(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記香料が少なくとも50重量%のミッドノートまたはローノート香料を含み、25℃において1時間まで放置した場合にクリンバゾールが溶液から晶出しないように揮発性材料を含まない、請求項3に記載のマイクロカプセル。
前記シェルが水不溶性であり、前記マイクロカプセルの液体内容物が、頭皮または毛髪に沈着後、前記マイクロカプセルの乾燥後に、前記マイクロカプセルの破裂により放出される、請求項1から9のいずれかに記載のマイクロカプセル。
前記シェルが、頭皮および/または毛髪上へのマイクロカプセルの沈着および保持を増加させる沈着助剤を、その外側表面に固定している、請求項1から10のいずれかに記載のマイクロカプセル。
前記シェルが、毛根上へのマイクロカプセルの沈着および保持を増加させる沈着助剤を、その外側表面に固定している、請求項1から11のいずれかに記載のマイクロカプセル。
界面活性剤、ならびにポリマーシェルと、クリンバゾールおよびクリンバゾールを溶解させる溶媒を5:1以下の重量比で含むコアとを含む少なくとも0.1重量%のコアシェルマイクロカプセルを含むヘアケア組成物。
【発明を実施するための形態】
【0022】
溶媒
溶媒がクリンバゾールを効率的に溶解することができること、またはヘアケア組成物に必要とされるマイクロカプセルの数が耐え難いほどに高くなることが必須である。本発明の最小溶解力は、クリンバゾールの溶解に、8倍以下、好ましくは5倍以下の溶媒が使用されるようなものである。一旦溶解したら、クリンバゾールは溶液中に留まることが重要であり、このことが、マイクロカプセルが破砕され、その液体コアペイロードを送達した際に、クリンバゾールの輸送を助ける。好ましい溶媒は、香料成分を含み、少なくとも50重量%のミッドノートおよびローノートを含む場合、溶解したクリンバゾールがマイクロカプセルの破裂後に溶液中に残るように低揮発性がもたされる。したがって、溶媒系は、25℃において1時間未満でクリンバゾールが開放試験溶液から晶出する揮発性溶媒の使用を避けるべきである。溶媒のcLogPは、好ましくは1.8超、より好ましくは2超、最も好ましくは3超でなければならない。混合物または単独で使用することができる適切な溶媒は、ヘプタノンである。
【0023】
香料
驚くべきことに、本発明者らは、すべての香料原料が、本発明において有用な十分なレベルでクリンバゾールを溶解できるわけではないことを見出した。さらに、揮発性の高い材料はしばしば良好な溶媒を生成するが、これらの溶媒は、クリンバゾールが必要とされる場所に輸送される前に蒸発するので、本出願には不適当である。好ましい香料溶媒は、少なくとも50重量%のローノートおよびミッドノートを含み、少なくとも1.8、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3のcLogPを有するものから選択される。好ましくは、香料は、ベータ−イオノン、クローブ油、オイゲノールおよびシクロシトラールからなる群から選択される。ふけ防止用シャンプーに使用するのに適した独自の香料および香料混合物もまた適している。クリンバゾールの溶解度を高めるために香水を少し温めてもよい。しかし、クリンバゾールは、マイクロカプセルの溶液製造後に溶液中に留まるべきであり、そうでなければ、溶液からの送達の利益は部分的に失われ、効力は低下する。
【0024】
ふけ防止用活性成分
ふけ防止剤はクリンバゾールである。クリンバゾールは、等モル量の(R)−および(S)−クリンバゾールからなるラセミ体であり、IUPAC名(RS)−1−(4−クロロフェノキシ)−1−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチルブタン−2−オンおよびCAS登録番号38083−17−19である。このふけ防止活性成分は酵素ラノステロール14a−デメチラーゼを阻害し、この酵素は、ラノステロールをエルゴステロールに変換するのに必要である。真菌膜におけるエルゴステロールの枯渇は真菌膜の構造および多くの機能を破壊し、真菌の増殖を阻害する。
【0025】
ふけ防止剤は単独でクリンバゾールであってもよく、またはクリンバゾールと少なくとも1種の第2のふけ防止剤との混合物を含んでいてもよい。第2のふけ防止剤は、カプセル化されていても、または非カプセル化であってもよい。それらがカプセル化される場合、それらはクリンバゾールと共カプセル化されてもよく、または第2のタイプのマイクロカプセルに含まれてもよい。好ましい第2のふけ防止用活性成分は、ジンクピリチオンである。
【0026】
好ましくは、総ふけ防止剤は、組成物中に0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%の量で存在する。
【0027】
クリンバゾールレベル
マイクロカプセル中のクリンバゾールのレベルは、溶液から出ることなくできるだけ高くするべきである。好ましい溶媒系について、粒子当たりのレベルは、典型的には、先行技術のラテックス粒子のレベルの少なくとも2倍である。これは、送達系の量が先行技術に比べて減少することを意味する。好ましいクリンバゾールレベルは、粒子固体(シェル、溶媒およびクリンバゾール)の少なくとも20重量%である。
【0028】
好ましくは、クリンバゾールは組成物の0.01〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.6重量%、最も好ましくは0.1〜0.5重量%で存在する。
【0029】
マイクロカプセル壁材料
マイクロカプセルはシェル壁を有する。好ましくは、壁材料は合成ポリマー材料である。好ましいシェル材料は、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒドおよびメラミングリオキサールである。ポリイソシアネートとポリアミンとの反応によって形成されるポリ尿素;ポリイソシアネートとポリオールとの反応によって形成されるポリウレタン;ポリウレタンとポリ尿素との混合物;ポリアミド、ポリエステルおよびさらにシリカなどの無機シェルもまた好ましい。
【0030】
最も好ましい壁材料は、メラミンホルムアルデヒドおよびポリ尿素から選択される。
【0031】
有利には、マイクロカプセル壁は、マイクロカプセルの重量の20重量%以下を構成する。
【0032】
マイクロカプセルサイズ
マイクロカプセルの直径は、好ましくは少なくとも5ミクロンである。直径は、粒子が肉眼で見えるようになるよりも大きい50ミクロンより小さくなければならない。好ましくは、マイクロカプセルの直径は、5〜20ミクロン、例えば10〜15ミクロンの範囲にある。
【0033】
沈着助剤
毛根または頭皮に対して親和性を有する沈着助剤を、マイクロカプセルシェルの外側にグラフトすることができる。好ましい沈着助剤および好ましいシェル材料に対するグラフト方法は、他のところで教示されており、当業者に公知である。最も好ましくは、グラフト化デキストラン;HPC(および他の疎水的に修飾された多糖類);およびキトサン塩である。国際公開第14/064121号は、毛髪上へのマイクロカプセルの沈着を増加させるための沈着助剤としてのキトサン塩の使用を開示しており、国際公開第13/026656号は、ヘアシャンプーからマイクロカプセルを沈着させるために使用する沈着助剤としてのデキストランの使用を開示しており、国際公開第13/026657号は、ヘアシャンプーからのマイクロカプセルの沈着を助ける沈着助剤としてのHPMCおよびHEMCの使用を開示している。
