(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に本実施形態の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。
【0010】
表示部28は画像や各種情報を表示する表示部28を備えると共に、タッチパネル70aを備えている。ファインダ内表示部58は表示部28と同様に画像や各種情報を表示する事が可能な電子ビューファインダである。接眼センサ57はファインダ16(接近部、ファインダ部)への物体の接近を検知する接眼センサであり、接眼の有無により表示部28とファインダ内表示部58の表示出力先を切り替える。例えば、ユーザがファインダ16を覗こうとして、目を近づけると、接眼センサ57が物体の接近を検知し、表示部28からファインダ内表示部58へと表示を切り替えることができる(視認可能になる)。なお、本実施例において接近とは接触を含む。
【0011】
シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は、パーソナルコンピュータやプリンタなどの外部機器と接続するための接続ケーブル111とデジタルカメラ100とのコネクタである。
【0012】
操作部70(操作検知)はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、及びタッチパネル70a等の操作部材より成る操作部である。コントローラーホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。操作部70には、メニューボタンや再生ボタン(不図示)も含まれる。
【0013】
記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となり、記録や再生が可能となる。蓋202は記録媒体スロット201の蓋である。図においては、蓋202を開けてスロット201から記録媒体200の一部を取り出して露出させた状態を示している。
【0014】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。
【0015】
シャッター101は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。撮像部22とはじめとする、上述の撮像に関する構成は、通常の状態では起動し、撮像画像(ライブビュー画像)を出力しているが、節電状態になると起動が停止する。
【0016】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0017】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0018】
D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28またはファインダ内表示部58により表示される。表示部28またはファインダ内表示部58は、LCDや有機EL等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。システム制御部50は、表示部28とファインダ内表示部58のいずれに表示するかを切り替えることができる。なお、ファインダ内表示部58は、電子ビューファインダとして説明をするが、電子ビューファインダではなく、光学ファインダでもよい。光学ファインダの場合には、ミラーがアップすることにより、表示部28へ撮像画像が表示されるようになり、ミラーがダウンすると、光学像がファインダを介して視認可能になる。さらに、光学ファインダの場合には、ファインダ内表示部は、液晶パネルの表示部であり、撮影の設定値やAF枠等を光学像と重畳して確認することができる。
【0019】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムのことである。
【0020】
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御すると共に、接眼センサ57の接眼検知情報も踏まえ表示部28及びファインダ内表示部58への表示制御も行う。
【0021】
システムタイマ53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。システムタイマ53は、節電用のタイマや、接眼センサ用のタイマの計時を行う。
【0022】
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ60でメニューボタンに一旦切り換えた後に、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0023】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0025】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。また、操作部70にはタッチパネル70aが含まれる。
