(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動画撮影した映像に対して前記フォーカスレンズの位置を前記動画撮影のフレームごとに関連付けて記録する記録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
前記特定手段は、前記ヒストグラムの解析結果から最遠の距離ゾーンの度数を除外して前記主被写体距離ゾーンを特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
前記フォーカスレンズを低速で駆動する際に、光または音声により低速駆動であることを告知する告知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラのシステム構成の概略を示すブロック図である。なお、本実施形態では、撮像装置の一例として、レンズ交換式でないデジタルカメラを例示するが、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置であってもよい。
【0015】
図1において、制御部101は、CPU、ROM、RAM等を備え、デジタルカメラ100(以下、カメラ100という。)の各ブロックを制御する。操作部102は、レリーズボタン等の各種操作部材を含み、ユーザからの操作を受け付ける。撮像部103は、フォーカスレンズやズームレンズを含む撮影光学系を通過して結像した被写体像を光電変換して画像信号を生成する撮像素子を備える。撮像素子は、撮像面位相差方式の撮像素子であり、被写体距離に関するAF評価値は、画像処理部104を介して出力される。AF評価値についての詳細は、後述する。
【0016】
画像処理部104は、撮像部103の出力画像信号に対して各種の画像処理を施す。また、画像処理部104は、撮像部103の出力画像信号の任意の画素に対し、無信号を表す無信号情報(例えば、黒を表す情報)を付加する機能を有する。符号化処理部106は、撮像部103で撮像され、画像処理部104で所定の処理が施された画像信号を符号化する。メモリ105は、カメラ100のユーザ設定情報及び撮影画像等を一時的に記憶する。表示部110は、表示制御部111により制御され、撮像部103の出力画像、及びカメラ100の状態等を表す情報等を表示する。
【0017】
外部記憶媒体121は、カメラ100に着脱自在であり、主に撮影画像データが記録される。記録再生部120は、外部記憶媒体121への画像データの記録/読み出しを制御する。画像出力部130は、撮像部103の出力画像信号、画像処理部104の出力画像信号、メモリ105に記憶される画像信号、及び記録媒体121から読み出された画像信号を外部機器に出力する。距離判定部132は、後述するAF評価値からAF枠(焦点検出領域)毎の被写体距離を検出する。
【0018】
通信部131は、外部機器からの制御信号や静止画像データ、動画像データ等を受信するためのものであり、例えば、無線LAN、有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)等であってよく、通信方式は特に限定されない。また、例えば画像出力部130の端子がHDMI(登録商標)端子であれば、その端子を介してCEC(Consumer Ele ctronics Control)通信を行うものであってもよい。ここで、外部装置は、デジタルカメラ100と通信を行うことができるものであれば、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクタ、携帯電話、スマートフォン、ハードディスクレコーダ、ゲーム機、リモコン等、どのようなものであってもよい。
【0019】
次に、
図2及び
図3を参照して、AF評価値情報について説明する。
図2は、カメラ100の撮影動作を説明するフローチャートである。
図2の各処理は、制御部101のROM等に記憶されたプログラムがRAMに展開されてCPU等により実行される。
【0020】
図2において、ステップS201では、制御部101は、レリーズボタンが半押し操作等されてレリーズスイッチSW1がオンされると、ステップS202に進む。ステップS202では、制御部101は、フォーカスレンズの移動範囲を設定し、ステップS203に進む。ここでは、制御部101は、まず、撮影画角内を所定のサイズ毎に複数のAF枠で分割し、各AF枠の被写体との距離を測距する。
【0021】
図3は、典型的な撮影シーンである集合写真を説明する図であり、表示部110に表示される映像と同じ映像である。撮像部103で撮影された
図3の映像は、画像処理部104により7×7のAF枠に分割され、AF枠毎にAF評価値が距離判定部132に渡される。距離判定部132では、AF評価値からAF枠毎の被写体距離が検出される。
【0022】
