3送りねじ77の軸端部には対応する第1前後フレーム71の一方端部に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第3電動モータ79がタイミングベルト(図示せず)等を介してそれぞれ駆動連結される。各第1前後走行体75は対応する第3電動モータ79の駆動に伴って互いに独立して前後方向へ移動される。
【0027】
各第1前後走行体75には図示する左右方向へ延出する第1左右フレーム81がそれぞれ取り付けられ、各第1左右フレーム81には第2左右走行体83が左右方向へ移動可能にそれぞれ支持される。各第1左右フレーム81には上記左右方向に軸線を有し、対応する第2左右走行体83に設けられたナット部(図示せず)に噛合う第4送りねじ87がそれぞれ回転可能に軸支される。各第4送りねじ87の軸端部には第1左右フレーム81の一方端部に取付けられた数値制御可能なサーボモータ等の第4電動モータ89がタイミングベルト(図示せず)等を介してそれぞれ駆動連結される。各第2左右走行体83は対応する第4電動モータ89の駆動に伴って互いに独立して左右方向へ移動される。
【0028】
各第2左右走行体83には所要の高さの第2上下フレーム91がそれぞれ立設され、各第2上下フレーム91には第2昇降体93が昇降可能にそれぞれ支持される。各第2上下フレーム91には上下方向に軸線を有し、対応する第2昇降体93に設けられたナット部(図示せず)に噛合う第5送りねじ97が回転可能にそれぞれ軸支される。各第5送りねじ97の軸端部には対応する第2左右走行体83に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第5電動モータ99がタイミングベルト(図示せず)等を介してそれぞれ駆動連結され、各第2昇降体93は対応する第5電動モータ99の駆動に伴って互いに独立して昇降される。
【0029】
各第2昇降体93には後側へ延出した後に起立する第2取付けアーム101がそれぞれ取り付けられ、各第2取付けアーム101の上端部にはワークWの裏面を弾性的に支持する第2支持部材103がそれぞれ取り付けられる。第2支持部材103としては負圧発生源(図示せず)に接続され、ワークWの裏面を吸着する吸着部材(図示せず)、ワークW裏面に設けられた突片をクランプするクランプ部材(図示せず)としてもよい。
【0030】
上記各第1前後フレーム71の第1支持手段43側にはクランプ手段47の第2前後走行体105が前後方向へそれぞれ移動可能に支持される。各第1前後フレーム71には各第3送りねじ77と平行する軸線を有し、対応する第2前後走行体105に設けられたナ
ット部(図示せず)に噛合う第6送りねじ107が回転可能にそれぞれ軸支される。
【0031】
各第6送りねじ107の軸端部には対応する第1前後フレーム71に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第6電動モータ108がそれぞれ駆動連結され、各第2前後走行体105は対応する第6電動モータ108の駆動に伴って互いに独立して移動される。
【0032】
各第2前後走行体105には図示する左右方向へ延出する第2左右フレーム109がそれぞれ取り付けられ、各第2左右フレーム109には第3左右走行体110が左右方向へ移動可能にそれぞれ支持される。各第2左右フレーム109には左右方向に軸線を有し、対応する第3左右走行体110に設けられたナット部(図示せず)に噛合う第7送りねじ111が回転可能にそれぞれ軸支される。各第7送りねじ111の軸端部には対応する第2左右フレーム109に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第7電動モータ113がタイミングベルト(図示せず)等を介してそれぞれ駆動連結され、各第3左右走行体110は対応する第7電動モータ113の駆動に伴って互いに独立して移動される。
【0033】
各第3左右走行体110には第3上下フレーム115がそれぞれ立設され、各第3上下フレーム115には第3昇降体117がそれぞれ昇降可能に支持される。各第3昇降体117には対応する第3上下フレーム115の上部及び下部に回転可能に軸支された回転体(図示せず)に掛渡されたタイミングベルト121がそれぞれ固定される。
【0034】
また、下部の各回転体には対応する第3上下フレーム115に設けられた数値制御可能なサーボモータ等の第8電動モータ123がそれぞれ駆動連結され、各第3昇降体117は対応する第8電動モータ123の駆動に伴って走行するタイミングベルト121によりそれぞれ昇降される。
【0035】