【0034】
界面活性剤系
組成物は、毛髪を処理するためのヘアケア製品として使用される任意の一般的な製品形態であり得る。好ましくは、それはリンスオフ組成物であり、最も好ましくは、それはふけ防止用シャンプー組成物である。
【0035】
組成物は、製品形態に応じてヘアケア製品に一般的に見られる成分のいずれかを含むことができる。
【0036】
例えば、組成物がシャンプーである場合、該組成物は、シャンプーにおける使用に適した少なくとも1種の洗浄界面活性剤を含む界面活性剤系を含む。コンディショニング利益を提供することを目的とする組成物である場合、該組成物はコンディショニング活性成分を含む。適切なコンディショニング活性成分としては、脂肪アルコール、シリコーンおよびカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0037】
適切なアニオン性洗浄界面活性剤の例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリールスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N−アルキルサルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびこれらの塩、特に、それらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウムおよびモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩である。アルキルおよびアシル基は、一般に8〜18個、好ましくは10〜16個の炭素原子を含み、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテルカルボン酸およびこれらの塩は、1分子当たり1〜20個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を含有することができる。
【0038】
本発明の組成物への使用のための典型的なアニオン性洗浄界面活性剤としては、コハク酸オレイルナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルエーテルカルボン酸およびN−ラウリルサルコシネートナトリウムが挙げられる。
【0039】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩である。これらの物質は、それぞれ、式ROSO
3MおよびR−O(C
2H
4O)
xSO
3Mを有し、Rは8〜18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり、xは約1〜約10の値を有する整数であり、Mは、アンモニウム、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ナトリウムおよびカリウムなどの一価金属、ならびにマグネシウムおよびカルシウムなどの多価金属カチオンである。最も好ましくは、Rは12〜14個の炭素原子を有し、分枝鎖ではなく直鎖である。
【0040】
好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(nは1〜3である)から選択され、より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(nは1〜3)、最も好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム1EOから選択される。
【0041】
好ましくは、アルキルエーテル硫酸塩のレベルは、総組成物の0.5重量%〜25重量%、より好ましくは総組成物の3重量%〜18重量%、最も好ましくは6重量%〜15重量%である。
【0042】
本発明の組成物中のアニオン性洗浄界面活性剤の総量は、一般に0.5重量%〜45重量%、より好ましくは1.5重量%〜20重量%の範囲である。
【0043】
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含有することができる。最も好ましくは、非イオン性界面活性剤は0〜5重量%の範囲で存在する。
【0044】
本発明の組成物に含むことができる非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C
8−C
18)の第1級または第2級の、直鎖または分枝鎖のアルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド、通常エチレンオキシドとの、概して6から30個のエチレンオキシド基を有する縮合生成物が挙げられる。アルキルエトキシレートが特に好ましい。式R−(OCH
2CH
2)
nOH(式中、RはC
12−15アルキル鎖であり、nは5〜9である)を有するアルキルエトキシレートが最も好ましい。
【0045】
他の適切な非イオン性界面活性剤としては、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドが挙げられる。例としては、ココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノ−イソプロパノールアミドが挙げられる。
【0046】
本発明のシャンプー組成物に含むことができるさらなる非イオン性界面活性剤はアルキルポリグリコシド(APG)である。典型的には、APGは、1または複数のグリコシル基のブロックに(連結基を介していてもよい)連結されたアルキル基を含む非イオン性界面活性剤である。好ましいAPGは下記の式により定義される:
RO−(G)
n
(式中、Rは、飽和または不飽和であってもよい分枝鎖または直鎖アルキル基であり、Gは、糖基である)。Rは、約C
5〜約C
20の平均アルキル鎖長を表すことができる。最も好ましくは、Rは約C
9.5〜約C
10.5の平均アルキル鎖長を表す。GはC5またはC6の単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびこれらの誘導体を含む群から選択することができる。好ましくは、Gはグルコースである。
【0047】
重合度nは、約1〜約10またはそれ以上の値を有し得る。好ましくは、nの値は約1.1〜約2である。最も好ましくは、nの値は約1.3〜約1.5である。
【0048】
本発明への使用に適切なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Oramix NS10、Seppicから入手可能;Plantaren 1200およびPlantaren 2000、BASF(DeWolf)から入手可能、が挙げられる。
【0049】
本発明の組成物に含むことができる他の糖由来非イオン性界面活性剤としては、例えば国際公開第9206154号および米国特許第5194639号明細書に記載の、C
