(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光学部材は、前記第1屈折レンズと略同軸に配置されるとともに、前記第1屈折レンズよりも前記ピンホール側に配置される第2回折レンズ又は第2屈折レンズを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の共焦点変位計。
前記投光用光源からの光を前記ヘッド筐体に伝送する光ファイバであって、端面が前記ピンホールとして機能する光ファイバからなるファイバケーブルを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共焦点変位計。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した様な従来の共焦点変位計では、光学部材を構成する光学レンズの球面収差が検出光の波長成分によって大きく異なることから、特定の波長成分に対して球面収差を最小化することしかできなかった。このため、波長成分によっては結像面上の像がぼやけ、測定精度が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光学部材の球面収差による測定精度の低下を抑制することができる共焦点変位計を提供することを目的とする。特に、広い波長帯域にわたって球面収差を抑制することができる共焦点変位計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様による共焦点変位計は、共焦点光学系を利用して計測対象物の変位を計測する共焦点変位計であって、複数の波長を有する光を生成する投光用光源と、前記投光用光源からの光を通過させることによって検出光を出射するピンホールと、前記ピンホールを介して出射された前記検出光に軸上色収差を発生させるとともに、前記検出光を計測対象物に向かって収束させる光学部材と、前記光学部材を介して前記計測対象物に照射された前記検出光のうち、前記計測対象物上で合焦しつつ反射されることによって前記ピンホールを通過した検出光に基づいて、前記計測対象物の変位を求める測定制御部と、前記ピンホール及び前記光学部材を収容するヘッド筐体とを備える。前記光学部材は、前記検出光を回折させる第1回折レンズと、前記検出光を屈折させる第1屈折レンズとを有し、前記第1回折レンズは、非回折面を前記ヘッド筐体から露出させて配置される。
【0008】
この共焦点変位計では、第1回折レンズと第1屈折レンズとで球面収差の極性が異なることを利用してこれらのレンズの球面収差が打ち消されるため、広い波長帯域にわたって球面収差を抑制することができる。
【0009】
本発明の第2の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記第1屈折レンズが、レンズ面が非球面の非球面レンズからなるように構成される。この様な構成によれば、第1屈折レンズの球面収差が抑えられるため、第1回折レンズを含む光学部材の光学設計を容易化することができる。
【0010】
本発明の第3の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記光学部材が、前記第1屈折レンズと略同軸に配置されるとともに、前記第1屈折レンズよりも前記ピンホール側に配置される第2回折レンズ又は第2屈折レンズを有するように構成される。
【0011】
この様な構成によれば、第1屈折レンズと第2回折レンズ又は第2屈折レンズとで球面収差を調整することができるため、第1回折レンズを含む光学部材の光学設計をさらに容易化することができる。
【0012】
本発明の第4の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記投光用光源からの光を前記ヘッド筐体に伝送する光ファイバであって、端面が前記ピンホールとして機能する光ファイバからなるファイバケーブルを備える。この様な構成によれば、ヘッド筐体を投光用光源や測定制御部から離間して設置することができる。
【0013】
本発明の第5の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記ヘッド筐体が、前記第1回折レンズを取り囲み、前記非回折面よりも前記計測対象物側に突出した開口枠部を有するように構成される。この様な構成によれば、第1回折レンズの非回折面が開口枠部によって保護されるため、ヘッド筐体を設置する際などに、第1回折レンズの非回折面に傷や汚れがつくのを抑制することができる。
【0014】
