(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる水処理装置10及び水処理方法について、
図1乃至
図11を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る水処理装置10の構成を示す説明図である。
図2は、水処理装置10の濾過装置12の側面図、
図3は濾過装置12の正面図、
図4は濾過装置12の平面図を示す。
図5はインターフェイス部102cの正面図である。
図6乃至
図10は、水処理装置10の動作を示す説明図であり、
図11は本実施形態にかかる水処理方法のフローチャートである。
【0012】
図1に示すように、水処理装置10は、原水ポンプ11と、原水ポンプ11の二次側に配される濾過装置12と、濾過装置12の二次側に配される除菌器13と、除菌器13の二次側に配される処理水槽14と、処理水槽14の二次側に配される自動給水ポンプ15と、所定の流路を形成する通水路16と、通水路16の流路の接続状態を切替える流路スイッチユニット17と、複数の制御部101a〜104a及び記憶部101b〜104bを有する制御ユニット100と、を備える。
【0013】
原水ポンプ11は、モータと、モータに接続されたインペラを有する単段または多段のポンプ部を備える。原水ポンプ11は、原水、例えば地中に設けられた井戸21の井戸水などを、増圧して二次側に圧送する。原水ポンプ11の吐出口は、通水路16によって濾過装置12に接続されている。
【0014】
図2乃至
図10に示すように、濾過装置12は、イオン交換式の除鉄・除マンガン槽である濾過槽22と、再生槽である再生タンク23と、を備える。濾過槽22は、除菌器13及び再生タンク23とともに、共通のベース24上に設置され、収容小屋内に収容されている。
【0015】
濾過槽22は、例えば上壁と下壁と周壁とを有する円筒状に構成され、粒状のイオン交換樹脂と水を収容可能であるとともに通水可能に構成されている。濾過槽22は、通水路16に連通する第1ポート31及び第2ポート32を有する。第1ポート31及び第2ポート32は例えば上壁に形成されている。第1ポート31及び第2ポート32は、通水路16を構成する複数の流路へ接続可能に構成され、流路スイッチユニット17によってその接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0016】
濾過槽22の内部には集水管33が設けられている。集水管33は、鉛直方向に延びる管部34と、管部34の下端に設けられたフィルタキャップ35と、管部34の上端で分岐する複数の分岐管36,37を備える。管部34の下端は濾過槽22の底面近傍に配されている。フィルタキャップ35は、管部34の下端の開口を覆う。フィルタキャップ35は、複数のスリット35aを有している。各スリット35aは、イオン交換樹脂の粒子の粒径よりも小さい幅を有し、水が通過可能に構成されている。フィルタキャップ35は、水を通過させ、イオン交換樹脂の通過を防ぐ。
【0017】
管部34の上端部に設けられた2つの分岐管36,37は、濾過槽22の外部に導出される。一対の分岐管36,37の端部の開口は、それぞれ第3ポート38と第4ポート39を構成する。第3ポート38及び第4ポート39は、流路スイッチユニット17を介して、通水路16を構成する複数の流路へ接続可能に構成されている。流路スイッチユニット17によって第3ポート38及び第4ポート39の接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0018】
濾過装置12は、原水ポンプ11によって送られる原水が濾過材を通過する際に、ナトリウムと原水中のカチオン、すなわち鉄・マンガン・カルシウム・マグネシウムイオン等の陽イオンを、交換することで、原水中の不純物を濾過材に捕捉させて、原水を軟水化する。例えば本実施形態においては少なくとも鉄やマンガンイオンを、交換する。濾過装置12は、再生チューブ41により、再生タンク23に接続される。
【0019】
再生タンク23は、上部開口を有するケース23aと、ケース23aの上部開口を覆うカバー23bと、を備える。
【0020】
ケース23aは、円筒状に構成され、水や再生材を収容可能に構成されている。ケース23aの周壁の所定高さには、開閉バルブ付きのドレン口23cが設けられ、このドレン口23cから再生タンク23内の水を排出可能に構成されている。ケース23aは、再生材となる固体の粒状の塩が、数回分、例えば10回分、収容可能に構成されている。ケース23a内の所定高さには、ケース23a内の空間を上下に仕切るフィルタFが設けられている。フィルタFは例えば不織布で構成され、粒状の塩の通過を抑制する。
【0021】
