特許第6971620号(P6971620)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971620
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】空気調和装置の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   F24F1/0007 401B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-90445(P2017-90445)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-189281(P2018-189281A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】宇野 順道
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 雅司
【審査官】 浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−068925(JP,U)
【文献】 特開2001−201087(JP,A)
【文献】 特開2011−064353(JP,A)
【文献】 特開2002−013800(JP,A)
【文献】 特開平06−011150(JP,A)
【文献】 特開平09−324927(JP,A)
【文献】 実開昭54−085870(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に固定されるベースプレートと、
該ベースプレートに対して固定されるフロントパネルと、
前記ベースプレートの上部と前記フロントパネルの上部との間に設けられ、着脱可能とされた固定部と、
を備え、
前記固定部は、前記ベースプレート及び前記フロントパネルのいずれか一方に設けられ、下方に凹むと共に挿入穴が形成された凹部と、前記ベースプレート及び前記フロントパネルの他方に設けられ、前記挿入穴に差し込まれて前記凹部内に進出して係合する爪部とを備え、
前記凹部は、該凹部に挿入された前記爪部との間に触手可能な底面を有している空気調和装置の室内機。
【請求項2】
室内の壁面に固定されるベースプレートと、
該ベースプレートに対して固定されるフロントパネルと、
前記ベースプレートの上部と前記フロントパネルの上部との間に設けられ、着脱可能とされた固定部と、
を備え、
前記固定部は、前記ベースプレート及び前記フロントパネルのいずれか一方に設けられ、下方に凹むと共に挿入穴が形成された凹部と、前記ベースプレート及び前記フロントパネルの他方に設けられ、前記挿入穴に差し込まれて前記凹部内に進出して係合する爪部とを備え、
前記爪部の上面には、複数の凹所又は凸部が設けられている空気調和装置の室内機。
【請求項3】
前記固定部は、複数設けられ、
複数の前記固定部の少なくとも1つには、前記爪部が前記凹部に配置され、
その他の前記固定部には、前記爪部がない爪無し固定部が設けられることによって、前記爪部が前記凹部に配置されていない請求項1又は2に記載の空気調和装置の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースプレートに対してフロントパネルが固定された構造を有する空気調和装置の室内機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室内機のケースは、据え付け作業やメンテナンス作業のために着脱可能となっている。例えば特許文献1には、本体ケースの前面パネルを着脱する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−147118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の上記構成とは異なり、室内の壁面に固定されたベースプレートとフロントパネルとを固定する場合、ベースプレートとフロントパネルの上部に設けられた固定部が用いられる。固定部としては、ベースプレートに設けられ、下方に凹むと共に挿入穴が形成された凹部と、フロントパネルに設けられ、挿入穴に差し込まれて凹部内に進出して係合する爪部とが用いられる。
固定部がベースプレート及びフロントパネルの上部に存在するので、視認性が悪く、作業者は手探りでの作業となる。このため、固定部の爪部が凹部に挿入された固定状態なのか、爪部が凹部に挿入されていない解除状態なのかが分からず爪部を誤って外してしまい、予期せぬタイミングでフロントパネルを落下させてしまうおそれがある。
【0005】
