特許第6971504号(P6971504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971504
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】蓋付容器及び蓋付容器用蓋押さえ
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20211111BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B65D81/34 A
   B65D77/20 Q
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-170279(P2020-170279)
(22)【出願日】2020年10月8日
(65)【公開番号】特開2021-104858(P2021-104858A)
(43)【公開日】2021年7月26日
【審査請求日】2021年6月25日
(31)【優先権主張番号】特願2019-236050(P2019-236050)
(32)【優先日】2019年12月26日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594072306
【氏名又は名称】神尾 恒平
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】神尾 恒平
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−512155(JP,A)
【文献】 実公平06−031324(JP,Y2)
【文献】 特開2009−214910(JP,A)
【文献】 米国特許第05964368(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0166682(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
B65D 77/20
B65D 45/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器において、
上記蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋押さえを備え、
該蓋押さえを、伸縮可能な弾性シート材料で形成し、平面から見て上記容器本体の開口外端縁で囲まれる面積よりも小さく且つ上記容器本体の開口外端縁に沿う外縁及び該外縁より内側にある内縁を有して形成するとともに、上記外縁側を該蓋の表面に固定し、
上記内縁を外縁側に伸長して反転して、該内縁を上記容器本体の開口側の外側面に被着することにより上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にしたことを特徴とする蓋付容器。
【請求項2】
上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにしたことを特徴とする請求項1記載の蓋付容器。
【請求項3】
上記蓋押さえの上記容器本体の開口外端縁に沿う外縁側を、上記蓋に貼着したことを特徴とする請求項1または2記載の蓋付容器。
【請求項4】
上記蓋押さえを、貫通孔を有して形成し、該貫通孔の開口縁の全部もしくは一部を内縁として構成し、上記外縁を、上記容器本体の開口を形成する開口外縁と同形状に形成し、上記外縁から所定寸法内側であって該外縁と平行な内側線との間に形成される周面部を上記蓋に貼着したことを特徴とする請求項3記載の蓋付容器。
【請求項5】
上記内縁を、断面円弧状に形成したことを特徴とする請求項1乃至4何れか一項に記載の蓋付容器。
【請求項6】
上記内縁の最大幅をLとしたとき、6mm≦Lにしたことを特徴とする請求項1乃至5
何れか一項に記載の蓋付容器。
【請求項7】
開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器の当該蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋付容器用蓋押さえにおいて、
平面から見て外縁部で囲まれる面積が上記容器本体の開口外端縁で囲まれる面積よりも小さい伸縮可能な円形の弾性シート材料で形成するとともに、中央に外縁部と同軸の円形の貫通孔を形成してリング状に形成し、
伸長時に上記外縁部が上記容器本体の開口側の外側面に被着され、上記貫通孔の開口縁で形成される内縁部が上記蓋の外側縁側の表面に被着されて、上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にしたことを特徴とする蓋付容器用蓋押さえ。
【請求項8】
上記外縁部及び内縁部を、断面円弧状に形成したことを特徴とする請求項7記載の蓋付容器。
【請求項9】
上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにし、上記外縁部及び内縁部の円弧の直径をdとしたとき、d=0.5mm〜3mmにしたことを特徴とする請求項8記載の蓋付容器。
【請求項10】
開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器の当該蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋付容器用蓋押さえにおいて、
両端に開口縁部を有して円筒状に形成されるとともに、上記容器本体の開口外端縁の周長よりも小さい周長を有し伸縮可能な弾性シート材料で形成し、