12−C
18 N−メチルグルカミドなどのC
10−C
18 N−アルキル(C
1−C
6)ポリヒドロキシ脂肪酸アミドならびにC10−C18 N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなどのN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
【0050】
両性または双性イオン性界面活性剤は、総シャンプー組成物の0.5重量%〜約8重量%、好ましくは1重量%〜4重量%の範囲の量で含むことができる。
【0051】
両性または双性イオン性界面活性剤の例としては、アルキルおよびアシル基が8から19個の炭素原子を有する、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン(sultaine))、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが挙げられる。本発明のシャンプーへの使用のための典型的な両性および双性イオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0052】
特に好ましい両性または双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0053】
前述の両性または双性イオン性界面活性剤のいずれかの混合物も適切であり得る。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと上記のさらなる両性または双性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性または双性イオン性界面活性剤はココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0054】
特に好ましい組成物は、組成物の10〜20重量%のラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(式中、nは1〜3の範囲である);組成物の0.5〜5重量%のコカミドプロピルベタイン;および組成物の0.5〜5重量%のココアンホ酢酸ナトリウムまたはラウリルココアンホ酢酸ナトリウムを含む界面活性剤系を含む。
【0055】
他の成分
本組成物はまた、以下の非必須成分の1または複数を含み得る:
pH調整剤
組成物のpHは、好ましくは5〜8の範囲、より好ましくは6〜7の範囲、例えば6.5である。組成物のpHは、当技術分野で周知のように、アルカリ剤(例えば、水酸化ナトリウムなど)または酸性剤(例えば、クエン酸)を用いて調整することができる。
【0056】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは、組成物のコンディショニング性能を高めるための、本発明によるヘアケア組成物中の好ましい成分である。
【0057】
カチオン性ポリマーは、ホモポリマーであってもよいし、2種以上のモノマーから形成されていてもよい。ポリマーの分子量(g/mol)は概して、5,000から10,000,000の間、通常少なくとも10,000、好ましくは100,000から約2,000,000の範囲である。ポリマーは、カチオン性窒素含有基、例えば第4級アンモニウムまたはプロトン化アミノ基またはこれらの混合物を有する。
【0058】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、それはスペーサーの非カチオン性モノマー単位を含んでいてよい。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory、第3版に記載されている。カチオン性モノマー単位と非カチオン性モノマー単位との比は、必要な範囲内のカチオン電荷密度を有するポリマーをもたらすように選択される。
【0059】
適切なカチオン性コンディショニングポリマーとしては、例えば、カチオン性アミンまたは第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1−C7アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を有する。他の適切なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが含まれる。
【0060】
カチオン性アミンは、組成物の特定の種およびpHに依存して、第1級、第2級または第3級アミンであり得る。一般に、第2級および第3級アミン、特に第3級アミンが好ましい。
【0061】
アミン置換されたビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合され、次いで、4級化によってアンモニウムに変換され得る。
【0062】
カチオン性コンディショニングポリマーは、アミン−および/または第4級アンモニウム−置換モノマーおよび/または相溶性スペーサーモノマーから誘導されたモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0063】
適切なカチオン性コンディショニングポリマーとしては、例えば、
a)1−ビニル−2−ピロリジンと1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば塩化物塩)とのコポリマー(米国化粧品トイレタリー香水協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)(CTFA)により工業界においてPolyquaternium−16と呼ばれる)。この材料は、BASF Wyandotte Corp.(Parsippany,NJ,USA)からLUVIQUATの商品名(例えば、LUVIQUAT FC 370)で市販されている;
b)1−ビニル−2−ピロリジンとジメチルアミノエチルメタクリレーとトのコポリマー(工業界(CTFA)においてPolyquaternium−11と呼ばれる)。この物質は、Gaf Corporation(Wayne、NJ、USA)からGAFQUATの商品名(例えば、GAFQUAT 755N)で市販されている;
c)カチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーおよびアクリルアミドと、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(工業界(CTFA)ではそれぞれPolyquaternium 6およびPolyquaternium 7と呼ばれている);
d)3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモ−およびコポリマーのアミノ−アルキルエステルの鉱酸塩(米国特許第4,009,256号に記載されている);
e)カチオン性ポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号に記載されている)
が挙げられる。
【0064】
