特許第6971627号(P6971627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971627
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】釣り用リールのカウンターケース
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/015 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A01K89/015 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-99134(P2017-99134)
(22)【出願日】2017年5月18日
(65)【公開番号】特開2018-191590(P2018-191590A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】清川 加奈子
【審査官】 赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−044619(JP,U)
【文献】 特開平11−196724(JP,A)
【文献】 特開2000−287588(JP,A)
【文献】 特開2012−226383(JP,A)
【文献】 特開2000−024147(JP,A)
【文献】 特開2001−333673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/00−89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用リールのカウンタケースであって、
第1貫通孔を有する、樹脂製のケース本体部と、
前記ケース本体部の前記第1貫通孔内に配置され、透過性を有する窓部と、
シール部と、
スイッチ部と、
を備え、
前記ケース本体部は、第2貫通孔をさらに有し、
前記シール部は、可撓性を有しており、前記第2貫通孔を封鎖し、
前記スイッチ部は、前記シール部から延びて前記第2貫通孔から外側に突出し、
前記ケース本体部、前記窓部、前記シール部、及び前記スイッチ部は、一体成形品である、
カウンタケース。
【請求項2】
前記ケース本体部は、第1貫通孔を画定する内壁面において、凹部を有しており、
前記窓部は、前記内壁面と対向する外周面において、前記凹部に嵌合するよう突出する凸部を有している、
請求項1に記載のカウンタケース。
【請求項3】
前記凹部は、前記内壁面の全周に亘って形成されており、
前記凸部は、前記外周面の全周に亘って形成される、
請求項2に記載のカウンタケース。
【請求項4】
底板部をさらに備え、
前記ケース本体部は、底面が開口しており、
前記底板部は、前記ケース本体部の底面を封鎖する、
請求項1から3のいずれかに記載のカウンタケース。
【請求項5】
前記ケース本体部は、ABS樹脂製である、
請求項1から4のいずれかに記載のカウンタケース。
【請求項6】
前記窓部は、ポリメタクリル酸メチル樹脂製、又はポリカーボネート樹脂製である、
請求項1から5のいずれかに記載のカウンタケース。
【請求項7】
前記シール部は、熱可塑性エラストマ製である、
請求項1から6のいずれかに記載のカウンタケース
【請求項8】
前記スイッチ部は、ABS樹脂製である、
請求項1から7のいずれかに記載のカウンタケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用リールのカウンタケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
両軸受リールなどの釣り用リールにおいて、水深などの情報を表示するためのカウンタを有しているものがある。このカウンタは、リール本体のフレームなどに取り付けられている。カウンタは、カウンタケース、及びカウンタケース内に収容される表示部などを有している(例えば、特許文献1から3参照)。
【0003】
カウンタケースは、カウンタケース内に収容された表示部が表示する情報を釣り人が視認できるよう、透過性を有する窓部を有している。そして、釣り人は、この窓部を介して、カウンタケース内の表示部に表示された水深などの情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−183763号公報
【特許文献2】特開2016−136929号公報
