特許第6971640号(P6971640)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971640
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】荷重検知センサ
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20211111BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20211111BHJP
   H01H 13/52 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B60N2/90
   A47C7/62 Z
   H01H13/52 F
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-111064(P2017-111064)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-203066(P2018-203066A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】亀島 貴
(72)【発明者】
【氏名】唐沢 範之
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−080998(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/159704(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/121835(WO,A1)
【文献】 特許第6093467(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/90
A47C 7/00 − 7/74
H01H 13/00 − 13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極を有する第1電極シートと、
前記第1電極シートのシート面と直交する方向において前記第1電極と重なり前記シート面に沿って配置される金属板と、前記第1電極と対向する前記金属板の一部に配置され又は前記金属板よりも前記第1電極シート側に前記第1電極と対向して配置される第2電極とを有する第2電極シートと、
前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に介在され、前記第1電極と前記第2電極との間に開口を有するスペーサと、
前記スペーサと前記第2電極シートとの間に配置される接着層と、
を備え、
前記金属板は、前記第1電極シート側に突出する突起部を有し、
前記突起部は、前記開口内における前記開口の中心以外に配置され、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一部は、前記突起部よりも前記開口の中心側に配置され、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記突起部よりも前記開口の中心側から前記突起部の外側にまで延在し、
前記第1電極及び前記第2電極には、厚み方向に沿って貫通する貫通穴が設けられ、
前記突起部は、前記貫通穴内に配置される
ことを特徴とする荷重検知センサ。
【請求項2】
前記第1電極及び前記第2電極は、前記開口よりも大きくされる
ことを特徴とする請求項1に記載の荷重検知センサ。
【請求項3】
前記突起部は、前記第1電極シートに接している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷重検知センサ。
【請求項4】
前記金属板は、前記接着層を介して、直接スペーサと接着される
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の荷重検知センサ。
【請求項5】
前記第2電極シートは、前記金属板と前記スペーサとの間に配置される絶縁シートを更に有し、
前記第2電極は、前記絶縁シートの前記スペーサ側の面に配置される
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の荷重検知センサ。
【請求項6】
前記絶縁シートは、前記絶縁シートの一面から他面までにわたって貫通する貫通孔を有し、
前記突起部は、前記貫通孔に挿通される
ことを特徴とする請求項に記載の荷重検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重検知センサに関し、着座等による荷重を検知する場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
車両における安全システムの一つとして、乗車時にシートベルトが非着用であることを警告するアラームシステムが実用化されている。このアラームシステムでは、人の着座が感知されている状態でシートベルトの着用が非感知となる場合に、警告が発せられる。この人の着座を感知する装置として、着座による荷重を検知する荷重検知センサが用いられる場合がある。
【0003】
荷重検知センサとして、一対の樹脂製のフィルムと、それぞれのフィルム上に設けられ所定の間隔を隔てて互いに対向する一対の電極とを有する構成が開示されている(特許文献1参照)。下記特許文献1の一対のフィルムは、互いに対向する電極間以外に配置される粘着剤により貼り合わされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−315199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、粘着剤は、一般的に、温度の上昇により軟化する傾向がある。従って、炎天下の自動車の車内の様に高温になる環境に上記特許文献1の荷重検知センサが置かれた場合、各フィルムに設けられる電極が接触するために必要な荷重が低下してしまうことが懸念される。一方、−40℃くらいの低温になる環境に上記特許文献1の荷重検知センサが置かれた場合、粘着剤の硬質化により、各フィルムに設けられる電極が接触するために必要な荷重が増加してしまうことが懸念される。
【0006】
また、粘着剤は、長期的に押圧されるとクリープ変形する場合がある。粘着剤がクリープ変形すると、樹脂製のフィルム間の距離が変化し、各フィルムに設けられる電極が接触するために必要な荷重が変化してしまうことが懸念される。
【0007】
このように上記特許文献1の荷重検知センサでは、フィルムに設けられる電極が接触ために必要な荷重が変化し、適切に荷重を検知することができない虜がある。
【0008】
そこで、本発明は、適切に荷重を検知することができる荷重検知センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の荷重検知センサは、第1電極を有する第1電極シートと、前記第1電極シートのシート面と直交する方向において前記第1電極と重なり前記シート面に沿って配置される金属板と、前記第1電極と対向する前記金属板の一部に配置され又は前記金属板よりも前記第1電極シート側に前記第1電極と対向して配置される第2電極とを有する第2電極シートと、前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間に介在され、前記第1電極と前記第2電極との間に開口を有するスペーサと、前記スペーサと前記第2電極シートとの間に配置される接着層と、を備え、前記金属板は、前記第1電極シート側に突出する突起部を有し、前記突起部は、前記開口内における前記開口の中心以外に配置され、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一部は、前記突起部よりも前記開口の中心側に配置されることを特徴とする。
