特許第6971628号(P6971628)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971628
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/42 20060101AFI20211111BHJP
   B01J 49/06 20170101ALI20211111BHJP
   B01J 49/50 20170101ALI20211111BHJP
【FI】
   C02F1/42 A
   B01J49/06
   B01J49/50
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-101034(P2017-101034)
(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公開番号】特開2018-192460(P2018-192460A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】武田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】川村 理桜
(72)【発明者】
【氏名】木谷 圭太
(72)【発明者】
【氏名】岩田 健二
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−143695(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/053098(WO,A1)
【文献】 特開2002−035745(JP,A)
【文献】 特開平08−141564(JP,A)
【文献】 特開2014−087769(JP,A)
【文献】 米国特許第06696963(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00、28、42、58−64
B01J 39/00−49/90
B01D 23/00−37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、前記濾過槽に補充される再生液を構成する固体である再生材及び水を収容可能に構成されたケースと、前記ケースの内部に配され鉛直方向に沿って延びる内ケースと、を有する、再生槽と、
前記内ケースの外面に設けられ、前記ケース内において前記内ケースの外側に配される前記再生材の量に対応する数字を有し、前記再生材の残量を示す指標部と、
前記ケース内の所定高さに設けられ、前記ケース内の空間を上下に仕切り前記再生材の通過を抑制するフィルタと、
を備える、水処理装置。
【請求項2】
前記指標部は鉛直方向に沿って延び、前記再生材の量を示す目盛りと、前記再生材の残量に対応する再生処理の回数を示す数字を有し、
前記再生材は塩であり、
前記フィルタは、不織布で構成される請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記内ケースは前記ケースよりも小径の筒状に構成され、前記内ケース内において前記フィルタよりも下の位置に、前記濾過槽に接続される再生チューブの一端が配される、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記内ケースは、周壁に、前記再生材を構成する固体の通過を抑制するとともに流体が流通可能に構成されたスリット孔を有する、請求項3に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記再生材の残量に関する残量データと、前記濾過槽に再生材を送り前記濾過材を洗浄する再生処理の回数と、に基づき、前記再生材の補充を促す報知処理を行う、制御部を備える請求項に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記残量データの設定及び更新が可能に構成された操作入力部を備えるとともに、
前記制御部は、前記再生処理における再生指示を検出し、前記再生処理の回数に基づいて前記残量データを更新し、前記残量データが所定の報知基準値まで低下した場合に前記報知処理を行う請求項5に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置及び水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
井戸などの水源から供給される原水を濾過する水処理装置において、例えばイオン交換樹脂を用いる濾過装置が知られている。例えば濾過装置は、内部に濾過材であるイオン交換樹脂が収容される濾過槽を備える。濾過装置は、原水が濾過槽を通過する際に、ナトリウムと原水中のカチオンを交換することで、原水中の不純物を濾過材で捕捉し、原水を軟水化する。カチオンとは、鉄・マンガン・カルシウム・マグネシウムイオン等の陽イオンである。