【0026】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源スイッチ72はデジタルカメラ100の電源のONとOFFを切り替え可能なスイッチである。
【0027】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。
【0028】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
【0029】
ユーザは、ファインダ16を覗きこむと、ファインダ内表示部58に表示された被写体を見ることができる(視認可能)。接眼センサ57は、物体が1センチや2センチ等の所定距離より近い距離(所定距離以内)に接近していることを検知するための物体検知手段(接眼検知手段)である。例えばユーザがファインダ16に目を近付け(接眼部を覗きこむようにする)、接眼センサ57が物体(目)の接近を検知すると、表示部28からファインダ内表示部58に表示が切り替わり、ユーザは被写体の様子を見ることができる。また、接眼センサ57は所定距離以上物体(目)が離れたことを検知すると、ファインダ内表示部58からアイテム等の表示を非表示にし、表示部28に表示を切り替える。
【0030】
なお操作部70にタッチパネル70aが含まれる場合、システム制御部50はタッチパネルへの以下の操作。あるいは状態を検出できる。
・タッチパネルにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネルにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch−Down)と称する。)
・タッチパネルを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と称する)。
・タッチパネルを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と称する)。
・タッチパネルへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch−Up)と称する)。
・タッチパネルに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と称する)。
【0031】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0032】
これらの操作・状態や、タッチパネル上に指やペンがタッチしている位置座標はシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル上にどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行なわれたと判定するものとする。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
【0033】
<第1実施形態>
次に、
図3を用いて第1実施形態における省電移行処理について説明をする。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。なお、この処理は、デジタルカメラ100に電源が入ると開始する。
【0034】
S301では、システム制御部50は、撮像部22の撮像の駆動を開始する。
【0035】
S302では、システム制御部50は、ファインダ外にある背面の表示パネルである表示部28への表示へ、撮像部22により取得された撮像画像(ライブビュー画像、LV画像)を表示する。また、撮像画像と共にシャッター速度やISO感度といった撮影に関する情報を表示する。なお、メニューボタンが押下された場合はメニュー画面、再生モードへ切り替えられた場合は再生画面を表示する。
【0036】
S303では、システム制御部50は、接眼センサ57をONにする。接眼センサ57をONにすると、ファインダ16への物体の接近、または接近した状態から離れたことを検知可能になる。接眼センサ57がOFFになるとファインダ16へ物体の接近は検知しない。接眼センサ57がONかOFFかは、システムメモリ52に記録する。
【0037】
S304では、システム制御部50は、節電タイマLをリセットし、節電タイマLのカウントを開始する。節電タイマLは、システムタイマ53により計時され、計時時間はシステムメモリ52に逐次記録される。節電タイマLの時間はメニュー画面において設定可能であり、30秒から3分まで30秒ごとに設定可能である。
【0038】
S305では、システム制御部50は、接眼センサタイマCをリセットし、接眼センサタイマCのカウントを開始する。接眼センサタイマCは、システムタイマ53により計時され、計時時間はシステムメモリ52に逐次記録される。接眼センサタイマCの時間はメニュー画面において設定可能であり、30秒から3分まで30秒ごとに設定可能である。
【0039】
