(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配線長に関する情報が、前記配線長が予め定められた仕様の範囲外であることを示す情報又は前記配線長が前記仕様の範囲内であることを示す情報である請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示の例に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る子機と親機とを含む通信システム1の構成を示す図である。
【0011】
図1に示される通信システム1は、親機3と一つ又は複数の子機4−1〜4−4とを含み、これらは二線の通信線5により互いに接続されている。通信システム1はまた情報処理端末2を含む。情報処理端末2は、無線又は有線の通信チャンネル6を介して親機3と接続されている。
【0012】
子機4−1〜4−4としては、例えば照明器具の点灯、消灯の制御、調光の制御等を行う制御装置を想定している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、子機4−1〜4−4が、人感センサ、照度センサ等を制御する制御装置であっても良く、複数の子機の幾つかが照明器具を制御する制御装置であり、他のものが人感センサ、照度センサ等を制御する制御装置であっても良い。要するに、子機4−1〜4−4は、通信線5を介して、親機3からの電圧の供給を受け、供給された電圧に基づいて内部の諸回路の電源電圧を生成するとともに、供給された電圧を電流信号用の電源として利用する装置であれば何でもよい。
【0013】
図示の例では通信線5に4個の子機4−1〜4−4が接続されているが、通信線5に接続される子機の数に制限はない。子機を互いに区別する必要がないとき、あるいは全ての子機に共通の説明をするときは、符号「4−1」、「4−2」、「4−3」、「4−4」の代わりに符号「4」を用いる。
【0014】
親機3は、各子機4に電圧の供給を行うとともに、各子機4と通信を行う機能を有し、各子機4を制御する。
【0015】
情報処理端末2は、ユーザーにより操作されるものであり、ユーザーにより通信線5の通信線情報が入力される。ここで「ユーザー」は通信システムの配線工事を行う者である。情報処理端末2は、入力された通信線情報に基づいて、通信線5のインピーダンス情報を生成する。情報処理端末2は、生成したインピーダンス情報を親機3に送信する。
【0016】
情報処理端末2としては、携帯に適した情報処理端末、例えばノートパソコン、タブレット端末等を想定している。しかし、本発明は、これに限定されず、情報処理端末2は、ユーザーが通信線5の通信線情報を入力することが可能で、通信線5のインピーダンス情報を親機3に送信できる機器であれば何でもよい。親機3との通信方式も如何なるものであっても良い。
【0017】
情報処理端末2に入力される通信線情報としては、例えば通信線の線種及び線径を示す情報を想定している。しかし、本発明は、これに限定されず、通信線情報は配線のインピーダンスの特定に利用できる情報であれば良い。
【0018】
情報処理端末2への通信線情報の入力は、表示される複数の選択肢のいずれかを選択することで行われる。選択肢の表示及びそのいずれかの選択は、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)により行われても良い。
【0019】
情報処理端末2には、予め通信線5のインピーダンス情報が、通信線情報(例えば線種及び線径)に関連付けて記憶されている。上記のように、ユーザーが通信線情報を入力すると、情報処理端末2は、入力された通信線情報に関連付けられたインピーダンス情報を特定して、親機3に送信する。
【0020】
上記のインピーダンス情報としては、通信線5の単位長さ当たりの配線抵抗Zを表す情報を想定している。しかし、本発明は、これに限定されず、インピーダンス情報は、例えば配線の抵抗に加えて或いは抵抗の代わりにインダクタンス及びキャパシタンスの少なくとも一つを表す情報であってもよい。要するに、インピーダンス情報は、通信線5のインピーダンスに関する情報であれば良い。
【0021】
親機3と子機4とを含む通信システムは、電圧信号送信モード、電流信号送信モード、又は配線長測定モードで動作する。
【0022】
親機3で受信されたインピーダンス情報は、電圧信号送信モードにおいて、通信線5を介して各子機4に電圧信号で送信される。各子機4では、インピーダンス情報を表す電圧信号を受信してインピーダンス情報を取得する。
【0023】
親機3としては、通信システムの中央処理装置としての機能を有するものを想定している。
親機3は、例えば
図2に示すように、±24Vのパルスを子機4に送信する。
【0024】
図2に示されるように親機3から送信されるパルスには、同期信号SYNとしての役割を持つパルス、伝送されるデータの各ビットを表すパルスDAT、及び子機からの電流信号の受信のためパルス(待機パルス)RTMを含む。これらのパルスは、動作モードに関わらず常に送信されるものではなく、動作モードによって異なるパルスが送信される。例えば、電圧信号送信モードにおいては、同期信号SYN及びデータビットを表すパルスDATが送信される。電流信号送信モード及び配線長測定モードにおいては、同期信号SYN及び待機パルスRTMが送信される。
【0025】
子機4は、電圧信号送信モードにおいて受信したパルスDATで表されるデータビットを親機3から伝送された情報或いは指示として処理する。
【0026】
電流信号送信モードにおいて、親機3から子機4へ送信されるパルスには、上記のように待機パルスRTMが含まれる。この待機パルスRTMが送信される期間(以下単に「待機パルスRTMの期間」と言う)中に、子機4は、親機3に電流信号を送信する。電流信号の送信は、待機パルスRTMの期間中に1回又は複数回、各々短い期間(待機パルスRTMの期間よりも短い期間)にわたり電流を引き込むことで行われる。親機3は、複数の子機4が同時に電流信号の送信をしないようにするための制御を行う。例えば、同期信号SYNによって区切られる複数の送信周期の各々が各子機4に割り当てられ、各子機4は割り当てられた送信周期内の待機パルスRTMの期間中に電流信号の送信を行う。待機パルスRTMは各送信周期中に1回だけ発生されても良く2回以上発生されても良い。
【0027】
配線長測定モードにおいても、親機3から子機4へ送信されるパルスには、待機パルスRTMが含まれる。この待機パルスRTMの期間中に、子機4は、電流を短い期間(待機パルスRTMの期間よりも短い期間)にわたり引き込み、この引き込みを行っているときの入力電圧及び入力電流に基づいて、親機3から当該子機4までの配線長の算出を行う。
配線長測定モードにおいても、親機3は、複数の子機4が同時に電流の引き込みを行わないようにするための制御を行う。例えば、同期信号SYNによって区切られる複数の送信周期の各々が各子機に割り当てられ、各子機は割り当てられた送信周期内の待機パルスRTMの期間中に電流の引き込みを行う。配線長測定モードにおいても待機パルスRTMは各送信周期中に1回だけ発生されても良く2回以上発生されても良い。
【0028】
電圧信号送信モード、電流信号送信モード及び配線長測定モードのいずれにおいても、親機3から送信されるパルスは、各子機4において整流され、平滑化されて、内部の諸回路のための電源として利用される。
【0029】
各子機4は、例えば
図3に示すように、入力端子401、402と、処理部410と、通知手段420と、通信回路430と、駆動回路群440とを備える。
【0030】
通信回路430は、親機3からの電圧信号を受信する。通信回路430はまた、親機3に電流信号を送信する。
【0031】