また、室内機の機種に応じて、複数の固定部のうち、凹部に爪部を挿入して固定する箇所と、凹部に爪部を挿入せずに固定部として用いずダミーとする箇所とを設ける場合がある。例えば、フロントパネルが重い機種の場合には、フロントパネルが軽い機種に比べて凹部に爪部を挿入して固定する箇所を多くするといった運用が行われる(すなわち、軽い機種はダミーとして用いる固定部が多い)。この様な場合、固定部の凹部に爪部が挿入されているのか否かを作業者の触手によって確実に認識することが求められる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ベースプレートとフロントパネルとを着脱する固定部がベースプレートとフロントパネルの上部に設けられている場合であっても、確実に爪部の存在を認識することができる空気調和装置の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置の室内機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる空気調和装置の室内機は、室内の壁面に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに対して固定されるフロントパネルと、前記ベースプレートの上部と前記フロントパネルの上部との間に設けられ、着脱可能とされた固定部とを備え、前記固定部は、前記ベースプレート及び前記フロントパネルのいずれか一方に設けられ、下方に凹むと共に挿入穴が形成された凹部と、前記ベースプレート及び前記フロントパネルの他方に設けられ、前記挿入穴に差し込まれて前記凹部内に進出して係合する爪部とを備え、前記凹部は、該凹部に挿入された前記爪部との間に触手可能な底面を有していることを特徴とする。
【0008】
固定部の凹部に設けた挿入穴に爪部を挿入して係合することによって、ベースプレートとフロントパネルとを着脱可能に固定する。凹部には、挿入された爪部との間に作業者の指で触手可能な底面が設けられているので、作業者が底面と爪部との段差を触手によって認識し、爪部の存在を確認することができる。したがって、ベースプレートとフロントパネルとを着脱する固定部がベースプレートとフロントパネルの上部に設けられており、作業者が視認困難な場合であっても、確実に爪部の存在を認識することができる。
【0009】
また、本発明にかかる空気調和装置の室内機は、室内の壁面に固定されるベースプレートと、該ベースプレートに対して固定されるフロントパネルと、前記ベースプレートの上部と前記フロントパネルの上部との間に設けられ、着脱可能とされた固定部とを備え、前記固定部は、前記ベースプレート及び前記フロントパネルのいずれか一方に設けられ、下方に凹むと共に挿入穴が形成された凹部と、前記ベースプレート及び前記フロントパネルの他方に設けられ、前記挿入穴に差し込まれて前記凹部内に進出して係合する爪部とを備え、前記爪部の上面には、複数の凹所又は凸部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
固定部の凹部に設けた挿入穴に爪部を挿入して係合することによって、ベースプレートとフロントパネルとを着脱可能に固定する。爪部の上面には、凹所又は凸部が設けられているので、作業者が凹所又は凸部の段差を触手によって認識し、爪部の存在を確認することができる。したがって、ベースプレートとフロントパネルとを着脱する固定部がベースプレートとフロントパネルの上部に設けられており、作業者が視認困難な場合であっても、確実に爪部の存在を認識することができる。
【0011】
さらに、本発明の空気調和装置の室内機では、前記固定部は、複数設けられ、複数の前記固定部の少なくとも1つには、前記爪部が前記凹部に配置され、その他の前記固定部には、前記爪部がない爪無し固定部が設けられることによって、前記爪部が前記凹部に配置されていないことを特徴とする。
【0012】
複数の固定部の少なくとも1つには、爪部が凹部に配置され、その他の固定部には爪部が凹部に配置されていない。したがって、室内機の機種によって、爪部と凹部の組み合わせを変えることができる。例えば、重い機種の場合には軽い機種に比べて多くの爪部を凹部に係合させることとする。このような場合であっても、作業者は、爪部が存在する固定部と存在しない固定部とを判別することができるので、機種が異なっていても作業を誤ることがない。
【発明の効果】
【0013】
凹部に挿入された前記爪部との間に触手可能な底面を凹部に設けることとしたので、ベースプレートとフロントパネルとを着脱する固定部がベースプレートとフロントパネルの上部に設けられている場合であっても、確実に爪部の存在を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の室内機を示した斜視図である。
図2図1の室内機を上方から見た平面図である。
図3】凹部に対して爪部を挿入した状態を示した部分拡大図である。
図4】凹部に対して爪部が挿入されていない状態を示した部分拡大図である。
図5】爪部を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、空気調和装置の室内機1の外観が示されている。室内機1は、壁掛形とされており、上方から室内空気を吸い込み、下方から室内へと空調後の空気を吹き出す。室内機1は、図示しない室外機と接続されており、室外機にて圧縮された冷媒の供給を受け、室内機1の内部に設けられた室内熱交換器によって室内の空気を所定温度に調整する。
【0016】
室内機1は、室内の壁面に固定されたベースプレート3と、ベースプレート3の前方に位置し、ベースプレート3に対して着脱可能に固定されるフロントパネル5とを備えている。
【0017】
