特許第6971615号(P6971615)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000002
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000003
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000004
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000005
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000006
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000007
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000008
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000009
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000010
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000011
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000012
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000013
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000014
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000015
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000016
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000017
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000018
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000019
  • 特許6971615-組立品の製造方法及び組立装置 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971615
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】組立品の製造方法及び組立装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/17 20060101AFI20211111BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B29C45/17
   B29C45/26
【請求項の数】23
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-87679(P2017-87679)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-183942(P2018-183942A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2019年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】米桝 淳司
【審査官】 浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−102012(JP,A)
【文献】 特表2012−526677(JP,A)
【文献】 特開平11−138584(JP,A)
【文献】 特開2001−260167(JP,A)
【文献】 特表2005−534526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00−33/76
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1型と、前記第1型に対向する第2型とを有する成形型を備え、前記成形型により、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立装置であって、
前記第1型は、2つ以上の同一形状の第1成形部を有する成形部群を複数有し、移動可能な第1移動部を備え、
前記第1移動部は、前記複数の成形部群と同数の複数の回転盤を備え、前記複数の回転盤の各々は、1つの前記成形部群を有し、
前記第2型は、複数の第2成形部と、複数の組立部と、を備え、
前記第1移動部は、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させる位置に移動し、
前記成形型の型締め動作により、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで、前記部品を成形するキャビティを形成することを特徴とする組立装置。
【請求項2】
前記第1移動部は、1つ以上の前記成形部群を有する、前記複数の成形部群よりも少ない数の前記回転盤を備えることを特徴とする請求項に記載の組立装置。
【請求項3】
前記第2型は、前記複数の組立部を含んで、前記部品を保持した前記第1成形部に対向させる前記組立部を切り替えるよう移動可能な第2移動部を有することを特徴とする請求項またはに記載の組立装置。
【請求項4】
前記第2移動部は、回転盤を有することを特徴とする請求項に記載の組立装置。
【請求項5】
前記複数の組立部は、前記複数の成形部群よりも多く、
前記成形型を型締めした状態で、前記複数の組立部のうち前記第1成形部に対向しない前記組立部が、前記組立品を取り出し可能に露出することを特徴とする請求項またはに記載の組立装置。
【請求項6】
前記第1型は、前記複数の第1成形部を複数セット有し、
前記第2型は、前記複数の第2成形部及び前記複数の組立部を複数セット有することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項7】
前記複数の組立部の各々は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置され、前記部品が係合する係合ピンと、を有することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の組立装置。
【請求項8】
第1型と、前記第1型に対向する第2型とを有する成形型を備え、前記成形型により、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立装置であって、
前記第1型は、2つ以上の同一形状の第1成形部を有する成形部群を複数有し、移動可能な第1移動部を備え、
前記第2型は、複数の第2成形部と、複数の組立部と、を備え、
第1移動部は、1つ以上の前記成形部群を有し、前記複数の成形部群よりも少ない数の回転盤を備え、
前記第1移動部は、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させる位置に移動し、
前記成形型の型締め動作により、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで、前記部品を成形するキャビティを形成することを特徴とする組立装置。
【請求項9】
第1型と、前記第1型に対向する第2型とを有する成形型を備え、前記成形型により、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立装置であって、
前記第1型は、2つ以上の同一形状の第1成形部を有する成形部群を複数有し、移動可能な第1移動部を備え、
前記第2型は、複数の第2成形部と、前記複数の成形部群よりも多い複数の組立部を含み、前記部品を保持した前記第1成形部に対向させる前記組立部を切り替えるよう移動可能な第2移動部を備え、
前記第1移動部は、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させる位置に移動し、
前記成形型の型締め動作により、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで、前記部品を成形するキャビティを形成し、前記複数の組立部のうち前記第1成形部に対向しない前記組立品を取り出し可能に露出させることを特徴とする組立装置。
【請求項10】
第1型と、前記第1型に対向する第2型とを有する成形型を備え、前記成形型により、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立装置であって、
前記第1型は、2つ以上の同一形状の第1成形部を有する成形部群を複数有し、移動可能な第1移動部を備え、
前記第2型は、複数の第2成形部と、複数の組立部と、を備え、
前記複数の組立部の各々は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置され、前記部品が係合する係合ピンと、を有し、