【0003】
水処理装置において、濾過処理中にイオン交換樹脂のカチオン濃度が高くなった場合、イオン交換樹脂に高濃度の食塩水などの再生液を通水して、再度、樹脂及びカチオンとナトリウムとのイオン交換をする再生処理を行う。再生処理において、補充タンクから、所定のタイミングで再生液を濾過槽へ補充している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−155882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の水処理装置において、再生材が消費により不足すると再生が十分に行われないため、濾過能力が低下する。したがって、適切なタイミングで再生材を再生タンクに補充することが求められる。
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、再生材の補充を促すことが可能な水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる水処理装置は、濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、前記濾過槽に補充される再生液を構成する固体である再生材及び水を収容可能に構成されたケースと、前記ケースの内部に配され鉛直方向に沿って延びる内ケースと、を有する、再生槽と、前記内ケースの外面に設けられ、前記ケース内において前記内ケースの外側に配される前記再生材の量に対応する数字を有し、前記再生材の残量を示す指標部と、前記ケース内の所定高さに設けられ、前記ケース内の空間を上下に仕切り前記再生材の通過を抑制するフィルタと、
を備える。
【0008】
本発明の他の一態様にかかる水処理装置において、前記指標部は鉛直方向に沿って延び、前記再生材の量を示す目盛りと、前記再生材の残量に対応する再生処理の回数を示す数字を有し、前記再生材は塩であり、前記フィルタは、不織布で構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によればユーザーに再生材の補充時期を報知することが可能な水処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかる水処理装置の構成を示す説明図。
図2】同実施形態にかかる水処理装置の濾過装置の構成を示す正面図。
図3】同実施形態にかかる水処理装置の濾過装置の構成を示す側面図。
図4】同実施形態にかかる水処理装置の濾過装置の構成を示す平面図。
図5】同実施形態にかかる水処理装置のインターフェイス部の構成を示す正面図。
図6】同水処理装置の濾過処理を示す説明図。
図7】同水処理装置の逆洗処理を示す説明図。
図8】同水処理装置の再生処理を示す説明図。
図9】同水処理装置の洗浄処理を示す説明図。
図10】同水処理装置の注水処理を示す説明図。
図11】同水処理装置の報知処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる水処理装置10及び水処理方法について、図1乃至図11を参照して説明する。図1は本実施形態に係る水処理装置10の構成を示す説明図である。図2は、水処理装置10の濾過装置12の側面図、図3は濾過装置12の正面図、図4は濾過装置12の平面図を示す。図5はインターフェイス部73の正面図である。図6乃至図10は、水処理装置10の動作を示す説明図であり、図11は制御部による報知処理のフローチャートである。
【0012】
図1に示すように、水処理装置10は、原水ポンプ11と、原水ポンプ11の二次側に配される濾過装置12と、濾過装置12の二次側に配される除菌器13と、除菌器13の二次側に配される処理水槽14と、処理水槽14の二次側に配される自動給水ポンプ15と、所定の流路を形成する通水路16と、通水路16の流路の接続状態を切替える流路スイッチユニット17と、を備える。また、水処理装置10は、制御ユニット100として、原水ポンプ11用の制御部101aを備える制御盤101と、通水路16用の制御部102aを備える制御盤102と、濾過装置12用の制御部103aを有する制御盤103と、自動給水ポンプ15用の制御部104aを備える制御盤104と、を備える。
【0013】
原水ポンプ11は、モータと、モータに接続されたインペラを有する単段または多段のポンプ部を備える。原水ポンプ11は、原水、例えば地中に設けられた井戸21の井戸水などを、増圧して二次側に圧送する。原水ポンプ11の吐出口は、通水路16によって濾過装置12に接続されている。