使用できる他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体などのカチオン性多糖ポリマーが挙げられる。適切には、このようなカチオン性多糖ポリマーは、0.1〜4meq/gの範囲の電荷密度を有する。
【0065】
本発明の組成物への使用に適切なカチオン性多糖ポリマーは、以下の式のものを含む:
A−O−[R−N
+(R
1)(R
2)(R
3)X
−]
(式中、Aは無水グルコース残基、例えばデンプンまたはセルロース無水グルコース残基である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基またはそれらの組み合わせである。R
1、R
2およびR
3は独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、各基は約18個までの炭素原子を含む。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R
1、R
2およびR
3の炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0066】
カチオン性セルロースは、Amerchol Corp.(Edison、NJ、USA)からPolymer JR(商標)およびLR(商標)シリーズのポリマーで入手可能であり、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、工業界(CTFA)ではPolyquaternium 10と呼ばれている。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性第4級アンモニウム塩が挙げられ、工業界(CTFA)でPolyquaternium 24と呼ばれている。これらの物質は、Amerchol Corp.(Edison、NJ、USA)からPolymer LM−200の商品名で入手可能である。
【0067】
他の適切なカチオン性多糖ポリマーとしては、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号に記載されているもの)およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号に記載されているもの)が挙げられる。
【0068】
使用できる特に適切なタイプのカチオン性多糖ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Rhone−PoulencからJAGUARの商標シリーズで市販されている)のようなカチオン性グアーガム誘導体である。
【0069】
例としては、カチオン基の置換度が低く、粘度が高いJAGUAR C13S、中程度の置換度および低粘度のJAGUAR C15、JAGUAR C17(高置換度、高粘度)、低レベルの置換基ならびにカチオン性第4級アンモニウム基を含むヒドロキシプロピル化カチオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16、置換度が低く透明度の高い中粘度グアーであるJAGUAR 162などである。
【0070】
好ましくは、カチオン性コンディショニングポリマーは、カチオン性セルロースおよびカチオン性グアー誘導体から選択される。特に好ましいカチオン性ポリマーは、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17およびJAGUAR C16ならびにJAGUAR C162である。カチオン性ポリマーの存在は、グラフトされたHPC沈着助剤を含むカプセル化物の沈着を高めると考えられている。
【0071】
カチオン性コンディショニングポリマーは、一般に、本発明の組成物中に、該組成物の0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.08〜0.5重量%のレベルで存在する。
【0072】
カチオン性コンディショニングポリマーが本発明によるヘアケア組成物中に存在する場合、コポリマーが、2マイクロメートル以下の平均径(Malvern粒子サイザーを使用する光散乱によって測定されるD
3,2)を有するエマルジョン粒子として存在することが好ましい。
【0073】
本発明のヘアケア組成物は、好ましくは水性であり、すなわちそれらは主成分として水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。適切には、組成物は、組成物の総重量に基づいて、50〜98重量%、好ましくは60〜90重量%の水を含む。
【0074】
シリコーン
ふけ防止ヘア組成物は、0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜約8重量%、より好ましくは約0.3〜約5重量%のシリコーンをさらに含むことができる。
【0075】
好ましい好適なシリコーンとしては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノシリコーンおよびそれらの混合物を挙げることができる。
【0076】
シリコーンは、遊離シリコーン油として、またはシリコーンエマルジョンの形態で存在することができる。
【0077】
シリコーンは、シリコーンエマルジョンの形態で存在することが好ましく、より好ましくは数平均粒径が10〜1000nm、最も好ましくは約100〜約500nmの範囲のシリコーン粒子の水性界面活性剤安定化エマルジョンである。
【0078】
アミノシリコーンは、しばしばヘア組成物中に配合される。アミノシリコーンは、少なくとも1つの第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アンモニウム基を含有するシリコーンである。高分子量シリコーンゴムも利用することができる。別の有用なタイプは、ジメチコーン/ビニル/ジメチコンクロスポリマー(例えば、Dow Corning 9040および9041)などの架橋シリコーンエラストマーである。
【0079】
好適な予備形成シリコーンエマルジョンの例としては、エマルジョンDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788、ならびにマイクロエマルジョンDC2−1865およびDC2−1870が挙げられ、すべてDow Corningから入手可能である。これらはすべてジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。また、DC939(Dow Corning製)およびSME253(GE Silicones製)などのアモジメチコンエマルジョンも好適である。
【0080】
懸濁化剤
好ましくは、本発明のヘアケア組成物は、懸濁化剤をさらに含む。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、エチレングリコールステアレート、16から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択されることが望ましい。ジステアリン酸エチレングリコールおよびジステアリン酸ポリエチレングリコール3は、組成物に真珠光沢を付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能化剤により架橋させたアクリル酸のポリマーもまた使用可能であり、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopol1342である。すべてのCarbopol(商標)物質は、Goodrichから入手可能である。