前記第1移動部は、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させる位置に移動し、
前記成形型の型締め動作により、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで、前記部品を成形するキャビティを形成することを特徴とする組立装置。
【請求項11】
複数の第1成形部を有する第1型と、前記第1型に対向し、複数の第2成形部及び複数の組立部を有する第2型とを備える成形型を用いて、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立品の製造方法であって、
前記複数の第1成形部は、同一形状の2つ以上の前記第1成形部からなる成形部群を複数有し、
前記第1型は、複数の前記成形部群を含んで、移動可能な第1移動部を有し、
前記第1移動部は、前記複数の成形部群と同数の複数の回転盤を備え、
前記複数の回転盤の各々は、1つの前記成形部群を有し、
前記成形型を型締めする第1工程と、
前記第1工程で型締めされた前記成形型で形成される複数のキャビティのそれぞれに溶融樹脂を充填して前記複数の部品を成形する第2工程と、
前記第2工程で成形された前記複数の部品が前記第1型に保持された状態で、前記成形型を型開きする第3工程と、
前記第3工程で前記第1型に保持された前記部品を、前記第2型の前記組立部に対向させる第4工程と、を繰り返し実行し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1型に保持された前記部品を前記第2型の前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記第1型の前記第1成形部と前記第2型の前記第2成形部とで前記キャビティを形成し、
前記第3工程では、前記第2工程で成形した前記部品を前記第1成形部に保持させた状態で前記成形型を型開きし、
前記第4工程では、前記第1移動部を移動させて、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させ、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで前記キャビティを形成することを特徴とする組立品の製造方法。
【請求項12】
前記第1移動部は、1つ以上の前記成形部群を有する、前記複数の成形部群よりも少ない数の前記回転盤を備えることを特徴とする請求項11に記載の組立品の製造方法。
【請求項13】
前記第2型は、前記複数の組立部を含んで、前記部品を保持した前記第1成形部に対向させる前記組立部を切り替えるよう移動可能な第2移動部を有することを特徴とする請求項11または12に記載の組立品の製造方法。
【請求項14】
前記第2移動部は、回転盤を有することを特徴とする請求項13に記載の組立品の製造方法。
【請求項15】
前記第3工程では、前記成形型を型開きするとともに前記組立部に対向する前記第1成形部からピンが突き出て前記第1成形部に保持された前記部品を前記第1型から離型させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の組立品の製造方法。
【請求項16】
前記複数の組立部の各々は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置された係合ピンと、を有し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることで前記部品を前記係合ピンに係合させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の組立品の製造方法。
【請求項17】
複数の第1成形部を有する第1型と、前記第1型に対向し、複数の第2成形部及び複数の組立部を有する第2型とを備える成形型を用いて、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立品の製造方法であって、
前記複数の第1成形部は、同一形状の2つ以上の前記第1成形部からなる成形部群を複数有し、
前記第1型は、複数の前記成形部群を含んで、移動可能な第1移動部を有し、
前記第1移動部は、1つ以上の前記成形部群を有する、前記複数の成形部群よりも少ない数の回転盤を備え、
前記成形型を型締めする第1工程と、
前記第1工程で型締めされた前記成形型で形成される複数のキャビティのそれぞれに溶融樹脂を充填して前記複数の部品を成形する第2工程と、
前記第2工程で成形された前記複数の部品が前記第1型に保持された状態で、前記成形型を型開きする第3工程と、
前記第3工程で前記第1型に保持された前記部品を、前記第2型の前記組立部に対向させる第4工程と、を繰り返し実行し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1型に保持された前記部品を前記第2型の前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記第1型の前記第1成形部と前記第2型の前記第2成形部とで前記キャビティを形成し、
前記第3工程では、前記第2工程で成形した前記部品を前記第1成形部に保持させた状態で前記成形型を型開きし、
前記第4工程では、前記第1移動部を移動させて、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させ、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで前記キャビティを形成することを特徴とする組立品の製造方法。
【請求項18】
前記第3工程では、前記成形型を型開きするとともに前記組立部に対向する前記第1成形部からピンが突き出て前記第1成形部に保持された前記部品を前記第1型から離型させることを特徴とする請求項17に記載の組立品の製造方法。
【請求項19】
前記複数の組立部の各々は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置された係合ピンと、を有し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることで前記部品を前記係合ピンに係合させることを特徴とする請求項17または18に記載の組立品の製造方法。
【請求項20】
複数の第1成形部を有する第1型と、前記第1型に対向し、複数の第2成形部及び複数の組立部を有する第2型とを備える成形型を用いて、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立品の製造方法であって、
前記複数の第1成形部は、同一形状の2つ以上の前記第1成形部からなる成形部群を複数有し、
前記第1型は、複数の前記成形部群を含んで、移動可能な第1移動部を有し、
前記成形型を型締めする第1工程と、
前記第1工程で型締めされた前記成形型で形成される複数のキャビティのそれぞれに溶融樹脂を充填して前記複数の部品を成形する第2工程と、
前記第2工程で成形された前記複数の部品が前記第1型に保持された状態で、前記成形型を型開きする第3工程と、
前記第3工程で前記第1型に保持された前記部品を、前記第2型の前記組立部に対向させる第4工程と、を繰り返し実行し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1型に保持された前記部品を前記第2型の前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記第1型の前記第1成形部と前記第2型の前記第2成形部とで前記キャビティを形成し、
前記第3工程では、前記第2工程で成形した前記部品を前記第1成形部に保持させた状態で前記成形型を型開きするとともに前記組立部に対向する前記第1成形部からピンが突き出て前記第1成形部に保持された前記部品を前記第1型から離型させ、
前記第4工程では、前記第1移動部を移動させて、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させ、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで前記キャビティを形成することを特徴とする組立品の製造方法。
【請求項21】
前記複数の組立部の各々は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置された係合ピンと、を有し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることで前記部品を前記係合ピンに係合させることを特徴とする請求項20に記載の組立品の製造方法。
【請求項22】
複数の第1成形部を有する第1型と、前記第1型に対向し、複数の第2成形部及び複数の組立部を有する第2型とを備える成形型を用いて、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立品の製造方法であって、
前記複数の第1成形部は、同一形状の2つ以上の前記第1成形部からなる成形部群を複数有し、
前記第1型は、複数の前記成形部群を含んで、移動可能な第1移動部を有し、
前記成形型を型締めする第1工程と、
前記第1工程で型締めされた前記成形型で形成される複数のキャビティのそれぞれに溶融樹脂を充填して前記複数の部品を成形する第2工程と、