撮像部103の撮像素子が撮像面位相差方式である場合、AF評価値としてプレディクション値が用いられる。プレディクション値は、瞳分割された撮像素子の2種類の撮像画素のズレ量に相当する情報であり、プレディクション値がゼロであれば、被写体が合焦位置に存在する。プレディクション値は、そのままデフォーカス量(ピントズレ量)を算出することができるため、1回の撮影で、合焦していない被写体の距離を概略算出する事が可能となる。
【0023】
なお、撮像素子以外に位相差AFセンサを別途に備えているデジタルカメラであれば、撮像面位相差方式の撮像素子の場合と同様に、1回の撮影で被写体距離情報をAF枠毎に検出する事が可能である。また、フォーカスレンズを移動させて合焦位置を検出するTVAFの場合であっても同様に、被写体距離情報をAF枠毎に検出する事が可能である。
【0024】
被写体距離情報は、距離判定部132によって、最遠被写体距離と最近被写体距離が求められる。制御部101は、フォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行う際のフォーカスレンズ移動範囲を最遠被写体距離と最近被写体距離の間で設定する。また、制御部101は、その他にもAEのための測光を行うが、その説明は省略する。
【0025】
図2に戻って、ステップS203では、制御部101は、距離ヒストグラムを生成し、ステップS204に進む。ここで、
図4及び
図5を参照して、距離ヒストグラ生成について説明する。
【0026】
距離判定部132でAF枠毎に算出された被写体距離情報は、AF枠毎に関連付けられる。
図4は、
図3に示す集合写真に被写体距離情報を重ねて表示した図である。集合写真では、中央部に主被写体が集合しているが、その周辺のAF枠の被写体を含めると、被写体距離情報は、無限距離まで広範囲にわたる。
【0027】
図2のステップS202で設定されたフォーカスレンズの移動範囲を等速でレンズ移動させる場合、広いレンズ移動範囲では、撮影した動画の1フレーム毎のレンズ移動ピッチが等間隔となるため、距離分解能が一定となる。従来、距離分解能を細かくするために、低速でレンズ移動させており、動画撮影時間が長くなるといった問題が存在した。
【0028】
本実施形態では、動画撮影時間が長くなる従来の問題を解決するため、距離判定部132が
図4のAF枠毎に関連づけられた距離情報のヒストグラム解析を行う。その解析結果として、
図5に示すヒストグラム情報が生成される。集合写真の人物が撮影されるAF枠では、2.1mから3.4mの距離情報の度数が高く、それ以外は、周辺の7mから無限距離の距離情報となる。
【0029】
距離判定部132は、撮像部103のズーム倍率状態と、所定のAF枠、例えば中央のAF枠の測距情報に基づき、被写体距離ゾーンを分割した上で、算出した距離情報の度数を距離ゾーン毎にカウントする。そして、その結果が距離判定部132から制御部101に渡される。ズーム状態に応じた距離ゾーンの分割方法については、後述する。
【0030】
図2に戻って、ステップS204では、制御部101は、受け取った距離ゾーン毎のAF枠数、すなわち被写体の度数が所定のカウント数より多いゾーン(所定の度数以上の距離ゾーン)を低速レンズ駆動範囲に設定し、ステップS205に進む。このとき、制御部101は、背景に相当する最遠の被写体距離、すなわち無限距離ゾーンは、予め低速ゾーンから除外する。ステップS205では、制御部101は、レリーズボタンが全押し操作等されてレリーズスイッチSW2がオンされると、ステップS206に進む。
【0031】
ステップS206では、制御部101は、ステップS202で設定した移動範囲でフォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行い、ステップS207に進む。その際、制御部101は、ステップS204で設定した距離ゾーンでは、フォーカスレンズをより低速で駆動する。
【0032】
低速移動の距離ゾーンでは、細かく焦点距離を変化させた動画映像が取得できるため、1フレーム毎の撮影距離分解能が細かくなり、静止画を抜き出す場合に、被写体に合焦した画像が得られやすい。ここで、制御部101は、撮影した映像にフォーカスレンズ位置を動画撮影のフレーム毎に関連付けてメモリ105に記録する。すなわち、撮影距離が指定されれば、指定された撮影距離にピントが合った動画フレームを選ぶ事が可能となる。
【0033】
ステップS207では、制御部101は、動画撮影後、表示部110のEVF画面に撮影終了時の映像を表示する。そして、制御部101は、撮影者が表示部110の画面上で、焦点を合わせたい被写体をタッチ選択すると、ステップS208に進む。
【0034】
ステップS208では、制御部101は、記録された動画フレーム毎に関連付けられたフォーカスレンズ位置情報とタッチ選択されたAF枠情報とを基に、動画から静止画を抜き出して表示部110に表示すると共に外部記憶媒体121に保存し、処理を終了する。
【0035】