ケース23a内には、ケース23aよりも小径のブラインウェルと呼ばれる内ケース23dが設けられている。
【0022】
内ケース23dは上部に開口を有する円筒状に構成され、鉛直方向に沿って延びている。内ケース23dの開口はキャップによって閉止されている。内ケース23dの周壁にはスリット状の貫通孔であるスリット孔23eが複数形成されている。スリット孔23eは、例えば不織布で構成されたフィルタ23fで覆われている。このスリット孔23eを通じてケース23a内と内ケース23d内とで流体である水や塩水が流通可能となる一方、固体である粒状の塩の通過はフィルタ23fによって抑制される。
【0023】
内ケース23dの外面には、再生材の残量を示す残量表示部としての指標部25が設けられている。指標部25は、一回の再生処理で消費される塩の量に相当する高さ寸法毎に指標となる目盛線25aと、その残り量に対応する回数を示す指標となる数字25bを有している。指標部25は鉛直方向に沿って延びる。すなわち、指標部25は、ケース32a内であって内ケース23d外に堆積する再生材としての粒状の塩の表面の上の数字が、残りの再生材で処理可能な再生処理の回数に対応するように構成されている。したがって、ユーザーは指標部25を目視することで、再生材の残量に対応する処理回数を、簡単に把握できる。
【0024】
内ケース23d内の底部近傍に、再生チューブ41の端部が配されている。再生タンク23内に配される再生チューブ41の一端41aには空気吸込防止用の樹脂製のチャッキ41cが設けられている。内ケース23d内に、再生チューブ41を通じて処理水が補充可能に構成されている。
【0025】
カバー23bは例えば円形状であり、ケース23aの上部開口に設けられている。
【0026】
再生タンク23内には、再生タンク23内の液面位置を検出するフロートスイッチ27が設けられている。フロートスイッチ27は再生タンク23の内ケース23d内に支持され、再生タンク23の液面に浮かんでいる。フロートスイッチ27は、外郭を構成するフロートケースと、フロートケース内に収容されたスイッチ部と、を備える。フロートケース内のスイッチ部にはケーブルを構成する電線が接続されている。フロートスイッチ27はケーブルを介して制御部102aに接続されている。フロートスイッチ27は、再生液の液位を検出し、検出した信号を制御部102aに送る。
【0027】
以上の様に構成された再生タンク23において、再生材として、例えば粒状の塩が数回分収容された状態で、再生処理毎に所定量の水が補充されることで、塩が水に溶解して所定量の塩水となる。すなわち、再生タンク23の内ケース23d内に、再生処理毎に、一度の再生処理で使用される一定量の水が注入されると、注入された一定量の水Waに、内ケース23d内にある粒状の塩S1の一部が溶けることで、水Waが飽和状態の塩水S2になる。
【0028】
したがって、再生タンク23には一定量の塩水S2または水Waと、フィルタF上で溶けずに残っている粒状の塩S1が存在する。再生タンク23内の塩水S2は、後述する再生処理においてイジェクタ42の動作によって、一定量ずつ、再生チューブ41を通って濾過槽22に送られる。
【0029】
除菌器13は、流路部43と、薬液タンク44と、薬液を流路部43に送る薬液ポンプ45と、流量センサ46を備える。除菌器13は、流路部43に所定量の薬液を注入することで、流路部43を流れる流体を除菌する。
【0030】
流量センサ46は例えばパドル式の流量センサであり、流体の流れによって回動可能なパドルと、パドルを回動可能に支持する支持構造部と、パドルに内蔵された磁石と、磁気センサと、を備えている。磁気センサは信号線を介して制御部102aに接続されている。流量センサ46は、除菌器13を通る流体の流れを検出し、制御部102aに信号を送る。
【0031】
処理水槽14は、濾過槽22及び除菌器13を通過した処理水を貯留可能に構成された容器である。処理水槽14には、処理水の液面位置を検出する液面センサ47が設けられている。液面センサ47は信号線を介して原水ポンプ11用の制御部101aに接続されている。液面センサ47は、処理水の液面位置を検出し、液位情報を電気信号として制御部101aに送る。
【0032】
自動給水ポンプ15は、モータと、モータに接続されたインペラを有する単段または多段のポンプ部と、を備える。自動給水ポンプ15は、例えば地上に2台設けられている。自動給水ポンプ15は、ポンプ制御用の制御部104aの制御により、処理水槽14からの水を増圧して二次側に圧送する。自動給水ポンプ15の吐出口は通水路16を介して濾過槽22に連通可能に接続されている。自動給水ポンプ15の二次側の流路には圧力センサ48が設けられている。
【0033】