処理部410は、通信回路430で受信した信号に応じた処理、通信回路430で送信する信号の生成、駆動回路群440及び通信回路430内の各部の制御、通信回路430で取得したデータに基づく演算等を行う。この演算には、後述の配線長の演算が含まれる。
【0032】
処理部410は、例えばマイコンで構成され、CPU410aと記憶部410bとを有する。処理部410の記憶部410bは、親機3から出力されるパルスの電圧の値Vm及びインピーダンス情報を記憶している。例えば、親機3から出力されるパルスの電圧の値Vmを示す情報は、親機3からインピーダンス情報とともに送信されても良く、インピ−ダンス情報とは別に、送信されても良い。例えば通信システムの初期設定の際に送信されても良い。
【0033】
処理部410は、通信線5から入力端子401、402を介して通信回路430に流れ込む電流(入力電流)Iと、通信線5から入力端子401、402を介して通信回路430に印加される電圧(入力電圧)Vと、記憶部410bに記憶されている親機3の出力電圧の値Vmと、通信線5のインピーダンス情報とに基づいて、親機3から子機4までの配線長Lを算出し、算出した配線長Lに関する情報を出力する。
【0034】
通知手段420は、処理部410が算出した配線長Lに関する情報をユーザーに通知する。配線長に関する情報は、配線長Lを示す情報又は配線長Lが予め定められた仕様の範囲内か否かを示す情報である。
【0035】
通知手段420は、表示器及びその駆動回路、1又は2以上の表示灯及びその駆動回路、或いはブザー及びその駆動回路で構成される。表示器としては例えばセグメント方式の表示器が用いられる。セグメント方式の表示器は、算出した配線長を通知するために用いることもでき、算出した配線長が仕様範囲内か否かを通知するために用いることもできる。
【0036】
1又は2以上の表示灯の各々としてはLEDなどの発光素子から成る表示灯が用いられる。表示灯或いはブザーは、算出した配線長が仕様範囲内か否かを通知するのに適している。表示灯が1個のみ用いられる場合には、算出した配線長が仕様範囲外であるときに点灯し、そうでなければ消灯したままであることとしてもよく、逆に算出した配線長が仕様範囲内であるときに点灯し、そうでなければ消灯したままであることとしてもよい。
算出した配線長が仕様範囲外であるときに点灯する第1の表示灯と、配線長が仕様範囲内であるときに点灯する第2の表示灯とを設けても良い。
同様に、ブザーは、算出した配線長が仕様範囲外であるときに鳴動し、そうでなければ鳴動しないものであってもよく、逆に算出した配線長が仕様範囲内であるときに鳴動し、そうでなければ鳴動しないものであってもよい。算出した配線長が仕様範囲外であるときと、算出した配線長が仕様範囲内であるときとで異なる音を発するブザーであっても良い。
【0037】
駆動回路群440は、PWM信号出力回路、リレーコイル駆動回路等を含む。ここで言うPWM信号出力回路は照明器具の調光のために用いられるものであり、リレーコイル駆動回路は、照明器具のON/OFFの制御に用いられるものである。
【0038】
通信回路430は、上記のように親機3との通信を行うほか、通知手段420及び駆動回路群440への電源の供給、処理部410への電源の供給などを行う。通信回路430は、例えば、
図4に示すように、整流回路431と、受信回路432と、電流検出回路433と、電圧検出回路434と、電流信号送信回路435と、逆流防止回路436と、駆動回路用電源回路437と、処理部用電源回路438とを備える。
【0039】
整流回路431は、通信線5を介して親機3から入力端子401、402に供給される電圧を受けて、直流電圧を正側電源線403及びグランド線404に出力する。
整流回路431は、図示の例では、ダイオードブリッジ431aから成る全波整流回路で構成されている。しかしながら、本発明は図示の例に限定されず、整流回路431は、半波整流回路で構成されていてもよい。要するに整流回路431は、通信線5を介して親機3から供給される電圧を受けて直流電圧を出力する回路であれば良く、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0040】
受信回路432は、親機3からの電圧信号Saを検出し、処理部410に出力する。
受信回路432は、図示の例では、ツェナーダイオード432aと、抵抗432b、432cとを備え、通信線5を介して親機3から送信される電圧信号Saをツェナーダイオード432aのツェナー電圧で決まる一定の電圧に降圧し、処理部410に出力する。
しかしながら、本発明は図示の例に限定されない。要するに、受信回路432は、親機3からの電圧信号Saを処理部410に伝達できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
親機3からの電圧信号Saには、通信線5のインピーダンス情報を示す信号、及び親機3から出力されるパルスの電圧の値Vmを示す信号が含まれる。
【0041】
電流検出回路433は、通信線5を介して親機3から通信回路430に流れ込む電流(入力電流)の値Iを検出し、検出結果を処理部410に出力する。
電流検出回路433は、図示の例では、検出抵抗433aと、検出IC(集積回路)433bと、抵抗433cとを備え、検出抵抗433aに流れる電流を検出IC433bで検出し、検出IC433bが検出結果を示す信号Sbを処理部410に出力する。検出結果を示す信号Sbはアナログ信号である。しかしながら、本発明は図示の例に限定されない。要するに、電流検出回路433は、通信回路430に流れ込む電流の値Iを示す信号Sbを処理部410に出力できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0042】
電圧検出回路434は、通信線5を介して親機3から通信回路430に供給される電圧(入力電圧)の値Vを検出し、検出結果を処理部410に出力する。
電圧検出回路434は、図示の例では、抵抗434a及び434bから成る分圧回路を備え、子機4の入力電圧Vを抵抗434a及び434bで分圧して検出し、検出結果を示す信号Scを処理部410に出力する。検出結果を示す信号Scはアナログ信号である。しかしながら、本発明は図示の例に限定されない。要するに、電圧検出回路434は、子機4の入力電圧の値Vを示す信号Scを処理部410に出力できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0043】
電流信号送信回路435は、電流信号送信モードにおいて、通信線5を介して親機3から電流を断続的に引き込み、これにより、親機3に電流信号を送信する。各子機4による電流信号の送信は、当該子機に割り当てられた送信周期中の待機パルスRTMの期間中に行われる。
【0044】
電流信号送信回路435は、図示の例では、トランジスタ435aと、抵抗435bと、抵抗値を変更することができる可変抵抗435cとを備える。トランジスタ435aは、エミッタが可変抵抗435cを介してグランド線404に接続され、コレクタが正側電源線403に接続され、処理部410から出力される制御信号Sdがベースに供給され、制御信号SdによりON又はOFFにされる。即ち、制御信号SdがLowレベルのとき、トランジスタ435aはOFF状態にある。制御信号SdがHighレベルとなると、トランジスタ435aはON状態となる。制御信号Sdは、送信しようとするデータに対応するパルス列を表すように、そのレベルが切換えられる。
【0045】
トランジスタ435aがON、OFFすると、通信線5に流れる電流が変化する。
電流信号送信モードでは、各子機4において、当該子機に割り当てられた送信周期中の待機パルスRTMの期間中に、トランジスタ435aがON、OFFすることによる、通信線5の電流の変化を、親機3が当該子機4からの電流信号として受信する。