本実施形態では、集合写真において、人物の被写体が多く撮影され、その距離ではフォーカスレンズを低速駆動した動画データが取得されており、細かくピントをズラした画像揃っているため、精度よく一人一人に合焦した映像を抜き出す事ができる。
【0036】
次に、
図6を参照して、ズーム状態によって、距離ゾーンの分割や動画撮影時のフォーカスレンズ移動量の上限値が変わる点について説明する。
図6は、40倍の高倍率なデジタルカメラを例にとり、撮影距離に応じたフォーカスレンズ位置を焦点深度の換算値でプロットしたグラフ図である。
【0037】
図6において、横軸は、被写体までの撮影距離で、30cmの距離から無限距離まで変化させた場合を示し、縦軸は、撮影距離ごとのフォーカスレンズ位置である。ズームがTele状態(最大倍率)の場合の縦軸は左側となり、Wide状態(最小倍率)の場合の縦軸は右側となる。Wide〜Teleのズーム状態を100分割して、70の位置となるMid70のズーム状態では、Teleと同じ左側の縦軸を使用する。
【0038】
図6から判るように、Wide状態では、マクロ距離である30cm未満まで合焦範囲を備えているが、被写体距離が大きく変化しても、フォーカスレンズ位置の移動は、非常に狭い範囲に限られる。被写界深度では、全ての撮影距離範囲で7深度の幅しかない。一般的に被写界深度が1深度以上ズレた場合に、撮影した映像はボケる事が知られている。よって、Wideのズーム状態でフォーカスレンズを移動させながら動画撮影した場合、7フレーム以上撮影すれば、全ての被写体距離に存在する被写体にピントが合った静止画を抜き出す事が、理論的に可能となる。
【0039】
しかし、Teleのズーム状態では違ってくる。
図6で、Teleの深度変化の値を確認すると、2.1mまでの合焦範囲であるが、フォーカスレンズ位置の無限距離から変化量は、284深度分に相当する。ピントずれを考慮して、距離を分割するならば、284フレーム分の動画撮影が必要となる。
【0040】
60フレーム/秒の撮影レートの場合、4秒弱の撮影が必要で、その間に被写体が静止してなければいけないため、集合写真には不適である。Mid70のズーム状態でも同様に、2m〜無限距離までフォーカスレンズを移動させる場合は、100深度分、すなわち2秒弱の撮影が必要になる。
【0041】
次に、動画撮影時間を固定して撮影する事を考える。2秒(60フレーム/秒)の動画撮影時間固定の場合、Wideでは、30cmの被写体から無限遠の背景までフォーカスレンズ位置を移動させながら動画撮影するのに、フレーム毎の距離分解能は0.1深度と高分解能である。逆に、Teleでは、2mから無限遠の背景まで撮影すると、等速レンズ移動だと2.4深度の粗い分解能しかないため、撮影ステップの中間距離に存在する被写体にピントの合った静止画が得られない確率が15%となる。1秒の撮影時間だと、58%の確率と悪化する。
【0042】
本実施形態では、
図2のステップS201で取得した主被写体距離の値からフォーカスレンズの移動速度を制御部101が低速移動速度、高速移動速度とも設定する。全ての撮影距離に被写体が存在すると仮定して、全ての被写体にピントの合った静止画が連続するような動画が撮影されるには、フォーカスレンズの低速移動速度は、毎秒あたり60深度相当のレンズ移動速度値より小さな値である必要である。また、ズーム状態によって1深度相当のレンズ位置が異なる。つまり、高速移動速度の場合も、ズーム状態によって速度変更が必要である。
【0043】
図7を参照して、フォーカスレンズの移動速度の具体的な設定例について説明する。
図7は、ズーム状態に合わせて、距離ゾーンの分割数とレンズ移動速度との制御テーブルを示す図である。制御部101は、撮像部103から取得したズーム状態から距離ゾーンの分割幅を設定する。距離ゾーンの分割幅は、10深度に相当する幅となるよう設定するためTeleの場合、28分割されるが、Wideの場合は、分割数がゼロとなり、全ての距離が同じゾーンとなる。
【0044】
主被写体が検出された距離ゾーンで設定される低速移動速度は、毎秒100深度相当の移動速度を設定する。その速度でフォーカスレンズを移動させれば、その距離ゾーンに存在する全ての主被写体は、動画撮影した何れかのフレームで必ず合焦する事になる。主被写体以外の距離ゾーンでは、高速移動(
図7のレンズ移動速度の値)する。例えば、Mid70では、距離ゾーンは10個設定される。
【0045】
図4で検出された被写体距離情報によれば、2つの距離ゾーンが
図5の通り、主被写体距離ゾーンとして選択される。それ以外の距離ゾーン(8個)では、高速なフォーカスレンズ移動速度が設定されるため、2m〜無限距離までの動画撮影条件の場合、約1.14秒の撮影時間となる。よって、主被写体の全てに合焦した静止画を保証するために、従来、等速でフォーカスレンズを移動させた場合では、3.8秒かかっていたのと比べて、大幅に撮影時間が短縮できる。
【0046】
