特許第6971551号(P6971551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971551
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】コーティング方法及び被覆物品
(51)【国際特許分類】
   C23C 4/11 20160101AFI20211111BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20211111BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20211111BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20211111BHJP
   C23C 24/04 20060101ALI20211111BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20211111BHJP
   F01D 5/28 20060101ALI20211111BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20211111BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20211111BHJP
   F23R 3/42 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C23C4/11
   B05D7/00 K
   B05D7/24 301W
   B32B9/00 A
   C23C24/04
   F01D25/00 L
   F01D25/00 X
   F01D5/28
   F01D9/02 102
   F02C7/00 C
   F02C7/00 D
   F23R3/42 C
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-200507(P2016-200507)
(22)【出願日】2016年10月12日
(65)【公開番号】特開2017-125254(P2017-125254A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2019年9月30日
(31)【優先権主張番号】14/887,756
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ユク−チウ・ラウ
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド・ヴィンセント・ブッチ
(72)【発明者】
【氏名】ニコル・ジェシカ・チベッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・コンラッド・シェーファー
【審査官】 大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−174161(JP,A)
【文献】 特表2016−507639(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/035618(WO,A1)
【文献】 特開2012−017486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/11
B05D 7/00
B05D 7/24
B32B 9/00
C23C 24/04
F01D 25/00
F01D 5/28
F01D 9/02
F02C 7/00
F23R 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング方法であって、当該コーティング方法が、
第1の層(300)を基材(200)上に形成する工程であって、第1の層(300)を形成する工程が、未使用粉体粒子(204)を基材(200)上に施工することを含んでいて、未使用粉体粒子(204)が、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、工程と、
第2の層(302)を第1の層(300)上に形成する工程であって、第2の層(302)を形成する工程が、再利用粉体粒子(208)を第1の層(300)上に施工することを含んでいて、再利用粉体粒子(208)が、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、工程と
を含んでおり、第1の層(300)及び第2の層(302)がコーティング(202)を画成し、
未使用粉体粒子(204)及び再利用粉体粒子(208)を施工する工程が、空気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、コールドスプレー及びその組合せからなる群から選択される施工技術を含む、コーティング方法。
【請求項2】
基材(200)がタービン部品(102)である、請求項1に記載のコーティング方法。
【請求項3】
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)がイットリア安定化ジルコニアを含む、請求項1又は請求項2に記載のコーティング方法。
【請求項4】
第2の層(302)を形成する工程が、再利用粉体粒子(208)と未使用粉体粒子(204)を混合して、粉体粒子の混合物(212)を形成することを含む、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコーティング方法。
【請求項5】
粉体粒子の混合物(212)が、25重量%以上の未使用粉体粒子(204)を含む、請求項4に記載のコーティング方法。
【請求項6】
再利用粉体粒子(208)が、再利用粉体粒子(208)を生成する再利用プロセスの後に残存する不純物に由来する1種以上の外来材料(210)を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコーティング方法。
【請求項7】