本発明の第6の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記第1回折レンズが、前記非回折面がガラス材料からなり、起伏を有する回折面が樹脂材料からなるように構成される。この様な構成によれば、第1回折レンズの非回折面に対する損傷を抑制しつつ、回折面の形成を容易化することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1回折レンズと第1屈折レンズとで球面収差の極性が異なることを利用してこれらのレンズの球面収差が打ち消されるため、広い波長帯域にわたって球面収差を抑制することができる。従って、光学部材の球面収差による測定精度の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本明細書では、便宜上、ヘッドユニットの光軸の方向を上下方向として説明するが、ヘッドユニットの使用時における姿勢や向きを限定するものではない。
【0018】
<共焦点変位計1>
図1は、本発明の実施の形態による共焦点変位計1の一構成例を示したシステム図である。この共焦点変位計1は、ヘッドユニット2、ファイバケーブル3及び制御装置4により構成され、ヘッドユニット2から検出光DLを出射した際の計測対象物Wからの反射光を受光して計測対象物Wの変位を計測する光学式の計測装置である。
【0019】
ヘッドユニット2及び制御装置4は、ファイバケーブル3を介して互いに接続されている。ファイバケーブル3は、投光用の光を伝送する光ファイバ31からなる。ファイバケーブル3の一端には、コネクタ32が設けられ、制御装置4と着脱可能に接続される。
【0020】
ヘッドユニット2は、検出光DLを計測対象物Wに向けて出射し、計測対象物Wからの反射光が入射する光学ユニットであり、屈折レンズ211、回折レンズ212等の光学部材21を備える。光学部材21は、光ファイバ31の端面を介して出射された検出光DLに軸上色収差を発生させるとともに、検出光DLを計測対象物Wに向かって収束させる。軸上色収差は、分散による光軸方向の像の色ずれである。
【0021】
共焦点変位計1では、光ファイバ31を介して投光用の光がヘッドユニット2に伝送され、ヘッドユニット2から出射された検出光DLによって計測対象物W上に照射スポットが形成される。光ファイバ31の出射端面は、検出光DLを出射する点光源となるように、投光用光源41からの光を通過させるピンホールとして機能するとともに、光学部材21を介して計測対象物Wに照射された検出光DLのうち、計測対象物W上で合焦しつつ反射された波長の検出光を通過させるピンホールとして機能する。
【0022】
制御装置4は、投受光を制御し、照射スポットに対応する反射光に基づいて、計測対象物Wの変位を求める処理ユニットであり、投光用光源41、カプラ42、分光器43、測定制御部44及びメモリ45により構成される。投光用光源41は、複数の波長を有する光、例えば、白色光を投光用の光として生成する光源装置である。
【0023】
カプラ42は、投光用光源41から入力された光をヘッドユニット2に向けて出力する一方、ヘッドユニット2から入力された検出光DLを分光器43に向けて出力する方向性結合器である。このカプラ42は、一端から2本の光ファイバ421及び422が延び、他端から1本の光ファイバ423が延びるYカプラである。
【0024】
投光用光源41からの光は、光ファイバ421の入射端に入力され、光ファイバ423及びコネクタ32を介して光ファイバ31へ出力される。一方、計測対象物Wによって反射された検出光DLは、光ファイバ31及びコネクタ32を介して光ファイバ423に入力され、光ファイバ422の出射端から分光器43に向けて出射される。
【0025】
分光器43は、光ファイバ31の出射端面を通過した検出光DLを分光し、受光信号を生成する。測定制御部44は、分光器43の受光信号に基づいて、投光用光源41を制御し、投光用の光の強度、反射光を受光する際の露光時間、受光信号を増幅する際のゲインを調整する。
【0026】
また、測定制御部44は、分光器43の受光信号に基づいて、計測対象物Wの変位を求め、測定値として図示しない表示装置や外部機器へ出力する。具体的には、分光器43から波長ごとの受光強度からなる受光波形を取得し、受光波形のピーク位置を特定することにより、計測対象物Wの変位が算出される。ピーク位置は、受光強度が最大の画素位置であり、特定の波長に対応する。メモリ45には、測定条件や各種の補正情報が保持される。
【0027】
なお、カプラ42には、Xカプラを用いてもよい。Xカプラは、Yカプラと比較して端面の反射を抑制し易い。この様な光ファイバカプラは、複数の光ファイバを融着した融着型カプラであるが、ビームスプリッタを用いて光を分割するタイプのカプラであってもよい。
【0028】
<ヘッドユニット2>
図2は、
図1のヘッドユニット2の構成例を模式的に示した断面図であり、光軸Jを含む平面によりヘッドユニット2を切断した場合の切断面が示されている。このヘッドユニット2は、ヘッド筐体20、光学部材21及び光ファイバフェルール22により構成される。
【0029】
