(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センタベースウエイトと前記サイドベースウエイトは、前記カウンタウエイトを構成するに当たり、前記分割型センタ積載ウエイトと前記分割型サイド積載ウエイトと共に前記旋回体の旋回軸を中心とする円周上に延びた円弧に沿って延びている、請求項2に記載の分割型ベースウエイト。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るクレーン車10を示している。
図1に示されるように、クレーン車10は、走行可能な走行体20と、走行体20の上に設置されるクレーン40とを備えている。
【0014】
走行体20は、クレーン40が搭載される搭載台24と、走行体20の走行を制御するための運転席26とを備えている。搭載台24は、複数の車輪22によって支持されている。車輪22は、図示しない駆動機構によって駆動可能に構成されており、一部の車輪22は、図示しない操舵機構によって操舵可能に構成されている。運転席26には、アクセル、ブレーキ、ステアリング等の複数の制御装置が設けられており、これらの制御装置によって、車輪22の駆動および操舵を制御できるように構成されている。また、搭載台24には、クレーン40の作業時に搭載台24を地面に対して安定に支持するためのアウトリガ28が備えられている。
【0015】
クレーン40は、搭載台24の上に旋回可能に搭載される旋回体42と、荷を吊り上げるためのブーム46と、ブーム46を起伏させるための起伏シリンダ48を備えている。ブーム46と起伏シリンダ48は旋回体42に搭載されている。旋回体42には運転席44が設けられている。運転席44には、複数の操作レバー等が設けられており、これらの操作レバー等によって、旋回体42の旋回、ブーム46の起伏、その他の操作たとえば荷の吊り上げ作業等を制御できるように構成されている。
【0016】
ブーム46は一般に伸縮可能であり、ブーム46の起伏角度によっては、特に、ブーム46が伸長した状態でブーム46の起伏角度が小さい(水平に近い)場合には、クレーン40の重量のつり合いが非常にアンバランスになる。このような重量のアンバランスを抑えるために、通常、旋回体42の後部にカウンタウエイトが装着される。本実施形態では、旋回体42の後部に装着されるカウンタウエイトは、複数のウエイトから構成される分割型カウンタウエイト100である。
【0017】
図2は、後方から見た分割型カウンタウエイト100の正面図である。
図3は、上方から見た分割型カウンタウエイト100の平面図である。ここで、分割型カウンタウエイト100について、旋回体42に装着された姿勢において、旋回体42の旋回軸に近づく方向を前方、旋回体42の旋回軸から遠ざかる方向を後方としている。
【0018】
図2に示されるように、クレーン車10の旋回体42の後部に装着される分割型カウンタウエイト100は、旋回体42の後部に着脱可能に構成された分割型ベースウエイト200と、分割型ベースウエイト200の上に載置される分割型積載ウエイト300から構成されている。
【0019】
分割型ベースウエイト200は、旋回体42の後部に装着された状態において、旋回体42の後方に位置するセンタベースウエイト210と、センタベースウエイト210の両サイドに位置する一対のサイドベースウエイト260とを有している。
【0020】
分割型積載ウエイト300は、分割型ベースウエイト200のセンタベースウエイト210の上に載置される複数の分割型センタ積載ウエイト310と、分割型ベースウエイト200のサイドベースウエイト260の上に載置される複数の分割型サイド積載ウエイト360から構成されている。
【0021】
複数の分割型センタ積載ウエイト310はすべて同一の構造体で構成されている。また、複数の分割型サイド積載ウエイト360も、分割型センタ積載ウエイト310と同様に、すべて同一の構造体で構成されている。
【0022】
各分割型センタ積載ウエイト310は、他の分割型センタ積載ウエイト310と互いに積み重ね可能に構成されている。各分割型センタ積載ウエイト310は、位置決めおよび位置ずれ防止のための凸部312を上面に有し、凸部312を受ける凹部314を下面に有している。好ましくは、各分割型センタ積載ウエイト310は、複数の凸部312と複数の凹部314を有している。凸部312と凹部314は、これに限らないが、たとえば、
図3に示されるように、四隅に設けられている。
【0023】
同様に、各分割型サイド積載ウエイト360は、他の分割型サイド積載ウエイト360と互いに積み重ね可能に構成されている。各分割型サイド積載ウエイト360は、位置決めおよび位置ずれ防止のための凸部362を上面に有し、凸部362を受ける凹部364を下面に有している。好ましくは、各分割型サイド積載ウエイト360は、複数の凸部362と複数の凹部364を有している。凸部362と凹部364は、これに限らないが、たとえば、