S306では、システム制御部50は、接眼センサ57がONの状態であるか否かを判定する。接眼センサ57がONであると判定した場合は、S307へ進み、そうでない場合は、S311へ進む。
【0040】
S307では、システム制御部50は、接眼センサ57がファインダ16への物体の接近を検知したか否かを判定する。物体の接近を検知したと判定した場合は、S308へ進み、そうでない場合は、S309へ進む。なお、S307の判定は、ユーザによる表示切替操作によっても受け付け可能である。ユーザは、表示先の切り替えの方法として、接眼センサ57による検知結果を優先するオートモードと、ユーザのボタン操作での切り替え指示を優先にするマニュアルモードとを選択することができる。
【0041】
S308では、システム制御部50は、表示部28への表示をOFFにし、ファインダ内表示部58の表示をONにする。すなわち、ライブビュー画像を表示部28に表示していた場合には、ライブビュー画像の表示を表示部28からファインダ内表示部58に切り替える。なお、マニュアルモードの場合には、表示先が表示部28であると、接眼センサ57をOFFにしているので、ユーザがファインダ16を覗いてもS308、S310の処理は行わない。
【0042】
S309では、システム制御部50は、表示部への表示をONにし、ファインダ内表示部58の表示をOFFにする。すなわち、ライブビュー画像をファインダ内表示部58に表示していた場合には、ライブビュー画像の表示をファインダ内表示部58から表示部28に切り替える。
【0043】
S310では、システム制御部50は、節電タイマLをリセットし、節電タイマLのカウントを開始する。
【0044】
S311では、システム制御部50は、キー操作があったか否かを判定する。キー操作には、操作部70のうち、タッチパネル70aへのタッチ操作を含まないボタン操作、シャッターボタン61、電源スイッチ72への操作が含まれる。キー操作があったと判定した場合は、S312へ進み、そうでない場合は、S316へ進む。
【0045】
S312では、システム制御部50は、S311において判定された操作が撮影指示、すなわち、シャッターボタン61への押下であったか否かを判定する。撮影指示がされたと判定した場合は、S313へ進み、そうでない場合は、S314へ進む。
【0046】
S313では、システム制御部50は、撮影を行う。つまり、撮像部22により取得された撮像画像を記録媒体200に記録する。
【0047】
S314では、システム制御部50は、省電移行処理を終了するか否かを判定する。つまり、S311において判定されたキー操作において、電源スイッチ72の押下がされ、デジタルカメラ100の電源がOFFにされたか否かを判定する。省電移行処理を終了すると判定した場合は、終了し、そうでない場合は、S315へ進む。
【0048】
S315では、システム制御部50は、S311において判定されたキー操作に対応する処理を行う。S311において、モード切り替えスイッチ60が操作された場合には、モードを切り替え、コントローラーホイール73への回転操作がされた場合には、撮影項目の設定値の変更などコントローラーホイール73に割りあたっている処理を実行する。S315においては、シャッター速度、ISO感度、ホワイトバランスといった撮影項目の設定値の切り替え、メニュー画面への遷移や再生モードへの遷移等が含まれる。
【0049】
S316では、システム制御部50は、タッチパネル70aへのタッチ操作が検出されたか否かを判定する。タッチパネル70aへのタッチ操作が検出されたと判定した場合は、S317へ進み、そうでない場合は、S318へ進む。
【0050】
S317では、システム制御部50は、表示部が非表示であれば表示状態にし、S316において検出されたタッチ操作に対応する処理を実行する。タッチ操作に対応する処理とは、表示部28またはファインダ内表示部58にライブビュー画像が表示されている場合には、AF位置の設定や撮影項目の設定値の変更である。メニュー画面や再生画面が表示されている場合には、メニュー項目や設定値の選択や画像の拡大、切り替え操作等である。
【0051】
S318では、システム制御部50は、接眼センサ57がONであるか否かを判定する。接眼センサ57がONであると判定した場合は、S319へ進み、そうでない場合は、S325へ進む。
【0052】
S319では、システム制御部50は、接眼センサタイマCがタイムアウト、すなわち設定された所定時間経過したか否かを判定する。接眼センサタイマCは、接眼センサ57による物体の接近の検知の有無に関わらず、ユーザからのキー操作またはタッチ操作が所定時間なければタイムアウトする。接眼センサタイマCがタイムアウトしたと判定した場合は、S320へ進み、そうでない場合は、S323へ進む。
【0053】
S320では、システム制御部50は、S307と同様に接眼センサ57が物体の接近を検知したか否かを判定する。物体の接近と検知したと判定した場合は、S321へ進み、そうでない場合は、S322へ進む。
【0054】