図8は、撮影開始から終了、及び静止画抜き出しまでのフォーカスレンズ位置の変化を
図2のステップS201〜ステップS208に対応させて説明するタイムチャート図である。
図8において、レリーズスイッチSW1がオンされると(ステップS201)、フォーカスレンズは、表示部110のEVF画面にライブビュー状態の合焦位置にある。次に、1回撮影画像を取り込んで撮像部103の撮像素子により測距を行う事は前述した通りである。
【0047】
そして、測距結果からレンズ移動範囲を設定し(ステップS202)、距離ヒストグラム生成(ステップS203)から低速移動範囲設定(ステップS204)までの動画撮影条件設定までフォーカスレンズは移動しない。レリーズスイッチSW2がオンされると(ステップS205)、フォーカスレンズは移動を開始する。
【0048】
フォーカスレンズが最遠距離の位置まで移動した後に、動画撮影と記録を開始し、フォーカスレンズが主被写体距離ゾーンに入ったら、低速移動に切り換わる。その後、フォーカスレンズが主被写体距離ゾーンを抜けた段階で、高速移動速度に戻り、最近被写体距離位置までフォーカスレンズが移動した後、撮影と記録が終了する。
【0049】
その後、撮影者による被写体(AF枠)の指定(ステップS207)と、静止画抜き出し(ステップS208)が完了するまで、フォーカスレンズは停止する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、AF枠毎に測距した情報を用いて、距離のヒストグラム解析を行い、被写体が多く存在する距離ゾーンを特定してフォーカスレンズを低速に移動させながら動画撮影を行う。これにより、撮影した距離ゾーンでの距離分解能が向上し、指定した被写体に合焦した静止画を精度よく抜き出す事が可能となる。
【0051】
なお、本実施形態では、背景に相当する最遠の被写体距離、すなわち無限距離ゾーンは、予め低速ゾーンから除外していたが、撮影者の意図に合わせて、背景に焦点を合わせた静止画を取り出したいシーンが存在する。この場合、撮影シーンをメニュー画面等で選択し、距離ゾーン毎に主被写体距離ゾーン判定を有効/無効に予め設定しておくことが考えられる。
【0052】
また、本実施形態では、分布の多い距離ゾーンが連続していたが、室内での自撮りシーンのように、撮影者と、背景の静止物のそれぞれにピントが合った静止画を抜き出したい事がある。そのために、被写体距離が離散的に分布していても、距離ゾーン毎に低速/高速を複数回切り換える手段を備えておくことが考えられる。
【0053】
また、主被写体距離ゾーンと判定するためのヒストグラムの度数の閾値は、撮影者が自由に操作メニューで設定できるような構成であっても良いし、距離ゾーンに応じて、異なる閾値を設定するようにしてもよい。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、
図9を参照して、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。
図9は、本実施形態のデジタルカメラのシステム構成の概略を示すブロック図である。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態と重複する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
上記第1の実施形態では、主被写体の存在する距離ゾーンを設定し、低速でフォーカスレンズを移動させても、1秒前後の撮影時間が必要な事を説明した。集合写真の場合、主被写体となる人物が、撮影時間中に静止している事は、集中力を要するために、何らかの補助が必要である。
【0056】
本実施形態では、
図9に示すように、
図8で示したフォーカスレンズの低速移動時間に、被写体に低速移動中である事を告知するための低速告知部133を備えた点に特徴がある。
【0057】
低速告知部133は、撮像部103の撮像光学系の正面側(被写体側)のレンズ前面に設置しておき、被写体側が認識しやすい手段であれば、発光部や音声であっても良い。さらに、測光用の発光部を低速告知部133として使用してもよい。その他の構成、及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0058】
(第3の実施形態)
次に、
図10乃至
図13を参照して、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。
図10は、本実施形態のデジタルカメラのシステム構成の概略を示すブロック図である。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態と重複する部分については、図及び符号を流用しつつ主に相違点について説明する。
【0059】
本実施形態は、
図10に示すように、距離判定部132の情報を利用してAF枠毎の合焦判定を行う合焦判定部134を備えた点に特徴がある。