【0046】
以上のように、電流信号送信モードにおいては、電流信号送信回路435は、トランジスタ435aのON、OFFを繰り返すことで、電流Iの増減による信号(電流信号)を、親機3に送信する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。要するに、電流信号送信回路435は、通信線5を介して親機3から電流を断続的に引き込むことができれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0047】
本発明では上記の機能を有する電流信号送信回路435を、配線長の測定にも利用する。
配線長測定モードにおいて、各子機4の電流信号送信回路435は、通信線5を介して親機3から電流を、短い期間(待機パルスRTMの期間よりも短い期間)にわたり引き込み、引き込みを行っているとき(トランジスタ435aがONであるとき)の当該子機4の入力電流の値Ib及び入力電圧の値Vbに基づいて、当該子機4の処理部410が配線長の算出を行う。入力電流の値Ibは、電流検出回路433で検出される。入力電圧の値Vbは、電圧検出回路434で検出される。
【0048】
トランジスタ435aに流れる電流の値は可変抵抗435cの抵抗値によって調整することができる。図示の例では、可変抵抗435cとして、処理部410から出力される制御信号Seにより抵抗値が変更されるものが用いられている。しかしながら、本発明は図示の例に限定されない。要するに、可変抵抗435cは、電流信号送信回路435が引き込む電流の値を任意に調整できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0049】
電流信号送信モードにおいて電流信号送信回路435が引き込む電流の大きさ(電流値)は、電流信号の送信に適した値に予め設定されている。
【0050】
配線長測定モードにおいて電流信号送信回路435が引き込む電流の値は、通常は、電流信号送信モードで用いられる値と同じ値とされる。例えば、配線長測定モードにおいては、電流信号送信モードで通常用いられる電流値が、初期値として設定されている。
後述のように、電流信号送信回路435が電流を引き込む処理を行っているときに、電圧検出回路434で検出された電圧値が予め定められた閾値よりも低くなった場合には、引き込む電流の値をより小さくする。
【0051】
駆動回路用電源回路437は、通信線5を介して親機3から通信回路430に供給される電圧を受けて、駆動回路用電源電圧Vcc1を生成して駆動回路用電源線405に出力する。
駆動回路用電源回路437は、図示の例では、整流回路431から出力される直流電圧により充電されるコンデンサ437aを備え、該コンデンサ437aにより安定化された電圧を駆動回路用電源電圧Vcc1として負荷に供給する。
しかしながら、本発明は図示の例に限定されず、要するに、駆動回路用電源回路437は、駆動回路用電源電圧Vcc1を生成できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0052】
駆動回路用電源電圧Vcc1は、駆動回路群440に供給されて、駆動回路群440に含まれるPWM信号出力回路、リレーコイル駆動回路等の駆動電源として用いられるほか、通知手段420に供給されて、通知手段420を構成する表示器、1又は2以上の表示灯、又はブザーの駆動回路の駆動電源として用いられる。
【0053】
処理部用電源回路438は、駆動回路用電源電圧Vcc1を降圧し、処理部用電源電圧Vcc2を生成して、処理部用電源線407に出力する。
処理部用電源回路438は、図示の例では、抵抗438aと、ツェナーダイオード438bと、トランジスタ438cと、コンデンサ438dとを備える。トランジスタ438cはコレクタが駆動回路用電源線405に接続され、エミッタが処理部用電源線407に接続されている。コンデンサ438dは一方の電極が処理部用電源線407に接続され、他方の電極がグランド線404に接続されている。ツェナーダイオード438bはアノードがグランド線404に接続され、カソードがトランジスタ438cのベースに接続されている。抵抗438aは一端がトランジスタ438cのコレクタに接続され、他端がトランジスタ438cのベースに接続されている。
【0054】
処理部用電源回路438は、駆動回路用電源回路437が生成した電源電圧Vcc1を降圧し、コンデンサ438dにより安定化することで処理部用電源電圧Vcc2を生成する。即ち、処理部用電源回路438は、電源電圧Vcc1を受けて、ツェナーダイオード438bのツェナー電圧Vzaで決まる一定電圧でコンデンサ438dを充電し、コンデンサ438dにより安定化された電圧を生成して、処理部用電源電圧Vcc2として出力する。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、要するに、処理部用電源回路438は処理部用電源電圧Vcc2を生成できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
処理部用電源電圧Vcc2は、処理部410及び検出IC433bに供給されて、これらの回路の駆動に用いられる。
【0055】
通知手段420、駆動回路群440及び処理部用電源回路438が駆動回路用電源回路437の負荷となる。
【0056】
逆流防止回路436は、駆動回路用電源回路437からの逆流を防止する。即ち、駆動回路用電源回路437から、電流信号送信回路435等へ電流が流れるのを防止する。
例えば、整流回路431から供給される電圧が、コンデンサ437aの電圧よりも低いときに、逆流防止回路436は、駆動回路用電源回路437から電流信号送信回路435等へ電流が流れるのを防止する。
図示の例では、逆流防止回路436は、アノードが正側電源線403に接続され、カソードが駆動回路用電源線405に接続されたダイオード436aで構成される整流素子を備える。しかしながら、本発明は図示の例に限定されず、上記の逆流を防止できれば、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0057】
以下、配線長測定モードにおいて、各子機4に割り当てられた送信周期中の、待機パルスRTMの期間中に、当該子機4のトランジスタ435aをONすることによる電流及び電圧の変化、並びにこれらの電流及び電圧に基づく配線長の測定について説明する。
【0058】
上記のように、各子機4−i(iは1から4のいずれか)における配線長の測定は、当該子機に割り当てられた送信周期中の、待機パルスRTMの期間中に、当該子機4−iにおいて、トランジスタ435aをON、OFFすることで行われる。
このとき他のすべての子機4−j(j≠i)において、トランジスタ435aがONとはならないように制御されている。
【0059】
図5(a)に一つの待機パルスRTMの期間を示す。
図5(b)に上記の待機パルスRTMの期間の一部において、トランジスタ435aを制御する制御信号SdがHighとなる期間Ttを示す。制御信号SdがHighとなってトランジスタ435aがONとなると、トランジスタ435aに電流が流れる。トランジスタ435aがOFFであるときには、整流回路431の出力は、ダイオード436aを介して電源回路437に流れるが、この電流は数mA程度であり、比較的小さい。これに対して、ONとなっているトランジスタ435aに流れる電流は、1A程度であり、比較大きい。1A程度の比較大きい電流が流れると、通信線5における電圧降下により、ダイオード436aのアノード側電位がカソード側電位Vcc1よりも低くなり、電源回路437へ電流が流れなくなる。
他の子機においてもダイオード436aのアノード側電位がカソード側電位Vcc1よりも低くなり、電源回路437へ電流が流れなくなる。