前記第2工程で成形された前記複数の部品が前記第1型に保持された状態で、前記成形型を型開きする第3工程と、
前記第3工程で前記第1型に保持された前記部品を、前記第2型の前記組立部に対向させる第4工程と、を繰り返し実行し、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1型に保持された前記部品を前記第2型の前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記第1型の前記第1成形部と前記第2型の前記第2成形部とで前記キャビティを形成し、
前記組立部は、前記複数の部品が収まる凹部と、前記凹部に配置された係合ピンと、を有し、
前記第3工程では、前記第2工程で成形した前記部品を前記第1成形部に保持させた状態で前記成形型を型開きし、
前記第4工程では、前記第1移動部を移動させて、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させ、
前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して前記部品を前記係合ピンに係合させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで前記キャビティを形成することを特徴とする組立品の製造方法。
【請求項23】
前記第3工程では、前記成形型を型開きするとともに前記組立部に対向する前記第1成形部からピンが突き出て前記第1成形部に保持された前記部品を前記第1型から離型させることを特徴とする請求項22に記載の組立品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型を用いて複数の部品を成形し、かつ、複数の部品で組立品を製造する組立品の製造方法、及び組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部品を、成形型を用いて成形し、成形した各部品を組立ラインに供給して、人や組立ロボットによって組立品を組み立てていた。近年においては、成形型を用いて、各種部品の成形と組立を行う組立方法が提案されている(特許文献1)。この特許文献1では、成形型のキャビティに溶融樹脂を充填して複数の部品を成形する成形動作と成形した複数の部品で組立品を組み立てる組立動作を交互に行っていた。具体的に説明すると、成形動作では、組立動作後、可動型及び固定型を有する金型を型開きして、固定型の各成形部を成形位置へ移動させ、次いで成形型を型締めして成形部で形成されたキャビティに溶融樹脂を充填して部品を成形していた。組立動作では、成形動作後、成形型を型開きし、成形した部品を保持した固定型の各成形部を、可動型の各組立部に対向する組立位置へ移動させ、次いで成形型を型締めし、型締めした状態で固定型の成形部からピンを突き出して組立品を組み立てていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3781327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、成形動作と組立動作とを交互に行い、各動作の度に成形型の型開きと型締めを行う必要があったため、組立品の生産効率が低いものであった。
【0005】
そこで、本発明は、組立品の生産効率を向上させることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の組立装置は、第1型と、前記第1型に対向する第2型とを有する成形型を備え、前記成形型により、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立装置であって、前記第1型は、2つ以上の同一形状の第1成形部を有する成形部群を複数有し、移動可能な第1移動部を備え、前記第1移動部は、前記複数の成形部群と同数の複数の回転盤を備え、前記複数の回転盤の各々は、1つの前記成形部群を有し、前記第2型は、複数の第2成形部と、複数の組立部と、を備え、前記第1移動部は、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させる位置に移動し、前記成形型の型締め動作により、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで、前記部品を成形するキャビティを形成することを特徴とする
また、本発明の組立品の製造方法は、複数の第1成形部を有する第1型と、前記第1型に対向し、複数の第2成形部及び複数の組立部を有する第2型とを備える成形型を用いて、複数の部品を成形し、かつ前記複数の部品を有する組立品を組み立てる組立品の製造方法であって、前記複数の第1成形部は、同一形状の2つ以上の前記第1成形部からなる成形部群を複数有し、前記第1型は、複数の前記成形部群を含んで、移動可能な第1移動部を有し、前記第1移動部は、前記複数の成形部群と同数の複数の回転盤を備え、前記複数の回転盤の各々は、1つの前記成形部群を有し、前記成形型を型締めする第1工程と、前記第1工程で型締めされた前記成形型で形成される複数のキャビティのそれぞれに溶融樹脂を充填して前記複数の部品を成形する第2工程と、前記第2工程で成形された前記複数の部品が前記第1型に保持された状態で、前記成形型を型開きする第3工程と、前記第3工程で前記第1型に保持された前記部品を、前記第2型の前記組立部に対向させる第4工程と、を繰り返し実行し、前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1型に保持された前記部品を前記第2型の前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記第1型の前記第1成形部と前記第2型の前記第2成形部とで前記キャビティを形成し、前記第3工程では、前記第2工程で成形した前記部品を前記第1成形部に保持させた状態で前記成形型を型開きし、前記第4工程では、前記第1移動部を移動させて、各前記成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部を、前記組立部に対向させ、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部を、前記第2成形部に対向させ、前記第1工程では、前記成形型を型締めすることにより、前記第1成形部に保持された前記部品を、前記組立部に供給して前記組立品の組み立てを行い、かつ、前記各成形部群において前記部品を保持した前記第1成形部とは別の前記第1成形部と前記第2成形部とで前記キャビティを形成することを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組立品の生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は第1実施形態に係る組立品を複数の部品に分解した状態を示す斜視図である。(b)は組立品を組み立てた状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態において組立品の製造に用いる組立装置を示す模式図である。
図3】(a)は第1型の平面図、(b)は第2型の平面図である。
図4】(a)〜(d)はキャビティを示す説明図である。
図5図3(b)に示すV−V線に沿う第2型の組立部の断面図である。
図6】第1実施形態に係る組立品の製造方法を示すフローチャートである。
図7】(a)は第1型の模式図、(b)は第2型の模式図である。
図8】(a)は第1型の模式図、(b)は第2型の模式図である。
図9】(a)〜(d)は第1型及び第2型の断面模式図である。
図10】(a)〜(d)は第1型及び第2型の断面模式図である。
図11】(a)〜(d)は第1型及び第2型の断面模式図である。
図12】金型を型締めした状態における第1成形部と組立部との位置関係を示す説明図である。
図13】(a)〜(c)は、初期の動作を説明するための図である。
図14】(a)は変形例の成形型の第1型を示す平面図、(b)は変形例の成形型の第2型を示す平面図である。
図15】(a)は第2実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、(b)は第2実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。
図16】(a)は第3実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、(b)は第3実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。
図17】第4実施形態に係る組立装置の成形型を示す模式図である。
図18】(a)は第4実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、(b)は第4実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。
