(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外周面に雄ネジ部が形成されたネジ棒と、前記ネジ棒が挿入されると共に、前記ネジ棒が挿入された場合、両側から前記ネジ棒の雄ネジ部が突出するネジ棒挿入部を有すると共に、柱材に釘やビス等の固定部材により固定される背板部を有するネジ棒支持金物と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する共に、横架材に釘やビス等の固定部材により固定される座金部を有する雌ネジ部付き座金と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成された第1締結ナットを使用して、2本の柱の間に横架材を設置する横架材設置方法であって、
前記2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、前記ネジ棒支持金物を固定すると共に、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に前記ネジ棒を挿入し、かつ、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出する前記ネジ棒の雄ネジ部に前記第1締結ナットを螺合する第1工程と、
前記横架材の下側面の両側に、それぞれ、前記雌ネジ部付き座金を固定する第2工程と、
前記第1工程によって前記2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に挿入した前記ネジ棒の上端を、前記第2工程によって前記横架材の下側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合させ、前記2本の柱の間に前記横架材を仮置きする第3工程と、
前記第3工程によって前記ネジ棒の上端に前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた仮置き状態で、両側の前記各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している前記各第1締結ナットを回転させることにより前記各ネジ棒をそれぞれ前記各ネジ棒支持金物に対し上昇させ、前記横架材を上昇させる第4工程と、
を有することを特徴とする横架材設置方法。
外周面に雄ネジ部が形成されたネジ棒と、前記ネジ棒が挿入されると共に、前記ネジ棒が挿入された場合、両側から前記ネジ棒の雄ネジ部が突出するネジ棒挿入部を有すると共に、柱材に釘やビス等の固定部材により固定される背板部を有するネジ棒支持金物と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する共に、横架材に釘やビス等の固定部材により固定される座金部を有する雌ネジ部付き座金と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成された第1締結ナットを使用して、2本の柱の間に横架材を設置する横架材設置方法であって、
前記2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、前記ネジ棒支持金物を固定すると共に、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に前記ネジ棒を挿入し、かつ、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出する前記ネジ棒の雄ネジ部に前記第1締結ナットを螺合する一方、前記横架材の上側面の両側に、それぞれ、前記雌ネジ部付き座金を固定し、前記2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に挿入した前記ネジ棒の下端を、前記横架材の上側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合する第1工程と、
前記第1工程によって前記ネジ棒の下端に前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた状態で、両側の前記各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している前記各第1締結ナットを回転させることにより前記各ネジ棒をそれぞれ前記各ネジ棒支持金物に対し下降させて、前記横架材を下降させる第2工程と、
を有することを特徴とする横架材設置方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1,2の横架材設置方法では、横架材の両端面にスリットや複数のピン孔を形成すると共に、2本の柱に取り付けた梁受け金物の側板を横架材の両端面の2本のスリットに納め、梁受け金物の側板の複数のピン孔の位置と、横架材の両側に形成した複数のピン孔の位置とが合うように横架材を上方から降下させる必要があるため、横架材の両端面にスリットおよび複数のピン孔を形成する作業や、ピン孔の位置合わせ作業等に非常に手間がかかるという問題があった。
【0005】
特に、リフォームや増改築等の際に、既設の2本の柱の間に新たに梁を設置する場合、既存の工作物や、壁、柱、屋根、内装材等が残っており、作業スペースが限られている。そのため、横架材を上方から降下させて横架材の両端面の2本のスリットに梁受け金物の側板を納める作業が困難で、柱に対し横架材を正面または背後の水平方向(横方向)から運び入れることが要望されていた。
【0006】
また、既設の柱にボルト孔を新たに開設することは作業スペースや強度等の点で困難であると共に、たとえ既設の2本の柱の間に新たに梁を設置できたとしても、現場施工では、設置した梁の高さの微調整が出来ないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に着目してなされたもので、横架材の両端面にスリットおよび複数のピン孔を形成する作業や、ピン孔の位置合わせ作業等が不要で、2本の柱の間に横架材を正面または背後の水平方向(横方向)から設置することができる横架材設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る横架材設置方法は、外周面に雄ネジ部が形成されたネジ棒と、前記ネジ棒が挿入されると共に、前記ネジ棒が挿入された場合、両側から前記ネジ棒の雄ネジ部が突出するネジ棒挿入部を有すると共に、柱材に釘やビス等の固定部材により固定される背板部を有するネジ棒支持金物と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する共に、横架材に釘やビス等の固定部材により固定される座金部を有する雌ネジ部付き座金と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成された第1締結ナットを使用して、2本の柱の間に横架材を設置する横架材設置方法であって、前記2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、前記ネジ棒支持金物を固定すると共に、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に前記ネジ棒を挿入し、かつ、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出する前記ネジ棒の雄ネジ部に前記第1締結ナットを螺合する第1工程と、前記横架材の下側面の両側に、それぞれ、前記雌ネジ部付き座金を固定する第2工程と、前記第1工程によって前記2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に