伸長時に上記開口縁部の何れか一方が上記容器本体の開口側の外側面に被着され、上記開口縁部の何れか他方が上記蓋の外側縁側の表面に被着されて、上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にしたことを特徴とする蓋付容器用蓋押さえ。
【請求項11】
上記両端にある開口縁部を、夫々、断面円弧状に形成したことを特徴とする請求項10記載の蓋付容器。
【請求項12】
上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにし、上記両端にある開口縁部の円弧の直径をdとしたとき、d=0.5mm〜3mmにしたことを特徴とする請求項11記載の蓋付容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば即席麺等の食品等の収容物が予め収容された蓋付容器の開口をシート状の蓋で接合により閉塞した蓋付容器に係り、特に、シート状の蓋を一度容器本体から剥した後も蓋を閉じた状態に保持しておくことができる蓋付容器及び蓋付容器用蓋押さえに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、蓋付容器として、例えば、収容物として食品である即席麺を収容した蓋付容器の場合で説明すると、この蓋付容器は、発泡スチロールなどの樹脂や紙などで形成された開口を有した有底筒状の容器本体と、容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えて構成されている。容器本体には、予め、即席麺が収容され、蓋は開口を形成する開口端面に接着剤やヒートシール等の手段により剥離可能に接着されている。
【0003】
そして、収容された即席麺を食する場合には、外方に突出した蓋の摘み部を摘んで引き上げながら蓋を剥離して開口を部分開封し、この開口から湯を注ぎ入れて調理し、所用時間過ぎたならば食するようにしている。この場合、蓋が開いたままであると、熱が逃げて加温効率が悪いことから、調理中は、蓋を再び開口端面に接合し、摘み部を折るなどして容器本体に蓋を留めるようにする。しかしながら、摘み部を折る程度では、摘み部の左右の部分がどうしても開いてしまい、十分な保温ができない。
【0004】
これを解決するために、従来においては、実開昭61-147758号公報(特許文献1)、特許第5936253号公報(特許文献2)に掲載され、一度剥離した蓋を、容器本体にその開口を閉塞した状態でしっかりと保持する蓋押さえが提案されている。この蓋押さえは、弾性変形可能なプラスチックを容器本体の開口を形成する開口外側に嵌合するC字状に形成し、内側に蓋の外側縁を容器本体の開口端面に押し付ける溝を形成して構成されている。そして、上記の即席麺の場合では、湯を入れた後、蓋を再び開口端面に接合し、この状態で、蓋押さえを、容器本体の開口を形成する開口外側に嵌合し、蓋の外側縁を容器本体の開口端面に押し付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61-147758号公報
【特許文献2】特許第5936253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来の蓋押さえにあっては、もともと、蓋付容器には備えられていないものなので、別途これを用意するが、C字状のプラスチック製なので、嵩張ってしまい、取り扱いが不便になっているという問題があった。また、プラスチック製なので、容器本体や蓋との密着性が悪く、容器本体を持って移動しようとする際等に、液漏れが生じやすいという問題もある。
本発明は、この点に鑑みてなされたもので、嵩張ることのないようにして蓋押さえ機能を付与した蓋付容器を提供することを目的とする。また、嵩張ることのないようにした蓋付容器用蓋押さえを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するための本発明の蓋付容器は、開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器において、
上記蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋押さえを備え、
該蓋押さえを、伸縮可能な弾性シート材料で形成し、平面から見て上記容器本体の開口外端縁で囲まれる面積よりも小さく且つ上記容器本体の開口外端縁に沿う外縁及び該外縁より内側にある内縁を有して形成するとともに、上記外縁側を該蓋の表面に固定し、
上記内縁を外縁側に伸長して反転して、該内縁を上記容器本体の開口側の外側面に被着することにより上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にした構成としている。
【0008】
蓋押さえの外縁は、容器本体の開口端縁の全周のうち少なくとも(1/2)周以上の開口端縁に対応した長さであることが望ましい。
これにより、蓋を開ける前は、蓋押さえは弾性シート材料で形成され、しかも、蓋の表面に固定されているので、嵩張ることがない。
そして、蓋を開けるときは、蓋の一部または全部を容器本体の開口を形成する開口端面から剥離する。この場合、蓋押さえは、弾性シート材料で形成され、しかも、蓋の表面に固定されているので、蓋に倣って撓んで同動するので、嵩張ることなく、従前どおり蓋を開けることができる。
【0009】
そして、一度剥離した蓋を再び閉じるときは、蓋を容器本体の開口端面に接合し、この状態で、蓋押さえの内縁を外縁側に手で引っ張って伸長させて反転させるとともに、この内縁を容器本体の開口側の外側面に被着する。これにより、容器本体と蓋との接合部が蓋押さえによって被覆される。この場合、蓋押さえの内縁を手で引っ張って反転させるだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。この状態においては、蓋押さえの外縁側は蓋の表面に固定され、内縁が容器本体の開口側の外側面に被着されるので、また、蓋押さえは弾性シートで形成されているので、この弾性力により、容器本体や蓋との密着性が極めて良くなり、蓋を閉塞状態で容器本体に対して確実に押さえることができる。