【0010】
このような荷重検知センサでは、第2電極シートがスペーサ側の面とは反対側の面から押圧されると、スペーサの開口内に配置される突起部により金属板が支えられる。このため、金属板が突起部により支えられない場合に比べると、第2電極シートは、接着層の温度変化による影響を受けづらくなる。
すなわち、接着層は、高温環境下では軟化し、低温環境下では硬質化し易い傾向にある。このため、金属板が突起部により支えられない場合には、スペーサの開口のエッジ部分おける接着層が温度環境に応じて変化してそのスペーサの開口に入り込む第2電極シートの撓み方が変化する。この撓み方の変化によって第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重が変化する。これに対し、本発明の荷重検知センサでは、金属板が突起部により支えられる。このため、突起部を支点として開口の中心側の金属板部分が第1電極シートに向かって撓み易くなる。この金属板部分はスペーサの開口内に位置するため接着層がないことから、スペーサと第2電極シートとの間に配置される接着層が温度環境に応じて変化しても、その金属板部分の撓み方は概ね変化しない。従って、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化を低減できる。
また、金属板が突起部により支えられることで、接着層に荷重が加わりにくくなり、接着層がクリープ変形しづらくなる。仮に荷重検知センサが長期的に押圧されることで接着層がクリープ変形しても、第1電極シートと第2電極シートとの間の距離は突起部により概ね一定に保持される。この結果、クリープ変形に伴って第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化が低減される。
このように本発明の荷重検知センサによれば、温度変化や経年変化に伴って、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化を低減することができる。こうして、適切に荷重を検知することができる荷重検知センサが実現される。
【0011】
また、前記突起部は、前記第1電極シートに接していることが好ましい。
【0012】
このようにした場合、突起部が第1電極シートに非接触である場合に比べて、金属板を安定して支えることができ、この結果、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0013】
また、前記突起部の数は、複数であることが好ましい。
【0014】
このようにした場合、突起部が1つである場合に比べて、金属板を安定して支えることができ、この結果、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0015】
また、前記突起部は、環状とされることが好ましい。
【0016】
このようにした場合、例えば突起部が棒状である場合に比べて、金属板を安定して支え易くなり、この結果、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0017】
また、前記金属板は、前記接着層を介して、直接スペーサと接着されることが好ましい。
【0018】
このようにした場合、金属板とスペーサとが接着層を介して密着するため、金属板とスペーサとの間に絶縁シートを介在させる場合に比べて荷重検知センサを薄型化することができる。また、金属板から第1電極までの距離が近くなるので、その金属板から突出する突起部の高さを小さくすることができ、その結果、当該突起部の耐久性を向上させることができる。
【0019】
また、前記第2電極シートは、前記金属板と前記スペーサとの間に配置される絶縁シートを更に有し、前記第2電極は、前記絶縁シートの前記スペーサ側の面に配置されることが好ましい。
【0020】
このようにした場合、絶縁シートにより第2電極の絶縁が確保されるため、外部から金属板に静電気等が加わったとしても、適切に荷重を検知でき、また第2電極の損傷等も防止できる。
【0021】
また、前記絶縁シートは、前記絶縁シートの一面から他面までにわたって貫通する貫通孔を有し、前記突起部は、前記貫通孔に挿通されることが好ましい。
【0022】
このようにした場合、突起部は、金属板を支えるのみならず、金属板と第2絶縁シートとのシート面方向の相対的なずれを抑制することができる。従って、金属板と第2絶縁シートとの間を接着層で接着しなくても良いため、上記のように、接着層の温度変化によって第2電極シートが受ける影響をより一段と低減できる。
【0023】
また、前記第1電極及び前記第2電極は、前記突起部よりも前記開口の中心側にのみ配置されることが好ましい。
【0024】
このようにした場合、第1電極及び第2電極が突起部と重なる場合に比べて、当該第1電極及び第2電極にダメージを与えづらくすることが可能である。
【0025】
また、前記第1電極及び前記第2電極は、前記突起部よりも前記開口の中心側から前記突起部の外側にまで延在し、前記第1電極及び前記第2電極には、厚み方向に沿って貫通する貫通穴が設けられ、前記突起部は、前記貫通穴内に配置されることが好ましい。
【0026】
このようにした場合、第1電極の直径が大きくても、第1電極に対して突起部を非接触とすることができる。従って、突起部と第1電極の擦れや摩耗等による第1電極の損傷等を防止できる。また、突起部と第1電極の擦れ等で第1電極の削りカスが生じすることを防止することができる。さらに、第1電極の厚さばらつきを考慮する必要がなくなり、この結果、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0027】
また、前記第1電極及び前記第2電極は、前記開口よりも大きくされることが好ましい。
【0028】
このようにした場合、第1電極の端部は第1電極シートのシートとスペーサとの間に配置され、第2電極の端部は第2電極シートのシートとスペーサとの間に配置される。このため、第1電極又は第2電極の厚さにばらつきがあっても、スペーサによって第1電極と第2電極との電極間距離を概ね一定にすることができる。従って、第1電極と第2電極とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように本発明によれば、適切に荷重を検知することができる荷重検知センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態の荷重検知センサの構成を示す分解図である。
図2図1の荷重検知センサの一部を示す断面図である。
図3】第1実施形態の荷重検知センサのオン状態を示す図である。
図4】第2実施形態の荷重検知センサの構成を示す分解図である。
図5図4の荷重検知センサの一部を示す断面図である。
図6】第2実施形態の荷重検知センサのオン状態を示す図である。