図3に示されるように、四隅に設けられている。
【0024】
また、分割型ベースウエイト200のセンタベースウエイト210は、分割型センタ積載ウエイト310の凹部314に係合する凸部232を有している。同様に、分割型ベースウエイト200のサイドベースウエイト260は、分割型サイド積載ウエイト360の凹部364に係合する凸部262を有している。
【0025】
図3に示されるように、分割型センタ積載ウエイト310と分割型サイド積載ウエイト360は、さらに、分割型センタ積載ウエイト310と分割型サイド積載ウエイト360が載置されるセンタベースウエイト210とサイドベースウエイト260は、円弧Cに沿って延びている。円弧Cは、たとえば、旋回体42の旋回軸を中心とする円周上に延びている。
【0026】
ここで、各分割型センタ積載ウエイト310について、旋回体42の後部に装着されたときの姿勢において、旋回体42の旋回軸に近づく方向を前方とし、旋回体42の旋回軸から遠ざかる方向を後方とする。この想定の下、各分割型センタ積載ウエイト310は、その中心を通って鉛直方向に延びる直線と、その中心を通って前後方向に延びる直線とを含む鉛直平面P1に対して、面対称に形作られている。
【0027】
同様に、各分割型サイド積載ウエイト360について、旋回体42の後部に装着されたときの姿勢において、旋回体42の旋回軸に近づく方向を前方とし、旋回体42の旋回軸から遠ざかる方向を後方とする。この想定の下、各分割型サイド積載ウエイト360は、その中心を通って鉛直方向に延びる直線と、その中心を通って前後方向に延びる直線とを含む鉛直平面P2に対して、面対称に形作られている。
【0028】
以下の説明では、分割型センタ積載ウエイト310と分割型サイド積載ウエイト360に関する向きはすべて、分割型カウンタウエイト100が旋回体42の後部に装着されたときの姿勢におけるものとする。つまり、前後は、前述の前方と後方に沿った向きを指し、上下は、前述の鉛直方向に沿った向きを指し、左右または側方は、前述の円弧Cに沿った向きを指すものとのする。
【0029】
図4は、旋回体42に装着される側から見た分割型カウンタウエイト100の斜視図である。
図4には、センタベースウエイト210とサイドベースウエイト260と分割型センタ積載ウエイト310と分割型サイド積載ウエイト360が分離して描かれている。
【0030】
図4に示されるように、サイドベースウエイト260は、センタベースウエイト210に着脱可能に構成されている。センタベースウエイト210は、旋回体42の後部に着脱可能に構成されている。センタベースウエイト210は、走行体20の車幅以下の幅を有している。サイドベースウエイト260は、分割型ベースウエイト200が旋回体42の後部に装着され、旋回体42の向きが走行体20の向きに揃った状態において、走行体20の側方に張り出して拡がっている。ここで、旋回体42の向きが走行体20の向きに揃った状態では、旋回体42の前方が走行体20の前方と一致する。
【0031】
センタベースウエイト210は、旋回体42の後部に取り外し可能に取り付けられる取り付け部220と、分割型センタ積載ウエイト310が載置される載置台230を有している。
【0032】
センタベースウエイト210の両サイドに装着される一対のサイドベースウエイト260は、センタベースウエイト210の中心を通って前後方向に拡がる鉛直平面(たとえば
図3に示された鉛直平面P1)に対して、平面対称な構造を有している。構造の詳細については後述する。
【0033】
センタベースウエイト210には分割型センタ積載ウエイト310が載置され、センタベースウエイト210と分割型センタ積載ウエイト310はセンタカウンタウエイト群CWを構成する。また、サイドベースウエイト260には分割型サイド積載ウエイト360が載置され、サイドベースウエイト260と分割型サイド積載ウエイト360はサイドカウンタウエイト群SWを構成する。
【0034】
サイドベースウエイト260はセンタベースウエイト210に着脱可能であるため、サイドカウンタウエイト群SWはセンタカウンタウエイト群CWに着脱可能である。サイドカウンタウエイト群SWは、他のクレーンを使用して、センタカウンタウエイト群CWから取り外すことが可能である。
図5は、サイドカウンタウエイト群SWがセンタカウンタウエイト群CWから取り外される様子を模式的に示している。
【0035】
図1ないし
図5には、センタベースウエイト210の上に複数の分割型センタ積載ウエイト310が載置され、サイドベースウエイト260の上に複数の分割型サイド積載ウエイト360が載置された例が描かれているが、これはひとつの例示であって、必ずしもセンタベースウエイト210とサイドベースウエイト260の上に複数の分割型センタ積載ウエイト310と複数の分割型サイド積載ウエイト360がそれぞれ載置される必要はない。
【0036】