【0010】
特に、上記の即席麺を入れた蓋付容器の場合においては、湯を入れた後、蓋を再び開口端面に接合して、この状態で、蓋押さえを機能させるが、容器本体の開口端面と蓋との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、蓋押さえは弾性シート状であり、容器本体の開口端面と蓋との隙間を覆うので、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0011】
再び、蓋を外すときは、蓋押さえの内縁を外方に手で引っ張って伸長させて、容器本体から外し、蓋を容器本体の開口を形成する開口端面から剥離すればよい。この場合も、蓋押さえは、弾性シート材料で形成され、しかも、蓋の表面に固定されているので、蓋に倣って撓んで同動するので、嵩張ることなく、従前どおり蓋を開けることができる。
【0012】
そして、必要に応じ、上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにした構成としている。薄いので、より一層嵩張りを防止することができる。
【0013】
また、必要に応じ、上記蓋押さえの上記容器本体の開口外端縁に沿う外縁側を、上記蓋に貼着した構成としている。貼着は、接着剤や溶着等の止着手段によって行うことができる。これにより、負荷のかからない状態の弾性シートを貼着するだけで蓋押さえを蓋に取付けて付設できるので、製造を容易に行うことができる。
【0014】
この場合、上記蓋押さえを、貫通孔を有して形成し、該貫通孔の開口縁の全部もしくは一部を内縁として構成し、上記外縁を、上記容器本体の開口を形成する開口外縁と同形状に形成し、上記外縁から所定寸法内側であって該外縁と平行な内側線との間に形成される周面部を上記蓋に貼着したことが有効である。外縁が容器本体の開口を形成する開口外端縁と同形状なので、均等に配置できる。貫通孔の開口縁の全部を内縁とした場合には、蓋の全周に亘って押さえを均一化して確実にすることができる。
【0015】
更に、必要に応じ、上記内縁を、断面円弧状に形成した構成としている。一般部の厚さよりも太い断面の略円形にすることもできる。端末処理ができ、手で引っ張るときに裂けにくくなる。
【0016】
更にまた、必要に応じ、上記貫通孔で形成される内縁の最大幅をLとしたとき、6mm≦Lにした構成としている。貫通孔の形状は、例えば、矩形状,多角形状,円形状,楕円形状,星形形状等、適宜の形状に定めてよい。その場合、6mm≦Lにすれば、手を入れやすくすることができ、操作性を向上させることができる。望ましくは、30mm≦Lである。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の蓋付容器用蓋押さえは、開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器の当該蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋付容器用蓋押さえにおいて、
平面から見て外縁部で囲まれる面積が上記容器本体の開口外端縁で囲まれる面積よりも小さい伸縮可能な円形の弾性シート材料で形成するとともに、中央に外縁部と同軸の円形の貫通孔を形成してリング状に形成し、
伸長時に上記外縁部が上記容器本体の開口側の外側面に被着され、上記内縁部が上記蓋の外側縁側の表面に被着されて、上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にした構成としている。
【0018】
即ち、本発明の蓋付容器用蓋押さえは、上記蓋付容器に付設する付設型のものと異なって、蓋付容器とは別体型のものである。装着時の位置関係でいえば、別体型の内縁部は上記の付設型の外縁に対応し、別体型の外縁部は付設型の内縁に対応する。但し、付設型の外縁側は蓋に固定されているのでその固定部分は伸縮しないが、別体型においては、外縁部及び内縁部ともに伸縮する。
【0019】
詳しくは、これにより、蓋付容器用蓋押さえは、常時は蓋付容器と別々になっている。容器本体に嵌め込んでおくことは差支えない。この蓋付容器用蓋押さえは、弾性シート材料で形成されているので、嵩張ることがない。
【0020】
そして、これを使用するときは、蓋付容器本体の蓋の一部または全部を開け、この一度剥離した蓋を再び閉じ、蓋を容器本体の開口端面に接合した際に用いる。この際には、蓋押さえの外縁部を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体の開口側の外側面に被着し、貫通孔で形成される内縁部を蓋の外側縁側の表面に被着する。この場合、内縁部も伸長する。これにより、容器本体と蓋との接合部が蓋押さえによって被覆される。この場合、蓋押さえの外縁部を手で引っ張って被せるようにするだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。この状態においては、蓋押さえの外縁部は容器本体の開口側の外側面に被着され、内縁部が蓋の外側縁側の表面に被着するので、また、蓋押さえは弾性シートで形成されているので、この弾性力により、蓋を閉塞状態で容器本体に対して確実に押さえることができる。
【0021】