【0081】
アクリル酸とアクリル酸エステルとの適切な架橋ポリマーはPemulen TR1またはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、例えばKelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0082】
上記懸濁化剤のいずれかの混合物を使用することができる。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0083】
懸濁化剤が含まれる場合、一般に、組成物の総重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜6重量%、より好ましくは0.9〜4重量%のレベルで本発明のヘアケア組成物中に存在する。
【0084】
非シリコーン油性コンディショニング成分
本発明による組成物はまた、分散した不揮発性の水不溶性油性コンディショニング剤を含んでもよい。
【0085】
この成分は、組成物の水性連続相とは別個の不連続相を形成する液滴の形態で組成物中に分散される。換言すれば、油性コンディショニング剤は、水中油型エマルジョンの形態でシャンプー組成物中に存在する。
【0086】
「不溶性」とは、材料が25℃で0.1%(w/w)の濃度で水(蒸留または等価物)に溶解しないことを意味する。適切には、油性コンディショニング成分のD3 2平均液滴サイズは、少なくとも0.4、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも1μmである。さらに、油性コンディショニング成分のD3 2平均液滴サイズは、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、より好ましくは5μm以下、さらにより好ましくは4μm以下、最も好ましくは3.5μm以下である。
【0087】
油性コンディショニング剤は、油性または脂肪性材料、およびこれらの混合物から適切に選択することができる。
【0088】
油性または脂肪性材料は、毛髪に輝きを加え、さらに乾燥時の櫛通り性と乾燥した毛髪の感触を高めるために、本発明のシャンプー組成物に好ましいコンディショニング剤である。
【0089】
好ましい油性および脂肪性材料は、100rpmで動作するスピンドル3を使用して、Brookfield粘度計(例えば(Brookfield RV)を用いて25℃において測定して、一般に、5Pa.s未満、より好ましくは1Pa.s未満、および最も好ましくは0.5Pa.s未満、例えば0.1Pa.s以下の粘度を有する。
【0090】
より高い粘度を有する油性および脂肪性材料も使用することができる。例えば、65Pa.sほどの高い粘度を有する材料を使用することができる。このような材料(すなわち、5Pa.s以上の粘度を有する材料)の粘度は、Dow Corning Corporate Test Method CTM004、1970年7月20日にさらに記載されているガラス毛細管粘度計によって測定することができる。
【0091】
適切な油性または脂肪性材料は、炭化水素油、脂肪エステルおよびこれらの混合物から選択される。
【0092】
炭化水素油としては、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)および分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)が挙げられる。直鎖炭化水素油は、好ましくは約12〜約30個の炭素原子を含有する。分枝鎖炭化水素油は、典型的にはより多くの炭素原子を含有することができる。また、C2〜C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー性炭化水素も適切である。これらのポリマーは直鎖または分枝鎖ポリマーであってもよい。直鎖ポリマーは、典型的には、長さが比較的短く、一般に直鎖炭化水素について上記のような炭素原子の総数を有する。分枝鎖ポリマーは実質的により長い鎖長を有することができる。このような材料の数平均分子量は広く変化することができるが、典型的には約2000まで、好ましくは約200から約1000、より好ましくは約300から約600である。
【0093】
適切な炭化水素油の具体例としては、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分枝鎖異性体だけでなく、より長い鎖長の炭化水素も使用することができる。例示的な分枝鎖異性体は、高分枝飽和または不飽和アルカン、例えば、ペルメチル置換異性体、例えばヘキサデカンおよびエイコサンのペルメチル置換異性体、例えば2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカンおよび2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(Permethyl Corporationによって販売されている)が挙げられる。炭化水素ポリマーのさらなる例は、イソブチレンとブテンとのコポリマーのようなポリブテンである。このタイプの市販の材料は、Amoco Chemical Co.(Chicago、ILL、U.S.A.)によるL−14ポリブテンである。
【0094】
特に好ましい炭化水素油は、さまざまなグレードの鉱油である。鉱油は、ワックスが除去され、より揮発性の留分が蒸留により除去された、石油から得られた透明な油性液体である。摂氏250度から摂氏300度の留分は鉱油と呼ばれ、C16H34からC21H4までの炭化水素の混合物からなる。このタイプの好適な市販の材料としては、Sirius M85およびSirius M125が挙げられ、すべてSilkoleneから入手可能である。
【0095】
好適な脂肪エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル、例えばモノカルボン酸エステル、多価アルコールエステル、およびジカルボン酸エステルおよびトリカルボン酸エステルが挙げられる。本明細書の脂肪酸エステルのヒドロカルビル基は、アミドおよびアルコキシ部分(例えば、エトキシまたはエーテル結合)などの他の適合する官能基を含むかまたは共有結合してもよい。モノカルボン酸エステルには、式R’COOR(式中、R’およびRは独立してアルキルまたはアルケニル基を表し、R’およびRの炭素原子の合計は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である)のアルコールおよび/または酸のエステルが含まれる。
【0096】
具体例としては、例えば、約10〜約22個の炭素原子を有する脂肪族鎖を有する脂肪酸のアルキルおよびアルケニルエステル、ならびに約10〜約22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルアルコール由来の脂肪族鎖を有するアルキルおよび/またはアルケニル脂肪アルコールカルボン酸エステル、約12〜20個の炭素原子を有する脂肪アルコールの安息香酸エステルが挙げられる。