【0014】
図2乃至図10に示すように、濾過装置12は、イオン交換式の除鉄・除マンガン槽である濾過槽22と、再生槽である再生タンク23と、を備える。濾過槽22は、除菌器13及び再生タンク23とともに、共通のベース24上に設置され、収容小屋内に収容されている。
【0015】
濾過槽22は、例えば上壁と下壁と周壁とを有する円筒状に構成され、粒状のイオン交換樹脂と水を収容可能であるとともに通水可能に構成されている。濾過槽22は、通水路16に連通する第1ポート31及び第2ポート32を有する。第1ポート31及び第2ポート32は例えば上壁に形成されている。第1ポート31及び第2ポート32は、通水路16を構成する複数の流路へ接続可能に構成され、流路スイッチユニット17によってその接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0016】
濾過槽22の内部には集水管33が設けられている。集水管33は、鉛直方向に延びる管部34と、管部34の下端に設けられたフィルタキャップ35と、管部34の上端で分岐する複数の分岐管36,37を備える。管部34の下端は濾過槽22の底面近傍に配されている。フィルタキャップ35は、管部34の下端の開口を覆う。フィルタキャップ35は、複数のスリット35aを有している。各スリット35aは、イオン交換樹脂の粒子の粒径よりも小さい幅を有し、水が通過可能に構成されている。フィルタキャップ35は、水を通過させ、イオン交換樹脂の通過を防ぐ。
【0017】
管部34の上端部に設けられた2つの分岐管36,37は、濾過槽22の外部に導出される。一対の分岐管36,37の端部の開口は、それぞれ第3ポート38と第4ポート39を構成する。第3ポート38及び第4ポート39は、流路スイッチユニット17を介して、通水路16を構成する複数の流路へ接続可能に構成されている。流路スイッチユニット17によって第3ポート38及び第4ポート39の接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0018】
濾過装置12は、原水ポンプ11によって送られる原水が濾過材を通過する際に、ナトリウムと原水中のカチオン、すなわち鉄・マンガン・カルシウム・マグネシウムイオン等の陽イオンを、交換することで、原水中の不純物を濾過材に捕捉させて、原水を軟水化する。例えば本実施形態においては少なくとも鉄やマンガンイオンを、交換する。濾過装置12は、再生チューブ41により、再生タンク23に接続される。
【0019】
再生タンク23は、上部開口を有するケース23aと、ケース23aの上部開口を覆うカバー23bと、を備える。
【0020】
ケース23aは、円筒状に構成され、水や再生材を収容可能に構成されている。ケース23aの周壁の所定高さには、開閉バルブ付きのドレン口23cが設けられ、このドレン口23cから再生タンク23内の水を排出可能に構成されている。ケース23aは、再生材となる固体の粒状の塩が、数回分、例えば10回分、収容可能に構成されている。ケース23a内の所定高さには、ケース23a内の空間を上下に仕切るフィルタFが設けられている。フィルタFは例えば不織布で構成され、粒状の塩の通過を抑制する。
【0021】
ケース23a内には、ケース23aよりも小径のブラインウェルと呼ばれる内ケース23dが設けられている。
【0022】
内ケース23dは上部に開口を有する円筒状に構成され、鉛直方向に沿って延びている。内ケース23dの開口はキャップによって閉止されている。内ケース23dの周壁にはスリット状の貫通孔であるスリット孔23eが複数形成されている。スリット孔23eは、例えば不織布で構成されたフィルタ23fで覆われている。このスリット孔23eを通じてケース23a内と内ケース23d内とで流体である水や塩水が流通可能となる一方、固体である粒状の塩の通過はフィルタ23fによって抑制される。
【0023】
内ケース23dの外面には、再生材の残量を示す残量表示部としての指標部25が設けられている。指標部25は、一回の再生処理で消費される塩の量に相当する高さ寸法毎に指標となる目盛線25aと、その残り量に対応する回数を示す指標となる数字25bを有している。指標部25は鉛直方向に沿って延びる。すなわち、指標部25は、ケース32a内であって内ケース23d外に堆積する再生材としての粒状の塩の表面の上の数字が、残りの再生材で処理可能な再生処理の回数に対応するように構成されている。したがって、ユーザーは指標部25を目視することで、再生材の残量に対応する処理回数を、簡単に把握できる。
【0024】