圧力センサ48は、例えばダイヤフラム式の圧力センサ48であり、信号線を介して制御部104aに接続される。圧力センサ48は、自動給水ポンプ15の吐出圧力を検出し、検出した圧力信号を制御部104aに送信する。
【0034】
通水路16は、原水ポンプ11の吐出口から濾過槽22に至る管路で構成される第1流路51と、濾過槽22から除菌器13に至る管路で構成される第2流路52と、除菌器13の二次側から処理水槽14に至る管路で構成される第3流路53と、処理水槽14から自動給水ポンプ15の吸込口に至る管路で構成される第4流路54と、自動給水ポンプ15の吐出口から第1流路51に至る管路で構成される第5流路55と、濾過槽22から排出部へ至る管路で構成される第6流路56と、第2流路52から分岐して排出部に至る管路で構成される第7流路57と、再生タンク23から濾過槽22に接続される再生チューブ41で構成される第8流路58と、を備える。
【0035】
再生チューブ41は、その一端41aが再生タンク23内に配され、他端41bが濾過槽22の第1ポート31に接続されるイジェクタ42に接続されている。
【0036】
流路スイッチユニット17は、第1三方弁61と、第2三方弁62と、複数の開閉弁63a〜63cと、コントロールバルブ64と、を備える。流路スイッチユニット17は弁61,62,63a〜63cの開閉とコントロールバルブ64の制御により、通水路16の8つの流路51〜58を、第1ポート31,第2ポート32,第3ポート38、及び第4ポート39の合計4つのポートのいずれかにそれぞれ接続して連通させ、あるいは流路を閉じることで、複数の処理モードを切替える。
【0037】
第1三方弁61及び第2三方弁62は、例えば3つのポートを有する電磁式弁であり、制御部102aの制御に応じて複数の流路の接続状態を切替える。第1三方弁61は、第1流路51を介して原水ポンプ11に接続されるポートと、第5流路55を介して自動給水ポンプ15の吐出側に接続されるポートと、コントロールバルブ64を介して濾過槽22の複数のポートに選択的に接続されるポートと、を有する。
【0038】
第2三方弁62は、第2流路52を介して除菌器13に接続されるポートと、第7流路を介して排出部に接続されるポートと、コントロールバルブ64を介して濾過槽22の複数のポートに選択的に接続されるポートと、を備える。
【0039】
本実施形態においては、第1三方弁61の開閉とコントロールバルブ64の切替えによって、原水側の第1流路51や、自動給水ポンプ15からの第5流路55が、切替え可能に、ポート31,32,38,39に接続されている。また、第2三方弁62の開閉とコントロールバルブ64の切替えによって、処理水槽側の第2流路52や、排出側の第7流路57が、切り替え可能にポート31,32,38,39に接続されている。
【0040】
複数の開閉弁63は、例えば電磁式の開閉弁63であり、102aの制御に応じて複数の流路の接続状態を切替える。
【0041】
制御ユニット100は、原水ポンプ11用の制御盤101と、通水路16用の制御盤102と、濾過装置12用の制御盤103と、自動給水ポンプ15用の制制御盤104と、を備える。
【0042】
制御盤101は、所定のプログラムに基づいて原水ポンプ11の動作を制御する制御部101aと、各種データを記憶する記憶部101bと、インターフェイス部101cと、を備える。
【0043】
制御盤103は、所定のプログラムに基づいて濾過装置12の動作を制御する制御部103aと、各種データを記憶する記憶部103bと、インターフェイス部103cと、を備える。
【0044】
制御盤102は、所定のプログラムに基づいて通水路16の各部の動作を制御する制御部102aと、各種データを記憶する記憶部102bと、インターフェイス部102cと、を備える。
【0045】
制御盤104は、所定のプログラムに基づいて自動給水ポンプ15の動作を制御する制御部104aと、各種データを記憶する記憶部104bと、インターフェイス部104cと、を備える。
【0046】
制御部101a、102a、103a、104aは、インターフェイス部101c〜104cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、各種の演算処理を行い、水処理装置10の動作を制御する。
【0047】
例えば制御部101aは、インターフェイス部101cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、各種の演算処理を行い、インバータの周波数制御により、原水ポンプ11のモータを変速運転または停止させる。具体的には、制御部101aは、各インバータに制御信号を送信し、所定のタイミングで原水ポンプ11に対応するインバータを制御することでポンプの動作を制御する。
【0048】