ヘッド筐体20は、光学部材21及び光ファイバフェルール22を収容する鏡筒部材である。ヘッド筐体20は、例えば、中心軸を光軸Jとする有蓋円筒形状からなる。このヘッド筐体20は、光軸Jに沿って径が変化しており、先端側が大径部20a、根元側は、大径部20aよりも径が小さい小径部20bとなっている。小径部20bは、ヘッドユニット2を支持する治具の取付金具が取り付けられる金具取付部である。また、小径部20bとファイバケーブル3の先端との間は、接続部20cとなっている。
【0030】
光学部材21は、屈折レンズ211、回折レンズ212、屈折レンズ213及び214により構成される。屈折レンズ213,214,211及び回折レンズ212は、この順序で配列されている。
【0031】
屈折レンズ211,213及び214は、光の屈折現象を利用して入射光を集光又は拡散させる光学レンズであり、光ファイバ31の出射端面を介して出射された検出光DLを屈折させる。
【0032】
屈折レンズ211は、中心軸と交差する2つのレンズ面のうちの少なくとも一方のレンズ面が非球面の曲面からなる非球面レンズである。非球面レンズは、球面レンズに比べ、球面収差が小さい光学素子である。この屈折レンズ211は、中心軸を光軸Jと一致させた状態で配置され、上側のレンズ面が凸面形状であり、下側のレンズ面が平坦面形状である。
【0033】
回折レンズ212は、光の回折現象を利用して入射光を集光又は拡散させる光学素子であり、光ファイバ31の出射端面を介して出射された検出光DLを回折させる。この回折レンズ212は、レリーフ型の回折レンズであり、検出光DLを入射させる上側のレンズ面が回折面KSであり、微細なレリーフ(起伏)が形成されている。レリーフは、光軸方向の深さが光の波長程度であり、光軸Jを中心とする複数の円環状のパターンが配置される。回折レンズ212の下側のレンズ面は、平坦な非回折面FSである。なお、回折レンズ212には、光軸を中心として光の透過率を径方向に変化させることによって形成される振幅型の回折レンズを用いてもよい。
【0034】
また、回折レンズ212は、屈折レンズ211と略同軸に配置されるとともに、光学部材21の中で光ファイバ31の出射端から最も遠い位置に配置されている。この回折レンズ212は、非回折面FSがヘッド筐体20の投光用開口20dを介して露出するように配置されている。投光用開口20dは、大径部20aの下端開口である。回折面KSは、屈折レンズ211の平坦なレンズ面と対向している。
【0035】
非回折面FSをヘッド筐体20から露出させ、回折面KSをヘッド筐体20の内部に向けて回折レンズ212を配置することにより、回折面KSにごみなどの異物が付着するのを防止するとともに、傷がつくのを防止することができる。よって、回折レンズ212よりも計測対象物側に保護用のレンズやカバーガラスを配置する必要がないため、良好な光学特性を得ることができる。
【0036】
ヘッド筐体20の大径部20aには、回折レンズ212を取り囲み、回折レンズ212の非回折面FSよりも計測対象物W側に突出した開口枠部20eが設けられている。開口枠部20eは、回折レンズ212を外囲するヘッド筐体20の一部が光軸Jに沿って延びるとともに、回折レンズ212の非回折面FSに沿って径方向の内側に延びる形状からなる。
【0037】
この様な開口枠部20eを設けることにより、回折レンズ212の非回折面FSが開口枠部20eによって保護されるため、ヘッド筐体20を設置する際に、回折レンズ212の非回折面FSに傷や汚れがつくのを抑制することができる。
【0038】
屈折レンズ213及び214は、屈折レンズ211と略同軸に配置されるとともに、屈折レンズ211よりも光ファイバ31の出射端側に配置される。屈折レンズ213は、光ファイバ31の出射端と対向する光学レンズであり、光学部材21の中で光ファイバ31の出射端に最も近い位置に配置されている。この屈折レンズ213は、中心軸を光軸Jと一致させた状態で小径部20bに配置され、上側のレンズ面が平坦面形状であり、下側のレンズ面が凹面形状である。
【0039】
屈折レンズ214は、屈折レンズ213と対向し、屈折レンズ213と略同軸に配置される光学レンズであり、上側のレンズ面が平坦面形状であり、下側のレンズ面が凸面形状である。
【0040】
屈折レンズ214,211及び回折レンズ212は、大径部20aに配置されている。なお、屈折レンズ211,213,214は、いずれも単レンズであるが、それぞれ複数の光学レンズを組み合わせた複レンズ又はレンズ群であってもよい。また、回折レンズ212よりも計測対象物側に保護用のカバーガラスやアタッチメント、透明フィルムが配置されるような構成であってもよい。
【0041】
光ファイバフェルール22は、ファイバケーブル3を構成する光ファイバ31を保持する保持部材であり、光ファイバ31の出射端が樹脂部材によって保持されている。この光ファイバフェルール22は、ヘッド筐体20の天蓋部から下側に突出させて配置されている。