たとえば、使用時に必要とされる重量によっては、ただ一つの分割型サイド積載ウエイト360がサイドベースウエイト260の上に載置されてもよく、あるいは、サイドベースウエイト260の上に分割型サイド積載ウエイト360がいっさい載置されなくてもよい。
【0037】
同様に、分割型センタ積載ウエイト310に関しても、ただ一つの分割型センタ積載ウエイト310がセンタベースウエイト210の上に載置されてもよく、あるいは、センタベースウエイト210の上に分割型センタ積載ウエイト310がいっさい載置されなくてもよい。
【0038】
また、旋回体42の後部にウインチ等の装置を配置するために、センタベースウエイト210の上に分割型センタ積載ウエイト310を載置しないことによりその空間を確保しつつ、必要な重量は、サイドベースウエイト260の上に分割型サイド積載ウエイト360を載置することによって得てもよい。
【0039】
続いて、
図4、
図6Aないし
図6Dを参照しながら、センタベースウエイト210とサイドベースウエイト260の構造の詳細について説明する。
【0040】
図6Aないし
図6Dに示されるように、サイドベースウエイト260は、サイドベースウエイト260を吊り上げるための吊上げ用ワイヤロープ290が連結される傾斜角調整機能付き吊環264を有している。傾斜角調整機能付き吊環264は貫通穴264aを有しており、この貫通穴264aに吊上げ用ワイヤロープ290が連結される。傾斜角調整機能付き吊環264は、吊上げ用ワイヤロープ290によって吊り上げられたサイドベースウエイト260を所定の傾斜角に維持する機能を有している。傾斜角調整機能付き吊環264は、サイドベースウエイト260に形成された凹部266内に設けられており、折りたたまれることにより、凹部266内に収容されるように構成されている。
【0041】
図4、
図6Aないし
図6Dに示されるように、サイドベースウエイト260は、センタベースウエイト210に挿入される挿入部270を有している。センタベースウエイト210は、サイドベースウエイト260の挿入部270を受ける受け部240を両サイドに有している。サイドベースウエイト260の挿入部270は、受け部240に真っ先に挿入される先端の周辺の先端部分の下側に、先端に近づくにつれて厚さが徐々に低減するように形成された傾斜部272を有している。センタベースウエイト210の受け部240は、サイドベースウエイト260の挿入部270の先端部分の傾斜部272を案内するガイド部242を有している。
【0042】
センタベースウエイト210とサイドベースウエイト260は、それぞれ、互いに係合することによりセンタベースウエイト210に対してサイドベースウエイト260を回転可能に支持する一対のバー部246と一対のフック部276を有している。サイドベースウエイト260の一対のフック部276がそれぞれセンタベースウエイト210の一対のバー部246に掛けられることにより、サイドベースウエイト260がセンタベースウエイト210に対して回転可能に支持される。
【0043】
サイドベースウエイト260とセンタベースウエイト210は、それぞれ、互いに当接することによりバー部246の周りのセンタベースウエイト210に対するサイドベースウエイト260の回転を規制する当接部274と支持部244を有している。センタベースウエイト210のバー部246にフック部276が掛けられたサイドベースウエイト260は、自重によってバー部246を軸として、当接部274が支持部244に当接するまで回転する。当接部274が支持部244によって受け止められることによって、サイドベースウエイト260は、センタベースウエイト210に対して一定の姿勢に、たとえば水平に保持される。
【0044】
センタベースウエイト210とサイドベースウエイト260は、それぞれ、互いに連結されることによりセンタベースウエイト210からのサイドベースウエイト260の脱落を防止する一対のリンクプレート248と単一のリンクプレート278を有している。一対のリンクプレート248はそれぞれ貫通穴248aを有し、リンクプレート278は貫通穴278aを有している。単一のリンクプレート278と一対のリンクプレート248は、サイドベースウエイト260のフック部276がセンタベースウエイト210のバー部246に掛けられ、サイドベースウエイト260の当接部274がセンタベースウエイト210の支持部244に当接した状態において、単一のリンクプレート278が一対のリンクプレート248の間に配置され、リンクプレート278の貫通穴278aとリンクプレート248の貫通穴248aとが互いに整列するように構成されている。リンクプレート248,278は、互いに整列された貫通穴248a,278aにピンが通されることによって、互いに連結される。これにより、サイドベースウエイト260のフック部276とセンタベースウエイト210のバー部246の間の係合が維持され、センタベースウエイト210からのサイドベースウエイト260の脱落が防止される。