制御部103aは、インターフェイス部103cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、各種の演算処理を行い、コントロールバルブ64の弁を開閉することで、流路の接続状態を切替える。
【0049】
制御部102aは、インターフェイス部102cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、通水路16の弁63a〜63dを開閉することで流路の接続状態を切替える。
【0050】
制御部104aは、インターフェイス部104cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、インバータに制御信号を送信し、所定のタイミングで自動給水ポンプ15に対応するインバータを制御することで自動給水ポンプ15の動作を制御する。
【0051】
また、制御部102aは、再生材の残量値、積算再生回数、及び積算通電時間等の情報を検出し、これらの検出結果に基づいて、ポンプの動作制御や流路切替え制御や報知処理を行う。さらに、制御部102aは、インターフェイス部102cへの入力指示や各種センサによって検出される検出値に基づいて、記憶部における各種データの設定や更新を行う。
【0052】
水処理装置10は、これらの流路設定とポンプ11,15の動作制御により、複数種類の処理を行わせる。具体的には、水処理装置10は、制御部101a,102a,103a,104aの制御により、濾過処理、逆洗処理、再生処理、洗浄処理、及び注水処理を行う。
【0053】
記憶部101b、102b、103b、104bは、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラムや、各種基準値や閾値を記憶する。例えば記憶部102bは、再生材の残量値を示す残量データや、再生処理の積算回数データN1や、積算通電時間データT1や、再生材不足状態における再生処理回数データN2を記憶する。
【0054】
再生処理の積算回数である積算再生回数データN1は、例えば初期再生時あるいは直前のリセット時からの再生回数を積算した回数であり、記憶部102bに記憶されている。例えば制御部102aが再生信号を検出する度に、1ずつ加算することで、積算再生回数データN1が更新される。また、積算再生回数データN1はリセット指示によって、リセットされる。すなわち、例えばユーザーがイオン交換樹脂を新しい樹脂に交換した場合にリセットボタンを操作すると、制御部102aがこれを検出し、積算再生回数データN1を0にリセットする。
【0055】
積算通電時間データT1は、例えば初期通電開始時あるいは直前のリセット時から、濾過装置12に通電される時間を積算した値であり、記憶部102bに記憶されている。積算通電時間データT1はリセット指示によって、リセットされる。すなわち、例えばユーザーがイオン交換樹脂を新しい樹脂に交換した場合にリセットボタンを入力すると、制御部102aでこれを検出し、積算通電時間データT1を0にリセットする。
【0056】
再生材不足状態における再生処理回数データN2は、例えば記憶部102bに記憶されている再生材の残量データと、再生処理信号とに基づき、制御部において算出されるデータである。ここで、再生材の残量データは、再生材の残量に比例して設定される数であり、例えば再生材の残量に対応した再生可能回数として、記憶部102bに記憶されている。再生材の残量データは、例えば再生材の補充時にセットされ、再生処理毎に1ずつ減じることで、再生材の残り量に対応する回数を示す。例えば制御部が再生信号を検出する度に、1ずつ減じることで、残量データが更新される。残量データは、制御部が再生材補充によるリセット指示の検出によりリセットされる。すなわち、例えばユーザーが再生材の補充をした場合にリセット指示を入力すると、制御部102aがこれを検出し、残量データを補充後の残量に対応した回数を示す値にリセットする。
【0057】
例えば、制御部102aは、記憶部102bに記憶されている残量データに基づいて再生材の残量不足状態を検出する。すなわち、制御部102aは、残量データが予め設定された残量不足基準値以下であるか否かを検出する。そして、残量データが予め設定された残量不足基準値以下となると、その後の再生処理回数を、再生材不足状態における再生処理回数として、カウントする。
【0058】
なお、残量データや再生不足状態での再生回数データN2は、報知処理を受けて再生材の補充を行う際に、操作入力部105においてカウント増ボタンにより残量データの入力を行うことにより、再設定あるいは更新される。
【0059】