図19】(a)〜(c)は第5実施形態に係る組立品をケースで覆う作業を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1(a)は、第1実施形態に係る組立品を複数の部品に分解した状態を示す斜視図である。図1(b)は、組立品を組み立てた状態を示す斜視図である。組立品5は、例えば画像形成装置等の電子機器に搭載される。組立品5は、例えば回転駆動力を伝達するための部材であり、高精度な組み立てが要求される。組立品5は、複数、例えば4種類の部品1,2,3,4で構成されている。各部品1,2,3,4は、射出成形により成形された樹脂部品である。複数種の部品1,2,3,4を互いに嵌合することにより組立品5が構成されている。具体的に説明すると、部品1の貫通孔1Aに部品2の円筒部2Aが嵌合し、部品2の凸部2Bに部品3の凹部3Aが嵌合し、部品3の凹部3Bに部品4の凸部4Aが嵌合して組立品5が組み立てられている。なお、各部品1,2,3,4には、組立作業時に後述する係合ピンが係合するそれぞれの係合孔1B,1C,2C,3C,4Cが設けられている。
【0010】
図2は、第1実施形態において組立品5の製造に用いる組立装置100を示す模式図である。組立装置100は、成形型の一例である金型10と、熱可塑性樹脂を可塑化して溶融樹脂を金型10内に射出する射出部20と、を有する射出成形機である。第1実施形態では、金型10により、複数種の部品1,2,3,4を成形し、かつ部品1,2,3,4で組立品5を組み立てる。第1実施形態では、部品1、部品2、部品3、部品4の順番で組み付けが行われる。なお、金型10に隣接して不図示のロボットが配置されている。組み立て完了した組立品5は、型開きされた金型10から不図示のロボットによって取り出される。
【0011】
以下、金型10の構成について具体的に説明する。金型10は、第1型である型11と、型11に対向する第2型である型12とを有する。金型10は、型11,12のいずれか一方が矢印Z方向に駆動されることにより、型開き及び型締め可能となっている。第1実施形態では型11が可動型であり、型12が固定型である。可動型である型11は、駆動部であるシリンダ60により矢印Z方向に固定型である型12に対して開閉駆動される。なお、型11が固定型であり、型12が可動型であってもよい。
【0012】
図3(a)は、第1型である型11の平面図、図3(b)は、第2型である型12の平面図である。型11は、型本体110と、型本体110に対して移動可能な第1移動部である移動部111と、を有する。移動部111は、成形部群を複数有する。具体的には、移動部111は、成形する部品1,2,3,4と同数の複数の成形部群、即ち4つの成形部群131,132,133,134を有する。移動部111は、型本体110に対して回転移動可能な複数の円盤状の回転盤121,122,123,124を有する。各回転盤121,122,123,124は、各回転軸121C,122C,123C,124Cを中心に回転する。各回転軸121C,122C,123C,124Cは、各回転盤121,122,123,124の中心を通る、矢印Z方向に延びる仮想的な軸線である。
【0013】
回転盤121,122,123,124の数は、成形部群131,132,133,134と同数、換言すると成形する部品1,2,3,4と同数、即ち4つである。各回転盤121,122,123,124は、図2に示す駆動部61により回転駆動される。各回転盤121,122,123,124は、駆動部61に駆動されることにより同期して回転する。駆動部61は、モータM1と、モータM1の駆動力を各回転盤121,122,123,124に伝達する、例えば歯車等を有する伝達機構71と、を備えている。
【0014】
各成形部群131,132,133,134は、部品を成形するキャビティの一部、又は成形した部品を保持する保持部となる複数の成形部で構成されている。各回転盤121,122,123,124は、各成形部群131,132,133,134を有しており、成形部群131,132,133,134をそれぞれ独立して回転させることができる。即ち、回転盤121は1つの成形部群131、回転盤122は1つの成形部群132、回転盤123は1つの成形部群133、回転盤124は1つの成形部群134をそれぞれ有している。
【0015】
回転盤121の成形部群131は、同一形状の2つ以上の第1成形部、第1実施形態では2つの成形部141,151からなる。成形部141,151は、回転盤121の回転軸121Cを中心とする仮想的な円上、図3(a)では円C11上に配置されている。成形部141,151は、回転軸121Cを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部141,151は、駆動部61の駆動により回転盤121を矢印D1の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P11と組立を行う位置P21とに交互に切り替わる。即ち、成形部141が位置P11に移動するときには、成形部151は位置P21に移動し、成形部141が位置P21に移動するときには、成形部151は位置P11に移動する。
【0016】
回転盤122の成形部群132は、同一形状の2つ以上の第1成形部、第1実施形態では2つの成形部142,152からなる。成形部142,152は、回転盤122の回転軸122Cを中心とする仮想的な円上、図3(a)では円C12上に配置されている。成形部142,152は、回転軸122Cを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部142,152は、駆動部61の駆動により回転盤122を矢印D2の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P12と組立を行う位置P22とに交互に切り替わる。即ち、成形部142が位置P12に移動するときには、成形部152は位置P22に移動し、成形部142が位置P22に移動するときには、成形部152は位置P12に移動する。
【0017】
回転盤123の成形部群133は、同一形状の2つ以上の第1成形部、第1実施形態では2つの成形部143,153からなる。成形部143,153は、回転盤123の回転軸123Cを中心とする仮想的な円上、図3(a)では円C13上に配置されている。成形部143,153は、回転軸123Cを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部143,153は、駆動部61の駆動により回転盤123を矢印D3の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P13と組立を行う位置P23とに交互に切り替わる。即ち、成形部143が位置P13に移動するときには、成形部153は位置P23に移動し、成形部143が位置P23に移動するときには、成形部153は位置P13に移動する。
【0018】
回転盤124の成形部群134は、同一形状の2つ以上の第1成形部、第1実施形態では2つの成形部144,154からなる。成形部144,154は、回転盤124の回転軸124Cを中心とする仮想的な円上、図3(a)では円C14上に配置されている。成形部144,154は、回転軸124Cを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部144,154は、駆動部61の駆動により回転盤124を矢印D4の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P14と組立を行う位置P24とに交互に切り替わる。即ち、成形部144が位置P14に移動するときには、成形部154は位置P24に移動し、成形部144が位置P24に移動するときには、成形部154は位置P14に移動する。型12は、図3(b)に示すように、型本体160と、型本体160に対して移動可能な第2移動部である移動部161と、を有する。移動部161は、型本体160に対して回転移動可能な円環状の回転盤171である。回転盤171は、回転軸171Cを中心に回転する。回転軸171Cは、回転盤171の中心を通る、矢印Z方向に延びる仮想的な軸線である。回転盤171は、図2に示す駆動部62により回転駆動される。駆動部62は、モータM2と、モータM2の駆動力を回転盤171に伝達する、歯車等を有する伝達機構72とを備えている。
【0019】
型本体160は、各部品を成形するキャビティの他部となる複数の第2成形部である4つの成形部181,182,183,184を有する。成形部181,182,183,184の数は、成形する部品1,2,3,4と同数、換言すると成形部群131,132,133,134と同数、即ち4つである。
【0020】
図4(a)〜図4(d)は、金型10を型締めしたときに形成されるキャビティを示す説明図である。図4(a)に示すように、金型10を型締めしたとき、成形部181と、複数の成形部141,151のうち、位置P11に移動している成形部とが突き合わさることで、部品1を成形するキャビティCA1が形成される。図4(b)に示すように、金型10を型締めしたとき、成形部182と、複数の成形部142,152のうち、位置P12に移動している成形部とを突き合わせることで、部品2を成形するキャビティCA2が形成される。図4(c)に示すように、金型10を型締めしたとき、成形部183と、複数の成形部143,153のうち、位置P13に移動している成形部とを突き合わせることで、部品3を成形するキャビティCA3が形成される。図4(d)に示すように、金型10を型締めしたとき、成形部184と、複数の成形部144,155のうち、位置P14に移動している成形部とを突き合わせることで、部品4を成形するキャビティCA4が形成される。各キャビティCA1,CA2,CA3,CA4は、成形する各部品1,2,3,4に対応した形状である。
【0021】