【0060】
この状態では、通信線5に流れる電流は、選択されている子機4−iのトランジスタ435aに流れる電流Itに略等しいものとなる。また、このときの入力電圧Vbは、親機3の出力電圧に対して、通信線5における電圧降下Vdだけ低い値となる。上記のように、親機3の出力電圧の値Vmを示す情報が各子機4の記憶部410bに記憶されている。トランジスタ435aがONであるときの入力電圧Vbと、親機3の出力電圧Vmとから、通信線5における電圧降下Vdは下記の式により算出される。
Vd=Vm−Vb (1)
【0061】
通信線5(のうちの親機3から当該子機4−iまでの部分)に流れる電流はトランジスタ435aに流れる電流Itに略等しく、従って、電流検出回路433で検出された電流に等しい。即ち、この電流の値をIbで表す。
VdとIbとの間には以下の関係がある。
Vd=Ib×L×Z (2)
【0062】
式(2)で、
Z(Ω/m)は、通信線5の単位長さ当たりの抵抗であり、インピーダンス情報として親機3から伝達されている。
L(m)は、親機3から当該子機4−iまでの配線長である。
式(2)を変形すると、
L=Vd/(Ib×Z) (3)
式(1)と式(3)とを組み合わせると、
L=(Vm−Vb)/(Ib×Z) (4)
【0063】
式(4)は、伝達されたインピーダンス情報で示される単位長さ当たりの抵抗Zと、検出により得られた電流Ib及び電圧Vb、並びに予め記憶されている親機3の出力電圧Vmを用いることで、配線長Lを算出することができることを示している。
【0064】
但し、制御信号SdをHighにし、トランジスタ435aをON状態にしたときに電圧Vbが低く成り過ぎる場合には、トランジスタ435aのコレクタ電圧が下がって、トランジスタ435aがON状態(飽和状態)を安定的に維持することができなくなる。そこで、閾値Vthを予め設定しておき、電圧Vbが閾値Vthよりも低い場合には、可変抵抗435cの抵抗値を大きくすることで、トランジスタ435aがON状態(飽和状態)を安定的に維持できるようにする。具体的には、抵抗435cの抵抗値を大きくした上で、再度制御信号SdをHighにすることで、トランジスタ435aをON状態にし、電流Ib及び電圧Vbの検出をやり直す。電圧Vbが閾値Vthよりも低くなる場合には、抵抗435cの抵抗値をさらに大きくする。電圧Vbが閾値Vth以上となれば、そのときの検出電流Ib及び検出電圧Vbを用いて、配線長Lの算出を行う。
【0065】
閾値Vthとしては例えば、トランジスタ435aをON状態(飽和状態)に安定的に維持するために必要な電圧以上の値を用いるのが望ましい。
【0066】
抵抗435cの抵抗値を大きくする際、例えば一定の変化幅ずつ抵抗値を変更しても良く、一定の比率で抵抗値の変更しても良い。また予め定められた複数の値のうち、より大きい値を順次選択しても良い。上記以外の変更規則に従って抵抗値を変更しても良い。
【0067】
次に、実施の形態1の通信システム1における配線長測定の動作を、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6及び
図7は、本発明の実施の形態1に係る通信システム1の処理の手順を示すフローチャートである。
【0068】
図6は、情報処理端末2及び親機3における処理を示す。
まず、ユーザーは、情報処理端末2に通信線5の(通信線情報の一例として)線種及び線径を入力する(ステップST11)。
【0069】
線種及び線形が入力されると、情報処理端末2は、線種及び線径に予め関連付けて記憶されている、通信線5のインピーダンス情報を親機3に送信する(ステップST12)。インピーダンス情報は、例えば単位長さあたりの抵抗Zを表す情報である。
【0070】
インピーダンス情報を受けた後、親機3は、電圧信号送信モードに移行する(ST13)。
この状態で、親機3は、インピーダンス情報を表す電圧信号Saを、通信線5を介して、子機4に送信する(ステップST14)。
【0071】
インピーダンス情報が電圧信号Saで送信されると、子機4の各々において、受信回路432が、インピーダンス情報を表す電圧信号Saを受信し、処理部410が内部の記憶部410bにインピーダンス情報を記憶する(ステップST15)。
【0072】
上記の処理の後、親機3は、配線長測定モードに移行する(ステップST16)。配線長測定モードでは、親機3はそれぞれの子機に送信周期を割り当て、各送信周期中に1又は2以上の待機パルスRTMを送信する。
【0073】
図7は、各子機4−iにおける処理を示す。
各子機4−iの処理部410は、各送信周期において、当該送信周期が当該子機4−iに割り当てられたものか否かの判定をする(ST21)。
【0074】
当該送信周期が当該子機4−iに割り当てられたものである場合、当該子機4−iの処理部410は、当該送信周期の待機パルスRTMの期間中に、制御信号Sdを一定期間TtだけHighにし、制御信号SdがHighである間に、電流検出回路433及び電圧検出回路434がそれぞれ入力電流及び入力電圧を検出し、処理部410は、入力電流及び入力電圧の検出値を、制御信号SdがHighであるときの入力電流値Ib及び入力電圧値Vbとして保持する(ST22)。
【0075】
次に電圧値Vbが閾値Vthよりも低いか否かを判定する(ST23)。
低ければ、ステップST24に進み、そうでなければステップST25に進む。
【0076】
ステップST24では、電流信号送信回路435の可変抵抗435cの抵抗値を大きくする。例えば、予め定められた変更規則に従って、抵抗値を大きくする。
ステップST24の次に、ステップST21に戻り、次の、当該子機4−iに割り当てられた送信周期となるのを待ち、当該子機4−iに割り当てられた送信周期になったら、再びステップST22以降の処理を行う。
【0077】
ステップST25では、ステップST22で検出された電流値Ib及び電圧値Vbを、トランジスタ435aがONである(安定的にON状態を維持している)ときの電流値Ib及び電圧値Vbと認めて、電流値Ib、電圧値Vm及びVb、並びに単位長さ当たりの抵抗Zを用いて、式(4)に従って、配線長Lを算出する。
Zとしては、記憶部410bに記憶されているインピーダンス情報で示される値を用いる。
Vmとしては、記憶部410bに記憶されている値を用いる。
Ib及びVbとしては、ステップST22で検出された電流値Ib及び電圧値Vbを用いる。ステップST23で電圧値Vbが閾値Vthよりも低いためにステップST24及びST22を繰り返した場合には、最後に(ステップST25に移行する直前に)ステップST22で検出された電流値Ib及び電圧値Vbを用いる。
【0078】
ステップST26では、ステップST25で算出された配線長Lに関する情報をユーザーに通知する。配線長に関する情報は、例えば配線長を示す情報、又は配線長が仕様範囲外か否かの判定結果を示す情報である。この判定結果としては、配線長Lが仕様範囲外であるときにそのことを通知しても良く、配線長Lが仕様範囲内であるときにそのことを通知しても良く、両方の場合にそれぞれ通知を行っても良い。
【0079】
この判定で用いられる配線長の仕様については、予め子機4−iが記憶していてもよいし、親機3から配線長算出の処理の度に、例えば、インピーダンス情報の送信とともに送信することとしてもよい。
ステップST26が終わったら、当該子機における配線長測定の処理を終了する。
【0080】
以上のように、本実施の形態では、子機4が、親機3から受信したインピーダンス情報と、電流信号送信回路435により電流が引き込まれている期間において検出された電流値Ib及び電圧値Vb、並びに予め記憶されている、親機3の出力電圧の値Vmとに基づいて、親機3から子機4までの配線長Lを算出し、算出した配線長Lに関する情報を通知手段420によりユーザーに通知することとしている。このため、ユーザーは、親機3からの各子機4までの配線長が仕様を満たしているか否かを判断することができる。