挿入した前記ネジ棒の上端を、前記第2工程によって前記横架材の下側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合させ、前記2本の柱の間に前記横架材を仮置きする第3工程と、前記第3工程によって前記ネジ棒の上端に前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた仮置き状態で、両側の前記各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している前記各第1締結ナットを回転させることにより前記各ネジ棒をそれぞれ前記各ネジ棒支持金物に対し上昇させ、前記横架材を上昇させる第4工程と、を有することを第1の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、さらに、前記第4工程によって前記2本の柱の間で前記横架材を所望の高さまで上昇させた後、前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の下側から前記ネジ棒の雄ネジ部下端から第2締結ナットを螺合して当該第2締結ナットと前記第1締結ナットとにより前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に対し前記ネジ棒を固定する第5工程を有することを第2の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、さらに、前記柱の間に設置された前記横架材に対し追加の金物を使用して前記柱と前記横架材とを固定する第6工程を有することを第3の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、前記ネジ棒は、前記横架材を下方から上方へ貫通させる長さを有している一方、前記横架材には、前記ネジ棒が下方から上方へ貫通する貫通孔が形成されており、前記第4工程では、前記第3工程によって前記ネジ棒の上端に前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた仮置き状態で、両側の前記各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している前記各第1締結ナットを回転させて、前記各ネジ棒をそれぞれ前記各ネジ棒支持金物に対し上昇させることにより前記横架材の前記貫通孔を貫通させて当該横架材の上側面から突出させ、当該横架材の上側面から突出した前記ネジ棒の上端に座金を介し第3締結ナットを螺合して、当該第3締結ナットと前記雌ネジ部付き座金とにより前記横架材を前記ネジ棒に固定し、その後、前記各第1締結ナットを回転させて前記横架材を上昇させることを第4の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、外周面に雄ネジ部が形成されたネジ棒と、前記ネジ棒が挿入されると共に、前記ネジ棒が挿入された場合、両側から前記ネジ棒の雄ネジ部が突出するネジ棒挿入部を有すると共に、柱材に釘やビス等の固定部材により固定される背板部を有するネジ棒支持金物と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を有する共に、横架材に釘やビス等の固定部材により固定される座金部を有する雌ネジ部付き座金と、前記ネジ棒の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成された第1締結ナットを使用して、2本の柱の間に横架材を設置する横架材設置方法であって、前記2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、前記ネジ棒支持金物を固定すると共に、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に前記ネジ棒を挿入し、かつ、前記ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出する前記ネジ棒の雄ネジ部に前記第1締結ナットを螺合する一方、前記横架材の上側面の両側に、それぞれ、前記雌ネジ部付き座金を固定し、前記2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に
挿入した前記ネジ棒の下端を、前記横架材の上側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合する第1工程と、前記第1工程によって前記ネジ棒の下端に前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた状態で、両側の前記各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している前記各第1締結ナットを回転させることにより前記各ネジ棒をそれぞれ前記各ネジ棒支持金物に対し下降させて、前記横架材を下降させる第2工程と、を有することを第5の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、前記第1工程では、前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に
挿入した前記ネジ棒の下端に第2締結ナットを螺合すると共に、第2締結ナットから突出した前記ネジ棒の下端を前記横架材の上側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合し、さらに、前記第2工程によって前記2本の柱の間で前記横架材を所望の高さまで下降させた後、
前記ネジ棒の下端に予め螺合している第2締結ナットを回転させて上昇させ、当該第2締結ナットと前記第1締結ナットとにより前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に対し前記ネジ棒を固定する第3工程を有することを第6の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、さらに、前記柱の間に設置された前記横架材に対し追加の金物を使用して前記柱と前記横架材とを固定する第4工程を有することを第7の特徴とする。
また、本発明に係る横架材設置方法は、上記横架材設置方法において、前記ネジ棒は、前記横架材を上方から下方へ貫通させる長さを有している一方、前記横架材には、前記ネジ棒が上方から下方へ貫通する貫通孔が形成されており、前記第1工程では、前記2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された前記各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に