停止基準値である停止基準回数N0及び停止基準時間T0は、例えば濾過材の交換周期に基づいて、記憶部102bに予め設定される。これらのデータは、制御部102aの制御により、設定、更新、調整される。また、各種閾値や設定値は、例えばインターフェイス部102cへの操作入力によってユーザーが任意に設定変更可能に構成されている。
【0060】
インターフェイス部101c、102c、103c、104cは、操作入力部105と、表示部106と、を備える。
【0061】
例えば、制御盤102の操作入力部105は、電源のON/OFFを操作するための電源スイッチや残量カウントボタン、残量リセットボタンなどの各種入力ボタンやスイッチであり、ユーザーが各種の設定や指示入力が可能に構成されている。
【0062】
例えば制御盤102の表示部106は、例えばPLCランプ106aと、再生材不足ランプ106bと、濾過材交換ランプ106cと、を備える。再生材不足ランプ106bは、制御部102aの制御により点灯することで、ユーザーに再生材の残量不足等を知らせる報知処理を行う。PLCランプ106aは、制御部102aの制御により点灯し、再生材の残量回数を表示する。
【0063】
以下、本実施形態にかかる水処理装置10の制御ユニット100が行う各種動作について
図6乃至
図10を参照して説明する。
図6は濾過処理、
図7は逆洗処理、
図8は再生処理、
図9は洗浄処理、
図10は注水処理、をそれぞれ示している。
【0064】
図6は濾過処理を示す説明図である。濾過処理は、原水を汲み上げて濾過槽22に通水させることで、で、鉄・マンガン等の陽イオンをイオン交換により捕捉し、原水を軟水化する処理である。
【0065】
図6に示すように、濾過処理として、制御部103aはコントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じ、第2ポート32を原水側の第1流路51に接続し、第3ポート38を処理水槽14側の第3流路に接続し、第4ポート39を閉じる。さらに、制御部103aはイジェクタ42を停止させ、第8流路58を閉じる。
【0066】
この状態で、制御部101aは、所定のタイミングで、原水ポンプ11を駆動する。制御部101aは、例えば液面センサ47で検出される液位情報に基づき、処理水槽14の液位が所定のポンプ起動基準値まで下がったことを検知すると、原水ポンプ11を駆動する。原水ポンプ11の駆動により、原水は、揚水され、濾過槽22及び除菌器13に流入する。原水は、濾過槽22内に流入し、濾過されることで、除菌、除鉄、除マンガン及び固形物等の不純物が取り除かれ浄水L2(処理水)となる。そして処理水L2はフィルタキャップ35を通って集水管33に入り、集水管33の上端部の第3ポート38から、処理水槽14へ送られる。
【0067】
図7は逆洗処理を示す説明図である。逆洗処理は、集水管33から水を流し、濾過槽22のイオン交換樹脂を通って下から上へ流れる用に通水して排水することで、濾過材を逆洗し、濾過槽22の内部に溜まった酸化鉄や微粒子(不純物)を排出する処理である。また、再生処理の前にこの逆洗処理をすることで濾過材をほぐすこともできる。
【0068】
図7に示すように、逆洗処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じ、第2ポート32を排水側の第6流路56に接続し、第3ポート38を原水側の第1流路51へ接続し、第4ポート39を閉じる。この状態で、制御部101aは所定のタイミングで原水ポンプ11を駆動して原水L1を二次側へ送ると、原水L1が集水管33の第3ポート38から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33から流出し、濾過槽22の下から上へ送られ、第2ポート32から排水される。この逆洗処理によって、濾過槽22の下から上へ原水を流すことで、濾過材を洗浄し、濾過槽22内にたまった酸化物や微粒子を排出する。
【0069】
例えば、制御部103aは、濾過処理中にカチオン濃度が高くなった場合、高濃度の食塩水などの再生液を通水して、再度、樹脂及びカチオンとナトリウムとのイオン交換をする再生処理を行う。再生処理として、制御部102aは、所定のタイミングで、再生タンク23から、所定のタイミングで再生液としての高濃度の塩水S2を濾過槽22へ補充する。例えば再生処理を行うタイミングは、使用水量と原水のカチオン濃度によって決定され、日数間隔や曜日指定により、コントロールバルブ64の制御盤103aに設定されている。
【0070】
図8は再生処理を示す説明図である。再生処理は、高濃度塩水を濾過材へ通水することで、原水から除去されて濾過材に付着した鉄やマンガンを濾過材から分離させて排出させる処理である。
【0071】
具体的には、