図7】第2実施形態の荷重検知センサの突起部を環状とし、その荷重検知センサを第2電極シートのシート面側から平面視した様子を例示する図である。
図8】第2実施形態の荷重検知センサの電極を大きくした場合を、図5と同じ視点で示す断面図である。
図9図8に示した荷重検知センサを第2電極シートのシート面側から平面視した様子を示す図である。
図10】実験条件の一部と、実験結果とを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る荷重検知センサユニットの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0032】
(1)第1実施形態
図1は第1実施形態の荷重検知センサの構成を示す分解図であり、図2図1の荷重検知センサの一部を示す断面図である。図1図2に示すように、荷重検知センサ5Aは、第1電極シート6と第2電極シート7とスペーサ8と、第1接着層9と第2接着層10とを主な構成要素として備える。なお、第1接着層9及び第2接着層10は、図1では省略されている。
【0033】
第1電極シート6は、基板61、第1電極62、第1接点部63(図1)、シート貫通孔64(図1)及び第1配線65A,65B(図1)を有する。基板61は、可撓性を有しない樹脂製の絶縁シートとされる。基板61の材料としては、フェノール樹脂あるいはエポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0034】
第1電極62は、荷重検知センサ5AのスイッチSW(図2)を構成する一方のスイッチ素子であり、例えば略円形の金属印刷層とされる。この第1電極62は、基板61の一方の表面上に配置される。
【0035】
第1接点部63は、荷重検知センサユニット1に外圧が加わらない場合にも第2電極シート7の第2接点部73(図1)と電気的な接続が維持される部位であり、例えば金属印刷層とされる。本実施形態の第1接点部63は、第2電極シート7の第2接点部73が接触する接触領域AR1と、当該接触領域AR1に電気的に接続され第2接点部73が非接触となる非接触領域AR2とで構成される。なお、外圧とは、人の着座に応じて車両用シートから荷重検知センサユニット1に与えられる押圧力である。
【0036】
シート貫通孔64は、基板61の一方の面から他方の面にわたって貫通する孔である。本実施形態のシート貫通孔64は、第1シート貫通孔64A、第2シート貫通孔64B及びピン用貫通孔64C,64Dを有する。
【0037】
第1シート貫通孔64Aは、第1電極62が配置される領域内に開口が位置され、当該第1電極62に設けられる貫通孔と連通される。この第1シート貫通孔64Aの内周面には管状の第1導電性部材が設けられており、この第1導電性部材を介して、基板61の一方の面に配置される第1電極62と、当該基板61の他方の面に配置される第1配線65Aとが電気的に接続される。なお、第1シート貫通孔64Aのうち管状の第1導電性部材に囲まれる空間と、第1電極62に設けられる貫通孔とは、スペーサ8の開口81内の空気を排出する排気路SPとされる。
【0038】
第2シート貫通孔64Bは、第1接点部63が配置される領域内に開口が位置される。本実施形態では、第1接点部63の非接触領域AR2内に第2シート貫通孔64Bの開口が位置される。
【0039】
第2シート貫通孔64Bの内部には第2導電性部材が充填されており、この第2導電性部材を介して、基板61の一方の面に配置される第1接点部63と、当該基板61の他方の面に配置される第1配線65Bとが電気的に接続される。なお、第2導電性部材は、第2シート貫通孔64Bの内部に充填されているため、排気路SPに相当する空間はない。
【0040】
ピン用貫通孔64C,64Dは、ピン端子が挿通される貫通孔である。ピン用貫通孔64C,64Dの内周面には管状の端子が設けられており、この端子の内径はピン端子の外径と同程度とされる。
【0041】
第1配線65Aは、一対の端子の一方と第1電極62との電気的な経路の一部となる配線である。本実施形態では、第1配線65Aの一端がピン用貫通孔64Dの内周面に設けられる管状の端子と接続され、当該第1配線65Aの他端が第1シート貫通孔64Aの内周面に設けられる管状の第1導電性部材と接続される。第1導電性部材は上記のように第1電極62と電気的に接続される。こうして、一対の端子の一方と第1電極62とが第1配線65Aを通じて接続される。
【0042】
また、第1配線65Bは、一対の端子の他方と第2電極72との電気的な経路の一部となる配線である。本実施形態では、第1配線65Bの一端がピン用貫通孔64Cの内周面に設けられる管状の端子と接続され、当該第1配線65Bの他端が第2シート貫通孔64B内に充填される第2導電性部材と電気的に接続される。第2導電性部材は上記のように第1接点部63と電気的に接続され、当該第1接点部63と第2接点部73とは上記のように荷重検知センサユニット1に外圧が加わらない場合にも電気的な接続が維持される。こうして、一対の端子の他方と第2電極72とが第1配線65Bを通じて接続される。
【0043】
第2電極シート7は、金属板71、第2電極72、第2接点部73(図1)及び突起部90を有する。金属板71は、可撓性を有する薄厚の金属板とされる。この金属板71は、第1電極シート6のシート面と直交する方向において第1電極62と重なり、そのシート面に沿って第1電極シート6よりも押圧部PP(図2)側に配置される。押圧部PPは、荷重検知センサ5AのスイッチSWを押圧するものであり、例えば荷重検知センサ5Aとは異なる他の部材に固定される。図2では、押圧部PPの先端は平面形状とされているが、凸状の曲面形状とされても良い。また、押圧部PPの先端は金属板71と非接触とされるが、接触していても良い。金属板71の材料としては、金属である限り特に限定するものではないが、例えば銅やステンレスなどが挙げられる。
【0044】
本実施形態の金属板71のうち第1電極62と対向する部位には、荷重検知センサ5AのスイッチSW(図2)を構成する他方のスイッチ素子である第2電極72が配置される。本実施形態では、金属板71の一部が第2電極72を兼ねている。但し、例えば、金属板71と同じ材料又は異なる材料の金属層が、第2電極72として、第1電極62と対向する金属板71の面上に配置されても良い。
【0045】
第2接点部73は、荷重検知センサユニット1に外圧が加わらない場合にも第1電極シート6の第1接点部63(図1)と電気的な接続が維持される部位である。本実施形態の第2接点部73は、金属板71において第2電極72とされる部位とは異なる所定部位を塑性変形させることで、当該所定部位が金属板71における厚み方向とは直交する方向の面に対して常時傾斜した板ばねとして形成される。
【0046】
突起部90は、金属板71から第1電極シート6側に突出する部位である。本実施形態では、突起部90は棒状とされ、突起部90の高さは、基板61とスペーサ8との間の第1接着層9の厚さと、金属板71とスペーサ8との間の第2接着層10の厚さと、スペーサ8の厚さとの合計と同程度とされる。また、本実施形態では、突起部90の数は5つとされ、例えば、正五角形の頂点に突起部90が位置する関係とされる。このような突起部90は、図1図2に示すように基板61をプレス加工して設けられても良く、棒状の金属部材を基板61に接着等して設けられても良く、金属層を基板61に繰り返し印刷して設けられても良い。
【0047】