再利用粉体粒子(208)が、70重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、請求項に記載のコーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング方法及び被覆物品に関する。より特に、本発明は、未使用(バージン)粉体粒子及び再利用(リサイクル)粉体粒子を含むコーティング方法並びに被覆物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の製造分野に関する加工技術は、かなりの廃棄物を伴う堆積技術を用いる。オーバースプレーの構成材料を回収する能力があれば、廃棄物の処理のコストが最小限に抑えられ、新しい材料の使用量が減少し、天然資源が保護される。
【0003】
ガスタービン、例えば航空機エンジン及び発電システムなどは、信頼性、電力、効率、経済、及び動作寿命に関して最も高い要求を満たさなければならない。燃焼器、燃焼器ライナー、燃焼器トランジションピース、燃焼機器、タービンブレード(バケット)、ベーン(ノズル)及びシュラウドなどのタービン部品にコーティングを用いることは、商用並びに軍用のガスタービンエンジンにおいて重要である。コーティング、例えばボンドコーティング及び遮熱コーティングは、特定の厳しい環境条件における望ましい性能特性及び運転に寄与する。そのようなコーティングは、イットリア安定化ジルコニアなどの希土類酸化物ドープセラミック酸化物を組み込むことができる。
【0004】
コーティングは、空気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、コールドスプレー、及び真空プラズマ溶射などの技術によって施工することができる。これらの施工技術は、効率の悪い場合が多く、オーバースプレーとしてかなりのコーティング材料の廃棄物がもたらされる。三次元印刷プロセスも、オーバースプレーとしてかなりのコーティング材料の廃棄物をもたらすことがある。コーティングブース(三次元印刷ブースを含む)は、様々なコーティング適用に交互に使用されるので、コーティング及び三次元印刷適用で施工された様々な材料(及び他の混入物)は、オーバースプレーの中で混じり合うようになる。希土類酸化物ドープセラミック酸化物は高価であり、オーバースプレー材料は、費用のかかる処分を要する。
【0005】
希土類酸化物ドープセラミック酸化物を含むオーバースプレーを再利用する一つの方法が、Monk他の米国特許第8961645号に開示されている。その開示は、まるで完全に再度述べられているかのように、その全文が本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8961645号明細書
【発明の概要】
【0007】
例となる実施形態では、コーティング方法には、第1の層を基材の上に形成する工程及び第2の層を第1の層の上に形成する工程が含まれる。第1の層を形成する工程には、未使用粉体粒子を基材の上に施工することが含まれ、未使用粉体粒子は1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物を含む。第2の層を形成する工程には、再利用粉体粒子を第1の層上に施工することが含まれ、再利用粉体粒子は1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物及び1種以上の外来材料を含み、第1の層及び第2の層がコーティングを画成する。
【0008】
別の例となる実施形態では、コーティング方法には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物を含む未使用粉体粒子と1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物及び1種以上の外来材料を含む再利用粉体粒子を混合して粉体粒子の混合物を形成する工程と、粉体粒子の混合物を基材の上に施工して、コーティングを形成する工程が含まれる。
【0009】
別の例となる実施形態では、被覆物品には、基材及び基材上のコーティングが含まれ、コーティングは、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物の未使用粉体粒子並びに1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物及び1種以上の外来材料を含む再利用粉体粒子を含む。
【0010】
本発明のその他の特徴及び利点は、本発明の原理を例として説明する添付の図面と併せて、以下の好ましい実施形態のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による、被覆物品の斜視図を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による、被覆物品の図1の線2−2に沿った断面図を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による、被覆物品の図1の線3−3に沿った断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
可能な場合はいつでも、図面を通して同じ参照番号が同じ部分を表すために使用される。
【0013】
例となる被覆物品及びコーティング方法が開示される。本開示の実施形態は、本明細書に開示される1又はそれ以上の特徴を用いない方法と比較して、コストを低下させ、廃棄物を減らし、環境影響を低下させ、処理効率を改善し、再利用コーティングの性能又はその組合せを改善する。
【0014】
図1を参照すると、一実施形態では、被覆物品100が描写される。被覆物品100は好適な部品であればよく、限定されるものではないが、タービン部品(102)、タービン高温ガス通路部品、タービンバケット(ブレード)(104)、タービンノズル(ベーン)、タービンシュラウド、タービン燃焼器、タービン燃焼器ライナー、タービン燃焼器トランジションピース、タービン燃焼機器、又はその組合せが挙げられる。
【0015】