【特許文献3】実用新案登録第2529127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカウンタケースでは、窓部をケース本体部に両面テープなどによって接着していた。しかしながら、この構成では、防水性が十分ではないという問題があった。そこで、特許文献2及び特許文献3のカウンタケースでは、ケース自体を通過性のある素材で成形し、窓部以外をカバー体で覆うようにしている。しかし、この構造ではケースの素材が限定されてしまい、耐衝撃性等を向上させることが困難だった。また。カウンタケースに設けられたスイッチ部の防水性については、特許文献1と大差なかった。本発明の課題は、耐衝撃性等の性能とともに防水性を向上させることのできるカウンタケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある側面に係るカウンタケースは、釣り用リールのカウンタケースである。このカウンタケースは、ケース本体部と窓部とを備えている。ケース本体部は、第1貫通孔を有する。また、ケース本体部は、樹脂製である。窓部は、ケース本体部の第1貫通孔内に配置されている。窓部は、透過性を有する。窓部とケース本体部とは、一体成形品である。
【0007】
この構成によれば、窓部とケース本体部とが一体成形品であるため、従来の構成に比べて、防水性を向上させることができる。また、ケース本体部は透過性のある素材で成形する必要がないため、耐衝撃性等の性能を向上させることができる。
【0008】
好ましくは、ケース本体部は、第1貫通孔を画定する内壁面において、凹部を有している。そして、窓部は、内壁面と対向する外周面において、凹部に嵌合するよう突出する凸部を有している。この構成によれば、凹部と凸部とで互いに嵌合するため、窓部とケース本体部との接合を強固にすることができる。
【0009】
好ましくは、凹部は内壁面の全周に亘って形成されており、凸部は外周面の全周に亘って形成されている。
【0010】
好ましくは、カウンタケースは、底板部をさらに備えている。ケース本体部の底面が開口しており、底板部はケース本体部の底面を封鎖する。
【0011】
好ましくは、ケース本体部は、ABS樹脂製である。
【0012】
好ましくは、窓部は、ポリメタクリル酸メチル樹脂製、またはポリカーボネート樹脂製である。
【0013】
好ましくは、カウンタケースは、シール部と、スイッチ部と、をさらに備えている。ケース本体部は、第2貫通孔をさらに有している。シール部は、可撓性を有しており、第2貫通孔を封鎖している。スイッチ部は、シール部から延びて第2貫通孔から外側に突出している。ケース本体部、窓部、シール部、及びスイッチ部は、一体成形品である。
【0014】
好ましくは、シール部は、熱可塑性エラストマ製である。
【0015】
好ましくは、スイッチ部は、ABS樹脂製である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るカウンタケースは、耐衝撃性等の性能とともに防水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】両軸受リールの平面図。
図2】リール本体のフレームの斜視図。
図3】カウンタが取り付けられたフレームの斜視図。
図4】カウンタの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るカウンタケースの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、まず、カウンタケースを備えた両軸受リールから説明する。なお、以下に説明する両軸受リールにおいて、釣糸を繰り出す方向を前方とし、その反対を後方とする。また、釣竿に両軸受リールを装着した際、釣竿に向かう方向を下方、釣竿から離れる方向を上方とする。また、カウンタケースにおいて、窓部が向く方向を上方とし、その反対を下方とする。
【0019】
図1に示すように、両軸受リール100は、リール本体2、スプール3、カウンタ4、及びハンドル10などを備えている。また、両軸受リール100は、リール本体2内に、ハンドル10の回転をスプール3に伝達するための回転伝達機構(図示省略)を備えている。両軸受リール100は、前方(図1の上側)に向かって釣糸を繰り出す。
【0020】
[リール本体]
リール本体2は、第1リール本体部21と第2リール本体部22とを備えている。第1リール本体部21と第2リール本体部22とは、軸方向に互いに間隔をあけて配置されている。第1リール本体部21と第2リール本体部22とは、複数の連結部23(図2参照)を介して互いに連結されている。
【0021】
第1リール本体部21は、第1側板21a及び第1カバー21bを有している。第1リール本体部21は、内部に収容空間を有している。この収容空間内に、回転伝達機構(図示省略)などが収容されている。第2リール本体部22は、第2側板22a及び第2カバー22bを有している。第1側板21aと第2側板22aとは、複数の連結部23(図2参照)を介して、互いに連結されている。