スペーサ8は、第1電極シート6と第2電極シート7との間に介在され、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。スペーサ8の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂が挙げられる。
【0048】
また、スペーサ8は、スペーサ8の一方の面側から他方の面側にわたって貫通する開口81を有する。開口81の周縁形状は、例えば略円形であり、開口81の直径は、第1電極62の直径よりも大きい関係とされる。
【0049】
本実施形態のスペーサ8は、接点用開口83を有する。接点用開口83は、基板61に配置される第1接点部63と、その第1接点部63に対向される板ばねである第2接点部73とを電気的に接続させるための開口である。この接点用開口83を介して、金属板71における厚み方向とは直交する方向の面に対して常時傾斜した板ばねとして形成される第2接点部73が第1接点部63と接触する。これにより第1接点部63と第2接点部73との電気的な接続が荷重検知センサユニット1に外圧が加わらない場合にも維持される。
【0050】
第1接着層9は、第1電極シート6の基板61とスペーサ8との間に配置される接着層である。この第1接着層9は、基板61とスペーサ8とを接着する限り特に限定されない。例えば、粘着剤、接着剤、PETや不織布などの基材の両面に粘着剤や接着剤を設けて構成される両面テープ等が挙げられる。第1接着層9の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化樹脂等が挙げられる。上記の粘着剤としては、例えば、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤等が挙げられる。なお、第1接着層9は、基板61とスペーサ8とを接着する限り、基板61とスペーサ8との間の面全体にわたって配置されていても良く、基板61とスペーサ8との間の複数の部位に散在して配置されていても良い。
【0051】
第2接着層10は、第2電極シート7の金属板71とスペーサ8との間に配置される接着層である。この第2接着層10は、スペーサ8と金属板71とを接着する限り特に限定されない。例えば、粘着剤、接着剤、PETや不織布などの基材の両面に接着層を設けて構成される両面テープ等が挙げられる。第2接着層10の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化樹脂等が挙げられる。なお、第2接着層10の材料は、第1接着層9の材料とは同じであっても異なっていても良い。ここで、第2接着層10のガラス転移点Tgとしては、85℃以上であることが好ましい。ガラス転移点Tgが、85℃以上であることで、炎天下の自動車の車内の様に高温になる環境においても、流動しづらいため、第2接着層10の流動による荷重の誤検知を抑制することができる。なお、第2接着層10は、スペーサ8と金属板71とを接着する限り、スペーサ8と金属板71との間の面全体にわたって配置されていても良く、スペーサ8と金属板71との間の複数の部位に散在して配置されていても良い。なお、本実施形態において、金属板71とスペーサ8は、第2接着層10を介して、直接接着されている。
【0052】
以上の構成要素を組み合わせることで荷重検知センサ5Aが構成される。すなわち、スペーサ8の一方の面側に第1電極シート6の基板61が第1接着層9で接着され、スペーサ8の他方の面側に第2電極シート7の金属板71が第2接着層10で接着されることで荷重検知センサ5Aが構成される。
【0053】
この荷重検知センサ5Aでは、スペーサ8の開口81の内壁よりも内側に第1電極62が位置し、開口81に露出する金属板71のうち第1電極62と対向する部分が第2電極72として位置する。このような位置関係の第1電極62と第2電極72とでスイッチSWが構成される。
【0054】
これら第1電極62及び第2電極72は、スペーサ8の開口81内に配置される突起部90よりも開口81の中心側に配置され、複数の突起部90の内側に位置する。すなわち、複数の突起部90は、それぞれ、スペーサ8の開口81の中心以外の開口81内に配置され、その開口81の内壁と第1電極62との間に配置される。複数の突起部90の先端は、それぞれ、スペーサ8の開口81に露出する第1電極シート6の基板61に接する。なお、基板61の面上に配置される第1配線65A,65Bは、互いに隣り合う突起部90間を通るように配置され、当該突起部90とは非接触とされる。
【0055】
図2に示すように、複数の突起部90は、それぞれ、スペーサ8の開口81の内壁と第1電極62との双方と離間しているが、内壁と第1電極62との少なくとも一方に接していても良い。また、複数の突起部90の先端は、それぞれ、凸状の曲面形状とされているが、平面形状とされていても良い。
【0056】
なお、荷重検知センサ5Aにおける第2接点部73は、上記のように、金属板71における厚み方向とは直交する方向の面に対して塑性変形をさせて常時傾斜した状態にある。このため、スペーサ8の一方の面に第1接着層9を介して基板61が接着され、スペーサ8の他方の面に第2接着層10を介して金属板71が接着された状態では、第2接点部73は、接点用開口83を介して、当該第2接点部73に対向する第1接点部63を押圧し続ける。従って、上記のように、荷重検知センサユニット1に外圧が加わらない場合にも第1接点部63と第2接点部73との電気的な接続状態が維持される。
【0057】
次に、本実施形態の荷重検知センサ5Aによる荷重の検知について説明する。
【0058】
図3は、第1実施形態の荷重検知センサのオン状態を示す図である。図3に示すように、押圧部PPは、荷重を受けて下方に移動することで、第2電極シート7の金属板71のうちスペーサ8側の面とは反対側の面に接触し、当該金属板71を押圧する。このとき金属板71は、スペーサ8の開口81内に配置される複数の突起部90によって支えられるため、当該金属板71における突起部90の内側部分がスペーサ8の開口81内に入り込むように撓む。これにより金属板71の第2電極72が第1電極62に接触して、荷重検知センサ5AのスイッチSWはオンとなる。
【0059】
上記のように、第1電極62は、第1シート貫通孔64Aの内周面に設けられる管状の第1導電性部材と第1配線65Aを通じて、ピン用貫通孔64Dの内周面に設けられる管状の端子と電気的に接続されている。また上記のように、第2電極72は、第2接点部73、第1接点部63、第2シート貫通孔64B内に充填される第2導電性部材及び第1配線65Bを通じて、ピン用貫通孔64Cの内周面に設けられる管状の端子と電気的に接続されている。従って、金属板71の第2電極72が第1電極62に接触して、荷重検知センサ5AのスイッチSWがオンとなった場合、ピン用貫通孔64C,64Dに挿通されるピン端子を通じて、そのピン端子に電気的に接続される図示されない車両用制御ユニットにより荷重が検知可能となる。
【0060】
なお、金属板71が撓むとき、スペーサ8の開口81の空気は、第1電極62及び第1シート貫通孔64Aに設けられる排気路SPを介して排出される。従って、金属板71の撓みがスペーサ8の開口81内の空気によって抑制されるといったことが回避され、荷重検知センサ5AのスイッチSWは適切にオンとなる。
【0061】