S321では、システム制御部50は、ファインダ内表示部58の表示を非表示にする。接眼センサタイマCがS319においてタイムアウトしたので、ユーザがファインダ16を覗いていてもファインダ内表示部58の表示を非表示にする。一方で、接眼センサタイマCがタイムアウトしても、そもそもユーザがファインダ16を覗いておらず背面の表示部28を見ていた場合(もしくは接眼検知していない場合)には、表示部28の表示は非表示にしない。すなわち、接眼センサタイマCがタイムアウトした場合は、節電タイマLがタイムアウトした場合とは異なり、ファインダ16への表示とS322で後述する接眼センサ57の検知の2つを行わないようにする。
【0055】
S322では、システム制御部50は、接眼センサ57の検知を停止する(無効)。すなわち、ファインダ16へ物体が接近、もしくは接近状態から離れていく状態があっても、接眼センサ57の検知が停止しているのでその検知はされなくなる。このように、S319において接眼センサタイマCがタイムアウトして接眼センサ57の検知を停止すると、ファインダ16にユーザの腹部があたっていても、接眼センサ57が物体の接近を検知しない。よって、ユーザがデジタルカメラ100を首からかけた状態で、ファインダ16に腹部が当たっていても、接眼センサ57による物体の接近が検知されないので、節電タイマLがリセットされることなく、カウントが継続される。接眼センサ57の検知が停止されないと、なかなか節電状態に移行せず、消費電力が増大するが、接眼センサ57の検知を停止することにより節電状態に入りやすくなる。また、接眼センサタイマCを設けることなく、初めから節電タイマLを接眼センサ57の検知に応じてリセットしないようにすることも考えられる。しかし、ユーザがファインダ16を覗いているが操作をしていない場合に、すぐに節電状態に入ってしまうと、ユーザは節電状態に入らないようにするためにわざわざ不要な操作を行わなければならなくなる。もしくは、撮影機会を待っているのに、意図せず節電状態になってしまい結局節電状態から復帰している間に撮影機会を逃す可能性もある。なお、接眼センサ57の検知を停止しなくても、接眼センサ57の検知をシステム制御部50が無視するようにしてもよい。
【0056】
S323では、システム制御部50は、接眼センサタイマCがタイムアウトする5秒前(所定時間前)であるか否かを判定する。5秒前であると判定した場合は、S324へ進み、そうでない場合は、S325へ進む。
【0057】
S324では、システム制御部50は、ファインダ内表示部58の表示がされなくなる旨を示すガイドをファインダ内表示部58にもともと表示していた画像に重畳して表示する。ガイドの内容は、ファインダーの表示を消します、ボタン操作すると表示しますといった内容である。なお、ガイドをしては接眼センサ57が無効になる旨を示してもよい。ファインダ内表示部58にライブビュー画像が表示されていた場合はライブビュー画像に、メニュー画面を表示していた場合はメニュー画面に、再生画面を表示していた場合は再生画像に、ガイドを重畳して表示する。
【0058】
S325では、システム制御部50は、節電タイマLがタイムアウトしたか否かを判定する。節電タイマLがタイムアウトしたと判定した場合は、S326へ進み、そうでない場合は、S306へ進む。
【0059】
S326では、システム制御部50は、ファインダ内表示部58、表示部28を共に非表示にし、さらに撮像部22の撮像処理を含む撮像駆動を停止する。S321において既にファインダ内表示部58を非表示にしていた場合は、S326では表示部28のみを非表示にする。ファインダ内表示部58と表示部28とを共に非表示にすると、画像処理部24、メモリ制御部15、D/A変換器13への制御も不要となるので、消費電力が大幅に小さくなる。S321においてファインダ内表示部58を非表示にした場合には、いずれの表示部も非表示になっているが、画像処理部24、メモリ制御部15、D/A変換器13への制御は行うため、消費電力はS326のときほど小さくはならない。ただし、S321において画像処理部24、メモリ制御部15、D/A変換器13の制御を停止してもよいが、再び表示するまでの時間は停止しない場合よりもかかるので、節電状態に移行するまえは上記の構成の制御を全て停止しない方がよい。
【0060】
S327では、システム制御部50は、キー操作があったか否かを判定する。キー操作があったと判定した場合は、S301へ進み、そうでない場合は、S328へ進む。節電状態からは、タッチ操作ではなく、キー操作(または後述する接眼センサ57が有効(ON)な場合には接眼検知)でなければ復帰しないので、キー操作があった場合には、S301に進む。そして、S301において撮像駆動を開始したり、S302で表示部28への表示をしたりする。なお、表示部28への表示でなくても、節電状態から復帰したときに接眼センサ57が物体の接近を検知していた場合には、S302において表示部28に表示することなく、ファインダ内表示部58への表示をしてもよい。
【0061】
S328では、システム制御部50は、接眼センサ57が有効(ON)であるか(検知が停止されていないか)否かを判定する。接眼センサ57が有効(ON)であると判定した場合は、S329へ進み、そうでない場合は、S327へ進む。つまり、接眼センサ57が有効でない場合には、キー操作でしか節電状態から復帰しない。