内ケース23d内の底部近傍に、再生チューブ41の端部が配されている。再生タンク23内に配される再生チューブ41の一端41aには空気吸込防止用の樹脂製のチャッキ41cが設けられている。内ケース23d内に、再生チューブ41を通じて処理水が補充可能に構成されている。
【0025】
カバー23bは例えば円形状であり、ケース23aの上部開口に設けられている。
【0026】
再生タンク23内には、再生タンク23内の液面位置を検出するフロートスイッチ27が設けられている。フロートスイッチ27は再生タンク23の内ケース23d内に支持され、再生タンク23の液面に浮かんでいる。フロートスイッチ27は、外郭を構成するフロートケースと、フロートケース内に収容されたスイッチ部と、を備える。フロートケース内のスイッチ部にはケーブルを構成する電線が接続されている。フロートスイッチ27はケーブルを介して制御部102aに接続されている。フロートスイッチ27は、再生液の液位を検出し、検出した信号を制御部102aに送る。
【0027】
以上の様に構成された再生タンク23において、再生材として、例えば粒状の塩が数回分収容された状態で、再生処理毎に所定量の水が補充されることで、塩が水に溶解して所定量の塩水となる。すなわち、再生タンク23の内ケース23d内に、再生処理毎に、一度の再生処理で使用される一定量の水が注入されると、注入された一定量の水Waに、内ケース23d内にある粒状の塩S1の一部が溶けることで、水Waが飽和状態の塩水S2になる。
【0028】
したがって、再生タンク23には一定量の塩水S2または水Waと、フィルタF上で溶けずに残っている粒状の塩S1が存在する。再生タンク23内の塩水S2は、後述する再生処理においてイジェクタ42の動作によって、一定量ずつ、再生チューブ41を通って濾過槽22に送られる。
【0029】
除菌器13は、流路部43と、薬液タンク44と、薬液を流路部43に送る薬液ポンプ45と、流量センサ46を備える。除菌器13は、流路部43に所定量の薬液を注入することで、流路部43を流れる流体を除菌する。
【0030】
流量センサ46は例えばパドル式の流量センサであり、流体の流れによって回動可能なパドルと、パドルを回動可能に支持する支持構造部と、パドルに内蔵された磁石と、磁気センサと、を備えている。磁気センサは信号線を介して制御部102aに接続されている。流量センサ46は、除菌器13を通る流体の流れを検出し、制御部102aに信号を送る。
【0031】
処理水槽14は、濾過槽22及び除菌器13を通過した処理水を貯留可能に構成された容器である。処理水槽14には、処理水の液面位置を検出する液面センサ47が設けられている。液面センサ47は信号線を介して原水ポンプ11用の制御部101aに接続されている。液面センサ47は、処理水の液面位置を検出し、液位情報を電気信号として制御部101aに送る。
【0032】
自動給水ポンプ15は、モータと、モータに接続されたインペラを有する単段または多段のポンプ部と、を備える。自動給水ポンプ15は、例えば地上に2台設けられている。自動給水ポンプ15は、ポンプ制御用の制御部104aの制御により、処理水槽14からの水を増圧して二次側に圧送する。自動給水ポンプ15の吐出口は通水路16を介して濾過槽22に連通可能に接続されている。自動給水ポンプ15の二次側の流路には圧力センサ48が設けられている。
【0033】
圧力センサ48は、例えばダイヤフラム式の圧力センサ48であり、信号線を介して制御部104aに接続される。圧力センサ48は、自動給水ポンプ15の吐出圧力を検出し、検出した圧力信号を制御部104aに送信する。
【0034】
通水路16は、原水ポンプ11の吐出口から濾過槽22に至る管路で構成される第1流路51と、濾過槽22から除菌器13に至る管路で構成される第2流路52と、除菌器13の二次側から処理水槽14に至る管路で構成される第3流路53と、処理水槽14から自動給水ポンプ15の吸込口に至る管路で構成される第4流路54と、自動給水ポンプ15の吐出口から第1流路51に至る管路で構成される第5流路55と、濾過槽22から排出部へ至る管路で構成される第6流路56と、第2流路52から分岐して排出部に至る管路で構成される第7流路57と、再生タンク23から濾過槽22に接続される再生チューブ41で構成される第8流路58と、を備える。
【0035】
再生チューブ41は、その一端41aが再生タンク23内に配され、他端41bが濾過槽22の第1ポート31に接続されるイジェクタ42に接続されている。
【0036】
流路スイッチユニット17は、第1三方弁61と、第2三方弁62と、複数の開閉弁63a〜63cと、コントロールバルブ64と、を備える。流路スイッチユニット17は弁61,62,63a〜63cの開閉とコントロールバルブ64の制御により、通水路16の8つの流路51〜58を、第1ポート31,第2ポート32,第3ポート38、及び第4ポート39の合計4つのポートのいずれかにそれぞれ接続して連通させ、あるいは流路を閉じることで、複数の処理モードを切替える。