以上のとおり、本実施形態の荷重検知センサ5Aは、第1電極62を有する第1電極シート6と、第2電極シート7とを備える。第2電極シート7は、第1電極シート6のシート面と直交する方向において第1電極62と重なり当該シート面に沿って配置される金属板71と、第1電極62と対向する金属板71の一部に配置される第2電極72とを有する。また、本実施形態の荷重検知センサ5Aは、第1電極シート6と第2電極シート7との間に介在され、第1電極62と第2電極72との間に開口81を有するスペーサ8と、スペーサ8と第2電極シート7との間に配置される第2接着層10を備える。
【0062】
これに加えて、金属板71は、第1電極シート6側に突出する突起部90を有し、その突起部90は、スペーサ8の開口81の中心以外の開口81内に配置されている。また、この突起部90よりも開口81の中心側に、第1電極62及び第2電極72の少なくとも一部が配置されている。
【0063】
このような荷重検知センサ5Aでは、第2電極シート7がスペーサ8側の面とは反対側の面から押圧されると、スペーサ8の開口81内に配置される突起部90により金属板71が支えられる。このため、金属板71が突起部90により支えられない場合に比べると、第2電極シート7は、第2接着層10の温度変化による影響を受けづらくなる。
【0064】
すなわち、第2接着層10は、高温環境下では軟化し、低温環境下では硬質化し易い傾向にある。このため、金属板71が突起部90により支えられない場合には、スペーサ8の開口81のエッジ部分おける第2接着層10が温度環境に応じて変化してそのスペーサ8の開口81に入り込む第2電極シート7の撓み方が変化する。この撓み方の変化によって第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重が変化する。これに対し、本実施形態では、金属板71が突起部90により支えられる。このため、突起部90を支点として開口81の中心側の金属板部分が第1電極シート6に向かって撓み易くなる。この金属板部分はスペーサ8の開口81内に位置するため第2接着層10がないことから、スペーサ8と第2電極シート7との間に配置される第2接着層10が温度環境に応じて変化しても、その金属板部分の撓み方は概ね変化しない。従って、第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重の変化を低減できる。
【0065】
また、金属板71が突起部90により支えられることで、第2接着層10に荷重が加わりにくくなり、第2接着層10がクリープ変形しづらくなる。仮に荷重検知センサ5Aが長期的に押圧されることで第2接着層10がクリープ変形しても、第1電極シート6と第2電極シート7との間の距離は突起部90により概ね一定に保持される。この結果、クリープ変形に伴って第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重の変化が低減される。
【0066】
このように本実施形態の荷重検知センサ5Aによれば、温度変化や経年変化に伴って、第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重の変化を低減することができる。こうして、適切に荷重を検知することができる荷重検知センサ5Aが実現される。
【0067】
また、本実施形態の突起部90は、第1電極シート6に接している。このため、突起部90が第1電極シート6に非接触である場合に比べて、金属板71を安定して支えることができ、この結果、第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0068】
なお、突起部90の高さは、基板61とスペーサ8との間の第1接着層9の厚さと、金属板71とスペーサ8との間の第2接着層10の厚さと、スペーサ8の厚さとの合計と同程度とされる。このため、荷重検知センサ5Aに荷重が加わっていない無荷重下で、スペーサ8と基板61とを剥がす方向、及び、スペーサ8と金属板71とを剥がす方向に応力が生じることを抑止し得る。なお、本実施形態では、金属板71は、第2接着層10を介して、直接スペーサ8と接着される。従って、金属板71とスペーサ8とが第2接着層10を介して密着するため、金属板71とスペーサ8との間に絶縁シートを介在させる場合に比べて荷重検知センサ5Aを薄型化することができる。また、金属板71から第1電極62までの距離が近くなるので、その金属板71から突出する突起部90の高さを小さくすることができ、その結果、当該突起部90の耐久性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態の突起部90の数は、複数である。このため、突起部90の数が1つである場合に比べて、金属板71を安定して支えることができ、この結果、第1電極62と第2電極72とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0070】
また、第1電極62及び第2電極72は、突起部90よりもスペーサ8の開口81の中心側にのみ配置されている。このため、第1電極62及び第2電極72が突起部90と重なる場合に比べて、当該第1電極62及び第2電極72にダメージを与えづらくすることが可能である。
【0071】
なお、突起部90がスペーサ8の開口81の内壁と離間されている場合、荷重検知センサ5Aが高温環境下に存在することで第1接着層9や第2接着層10が軟化して開口81に流動したとしても、突起部90とスペーサ8との隙間に収めることができる。従って、突起部90と第1電極シート6とが非接触である場合には、軟化した第1接着層9や第2接着層10が突起部90と第1電極シート6との間に流動することが回避される。
【0072】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態として荷重検知センサユニットを説明する。なお、上記において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、特に説明する場合を除き、重複する説明は省略する。
【0073】
図4は第2実施形態の荷重検知センサを示す分解図であり、図5図4の荷重検知センサの一部を示す断面図である。図4図5に示すように、本実施形態の荷重検知センサ5Bは、第1電極シート60と第2電極シート70とスペーサ80と、第1接着層9と第2接着層10とを主な構成要素として備える。なお、第1接着層9及び第2接着層10は、図4では省略されている。
【0074】
第1電極シート60は、第1絶縁シート66、第1電極67及び第1配線68(図1)を有する。第1絶縁シート66は、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。第1絶縁シート66の材料としては、PET、PI又はPEN等の樹脂が挙げられる。
【0075】
本実施形態の第1絶縁シート66は、メインブロックM1及びテールブロックM2により構成される。メインブロックM1の外形は円形状とされ、メインブロックM1の一面には第1電極67が配置される。テールブロックM2はメインブロックM1に連結され、テールブロックM2の外形は矩形状とされる。
【0076】
第1電極67は、荷重検知センサ5BのスイッチSW(図2)を構成する一方のスイッチ素子であり、例えば略円形の金属印刷層とされる。この第1電極67は、第1絶縁シート66のスペーサ80側の表面上に配置される。
【0077】
第1配線68は、第1電極67と、図示されない端子と電気的に接続する配線であり、例えば金属印刷層とされる。
【0078】