図2には、室内機1を上方から見た平面図が示されている。同図において室内の壁面側が奥となっている。室内機1の壁面側には、室内機1の幅方向(同図において左右方向)に沿って複数の固定部7が設けられている。本実施形態では、同図において左方から、第1固定部7a、第2固定部7b、第3固定部7c、第4固定部7d及び第5固定部7eの5つの固定部7が設けられている。もちろん固定部7の数はこれに限定されるものではなく、6つ以上であっても良い。
【0018】
固定部7は、室内機1を正面から見ると、室内機1の奥側でかつ上方に位置している。したがって、下方からアクセスする作業者にとっては視認性が悪い位置に固定部7が位置している。このため、作業者は手探りで固定部7にアクセスすることになる。
【0019】
図3に示すように、固定部7は、ベースプレート3の上方に設けられた凹部8と、フロントパネル5に設けられた爪部9とを備えている。なお、図4には、爪部9が存在していない凹部8が示されており、図5には爪部9のみが示されている。
【0020】
凹部8は、ベースプレート3の上面から下方に凹んだ底面8aが形成されている。底面8aの幅方向における中央は平坦面とされている。凹部8の手前側には、爪部9が挿入可能とされた挿入穴8bが設けられている。
【0021】
爪部9は、フロントパネル5の上部のベースプレート3側の端面から、ベースプレート3に向かって突出するように設けられている。爪部9は、図3のように平面視すると、幅広な略矩形状とされている。爪部9は、取り付けた場合に、凹部8の底面8aの平坦面に亘って配置されている。爪部9の下面には図示しない係止部が設けられており、ベースプレート3側の被係止部に係合するようになっている。この係合は、爪部9の上面を押圧することによって外れるようになっている。
【0022】
爪部9の側方と凹部8の側部との間には、作業者の指が入り触手可能な寸法Aとされた隙間10が設けられている。寸法Aとしては、2mmから5mmとされる。この隙間10によって、作業者は凹部8の底面8aと爪部9との段差を触手によって認識できるようになっている。なお、隙間10は、図3のように爪部9の両側に設けても良いし、爪部9の片側のみに設けても良い。
【0023】
爪部9の上面には、幅方向に並んだ2つの凸部9aが設けられている。凸部9aの頂面は平坦面とされている。これら凸部9aは、作業者の触手によって段差が認識可能な形状とされている。なお、凸部9aの数は3つ以上であっても良いし、1つのみであっても良い。また、凸部9aに代えて凹んだ凹所としても良い。
【0024】
図2に示すように、固定部7の凹部8の全てに爪部9が挿入されて固定されているわけではない。図2では、第3固定部7cには爪部9が挿入されていない。すなわち、フロントパネル5には、第3固定部7cに対応する位置に爪部9を備えていない。その他の固定部7すなわち第1固定部7a、第2固定部7b、第4固定部7d及び第5固定部7eには、爪部9が挿入されている。したがって、これら固定部7a,7b,7d,7eに対応する位置には、フロントパネル5に爪部9が設けられている。このような構成としたのは、ベースプレート3を共通化して、フロントパネル5を機種に応じて使い分けるためである。例えば、重い機種の場合には軽い機種に比べて多くの爪部9をフロントパネル5に設ける。したがって、軽い機種の場合には、例えば、第1固定部7a、第3固定部7c及び第5固定部7eの3箇所に対応する位置のみに爪部9を設ける。
【0025】
上述の室内機1によれば、以下の作用効果を奏する。
固定部7の凹部8に挿入された爪部9との間に、作業者の指で触手可能な底面8aが設けられているので、作業者が底面8aと爪部9との段差を触手によって認識し、爪部9の存在を確認することができる。したがって、ベースプレート3とフロントパネル5とを着脱する固定部7がベースプレート3とフロントパネル5の上部に設けられており、作業者が視認困難な場合であっても、確実に爪部9の存在を認識することができる。
【0026】
爪部9の上面に、凸部9aを設けることとしたので、作業者が凸部9aの段差を触手によって認識し、爪部9の存在を確認することができる。したがって、ベースプレート3とフロントパネル5とを着脱する固定部7がベースプレート3とフロントパネル5の上部に設けられており、作業者が視認困難な場合であっても、確実に爪部9の存在を認識することができる。
【0027】
複数の固定部7の少なくとも1つには、爪部9が凹部8に配置され、その他の固定部7には爪部9が凹部8に配置されないようにして、室内機1の機種によって、爪部9と凹部8の組み合わせを変えることとした。具体的には、重い機種の場合には軽い機種に比べて多くの爪部9を凹部8に係合させることとする。このような場合であっても、作業者は、爪部9が存在する固定部7と存在しない固定部7とを判別することができるので、機種が異なっていても作業を誤ることがない。
【0028】
なお、上述した実施形態では、凹部8をベースプレート3に設け、爪部9をフロントパネル5に設ける構成としたが、爪部9をベースプレート3に設け、凹部8をフロントパネル5に設ける構成としても良い。
【符号の説明】
【0029】
1 室内機
3 ベースプレート
5 フロントパネル
7 固定部
8 凹部
8a 底面
8b 挿入穴
9 爪部
9a 凸部
図1
図2
図3
図4
図5