【0037】
第1三方弁61及び第2三方弁62は、例えば3つのポートを有する電磁式弁であり、制御部102aの制御に応じて複数の流路の接続状態を切替える。第1三方弁61は、第1流路51を介して原水ポンプ11に接続されるポートと、第5流路55を介して自動給水ポンプ15の吐出側に接続されるポートと、コントロールバルブ64を介して濾過槽22の複数のポートに選択的に接続されるポートと、を有する。
【0038】
第2三方弁62は、第2流路52を介して除菌器13に接続されるポートと、第7流路を介して排出部に接続されるポートと、コントロールバルブ64を介して濾過槽22の複数のポートに選択的に接続されるポートと、を備える。
【0039】
本実施形態においては、第1三方弁61の開閉とコントロールバルブ64の切替えによって、原水側の第1流路51や、自動給水ポンプ15からの第5流路55が、切替え可能に、ポート31,32,38,39に接続されている。また、第2三方弁62の開閉とコントロールバルブ64の切替えによって、処理水槽側の第2流路52や、排出側の第7流路57が、切り替え可能にポート31,32,38,39に接続されている。
【0040】
複数の開閉弁63は、例えば電磁式の開閉弁63であり、制御部102aの制御に応じて複数の流路の接続状態を切替える。
【0041】
制御盤102は、各種データを記憶する記憶部71と、所定のプログラムに基づいて各部の動作を制御する制御部102aと、インターフェイス部73と、を備える。
【0042】
記憶部71は、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラムや、各種基準値や閾値を記憶する。また、記憶部71は、再生材の残量を示す残量データや、再生材を補充した後に再生処理が行われた再生処理回数を記憶する。制御部102aの制御により、再生処理が行われる度に残量データが更新される。なお、報知基準値Neを含む各種閾値や設定値は、例えば操作入力部73aでの操作入力によってユーザーが任意に設定変更可能に構成されている。
【0043】
例えば制御部101aは、各センサによって検出される検出値に基づき、各種の演算処理を行い、インバータの周波数制御により、原水ポンプ11のモータを変速運転または停止させる。具体的には、制御部101aは、各インバータに制御信号を送信し、所定のタイミングで原水ポンプ11に対応するインバータを制御することでポンプの動作を制御する。
【0044】
制御部102aは、センサによって検出される検出値や操作入力に基づき、各種の演算処理を行い、流路16の弁63a〜63dを開閉することで流路の接続状態を切替える。また、制御部103aは、コントロールバルブ64の弁を開閉することで、流路の接続状態を切替える。水処理装置10は、これらの流路設定とポンプ11,15の動作制御により、複数種類の処理を行わせる。具体的には、水処理装置10は、制御部101a,102a,103a,104aの制御により、濾過処理、逆洗処理、再生処理、洗浄処理、及び注水処理を行う。
【0045】
また、制御部102aは、フロートスイッチ27からの信号やコントロールバルブ64からの再生信号を検出し、再生回数をカウントする。制御部102aは、再生処理が行われる度に、記憶部71に記憶されている残量データNを更新し、1ずつ減じる。制御部72は、残量データNが予め設定された報知基準値Neまで低下すると、報知処理を行う。報知処理として、制御部72は、例えばインターフェイス部73に設けられた再生材不足ランプ73dを点灯させ、あるいは外部信号を出力させる。
【0046】
インターフェイス部73は、制御盤102に設けられている。インターフェイス部73は、操作入力部73aと、表示部73bと、を備える。
【0047】
操作入力部73aは、電源のON/OFFを操作するための電源スイッチや残量カウントボタン、残量リセットボタンなどの各種入力ボタンやスイッチであり、ユーザーが各種の設定や指示入力が可能に構成されている。
【0048】
表示部73bは、例えばPLCランプ73cと、再生材不足ランプ73dと、を備える。
再生材不足ランプ73dは、制御部102aの制御により点灯することで、ユーザーに再生材の残量不足を知らせる報知処理を行う。PLCランプ73cは、制御部102aの制御により点灯し、再生材の残量回数を表示する。
【0049】
以下、本実施形態にかかる水処理装置10が行う各種動作について図6乃至図10を参照して説明する。図6は濾過処理、図7は逆洗処理、図8は再生処理、図9は洗浄処理、図10は注水処理、をそれぞれ示している。
【0050】