挿入した前記ネジ棒の下端を、前記横架材の上側面の両側にそれぞれ固定した前記雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合させると共に、前記横架材の貫通孔を貫通させて当該横架材の下側面から突出させ、当該横架材の下側面から突出した前記ネジ棒の下端に第3締結ナットを螺合して、当該横架材を前記第3締結ナットと前記雌ネジ部付き座金とにより固定しておくことを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る横架材設置方法では、第1工程によって2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、ネジ棒支持金物を固定すると共に、ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部にネジ棒を挿入し、かつ、ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出するネジ棒の雄ネジ部に第1締結ナットを螺合する一方、第2工程によって横架材の下側面の両側に、それぞれ、雌ネジ部付き座金を固定する。
これにより、横架材の両端面にスリットを形成したり、横架材の両側にドリフトピンを貫通させる複数のピン孔を形成する作業や、梁受け金物の側板の複数のピン孔の位置と横架材の両側に形成した複数のピン孔の位置とを合せる作業が不要となるので、作業の手間を大幅に削減できる。また、既設の柱にドリル等の工具によってドリル孔を新たに開設しなくても済むので、その分だけ作業の手間削減できると共に、ドリル孔の開設による強度の低下も防止できる。
次に、本発明に係る横架材設置方法では、第3工程により、第1工程によって2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に取り付けたネジ棒の上端を、第2工程によって横架材の下側面の両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合させて、2本の柱の間に横架材を仮置きし、続く第4工程により、第3工程によってネジ棒の上端に雌ネジ部付き座金の雌ネジ部を螺合させた仮置き状態で、両側の各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している各第1締結ナットを回転させ、各ネジ棒をそれぞれ各ネジ棒支持金物に対し上昇させる。
これにより、横架材を上方から降下させて横架材の両端面の2本のスリットに梁受け金物の側板を納める作業が不要となるので、例えば、リフォームや増改築等の際に、既存の工作物や、壁、柱、屋根、内装材等が残っていて作業スペースが限られていても、2本の柱の間に横架材を正面または背後の水平方向から運び入れることが可能となり、作業の手間を大幅に削減できる。
特に、この第3工程では、各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に取り付けたネジ棒の上端を、第2工程によって横架材の下側面の両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合させて、2本の柱の間に横架材を仮置きすることができるので、支えが不要になり、横架材の設置作業の手間を大幅に軽減することができる。
また、本発明の第4工程により、左右両側の各ネジ棒に螺合している第1締結ナットを回転させることにより、各ネジ棒をそれぞれ各ネジ棒支持金物に対し上昇させ、2本の柱の間に仮置きした横架材の両側の高さを所望の高さに移動させる。
これにより、左右の柱に取り付けた各ネジ棒支持金物の高さにズレがあったしても、左右両側の第1締結ナットをそれぞれ回転させることによって、簡単に横架材の両側の高さを微調整して水平にすることが可能となり、横架材の設置作業の手間を大幅に軽減することができる。
また、リフォーム等で起こりうる経年による柱の傾きも、ネジ棒支持金物におけるネジ棒の高さ(繰り出し量)を微調整することによって修正できるので、柱や梁等の横架材端部の垂直度がとれない場合でも本発明に係るネジ棒支持金物によってその垂直度をとることが可能となる。
また、両側の第1締結ナットを回転させることによって、各ネジ棒を上昇させて横架材を上昇させているため、単に横架材を吊上げる場合よりも、小さな力で横架材を上昇させることができるので、この点でも横架材の設置作業の手間を軽減することができる。
これにより、横架材設置方法の基本的な設置作業が完了するので、第1工程〜第4工程の作業のほとんどを横架材の下方で行うことが可能となり、高所へ横架材を設置する場合でも、横架材の設置作業の手間を大幅に軽減することができる。
また、本発明の別の横架材設置方法、すなわち同様の羽子板ボルト金物セットを使用して2本の柱間で横架材を下降させて設置する方法によれば、第1工程では、2本の柱の対向する内側面に、それぞれ、ネジ棒支持金物を固定すると共に、ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部にネジ棒を挿入し、かつ、ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の上部から突出するネジ棒の雄ネジ部に第1締結ナットを螺合する一方、横架材の上側面の両側に、それぞれ、雌ネジ部付き座金を固定し、2本の柱の対向する内側面にそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部に
挿入したネジ棒の下端を、横架材の上側面の両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金の雌ネジ部に螺合し、次の第2工程では、両側の各ネジ棒の雄ネジ部に螺合している各第1締結ナットを回転させることにより各ネジ棒をそれぞれ各ネジ棒支持金物に対し下降させて、横架材を下降させる。
そのため、横架材を下降させて設置する本発明の別の横架材設置方法によっても、例えば、リフォームや増改築等の際に、既存の工作物や、壁、柱、屋根、内装材等が残っていて作業スペースが限られていても、2本の柱の間に横架材を正面または背後の水平方向から運び入れることが可能となり、作業の手間を大幅に削減できると共に、横架材が水平になっていない場合は、左右の各第1締結ナットをそれぞれ個別に回転させることによって、横架材の左右の高さを微調整することもできるので、左右の柱の間に横架材を確実に水平に設置することができる。
特に、リフォーム等で起こりうる経年による柱の傾きも、傾いた柱に取り付けたネジ棒支持金物におけるネジ棒の高さ(繰り出し量)を微調整することによって修正できるので、柱や横架材端部の垂直度がとれない場合でもネジ棒支持金物によってその垂直度をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)〜(d)それぞれ、本発明に係る実施形態1の横架材設置方法で使用するネジ棒の正面図、ネジ棒支持金物の平面図、正面図、右側面図である。
【
図2】(a)〜(c)それぞれ、本発明に係る実施形態1の横架材設置方法で使用する雌ネジ部付き座金の平面図、正面図、底面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第1工程により柱にネジ棒支持金物を固定した状態を示す拡大正面図である。
【
図4】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第1工程により柱に固定したネジ棒支持金物にネジ棒と第1締結ナットを固定した状態を示す拡大正面図である。
【
図5】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第2工程により横架材の下側面に雌ネジ部付き座金を固定した状態を示す拡大正面図、拡大底面図である