図2を参照すると、一実施形態では、被覆物品100には、基材200及び基材200上のコーティング202が含まれる。コーティング202には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206を含む未使用粉体粒子204と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206及び1種以上の外来材料210を含む再利用粉体粒子208とが含まれる。もう一つの実施形態では、コーティング202は、未使用粉体粒子204と再利用粉体粒子208から本質的になり、1種以上の外来材料210は、再利用粉体粒子208を生成する再利用プロセスの後に残っている不純物に由来し、コーティング202の物理的又は化学的性質に物質的に影響を及ぼさないコーティング202中の付随不純物の存在は排除されない。
【0016】
本明細書において、「未使用(バージン)」は、コーティングプロセス又は同様の工業プロセスにおいてこれまでに他の材料と混合されていないか、或いは、そのような混合の前の1種以上の材料の物理的及び化学的な性質から物質的に逸脱しない物理的及び化学的な性質を有するように十分に精製された、1種以上の材料を説明する。「未使用」は、その混合物の物理的又は化学的性質を実現するために、別個の材料が慎重に混合されているという条件で、別個の材料の混合物を説明することができる。「未使用」は、1種以上の材料の物理的又は化学的性質に物質的に影響を及ぼさない付随不純物の存在を排除しない。本明細書において、「外来」とは、1種以上の未使用材料に存在しないか又はそこに生じるよりも高い濃度で存在しない、さらなる1種以上の材料をさす。
【0017】
一実施形態では、図2に示されるように、コーティング202を基材200上に生成するためのコーティング方法には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206を含む未使用粉体粒子204と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206及び1種以上の外来材料210を含む再利用粉体粒子208とを混合して、粉体粒子の混合物212を形成する工程、及び粉体粒子の混合物212基材200上に施工して、コーティング202を形成する工程が含まれる。
【0018】
図3を参照すると、別の実施形態では、被覆物品100の基材200上のコーティング202には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206を含む未使用粉体粒子204を含む第1の層300、並びに、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206及び1種以上の外来材料210を含む再利用粉体粒子208を含む第2の層302が含まれる。第2の層302には、粉体粒子の混合物212を形成する、未使用粉体粒子204も含まれてよい(図示せず)。もう一つの実施形態では、第1の層300は、未使用粉体粒子204から本質的になり、第2の層302は、未使用粉体粒子204と再利用粉体粒子208から本質的になり、1種以上の外来材料210は、再利用粉体粒子208を生成する再利用プロセスの後に残っている不純物に由来し、コーティング202の物理的又は化学的性質に物質的に影響を及ぼさない、第1の層300及び第2の層302中の付随不純物の存在は排除されない。さらなる実施形態では、コーティング202は、第1の層300及び第2の層302から本質的になり、該コーティング202の物理的又は化学的性質に物質的に影響を及ぼさない、第1の層300と第2の層302の間の付随不純物の存在は排除されない。
【0019】
一実施形態では、図3に示されるように、コーティング202を基材200上に生成するためのコーティング方法には、第1の層300を基材200上に形成する工程、及び第2の層302を第1の層300上に形成する工程が含まれる。第1の層300を形成する工程には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206を含む未使用粉体粒子204を基材200上に施工することが含まれる。第2の層302を形成する工程には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206及び1種以上の外来材料210を含む再利用粉体粒子208を第1の層300上に施工することが含まれる。第2の層302を形成する工程には、再利用粉体粒子208と未使用粉体粒子204とを混合して粉体粒子の混合物212を形成すること、及び粉体粒子の混合物212を第1の層300に施工することがさらに含まれてよい。
【0020】
図2及び3を参照すると、コーティング202は、好適なコーティングであればよく、遮熱コーティング、ボンドコーティング、高密度縦割れ(dense vertically cracked)コーティング、多孔質コーティング、アブレイダブルコーティング、又はその組合せが含まれる。
【0021】
基材は、好適な材料であればよく、限定されるものではないが、金属、合金、鉄系合金、セラミック、鋼、MCrAlY、遮熱コーティング、ボンドコーティング、環境障壁コーティング、ガラス繊維複合材料、炭素複合材料、耐熱性合金、クロム−モリブデン、クロム−モリブデン−バナジウム、コバルト−クロム−モリブデン、超合金、ニッケル基超合金、セラミックマトリックス複合材料、炭素繊維強化炭素(C/C)、炭素繊維強化炭化ケイ素(C/SiC)、炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素(SiC/SiC)、又はその組合せが含まれる。
【0022】
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206は、好適な希土類酸化物ドープセラミック酸化物を含むものであればよく、限定されるものではないが、イットリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、インジア安定化ジルコニア、ランタン安定化ジルコニア、ネオジミア安定化ジルコニア、イッテルビア安定化ジルコニア、ストロンチウム安定化ジルコニア、酸化バリウム安定化ジルコニア、酸化ニッケル安定化ジルコニア、酸化鉄安定化ジルコニア、酸化コバルト安定化ジルコニア、ジスプロシア安定化ジルコニア、ガドリニア安定化ジルコニア、サマリア安定化ジルコニア、エルビア安定化ジルコニア、ユーロピア安定化ジルコニア、プラセオジニア安定化ジルコニア、及びその混合物が含まれる。
【0023】