図6は濾過処理を示す説明図である。濾過処理は、原水を汲み上げて濾過槽22に通水させることで、鉄・マンガン等の陽イオンをイオン交換により捕捉し、原水を軟水化する処理である。
【0051】
図6に示すように、濾過処理として、制御部103aはコントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じ、第2ポート32を原水側の第1流路51に接続し、第3ポート38を処理水槽14側の第3流路に接続し、第4ポート39を閉じる。さらに、制御部103aはイジェクタ42を停止させ、第8流路58を閉じる。
【0052】
この状態で、制御部101aは、所定のタイミングで、原水ポンプ11を駆動する。制御部101aは、例えば液面センサ47で検出される液位情報に基づき、処理水槽14の液位が所定のポンプ起動基準値まで下がったことを検知すると、原水ポンプ11を駆動する。原水ポンプ11の駆動により、原水は、揚水され、濾過槽22及び除菌器13に流入する。原水は、濾過槽22内に流入し、濾過されることで、除菌、除鉄、除マンガン及び固形物等の不純物が取り除かれ浄水L2(処理水)となる。そして処理水L2はフィルタキャップ35を通って集水管33に入り、集水管33の上端部の第3ポート38から、処理水槽14へ送られる。
【0053】
図7は逆洗処理を示す説明図である。逆洗処理は、集水管33から水を流し、濾過槽22のイオン交換樹脂を通って下から上へ流れる用に通水して排水することで、濾過材を逆洗し、濾過槽22の内部に溜まった酸化鉄や微粒子(不純物)を排出する処理である。また、再生処理の前にこの逆洗処理をすることで濾過材をほぐすこともできる。
【0054】
図7に示すように、逆洗処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じ、第2ポート32を排水側の第6流路56に接続し、第3ポート38を原水側の第1流路51へ接続し、第4ポート39を閉じる。この状態で、制御部101aは所定のタイミングで原水ポンプ11を駆動して原水L1を二次側へ送ると、原水L1が集水管33の第3ポート38から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33から流出し、濾過槽22の下から上へ送られ、第2ポート32から排水される。この逆洗処理によって、濾過槽22の下から上へ原水を流すことで、濾過材を洗浄し、濾過槽22内にたまった酸化物や微粒子を排出する。
【0055】
例えば、制御部103aは、濾過処理中にカチオン濃度が高くなった場合、高濃度の食塩水などの再生液を通水して、再度、樹脂及びカチオンとナトリウムとのイオン交換をする再生処理を行う。再生処理として、制御部103aは、再生タンク23から、所定のタイミングで再生液としての高濃度の塩水S2を濾過槽22へ補充する。
【0056】
図8は再生処理を示す説明図である。再生処理は、高濃度塩水を濾過材へ通水することで、原水から除去されて濾過材に付着した鉄やマンガンを濾過材から分離させて排出させる処理である。
【0057】
具体的には、図8に示すように、再生処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を再生チューブ41及び原水ポンプ11に連通させ、第2ポート32を閉じる。また、集水管33の第3ポート38を閉じ、第4ポート39を排水側の第6流路56に接続する。制御部103aは、この状態でイジェクタ42を駆動することにより、再生タンク23からの高濃度塩水、及び原水ポンプ11からの原水を、濾過槽22内に送る。例えば原水+高濃度塩水≒8%〜12%程度である。塩水及び原水は、濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタを通って集水管33に流入し、第4ポート39を通って排出される。再生排水は高濃度の塩水及び鉄やマンガン等の陽イオンを含有している。再生処理により、再生タンク23内の液位が低下する。
【0058】
図9は、洗浄処理を示す説明図である。洗浄処理は、濾過槽22内部に残っている残留塩分を低速で外部へ排出させ、新たに原水L1を注入する処理であり、押し出し処理とも呼ばれる。
【0059】
洗浄処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じるとともに、第2ポート32を原水ポンプ11側の第1流路51に連通させる。また、制御部103aは、第3ポート38を閉じ、第4ポート39を排水側の第6流路56に連通させる。この状態で、原水ポンプ11を駆動することにより、原水L1が濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33に流入し、第4ポート39から排出される。この洗浄処理により、濾過槽22内に残っている残留塩分を外部へ排出する。