【
図6】(a),(b)それぞれ、本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第1工程によりネジ棒支持金物等を固定した2本の柱の間に、第2工程により雌ネジ部付き座金を固定した横架材を設置する第3工程の状態を示す正面図、部分拡大側面図である。
【
図7】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第3工程により2本の柱の間に横架材を仮置きした状態を示す部分拡大正面図である。
【
図8】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第4工程により各ネジ棒に螺合している第1締結ナットを回転させることによって横架材を上昇させている状態を示す部分拡大正面図である。
【
図9】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第4工程により各ネジ棒に螺合している第1締結ナットを回転させることによって横架材を所望の高さまで上昇させた状態を示す部分拡大正面図である。
【
図10】本発明に係る実施形態1の横架材設置方法の第5工程により各ネジ棒支持金物のネジ棒挿入部の下側から突出しているネジ棒の下端部に対し第2締結ナットを螺合した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図11】(a),(b)それぞれ実施形態1の横架材設置方法で使用する羽子板ボルト金物セットを、左右の柱それぞれに2セットずつ使用した例を示す図で、(a)は、柱の内側面に2個のネジ棒支持金物を前後方向に平行に並べて固定した状態を示す部分側面図、(b)は、横架材の下側面に2個の雌ネジ部付き座金を前後方向に平行に並べて固定した状態を示す部分底面図である。
【
図12】本発明に係る実施形態2の横架材設置方法の第6工程により、追加の金物であるL形金物を使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図13】本発明に係る実施形態2の横架材設置方法の第6工程により、追加の金物である爪付きプレート金物を使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図14】本発明に係る実施形態2の横架材設置方法の第6工程により、追加の金物として羽子板ボルト金物セットを横架材の上側面側に使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図15】本発明に係る実施形態2の横架材設置方法の第6工程により、追加の金物として羽子板ボルト金物セットを横架材の下側面側に使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図16】本発明に係る実施形態3の横架材設置方法により2本の柱の間に横架材を設置した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図17】本発明に係る実施形態4の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第1工程が完了した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図18】本発明に係る実施形態4の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第2工程の途中を示す部分拡大正面図である。
【
図19】本発明に係る実施形態4の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第2工程が完了した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図20】本発明に係る実施形態4の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第3工程が完了した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図21】本発明に係る実施形態5の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第4工程により、追加の金物であるL形金物を使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図22】本発明に係る実施形態5の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第4工程により、追加の金物である爪付きプレート金物を使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図23】本発明に係る実施形態5の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第4工程により、追加の金物として羽子板ボルト金物セットを横架材の下側面側に使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図24】本発明に係る実施形態5の横架材設置方法である横架材下降設置方法の第4工程により、追加の金物として羽子板ボルト金物セットを横架材の上側面側に使用して柱と横架材とを固定した状態を示す部分拡大正面図である。
【
図25】本発明に係る実施形態6の横架材設置方法により2本の柱の間に横架材を設置した状態を示す部分拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る横架材設置方法の実施の形態1〜6を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態1〜6は、あくまで実施形態の一例であり、本発明は下記の実施形態1〜6に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0012】
実施形態1.
<実施形態1の横架材設置方法で使用する金物>
まず、本発明に係る実施形態1の横架材設置方法で使用する羽子板ボルト金物セット1について説明する。
本発明に係る実施形態1の横架材設置方法では、少なくとも、外周面に雄ネジ部が形成されたネジ棒11と、ネジ棒支持金物12と、雌ネジ部付き座金13と、第1締結ナット14aおよび第2締結ナット14bと、釘やビス等の複数の固定部材15を備えた羽子板ボルト金物セット1を、左右の柱2,2それぞれに1セットずつの2セット使用する。
【0013】
ネジ棒11は、
図1(a)に示すように、外周面に雄ネジ部11aが形成された全ネジボルトを使用する。ただし、ネジ棒11は、全ネジボルトである必要はなく、雌ネジ部付き座金13や、第1締結ナット14a、第2締結ナット14bと螺合する部分にのみ雄ネジ部11aが形成されたネジ棒であれば良い。
【0014】
ネジ棒支持金物12は、
図1(b)〜(d)に示すように、ネジ棒11が挿入される筒状のネジ棒挿入部12aを有すると共に、柱材に釘やビス等の固定部材15が通される複数の取付孔12b1が設けられた背板部12bを有する。
【0015】
雌ネジ部付き座金13は、
図2(a)〜(c)に示すように、ネジ棒11の雄ネジ部11aと螺合する雌ネジ部13a1が形成されたナット部13aを有する共に、横架材3に釘やビス等の固定部材15が通される複数の取付孔13b1が設けられた座金部13bを有する。