特に、上記の即席麺を入れた蓋付容器の場合においては、湯を入れた後、蓋を再び開口端面に接合して、この状態で、蓋押さえを機能させるが、容器本体の開口端面と蓋との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、蓋押さえは弾性シート状であり、容器本体の開口端面と蓋との隙間を覆うので、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0022】
再び、蓋を外すときは、蓋押さえの外縁部を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体から外し、蓋を容器本体の開口を形成する開口端面から剥離すればよい。蓋からは蓋押さえがなくなるので、従前どおり蓋を開けることができる。
【0023】
そして、必要に応じ、上記外縁部及び内縁部を、断面円弧状に形成した構成としている。一般部の厚さよりも太い断面の略円形にすることもできる。端末処理ができ、手で引っ張るときに裂けにくくなる。
【0024】
この場合、上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにし、上記外縁部及び内縁部の円弧の直径をdとしたとき、d=0.5mm〜3mmにしたことが有効である。
外縁部及び内縁部の強度が増すとともに、手で引っ張る際に引っ掛かり易くなり、操作性を向上させることができる。
【0025】
更に、上記目的を達成するため、本発明の蓋付容器用蓋押さえは、開口を有した有底筒状の容器本体と該容器本体の開口を形成する開口端面に接合して閉塞するシート状の蓋とを備えた蓋付容器の当該蓋を閉塞状態で上記容器本体に対して押さえる蓋付容器用蓋押さえにおいて、
両端に開口縁部を有して円筒状に形成されるとともに、上記容器本体の開口外端縁の周長よりも小さい周長を有し伸縮可能な弾性シート材料で形成し、
伸長時に上記開口縁部の何れか一方が上記容器本体の開口側の外側面に被着され、上記開口縁部の何れか他方が上記蓋の外側縁側の表面に被着されて、上記容器本体と蓋との接合部を被覆可能にした構成としている。
【0026】
即ち、この本発明の蓋付容器用蓋押さえも、上記と同様に、蓋付容器とは別体型のものであり、常時は蓋付容器と別々になっている。容器本体に嵌め込んでおくことは差支えない。この蓋付容器用蓋押さえは、弾性シート材料で形成されているので、嵩張ることがない。
【0027】
そして、これを使用するときは、蓋付容器本体の蓋の一部または全部を開け、この一度剥離した蓋を再び閉じ、蓋を容器本体の開口端面に接合した際に用いる。この際には、蓋押さえを手で引っ張って放射方向に伸長させて、開口縁部の一方を容器本体の開口側の外側面に被着し、開口縁部の他方を蓋の外側縁側の表面に被着する。これにより、容器本体と蓋との接合部が蓋押さえによって被覆される。この場合、蓋押さえを手で引っ張って被せるようにするだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。この状態においては、蓋押さえの弾性力により、蓋を閉塞状態で容器本体に対して確実に押さえることができる。
【0028】
特に、上記の即席麺を入れた蓋付容器の場合においては、湯を入れた後、蓋を再び開口端面に接合して、この状態で、蓋押さえを機能させるが、容器本体の開口端面と蓋との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、蓋押さえは弾性シート状であり、容器本体の開口端面と蓋との隙間を覆うので、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0029】
再び、蓋を外すときは、蓋押さえを手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体から外し、蓋を容器本体の開口を形成する開口端面から剥離すればよい。蓋からは蓋押さえがなくなるので、従前どおり蓋を開けることができる。
【0030】
そして、必要に応じ、上記両端にある開口縁部を、夫々、断面円弧状に形成した構成としている。一般部の厚さよりも太い断面の略円形にすることもできる。端末処理ができ、手で引っ張るときに裂けにくくなる。
【0031】
この場合、上記弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmにし、上記両端にある開口縁部の円弧の直径をdとしたとき、d=0.5mm〜3mmにしたことが有効である。
開口縁部の強度が増すとともに、手で引っ張る際に引っ掛かり易くなり、操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、嵩張ることのないようにして蓋押さえ機能を付与した蓋付容器を提供できる。また、嵩張ることのないようにした蓋付容器用蓋押さえを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施の形態に係る蓋付容器を蓋を開ける前の状態で示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において蓋を開けたときの状態を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において蓋押さえを使用したときの状態を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において蓋を開ける前の状態を示す要部断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において蓋押さえを使用したときの状態を示す要部断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において蓋押さえの貫通孔の形状を示す平面図である。
図7】本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器を蓋を開ける前の状態示す斜視図である。