【0097】
モノカルボン酸エステルは、脂肪族鎖の炭素原子の総数が少なくとも10である限り、必ずしも少なくとも10個の炭素原子を有する少なくとも1つの鎖を含む必要はない。例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、およびアジピン酸オレイルが挙げられる。カルボン酸のジ−およびトリアルキルおよびアルケニルエステルも使用することができる。これらには、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、およびオクタン酸のC7〜C22エステル(好ましくはC1〜C9)などのC4〜C8ジカルボン酸のエステルが含まれる。例としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、およびセバシン酸ジイソプロピルが挙げられる。他の具体例としては、ステアロイルステアリン酸イソセチルおよびクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0098】
多価アルコールエステルとしては、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ならびにモノ−、ジ−およびトリグリセリドが挙げられる。
【0099】
特に好ましい脂肪エステルは、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、より具体的にはグリセロールと長鎖カルボン酸、例えばC7〜C22カルボン酸のモノ−、ジ−およびトリ−エステルである。さまざまなこれらのタイプの材料は、ココナッツ油、ヒマシ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボガド油、パーム油、ゴマ油、ピーナッツ油、ラノリンおよび大豆油などの植物性および動物性油脂から得ることができる。合成油には、トリオレインおよびトリステアリングリセリルジラウレートが含まれる。
【0100】
好ましい材料の具体例には、カカオバター、パームステアリン、ヒマワリ油、大豆油およびココナッツ油が含まれる。油性または脂肪性材料は、0.05〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは約0.5〜3重量%のレベルで適切に存在する。
【0101】
本発明の組成物は、好ましくはスタイリングポリマーを3重量%以下、より好ましくは1重量%未満のスタイリングポリマー、好ましくは0.1重量%未満のスタイリングポリマーを含み、最適にはスタイリングポリマーを含まない。
【0102】
コンディショニング剤を含有するヘアトリートメント組成物においては、カチオン性ポリマーもまた存在することが好ましい。
【0103】
アジュバント
本発明の組成物はまた、ヘアケアに適したアジュバントを含有してもよい。一般に、このような成分は、総組成物の2重量%まで、好ましくは1重量%までのレベルで個別に含まれる。
【0104】
適切なヘアケアアジュバントの中には、以下がある:
(i)天然毛根栄養素、例えばアミノ酸および糖類。適切なアミノ酸の例には、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリンおよびバリン、および/またはそれらの前駆体および誘導体が含まれる。アミノ酸は、単独で、混合して、またはペプチド、例えば、ジペプチドおよびトリペプチドの形態で添加することができる。アミノ酸は、タンパク質加水分解物、例えばケラチンまたはコラーゲン加水分解物の形態で添加することもできる。適切な糖は、グルコース、デキストロースおよびフルクトースである。これらは、単独で、または例えば、果実エキスの形態で添加することができる。本発明の組成物に含めるための天然毛根栄養素の特に好ましい組み合わせは、イソロイシンおよびグルコースである。特に好ましいアミノ酸栄養素はアルギニンである。
【0105】
(ii)毛髪有益剤。例は、繊維を保湿し、キューティクルの完全性を維持するためのセラミドである。セラミドは、天然源からの抽出によって、または合成セラミドおよび擬似セラミドとして利用可能である。好ましいセラミドは、Quest社から販売のCeramide IIである。Laboratoires Serobiologiquesから販売のCeramides LSのようなセラミドの混合物も適切である。
【0106】
微量成分
組成物はまた、性能および/または消費者の受容性を高めるための他の成分を含むことができる。このような成分としては、香料(カプセル化または遊離または両方)、着色料、染料および顔料、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、安定剤および防腐剤が挙げられる。適切な防腐系は、安息香酸ナトリウムおよびサリチル酸ナトリウムを含み、水酸化ナトリウムおよびクエン酸H
2Oを用いてpHを調整する。ホルムアルデヒドを含む代替の保存系は、MITおよびDMDMヒダントインを含む。
【0107】
製品形態
ヘアケア組成物は、適切には、シャンプー、コンディショナー、スプレー、ムース、ゲル、ワックスまたはローションであり得る。特に好ましい製品形態は、シャンプー、洗浄後コンディショナー(リーブインおよびリンスオフ)およびヘアエッセンスのようなヘアトリートメント製品である。リンスオフ製品が好ましく、シャンプーが特に好ましい。
【0108】
好ましくは、組成物は、ヘアスタイリングポリマーを含まないか、または実質的に含まない。
【0109】
組成物は、好ましくは、毛髪の処理およびその後のすすぎのための組成物として製剤化される。
【0110】
特に好ましいヘアケア組成物は、シャンプー組成物である。本発明のシャンプー組成物中の界面活性剤(共界面活性剤および/または任意の乳化剤を含む)の総量は、概して、組成物の5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは15〜20重量%である。
【0111】
本発明を、ここで以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明する。
【0112】
[実施例]
[実施例1]
溶媒の選択
Crinipan(登録商標)AD(試験したクリンバゾール)の製造業者は、出版された文献で、「Crinipan(登録商標)AD[...]は、香油および一般的に使用されるヘアケア原材料との相溶性がよく、アルコール、グリコール、界面活性剤および特定の香油に可溶性である」と述べている。
【0113】
頭皮に使用することが安全であると考えられるいくつかの香料成分、香料混合物および油を選別して、クリンバゾールを可溶化するそれらの能力を評価した。乳化重合は溶媒もカプセル化するので、クリンバゾールのマイクロカプセルへの高充填を得るためには効率的な溶媒が必要である。
【0114】
試験した多くの油および香料が、試験した比でクリンバゾールを効果的に可溶化しなかったことが判明し、特に、桂皮酸エチル、アネトール、ココナッツ油、ユーカリ油およびプロピレングリコールは試験したいずれの比でも可溶化しなかった。