【0081】
即ち、配線長Lに関する情報として配線長を示す情報が通知される場合には、ユーザーは、通知された配線長に基づいて配線長が仕様を満たしているか否かを判断することができる。
配線長Lに関する情報として配線長が仕様範囲内のものかどうかを示す(仕様範囲内であることを示す、或いは仕様範囲外であることを示す)情報が通知される場合には、ユーザーは、通知された情報から配線長が仕様を満たしているか否かを直ちに判断することができる。
【0082】
また、電圧検出回路434が検出した電圧値Vbが予め定められた閾値よりも低い場合には、電流信号送信回路435に流れる電流を小さくすることとしており、これにより、電流信号の送信に用いられる通常の電流値では、電流信号送信回路435をONさせることができないほど配線長が長い場合にも、配線長を算出することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、電流信号送信回路435による電流引き込みにより、通信回路430の正側電源線403の電位が駆動回路用電源電圧Vcc1よりも低くなり、駆動回路用電源回路437に電流が流れなくなった状態で電流検出回路433で検出される電流の値Ibを通信線5に流れる電流の値とみなし、親機3の出力電圧の値Vmと電圧検出回路434で検出される入力電圧の値Vb(電流の値Ibと同様に、駆動回路用電源回路437に電流が流れなくなった状態で検出された値)との差を通信線5(のうちの当該子機までの部分)における電圧降下とみなして、配線長Lの算出を行うので、配線長の算出を正確に行うことができる。
【0084】
なお、上記の実施の形態1では、親機から子機への電圧信号が、±24Vのパルスであるが、本発明はこれに限定されない。電圧信号は、例えば±12V等の、より低い電圧のパルスであってもよいし、DC24Vの直流電圧のパルスであってもよい。
【0085】
また、上記の実施の形態1では、制御信号SdがHighである期間中に入力電圧Vbを検出し(ST22)、検出された入力電圧Vbが閾値Vthよりも低いか否かの判定を行い(ST23)、低ければ、可変抵抗435cの抵抗値を大きくし(ST24)、その上で、次の、当該子機4−iに割り当てられた次の送信周期になるのを待って(ST21)、ステップST22以降の処理をすることとしている。
このようにする代わりに、入力電圧Vbを検出し、検出された入力電圧Vbが閾値Vthよりも低いか否かの判定を行い、低ければ可変抵抗435cの抵抗値を大きくし、抵抗値を大きくした後に再び入力電圧Vbを検出し、検出した入力電圧Vbが閾値よりも低いか否かを判定する処理を、制御信号SdがHighである期間中に繰り返すこととしても良い。このようにすれば、配線長の測定に要する期間を短くすることができる。
【0086】
また、各送信周期中に待機パルスRTMが複数回発生される場合には、一つの待機パルスRTMの期間中にステップST22の処理を行い、その結果得られる入力電圧Vbを用いてステップST23の判定を行い、入力電圧Vbが閾値Vthよりも低ければ、次に可変抵抗435cの抵抗値を大きくし(ST24)、その上で、同じ送信期間中の別の待機パルスRTMの期間中に、次のステップST22の処理をすることとしても良い。
このようにすることで、配線長の測定に要する期間を短くすることができる。
【0087】
なおまた、上記の実施の形態では、電流信号送信モードとは別の配線長測定モードにおいて、配線長の測定を行っているが、電流信号送信モードにおいて電流信号の送信を行いながら、該送信の際に入力電流Ib及び入力電圧Vbを検出し、検出結果に基づいて配線長の算出を行うようにしても良い。
【0088】
また、上記の実施の形態では、情報処理端末2に通信線情報が入力され、情報処理端末2が通信線情報に基づいてインピーダンス情報を生成することとしているが、通信線情報からインピーダンス情報への変換を親機3で行っても良い。
また、情報処理端末2にインピーダンス情報を入力し、情報処理端末2は入力されたインピーダンス情報を親機3に送信することとしても良い。
【0089】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2の通信システムは、概して実施の形態1の通信システムと同じであり、実施の形態2の子機4は、
図3の子機4と概して同じである。しかし、通信回路430の代わりに通信回路430Bを有する。
図8は、実施の形態2に係る子機4の通信回路430Bを示す図である。
図8において、
図4と同一又は類似の部分には同一の符号を付す。
図8に示される通信回路430Bは、
図4の通信回路430と概して同じである。しかし、以下の点で異なる。
【0090】
図4の通信回路430においては、電流信号送信回路435が、トランジスタ435a、抵抗435b、及び可変抵抗435cを備え、可変抵抗435cの抵抗値により調整された値の電流を引き込み、引き込み電流Ib、及び引き込み電流Ibを流したときの入力電圧Vb、並びに親機の出力電圧Vmに基づいて配線長の算出を行っている。これに対し、
図8に示される通信回路430Bにおいては、電流信号送信回路435Bが、トランジスタ435a、抵抗435b、可変抵抗435c及びトランジスタ435aに加えて、トランジスタ435d及び抵抗435eを有する。トランジスタ435dは、コレクタがトランジスタ435aのベースに接続され、エミッタがグランド線404に接続され、ベースが抵抗435eを介してトランジスタ435aのエミッタに接続されている。このような構成の電流信号送信回路435Bでは、トランジスタ435aのエミッタの電位が、抵抗435e及びトランジスタ435dにより、トランジスタ435aのベースに負帰還され、これにより、トランジスタ435aに流れる電流が一定に保たれる。即ち、
図8に示される電流信号送信回路435Bで引き込まれる電流は、抵抗435cの抵抗値によって決まる一定の値Ikに保たれる。
【0091】
処理部410は、制御信号Seによって可変抵抗435cの抵抗値を制御する。従って、処理部410には制御信号Seによって指定された抵抗値が既知であり、そのため、抵抗値に対応する電流値Ikが既知である。処理部410は、例えば制御信号Seを出力するとともに、制御信号Seに対応する電流値Ikを記憶部410bに保持する。
【0092】
この場合、配線長Lは、電流検出回路433が検出した電流値ではなく、既知の電流値Ikを用いて下記の式(5)により算出される。
L=(Vm−Vb)/(Ik×Z) (5)
式(5)は、実施の形態1で用いた式(4)において、IbをIkで置き換えたものである。
【0093】
尚、可変抵抗435cは、その抵抗値が、複数の既知の電流値に対応付けられた複数の既知の抵抗値の中から選択できるように構成しておくのが望ましい。
【0094】
また、電流信号送信回路435Bは、電流値が既知である一定の電流(複数の既知の値のいずれかの定電流)を引き込むことができれば、上記の例に限らず、どのような回路又は素子から構成されていてもよい。
【0095】
制御信号SdがHighであるときの電圧Vbが低く成り過ぎる場合には、実施の形態1で述べたのと同様に、可変抵抗435cの抵抗値を大きくすることで、トランジスタ435aに流れる電流を小さくし、再度制御信号SdをHighにした上で、電流Ib及び電圧Vbの検出をやり直す。電圧Vbが閾値Vthよりも低くなる場合には、可変抵抗435cの抵抗値をさらに大きくする。電圧Vbが閾値Vth以上となれば、そのときの検出電流Ib及び検出電圧Vbをトランジスタ435aがONである(安定的にON状態を維持している)ときの入力電流Ib及び入力電圧Vbと認めて、配線長Lの算出を行う。抵抗値を大きくする処理は、複数の既知の値のうちのより大きい値を選択することで行われ、これにより、電流信号送信回路435Bで引き込まれる電流が複数の既知の値のうちのより小さい値に変更される。