第1実施形態では、型11の成形部141,142,143,144及び成形部151,152,153,154は、射出成形により成形された部品1,2,3,4を保持可能な形状となっている。他方、成形部181,182,183,184は、射出成形により成形された部品1,2,3,4が外れやすい形状となっている。したがって、射出成形後に金型10を型開きしたとき、成形された部品1,2,3,4は、金型10を型開きする前にキャビティを構成していた成形部141,142,143,144又は成形部151,152,153,154に保持されることになる。
【0022】
図3(b)に示すように、回転盤171は、複数の組立部191,192,193,194,195を有する。組立部191〜195は、組立品5の組み立てが行われる部位、即ち複数の部品1,2,3,4同士の組み付けが行われる部位であり、成形部141〜144又は成形部151〜154により供給された各部品1〜4を支持する。組立部191〜195の数は、成形する部品1〜4の数以上、換言すると成形部群131〜134の数以上、又は成形部181〜184の数以上であり、第1実施形態では、5つである。即ち、第1実施形態では、組立部191〜195の数は、成形する部品1〜4の数よりも多い。換言すると、組立部191〜195の数は、成形部群131〜134の数よりも多い。各組立部191,192,193,194,195は、各々同じ構成となっている。
【0023】
組立部191,192,193,194,195は、回転盤171の回転軸171Cを中心とする仮想的な円上、図3(b)では円C20上に配置されている。組立部191,192,193,194,195は、回転軸171Cを中心に回転対称(5回対称)となるように配置されている。回転盤171を矢印D20の方向に72度ずつ順次回転させることで、図3(a)において各位置P21〜P24に移動している成形部141〜144又は成形部151〜154に対向させる組立部191〜195を順次切り替えることができる。部品1〜4を保持した成形部を位置P21〜P24に移動させて金型10を型締めしたとき、成形部に保持された各部品1〜4は、複数の組立部191〜195のうち、対向する4つの組立部の各々に供給され、組み付けが行われる。残りの1つの組立部は、組立完了した組立品5が配置されているか、あるいは不図示のロボットにより組立品5が取り出されて何も配置されていない状態である。
【0024】
図5は、図3(b)に示すV−V線に沿う型12の組立部191の断面図である。なお、組立部191について説明するが、他の組立部192〜195も組立部191と同様の構成であるため、説明を省略する。組立部191は、凹部90と、凹部90の底面91に立設された複数の係合ピン92,93,94とを有する。凹部90は、複数の部品1,2,3,4が収容される空間を規定する。各係合ピン92,93には、金型10の型締めによる組立作業時に、図1(a)に示す部品1の各係合孔1B,1Cが係合する。各係合ピン92,93には、各段差部92A,93Aが設けられており、係合ピン92,93に係合した部品1が段差部92A,93Aに当接する。係合ピン94には、金型10の型締めによる組立作業時に、部品2,3,4の係合孔2C,3C,4Cが係合する。この組立作業時にこれら係合ピン92,93,94は、各部品1,2,3,4に係合して各部品を位置決めする。係合ピン92,93、又は既に凹部90に配置されている部品に、各部品1,2,3,4が嵌合することで、組立品5が組み立てられる。
【0025】
金型10は、図2に示す制御装置50により開閉制御され、回転盤121〜124及び回転盤171は、図2に示す制御装置50により回転制御される。即ち、制御装置50は、シリンダ60を制御することで、金型10の型開き及び型締めを行う。また、制御装置50は、モータM1を制御することで、回転盤121〜124の回転位置(位相)を調整し、モータM2を制御することで、回転盤171の回転位置(位相)を調整する。具体的には、制御装置50は、各回転盤121〜124を矢印D1〜D4の方向に180度単位で回転させ、回転盤171を矢印D20の方向に72度単位で回転させる。射出部20は、型締めされた金型10に形成された複数のキャビティCA1〜CA4に溶融樹脂を射出する。
【0026】
以下、金型10を用いて部品1,2,3,4を成形し、部品1,2,3,4からなる組立品5を組み立てる方法、即ち組立品5の製造方法について説明する。図6は、第1実施形態に係る組立品5の製造方法を示すフローチャートである。なお、以下に説明する各工程は、制御装置50の制御の下で行われる。組立品5の製造工程は、大別すると4つの工程、即ちステップS1〜S4からなる。これら4つのステップS1〜S4を1サイクルとして繰り返し実行することにより、各組立部191〜195において順次部品1〜4の組付作業を行い、組立品5を製造する。
【0027】
ここで、図3(a)に示す状態からステップS1〜S4の1順目のサイクルを開始するものとする。以下、ステップS1〜S4の4巡目以降のサイクル、例えば6巡目のサイクルと7巡目のサイクルを例に説明する。
【0028】
まず、6巡目のサイクルにおいて、金型10を型締めする(S1:第1工程)。このとき、移動部111の各回転盤121〜124の位相は、図3(a)の状態とは逆であり、回転盤171の位相は、図3(b)に示す状態となる。即ち、成形部141,142,143,144は、位置P21,P22,P23,P24に移動しており、成形部151,152,153,154は、位置P11,P12,P13,P14に移動している。したがって、位置P11〜P14に移動している成形部151〜154と成形部181〜184とでキャビティCA1〜CA4が形成される。なお、位置P21〜P24に移動している成形部141〜144には、5巡目のサイクルで成形した部品1〜4が保持されているので、各組立部191〜194に、対応する各部品1〜4が供給され、組み付けが行われる。即ち、ステップS1〜S4を繰り返す連続動作では、ステップS1において、組立部191,192,193,194,195のうちいずれか4つで、各部品1,2,3,4の組み付けが行われる。
【0029】
図7(a)は、第2工程を説明するための型11の模式図、図7(b)は、第2工程を説明するための型12の模式図である。図2に示す射出部20により金型10に溶融樹脂を射出する(S2:第2工程)。即ち、ステップS1にて型締めされた金型10で形成される複数のキャビティCA1〜CA4のそれぞれに溶融樹脂を充填して溶融樹脂を冷却固化し、図7(a)及び図7(b)に示すように、複数の部品1,2,3,4を成形する(S2:第2工程)。6巡目のサイクルであるので、組立部191には部品1が配置されており、組立部192には部品1,2が配置されており、組立部193には部品1,2,3が配置されており、組立部194には部品1,2,3,4からなる組立品5が配置されている。また、組立部195には、部品は配置されていない。
【0030】
次に、型11に各部品1,2,3,4が保持された状態で、金型10を型開きする(S3:第3工程)。即ち、ステップS3において金型10を型開きすることで、各部品1,2,3,4は、各回転盤121,122,123,124の成形部151,152,153,154に保持された状態で、金型12の各成形部181,182,183,184から離型する。
【0031】
図8(a)は、第4工程を説明するための型11の模式図、図8(b)は、第4工程を説明するための型12の模式図である。ステップS3により金型10を型開きした後、型11の各回転盤121〜124を各矢印D1〜D4の方向に180度回転移動させ、型12の回転盤171を矢印D20の方向に72度回転移動させる(S4:第4工程)。図8(a)及び図8(b)には、各回転盤121〜124及び回転盤171を回転させた後の状態を図示している。なお、各回転盤121〜124の回転方向はそれぞれ矢印D1,D2,D3,D4の方向と逆方向であってもよい。
【0032】
図9(a)〜図9(d)は、ステップS4により第1成形部と組立部とを対向させた状態を示す型11及び型12の断面模式図である。ステップS4では、各回転盤121〜124を180度回転させることにより、各部品1〜4を保持した各成形部151〜154を組立部に対向する位置P21〜P24に移動させている。更に、回転盤171を72度回転させることにより、型11に保持された各部品1,2,3,4に対向させる組立部を切り替える。
【0033】
具体的に説明すると、部品が配置されていない組立部195を、図9(a)に示すように、いずれの成形部151〜154にも対向しない位置から成形部151に対向する位置に移動させる。また、部品1が配置された組立部191を、図9(b)に示すように、成形部151に対向する位置から成形部152に対向する位置に移動させる。また、部品1,2が配置された組立部192を、図9(c)に示すように、成形部152に対向する位置から成形部153に対向する位置に移動させる。また、部品1,2,3が配置された組立部193を、図9(d)に示すように、成形部153に対向する位置から成形部154に対向する位置に移動させる。なお、図8(b)において、部品1,2,3,4からなる組立品5が配置された組立部194は、いずれの成形部151〜154にも対向しない位置に移動する。
【0034】