【0042】
光ファイバ31は、コア及びクラッドにより構成され、コアの端面がピンホールとして機能する。つまり、光ファイバ31のコアの端面は、光ファイバ31の出射端が配置される空間に比べて径が十分に小さく、光学部材21を介して入射する光を選択的に通過させることができる。屈折レンズ211,213及び214は、光ファイバフェルール22と回折レンズ212との間に配置されている。光ファイバ31の出射端面と光学部材21とは、共焦点光学系を構成している。
【0043】
この共焦点光学系は、共焦点原理を利用して受光する光を絞り込むとともに、検出光DLに軸上色収差を生じさせる。このため、光ファイバ31の出射端面から出射し、光学部材21を透過した検出光DLは、波長に応じて上下方向の異なる位置に結像する。検出光DLに含まれる波長成分のうち、計測対象物W上に結像した特定の波長成分は、計測対象物Wにより反射され、その反射光が光学部材21を透過して光ファイバ31の出射端面上に結像する。一方、特定の波長成分以外の波長成分に対応する反射光は、光ファイバ31の出射端面上に結像せず、遮断される。
【0044】
この共焦点変位計1では、光ファイバ31の出射端面で反射した光の影響によって測定精度が低下するのを抑制するために、光ファイバフェルール22の出射端面22aが斜めに加工されている。すなわち、出射端面22aは、光ファイバフェルール22の中心軸に垂直な平面に対して傾斜した傾斜面となっている。出射端面22aの傾斜は、例えば、研磨加工によって形成される。また、検出光DLが光ファイバ31の出射端面を通過する際の屈折を考慮して、光ファイバフェルール22は、その中心軸を光軸Jに対して傾斜させて配置されている。
【0045】
ヘッドユニット2から計測対象物Wまでの距離は、例えば、10mm〜70mm程度であり、測定範囲MRは、1mm〜20mm程度である。この測定範囲MRは、検出光DLの帯域幅に対応し、広い測定範囲MRを確保するために、広帯域の検出光DLが用いられる。検出光DLは、例えば、500nm〜700nmの波長成分を含む。
【0046】
<回折レンズ212>
図3は、
図2の回折レンズ212の構成例を示した断面図であり、光軸Jを含む平面により回折レンズ212を切断した場合の切断面が示されている。この回折レンズ212は、ガラス材料からなるガラス基板GL上に樹脂材料からなる樹脂層RJが形成された平板からなる。ガラス基板GLの下面が非回折面FSであり、樹脂層RJの上面に対し、同心円状に起伏を加工することによって回折面KSが形成されている。
【0047】
ガラス面は樹脂面に比べて硬度が高いことから、非回折面FSの損傷を抑制することができる。一方、樹脂面はガラス面に比べて加工が容易である。このため、回折レンズ212の非回折面FSに対する損傷を抑制しつつ、回折面KSの形成を容易化することができる。
【0048】
<投光用光源41>
図4は、
図1の投光用光源41の構成例を示した図であり、(a)には、投光用光源41の側面が示され、(b)には、投光用光源41をA−A切断線により切断した場合の切断面が示されている。この投光用光源41は、レーザ光を蛍光体に照射して白色光を発生させる光源装置であり、発光素子411、配線基板412、素子ホルダ413、集光レンズ414、レンズホルダ415、フェルール416、フェルール押え417、蛍光体50、枠体51及びフィルタ素子52により構成される。
【0049】
発光素子411は、レーザーダイオード(LD)等の半導体発光素子であり、単一波長のレーザ光を生成する。この発光素子411は、発光部を水平方向の前方に向けた状態で配線基板412に配設されている。例えば、発光素子411は、波長が450nm以下の青色光又は紫外光を生成する。素子ホルダ413は、配線基板412を保持する部材であり、レンズホルダ415に背面側から挿入されている。
【0050】
集光レンズ414は、発光素子411から出射されたレーザ光を光ファイバ421の入射端に集光させる光学部材であり、発光素子411に対向させて配置されている。レンズホルダ415は、集光レンズ414を保持する鏡筒であり、集光レンズ414の前方において縮径している。フェルール416は、光ファイバ421の入射端が組み込まれ、前後方向に延びる円筒状の接続部材である。フェルール押え417は、レンズホルダ415の縮径部に前面側から挿入されたフェルール416を固定するための有底円筒形状の部材であり、円筒部を上記縮径部の外周面に被せた状態でレンズホルダ415に取り付けられている。
【0051】