【0096】
実施の形態2の通信システムの情報処理端末2及び親機3における処理の手順は、実施の形態1に関し
図6を参照して説明したのと同様である。
以下、実施の形態2の通信システムの子機4における処理の手順を、
図9を参照して説明する。
図9において、
図7と同じ符号は、
図7と同一又は類似の処理を示す。
【0097】
図9に示される手順は
図7に示される手順と概して同じであるが、以下の点で異なる。
即ち、
図7のステップST22及びST25の代わりに、ステップST22b及びST25bが行われ、ステップST31が追加されている。
ステップST31はステップST21の次に行われる。
【0098】
ステップST31では、当該子機4−iの処理部410は、制御信号Seにより指定されている可変抵抗435cの抵抗値に対応する既知の電流値Ikを示す情報を記憶部410bから取得する。
【0099】
次のステップST22bでは、当該子機4−iの処理部410は、当該送信周期の待機パルスRTMの期間中に、制御信号Sdを一定期間TtだけHighにし、制御信号SdがHighである間に、電圧検出回路434が入力電圧を検出し、処理部410は、入力電圧の検出値を、制御信号SdがHighであるときの入力電圧値Vbとして保持する。
【0100】
次にステップST23では、
図7に示される処理と同様に、電圧値Vbが閾値Vthよりも低いか否かを判定する。
低ければ、ステップST24に進み、そうでなければステップST25bに進む。
【0101】
ステップST24では、電流信号送信回路435Bの可変抵抗435cの抵抗値を大きくする。例えば、予め定められた変更規則に従って、抵抗値を大きくする。
ステップST24の次に、ステップST21に戻り、次の、当該子機4−iに割り当てられた送信周期となるのを待ち、当該子機4−iに割り当てられた送信周期になったら、再びステップST31以降の処理を行う。
【0102】
この場合、ステップST31では、変更後の抵抗値に対応する電流値Ikを示す情報を取得し、ステップST22bでは、再度制御信号SdをHighにし、入力電圧の値Vbを検出する。
【0103】
ステップST25bでは、ステップST22bで検出された電圧値Vbを、トランジスタ435aがONである(安定的にON状態を維持している)ときの電圧値Vbと認めて、電流値Ik、電圧値Vm及びVb、並びに単位長さ当たりの抵抗Zを用いて、式(5)に従って、配線長Lを算出する。
Zとしては、記憶部410bに記憶されているインピーダンス情報で示される値を用いる。
Vmとしては、記憶部410bに記憶されている値を用いる。
Ikとしては、ステップST31で取得した情報で表される電流値Ikを用いる。ステップST23で電圧値Vbが閾値Vthよりも低いためにステップST31以降の処理を繰り返した場合には、最後に(ステップST25bに移行する直前に)ステップST31で取得した情報で表される電流値Ikを用いる。
Vbとしては、ステップST22bで検出された電圧値Vbを用いる。ステップST23で電圧値Vbが閾値Vthよりも低いためにステップST31以降の処理を繰り返した場合には、最後に(ステップST25bに移行する直前に)ステップST22bで検出された電圧値Vbを用いる。
【0104】
ステップST26では、ステップST25bで算出された配線長Lに関する情報をユーザーに通知する。配線長に関する情報は、例えば配線長を示す情報、又は配線長が仕様範囲外か否かの判定結果を示す情報である。
ステップST26が終わったら、当該子機における配線長測定の処理を終了する。
【0105】
以上のように、本実施の形態では、子機4が、親機3から受信したインピーダンス情報と、電流信号送信回路435Bが引き込む電流の既知の値Ikと、電流信号送信回路435Bにより電流が引き込まれている期間に検出された電圧値Vb、並びに、予め記憶されている、親機3の出力電圧の値Vmとに基づいて、親機3から子機4までの配線長Lを算出し、算出した配線長Lに関する情報を通知手段420によりユーザーに通知することとしている。このため、ユーザーは、親機3からの各子機4までの配線長が仕様を満たしているか否かを判断することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、電流信号送信回路435Bによる電流引き込みにより、通信回路430の正側電源線403の電位が駆動回路用電源電圧Vcc1よりも低くなり、駆動回路用電源回路437に電流が流れなくなった状態で、電流信号送信回路435に流れる既知の電流値を通信線5に流れる電流の値とみなし、親機3の出力電圧の値Vmと電圧検出回路434で検出される入力電圧の値Vbとの差を通信線5(のうちの当該子機までの部分)における電圧降下とみなして、配線長Lの算出を行うので、入力電流の検出を省略することができ、しかも配線長の算出を正確に行うことができる。
【0107】
なお、上記のように、電流信号送信回路435Bとして、電流値が既知である一定電流を引き込むことができる回路を用いる場合には、配線長の算出には、電流検出回路433で検出された電流値は利用されない。従って、電流検出回路433が他の目的(配線長測定以外の目的)にも用いられないのであれば、電流検出回路433を省略しても良い。
【0108】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3の通信システムは、概して実施の形態1の通信システムと同じであり、実施の形態3の子機4は、
図3の子機4と概して同じである。しかし、通信回路430の代わりに通信回路430Cを有する。
図10は、実施の形態3に係る子機4の通信回路430Cを示す図である。
図10において、
図4と同一又は類似の部分には同一の符号を付す。
図10に示される通信回路430Cは、
図4の通信回路430と概して同じである。しかし、以下の点で異なる。
【0109】
まず、
図4の逆流防止回路436が設けられていない。また、
図4の駆動回路用電源回路437の代わりに駆動回路用電源回路437Cが設けられている。
図4の駆動回路用電源回路437は、コンデンサ437aのみで構成されているが、
図10の駆動回路用電源回路437Cは、コンデンサ437aのほか、抵抗437bと、ツェナーダイオード437cと、トランジスタ437dとを備える。トランジスタ437dはコレクタが正側電源線403に接続され、エミッタが駆動回路用電源線405に接続されている。コンデンサ437aは一方の電極が駆動回路用電源線405に接続され、他方の電極がグランド線404に接続されている。ツェナーダイオード437cはアノードがグランド線404に接続され、カソードがトランジスタ437dのベースに接続されている。抵抗437bは一端がトランジスタ437dのコレクタに接続され、他端がトランジスタ437dのベースに接続されている。
【0110】
このような構成の駆動回路用電源回路437Cは、整流回路431から出力される電圧を降圧し、コンデンサ437aにより安定化することで駆動回路用電源電圧Vcc1を生成する。即ち、整流回路431から出力される電圧を受けて、ツェナーダイオード437cのツェナー電圧Vzbで決まる一定電圧でコンデンサ437aを充電し、コンデンサ437aにより安定化された電圧を生成して、駆動回路用電源電圧Vcc1として出力する。
【0111】