以上、ステップS4では、回転盤171を回転移動させて、成形部151〜154に対向させる組立部を切り替えている。更に、各回転盤121,122,123,124を回転移動させて、各成形部群131,132,133,134において、部品を保持した成形部151,152,153,154を組立部195,191,192,193に対向させる。同時に、各成形部群131,132,133,134において、部品を保持した成形部とは別の成形部141,142,143,144を、成形部181,182,183,184に対向させる。なお、組立部194には、上述したように組立品5が配置されているため、不図示のロボットにより、組立部194から組立品5が取り出される。なお、金型10からの組立品5の取り出しのタイミングは、ステップS3の型開きが完了した時点から、次の巡目のステップS1の型締めを開始する時点までの間が好ましい。また、不図示のロボット又は組立品5が金型10と衝突しなければ、ステップS3の型開き動作の途中又はステップS1の型締め動作の途中で金型10からの組立品5を取り出してもよい。
【0035】
6巡目のサイクルのステップS4の終了後、ステップS1に戻り、7巡目以降のサイクルでステップS1〜S4を繰り返し実行する。図10(a)〜図10(d)は、7巡目のサイクルにおいて、金型10を型締めした状態を示す、型11の各成形部151,152,153,154と型12の各組立部195,191,192,193の断面模式図である。7巡目のサイクルのステップS1において、図10(a)〜図10(d)に示すように、金型10、つまり型11,12の型締めを行う。これにより、型11に保持された各部品1,2,3,4が、型12の組立部191〜195のうちの4つの組立部195,191,192,193の各々に供給されて組み付けが行われ、組立品5の組み立てが行われる。
【0036】
具体的に説明すると、成形部151に保持された部品1は、図10(a)に示すように、組立部195に供給される。即ち、部品1の係合孔1B,1C(図1(a))に組立部195の係合ピン92,93が係合して位置決めされた状態で、部品1が係合ピン92,93に組付けられる。また、成形部152に保持された部品2は、図10(b)に示すように、組立部191に供給される。即ち、部品2の係合孔2C(図1(a))に組立部191の係合ピン94が係合して位置決めされた状態で部品2が部品1に組付けられ、部品2が部品1に嵌合する。また、成形部153に保持された部品3は、図10(c)に示すように、組立部192に供給される。即ち、部品3の係合孔3C(図1(a))に組立部192の係合ピン94が係合して位置決めされた状態で部品3が部品2に組付けられ、部品3が部品2に嵌合する。また、成形部154に保持された部品4は、図10(d)に示すように、組立部193に供給される。即ち、部品4の係合孔4C(図1(a))に組立部193の係合ピン94が係合して位置決めされた状態で部品4が部品3に組付けられ、部品4が部品3に嵌合する。以上、ステップS1において、複数の組立部191〜195のうちの4つの組立部の各々で、各部品1,2,3,4の組み付けが同時に行われる。
【0037】
この7巡目のサイクルのステップS1にて組立品5の組み立てを行うと同時に、型締めされた金型10によって複数のキャビティCA1〜CA4が形成されている。即ちステップS1において、金型10を型締めすることにより、成形部151〜154に保持された部品1〜4を組立部に供給して組立品5の組み立てを行うと同時に、成形部141〜144と成形部181〜184とでキャビティCA1〜CA4を形成する。
【0038】
よって、第1実施形態では、組立動作(S1)と成形動作(S2)の各動作の度に金型10の型開きと型締めを行う必要がない。つまり、ステップS1において、組立品5の組み立てと同時にキャビティCA1〜CA4を形成するので、型開きと型締めの工程を削減でき、組立品5の生産効率が向上する。
【0039】
ここで、各成形部141〜144及び各成形部151〜154は、各部品1〜4を保持する形状となっている。したがって、ステップS3において金型10を型開きするとき、組立部195,191,192,193に対向する成形部151,152,153,154から部品1,2,3,4を離型させる必要がある。即ち、7巡目のサイクルのステップS3において金型10を型開きするとき、同じ7巡目のサイクルのステップS2で形成した部品は成形部141〜144に保持されている必要がある。他方、前の6巡目のサイクルのステップS2で形成した部品は、既に組み付けが完了しているので、成形部151〜154から離型させる必要がある。
【0040】
図11(a)〜図11(d)は、7巡目のサイクルにおいて、金型10を型開きしている状態を示す型11の各成形部151,152,153,154と型12の各組立部195,191,192,193の断面模式図である。ステップS3では、各組立部195,191,192,193に対向する各成形部151,152,153,154からピン31,32,33,34が各組立部195,191,192,193の側に突き出ていきながら、金型10を型開きする。ピン31,32,33,34は、エジェクタピンである。金型10の型開きとともに各成形部151,152,153,154からピン31,32,33,34が突き出ることで、各成形部151,152,153,154に保持された各部品1,2,3,4が各成形部151,152,153,154から離型される。換言すると、型開きとともにピン31,32,33,34が突き出て、各部品1,2,3,4を各組立部側にステップS1の型締めで各部品1,2,3,4を移動させた位置に置いていきながら、型開きする。このことで、各成形部151,152,153,154に保持された各部品1,2,3,4が各成形部151,152,153,154から離型される。これにより、各部品1,2,3,4を、組立部195の係合ピン92,93又は組立部191,192,193に既に配置されている別の部品1,2,3に組付けた状態で、型開きすることになる。このように、各部品を型締めにより移動させた位置に置いてきた状態で金型10を型開きするので、各組立部から部品が脱落するのを防止できる。金型10の型開きの完了後、ピン31,32,33,34を型11内に引き込む。
【0041】
なお、ステップS3において、各成形部141〜144が組立部に対向している場合には、各成形部141〜144からピン31,32,33,34を突き出せばよい。このように、金型10は、ピン31,32,33,34を備えており、ピン31,32,33,34は、位置P21〜P24に移動している成形部から進退可能に、型11に配置されている。
【0042】
7巡目のサイクルのステップS3により金型10を型開きした後、組立部193に配置された組立品5を不図示のロボットにより取り出す。このように、ステップS1〜S4を繰り返すことで、各組立部191〜195において順次、各部品1,2,3,4の組み付けが行われ、1サイクル毎にいずれかの組立部で1つの組立品5の組み立てが完了する。
【0043】
ここで、各成形部141〜144及び各成形部151〜154は、ステップS1において金型10の型締めが完了したときに、保持していた各部品1〜4の組み付けが完了するように、金型10の開閉方向(図2中、矢印Z方向)の位置が設定されている。図12は、金型10を型締めした状態における成形部141〜144(成形部151〜154)と組立部191〜195との金型10の開閉方向の位置関係を示す説明図である。各成形部141〜144及び各成形部151〜154は、図12に示すように、金型10の開閉方向である矢印Z方向に位置をずらして配置されている。即ち、各成形部141〜144及び各成形部151〜154は、金型10を型締めしたときに各組立部191〜195において各部品1,2,3,4の組み付けが完了するようにZ方向の配置位置が決められている。
【0044】
部品1の貫通孔1Aと部品2の円筒部2A、部品2の凸部2Bと部品3の凹部3A、部品3の凹部3Bと部品4の凸部4Aは、互いに高精度な微小隙間を有する嵌め合い公差となっている。各部品1,2,3,4は、型11に高精度に保持された状態で金型10の型締め動作で組み付けを行うことができるので、組立品5を高精度に組み立てることができる。
【0045】
ところで第1実施形態では、組立品5を構成する部品が4つの部品1,2,3,4であり、これら部品を順番に組み付けを行う関係上、製造開始したときの最初の1巡目のサイクル、2巡目のサイクル、及び3巡目のサイクルは、4巡目以降のサイクルと異なる。以下、具体的に説明する。図13(a)は、1巡目のサイクルにおけるステップS4の動作を説明するための図である。図13(b)は、2巡目のサイクルにおけるステップS4の動作を説明するための図である。図13(c)は、3巡目のサイクルにおけるステップS4の動作を説明するための図である。
【0046】
まず、最初のサイクルにおいて、ステップS4では、図13(a)に示すように、各成形部141〜144の各部品1〜4と各組立部191〜194とを対向させる。このとき、組立部192には部品1が未配置、組立部193には部品1,2が未配置、組立部194には部品1,2,3が未配置である。したがって、各組立部192,193,194に各部品2,3,4を供給しても、組立品5を製造することができないため、金型10の型開き後、ピン32,33,34により各成形部142,143,144から各部品2,3,4を取り除く。そして、次の2巡目のサイクルのステップS1において、組立部191に部品1が配置される。
【0047】