【0016】
尚、雌ネジ部13a1はネジ棒11の雄ネジ部11aと螺合するため、座金部13bの中央、すなわちナット部13aのナット孔の部分は、ネジ棒11の先端部が座金部13bに当接するように挿通孔が形成されていない方が良いが、ネジ棒11の先端部が通るように挿通孔が形成されていても良い。
【0017】
第1締結ナット14aおよび第2締結ナット14bは、通常のナットで、ネジ棒11の雄ネジ部11aに螺合する。
【0018】
<実施形態1の横架材設置方法>
次に、実施形態1の横架材設置方法の第1工程〜第5工程について説明する。
【0019】
(第1工程)
第1工程では、2本の柱2,2の対向する内側面2a,2a、それぞれ、
図3に示すように、釘やビス等の固定部材15によってネジ棒支持金物12を固定すると共に、
図4に示すように、ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aにネジ棒11を挿入し、ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aの上部から突出するネジ棒11の雄ネジ部11aに第1締結ナット14aを螺合する。これにより、ネジ棒11の脱落を防止できる。
【0020】
(第2工程)
第2工程では、横架材3の下側面2aの両側に、それぞれ、
図5(a),(b)に示すように、座金部13bの複数の取付孔13b1から釘やビス等の固定部材15を打込んで、雌ネジ部付き座金13を固定する。
【0021】
このように実施形態の横架材設置方法の第1工程および第2工程によれば、上述した特許文献1,2の発明のように、横架材3の両端面にスリットを形成したり、横架材3の両側にドリフトピンを貫通させる複数のピン孔を形成する作業や、梁受け金物の側板の複数のピン孔の位置と横架材3の両側に形成した複数のピン孔の位置とを合せる作業等が不要となるので、作業の手間を大幅に削減できる。また、既設の柱2,2にドリル等の工具によってドリル孔を新たに開設しなくても済むので、その分だけ作業の手間削減できると共に、ドリル孔の開設による強度の低下も防止できる。
【0022】
尚、上述したように、第1工程は、2本の柱2,2にそれぞれネジ棒支持金物12やネジ棒11、第1締結ナット14aを取り付ける工程である一方、第2工程は、第1工程とは関係しない横架材3の下側面2aの両側にそれぞれ雌ネジ部付き座金13を固定する工程であるため、第1工程の前に第2工程を行っても良いし、第1工程と第2工程とを同時に行っても良い。
【0023】
(第3工程)
第3工程は、
図6(a)に示すように、第1工程によって2本の柱2,2の対向する内側面2a,2aそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに取り付けたネジ棒11の上に、第2工程によって横架材3の下側面3aの両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金13を置き、ネジ棒11の雄ネジ部11a上端を、雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1に螺合して、2本の柱2,2の間に横架材3を仮置きする。
【0024】
その際、横架材3を上方から下方へ降下させ、2本の柱2,2の対向する内側面2a,2aそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに取り付けたネジ棒11の上に、横架材3の下側面3aの両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金13を設置しても良いし、
図6(b)の矢印で示すように、2本の柱2,2の間に横架材3を正面または背後の水平方向(横方向)または斜め方向に移動させて、ネジ棒挿入部12aに取り付けたネジ棒11の上に横架材3の下側面3aに固定した雌ネジ部付き座金13に置くこともできる。
【0025】
尚、第3工程における横架材3の高さは、あくまで仮置きの高さであり、横架材3の所望の高さである必要はない。また、第3工程の段階では、横架材3は水平に設置されていなくても良いものとする。
【0026】
このように実施形態の第3工程によれば、上述した特許文献1,2の発明のように、横架材3の両端面にスリットを形成し、柱に固定しておいた梁受け金物の側板を、そのスリットの上方から挿入する作業が不要となる。
【0027】
そのため、例えば、リフォームや増改築等の際に、既存の工作物や、壁、柱、屋根、内装材等が残っていて作業スペースが限られていても、
図6(b)に示すように、2本の柱2,2の間に横架材3を正面または背後の水平方向(横方向)から設置することができるので、作業スペースや作業の手間を大幅に削減できる。
【0028】
特に、この第3工程では、各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに差したネジ棒11の雄ネジ部11a上端を、第2工程によって横架材3の下側面3aの両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1に螺合させて、2本の柱2,2の間に横架材3を仮置きすることもできるので、横架材3の設置作業の手間を大幅に軽減することができる。
【0029】
また、その仮置きの際は、横架材3は水平に設置されていなくても良いので、この点でも横架材3の設置作業の手間を軽減することができる。
【0030】
(第4工程)
第4工程は、第3工程によって
図7に示すようにネジ棒11の雄ネジ部11a上端に雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1を螺合させた仮置き状態で、
図8に示すように、両側の各ネジ棒11の雄ネジ部11aに螺合している各第1締結ナット14aを回転させて、各ネジ棒11をそれぞれ各ネジ棒支持金物12に対し上昇させる。
【0031】
すると、この第4工程によって、
図9に示すように、左右の各ネジ棒11がそれぞれ各ネジ棒支持金物12に対し上昇することにより横架材3を下方から押し上げて、横架材3を所望の高さまで上昇させることができる。
【0032】
また、横架材3を所望の高さまで上昇させた際に、横架材3が水平になっていない場合は、左右の各第1締結ナット14aをそれぞれ個別に回転させることによって、横架材3の左右の高さを微調整することもできるので、左右の柱2,2の間に横架材3を確実に水平に設置することができる。
【0033】
特に、リフォーム等で起こりうる経年による柱2の傾きも、傾いた柱2に取り付けたネジ棒支持金物12におけるネジ棒11の高さ(繰り出し量)を微調整することによって修正できるので、柱2や横架材3端部の垂直度がとれない場合でもネジ棒支持金物12によってその垂直度をとることが可能となる。
【0034】
また、両側の各ネジ棒11に螺合している第1締結ナット14aを回転させることによって、各ネジ棒11を上昇させて横架材3を上昇させているため、単に横架材3を吊上げる場合よりも、小さな力で横架材3を上昇させることができるので、この点でも横架材3の設置作業の手間を軽減することができる。
【0035】
(第5工程)
第5工程は、第4工程によって2本の柱2,2の間で横架材3を所望の高さまで上昇させると共に、第1締結ナット14aの個別の調整によって横架材3を水平に設置した後、