図8に示すように、再生処理として、制御部103aは、予め設定された所定のタイミングで、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を再生チューブ41及び原水ポンプ11に連通させ、第2ポート32を閉じる。また、集水管33の第3ポート38を閉じ、第4ポート39を排水側の第6流路56に接続する制御部103aは、この状態でイジェクタ42を駆動することにより、再生タンク23からの高濃度塩水、及び原水ポンプ11からの原水を、濾過槽22内に送る。例えば原水+高濃度塩水≒8%〜12%程度である。塩水及び原水は、濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタを通って集水管33に流入し、第4ポート39を通って排出される。再生排水は高濃度の塩水及び鉄やマンガン等の陽イオンを含有している。再生処理により、再生タンク23内の液位が低下する。
【0072】
図9は、洗浄処理を示す説明図である。洗浄処理は、濾過槽22内部に残っている残留塩分を低速で外部へ排出させ、新たに原水L1を注入する処理であり、押し出し処理とも呼ばれる。
【0073】
洗浄処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じるとともに、第2ポート32を原水ポンプ11側の第1流路51に連通させる。また、制御部102aは、第3ポート38を閉じ、第4ポート39を排水側の第6流路56に連通させる。この状態で、原水ポンプ11を駆動することにより、原水L1が濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33に流入し、第4ポート39から排出される。この洗浄処理により、濾過槽22内に残っている残留塩分を外部へ排出する。
【0074】
図10は注水処理を示す説明図である。注水処理は、再生タンク23へ処理水L2を逆流させることで、再生タンク23内に処理水L2を入れて貯める処理である。
【0075】
注水処理において、制御部103aは、コントロールバルブ64を制御し、第1ポート31を閉じるとともに、第2ポート32を原水ポンプ11側の第1流路51に連通させる。また、制御部102aは、第3ポート38を処理水槽14に接続するとともに、イジェクタ42を介して再生チューブ41に接続し、第4ポート39を閉じる。この状態で、制御部101aにより原水ポンプ11を駆動し、制御部103aによりイジェクタ42を駆動すると、原水L1が濾過槽22内を上から下に流れ、フィルタキャップ35を通って集水管33に流入する。そして、濾過後の処理水L2は一部が第3ポート38から第2流路52,第3流路53を経て処理水槽14に送られるとともに、一部がイジェクタ42から再生チューブ41を通って再生タンク23内に送られる。制御部103aは、予め設定された一定時間経過後に、第3ポート38と再生チューブ41との間の流路を閉め、注水を停止する。この注水処理により処理水を再生タンク23に一定量の処理水が補充される。
【0076】
水処理装置10の制御ユニット100は、積算再生回数及び積算通電時間に基づき、原水ポンプ11の運転制御や通水路16の流路切替え、及び報知処理等の動作制御を行う。
【0077】
具体的には、
図11のフローチャートに示すように、制御部102aは、制御盤103aからの再生信号が入力されたタイミングで、残量不足状態での再生回数を検出し、当該残量不足状態での再生処理回数データN2が所定の基準値以上である場合には(ステップST1のYes)、停止基準値である停止基準回数N0及び停止基準時間T0を、例えば再生材の残量が不足していない場合よりも低い値に、調整する(ステップST2)。例えば、残量不足状態での再生回数は、残量データ等に基づいて制御部102aにてカウントされ、記憶部102bに記憶されている。ステップST2の調整処理として、制御部102aは、例えば通常の停止基準値、すなわち再生材が不足していない状態での停止基準値の80%〜90%程度の数値に低減する。
【0078】
次に、制御部102aは、初回の再生処理あるいは前回のリセット時からの再生処理の回数を積算した積算再生回数データN1を検出し、積算再生回数データN1が予め設定された所定の停止基準回数N0以上であるか否かを判定する(ステップST3)。そして、積算再生回数データN1が停止基準回数N0以上である場合には、(ステップST3のYes)報知処理(ステップST5)及び停止処理(ステップST6)を行う。積算再生回数データN1が予め設定された所定の停止基準回数N0未満である場合には(ステップST3のNo)、ステップST4に進む。
【0079】
停止基準回数N0や停止基準時間T0などの停止基準値は、濾過材の交換周期に対応して、予め、再生の間隔や使用条件に基づいて記憶部102bに設定されている設定値である。停止基準値は、各種条件により適宜設定され、あるいは加減調整される。