図8】本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器において蓋押さえの形状を示す平面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえを蓋付容器とともに示す斜視図である。
図10】本発明の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえを使用したときの状態を示す要部断面図である。
図11】本発明の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえの変形例を示す半断面斜視図である。
図12】本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえを蓋付容器とともに示す斜視図である。
図13】本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえを使用したときの状態を示す要部断面図である。
図14】本発明の実施の形態に係る蓋付容器において、蓋押さえの変形例(a)(b)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る蓋付容器について詳細に説明する。
図1乃至図6に示すように、実施の形態に係る蓋付容器Cは、食品である即席麺を収容物Wとして収容した所謂カップ麺と言われるものである。この実施の形態に係る蓋付容器Cは、円形の開口2を有した有底筒状であって逆円錐台状の容器本体1と、容器本体1の開口2を形成する開口端面3に接合して閉塞するシート状の円形の蓋10とを備えている。
【0035】
容器本体1は、発泡スチロールなどの樹脂や紙などで形成され、開口縁には外側に突出したリング状のフランジ4が一体形成されており、このフランジ4の上面が開口端面3として構成されている。容器本体1には、予め、即席麺(収容物W)が収容されている。
【0036】
また、蓋10は、紙,樹脂あるいはこれらの複合体等でシート状に形成され、開口端面3に接着剤やヒートシール等の手段により剥離可能に接着されている。蓋10には、蓋10を剥離しやすくするための摘み部11が一体に突出形成されている。
【0037】
本蓋付容器Cには、蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して押さえる蓋押さえ30が備えられている。この蓋押さえ30は、伸縮可能な弾性シート材料で形成され、平面から見て容器本体1の開口外端縁6(フランジ4の外縁)で囲まれる面積よりも小さく且つ容器本体1の開口外端縁6に沿う外縁32及び外縁32より内側にある内縁33を有して形成され、外縁32側が蓋10の表面に固定されている。蓋押さえ30の貫通孔31の開口縁の全部もしくは一部(実施の形態では全部)が内縁33として構成されている。詳しくは、この蓋押さえ30は、中央に容器本体1の開口2よりも小さい大きさの貫通孔31を有した伸縮可能な弾性シート材料で形成されているとともに、蓋10の外側縁12より突出しないように外縁32側を蓋10の表面に固定してこの蓋10に付設されている。これにより、蓋押さえ30は、貫通孔31の開口縁で形成される内縁33が放射方向に伸長して反転させられて、内縁33が容器本体1の開口2側の外側面5(フランジ4の下側の外側面5)に被着させられ、容器本体1と蓋10との接合部を被覆可能に形成されている。
【0038】
弾性シート材料としては、天然ゴム,合成ゴム,これらのラテックスを挙げることができる。合成ゴムとしては、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム),ポリイソプレンゴム,ポリブタジエンゴム,スチレン−ブタジエン共重合体ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム,エチレン−プロピレン共重合体ゴム,ポリクロロプレンゴム,イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム,シリコーンゴム,これらの混合物を挙げることができる。また、例えば、フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,珪素樹脂,ポリウレタン樹脂等を用いることができる。更に、ポリエチレン,ナイロン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド等を用いることも可能である。また、蓋押さえ30の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmに設定されている。
【0039】
より詳しくは、蓋押さえ30の外縁32は、容器本体1の開口2を形成する円形の開口外端縁6(フランジ4の外縁)と同形状の円形に形成されている。実施の形態では、蓋押さえ30は、外径が蓋10の外径と同じ円盤状に形成されており、蓋10に面接触により付帯させられている。そして、外縁32から所定寸法内側であって外縁32と平行な内側線Q(図6の二点鎖線)との間に形成される周面部34が、蓋10に接着剤や溶着等の止着手段により貼着されて蓋10に固定されている。実施の形態では、周面部34は、裏面側に形成されている。これにより、負荷のかからない状態の弾性シートを貼着するだけで蓋押さえ30を蓋10に取付けて付設できるので、製造を容易に行うことができる。
【0040】