図10に示すように、各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aの下側から突出しているネジ棒11の下端部に対し第2締結ナット14bを螺合して、第2締結ナット14bと第1締結ナット14aとによりネジ棒11をネジ棒挿入部12aに固定する。これにより、実施形態1の横架材設置方法の作業が完了する。尚、必要あれば、2個の第2締結ナット14bを使用してダブルナットでネジ棒11の下端部を締結しても良い。また、この第5工程による第2締結ナット14bの取り付けは、必ずしも必要ではないが、地震などで突発的な力がかかった場合に万が一外れる事がないよう取り付ける事が望ましい。
【0036】
このように実施形態の第5工程によれば、2本の柱2,2と横架材3の最後の固定は、横架材3の下方で2本の柱2,2の内側面2a,2aそれぞれ固定されたネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aから下方へ突出しているネジ棒11に第2締結ナット14bを回転させることによって完了するので、梁受け金物の側板の複数のピン孔の位置と横架材3の両側に形成した複数のピン孔の位置とを合せる作業や、そのピン孔にドリフトピンを貫通させる作業が不要となり、作業の手間を大幅に削減できる
【0037】
特に、横架材3の下方における第2締結ナット14bの締結で作業が完了し、実施形態1の横架材設置方法の基本的な設置作業のほとんどを横架材3の下方で行うことができるので、高所へ横架材3を設置する場合でも、横架材3の設置作業の手間を大幅に軽減することができる。
【0038】
尚、上記実施形態1の説明では、羽子板ボルト金物セット1を、左右の柱2,2それぞれに1セットずつの2セット使用して本発明に係る横架材設置方法を説明したが、本発明では、左右の柱2,2それぞれに2セット以上しても良い。
【0039】
図11(a),(b)は、羽子板ボルト金物セット1を、左右の柱2,2それぞれに2セット使用した例を示しており、
図11(a)では、柱2の内側面2aに2個のネジ棒支持金物12をそれぞれ水平方向に並べて固定した状態を示しており、
図11(b)では、横架材3の下側面3aに2個の雌ネジ部付き座金13を水平方向に並べて固定した状態を示している。
【0040】
これにより、上述した羽子板ボルト金物セット1を、左右の柱2,2それぞれに1セットずつの2セット使用する場合よりも、耐力を向上させることができる。また、水平方向に2個並べ固定したネジ棒支持金物12のネジ棒11に螺合させた2つの第1締結ナット14aをそれぞれ回転させて調整することにより、左右の柱2,2に対する横架材3の下側面3aおよび上側面3bの角度をより水平にすることもできる。
【0041】
実施形態2.
実施形態2の横架材設置方法は、上述した第1工程〜第5工程からなる実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに第6工程を追加し、柱2,2の間に設置された横架材3に対し、
図12〜
図15に示すように、さらに追加の金物を使用して柱2,2と横架材3の固定を補強する。
【0042】
図12は、実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第6工程により、例えば追加の金物であるL形金物16のような金物を使用して柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0043】
つまり、
図12に示すように、横架材3の両側において、L形金物16の一方の側面は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、L形金物16の他方の側面は横架材3の上側面3bに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0044】
図13は、実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第6工程により、例えば追加の金物である爪付きプレート金物17のような金物を使用して柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0045】
つまり、
図13に示すように、横架材3の両側において、爪付きプレート金物17の爪部を柱2の内側面2aと横架材3の両端面との間に挿入して、プレート金物17を釘やビス等の固定部材15により柱2の前側面2bと、横架材3の前側面3cとに固定する。
【0046】
図14は、実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第6工程により、追加の金物として実施形態1の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用して、横架材3の上側面3b側で柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0047】
つまり、
図14に示すように、雌ネジ部付き座金13は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、ネジ棒支持金物12は横架材3の上側面3bに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0048】
図15は、実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第6工程により、追加の金物として実施形態1の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用して、横架材3の下側面3a側で柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0049】
つまり、
図15に示すように、雌ネジ部付き座金13は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、ネジ棒支持金物12は横架材3の下側面3aに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0050】
これにより、実施形態2の横架材設置方法によれば、上記実施形態1の横架材設置方法と同様の効果が得られると共に、実施形態2で追加した第6工程により、
図12に示すL形金物16や、
図13に示す爪付きプレート金物17、
図14および
図15に示す羽子板ボルト金物セット1等の追加の金物で柱2,2と横架材3とをさらに固定するため、2本の柱2,2の間に横架材3を強固に設置することができる。
【0051】
特に、
図14および
図15に示す追加の金物として実施形態1の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用した場合、追加の金物として他の種類の金具は不要になるという効果も生じる。
【0052】
また、
図15に示す場合は、ネジ棒支持金物12は横架材3の下側面3a側に設けるので、第1工程〜第5工程で使用した羽子板ボルト金物セット1だけでなく、第6工程により使用する追加の羽子板ボルト金物セット1も横架材3の下方に位置するので、ほとんどの作業が横架材3の下側で行うことが可能となり、横架材3を高い位置に設置する場合は、実施形態2の横架材設置方法の作業が非常に軽減されることになる。
【0053】
実施形態3.