第2電極シート70は、金属板75、第2絶縁シート76、第2電極77、第2配線78(図1)及び突起部90を有する。上記第1実施形態の第2電極シート7は金属板71の1層で構成されていたのに対し、本実施形態の第2電極シート70は金属板75と第2絶縁シート76との2層で構成されている。
【0079】
金属板75は、上記第1実施形態と同様に、可撓性を有する薄厚の金属板とされる。この金属板75は、第1絶縁シート66のシート面と直交する方向において第1電極67と重なり、そのシート面に沿って第1絶縁シート66よりも押圧部PP(図5)側に配置される。本実施形態の金属板75は、第1絶縁シート66のメインブロックM1と概ね同形同大とされる。このような金属板75の材料としては、金属である限り特に限定するものではないが、上記第1実施形態と同様に、例えば銅やステンレスなどが挙げられる。
【0080】
第2絶縁シート76は、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされ、金属板75とスペーサ80との間に配置される。この第2絶縁シート76は、第2絶縁シート76の一面から他面までにわたって貫通する複数の貫通孔76Hを有する。これら貫通孔76Hには、それぞれ、突起部90が挿通される。第2絶縁シート76の材料としては、第1絶縁シート66と同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂が挙げられる。なお、第2絶縁シート76の材料は、第1絶縁シート66と同じであっても異なっていても良い。
【0081】
本実施形態の第2絶縁シート76は、メインブロックM21及びテールブロックM22により構成される。メインブロックM21は第1電極シート60のメインブロックM1と概ね同形同大とされ、このメインブロックM31の一面上に第2電極77及び貫通孔76Hが設けられる。テールブロックM22は、第1電極シート60のテールブロックM2と概ね同形同大とされる。
【0082】
第2電極77は、例えば、第1電極67と同形同大の金属印刷層とされる。第2配線78は、例えば金属印刷層とされ、第2電極77と図示しない端子とを電気的に接続する。この第2電極77は、第2絶縁シート76のスペーサ80側の表面上に配置される。
【0083】
突起部90は、金属板75から第1電極シート60側に突出する部位である。本実施形態における突起部90の形状、配置位置及び数は上記第1実施形態と同じである。但し、突起部90の高さは、第1絶縁シート66とスペーサ80との間の第1接着層9の厚さ、スペーサ80と第2絶縁シート76との間の第2接着層10の厚さ、第2絶縁シート76と金属板75との間の第2接着層10の厚さ、スペーサ80の厚さ、第2絶縁シート76の厚さを合計した厚さと同程度とされる。
【0084】
スペーサ80は、第1電極シート60と第2電極シート70との間に介在され、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。スペーサ80の材料としては、第1絶縁シート66や第2絶縁シート76と同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂が挙げられる。なお、スペーサ80の材料と第1絶縁シート66又は第2絶縁シート76とは同じであっても異なっていても良い。
【0085】
また、スペーサ80は、スペーサ80の一方の面側から他方の面側にわたって貫通する開口80Hを有する。開口80Hの周縁形状は、例えば略円形であり、開口80Hの直径は、第1電極67の直径よりも大きい関係とされる。
【0086】
さらに、スペーサ80は、開口80H内の空間と荷重検知センサ5Bの外部の空間とを連通するスリット80Sを有する。このスリット80Sは、スペーサ80を第1電極シート60及び第2電極シート70と重ね合わせたときに、エアベントとなる。エアベントは、スペーサ80の開口80H内の空気を荷重検知センサ5Bの外部に抜くための通路を意味し、上記第1実施形態の排気路SPに相当する。
【0087】
本実施形態のスペーサ80は、メインブロックM31及びテールブロックM32により構成される。メインブロックM31は第1電極シート6のメインブロックM1と概ね同形同大とされ、このメインブロックM31に開口80H及びスリット80Sが設けられる。テールブロックM32は、第1電極シート6のテールブロックM2と概ね同形同大とされる。
【0088】
このような第2絶縁シート76の一方の面側にスペーサ80が第2接着層10で接着される。そして、第2絶縁シート76の他方の面側には、第2絶縁シート76のそれぞれの貫通孔76Hに突起部90が挿通された状態で、金属板75が第2接着層10で接着される。さらに、スペーサ80のうち、第2電極シート70側とは反対の面側に第1電極シート60の第1絶縁シート66が第1接着層9で接着されることで荷重検知センサ5Bが構成される。
【0089】
この荷重検知センサ5Bでは、スペーサ80の開口80Hの一方側に露出する第1絶縁シート66の面上に配置される第1電極67と、当該開口80Hの他方側に露出する第2絶縁シート76の面上に配置される第2電極77とが互いに対向する。この互いに対向する第1電極67と第2電極77とでスイッチSWが構成される。
【0090】
これら第1電極67及び第2電極77は、上記第1実施形態と同様に、スペーサ80の開口80H内に配置される突起部90よりも開口80Hの中心側に配置され、複数の突起部90の内側に位置する。すなわち、複数の突起部90は、それぞれ、スペーサ80の開口80Hの内壁と第1電極67及び第2電極77との間に配置される。複数の突起部90の先端は、上記第1実施形態と同様に、スペーサ80の開口80Hに露出する第1絶縁シート66に接する。なお、第1絶縁シート66の面上に配置される第1配線68は、互いに隣り合う突起部90間を通るように配置され、当該突起部90とは非接触とされる。同様に、第2絶縁シート76の面上に配置される第2配線78は、互いに隣り合う突起部90間を通るように配置され、当該突起部90とは非接触とされる。
【0091】
次に、本実施形態の荷重検知センサ5Bによる荷重の検知について説明する。
【0092】
図6は、第2実施形態の荷重検知センサのオン状態を示す図である。図6に示すように、押圧部PPは、荷重を受けて下方に移動することで、第2電極シート7の金属板75のうちスペーサ80側の面とは反対側の面に接触し、当該金属板75を押圧する。このとき金属板75は、スペーサ80の開口80H内に配置される複数の突起部90によって支えられるため、当該金属板75における突起部90の内側部分がスペーサ80の開口80H内に入り込むように撓む。この撓みに応じて、金属板75に第2接着層10で接着される第2絶縁シート76も撓むことで第2電極77が第1電極67に接触し、荷重検知センサ5BのスイッチSWはオンとなる。このとき、第2電極77と第1電極67とに電気的に接続される図示されない車両用制御ユニットにより荷重が検知される。
【0093】
なお、金属板75及び第2絶縁シート76が撓むとき、スペーサ80の開口80Hの空気はスリット80Sを介して排出される。従って、金属板75及び第2絶縁シート76の撓みがスペーサ80の開口80H内の空気によって抑制されるといったことが回避され、荷重検知センサ5BのスイッチSWは適切にオンとなる。
【0094】