蛍光体50は、発光素子411からのレーザ光によって励起され、レーザ光とは異なる波長の蛍光を発生する発光体である。この蛍光体50は、その外周面が枠体51によって保持され、光ファイバ421の入射端面に接触させた状態でレンズホルダ415内に配置されている。例えば、蛍光体50は、青色のレーザ光の照射によって黄色の蛍光を発生する。なお、蛍光体50は、2以上の種類の蛍光材料から形成されるものであっても良い。例えば、蛍光体50は、青色のレーザ光の照射により、緑色の蛍光を発生する蛍光材料と、赤色の蛍光を発生する蛍光材料とにより形成される。
【0052】
フィルタ素子52は、発光素子411からのレーザ光を透過し、蛍光体50からの光を反射する光学部材であり、枠体51の発光素子側の面を覆うように配置されている。光ファイバ421の入射端には、発光素子411からのレーザ光と、蛍光体50からの蛍光とが混合した複数の波長を有する光が入射される。
【0053】
投光用光源41は、光ファイバ421の入射端に、発光素子411からのレーザ光と蛍光体50からの蛍光とが混合した光を直接に入射させる構成である。この様なファイバ型光源を用いることにより、ヘッドユニット2及び制御装置4間のファイバケーブル3との接続を簡素化することができる。
【0054】
なお、投光用光源41には、広帯域な光を発生する光源、例えば、ハロゲンランプ、スーパーコンティニウム(SC)光を発生するSC光源、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を用いても良い。また、通常の白色LED光でもよい。SC光源は、パルスレーザによる非線形光学効果により、連続かつ広帯域なレーザ光を生成する。
【0055】
<分光器43>
図5は、
図1の分光器43の構成例を模式的に示した説明図であり、反射型の分光器43が示されている。この分光器43は、コリメータレンズ431、回折格子432、結像レンズ433及びイメージセンサ434により構成され、カプラ42の光ファイバ422の出射端から出射された検出光DLを分光する。
【0056】
光ファイバ422の出射端、回折格子432及びイメージセンサ434は、例えば、水平方向に向けて配置される。コリメータレンズ431は、平行光を得るための光学レンズであり、光ファイバ422の出射端面に対向するように配置される。
【0057】
回折格子432は、波長に応じて異なる角度で検出光DLを反射させる反射型の色分散素子であり、平板形状からなる。結像レンズ433は、回折格子432により分光された検出光DLをイメージセンサ434上に結像させる。なお、コリメータレンズ431及び結像レンズ433は、いずれも単レンズであるが、それぞれ複数の光学レンズを組み合わせた複レンズであってもよい。
【0058】
イメージセンサ434は、例えば、水平方向に延びる一次元のラインイメージセンサであり、多数の受光素子が直線状に配列される。各受光素子の受光信号によって受光波形が形成される。なお、イメージセンサ434には、多数の受光素子が二次元的に配列された撮像素子を用いてもよい。
【0059】
回折格子432は、イメージセンサ434に入射した光が受光面で正反射し、回折格子432により反射されて再度受光されるのを防ぐために、イメージセンサ434の受光面に正対する状態から僅かに傾けて配置される。なお、プリズムを用いて検出光DLを分光させてもよい。
【0060】
図6は、レンズの球面収差xと瞳高さとの関係を模式的に示した説明図である。レンズの球面収差xは、光軸に沿って入射した光がレンズ面で屈折し、瞳高さによって異なる位置に結像することによって生じる光軸上のずれである。瞳高さは、入射光の入射高さであり、レンズの光軸(中心軸)からの距離に対応する。光軸上の基準点に対し、レンズから遠ざかる側に結像位置がある場合、補正過剰な状態であり、球面収差xは正極性である。一方、光軸上の基準点に対し、レンズに近づく側に結像位置がある場合、補正不足の状態であり、球面収差xは負極性である。
【0061】
例えば、凸レンズの場合、瞳高さが高い入射光(瞳高さb)の結像位置は、瞳高さが低い入射光(瞳高さa)の結像位置よりもレンズ側に形成され、球面収差x<0である。また、入射光の波長によって球面収差xは異なる。
【0062】
図7は、入射光の異なる3つの波長について球面収差xと瞳高さとの関係を示した図であり、瞳高さごとの球面収差xが縦収差表示形式で示されている。縦収差表示形式では、横軸が球面収差xを表し、縦軸が瞳高さを表している。
【0063】
図中の(a)には、回折レンズ212の場合が示されている。回折レンズ212の場合、球面収差xは正極性であり、瞳高さが高いほど大きくなっている。また、球面収差xは、入射光の波長が長いほど小さくなっている。各波長における球面収差xの最大値x
1〜x
3は、x
1<x
2<x
3となっている。
【0064】
図中の(b)には、屈折レンズ211,213及び214の場合が示されている。屈折レンズ211,213及び214の場合、球面収差xは負極性であり、瞳高さが高いほど大きくなっている。また、球面収差xは、入射光の波長が長いほど小さくなっている。各波長における球面収差xの絶対値の最大値(−x