【0060】
図11は、AF枠毎の合焦判定を行う撮影動作を説明するフローチャートである。
図11の各処理は、制御部101のROM等に記憶されたプログラムがRAMに展開されてCPU等により実行される。
【0061】
図11において、ステップS1101では、制御部101は、操作部102のレリーズボタンが半押し操作等されてレリーズスイッチSW1がオンされると、ステップS1102に進む。ステップS1102では、制御部101は、フォーカスレンズの移動範囲を設定し、ステップS1103に進む。具体的には、まず、撮影画角内を所定のサイズ毎に複数のAF枠で分割し、各AF枠の被写体との距離を測距する。被写体距離情報は、距離判定部132によって、最遠被写体距離と最近被写体距離が求められる。そして、フォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行う際のフォーカスレンズの移動範囲を最遠被写体距離と最近被写体距離の間で設定する。
【0062】
ステップS1103では、制御部101は、距離判定部132で算出した被写体距離情報が合焦許容幅にあるか否かの合焦判定をAF枠毎に行い、ステップS1104に進む。ステップS1104では、制御部101は、ステップS1103での合焦判定結果を表示部110に表示される映像に重ねて表示し、ステップS1105に進む。ステップS1103での合焦判定結果を表示部110に表示される撮影画像に重ねて表示することで、合焦させたい被写体が非合焦状態だった場合に、撮影者による撮影条件の見直しや構図の変更が可能になる。
【0063】
ステップS1105では、制御部101は、操作部102のレリーズボタンが全押し操作等されてレリーズスイッチSW2がオンされると、ステップS1106に進む。ステップS1106では、制御部101は、ステップS1102にて設定されたフォーカスレンズの移動範囲でフォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行い、ステップS1107に進む。動画撮影時には、撮影した映像にフォーカスレンズ位置を動画撮影のフレーム毎に関連付けてメモリ105に記録する。すなわち、撮影距離が指定されれば、指定された撮影距離にピントが合った動画フレームを選ぶ事が可能となる。
【0064】
ステップS1107では、制御部101は、動画撮影後、表示部110のEVF画面に撮影終了時の映像とその映像に重ねてステップS1103での合焦判定結果を表示し、ステップS1108に進む。合焦判定結果を表示させることで、撮影者は、合焦したAF枠の画像のみ選択することが可能になり、無駄な静止画像の抜き出しが無くなる。
【0065】
ステップS1108では、制御部101は、撮影者が表示部110の画面上で焦点を合わせたい被写体をタッチ選択すると、ステップS1109に進む。ステップS1109では、制御部101は、記録された動画フレーム毎に関連付けられたフォーカスレンズ位置情報とタッチ選択されたAF枠情報を基に、動画から静止画を抜き出して表示部110に表示すると共に外部記憶媒体121に画像情報を保存する。
【0066】
図12は、
図11のステップS1103で行うAF枠毎の合焦判定結果を撮影した映像と重ねて表示した模式図である。
図11のステップS1101の測距時に取得した被写体距離情報が合焦許容幅にあるかどうかの判定をAF枠毎に行い、その結果をAF枠毎に関連付ける。関連付けられた合焦判定結果を基に、
図11のステップS1104とステップS1107の合焦判定結果の表示時に表示部110のEVF画面に表示される。
【0067】
次に、
図13を参照して、
図11のステップS1104の合焦判定結果の表示例を説明する。
図13は、
図11のステップS1103の合焦判定で合焦と判定されたAF枠のみを撮影画像に重ね合わせて表示部110に表示した模式図である。
【0068】
図13に示すように、
図11のステップS1104における動画撮影前の合焦判定結果の表示時に合焦ポイントが無いAF枠を確認出来るため、撮影者は、撮影条件の見直しや構図の変更の判断が容易になる。また、
図11のステップS1107における静止画抜出し前の合焦判定結果の表示時に、非合焦のAF枠は表示されないため、撮影者は、静止画抜出の判断が容易になる。
【0069】
このように、本実施形態では、合焦したAF枠のみを表示部110に表示することで、撮影者は、容易に撮影の判断、又は静止画抜出の判断をすることが可能になる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、
図14及び
図15を参照して、本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。なお、本実施形態では、上記第1の実施形態と重複する部分については、図及び符号を流用しつつ主に相違点について説明する。