【0060】
図10は注水処理を示す説明図である。注水処理は、再生タンク23へ処理水L2を逆流させることで、再生タンク23内に処理水L2を入れて貯める処理である。
【0061】
注水処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じるとともに、第2ポート32を原水ポンプ11側の第1流路51に連通させる。また、制御部103aは、第3ポート38を処理水槽14に接続するとともに、イジェクタ42を介して再生チューブ41に接続し、第4ポート39を閉じる。この状態で、制御部101aにより原水ポンプ11を駆動し、制御部103aによりイジェクタ42を駆動すると、原水L1が濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33に流入する。そして、濾過後の処理水L2は一部が第3ポート38から第2流路52、第3流路53を経て処理水槽14に送られるとともに、一部がイジェクタ42から再生チューブ41を通って再生タンク23内に送られる。制御部103aは、予め設定された一定時間経過後に、第3ポート38と再生チューブ41との間の流路を閉め、注水を停止する。この注水処理により処理水を再生タンク23に一定量の処理水が補充される。
【0062】
制御部102aは、上述の再生処理及び注水処理を行う際、所定のタイミングで再生材補充の報知処理を行う。図11は本実施形態にかかる水処理装置の制御部の報知処理示すフローチャートである。図11に示す様に、制御部102aは、ステップST1において、通常運転の開始を検出する。通常運転において、制御部102aは例えばPLCランプを白色発光させ、残量データNとして再生可能回数を表示させる。通常運転が開始されると(ステップST1のYes)、再生指示を検出する(ステップST2)。制御部102aは、再生指示を検出すると(ステップST2のYes)、再生処理を行い(ステップST3)、流路スイッチユニット17の再生処理信号を検出する(ステップST4)。再生処理信号を検出すると(ステップST4のYes)、予め記憶部71に記憶されている残量データNを更新する(ステップST5)。残量データNは、例えば再生材の量に比例して設定される数であり、再生材の補充時にセットされ、再生処理毎に1ずつ減じることで、再生材の残り量に対応する回数を示す。そして、ステップST6において、制御部102aは、残量データNが予め設定された残量不足の報知基準値Neまで低下したか否かを判定し、残量データNが報知基準値Neまで減ると(ステップST6のYes)、制御部102aは報知処理を行う(ステップST7)。
【0063】
例えば報知基準値を1とすれば、再生材の残量が再生処理1回分となった時点で、ユーザーに再生材補充を促す報知処理を行う。報知処理として、例えば残量不足を報知する報知ランプである再生材不足ランプ73dを点灯させ、外部信号を出力する。
【0064】
報知処理後、制御部102aはカウント増ボタンやリセットボタンの指示入力を検出する(ステップST8)。例えばユーザーは、報知処理を受けて再生材の補充を認識することで、再生材の補充を行う。そしてユーザは再生材の補充を行う際に、操作入力部73aにおいてカウント増ボタンにより残量データNの入力を行うことで、補充後の残量に対応する回数の値に再設定する。このときユーザーは、再生タンク23に塩を投入し、指標部25の目盛りの数を目視することで、残量データを確認することができるため、塩の上面のすぐ上の数字に基づいて、残量データNを把握することができる。ユーザーの操作入力により残量データNのカウント増指示やリセット指示を検出すると(ステップST8のYes)、制御部102aは記憶部71の残量データNを更新し(ステップST9)、報知処理を終了する(ステップST10)。例えば本実施形態においては、一例として、制御部102aはリセットボタンが押下されると、外部信号出力を解除する一方で、再生塩不足ランプ73cは点灯状態を維持する。そして、リセットボタンが長押しされ、N値が更新されると、再生材不足ランプ73cを消灯する。
【0065】
本実施形態にかかる給水ユニット1によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、
再生タンク23内に指標部25を設けることにより、再生材の残量を目視可能とすることができる。さらに報知処理により再生材補充を促すことで、再生材不足による濾過不良を防止できる。したがって、除鉄・除マンガン・軟水化された処理水の安定供給が可能となる。
【0066】
また、再生材の不足を外部信号を利用して報知することにより、無人の室内などに設置されているような環境であっても、再生材の不足を報知することが可能となる。