【0080】
ステップST4において、制御部102aは、積算通電時間データT1を検出し、積算通電時間データT1が、予め設定された所定の停止基準時間T0以上である場合に(ステップST4のYes)、報知処理(ステップST5)とともに停止処理(ステップST6)を行う。制御部102aは、積算再生回数データN1が停止基準回数N0未満であり(ステップST3のNo)、積算通電時間データT1が停止基準時間T0未満である(ステップST4のNo)場合には、運転を継続し、通水による濾過処理を続ける。
【0081】
ステップST5の報知処理として、制御部102aは、例えば残量不足を報知する報知ランプである濾過材交換ランプ106cを点灯させ、外部信号を出力する。
【0082】
ステップST6の停止処理として、制御部103aが再生信号を出力することで、例えば制御部102aが流路中のいずれかの開閉弁、例えば濾過装置の二次側の第2三方弁62を制御し、通水路を閉じ、水の流れを停止する。あるいは停止処理として、制御部102aは原水ポンプ11の制御部101aへ停止信号を出力することにより、原水ポンプ11を停止させて、水の流れを停止する。
【0083】
その後、制御部102aはリセットの指示を検出する(ステップST7)。例えばユーザーが、停止処理を受けてイオン交換樹脂の交換作業を行い、操作入力部105においてリセットボタンの入力を行った場合、制御部102aがこれを検出する。制御部102aはリセットの指示を検出すると(ステップST7のYes)、報知処理を終了し(ステップST8)、停止処理を終了する(ステップST9)。例えば本実施形態においては、一例として、リセットボタンが押下されると、外部信号出力を解除する一方で、原水ポンプ11の駆動を再開する。
【0084】
また、制御部102aは、リセット指示を検出すると、記憶部102bにおける、再生積算回数及び運転積算回数のデータをリセットする(ステップST10)。
【0085】
一方、カウント増ボタンやリセットボタンの指示入力を検出しない場合(ステップST7のNo)制御部102aは、ステップST5の報知処理およびステップST6の停止処理を継続する。
【0086】
本実施形態にかかる水処理装置10によれば、所定の停止基準値を満たす場合に通水を停止することで、濾過不良での運転を防止することが可能となる。すなわち、一般的に、イオン交換式の水処理装置及び水処理方法は、運転を継続すると濾過材であるイオン交換樹脂自体の破損による充填量の減少や、例えばポンプ停止時などの滞留時に酸化鉄被膜が生成される等により、イオン交換能力が低下する。さらに、再生処理が充分に行われない場合にはイオン交換能力の低下は進行する。そのため、定期的に濾過材を交換する必要がある。しかしながら、濾過材の交換は使用者によるものであるため、適切な交換周期を超えて運転を継続するなどにより、濾過不良となることがある。そこで、上記実施形態にかかる水処理装置10及び水処理方法は、積算の再生回数や、積算通電時間が一定の停止基準値以上となると、処理水の供給を遮断することにより、濾過不良の水が下流に流れることを防止できる。また、強制的に水の流れを停止して処理水の供給を遮断することで、ユーザへろ過材の交換を促すことができ、ろ過不良を未然に防止できる。
【0087】
また、上記実施形態においては、再生材不足の状態での再生処理回数を検出することで、特にイオン交換性能の低下が進行しやすい再生不良の状態を検出し、この場合に停止基準値を減じるように調整することとした。このため、イオン交換性能の低下の進行に合わせて停止基準値を設定することができ、濾過不良を効果的に防止できる。
【0088】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0089】
例えば上記実施形態において、積算通電時間及び積算再生回数の両方に基づき、そのいずれかが停止基準値以上である場合に停止処理及び報知処理を行う例を示したが、これに限られるものではない。また、他の実施形態として、積算通電時間あるいは積算再生回数のいずれかに基づいて、通水の停止制御を行ってもよい。また、積算通電時間及び積算再生回数に代えて、残量不足状態における再生回数を基準としてもよい。すなわち、残量不足状態における再生回数が所定の停止基準値以上になった場合に、停止処理及び報知処理を行うこととしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態においては、残量不足状態における再生処理回数が一定値以上である場合に、積算通電時間及び積算再生回数の停止基準値を減じて調整する例を示したが、これに限られるものではない。例えば他の実施形態として、残量不足状態における再生回数を停止基準値と比較して通水停止処理を行うとともに、積算通電時間あるいは積算再生回数の少なくともいずれか1以上が所定の調整基準値以上である場合に、その通水停止の停止基準値を減じる調整をすることとしてもよい。