【0071】
図14は、AF枠毎の合焦判定を行う撮影動作を説明するフローチャートである。
図14の各処理は、制御部101のROM等に記憶されたプログラムがRAMに展開されてCPU等により実行される。
【0072】
図14において、ステップS1401では、制御部101は、操作部102のレリーズボタンが半押し操作等されてレリーズスイッチSW1がオンされると、ステップS1402に進む。ステップS1402では、制御部101は、フォーカスレンズの移動範囲を設定し、ステップS1403に進む。具体的には、まず、撮影画角内を所定のサイズ毎に複数のAF枠で分割し、各AF枠の被写体との距離を測距する。被写体距離情報は、距離判定部132によって最遠被写体距離と最近被写体距離が求められる。そして、フォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行う際の、フォーカスレンズ移動範囲を最遠被写体距離と最近被写体距離の間で設定する。
【0073】
ステップS1403では、制御部101は、撮影画角内において画像処理部104の顔検出手段による顔検出を行い、フォーカスレンズ移動範囲内の距離に存在する人物の顔を抽出する。そして、制御部101は、フォーカスレンズ移動範囲内の距離に人物の顔が検出された場合は、ステップS1404に進む。ステップS1404では、制御部101は、顔が検出された距離に該当する距離ゾーンを低速移動に設定し、残りの距離ゾーンを高速移動に設定し、ステップS1405に進む。なお、距離ゾーンの分割に関しては、上記第1の実施形態と同様である。
【0074】
ステップS1405では、制御部101は、操作部102のレリーズボタンが全押し操作等されてレリーズスイッチSW2がオンされると、ステップS1406に進む。ステップS1106では、制御部101は、ステップS1402にて設定されたフォーカスレンズの移動範囲でフォーカスレンズを移動させながら動画撮影を行い、ステップS1407に進む。動画撮影時には、撮影した映像にフォーカスレンズ位置を動画撮影のフレーム毎に関連付けてメモリ105に記録する。すなわち、撮影距離が指定されれば、指定された撮影距離にピントが合った動画フレームを選ぶ事が可能となる。
【0075】
ステップS1407では、制御部101は、動画撮影後、表示部110のEVF画面に撮影終了時の映像を表示し、撮影者が表示部110の画面上で焦点を合わせたい被写体をタッチ選択すると、ステップS1408に進む。ステップS1408では、制御部101は、記録された動画フレーム毎に関連付けられたフォーカスレンズ位置情報とタッチ選択されたAF枠情報を基に、動画から静止画を抜き出して表示部110に表示すると共に外部記憶媒体121に画像情報を保存する。
【0076】
図15は、
図14のステップS1401からステップS1408の顔検出が行われた際のフォーカスレンズ位置変化を模式的に示す図である。レリーズスイッチSW1がオンされたとき(ステップS1401)では、フォーカスレンズは、ライブビュー状態(EVF画面表示)の合焦位置にある。
【0077】
次に、1回撮影画像を取り込んで撮像面位相差方式の撮像素子により、測距を行う事は前述した通りである。測距結果からレンズ移動範囲を設定(ステップS1402)する。そして、次に撮影画像から顔検出を行い(ステップS1403)、レンズ移動範囲内の顔1501,1502を検出し、顔検出がされた距離の距離ゾーン1503,1504に対して低速移動設定(ステップS1404)を行う。
【0078】
そして、レリーズスイッチSW2がオンされると(ステップS1405)、フォーカスレンズは移動を開始し、最遠距離のフォーカスレンズ位置の位置まで移動した後に、動画撮影と記録を開始する。フォーカスレンズが顔検出距離ゾーン1503の位置に入ったら、フォーカスレンズは低速移動に切り換わる。
【0079】
その後、フォーカスレンズは、顔検出距離ゾーンを抜けた段階で、高速移動に戻り、再度顔検出距離ゾーン1504に入ったら低速移動に切り替わる。最近被写体距離位置までフォーカスレンズが移動した後、撮影と記録が終了する(ステップS1406)。その後、撮影者による被写体(AF枠)の指定(ステップS1407)と静止画抜き出しが完了(ステップS1408)するまで、フォーカスレンズは停止する。
【0080】
このように、本実施形態では、顔が検出された焦点距離付近ではフォーカスを低速駆動させて動画撮影するので、撮影した距離ゾーンでの距離分解能があがり、指定した被写体にピントの合った静止画を精度よく抜き出す事が可能となる。また、同一の顔にピントの合った画像が増えるので、目つぶり等の撮影失敗を軽減する事が出来る。
【0081】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0082】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。