以上のとおり、本実施形態の荷重検知センサ5Bでは、第1電極67を有する第1電極シート60と、第2電極シート70とを備える。第2電極シート70は、第1電極シート60のシート面と直交する方向において第1電極67と重なり当該シート面に沿って配置される金属板75と、その金属板75よりも第1電極シート60側に第1電極67と対向して配置される第2電極77とを有する。また、本実施形態の荷重検知センサ5Bは、第1電極シート60と第2電極シート70との間に介在され、第1電極67と第2電極77との間に開口80Hを有するスペーサ80と、スペーサ80と第2電極シート70との間に配置される第2接着層10を備える。
【0095】
これに加えて、金属板75は、第1電極シート60側に突出する突起部90を有し、その突起部90は、スペーサ80の開口80Hの中心以外の開口80H内に配置されている。また、少なくともこの突起部90よりも開口80Hの中心側に、第1電極67及び第2電極77が配置されている。
【0096】
このような本実施形態の荷重検知センサ5Bでは、第2電極シート70がスペーサ80側の面とは反対側の面から押圧されると、スペーサ80の開口80H内に配置される突起部90により金属板75が支えられる。このため、金属板75が突起部90により支えられない場合に比べると、上記第1実施形態で上記したように、第2電極シート70は、第2接着層10の温度変化による影響を受けづらくなる。
【0097】
また、金属板75が突起部90により支えられることで、第2接着層10に荷重が加わりにくくなり、第2接着層10がクリープ変形しづらくなる。仮に荷重検知センサ5Bが長期的に押圧されることで第2接着層10がクリープ変形しても、第1電極シート60と第2電極シート70との間の距離は突起部90により概ね一定に保持される。この結果、クリープ変形に伴って第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化が低減される。
【0098】
このように本実施形態の荷重検知センサ5Bによれば、上記第1実施形態と同様に、温度変化又は経年変化に伴って、第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化を低減することができる。こうして、適切に荷重を検知することができる荷重検知センサ5Bが実現される。
【0099】
また、本実施形態の突起部90は、上記第1実施形態と同様に、第1電極シート60に接している。このため、突起部90が第1電極シート60に非接触である場合に比べて、金属板75を安定して支えることができ、この結果、第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0100】
なお、突起部90の高さは、基板61とスペーサ80との間の第1接着層9の厚さ、金属板75とスペーサ80との間の第2接着層10の厚さ、スペーサ80の厚さ、及び、第2絶縁シート76の厚さの合計と同程度とされる。このため、上記第1実施形態と同様に、荷重検知センサ5Aに荷重が加わっていない無荷重下で、スペーサ80と基板61とを剥がす方向、及び、スペーサ80と金属板75とを剥がす方向に応力が生じることを抑制し得る。
【0101】
また、本実施形態の突起部90の数は、複数である。このため、上記第1実施形態と同様に、突起部90の数が1つである場合に比べて、金属板75を安定して支えることができ、この結果、第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0102】
また、第1電極67及び第2電極77は、突起部90よりもスペーサ80の開口80Hの中心側に配置されている。このため、上記第1実施形態と同様に、第1電極67及び第2電極77が突起部90と重なる場合に比べて、当該第1電極67及び第2電極77にダメージを与えづらくすることが可能である。
【0103】
なお、突起部90がスペーサ80の開口80Hの内壁と離間されている場合、荷重検知センサ5Aが高温環境下に存在することで第1接着層9や第2接着層10が軟化して開口80Hに流動したとしても、突起部90とスペーサ80との隙間に収めることができる。従って、上記第1実施形態と同様に、突起部90と第1電極シート60とが非接触である場合には、軟化した第1接着層9や第2接着層10が突起部90と第1電極シート60との間に流動することが回避される。
【0104】
これに加えて、本実施形態の第2電極シート70は、上記の金属板75とスペーサ80との間に配置される第2絶縁シート76を更に有し、第2電極77は、第2絶縁シート76のスペーサ80側の面に配置されている。このため、第2絶縁シート76により第2電極77の絶縁が確保されるため、外部から金属板75に静電気等が加わったとしても、適切に荷重を検知でき、また第2電極77の損傷等も防止できる。
【0105】
また、本実施形態の第2絶縁シート76は、第2絶縁シート76の一面から他面までにわたって貫通する貫通孔76Hを有し、突起部90は、この貫通孔76Hに挿通されている。このため、突起部90は、金属板75を支えるのみならず、金属板75と第2絶縁シート76とのシート面方向の相対的なずれを抑制することができる。従って、金属板75と第2絶縁シート76との間を第2接着層10で接着しなくても良いため、上記のように、第2接着層10の温度変化によって第2電極シート70が受ける影響をより一段と低減できる。
【0106】
(3)変形例
上記実施形態では、突起部90の数が5つとされたが、5つ以外の複数であっても良く、1つであっても良い。但し、第1実施形態の金属板71又は第2実施形態の金属板75を安定して支えるためには、3つ以上であることが好ましい。
【0107】
また、上記第1実施形態では、複数の突起部90の先端が、それぞれ、スペーサ8の開口81に露出する第1電極シート6の基板61に接していたが、この基板61に非接触であっても良い。また、上記第2実施形態では、複数の突起部90の先端が、それぞれ、スペーサ80の開口80Hに露出する第1電極シート60の第1絶縁シート66に接していたが、この第1絶縁シート66に非接触であっても良い。第1実施形態の金属板71又は第2実施形態の金属板75を安定して支えるためには、複数の突起部90の先端が接していることが好ましい。
【0108】
また、上記実施形態では、突起部90の形状が棒状とされたが、環状とされても良い。環状に突出する突起部の場合、棒状に突出する突起部90に比べて、第1実施形態の金属板71又は第2実施形態の金属板75を安定して支え易くし得る。
【0109】
図7は、第2実施形態の荷重検知センサの突起部を環状とし、その荷重検知センサを第2電極シートのシート面側から平面視した様子を例示する図である。図7に示すように、環状の突起部100は、配線を通すためのスリット100Sを有する。このスリット100Sによって環状の突起部90の周方向の2箇所が途切れている。この環状の突起部90の周方向に沿った途切れ部分の合計の長さは、途切れ部分を含む環状の突起部90の周方向全体の長さの1/3以下であることが好ましい。なお、スリット100Sの箇所は1箇所であっても良い。このように、環状の突起部100は、輪のような形で延在する限り、1箇所又は断続的に途切れている場合も含まれる。
【0110】
また、上記第2実施形態では、第1電極67及び第2電極77が、スペーサ80の開口80H内に配置される突起部90よりも開口80Hの中心側に配置され、複数の突起部90の内側に位置された。しかしながら、第1電極67及び第2電極77が、スペーサ80の開口80Hの中心側から突起部90の外側にまで延在していても良い。