外来材料としては、限定されるものではないが、MがFe、Ni又はCoであるMCrAlY材料、酸化MCrAlY材料、異質材料、又はその組合せを挙げることができる。本明細書において、「異質材料」は、再利用粉体粒子208が取り出されるコーティングブースの中で施工されるオーバースプレーに由来しない材料を示す。
【0024】
図2及び3に示されるように、コーティング202を基材200上に生成するためのコーティング方法には、再利用粉体粒子208を形成する工程がさらに含まれてよい。一実施形態では、再利用粉体粒子208を形成する工程には、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206及び1種以上の外来材料210を含む混合物に、1種以上の外来材料210の一部を有する1又はそれ以上の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206の一部を含む反磁性部分を生じるために効果的な条件下で、1以上の磁場を印加することが含まれる。混合物は、1種以上の外来材料210を含む第1の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206と混合した1種以上の外来材料210を含む常磁性−反磁性部分を生じるために効果的な条件下で第1の磁場に印加される。常磁性−反磁性部分は、常磁性の1種以上の外来材料210を反磁性の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物206から分離するために効果的な条件下で第2の磁場に印加される。この際、第1の磁場は第2の磁場よりも弱い。
【0025】
一実施形態では、再利用粉体には、約70重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物、或いは約80重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物、或いは約90重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物、或いは約95重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物、或いは約97重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物、或いは約98重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物が含まれる。
【0026】
未使用粉体粒子204、再利用粉体粒子208、又は粉体粒子の混合物212を施工することには、好適な施工技術が含まれてよく、それには、限定されるものではないが、空気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、コールドスプレー又はその組合せが含まれる。
【0027】
一実施形態では、粉体粒子の混合物212には、約10重量%以上の未使用粉体、或いは約15重量%以上の未使用粉体、或いは約25重量%以上の未使用粉体、或いは約35重量%以上の未使用粉体、或いは約50重量%以上の未使用粉体、或いは約75重量%以上の未使用粉体が含まれる。
【0028】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が行われてよく、等価物がその要素に代用されてよいことが理解されるであろう。その上、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正が行われてよい。そのため、本発明が、本発明を実行するために検討された最良の様式として開示される特定の実施形態に制限されるものではなく、添付される特許請求の範囲の範囲内にある全ての実施形態が本発明に含まれることが意図される。
[実施態様1]
コーティング方法であって、
第1の層(300)を基材(200)上に形成する工程であって、第1の層(300)を形成する工程が、未使用粉体粒子(204)を基材(200)上に施工することを含んでいて、未使用粉体粒子(204)が、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、工程と、
第2の層(302)を第1の層(300)上に形成する工程であって、第2の層(302)を形成する工程が、再利用粉体粒子(208)を第1の層(300)上に施工することを含んでいて、再利用粉体粒子(208)が、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)及び1種以上の外来材料(210)を含む、工程とを含み、
第1の層(300)及び第2の層(302)がコーティング(202)を画成する、コーティング方法。
[実施態様2]
コーティング(202)が、遮熱コーティング、ボンドコーティング、高密度縦割れコーティング、多孔質コーティング、アブレイダブルコーティング及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様3]
基材(200)がタービン部品(102)である、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様4]
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)がイットリア安定化ジルコニアを含む、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様5]
再利用粉体粒子(208)を形成する工程であって、再利用粉体粒子(208)を形成する工程が、
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)及び1種以上の外来材料(210)を含む混合物に、1種以上の外来材料(210)の一部を有する1又はそれ以上の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)の一部を含む反磁性部分を生じるために効果的な条件下で、1以上の磁場を印加すること、
混合物に、1種以上の外来材料(210)を含む第1の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)と混合した1種以上の外来材料(210)を含む常磁性−反磁性部分を生じるために効果的な条件下で、第1の磁場を印加すること、及び