図4の構成では、整流回路431から出力される電圧が逆流防止回路436を介してコンデンサ437aに印加されて、コンデンサ437aの電圧が電源電圧Vcc1となる。即ち、電源電圧Vcc1は、トランジスタ435aがOFFしているときの、入力電圧にほぼ等しい値となる。そして、通信線5における電圧降下の増大のため、入力電圧が電源電圧Vcc1よりも低くなると(厳密には、電源電圧Vcc1にダイオード436aの順方向電圧を加えた値よりも低くなると)、電源回路437への電流が流れなくなる。
これに対して、
図10の構成では、コンデンサ437aの電圧はツェナーダイオード437cのツェナー電圧Vzbにほぼ等しい値に保たれ、入力電圧がツェナー電圧Vzbよりも高ければ、電源回路437Cへ電流が流れ続ける。
この電流は、トランジスタ435aがOFFであってもONであっても大きな差がなく、同じであると見ることができる。この電流を
図11(c)に符号Iaで示す。
【0112】
何れかの子機4−iでトランジスタ435aがONとなり、トランジスタ435aに電流Itが流れると、通信線5のうち、親機3から当該子機4−iまでの部分に流れる電流はItだけ増えて電流値がIbとなり、電流の増加により通信線5のうちの当該子機4−iまでの部分における電圧降下が増加し、当該子機4の入力電圧が低下する。この低下分をΔVで表すと、
ΔV=Va−Vb (6)
の関係がある。
【0113】
ここで、
Vaはトランジスタ435aがOFFであるときの入力電圧、
Vbはトランジスタ435aがONであるときの入力電圧であり、
これらは、電圧検出回路434で検出される。
【0114】
また、電流の増加分(通信線5のうちの当該子機4−iまでの部分における電流の増加分)、即ち、トランジスタ435aに流れる電流は、
It=Ib−Ia (7)
で与えられる。
ここで、
Iaはトランジスタ435aがOFFであるときの入力電流、
Ibはトランジスタ435aがONであるときの入力電流であり、
これらは、電流検出回路433で検出される。
【0115】
トランジスタ435aがONとなることによる、通信線5(のうちの当該子機4−iまでの部分)における電圧降下の増加分ΔVは、式(6)で示されるように、当該子機4−iの入力電圧の低下分に等しい。
また、この増加分ΔVは、電流It(通信線5(のうちの当該子機4−iまでの部分)における電流の増加分、即ちトランジスタ435aに流れる電流)と、通信線5(のうちの当該子機4−iまでの部分)のインピーダンス(抵抗)との積に等しい。即ち、
ΔV=It×Z×L (8)
の関係がある。
Lは親機3から当該子機4−iまでの配線長である。
【0116】
式(6)、(7)、(8)から、
L=(Vb−Va)/{(Ib−Ia)×Z} (9)
の関係が得られる。
【0117】
式(9)は、伝達されたインピーダンス情報で示される単位長さ当たりの抵抗Zと、検出により得られた電流値Ia、Ibと、検出により得られた電圧値Va、Vbとを用いることで、配線長Lを算出することができることを示している。
【0118】
制御信号SdがHighであるときの電圧Vbが低く成り過ぎる場合には、実施の形態1で述べたのと同様に、可変抵抗435cの抵抗値を大きくすることで、トランジスタ435aに流れる電流を小さくし、再度制御信号SdをHighにした上で、電流Ib及び電圧Vbの検出をやり直す。電圧Vbが閾値Vthよりも低くなる場合には、可変抵抗435cの抵抗値をさらに大きくする。電圧Vbが閾値Vth以上となれば、そのときの検出電流Ib及び検出電圧Vbを用いて、配線長Lの算出を行う。
【0119】
実施の形態3の通信システムの情報処理端末2及び親機3における処理の手順は、実施の形態1に関し
図6を参照して説明したのと同様である。
以下、実施の形態3の通信システムの子機4における処理の手順を、
図11を参照して説明する。
図12において、
図7と同じ符号は、
図7と同一又は類似の処理を示す。
【0120】
図12に示される手順は
図7に示される手順と概して同じであるが、以下の点で異なる。
即ち、
図7のステップST22及びST25の代わりに、ステップST22c及びST25cが行われ、ステップST41が追加されている。
ステップST41はステップST21の次に行われる。
【0121】
ステップST41では、当該子機4−iでは、電流検出回路433及び電圧検出回路434がそれぞれ入力電流及び入力電圧を検出し、処理部410が、入力電流及び入力電圧の検出値をトランジスタ435aがONとなる前の電流値Ia及び電圧値Vaとして保持する。
【0122】
次のステップST22cでは、当該子機4−iの処理部410は、当該送信周期の待機パルスRTMの期間中に、制御信号Sdを一定期間TtだけHighにし、制御信号SdがHighである間に、電流検出回路433及び電圧検出回路434がそれぞれ入力電流及び入力電圧を検出し、処理部410は、入力電流及び入力電圧の検出値を、制御信号SdがHighであるときの入力電流値Ib及び入力電圧値Vbとして保持する。
【0123】
次にステップST23では、
図7に示される処理と同様に、電圧Vbが閾値Vthよりも低いか否かを判定する。
低ければ、ステップST24に進み、そうでなければステップST25cに進む。
【0124】
ステップST24では、電流信号送信回路435の可変抵抗435cの抵抗値を大きくする。例えば、予め定められた変更規則に従って、抵抗値を大きくする。
ステップST24の次に、ステップST21に戻り、次の、当該子機4−iに割り当てられた送信周期となるのを待ち、当該子機に割り当てられた送信周期になったら、再びステップST41以降の処理を行う。
【0125】
ステップST25cでは、ステップST22cで検出された電流値Ib及び電圧値Vbを、トランジスタ435aがONであるとき(安定的にON状態を維持しているとき)の電流値Ib及び電圧値Vbと認めて、電流値Ia及びIb、電圧値Va及びVb、並びに単位長さ当たりの抵抗Zを用いて、式(9)に従って、配線長Lを算出する。
Zとしては、記憶部410bに記憶されているインピーダンス情報で示される値を用いる。
Ia及びVaとしては、ステップST41で検出された電流値Ia及び電圧値Vaを用いる。ステップST23で電圧値Vbが閾値Vthよりも低いためにステップST41以降の処理を繰り返した場合には、最後に(ステップST25cに移行する直前に)ステップST41で検出された電流値Ia及び電圧値Vaを用いる。
Ib及びVbとしては、ステップST22cで検出された電流値Ib及び電圧値Vbを用いる。ステップST23で電圧値Vbが閾値Vthよりも低いためにステップST41以降の処理を繰り返した場合には、最後に(ステップST25cに移行する直前に)ステップST22cで検出された電流値Ib及び電圧値Vbを用いる。
【0126】
ステップST26では、ステップST25cで算出された配線長Lに関する情報をユーザーに通知する。配線長に関する情報は、例えば配線長を示す情報、又は配線長が仕様範囲外か否かの判定結果を示す情報である。
ステップST26が終わったら、当該子機における配線長測定の処理を終了する。
【0127】
なお、上記の例では、ステップST21の処理の次にステップST41で、入力電流Ia及び入力電圧Vaを検出しているが、トランジスタ435aがOFFであるときの電流の変化は小さいので、ステップST23でYESとなって、ステップST21に戻った場合には、ステップST21の次のステップST41の処理が行われないようにして良い。例えば、
図12において、ステップST41を、ステップST21の前に行うようにしても良い。
【0128】
なおまた、上記の例では、期間Ttの開始前の電流Ia及び電圧Vaを検出しているが(ST41)、期間Ttの終了後の電流Ia及び電圧Vaを検出しても良い。例えば、ステップST22cで、電流Ib及び電圧Vbを検出した期間Ttの終了直後に、電流Ia及び電圧Vaを検出しても良い。
要するに、期間Tt以外における電流Ia及び電圧Vaを検出すれば良い。
【0129】