次に、2巡目のサイクルのステップS4では、図13(b)に示すように、各成形部151〜154の各部品1〜4と各組立部195,191,192,193とを対向させる。このとき、組立部192には部品1,2が未配置、組立部193には部品1,2,3が未配置である。したがって、各組立部192,193に各部品3,4を供給しても、組立品5を製造することができないため、金型10の型開き後、ピン33,34により各成形部153,154から各部品3,4を取り除く。そして、次の3巡目のサイクルのステップS1において、各組立部195,191に各部品1,2が配置される。
【0048】
次に、3巡目のサイクルのステップS4では、図13(c)に示すように、各成形部141〜144の各部品1〜4と各組立部194,195,191,192とを対向させる。このとき、組立部192には部品1,2,3が未配置である。したがって、組立部192に部品4を供給しても、組立品5を製造することができないため、金型10の型開き後、ピン34により成形部144から部品4を取り除く。そして、次の4巡目のサイクルのステップS1において、各組立部194,195,191に各部品1,2,3が配置される。
【0049】
なお、第1実施形態では、ステップS4で部品を取り除くようにしたが、組立部に部品を配置した後に部品を取り除くようにしてもよい。
【0050】
以上、第1実施形態によれば、4巡目以降のサイクルでは、複数の組立部191〜195のうち、いずれか1箇所の組立部で組立品5の組み立てが完了してユニット化される。すなわち、1サイクル毎に1つの組立品5が生産されるので、組立品5の生産効率が向上する。また、キャビティCA1〜CA4の形成と、各部品1〜4の組み付けを、同じ型締め動作で行うことができるので、1サイクル中の工程数を削減することができ、1サイクルの時間を短縮することができるので、組立品5の生産効率が向上する。
【0051】
なお、以上の説明では、4つの部品で構成される組立品を組み立てる場合について説明したが、4つに限定するものではなく、2つ以上の部品で構成される組立品を組み立てる場合であればよい。図14(a)は、変形例の成形型の第1型を示す平面図、図14(b)は、変形例の成形型の第2型を示す平面図である。以下、組立品が2つの部品で構成される場合について説明する。図14(a)に示すように、第1型である型11Aは、型本体110Aと、型本体110Aに対して回転移動する2つの回転盤121A,122Aを有する。各回転盤121A,122Aは、各成形部群131A,132Aを有する。成形部群131Aは、複数の第1成形部である成形部141A,151Aを有し、成形部群132Aは、複数の第1成形部である成形部142A,152Aを有する。図14(b)に示すように、第2型である型12Aは、型本体160Aと、型本体160Aに対して回転移動する回転盤171Aを有する。型本体160Aは、複数の第2成形部として2つの成形部181A,182Aを有する。回転盤171Aは、複数の組立部として3つの組立部191A,192A,193Aを有する。このような構成であっても、ステップS1において、同じ型締め動作で、キャビティの形成と、組立品の組み立てとを同時に行うことができ、組立品の生産効率が向上する。
【0052】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る組立装置及び組立装置を用いた組立品の製造方法について説明する。図15(a)は、第2実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、図15(b)は、第2実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。なお、第1型である型11B及び第2型である型12B以外の組立装置の構成、組立品の構成、及び組立品を製造する各工程は、第1実施形態と略同一であり、同一の部分については説明を省略する。
【0053】
第2実施形態の型11Bは、型本体110Bと、型本体110Bに対して移動可能な第1移動部である移動部111Bと、を有する。移動部111Bは、第1実施形態と同様、成形する部品1,2,3,4と同数の複数の成形部群131,132,133,134を有する。移動部111Bは、型本体110Bに対して回転移動可能な円盤状の回転盤121B,122Bで構成されている。各回転盤121B,122Bは、各回転軸121D,122Dを中心に回転する。各回転軸121D,122Dは、各回転盤121B,122Bの中心を通る、矢印Z方向に延びる仮想的な軸線である。回転盤121B,122Bの数は、成形部群131,132,133,134よりも少ない数、換言すると成形する部品1,2,3,4よりも少ない数、第2実施形態では2つである。
【0054】
各回転盤121B,122Bは、図2に示す駆動部61により回転駆動される。各回転盤121B,122Bは、駆動部61に駆動されることにより同期して回転する。駆動部61は、モータM1と、モータM1の駆動力を各回転盤121B,122Bに伝達する伝達機構71と、を備えている。第2実施形態では、移動部111Bが第1実施形態よりも少ない2つの回転盤121B,122Bで構成されているため、各回転盤121B,122Bを駆動する駆動部61の伝達機構71が、第1実施形態よりも簡単な構成となる。
【0055】
回転盤121Bは、1つ以上の成形部群、第2実施形態では2つの成形部群131,132を有しており、回転盤122Bは、1つ以上の成形部群、第2実施形態では2つの成形部群133,134を有している。
【0056】
回転盤121Bの成形部群131は、第1実施形態と同様、同一形状の2つの成形部141,151からなる。回転盤121Bの成形部群132は、第1実施形態と同様、同一形状の2つの成形部142,152からなる。成形部141,151,142,152は、回転盤121Bの回転軸121Dを中心とする仮想的な円上、図15(a)では円C31上に配置されている。具体的には、回転軸121Dを中心とする円周方向に、成形部141、成形部142、成形部151及び成形部152が順に配置されている。
【0057】
成形部141,151は、回転軸121Dを中心に回転対称(2回対称)となるように配置され、成形部142,152は、回転軸121Dを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部141,151及び成形部142,152は、回転盤121Bを矢印D5の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P11,P12と組立を行う位置P21,P22とに交互に切り替わる。即ち、成形部141,142が位置P11,P12に移動するときには、成形部151,152は位置P21,P22に移動し、成形部141,142が位置P21,P22に移動するときには、成形部151,152は位置P11,P12に移動する。
【0058】
回転盤122Bの成形部群133は、第1実施形態と同様、同一形状の2つの成形部143,153からなる。回転盤122Bの成形部群134は、第1実施形態と同様、同一形状の2つの成形部144,154からなる。成形部143,153,144,154は、回転盤122Bの回転軸122Dを中心とする仮想的な円上、図15(a)では円C32上に配置されている。具体的には、回転軸122Dを中心とする円周方向に、成形部143、成形部144、成形部153及び成形部154が順に配置されている。
【0059】
成形部143,153は、回転軸122Dを中心に回転対称(2回対称)となるように配置され、成形部144,154は、回転軸122Dを中心に回転対称(2回対称)となるように配置されている。成形部143,153及び成形部144,154は、回転盤122Bを矢印D6の方向に180度回転させることにより、成形を行う位置P13,P14と組立を行う位置P23,P24とに交互に切り替わる。即ち、成形部143,144が位置P13,P14に移動するときには、成形部153,154は位置P2,P2に移動し、成形部143,144が位置P2,P2に移動するときには、成形部153,154は位置P1,P1に移動する。
【0060】
型12Bは、図15(b)に示すように、型本体160Bと、型本体160Bに対して移動可能な第2移動部である移動部161Bと、を有する。移動部161Bは、型本体160Bに対して回転移動可能な円環状の回転盤171Bである。回転盤171Bは、回転軸171Dを中心に回転する。回転軸171Dは、回転盤171Bの中心を通る、矢印Z方向に延びる仮想的な軸線である。回転盤171Bは、図2に示す駆動部62により回転駆動される。
【0061】
型本体160Bは、第1実施形態と同様、複数の第2成形部である4つの成形部181,182,183,184を有する。成形部181,182,183,184の数は、成形する部品1,2,3,4と同数、即ち4つである。
【0062】
回転盤171Bは、第1実施形態と同様、複数の組立部191,192,193,194,195を有する。組立部191,192,193,194,195の数は、成形する部品1,2,3,4の数以上の数であり、第2実施形態では、5つである。
【0063】
第2実施形態における組立品5の製造方法は、第1実施形態で説明した図6のフローチャートの通りである。なお、第1実施形態では、図6のステップS4において、4つの回転盤121〜124を矢印D1〜D4の方向に180度回転させていたが、第2実施形態では、2つの回転盤121B,122Bを矢印D5,D6の方向に180度回転させればよい。また、ステップS4において、回転盤171Bは、矢印D21の方向に、72度回転させればよい。