【0022】
図2に示すように、リール本体2のフレーム20は、第1側板21aと第2側板22aと複数の連結部23とによって構成されている。すなわち、第1側板21a、第2側板22a、及び連結部23は、1つの部材によって形成されている。また、フレーム20は、装着部24をさらに有している。装着部24は、釣竿に装着される部分であり、第1側板21aと第2側板22aとの両方に連結されている。また、装着部24は、前方及び後方に延びている。
【0023】
連結部23は、第1連結部23aと第2連結部23bとを有する、第1連結部23aは、スプール3の前方に配置されている。第1連結部23aは、第1側板21aの前側上部と、第2側板22aの前側上部とを連結している。第2連結部23bは、第1側板21aの後側中央部と、第2側板22aの後側中央部とを連結している。
【0024】
第1連結部23aは、上方を向く取付面231を有している。この取付面231に、カウンタ4が取り付けられる。取付面231は、実質的に平坦面である。
【0025】
[スプール]
図1に示すように、スプール3は、第1リール本体部21と第2リール本体部22との間に配置されている。詳細には、スプール3は、略円筒状であって軸方向に延びている。スプール3は、リール本体2に対して回転可能である。スプール3は、スプール軸(図示省略)を介してリール本体2に回転可能に支持されている。
【0026】
[カウンタ]
カウンタ4は、リール本体2に取り付けられている。詳細には、図3に示すように、カウンタ4は、リール本体2のフレーム20に取り付けられている。なお、より詳細には、カウンタ4は、フレーム20の第1連結部23aに取り付けられている。
【0027】
図3及び図4に示すように、カウンタ4は、カウンタケース5と、カウンタケース5内に収容される表示部101及び制御基板102などを有している。表示部101は、例えば、液晶ディスプレイなどによって構成され、水深などの情報を表示する。
【0028】
カウンタケース5は、ケース本体部51、窓部52、底板部53、シール部54、及びスイッチ部55を備えている。このうち、ケース本体部51、窓部52、シール部54、及びスイッチ部55は、一体成形品である。カウンタケース5は、実質的に直方体状である。
【0029】
ケース本体部51は、天板511、及び天板511の外周縁から下方に延びる側壁512を有している。また、ケース本体部51は、底面が開口している。ケース本体部51は、樹脂製である。詳細には、ケース本体部51は、ABS樹脂(Acrylonirile Butadiene Styrene共重合合成樹脂)製である。ケース本体部51は、透過性を有していないことが好ましい。具体的には、ケース本体部51は、カウンタケース5内の表示部101や制御基板102などの部品が釣り人から視認できないように構成されていることが好ましい。
【0030】
ケース本体部51は、天板511に形成された第1貫通孔513を有している。第1貫通孔513は、天板511の中央部に形成されている。第1貫通孔513は、例えば、平面視が矩形状である。第1貫通孔513の大きさは、表示部101の大きさと実質的に等しい。第1貫通孔513は、カウンタケース5の内部空間と外部とを連通する。第1貫通孔513は、表示部101の上方に配置されている。この第1貫通孔513は、多色成形における支え部の機能を有する。
【0031】
この第1貫通孔513を画定する内壁面に凹部514が形成されている。この凹部514は、内壁面の全周に亘って形成されている。すなわち、凹部514は、第1貫通孔513を囲むように環状に形成されている。凹部514は、窓部52に向かって開口している。
【0032】
ケース本体部51は、第2貫通孔515をさらに有している。第2貫通孔515は、例えば、第1貫通孔513の側方に配置されている。第2貫通孔515は、第1貫通孔513よりも小さい。第2貫通孔515は、平面視において、円形状である。
【0033】
窓部52は、ケース本体部51の第1貫通孔513内に配置されている。窓部52は、透過性を有している。このため、釣り人は、窓部52を介して、カウンタケース5内の表示部101に表示された情報を視認することができる。例えば、窓部52は、ポリメタクリル酸メチル樹脂製とすることができる。
【0034】
窓部52は、実質的に板状に形成されている。窓部52の外周面は、第1貫通孔513を画定する内壁面と当接している。そして、窓部52は、その外周面において、側方に突出する凸部521を有している。この凸部521は、凹部514に嵌合するように構成されている。凸部521は、窓部52の外周面の全周に亘って形成されている。この凸部521は、多色成形における引っ掛かり部の機能を有する。