【0111】
図8は第2実施形態の荷重検知センサの電極を大きくした場合を、図5と同じ視点で示す断面図であり、図9図8に示した荷重検知センサを第2電極シートのシート面側から平面視した様子を示す図である。図8に示すように、第1電極67及び第2電極77の直径は開口80Hの直径よりも大きくされ、当該第1電極67及び第2電極77の端部がスペーサ80と第1絶縁シート66との間に配置されている。このため、第1電極67及び第2電極77が、突起部90よりも開口80Hの中心側から突起部90の外側にまで延在している。また、第1電極67の端部は第1電極シート60の第1絶縁シート66とスペーサ80との間に配置され、第2電極77の端部は第2電極シート7の第2絶縁シート76とスペーサ80との間に配置される。このため、第1電極67又は第2電極77の厚さにばらつきがあっても、スペーサ80によって第1電極67と第2電極77との電極間距離を概ね一定にすることができる。
【0112】
なお、第1電極67及び第2電極77が、突起部90よりも開口80Hの中心側から突起部90の外側にまで延在しているが、第1電極67及び第2電極77の直径は開口80Hの直径よりも小さくされていても良い。このようにすれば、第1電極67及び第2電極77の直径が大きくても、突起部90を第1電極シート60の第1絶縁シート66に接触させることができる。従って、上記のように突起部90が第1電極シート60に非接触である場合に比べて、金属板75を安定して支えることができ、この結果、第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0113】
ところで、上記のように金属板75を安定して支えるためには突起部90が第1絶縁シート66と接していたほうが良い。従って、突起部90が第1絶縁シート66と接しつつも、第1電極67及び第2電極77の直径を開口80Hの直径よりも大きくする場合、突起部90は、第1電極67及び第2電極77と絶縁される。例えば、図8図9に示すように、第1電極67及び第2電極77には、厚み方向に沿って貫通する貫通穴OPが設けられ、その貫通穴OP内に突起部90が配置される。このようにすれば、第1電極67の直径が大きくても、当該第1電極67に対して突起部90を非接触とすることができる。従って、突起部90と第1電極67の擦れや摩耗等による第1電極67の損傷等を防止できる。また、突起部90と第1電極67の擦れ等で第1電極67の削りカスが生じすることを防止することができる。さらに、第1電極67の厚さばらつきを考慮する必要がなくなり、この結果、第1電極67と第2電極77とが接触するために必要な荷重の変化をより一段と低減できる。
【0114】
本発明の荷重検知センサは、荷重を検知すべき検知対象物に対する荷重の有無を検知する限り利用可能性を有する。例えば、自動車等の車両や介護用ベッドのシートクッションの下方に荷重検知センサを配置する形態が挙げられる。このような形態では、シートクッションからの押圧に応じて荷重検知センサが荷重を検知でき、当該荷重検知センサの検知結果に基づいて、シートクッション上に人が存在しているかを示す情報を得ることができる。また、電子機器のスイッチとして用いられ、荷重の有無を検知しても良い。
【実施例】
【0115】
次に、上記実施形態に関する実施例・比較例を挙げて実験した内容について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例・比較例に限定されるものではない。
【0116】
比較例1の荷重検知センサと、実施例1の荷重検知センサと、実施例2の荷重検知センサとを用意し、それぞれの荷重検知センサに対して異なる気温環境下で荷重を与える実験を行った。
【0117】
比較例1の荷重検知センサとして、上記第2実施形態における荷重検知センサ5Bのうち突起部90及び第2絶縁シート76の複数の貫通孔76Hを省略した構成の荷重検知センサを用意した。実施例1の荷重検知センサとして、上記第2実施形態の荷重検知センサ5Bに相当する荷重検知センサを用意した。実施例2の荷重検知センサとして、実施例1の荷重検知センサにおけるスペーサの開口径を異ならせた荷重検知センサを用意した。
【0118】
比較例1の荷重検知センサ、実施例1の荷重検知センサ、実施例2の荷重検知センサそれぞれの構成要素の条件は、次のようにした。すなわち、第1絶縁シートはPETで成る厚さ75μmのシートとし、第2絶縁シートはPETで成る厚さ50μmのシートとした。また、スペーサはPETで成る厚さ50μmのシートとし、金属板はSUS301で成る厚さ0.1mmのシートとした。また、第1絶縁シートとスペーサとを接着する接着層は厚さ25μmのアクリル系接着層とし、第2絶縁シートとスペーサとを接着する接着層は厚さ25μmのアクリル系接着層とし、金属板と第2絶縁シートを接着する接着層は厚さ24μmのアクリル系接着層とした。
【0119】
さらに、比較例1の荷重検知センサ、実施例1の荷重検知センサ、実施例2の荷重検知センサそれぞれのスペーサの直径、及び、実施例1の荷重検知センサ、実施例2の荷重検知センサそれぞれの突起部の数と突起部の配置径は図10に示す。なお、突起部の配置径は、棒状の突起部の高さ方向に沿った中心軸をそれぞれ通る円の直径である。
【0120】
(実験1)
−40℃、25℃、85℃のそれぞれの気温環境下に比較例の荷重検知センサと実施例1の荷重検知センサと実施例2の荷重検知センサとを配置し、当該荷重検知センサを第2電極シート側から押圧して一対の電極が接触した時点で加わっている荷重(オン荷重)を測定した。なお、図10では、25℃の気温環境で測定されたオン荷重に対して、−40℃の気温環境で測定されたオン荷重及び85℃の気温環境で測定されたオン荷重の増減をパーセントで表している。
【0121】
図10に示すように、突起部がない比較例1に比べ、当該突起部を設けた実施例1及び実施例2のほうが、常温を基準として−40℃に変化しても85℃に変化しても、その温度でのオン荷重のばらつきが小さくなっている。すなわち、突起部があれば、常温より高温になっても低温になっても、当該常温環境下と同等に荷重を検知することができることが分かった。
【0122】
(実験2)
80℃の気温環境下に比較例1の荷重検知センサと実施例1の荷重検知センサと実施例2の荷重検知センサとを配置し、当該荷重センサを20Nの圧力で第2電極シート側から144時間だけ押圧した。その後、常温でのオン荷重を測定し、当該押圧前に測定した常温でのオン荷重に対する変化率を、高温定荷重試験後のオン荷重変化率として得た。この結果を図10に示す。
【0123】
図10に示すように、突起部がない比較例1に比べ、当該突起部を設けた実施例1及び実施例2のほうが、高温環境下で長期的に押圧され続けても、オン荷重の変化率は小さくなっている。すなわち、突起部があれば、高温環境下で長期的に押圧され続けても、常温環境下と同等に荷重を検知することができることが分かった。
【符号の説明】
【0124】
5A,5B・・・荷重検知センサ
6,60・・・第1電極シート
7,70・・・第2電極シート
8,80・・・スペーサ
9・・・第1接着層
10・・・第2接着層
61・・・基板
62,67・・・第1電極
66・・・第1絶縁シート
71,75・・・金属板
72,77・・・第2電極
76・・・第2絶縁シート
90,100・・・突起部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10