常磁性−反磁性部分に、常磁性の1種以上の外来材料(210)を反磁性の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)から分離するために効果的な条件下で、第2の磁場を印加すること、を含み、
第1の磁場が第2の磁場よりも弱い、工程をさらに含む、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様6]
再利用粉体粒子(208)が、約70重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様7]
未使用粉体粒子(204)及び再利用粉体粒子(208)を施工する工程が、空気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、コールドスプレー及びその組合せからなる群から選択される施工技術を含む、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様8]
第2の層(302)を形成する工程が、再利用粉体粒子(208)と未使用粉体粒子(204)を混合して、粉体粒子の混合物(212)を形成することを含む、実施態様1に記載のコーティング方法。
[実施態様9]
粉体粒子の混合物(212)が、約25重量%以上の未使用粉体粒子(204)を含む、実施態様8に記載の方法。
[実施態様10]
コーティング方法であって、
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む未使用粉体粒子(204)と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)及び1種以上の外来材料(210)とを含む再利用粉体粒子(208)とを混合して、粉体粒子の混合物(212)を形成する工程と、
粉体粒子の混合物(212)を基材(200)上に施工して、コーティング(202)を形成する工程とを含む、コーティング方法。
[実施態様11]
コーティング(202)が、遮熱コーティング、ボンドコーティング、高密度縦割れコーティング、多孔質コーティング、アブレイダブルコーティング及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様12]
基材(200)がタービン部品(102)である、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様13]
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)がイットリア安定化ジルコニアを含む、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様14]
再利用粉体粒子(208)を形成する工程であって、再利用粉体粒子(208)を形成する工程が、
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)及び1種以上の外来材料(210)を含む混合物に、1種以上の外来材料(210)の一部を有する1又はそれ以上の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)の一部を含む反磁性部分を生じるために効果的な条件下で、1以上の磁場を印加すること、
混合物に、1種以上の外来材料(210)を含む第1の常磁性部分と、1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)と混合した1種以上の外来材料(210)を含む常磁性−反磁性部分を生じるために効果的な条件下で、第1の磁場を印加すること、及び
常磁性−反磁性部分に、常磁性の1種以上の外来材料(210)を反磁性の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)から分離するために効果的な条件下で、第2の磁場を印加すること、を含み、
第1の磁場が第2の磁場よりも弱い、工程をさらに含む、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様15]
再利用粉体粒子(208)が、約70重量%以上の1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様16]
粉体粒子の混合物(212)を施工する工程が、空気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、コールドスプレー及びその組合せからなる群から選択される施工技術を含む、実施態様10に記載のコーティング方法。
[実施態様17]
粉体粒子の混合物(212)が、約25重量%以上の未使用粉体粒子(204)を含む、実施態様10に記載の方法。
[実施態様18]
基材(200)及び基材(200)上のコーティング(202)を含む被覆物品(100)であって、コーティング(202)が、
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)を含む未使用粉体粒子(204)、及び
1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物(206)及び1種以上の外来材料(210)を含む再利用粉体粒子(208)
を含む、被覆物品(100)。
[実施態様19]
コーティング(202)が、未使用粉体粒子(204)を含む第1の層(300)と、再利用粉体粒子(208)を含む第2の層(302)とを含む、実施態様18に記載の被覆物品(100)。
[実施態様20]
基材(200)がタービン部品であり、コーティング(202)が、遮熱コーティング、ボンドコーティング、高密度縦割れコーティング、多孔質コーティング、アブレイダブルコーティング及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施態様18に記載の被覆物品(100)。
【符号の説明】
【0029】
100 被覆物品
102 タービン部品
104 タービンバケット(ブレード)
200 基材
202 コーティング
204 未使用粉体粒子
206 1種以上の希土類酸化物ドープセラミック酸化物
208 再利用粉体粒子
210 外来材料
212 粉体粒子の混合物
300 第1の層
302 第2の層
図1
図2
図3