4)〜(−x
6)は、(−x
4)<(−x
5)<(−x
6)となっている。
【0065】
測定範囲MRに対応する波長帯域を使用波長域と呼べば、回折レンズ212は、使用波長域外の波長の入射光に対して最適化される。すなわち、回折レンズ212は、使用波長域よりも長い波長の入射光に対し、球面収差xが0程度に小さくなるような光学設計がなされる。
【0066】
この様な回折レンズ212を用いると、回折レンズ212と屈折レンズ211,213及び214とで球面収差xの極性が異なるとともに、各波長における球面収差xの絶対値が同程度であることから、屈折レンズ211,213及び214の球面収差xを使用波長域にわたって打ち消すことができる。
【0067】
屈折レンズ211,213及び214の球面収差xをこれらのレンズの光学設計によって完全に除去することは難しいことから、使用波長域外で最適化した回折レンズ212と組み合わせることが望ましい。
【0068】
本実施の形態によれば、回折レンズ212と屈折レンズ211,213及び214とで球面収差xの極性が異なることを利用してこれらのレンズの球面収差が打ち消されるため、広い波長帯域にわたって球面収差xを抑制することができる。
【0069】
また、屈折レンズ211の球面収差xが抑えられるため、回折レンズ212を含む光学部材21の光学設計を容易化することができる。特に、屈折レンズ211,213及び214によって球面収差xを調整することができるため、光学部材21の光学設計をさらに容易化することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、光学部材21が回折レンズ212と屈折レンズ211,213及び214とにより構成される場合の例について説明したが、本発明は、光学部材21の構成をこれに限定するものではない。例えば、光学部材21は、2以上の回折レンズと1以上の屈折レンズとにより構成されるものであってもよい。
【0071】
図8は、共焦点変位計1の他の構成例を模式的に示した説明図であり、2つの回折レンズ212及び216と2つの屈折レンズ215及び217とを有するヘッドユニット2が示されている。このヘッドユニット2における光学部材21は、回折レンズ212,216、屈折レンズ215及び217により構成される。
【0072】
回折レンズ212、屈折レンズ215、回折レンズ216及び屈折レンズ217は、この順序で配列されている。屈折レンズ215及び217は、検出光を屈折させる光学レンズである。
【0073】
回折レンズ212は、屈折レンズ215と略同軸に配置されるとともに、光学部材21の中で光ファイバ31の出射端から最も遠い位置に配置される。回折レンズ216は、
図2の回折レンズ212と同様の光学素子である。この回折レンズ216は、中心軸を光軸Jと一致させた状態で、屈折レンズ215よりも光ファイバ31の出射端側に配置されている。屈折レンズ217は、光ファイバ31の出射端と対向する光学レンズであり、光学部材21の中で光ファイバ31の出射端に最も近い位置に配置されている。
【0074】
回折レンズ212及び216は、互いの球面収差が使用波長域にわたって打ち消されるように最適化される。また、屈折レンズ215及び217は、軸上色収差及び球面収差が小さくなるように設計される。打ち消し合う度合いが小さくなるように、回折レンズ212及び216は、使用波長域の中心波長で最適化することが望ましい。
【0075】
また、本実施の形態では、反射型の分光器43の例について説明したが、本発明は、分光器の構成をこれに限定するものではない。例えば、透過角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する透過型の分光器を用いてもよい。
【0076】
図9は、共焦点変位計1の他の構成例を模式的に示した説明図であり、透過型の分光器43aが示されている。この分光器43aは、
図5の分光器43と比較すれば、回折格子435が透過型である点で異なる。回折格子435は、透過角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する色分散素子である。
【0077】
光ファイバ422の出射端から出射された検出光DLは、コリメータレンズ431を介して回折格子435に入射する。回折格子435を透過した検出光DLは、結像レンズ433を介してイメージセンサ434に入射する。
【0078】
また、本実施の形態では、投光用光源41の光をヘッドユニット2に伝送する光ファイバ31の端面を共焦点光学系のピンホールとして機能させる場合の例について説明したが、本発明は、光ファイバを用いることなく、投光用光源の光がピンホールに誘導され、計測対象物Wによって反射され、ピンホールを通過した検出光が分光器43に誘導されるものにも適用することができる。