各第3昇降体117にはエアーシリンダ等の作動部材125の作動によりクランプ動作してワークW端部の所定箇所を把持して固定する把持部材127がそれぞれ設けられる。各把持部材127としては、例えば固定側に、ワークW端部に設けられた突片Wbに予め設けられた位置決め孔Waに挿嵌可能に複数個(図は3個の例を示す)の位置決め軸127aが設けられると共に可動側に設けられた作動部材125が連結され、ワークWの位置決め孔Waに挿嵌して外側へ突出する位置決め軸127aの先端部に嵌合するクランプ部127bを揺動可能に支持した構成からなる。
【0036】
なお、各把持部材127としては、固定側を受板とすると共にクランプ部にワークWの位置決め孔Waに挿嵌可能に少なくとも2個の位置決め突部を設けた構成としてもよい。また、受板及びクランプ部材の対向面に、ゴム板等の摩擦係数が高い部材を取り付け、ワークWの端部を摩擦力で把持する部材であってもよい。
【0037】
本体39の図示する左右方向中央部には中央支持手段41が上記第1支持手段43より前側に位置するように配置される。該中央部支持手段41の起立フレーム131には前後方向へ延出する第2前後フレーム133の後端部が取り付けられ、該第2前後フレーム133には第3前後走行体135が前後方向へ移動可能に支持される。
【0038】
上記第2前後フレーム133には前後方向に軸線を有し、第3前後走行体135に設けられたナット部(図示せず)に噛合う第8送りねじ137が回転可能に軸支され、該第8送りねじ137は第2前後フレーム133に取付けられた数値制御可能なサーボモータ等の第9電動モータ139に駆動連結される。上記第3前後走行体135は第9電動モータ139の駆動に伴って回転する第8送りねじ137の回転により前後方向へ移動される。
【0039】
上記第3前後走行体135には所定の高さからなる起立アーム141が設けられ、該起立
アーム141の上部にはワークW裏面の中央部を支持する第3支持部材143が取り付けられる。該第3支持部材143としては負圧発生源(図示せず)に接続され、ワークWの裏面を吸着する吸着部材(図示せず)、ワークW裏面中央部に設けられた突片をクランプするクランプ部材(図示せず)としてもよい。
【0040】
上記中央支持手段41の左右両側に応じた本体39には、ワーク裏面支持手段151がそれぞれ設けられる。各ワーク裏面支持手段151は、上記ワーク加工ロボット3と同様に複数本のアーム153が互いに揺動及び回動するように連結され、先端側のアーム153先端部に設けられた後述する複数個の吸着支持部材155を三次元移動してワークW裏面における加工箇所周縁に位置して支持するように駆動制御される。
【0041】
先端側のアーム153先端部に取付けられた取付け板157には、図示しない負圧発生手段に接続され、ワークW裏面における各加工箇所に圧接して負圧吸着する吸着パッド155aが設けられた複数個(図は3個の場合を示す)の吸着部材155が周方向の等分割位置に取付けられる。
【0042】
また、上記取付け板157の中央部には、図示しない吸引集塵装置に吸引パイプ161aを介して接続され.図示する上面が開放した裏面集塵フード161が取り付けられる。該裏面集塵フード161は上面開口が各吸着部材155を結ぶ仮想円より若干小径で、その吸引口が吸着パッド159aの吸着孔より若干下方に位置するように取り付けられる。
【0043】
上記裏面集塵フード161はワークW裏面に対して各吸着パッド155aが吸着して縮小方向へ弾性変形した際にその上面開口がワークW裏面の加工箇所周縁に近接または当接させられる。
【0044】
ワークWを加工制御するワーク加工ロボット3及び三次元移動加工ヘッド11によりワーク加工具9を移動制御する制御手段を説明すると、
図8に示すように制御手段171のCPU173にはプログラム記憶手段175及び作業データ記憶手段177が接続され、プログラム記憶手段175には後述するアームの旋回動作及び回動動作を実行してワーク加工具9をワークWに予め設定された加工箇所へ移動するためのプログラムデータや補完動作保実行するためのプログラムデータ等の各種プログラムデータが記憶される。
【0045】
また、作業データ記憶手段177はワークWの加工箇所の三次元位置データを記憶する加工位置データ記憶領域177a、切削位置の三次元加工データを記憶する加工データ記憶領域177b、ワーク加工具9の三次元移動位置データを記憶する移動位置データ記憶領域177c、X軸移動部材17、Y軸移動部材23及びZ軸移動部材29の駆動データを記憶する駆動データ記憶領域177d等を備えている。
【0046】
CPU173には比較判別手段179が接続され、該比較判別手段179は加工データ領域177bに記憶されたワークWの三次元加工位置データと移動位置データ記憶領域177cに記憶されたワーク加工具9の三次元移動位置データと比較して三次元方向に対するワーク加工具9の移動量を判別し、駆動データ記憶領域177dに差分データを記憶させる。
【0047】
CPU173にはアーム駆動制御手段181が接続され、アーム駆動制御手段181は加工位置データ記憶領域177aに記憶されたワークWの加工箇所の三次元位置データに基づいてアーム7を旋回及び回動制御してワーク加工具9をワークWの加工箇所へ移動させる。