貫通孔31は、円形の弾性シート材料の中央を外縁32と同心の円形に刳り貫くとともに、刳り貫いた部分から外縁32側に等角度関係で三角形状の複数の切込み35を形成して構成されている。実施の形態では、切込み35は3つ形成されている。図6に示すように、貫通孔31で形成される内縁33の最大幅をLとしたとき、6mm≦Lにしている。望ましくは、30mm≦Lである。また、貫通孔31で形成される内縁33は、断面円弧状に形成されている。
【0041】
従って、この実施の形態に係る蓋付容器Cによれば、図1,図4及び図6に示すように、蓋10を開ける前は、蓋押さえ30は弾性シート材料で形成され、しかも、蓋10の表面に固定されているので、嵩張ることがない。そのため、持ち運びなどの取り扱いは、従前どおり行うことができる。特に、弾性シート材料の厚さTが、T=0.01mm〜0.1mmなので、極めて薄く、そのため、より一層嵩張りを防止することができる。
【0042】
即席麺を調理するときは、図2に示すように、先ず、蓋10を開けて容器本体1に湯を注ぐ。蓋10を開けるときは、摘み部11を持って蓋10を容器本体1の開口2を形成する開口端面3から剥離する。例えば、蓋10の半分程度を剥離する。この場合、蓋押さえ30は、弾性シート材料で形成され、しかも、蓋10の表面に固定されているので、蓋10に倣って撓んで同動するので、嵩張ることなく、従前どおり蓋10を開けることができる。
【0043】
それから、容器本体1に湯を入れた状態で所要時間置く。この際には、一度剥離した蓋10を再び閉じ、実施の形態に係る蓋押さえ30を機能させる。即ち、図3及び図5に示すように、蓋10を容器本体1のフランジ4の開口端面3に接合し、この状態で、蓋押さえ30の貫通孔31で形成される内縁33を手で引っ張って放射方向に伸長させて反転させるとともに、この内縁33を容器本体1の開口2側の外側面5に被着する。この場合、内縁33が断面円弧状に形成されているので、端末処理がしっかりしており、手で引っ張る際に裂けにくく、確実に伸長させることができる。また、内縁33の最大幅Lが、6mm≦Lなので、手を入れやすくすることができ、操作性を向上させることができる。
【0044】
これにより、容器本体1と蓋10との接合部が蓋押さえ30によって被覆される。この場合、蓋押さえ30の貫通孔31で形成される内縁33を手で引っ張って反転させるだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。この状態においては、蓋押さえ30の外縁32側は蓋10の表面に固定され、内縁33が容器本体1の開口2側の外側面5に被着されるので、また、蓋押さえ30は弾性シートで形成されているので、この弾性力により、蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して確実に押さえることができる。このため、容器本体1や蓋10との密着性が極めて良くなり、容器本体1の開口端面3と蓋10との隙間を確実に塞ぐことができる。特に、外縁32が容器本体1の開口2を形成する開口外端縁6と同形状であり、外縁32から所定寸法内側であって外縁32と平行な内側線Qとの間に形成される周面部34を蓋10に貼着しているので、蓋押さえ30が均等に配置されるとともに、蓋10の全周に亘って押さえを均一化して確実にすることができる。
【0045】
このため、即席麺を入れた蓋付容器Cの場合においては、容器本体1の開口端面3と蓋10との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、容器本体1や蓋10との密着性が極めて良くなり、容器本体1を持って移動しようとする際等に、液漏れを確実に防止できる。例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0046】
そして、収容された即席麺を食する場合には、蓋10を外す。この場合、蓋押さえ30の貫通孔31で形成される内縁33を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体1から外し、蓋10を容器本体1の開口2を形成するフランジ4の開口端面3から剥離すればよい。この場合も、蓋押さえ30は、弾性シート材料で形成され、しかも、蓋10の表面に固定されているので、蓋10に倣って撓んで同動するので、嵩張ることなく、従前どおり蓋10を開けることができる。
【0047】
図7及び図8には、本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器Cを示している。この蓋付容器Cは、上記と容器本体1の構成は同じであるが、蓋押さえ30の構造が異なっている。この蓋押さえ30は、伸縮可能な上記と同様の材質の弾性シート材料で形成され、平面から見て容器本体1の開口外端縁6(フランジ4の外縁)で囲まれる面積よりも小さく且つ容器本体1の開口外端縁6に沿う外縁32及び外縁32より内側にある内縁33を有して形成され、外縁32側が蓋10の表面に固定されている。蓋押さえ30の一部が内縁33として構成されている。実施の形態では、この蓋押さえ30は蓋10の摘み部11のある側の略半分を覆う形状に形成されており、蓋押さえ30の外縁32は、容器本体1の開口端縁6の全周のうち少なくとも(1/2)周以上の開口端縁6に対応した長さになっている。また、平面から見て摘み部11を通る中心線Pに対して左右対称形状に形成されており、中心線Pを通る幅Mは、容器本体1の開口端縁6の半径の(2/3)以上の寸法に形成されている。
【0048】
より詳しくは、蓋押さえ30の外縁32は、容器本体1の開口2を形成する円形の開口外端縁6(フランジ4の外縁)と同形状の円弧に形成されている。外縁32から所定寸法内側であって外縁32と平行な内側線Q(図8の二点鎖線)との間に形成される周面部34が、蓋10に接着剤や溶着等の止着手段により貼着されて蓋10に固定されている。実施の形態では、周面部34は、裏面側に形成されている。これにより、負荷のかからない状態の弾性シートを貼着するだけで蓋押さえ30を蓋10に取付けて付設できるので、製造を容易に行うことができる。