【0115】
この選別作業に基づいて、ベータ−イオノン(溶剤対クリンバゾールの比が5:1)、クローブ油(2:1)、ふけ防止用シャンプーに使用するのに適した2種の独自の香料混合物(5:1)および(2:1)ならびに酢酸ベンジル(5:1)をクリンバゾールの好ましい溶媒として選択した。酢酸ベンジルは、それがトップノート香料であると考えられ、本発明において単独で使用するにはあまりにも揮発性であったため、これ以上試験しなかった。
【0116】
[実施例2]
メラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルの合成
実施例1の好ましい油溶液中のクリンバゾールをカプセル化するいくつかのメラミンホルムアルデヒドカプセル化物を、以下の方法を用いて合成した。カプセル化に用いた材料を表1に示す。
【表1】
【0117】
300mlの反応容器中で、19.5gのホルマリン(37重量%の水性ホルムアルデヒド)を44gの水に添加した。5%炭酸ナトリウムを用いてpHを8.9に調整した。これに10gのメラミンおよび0.64gの塩化ナトリウムを加え、室温で10分間攪拌した。得られた溶液を62℃に加熱し、透明になるまで攪拌した。これにより、水中23.2重量%のトリメチロールメラミンのプレポリマーが生成された。
【0118】
4gのCrinipan(登録商標)ADを溶媒、この場合ベータ−イオノン(20g)に5:1の重量比で予め溶解した。
【0119】
第2の300ml反応容器中に、水108.9gを添加し、75℃に加熱した。24.2gのプレポリマーを添加し、混合物のpHを10重量%ギ酸を用いて4.1に調整した。約1分後、溶液は濁った。次いで、溶液を10,000rpmでホモジナイザーにおいて攪拌し、クリンバゾール/ベータ−イオノン溶液16.9gを30秒かけてゆっくり添加した。次いで、混合物をさらに90秒間さらに攪拌した。次いで、反応容器をオーバーヘッドスターラーに75℃で3時間戻した。この時間の後、混合物を冷却し、5%炭酸ナトリウムを用いてpH7に調整した。
【0120】
他のカプセル化サンプルは、同じプロセスを使用してベータ−イオノンをクローブ油、または他の香料成分、香料または油で置き換えて製造した。
【0121】
[実施例3]
阻害ゾーン試験
使用した材料:77%Captex 8000(グリセリルトリオクタノエート)(Abitec)および23%スクアレン(Aldrich)からなるモデル皮脂アナログ
培養準備
1.接種材料を、M.フルフールの寒天プレート植え継ぎ培養から白金耳量の培養物を、ボトル中の滅菌トリプトンに添加することによって調製した。培養物を約1時間攪拌した後、これを約20分間静置した。
【0122】
2.上清を注意深く別の滅菌ボトルに移し、光学密度をMcFarland単位で2.0(約1.2×10
6cfu/ml)に調整した。
【0123】
3.1/4希釈(例えば、2mlの培養物を6mlのトリプトンに)を行うことにより、元の培養調製物から接種材料を調製した。
【表2】
【0124】
香料1は、組成:11.3重量%の1−アセテート、2−(1,1−ジメチルエチル)−シクロヘキサノール、1.6重量%の1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、6.7重量%のドデカナール、6.7重量%の4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、6.7重量%の4,7−メタノ−1H−インデン−6−オール、3a、4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−6−アセテート、6.7重量%の2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、6.7重量%の1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−エタノン、6.7重量%の2−(フェニルメチレン)−オクタナール、6.7重量%のオキサシクロヘキサデカン−2−オン、6.7重量%のベンゼン酢酸、2−フェニルエチルエステル、6.7重量%の2−メチルペンタン酸、エチルエステル、6.7重量%のオクタナール、6.7重量%の3,7−ジメチル−3−オクタノール、6.7重量%のベンジルエタノエート、6.7重量%の3,7−ジメチル−3−アセテート−1,6−オクタジエン−3−オールを有する、等重量部のトップノート、ミドルノートおよびベースノートからなるモデル香料である。
【0125】
香料2および3は、トップノート、ミドルノートおよびベースノートのバランスをとった布地コンディショナー用途に適した市販の香料である。
【0126】
固体レベルは、カプセル化物の脆弱性に応じて、50℃または120℃のいずれかで水を蒸発させることによって測定した。
【0127】
表2のクリンバゾールカプセル化物スラリーを表3に示すシャンプーベースに添加した。すべてのシャンプーは0.1重量%のクリンバゾール活性成分を有すると計算された。各シャンプー1gを水3.9gおよびモデル皮脂0.1gに加え、15μlを6回繰り返して濾紙に加えた。次いで、オーブン中でサンプルを45℃において30分間乾燥させて水を飛ばし、試料の半分をテフロン(登録商標)棒で擦って破裂をシミュレートした。
【表3】
【0128】
阻害ゾーン(ZOI)法
1.L&N寒天プレートを適切にラベル付けした。
【0129】
2.0.25mlまたは1mlの1/4強度接種材料を、各プレート表面上にピペットで移した。
【0130】
3.滅菌スプレッダーを使用して、接種材料をプレートの全表面に均一に広げた。
【0131】
4.濾紙ディスクを、対照プレートおよび1〜5の未破裂ラベルを付けたプレートに三連で添加し、寒天から水分を吸収するために30分間放置した。
【0132】
5.15μlの各(希釈、未破裂)製剤を、適切な寒天プレート中の3枚のディスクのそれぞれにピペットで移した。液体をディスクに染み込ませた。
【0133】
6.追加のディスクを、対照ディスクおよび1〜5の未破裂プレートの元のディスクの上に置き、液体を追加のディスクに染み込ませた。
【0134】
7.先に破裂させたサンプル由来のディスクを別個のリーミング・アンド・ノットマン寒天プレートに3連で添加し、プレートから水分を吸収させた。
【0135】
8.ペトリシールテープを用いてプレートを密封し、一緒にテープで巻き、湿った「キムワイプ」を入れたビニール袋に入れ、30℃で7日間インキュベートした。
【0136】
9.観察されたすべての阻害ゾーンを測定し、記録した。
【表4】
【0137】
予想通り、対照シャンプーベースは抗菌効果を有さず、未破裂のマイクロカプセルはM.フルフールに対する抗菌効果をほとんど、または全く有さなかった。破裂したマイクロカプセルは未破裂のマイクロカプセルよりもM.フルフールに対して有意により抗菌性であるが、この方法を用い、異なる香料溶媒系を用いた破裂マイクロカプセル間の抗菌効果には有意差がない。
【0138】
[実施例4]
皮膚への沈着