【0048】
CPU173には加工ヘッド駆動制御手段183が接続され、加工ヘッド駆動制御手段1
83は駆動データ記憶領域177dに記憶された差分データに基づいてX軸移動部材17、Y軸移動部材23及びZ軸移動部材29をそれぞれ駆動制御してワーク加工具9を三次元方向へ移動させる。
【0049】
次に、上記のように構成されたワーク加工装置1によるワーク加工作用を説明する。
先ず、例えば合成樹脂成形された車輛バンパーや内装パネル、計器パネル等のワークWにあっては車種により大きさや形状が異なるため、該ワークWに孔を形成したり、周縁に形成されたバリを除去したり、形成された開口を所要の内径に切削加工したりするワーク加工に先立ってワークWの種類(大きさや形状等)に応じてワーク支持装置5による支持位置(保持位置)及びワークW端部のクランプ位置を変更する必要がある。
【0050】
支持(保持)されるワークWの大きさや形状等に応じてその支持(保持)位置を変更するには、例えばワーク支持装置5の第1乃至第3支持部材69,103,143に対してサンプルワークを載置して仮支持(仮保持)させた後、先ず、各第1電動モータ57をそれぞれ駆動制御して対応する第1左右走行体53をワークW後側の左右方向中心に対して互いに離間する方向または近づく方向へそれぞれ移動して各第1支持部材69をワークW後側における左右方向側の支持(保持)位置へ移動させた後、各第2電動モータ65をそれぞれ駆動制御して対応する第1昇降体61を上方へそれぞれ移動して第1支持部材69をワークW後側における左右方向側の支持(保持)可能な高さ位置へそれぞれ移動して支持(保持)可能にさせる。(
図9参照)
【0051】
上記動作後又は上記動作と並行して各第1支持部材69によるワークW後側における左右方向側の支持(保持)を基準に第9電動モータ139を駆動制御して第3前後走行体135を前後方向へ移動して第3支持部材143をワークWの前後方向中央部に位置するように移動して支持(保持)可能にさせる。(
図12参照)
【0052】
上記動作後又は上記動作と並行して各第3電動モータ79をそれぞれ駆動制御して対応する第1前後走行体75を前側へそれぞれ移動して各第2支持部材103をワークW前側の支持(保持)位置側へそれぞれ移動させる。また、上記動作後又は上記動作と並行して各第4電動モータ89をそれぞれ駆動制御して対応する第2左右走行体83を左右方向へそれぞれ移動して各第2支持部材103をワークW前側における左右方向側の支持(保持)位置側へそれぞれ移動させる。
【0053】
更に、上記動作後又は上記動作と並行して各第5電動モータ99をそれぞれ駆動制御して対応する第2昇降体93を上方へそれぞれ移動して各第2支持部材103をワークW前側における左右方向側の支持(保持)可能な高さ位置へそれぞれ移動して支持(保持)可能にさせる。(
図10及び
図11参照)
【0054】
なお、中央支持手段41によるワークW中央部(左右方向及び前後方向の中央部)の支持高さが一定であるため、ワーク支持(保持)の基準高さになる。このため、ワークWをその上面が水平状態で支持(保持)する場合には第1及び第2支持部材69,103の支持高さを中央支持手段41による支持高さに一致するように移動制御すればよい。
【0055】
また、ワークWをその上面が後側を向くように傾動して支持(保持)する場合には、中央支持手段41による支持高さに対して後側の第1支持部材69による支持高さを低くすると共に前側の第2支持部材103による支持高さを高くするように移動制御すればよい。更に、ワークWをその上面が前側を向くように傾動して支持(保持)する場合には、中央支持手段41による支持高さに対して後側の第1支持部材69による支持高さを高くすると共に前側の第2支持部材103による支持高さを低くするように移動制御すればよい。
【0056】
次に、上記のように左右方向及び上下方向へ移動された第1支持部材69、前後方向、左右方向及び上下方向へ移動された第2支持部材103及び前後方向へ移動された第3支持部材143によりそれぞれ支持(保持)された状態で先ず、各第6電動モータ108を駆動制御して対応する第2前後走行体105を前後方向へそれぞれ移動して各把持部材127をワークW裏面の左右端部に設けられた位置決め孔Waに一致する前後方向位置へそれぞれ移動させる。
【0057】
上記状態にて各第8電動モータ123をそれぞれ駆動制御して対応する第3昇降体117を、それぞれの把持部材127がワークWの位置決め孔Waの高さに一致する位置へそれぞれ移動した後に、各第7電動モータ113をそれぞれ駆動制御して対応する第3左右走行体110を、それぞれの把持部材127の位置決め軸127aがワークWの位置決め孔Waに挿嵌するように左右方向へそれぞれ移動して位置決めさせる。(
図13及び
図14参照)
【0058】