【0064】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様、組立品5の生産効率が向上する。また、回転盤121B,122Bを駆動する駆動部61が簡単な構成となり、組立装置を小型化することができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る組立装置及び組立装置を用いた組立品の製造方法について説明する。図16(a)は、第3実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、図16(b)は、第3実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。なお、第1型である型11E及び第2型である型12E以外の組立装置の構成、組立品の構成、及び組立品を製造する各工程は、第1実施形態と略同一であり、同一の部分については説明を省略する。
【0066】
第1実施形態では、金型10を用いて、1サイクルで1つの組立品5を製造する場合について説明したが、第3実施形態では、型11E及び型12Eを有する成形型の一例である金型を用いて、1サイクルで複数、例えば2つの組立品5を製造する。
【0067】
したがって、第3実施形態の型11Eは、複数の成形部群131,132,133,134を複数セット有している。即ち、型11Eは、複数の成形部群131,132,133,134を2セット有している。型12Eは、複数の成形部181,182,183,184を複数セット、即ち2セット有し、同様に、複数の組立部191,192,193,194を複数セット、即ち2セット有する。
【0068】
具体的に説明すると、型11Eは、型本体110Eと、型本体110Eに対して移動可能な第1移動部である移動部111Eと、を有する。移動部111Eは、第1実施形態と同様、4つの回転盤121E,122E,123E,124Eを有する。各回転盤121E〜124Eは、2セットの各成形部群131〜134を有する。
【0069】
型12Eは、型本体160Eと、型本体160Eに対して移動可能な第1移動部である移動部161Eと、を有する。移動部161Eは、第1実施形態と同様、1つの回転盤171Eを有する。型本体160Eは、2セットの成形部181〜184を有し、回転盤171Eは、2セットの組立部191〜195を有する。そして、型本体160Eにおいて、円周方向に沿って、成形部181,181,182,182,183,183,184,184の順に配置されている。また、回転盤171Eにおいて、円周方向に沿って、組立部191,191,192,192,193,193,194,194,195,195の順に配置されている。
【0070】
以上の型11E,12Eの構成で、図6のステップS1では、2セットのキャビティCA1〜CA4が形成されると同時に、2セットの複数の組立部で、2セットの複数の部品1〜4の組み付けが行われる。そして、図6のステップS2では、複数の部品1〜4のセットを複数成形する。第3実施形態によれば、1つの金型で1サイクル毎に複数の組立品5が製造されるので、組立品5の生産効率が更に向上する。
【0071】
なお、以上の説明では、各回転盤121E〜124Eは、それぞれ同じ種類の成形部群131〜134を有する場合について説明した。例えば回転盤121Eは、2セットの同じ成形部群131を有する場合について説明した。しかし、各回転盤121E〜124Eが有する成形部群の組み合わせはこれに限定するものではない。即ち、各回転盤121E〜124Eが互いに異なる種類の成形部群を有するようにしてもよい。例えば各成形部群131〜134が2セットある場合、回転盤121Eが、成形部群131と、成形部群131とは異なる成形部群、例えば成形部群134と、を有するようにしてもよい。この場合、型11Eにおける2セットの成形部群131〜134の配置に合わせて、型12Eにおける2セットの成形部181〜184と2セットの組立部191〜195の配置も決めればよい。
【0072】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る組立装置及び組立装置を用いた組立品の製造方法について説明する。図17は、第4実施形態に係る組立装置の成形型を示す模式図である。図18(a)は、第4実施形態に係る成形型の第1型を示す平面図、図18(b)は、第4実施形態に係る成形型の第2型を示す平面図である。成形型の一例である金型10Fは、第1型である型11Fと、第2型である型1とを有し、型11F,12Fのいずれか一方が駆動されることにより、型開き及び型締め可能となっている。第4実施形態では型11Fが可動型であり、型12Fが固定型である。なお、第1型である型11F及び第2型である型12F以外の組立装置の構成、組立品の構成、及び組立品を製造する各工程は、第1実施形態と略同一であり、同一の部分については説明を省略する。
【0073】
第1型である型11Fは、型本体110Fと、型本体110Fに対して回転移動する2つの回転盤121F,122Fを有する。各回転盤121F,122Fは、各成形部群131F,132Fを有する。成形部群131Fは、2つ以上の第1成形部である成形部141F,151Fを有し、成形部群132Fは、2つ以上の第1成形部である成形部142F,152Fを有する。
【0074】
第2型である型12Fは、型本体160Fと、型本体160Fに対して回転移動する回転盤171Fを有する。型本体160Fは、複数の第2成形部として2つの成形部181F,182Fを有する。回転盤171Fは、複数の組立部191F,192F,193Fを有する。組立部191F,192F,193Fは、成形部群131F,132Fの数よりも多い数、換言すると成形部181F,182Fの数よりも多い数、即ち3つある。
【0075】
第4実施形態では、型11F及び型12Fを型締めした状態で、複数の組立部191F,192F,193Fのうち成形部141F,142F又は成形部151F,152Fに対向しない組立部が、組立品を取り出し可能に露出する。図18(b)の回転盤171Fの位相では、組立部193Fが組立品を取り出し可能に露出している。
【0076】
具体的に説明すると、型11Fには、複数の組立部191F,192F,193Fのうち、成形部141F,142F又は成形部151F,152Fに対向しない組立部と対向する位置に、空間R1を規定する切欠部112Fが形成されている。そして、第1実施形態で説明した図6に示すステップS1〜S4のサイクルを繰り返すことで、組み立て完了した組立品が配置された組立部が、順次空間R1に通じることになる。不図示のロボットは、型11,12が型締めされた状態でも、空間R1を通じて組立品が配置された組立部にアクセスして組立品を取り出すことができるので、ステップS1〜S4の1サイクルの時間を短縮することができ、組立品の生産効率が更に向上する。
【0077】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る組立装置、及び組立装置を用いた組立品の製造方法について説明する。図19(a)、図19(b)及び図19(c)は、第5実施形態に係る組立品をケースで覆う作業を説明するための図である。第5実施形態では、第1実施形態で説明した組立品5を、図19(c)に示すようにケース6,7で覆うことで、駆動伝達ユニット9を製造する。なお、第5実施形態では、第1実施形態で説明した組立装置100を用いて駆動伝達ユニット9を製造するものとする。なお、第5実施形態では、複数の組立部191〜195のうち、組立部191に着目して説明する。
【0078】
第5実施形態では、図6のステップS3で金型10(図2)が型開きされた後、図19(a)に示すように、空の組立部191にケース6を不図示のロボットによりセットする。そして、第1実施形態で説明したようにステップS1〜S4のサイクルを繰り返し実行することで、図19(b)に示すように、ケース6上に部品1,2,3,4(図1(a)及び図1(b))が順次組み付けられて、組立品5が製造される。その後、ケース6にケース7を矢印G1の方向に不図示のロボットにより組み付けることで、図19(c)に示す駆動伝達ユニット9が製造される。製造された駆動伝達ユニット9は、不図示のロボットにより組立部191から取り出される。なお、組立部192〜195においても同様の作業を行う。このように、組立部191〜195は、金型10による組立品5の組み立て以外の組み立て作業にも用いることが可能である。
【0079】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
【0080】
上記実施形態では、組立品を構成する複数の部品が互いに異なる種類の部品である場合について説明したが、組立品を構成する複数の部品のうち、一部又は全部が同じ種類の部品であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1〜4…部品、10…金型(成形型)、11…型(第1型)、12…型(第2型)、111…移動部(第1移動部)、131〜134…成形部群、141〜141,151〜154…成形部(第1成形部)、161…移動部(第2移動部)、181〜184…成形部(第2成形部)、191〜194…組立部、CA1〜CA4…キャビティ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19