【0045】
続いて、
図6Aないし
図6Dを参照しながら、サイドベースウエイト260をセンタベースウエイト210に装着する作業について説明する。
【0046】
図6Aは、装着動作の初期の状態を示しており、サイドベースウエイト260は、傾斜角調整機能付き吊環264に連結された吊上げ用ワイヤロープ290によって吊り上げられている。サイドベースウエイト260は、水平面に対して所定の傾斜角θを成すように吊られている。所定の傾斜角θは、これに限定されないが、たとえば約7度である。この状態から、サイドベースウエイト260は水平に移動され、挿入部270がセンタベースウエイト210の受け部240に挿入される。
【0047】
サイドベースウエイト260は、フック部276の凹部がセンタベースウエイト210のバー部246に当接するまで水平に移動される。
図6Bは、サイドベースウエイト260のフック部276がセンタベースウエイト210のバー部246に当接し、サイドベースウエイト260の挿入部270がセンタベースウエイト210の受け部240に完全に挿入された状態を示している。
【0048】
続いて、吊上げ用ワイヤロープ290が下げられる。これにより、
図6Cに示されるように、サイドベースウエイト260のフック部276がセンタベースウエイト210のバー部246に掛けられる。
【0049】
その後、吊上げ用ワイヤロープ290がさらに下げられる。これにより、
図6Dに示されるように、サイドベースウエイト260は、当接部274がセンタベースウエイト210の支持部244に当接するまで、センタベースウエイト210のバー部246を軸にして回転する。この状態において、サイドベースウエイト260は、フック部276とバー部246の係合と、当接部274が支持部244の当接によって、センタベースウエイト210に対して一定の姿勢に、たとえば水平状態に維持される。
【0050】
また、当接部274が支持部244に当接した状態において、サイドベースウエイト260のリンクプレート278の貫通穴278aとセンタベースウエイト210のリンクプレート248の貫通穴248aとが互いに整列される。次に、リンクプレート278の貫通穴278aとリンクプレート248の貫通穴248aにピン(図示せず)が通される。これにより、サイドベースウエイト260がセンタベースウエイト210から脱落することが防止される。
【0051】
最後に、吊上げ用ワイヤロープ290が傾斜角調整機能付き吊環264から外される。さらに、傾斜角調整機能付き吊環264は折りたたまれて、サイドベースウエイト260の凹部266内に収容される。
【0052】
その後、必要に応じて、適切な個数の分割型センタ積載ウエイト310がセンタベースウエイト210の上に載置され、また、適切な個数の分割型サイド積載ウエイト360がサイドベースウエイト260の上に載置される。
【0053】
以上は、センタベースウエイト210に対するサイドベースウエイト260の装着および分割型センタ積載ウエイト310と分割型サイド積載ウエイト360の載置の動作の説明であるが、センタベースウエイト210からのサイドベースウエイト260の取り外しは、ここに説明した手順を逆におこなうことによりおこなわれる。
【0054】
このように構成された分割型ベースウエイト200では、サイドベースウエイト260がセンタベースウエイト210に着脱可能であり、サイドベースウエイト260がセンタベースウエイト210から取り外された状態では、分割型ベースウエイト200(センタベースウエイト210の単体またはセンタベースウエイト210と分割型センタ積載ウエイト310の複合体)は、旋回体42の向きが走行体20の向きに揃った状態において、走行体20の車幅内に納まる。
【0055】
したがって、旋回体42の後部に分割型ベースウエイト200が装着されたクレーン車10を移動させる際、一対のサイドベースウエイト260をセンタベースウエイト210から取り外すことにより、旋回体42の向きが走行体20の向きに揃った状態において、分割型ベースウエイト200の幅が走行体20の車幅以下に抑えられる。このため、センタベースウエイト210を旋回体42から取り外して下ろすことなく、さらにはセンタベースウエイト210に載置された分割型センタ積載ウエイト310を下ろすことなく、車幅内のカウンタウエイトを用いた作業に制限されるようなクレーン作業スペースしか取れない場所や、通路の幅が走行体20の車幅程度に狭く制限された作業現場などの環境においても、クレーン作業を速やかに開始できたり、クレーン車10が走行できたりするようになる。つまり、クレーン作業の準備段階やクレーン車10を移動させる際に必要となる着脱等の作業の手間が軽減されるとともに、そのための作業時間が短縮される。
【0056】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。