この状態にて各作動部材125を作動して対応するクランプ部127bをワークWの位置決め孔Waに挿嵌されて外側へ突出した位置決め軸127a側へ搖動することによりワークWの左右方向各端部を位置決め状態で固定する。(
図15参照)
【0059】
なお、ワークWの種類によっては、各把持部材127によるワークWの左右方向両端部における把持箇所が前後方向、左右方向及び高さにおいて異なる場合がある。その場合には前後方向に対する各第2前後走行体105の移動量に応じて対応する第6電動モータ108の駆動量を、また左右方向に対する各第3左右走行体110の移動量に応じて対応する第7電動モータ113の駆動量を、更に上下方向に対する各第3昇降体117の昇降量に応じて対応する第8電動モータ123の駆動量をそれぞれ異ならせることにより各把持部材127を所望の前後方向、左右方向及び上下位置へそれぞれ個別に移動してワークWの左右方向両端部における箇所を把持可能にさせる。
【0060】
上記した各第1乃至第9電動モータ57,65,79,89,99,108,113,123,139の駆動データは、各サンプルワークに対応して各第1乃至第3支持部材69,103,143をそれぞれ教示移動させることにより教示入力して設定する。なお、各第1乃至第9電動モータ57,65,79,89,99,108,113,123,139の駆動データとしては、上記した教示入力の他に加工しようとするワークWの寸法データ及び支持(保持)位置データに基づいて演算された数値データを直接入力して設定してもよい。
【0061】
そして上記のように加工されるワークWの大きさや形状等に対応して前後方向、左右方向及び上下方向へ移動された各第1乃至第3支持部材69,103,143によりワークWの後側の左右側、前後方向及び左右方向の中央部及び前側の左右側が支持(保持)され、かつクランプ手段47により左右方向の各端部が固定された状態で各ワーク裏面支持手段151のアーム153を旋回及び回動制御して各吸着支持部材155の吸着パッド155aをワークWにおける加工箇所周縁の裏面に吸着させて支持する。この状態にて裏面集塵フード161はその上端開口が加工箇所を含む周縁裏面の全体を覆うように位置される。(
図16参照)
【0062】
上記作用によりワーク支持装置5によりワークが位置決め状態での支持(保持)が完了すると、ワーク加工ロボット3の各アーム7を加工位置データ記憶領域177aに記憶された三次元位置データに基づいて旋回及び回動制御してワーク加工具9を、例えばワークWに予め形成された開口Wbの中心部内へ、ワークWに対して面直状態になるように進入させる。この状態において表面集塵フード37はその下端が開口Wb周縁の上面に当接(圧接)して閉鎖空間を形成する。
【0063】
今、切削加工しようとするワークWの開口箇所が平面状の場合には、開口Wbの中心部に進入した状態でX軸移動部材17及びY軸移動部材23を駆動データ記憶領域177dに記憶された駆動データの内、に基づいてX軸及びY軸の駆動データに基づいて駆動制御してワーク加工具9を開口Wbの内周面の切削加工開始位置に当接(圧接)させた後に開口Wbの内周面に沿って移動し、該内周面を予め設定された厚さで切削加工する。このとき、開口Wbの内周面はワーク加工具9における一定の切削領域で切削加工される。(
図17及び
図18参照)
【0064】
また、切削加工しようとするワークWの開口箇所が湾曲状の場合にワーク加工具9を上記のように移動制御すると、
図20に示すようには開口Wbの内周面に当接(圧接)する切削領域が湾曲状態に応じて変位するため、切削状態が不均一になり、切削品質が悪くなる恐れがある。これを回避するため、上記したX軸移動部材17及びY軸移動部材23の駆動制御に加えて駆動データ記憶領域177dに記憶された駆動データのZ軸の駆動データに基づいてZ軸移動部材29を駆動制御してワーク加工具9を、開口Wbにおける湾曲状態に対応してZ軸方向へ移動することにより開口Wbの内周面を常にワーク加工具9における所定の切削領域で切削させる。
【0065】
即ち、例えば開口Wb内周面における切削開始位置のX軸、Y軸及びZ軸の三次元位置データに対して次位の三次元加工位置データを比較し、ワークWにおける開口Wb箇所の湾曲に対応するZ軸方向の差分データを演算し、Z軸方向の差分データに基づいてZ軸移動部材29を駆動制御してワーク加工具9をZ軸方向へ移動することによりワーク加工具9における所定の切削領域で内周面を切削し、均一な切削を可能にする。(
図19参照)
【0066】
なお、上記開口Wb内周面の切削時には開口周縁の裏面が吸着支持部材155により保持されているため、ワークWが切削抵抗や振動等により回転する位置ずれするのを防止することができる。また、開口Wb内周面の切削時に排出される切削屑は開口Wb周縁の上面及び裏面にそれぞれ当接(圧接)する表面集塵フード37及び裏面集塵フード161内にて負圧吸引されて回収される。