【0049】
内縁33には、手で掴むことのできる取手36が左右対称に一対突出形成されている。これにより、蓋押さえ30は、内縁33が外縁32側に伸長して反転させられて、内縁33が容器本体1の開口2側の外側面5(フランジ4の下側の外側面5)に被着させられ、容器本体1と蓋10との接合部を被覆可能に形成されている。従って、この別の実施の形態に係る蓋付容器Cによっても、上記と同様の作用,効果を奏する。
【0050】
次に、図9及び図10に示すように、本発明の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえ40について説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。この蓋押さえ40は、上記と同様の開口2を有した有底筒状の容器本体1と、容器本体1の開口2を形成する開口端面3に接合して閉塞するシート状の蓋10とを備えた従前の蓋付容器Caに用いられ、この蓋付容器Caの蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して押さえるものである。この蓋付容器Caの容器本体1及び蓋10は上記と同様の構成なので詳細な説明は省略する。
【0051】
この蓋押さえ40は、伸縮可能な円形の弾性シート材料で形成され、中央に容器本体1の開口2よりも小さい大きさの円形の貫通孔41が形成され、外縁部42と貫通孔41で形成される同心の内縁部43とを有し、平面から見て、外縁部42によって囲まれる面積が、容器本体1の開口2を形成する開口外端6で囲まれる面積よりも小さくなるリング状に形成されている。これにより、伸長時に外縁部42が容器本体1の開口2側の外側面5に被着され、内縁部43が蓋10の外側縁12側の表面に被着されて、容器本体1と蓋10との接合部を被覆可能にしている。弾性シート材料としては、上記と同様の材質のものを用いることができる。弾性シート材料の厚さTは、上記と同様に、T=0.01mm〜0.1mmに設定されている。外縁部42及び貫通孔41で形成される内縁部43は、断面円弧状に形成されている。
【0052】
即ち、本発明の蓋付容器用蓋押さえ40は、上記の蓋付容器Cに付設する付設型のものと異なって、蓋付容器Caとは別体型のものである。装着時の位置関係でいえば、別体型の内縁部43は付設型の外縁32に対応し、別体型の外縁部42は付設型の内縁部43に対応する。但し、付設型の外縁32側は蓋10に固定されているので伸縮しないが、別体型においては、外縁部42及び内縁部43ともに伸縮する。
【0053】
従って、この蓋付容器用蓋押さえ40は、常時は蓋付容器Caと別々になっている。容器本体1に嵌め込んでおくことは差支えない。この蓋付容器用蓋押さえ40は、弾性シート材料で形成されているので、嵩張ることがない。そのため、持ち運びが容易になる。
【0054】
そして、これを使用するときは、例えば、蓋付容器Caが、収容物Wとして食品である即席麺を収容した所謂カップ麺と言われる容器に使用する場合で説明すると、以下のようになる。蓋付容器Caにおいては、上記と同様に、容器本体1の蓋10を開け、この一度剥離した蓋10を再び閉じ、蓋10を容器本体1の開口端面3に接合する。この際に、図10に示すように、蓋押さえ40を用い、この蓋押さえ40の外縁部42を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体1の開口2側の外側面5に被着し、貫通孔41で形成される内縁部43を蓋10の外側縁12側の表面に被着する。この場合、内縁部43も伸長する。これにより、容器本体1と蓋10との接合部が蓋押さえ40によって被覆される。
【0055】
この場合、蓋押さえ40の外縁部42を手で引っ張って被せるようにするだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。この状態においては、蓋押さえ40の外縁部42は容器本体1の開口2側の外側面5に被着され、内縁部43が蓋10の外側縁12側の表面に被着するので、また、蓋押さえ40は弾性シートで形成されているので、この弾性力により、蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して確実に押さえることができる。
【0056】
このため、即席麺を入れた蓋付容器Caの場合においては、湯を入れた後、蓋10を再び開口端面3に接合して、この状態で、蓋押さえ40を機能させるが、容器本体1の開口端面3と蓋10との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、容器本体1や蓋10との密着性が極めて良くなり、容器本体1を持って移動しようとする際等に、液漏れを確実に防止できる。例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0057】
再び、蓋10を外すときは、蓋押さえ40の外縁部42を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体1から外し、蓋10を容器本体1の開口2を形成する開口端面3から剥離すればよい。蓋10からは蓋押さえ40がなくなるので、従前どおり蓋10を開けることができる。
【0058】
図11には、本発明の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえ40の変形例を示す。これは、外縁部42及び内縁部43を、断面円弧状に形成するとともに、弾性シート材料の厚さTを、T=0.01mm〜0.1mmにし、外縁部42及び内縁部43の円弧の直径dを、d=0.5mm〜3mmにしている。外縁部42及び内縁部43の強度が増すとともに、手で引っ張る際に引っ掛かり易くなり、操作性を向上させることができる。