【0067】
また報知基準値を任意に設定及び設定変更可能としたことにより、ユーザーの使用環境に併せて報知処理の条件を調整することができる。
【0068】
本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0069】
例えば、上記実施形態においては、報知処理として、ランプを点灯する例を示したがこれに限られるものではない。例えば、表示モニターを設け、制御部102aの制御によってデータやメッセージを表示することにより報知処理を行ってもよく、あるいはスピーカを設け、音声で報知処理を行う構成としてもよい。
【0070】
上記実施形態においては、複数の制御部101a〜104aが異なる制御盤101〜104に設けられている例を示したが、これに限られるものではない。例えば一部または全部の制御部101a〜104aを共通とする、複数の制御部101a〜104aを制御するホスト制御部を追加する、あるいは複数の制御部101a〜104aを互いに通信可能とするなどは、装置により適宜設定変更可能である。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽と、
前記再生槽に配され、前記再生材の残量を示す指標部と、
を備える、水処理装置。
(2)
前記再生槽は、その内部に、内ケースを備え、
前記指標部は、前記再生材を前記濾過槽に補充する再生処理に用いられる前記再生材の量を示す目盛りと、残量に対応する再生処理の回数を示す数字を有する、(1)に記載の水処理装置。
(3)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽と、
前記再生材の残量に関する残量データと、前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数とに基づき、前記再生材の補充を促す報知処理を行う、制御部と、を備える水処理装置。
(4)
前記再生材の残量に関する残量データと、前記濾過槽に再生材を送り前記濾過材を洗浄する再生処理の回数と、に基づき、前記再生材の補充を促す報知処理を行う、制御部を備える(1)または(2)に記載の水処理装置。
(5)
前記残量データの設定及び更新が可能に構成された操作入力部を備えるとともに、
前記制御部は、前記再生処理における再生指示を検出し、前記再生処理の回数に基づいて前記残量データを更新し、前記残量データが所定の報知基準値まで低下した場合に前記報知処理を行う(3)または(4)に記載の水処理装置。
(6)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽の、前記再生材の残量に関する残量データを記憶することと、前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数を記憶することと、 前記残量データと、前記再生処理の回数とに基づき、前記再生材の補充を促す報知処理を行うことと、を備える水処理方法。
【符号の説明】
【0072】
10…水処理装置、11…原水ポンプ、12…濾過装置、13…除菌器、14…処理水槽、15…自動給水ポンプ、16…通水路、17…流路スイッチユニット、18…制御盤、21…井戸、22…濾過槽、23…再生タンク、23a…ケース、23b…カバー、23c…ドレン口、23d…内ケース、23e…スリット孔、23f…フィルタ、24…ベース、25…指標部、25a…目盛線、25b…数字、27…フロートスイッチ、31…第1ポート、32…第2ポート、33…集水管、34…管部、35…フィルタキャップ、35a…スリット、36…分岐管、37…分岐管、38…第3ポート、39…第4ポート、41…再生チューブ、41a…一端、41b…他端、41c…チャッキ、42…イジェクタ、43…流路部、44…薬液タンク、45…薬液ポンプ、46…流量センサ、47…液面センサ、48…圧力センサ、51…第1流路、52…第2流路、53…第3流路、54…第4流路、55…第5流路、56…第6流路、57…第7流路、58…第8流路、61…第1三方弁、62…第2三方弁、63(63a〜63c)…開閉弁、64…コントロールバルブ、71…記憶部、72…制御部、73…インターフェイス部、73a…操作入力部、73b…表示部、73c…PLCランプ、73d…再生材不足ランプ、L1…原水、L2…処理水(浄水)、S1…塩(再生材)、S2…塩水(再生液)。
図1
図2
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図4
図5
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図11