ブタ皮膚を50×50mm切片に切断し、14%SLES溶液で基部洗浄し、剃毛した。表3に詳述され、1重量%のカプセル化固体を含有する0.5gのシャンプーをブタの皮膚に適用した。皮膚を30秒間指でマッサージし、次いで4リットル/分の35℃の水道水でさらに30秒間すすいだ。皮膚を半分に切断し、6mlのエタノールを入れた60mlのガラスジャーに入れ、30分間抽出した。次いで、この抽出物を、220nmおよび280nmのピークをHPLC UV測定し、較正と比較して、ngクリンバゾール/皮膚1cm
2のレベルを得た。
【0139】
非カプセル化(遊離)クリンバゾールの沈着レベルは400ng/cm
2として測定され、一方、β−イオノン溶媒カプセル化物は750ng/cm
2の沈着レベルをもたらした。
【0140】
[実施例5]
PSラテックスとの比較ZOI試験
毛髪洗浄をシミュレートするために単純に擦ることによってマイクロカプセルを破裂させた場合の、阻害ゾーン(ZOI)を使用して測定したM.フルフールの増殖に対するクリンバゾールマイクロカプセルの効力を、本発明によるコアシェルマイクロカプセルを含有する溶媒および先行技術によるラテックス粒子の両方について試験した。
【0141】
表3のシャンプーの1gt(マイクロカプセルの有無にかかわらず)を水3.9gで希釈し、モデル皮脂0.1gに添加した。
【0142】
先行技術のラテックス粒子は、国際公開第07/071325号に従って製造した。
【0143】
比較例B ラテックス(NO CBZ)(ポリスチレンキトサン)
キトサン 0.5g
水 100ml
酢酸(36%) 2.7ml
スチレン 2.5ml
KPS 50mg
予測される固体 2.3%
実際の固体 1.8%
方法
窒素をバブリングすることにより、水を数時間完全に脱気した。マグネチックスターラーバー、温度計および窒素ラインを備えた250mlフラスコ中で反応を行った。キトサン(0.5g)を、完全に脱気した水(100ml)に、800rpmで攪拌しながら直接添加した。次いで、脱気した水を用いて調製した酢酸溶液(2.7ml;36%)を添加した。反応混合物を、透明な溶液が得られるまで(約20〜30分)、窒素ブランケット下で70℃のポット温度で加熱した。次いで過硫酸カリウムKPS(50mg)を一度に加え、数分間攪拌し、その後スチレン(2.5ml)を添加した。反応混合物をさらに4時間加熱/攪拌した(約1時間後に白色エマルジョンが観察された)。スチレンをボトルから直接使用した(阻害剤は除去されなかった)。一貫して窒素カバーと熱接触を確実にするために、反応は単一のポットで行った。
【0144】
比較例C ラテックス(+CBZ)(PS/キトサン/CBZ)
キトサン 0.5g
水 100ml
酢酸(36%) 2.7ml
スチレン 2.5ml
CBZ 0.5g
KPS 50mg
予測される固体 2.8%
実際の固体 2%
ラテックス+CBZ材料の方法は、過硫酸カリウムと同時にCBZ(0.5g)を添加したことを除いて、CBZを加えないLATEXの通りであった。
【表5】
【0145】
表5に示すZOIデータは、本発明によるマイクロカプセルの2つの利点を裏付ける。第1に、クリンバゾールの負荷が高いため、低レベルで使用することができる。第2に、カプセルが破裂したときのクリンバゾールの効力は、先行技術のマイクロカプセルよりも有意に大きい。
【0146】
[実施例6]
ポリ尿素マイクロカプセルの合成
クリンバゾールを2−ヘプタノンにカプセル化したポリ尿素(PU)カプセル化物を以下の方法を用いて合成した。使用した材料を表6に示す。示した方法は、マイクロカプセル6.2に関するものである。
【表6】
【0147】
工程1
担体油エマルジョンの調製。5gの2−ヘプタノンおよび1gのクリンバゾールを秤量し、完全に溶解するまで攪拌した。この溶液を0.6gのイソシアネート(Aldrich、PMDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)と合わせて油相を形成させた。別の容器において、十分な量のMorwet D−425(Akzo Nobel)を脱イオン水に溶解することによって、10%界面活性剤溶液(8g)を調製した。全量の界面活性剤濃度を3%に調整する量の水(21.33ml)を添加した。次いで、油相を水相に乳化させて、15000rpmで2分間、剪断下(Ultra Turrax T25、IKA)でクリンバゾールエマルジョンを形成させた。
【0148】
工程2
クリンバゾールカプセルの形成。工程1で調製したクリンバゾールエマルジョンを、0.64mLの40%ヘキサメチレンジアミン(HMDA)(Aldrich)を加えたガラス容器に、マグネチックスターラーにより200〜300rpmで一定混合しながら1分間かけて入れた。このエマルジョンを15分間攪拌した。
【0149】
工程3
沈着助剤のグラフト化。3.43gの2%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC、370K)(Aldrich)溶液を2回に分けて添加した。次いで、スラリーを55℃において3〜5時間硬化させた。
【表7】
【0150】
[実施例7]
毛髪へのポリ尿素マイクロカプセルの沈着
2つのCBZ含有ふけ防止用シャンプー製剤を、表8に示すシャンプー基剤に基づいて調製した。一方の製剤に0.25%の遊離CBZを添加し、他方には、CBZおよび実施例6.3に従って3%HPCをPUカプセル化して、同じCBZ含有レベルを得た。
【表8】
【0151】
それぞれ重量5gで長さ254mmの5つのバージンヘアスイッチを一緒に洗った。2.5gのシャンプーを塗布し、30秒間洗浄した。その後、毛髪を30秒間すすいだ。次いで、別の2.5gのシャンプーを塗布し、30秒間洗浄した。その後、毛髪を30秒間すすいだ。その後、スイッチを乾燥キャビネット内で50℃において30分間乾燥させた後、取り出して金属クリップを取り外して別の60mlガラスジャーに入れた。20gのエタノールを添加し、ジャーを60分間回転させた。1時間後、サンプルを1.2μmのフィルターで濾過してHPLCバイアルに入れ、密封した。次いで、スイッチ上に沈着され、その後抽出されたCBZの量をHPLCによって決定し、表9にμg/cm
2を単位として表した。
【表9】
【0152】
[実施例8]
皮膚への沈着
4種のCBZ含有製剤を、表8に示す組成物に、クリンバゾール0.25%含有に等しいカプセル化されたクリンバゾールまたは遊離クリンバゾールを後投与することによって調製した。1つのカプセル化物は、溶媒としてヘプタノンを使用する以外は実施例1と同様のMFであった。他の2つは両方ともPUであり、一方はHPC沈着助剤を添加したものであった。
【0153】
ブタの皮膚を洗浄し、予め剃毛した後、3×3cm
2の断片に切断した。皮膚を手袋をした指で30秒間マッサージし、次いで10秒かけて75mlを供給するポンプ給水下ですすぎ、このプロセスの間手袋の指で擦った。皮膚を通風室で乾燥させて余分な水分を低減させ、次いで抽出リングを皮膚表面に適用し、エタノール3mlを添加した。これをテフロン(登録商標)棒を用いて皮膚表面の周りで擦り、次いで溶液をHPLCによる分析のために除去した。沈着のHPLC決定の結果を表10に示す。
【表10】
【0154】
両方のタイプのカプセル化物シェルからの沈着は遊離CBZよりも多く、PUシェルへのHPC沈着助剤の添加は沈着をさらに顕著に改善した。