【0059】
次にまた、図12及び図13に示すように、本発明の別の実施の形態に係る蓋付容器用蓋押さえ50について説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。この蓋押さえ50は、上記と同様に従前の蓋付容器Caに用いられ、この蓋付容器Caの蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して押さえるものである。この蓋付容器Caの容器本体1及び蓋10は上記と同様の構成なので詳細な説明は省略する。
【0060】
蓋押さえ50は、両端に開口縁部51,52を有して円筒状に形成されるとともに、容器本体1の開口外端縁6の周長よりも小さい周長を有した伸縮可能な弾性シート材料で形成されており、伸長時に開口縁部51,52の何れか一方が容器本体1の開口2側の外側面5に被着され、開口縁部51,52の何れか他方が蓋10の外側縁12側の表面に被着されて、容器本体1と蓋10との接合部を被覆可能に構成されている。また、両端にある開口縁部51,52は、夫々、断面円弧状に形成されている。一般部の厚さよりも太い断面の略円形にすることもできる。実施の形態では、弾性シート材料の厚さをTとしたとき、T=0.01mm〜0.1mmに設定され、両端にある開口縁部51,52の円弧の直径をdとしたとき、d=0.5mm〜3mmに設定されている。
【0061】
即ち、この蓋押さえ50も、上記と同様に、蓋付容器Caとは別体型のものであり、常時は蓋付容器Caと別々になっている。容器本体1に嵌め込んでおくことは差支えない。この蓋付容器用蓋押さえ50は、弾性シート材料で形成されているので、嵩張ることがない。そのため、持ち運びが容易になる。
【0062】
従って、この蓋押さえ50を使用するときは、例えば、蓋付容器Caが、収容物Wとして食品である即席麺を収容した所謂カップ麺と言われる容器に使用する場合で説明すると、以下のようになる。蓋付容器Caにおいては、上記と同様に、容器本体1の蓋10を開け、この一度剥離した蓋10を再び閉じ、蓋10を容器本体1の開口端面3に接合する。この際に、図13に示すように、蓋押さえ50を用い、この蓋押さえ50を手で引っ張って放射方向に伸長させて、開口縁部51,52の一方を容器本体1の開口2側の外側面5に被着し、開口縁部51,52の他方を蓋10の外側縁12側の表面に被着する。
【0063】
この場合、蓋押さえ50を手で引っ張って被せるようにするだけで良いので、作業を極めて簡単に行うことができる。また、この場合、開口縁部51,52は、一般部の厚さよりも太い断面になっているので、開口縁部51,52の強度が増すとともに、手で引っ張る際に引っ掛かり易くなり、操作性を向上させることができる。
【0064】
この状態においては、蓋押さえ50の弾性力により、蓋10を閉塞状態で容器本体1に対して確実に押さえることができる。このため、即席麺を入れた蓋付容器Caの場合においては、湯を入れた後、蓋10を再び開口端面3に接合して、この状態で、蓋押さえ50を機能させるが、容器本体1の開口端面3と蓋10との隙間があって、この隙間から、湯や蒸気が漏れ出ようとしても、湯や蒸気が漏れ出ることが阻止され、保温性を確実に向上させることができる。また、容器本体1や蓋10との密着性が極めて良くなり、容器本体1を持って移動しようとする際等に、液漏れを確実に防止できる。例えば、コンビニエンスストア等で湯を入れた後、外に持ち出す移動の際等には、液漏れを確実に防止できるので、極めて有用になる。
【0065】
再び、蓋10を外すときは、蓋押さえ50を手で引っ張って放射方向に伸長させて、容器本体1から外し、蓋10を容器本体1の開口2を形成する開口端面3から剥離すればよい。蓋10からは蓋押さえ50がなくなるので、従前どおり蓋10を開けることができる。
【0066】
尚、上記実施の形態に係る蓋付容器Cおいて、貫通孔31の形状は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、図14(a)に示すように、楕円形状に形成するなど、どのような形状に形成してもよい。また、図14(b)に示すように、貫通孔31を偏心して設け、蓋押さえを30の貫通孔31の開口縁の一部(実施の形態では蓋の摘み部11側の略半分)が内縁33として構成するようにしてもよく、適宜変更して差支えない。更に、蓋押さえ30の外径は、蓋10の外径よりも多少小さくてもよい。
【0067】
また、上記容器本体1及び蓋10の形状は上述したものに限定されるものではなく、例えば、矩形状に形成されていてもよい。更に、上記実施の形態に係る蓋付容器C及び蓋付容器Caは、即席麺を収容物Wとして収容するもので説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、種々の食品はもとより、食品以外の収容物を収容するものであってもよいことは勿論である。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
C 蓋付容器
W 収容物
1 容器本体
2 開口
3 開口端面
4 フランジ
5 外側面
6 開口外端縁
10 蓋
11 摘み部
12 外側縁
30 蓋押さえ
31 貫通孔
32 外縁
33 内縁
Q 内側線
34 周面部
35 切込み
36 取手
Ca 蓋付容器
40 蓋押さえ
41 貫通孔
42 外縁部
43 内縁部
50 蓋押さえ
51,52 開口縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14