【0091】
例えば、上記実施形態においては、報知処理として、ランプを点灯する例を示したがこれに限られるものではない。例えば、表示モニターを設け、制御部102aの制御によってデータやメッセージを表示することにより報知処理を行ってもよく、あるいはスピーカを設け、音声で報知処理を行う構成としてもよい。
【0092】
さらに、上記実施形態において、通水の停止処理とともに報知処理を行う例を示したが、例えばこの報知処理に代え、あるいはこの報知処理に加えて、停止よりも前の段階で、濾過材の交換を促す報知処理を行うこととしてもよい。例えば、通水を停止する停止基準値よりも小さい積算再生処理回数あるいは積算通電時間、その他の基準値に基づいて、濾過材の交換が必要である旨を表示し、あるいはランプを点灯することで、報知してもよい。
【0093】
なお、上記実施形態においては、複数の制御部101a〜104aや複数の記憶部101b〜104bが異なる制御盤101〜104に設けられている例を示したが、これに限られるものではない。例えば一部または全部の制御部101a〜104aを共通とする、複数の制御部101a〜104aを制御するホスト制御部を追加する、あるいは複数の制御部101a〜104a間の通信機能などは、装置により適宜設定変更可能である。
【0094】
さらに、上記実施形態の構成要件のうち一部を省略しても本発明を実現可能である。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽と、
前記濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽と、
前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数が所定の停止基準値以上である場合に、通水を停止する制御部と、を備える、水処理装置。
(2)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽と、
前記濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽と、
通電時間が、所定の停止基準値以上である場合に、通水を停止する、制御部と、を備える、水処理装置。
(3)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽と、
前記濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽と、
前記再生材を前記濾過槽に補充する再生処理に用いられる前記再生材の量が所定の基準値よりも不足した再生材不足状態における、前記再生処理の回数が、所定の停止基準値以上である場合に、通水を停止する、制御部と、を備える、水処理装置。
(4)
前記制御部は、前記再生材を前記濾過槽に補充する再生処理に用いられる前記再生材の量が所定の基準値よりも不足した再生材不足状態における、前記再生処理の回数に基づき、前記停止基準値を調整する、(1)または(2)記載の水処理装置。
(5)
前記制御部は、前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数、及び通電時間の少なくともいずれかに基づき、前記停止基準値を調整する、(3)記載の水処理装置。
(6)
前記濾過槽に接続された原水ポンプと、
前記濾過槽に接続される通水路と、
を備え、
前記制御部は、前記通水路を閉じ、あるいは前記原水ポンプを停止させることにより、前記通水を停止する、(1)乃至(5)のいずれか記載の水処理装置。
(7)
前記制御部は、前記通水を停止する場合に、報知処理を行う、(1)乃至(6)のいずれかに記載の水処理装置。
(8)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽から、前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数を検出することと、
前記再生処理の回数が所定の停止基準値以上である場合に、通水を停止することと、を備える水処理方法。
(9)
濾過材を収容するとともに通水可能に構成された濾過槽に接続され、再生材及び水を収容可能に構成された再生槽から、前記濾過槽に再生材を補充して前記濾過材を洗浄する再生処理の回数を検出することと、
通電時間が所定の停止基準値以上である場合に、通水を停止することと、
を備える水処理方法。
(10)
前記通水の停止を行う場合に、報知処理を行う、(8)または(9)に記載の水処理方法。