次に、本発明に係る実施形態3の横架材設置方法について説明する。
【0054】
実施形態3の横架材設置方法では、羽子板ボルト金物セット1のネジ棒11’として、上記実施形態1,2で使用したネジ棒11よりも長く、横架材3を下方から上方へ貫通させる長さのものを使用し、さらに例えば追加の金物として第3締結ナット14cおよび座金18のような金物を使用する。そのため、横架材3には、そのネジ棒11’が下方から上方へ貫通する貫通孔を形成しておく。
【0055】
そして、実施形態3の横架材設置方法では、第3工程によってネジ棒11’上端に雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1を螺合させた仮置き状態で、第4工程により、両側の各ネジ棒11’に螺合している第1締結ナット14aを回転させることにより、各ネジ棒11’,11’をそれぞれ各ネジ棒支持金物12に対し上昇させて横架材3の貫通孔を貫通させ、各ネジ棒11’,11’の上端部を横架材3の上側面3bから突出させる。
【0056】
次に、実施形態3の横架材設置方法の第4工程では、横架材3の上側面3bから突出するネジ棒11’の上端に座金18を介し第3締結ナット14cを螺合して、上側面3b側の第3締結ナット14cと下側面3a側の雌ネジ部付き座金13とにより横架材3を固定し、その後、第1締結ナット14aを回転させて横架材3を所望の高さまで上昇させる。
【0057】
尚、実施形態3の横架材設置方法では、第4工程以外の第1工程〜第3工程および第5工程は、実施形態1の横架材設置方法と同様で、最終的には、
図16に示す状態になる。
【0058】
従って、実施形態3の横架材設置方法によれば、上記実施形態1の横架材設置方法と同様の効果が得られると共に、第4工程において、上記実施形態1で使用したネジ棒11よりも長く、横架材3を貫通する長さを有するネジ棒11’と、第3締結ナット14cと、座金18を使用して、各ネジ棒11’の上端部を横架材3の上側面3bから突出させ、座金18を介し第3締結ナット14cを螺合し、上側面3b側の第3締結ナット14cと下側面3a側の雌ネジ部付き座金13とにより横架材3を固定するようにしたため、上記実施形態1の横架材設置方法の場合よりも、2本の柱2,2の間に横架材3を強固に設置することができる。
【0059】
実施形態4.
次に、実施形態4の横架材設置方法について説明する。実施形態4の横架材設定方法は、上述した実施形態1〜3の横架材設置方法とは異なり、羽子板ボルト金物セット1を使用して2本の柱2,2間で横架材3を下降させて設置する方法である。尚、実施形態4の横架材設置方法で使用する羽子板ボルト金物セット1は、上記実施形態1〜3の横架材設置方法で使用する羽子板ボルト金物セット1と同一であるので、それらの説明は省略して、横架材設置方法について説明する。
【0060】
(第1工程)
実施形態4の横架材設置方法の第1工程では、
図17に示すように、2本の柱2,2の対向する内側面2a,2aに、それぞれ、ネジ棒支持金物12を固定すると共に、ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aにネジ棒11を挿入し、かつ、ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aの上部から突出するネジ棒11の雄ネジ部11aに第1締結ナット14aを螺合する一方、横架材3の上側面3bの両側に、それぞれ、
図5(a),(b)に示すように、座金部13bの複数の取付孔13b1から釘やビス等の固定部材15を打込んで雌ネジ部付き座金13を固定する。
【0061】
そして、この第1工程では、2本の柱2,2の対向する内側面2a,2aにそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに
挿入したネジ棒11の下端に第2締結ナット14bを螺合すると共に、第2締結ナット14bから突出したネジ棒11の下端を、横架材3の上側面3bの両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1に螺合し、最終的には
図17に示すような状態にセットする。
【0062】
(第2工程)
実施形態4の横架材設置方法の次の第2工程では、その前の第1工程によってネジ棒11の下端に雌ネジ部付き座金13のナット部13aの雌ネジ部13a1を螺合させているので、
図18に示すように、左右両側の各ネジ棒11に螺合している第1締結ナット14aをそれぞれ回転させ、左右両側の各ネジ棒11をそれぞれ各ネジ棒支持金物12に対し下降させ、
図19に示すように横架材3を所望の高さまで下降させる、
【0063】
(第3工程)
そして、第2工程によって、
図19に示すように横架材3を所望の高さまで下降させた後、次の第3工程では、ネジ棒11の下端に予め螺合しておいた第2締結ナット14bを回転させて上昇させ、
図20に示すように、当該第2締結ナット14bと第1締結ナット14aとにより各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに対しネジ棒11を固定する。
【0064】
従って、実施形態4の横架材設置方法によれば、横架材3を所望の高さまで下降させた際に、横架材3が水平になっていない場合は、左右の各第1締結ナット14aをそれぞれ個別に回転させることによって、横架材3の左右の高さを微調整することもできるので、左右の柱2,2の間に横架材3を確実に水平に設置することができる。
【0065】
特に、リフォーム等で起こりうる経年による柱2の傾きも、傾いた柱2に取り付けたネジ棒支持金物12におけるネジ棒11の高さ(繰り出し量)を微調整することによって修正できるので、柱2や横架材3端部の垂直度がとれない場合でもネジ棒支持金物12によってその垂直度をとることが可能となる。
【0066】
実施形態5.