【0035】
窓部52の上面は、ケース本体部51の上面よりも上方に位置している。すなわち、窓部52の上面とケース本体部51の上面との間には段差部522が形成されている。
【0036】
底板部53は、ケース本体部51の底面を封鎖している。具体的には、底板部53は、ケース本体部51の側壁512の端縁と当接している。なお、底板部53とケース本体部51とは、一体成型品ではない。底板部53は、溶着によって、ケース本体部51に取り付けられている。詳細には、底板部53は、レーザ溶着によってケース本体部51に取り付けられている。底板部53は、例えば、ケース本体部51に溶着可能な材料によって形成される。詳細には、底板部53は、ABS樹脂製である。この底板部53に、制御基板102が取り付けられている。なお、表示部101は、制御基板102に取り付けられている。
【0037】
シール部54は、ケース本体部51の第2貫通孔515を封鎖している。このシール部54は、第2貫通孔515を介してカウンタケース5内に浸水することを防止する。シール部54は、可撓性を有している。シール部54は、例えば、熱可塑性エラストマ製である。シール部54は、スイッチばねを兼ねている。
【0038】
スイッチ部55は、シール部54から上方に延びて第2貫通孔515から外側に突出している。すなわち、スイッチ部55は、ケース本体部51の天板511から上方に突出している。スイッチ部55は円柱状である。このスイッチ部55を押圧することで、表示部101の表示が切り替わったりする。なお、スイッチ部55は、ケース本体部51と同じ材料によって形成することができる。例えば、スイッチ部55は、ABS樹脂製である。
【0039】
以上のように構成されたカウンタ4は、図3に示すように、リール本体2のフレーム20に取り付けられている。そして、図1に示すように、カウンタ4のうち窓部52及びスイッチ部55を除いた部分を覆うように、カバー部材25が取り付けられている。
【0040】
このカバー部材25から、窓部52が露出しているため、窓部52を介して、表示部101に表示された情報を釣り人は視認できる。また、カバー部材25からスイッチ部55が露出しているため、釣り人はスイッチ部55を押圧操作して、表示部101の表示を切り換えることなどができる。なお、スイッチ部55は、例えば、カバー部材25よりも上方に突出していることが好ましい。
【0041】
[カウンタケースの製造方法]
次に、上述したように構成されたカウンタケース5の製造方法について説明する。まず、窓部52の原材料を溶融させた状態で金型内に射出注入し、窓部52を成形する。
【0042】
続いて、窓部52を金型に取り付け、その金型内にケース本体部51、シール部54、及びスイッチ部55の原材料を溶融させた状態で射出注入し、ケース本体部51、シール部54、及びスイッチ部55を成形する。この結果、ケース本体部51、窓部52、シール部54、及びスイッチ部55から構成される一体成形品が完成する。以上のように、いわゆる多色成形技術によって、カウンタケース5を形成する。
【0043】
このように形成されたケース本体部51内に表示部101や制御基板102などを収容した後、底板部53をケース本体部51に取り付けて、ケース本体部51の底面を封鎖する。以上により、カウンタ4及びカウンタケース5が完成する。
【0044】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0045】
変形例1
上記実施形態では、カウンタケース5は、シール部54及びスイッチ部55を有していたが、このシール部54及びスイッチ部55を有していなくてもよい。
【0046】
変形例2
上記実施形態では、カウンタ4が取り付けられた両軸受リール100について説明したが、このカウンタ4は、スピニングリールなど他のリールに取り付けることもできる。
【0047】
変形例3
上記実施形態では、ケース本体部51の凹部514及び窓部52の凸部521は、それぞれ全周に亘って形成されているが、特にこれに限定されず、一部のみに形成されていてもよい。
【0048】
変形例4
上記実施形態では、ケース本体部51が凹部514を有しており、窓部52が凸部521を有しているが、逆の構成であってもよい。すなわち、ケース本体部51が凸部を有しており、窓部が凹部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0049】
5 カウンタケース
51 ケース本体部
513 第1貫通孔
515 第2貫通孔
52 窓部
521 凸部
53 底板部
54 シール部
55 スイッチ部
図1
図2
図3
図4