以上のように、本実施の形態では、子機4が、親機3から受信したインピーダンス情報と、電流信号送信回路435により電流が引き込まれている期間に検出された電流値Ib及び電圧値Vb、並びに電流信号送信回路435により電流が引き込まれていない期間において検出された電流値Ia及び電圧値Vaとに基づいて、親機3から子機4までの配線長Lを算出し、算出した配線長Lに関する情報を通知手段420によりユーザーに通知することとしている。このため、ユーザーは、親機3からの各子機4までの配線長が仕様を満たしているか否かを判断することができる。
【0130】
また、本実施の形態では、駆動回路用電源回路437Cにより生成される駆動回路用電源電圧Vcc1の値が、通信回路430の入力電圧とは独立に設定されており、電流信号送信回路435による電流引き込みにより、通信回路430の正側電源線403の電位が低くなっても、駆動回路用電源回路437Cに電流が流れ続けるようしており、電流信号送信回路435により電流が引き込まれているときと、引き込まれていないときの入力電流の差(Ib−Ia)を電流信号送信回路435により引き込まれる電流、即ち、通信線5(のうちの当該子機までの部分)に流れる電流の増加分とみなし、電流信号送信回路435により電流が引き込まれているときと、引き込まれていないときの入力電圧の差(Va−Vb)を、引き込み電流による、通信線5(のうちの当該子機までの部分)における電圧降下の増加分とみなして、配線長Lの算出を行うので、配線長の算出を正確に行うことができ、しかもそのような処理を行う間にも、駆動回路用電源回路に電流を供給し続けることができる。
【0131】
以上実施の形態3を実施の形態1に対する変形として説明したが、実施の形態2に対しても同様の変形を加え得る。
【0132】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については説明を省略し、実施の形態1との差異について説明する。
【0133】
図13は、本発明の実施の形態4に係る通信システム1dの構成を示す図である。
図13において、
図1と同一又は類似の部分には同一の符号を付す。
【0134】
実施の形態1では、
図1に示すように、子機4が通知手段420を備えている。実施の形態4では、
図13に示すように、情報処理端末2の表示画面で、配線長に関する情報のユーザーへの通知が行われる。即ち、情報処理端末2の表示画面が通知手段420dを構成している。この通知手段420dは子機の通知手段420の代わりに設けても良く、子機の通知手段420に対して付加的に設けても良い。
【0135】
この場合、子機4が算出した配線長に関する情報を親機3に送信し、親機3が情報処理端末2に各子機4の配線長に関する情報を送信し、情報処理端末2が受信した配線長に関する情報をその表示画面に表示することでユーザーに通知する。表示画面には、表示されている配線長に関する情報がどの子機についてのものであるかを表す情報も併せて表示される。
子機4から親機3への配線長に関する情報の送信は電流信号により行い得る。
【0136】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については説明を省略し、実施の形態1との差異について説明する。
【0137】
図14は、本発明の実施の形態5に係る通信システム1eの構成を示す図である。
図14において、
図1と同一又は類似の部分には同一の符号を付す。
【0138】
実施の形態1では、
図1に示すように、情報処理端末2が無線又は有線の通信チャンネル6を介して親機3と接続されており、ユーザーが情報処理端末2に通信線情報を入力し、情報処理端末2からインピーダンス情報が親機3を介して子機4に伝送される。実施の形態5では、親機3が、図示しない入力手段を備え、該入力手段をユーザーが操作することにより、
図14に示すように、ユーザーが通信線情報又はインピーダンス情報を直接(即ち、情報処理端末2を介さずに)親機3に入力することが可能なように構成されている。
【0139】
親機3に通信線情報が入力される場合、親機3が通信線情報に基づいてインピーダンス情報を生成する機能を有する必要がある。この場合、例えば、通信線情報に対応付けてインピーダンス情報を記憶しておけば良い。ここで言う通信線情報は、例えば、線種及び線径を表す情報である。
【0140】
なお、上記の例では、親機3が備える入力手段を用いることで、
図14に示すように、ユーザーが通信線情報又はインピーダンス情報を直接(即ち、情報処理端末2を介さずに)親機3に入力することができるように構成されているが、親機3に予めインピーダンス情報を記憶させておくこととしても良い。
「予めインピーダンス情報を記憶させておく」とは、例えば、工事開始に先立ち、インピーダンス情報を入力し、記憶させておくことを意味する。
【0141】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6について説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については説明を省略し、実施の形態1との差異について説明する。
【0142】
図15は、本発明の実施の形態6に係る通信システム1fの構成を示す図である。
図15において、
図1と同一又は類似の部分には同一の符号を付す。
【0143】
実施の形態1では、
図1に示すように、情報処理端末2が無線又は有線の通信チャンネル6を介して親機3と接続されており、ユーザーが入力した通信線5のインピーダンス情報が、情報処理端末2から親機3を介して各子機4に送信されている。これに対して、実施の形態6では、
図15に示すように、情報処理端末2と子機4とが無線又は有線の通信チャンネル7により接続され、情報処理端末2が通信チャンネル7を介して直接子機4と通信することができるようになっている。そして、ユーザーが情報処理端末2に通信線5の通信線情報又はインピーダンス情報を入力すると、情報処理端末2は、インピーダンス情報を通信チャンネル7を介して子機4に直接送信する。
【0144】
ユーザーが通信線情報を入力する場合、情報処理端末2が通信線情報をインピーダンス情報に変換して子機4に送信する。ユーザーがインピーダンス情報を入力する場合、情報処理端末2が入力されたインピーダンス情報をそのまま子機4に送信する。
【0145】
このような構成の場合、実施の形態4と同様に、情報処理端末2の表示画面で、配線長に関する情報のユーザーへの通知を行うこととしても良い。
【0146】
この場合、子機4が算出した配線長に関する情報を、通信チャンネル7を介して情報処理端末2に送信し、情報処理端末2が受信した配線長に関する情報をその表示画面に表示することでユーザーに通知する。
配線長に関する情報は、配線長を表す情報であってもよく、配線長が仕様範囲内か否かを表す情報であっても良い。
【0147】
また、配線長が仕様範囲外であることが通知された場合、ユーザーが、情報処理端末2から子機4にアクセスし、算出した配線長を表す情報を情報処理端末2に送信させるようにしてもよい。
【0148】
なおまた、子機4の各々が、ユーザーから通信線情報又はインピーダンス情報を直接入力できる手段を備えている場合、或は予めインピーダンス情報を記憶している場合、情報処理端末2は設けなくてもよい。
【0149】
以上実施の形態4、5及び6を実施の形態1に対する変形として説明したが、実施の形態2及び3に対しても同様の変形を加え得る。
【0150】
以上本発明を制御装置として説明したが、上記の制御装置で実施される制御方法もまた本発明の一部を成す。また、上記の制御装置の処理部はマイコンで構成されているが、該マイコンに処理を実行させるプログラム、及び該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体もまた本発明の一部を成す。