実施形態5の横架材設置方法は、上述した第1工程〜第3工程からなる実施形態4の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに第4工程を追加し、柱2,2の間に設置された横架材3に対し、
図21〜
図24に示すように、さらに追加の金物を使用して柱2,2と横架材3の固定を補強する。
【0067】
図21は、実施形態5の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第4工程により、例えば追加の金物であるL形金物16のような金物を使用して柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0068】
つまり、
図21の場合、横架材3の両側において、L形金物16の一方の側面は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、L形金物16の他方の側面は横架材3の上側面3bに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0069】
図22は、実施形態5の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第4工程により、例えば追加の金物である爪付きプレート金物17のような金物を使用して柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0070】
つまり、
図22の場合、横架材3の両側において、爪付きプレート金物17の爪部を柱2の内側面2aと横架材3の両端面との間に挿入し、プレート金物17を釘やビス等の固定部材15により柱2の前側面2bと、横架材3の前側面3cとに固定する。
【0071】
図23は、実施形態5の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第4工程により、追加の金物として実施形態4の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用して、横架材3の下側面3a側で柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0072】
つまり、
図23に示すように、雌ネジ部付き座金13は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、ネジ棒支持金物12は横架材3の下側面3aに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0073】
図24は、実施形態1の横架材設置方法によって2本の柱2,2の間に横架材3を設置した後、さらに、第4工程により、追加の金物として実施形態4の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用して、横架材3の上側面3b側で柱2,2と横架材3とを固定する例である。
【0074】
つまり、
図24に示すように、雌ネジ部付き座金13は柱2の内側面2aに釘やビス等の固定部材15により固定する一方、ネジ棒支持金物12は横架材3の上側面3bに釘やビス等の固定部材15により固定する。
【0075】
これにより、実施形態5の横架材設置方法によれば、上記実施形態4の横架材設置方法と同様の効果が得られると共に、実施形態5で追加した第4工程により、
図21に示すL形金物16や、
図22に示す爪付きプレート金物17、
図23および
図24に示す羽子板ボルト金物セット1等の追加の金物で柱2,2と横架材3とをさらに固定するため、2本の柱2,2の間に横架材3を強固に設置することができる。
【0076】
特に、
図23および
図24に示す追加の金物として実施形態4の横架材設置方法でも使用した羽子板ボルト金物セット1を使用した場合、追加の金物として他の種類の金具は不要になるという効果も生じる。
【0077】
また、
図24に示す場合は、ネジ棒支持金物12は横架材3の上側面3b側に設けるので、第1工程〜第3工程で使用した羽子板ボルト金物セット1だけでなく、第4工程により使用する追加の羽子板ボルト金物セット1も横架材3の上側面3b側に位置するので、ほとんどの作業が横架材3の上側で行うことが可能となり、実施形態5の横架材設置方法の作業が非常に軽減されることになる。
【0078】
実施形態6.
次に、本発明に係る実施形態6の横架材設置方法について説明する。
【0079】
実施形態6の横架材設置方法では、羽子板ボルト金物セット1のネジ棒11’として、上記実施形態4,5で使用したネジ棒11よりも長く、横架材3を上方から下方へ貫通させる長さのものを使用し、さらに例えば追加の金物として第3締結ナット14cおよび座金18のような金物を使用する。そのため、横架材3には、そのネジ棒11’が下方から上方へ貫通する貫通孔を形成しておく。
【0080】
そして、この実施形態6の横架材設置方法の第1工程では、2本の柱2,2の対向する内側面2a,2aにそれぞれ固定された各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに
挿入したネジ棒11’の下端を、横架材3の上側面3bの両側にそれぞれ固定した雌ネジ部付き座金13の雌ネジ部13a1に螺合させると共に、横架材3の貫通孔を貫通させて横架材3の下側面3aから突出させ、横架材3の下側面3aから突出したネジ棒11’の下端に座金18を介して第3締結ナット14cを螺合し、横架材3を第3締結ナット14cと雌ネジ部付き座金13とにより固定しておく。
【0081】
その後は、上記実施形態4,5と同様に、第2工程により左右両側の各ネジ棒11に螺合している第1締結ナット14aをそれぞれ回転させ各ネジ棒支持金物12に対し下降させ、横架材3を所望の高さまで下降させ、次の第3工程では第2締結ナット14bを回転させて上昇させ、
図25に示すように第2締結ナット14bと第1締結ナット14aとにより各ネジ棒支持金物12のネジ棒挿入部12aに対しネジ棒11を固定する。
【0082】
従って、実施形態6の横架材設置方法によれば、上記実施形態4の横架材設置方法と同様の効果が得られると共に、第4工程において、上記実施形態4で使用したネジ棒11よりも長く、横架材3を貫通する長さを有するネジ棒11’と、第3締結ナット14cと、座金18を使用して、各ネジ棒11’の下端部を横架材3の上側面3bから突出させ、座金18を介し第3締結ナット14cを螺合し、下側面3a側の第3締結ナット14cと上側面3b側の雌ネジ部付き座金13とにより横架材3を固定するようにしたため、上記実施形態4の横架材設置方法の場合よりも、2本の柱2,2の間に横架材3を強固に設置することができる。
【0083】
尚、上記実施形態1〜6の説明では、雌ネジ部付き座金13は、
図2(a)〜(c)等に示すように、雌ネジ部13a1が形成されたナット部13aを座金部13bに溶着した雌ネジ部付き座金13により説明したが、本発明では、これに限らず、雌ネジ部13a1が設けられた雌ネジ部付き座金13であれば十分である。つまり、雌ネジ部付き座金13は、例えば、平板状の座金部13bの厚さを厚くして、その座金部13bにネジ切りを行って雌ネジ部13a1を設けても良いし、さらには平板状の座金部13bにバーリング加工等によって円筒状の筒部を設け、その筒部の内周面に雌ネジ部13a1を形成するようにしても良い。