【0062】
S329では、システム制御部50は、接眼センサタイマCがタイムアウトしたか否かを判定する。S328において接眼センサ57が有効であると判定された場合には、まだ接眼センサタイマCはタイムアウトしていない。節電状態であるが、接眼センサタイマCがまだタイムアウトしていない場合には、S330においてファインダ16への物体の接近を検知する。節電状態であるが、接眼センサ57の検知が停止していない状態は、ユーザが無操作、かつファインダ16を覗いていない状態で構えていた場合に生じる可能性がある。例えばユーザが表示部28に表示されるライブビュー画像を見ながら、撮影機会を待っている場合には、節電状態であるが、接眼センサ57の検知していない状態になりうる。よって、ユーザがファインダ16を覗く操作をした場合には、ユーザがデジタルカメラ100を使用中である状態であると判定する。ユーザがファインダ16を覗かないまま、接眼センサタイマCがタイムアウトした場合には接眼センサ57の検知も停止する。接眼センサタイマCがタイムアウトした場合には、S331へ進み、そうでない場合は、S330へ進む。
【0063】
S330では、システム制御部50は、S307、S320と同様に接眼センサ57が物体の接近を検知したか否かを判定する。物体の接近と検知したと判定した場合は、S301へ進み、節電状態から復帰し、そうでない場合は、S327へ進み、キー操作がされるか、接眼が検知されるのを待つ。
【0064】
S331では、システム制御部50は、接眼センサ57の検知を停止する(無効)。これにより、ファインダ16への接近が検知されたことにより、節電状態から復帰することがなくなる。S328で接眼センサ57は有効であると判定された場合には、ユーザが無操作、かつファインダ16を覗いていない状態で構えていた可能性が高いとしたが、接眼センサ57が無効になったので、ユーザがデジタルカメラ100を保持せずに置いていた可能性が高い。よって、節電状態からユーザがファインダ16を覗いても復帰せず、キー操作で復帰できるようにするようにする。これにより、不用意に節電状態から復帰しなくなるので、省電が大きくなる。さらに、節電機能は、キー操作及び接眼センサがONの際の接眼検知により(通常の状態へ)復帰するが、S331の節電状態から更に一定時間、キー操作が行われなかった場合には撮像装置自体の電源をOFFとするオートパワーオフを備える構成としてもよい。
【0065】
以上、説明した実施形態によれば、ユーザの操作性を低下させることなく、かつユーザの意図しないまま電力を大量に消費する可能性を低減することができる。首や肩からデジタルカメラ100をかけ、ユーザが無操作状態である場合に、ファインダ16への物体の接近が検知されていたとしても、節電状態に移行することができるので、ユーザの意図しないまま電力が大量に消費されてしまうことがない。節電状態へ移行するタイマを接眼検知に応じてリセットすると、ファインダ16への物体の接近が検知される限り、なかなか節電状態に移行できないが、接眼センサタイマCを設けることで、節電状態へ移行することができる。また、接眼センサタイマCを設けず、節電状態への移行に接眼センサ57の検知を考慮しないようにすると、ユーザが無操作でファインダ16を覗いたり、表示部28の表示をみたりしているのに、節電状態になってしまう。
【0066】
なお、S316で検知したタッチは、タッチパネル70aへのタッチが所定面積以上であるラージオブジェクトの場合には、タッチがされなかったと判定するようにしてもよい。つまり、ユーザの腹部等のある程度面積の大きな物体がタッチパネル70aに接触した場合には、ユーザの意図していないタッチであるとして、S316の判定をNoとしてもよい。
【0067】
また、ファインダ16を覗きながら、タッチパネル70aへのタッチ操作をしてAF位置の移動等するタッチパッド操作を受け付けている状態においては、タッチ操作によるタイマのリセットはしないようにしてもよい。
【0068】
また、ファインダ16への物体の接近の検知は接眼センサ57で行うものとして説明をしたが、タッチパネル70aにおいて物体の接近を検知するようにしてもよい。
【0069】
次に
図4〜
図7を用いて、上述の第1実施形態の具体例を説明する。
図4〜
図7は、それぞれ横軸に時間を示しており、出力先として表示部28、ファインダ内表示部58、撮像駆動のON、OFFを示している。さらに、節電タイマLと接眼センサタイマCの時間も示しており、それぞれ残り時間が0になると、節電状態、接眼センサOFFの状態になる。
【0070】
図4(a)、(b)は、節電タイマLと接眼センサタイマCとがそれぞれタイムアウトしていく様子を示している。
図4(a)は、ユーザがファインダ16を時間t3で覗た状態を示しており、時間t1においてキー操作もしくはタッチ操作がされると、節電タイマL、接眼センサタイマCとがリセットされ、t2までの時間経過に応じて再びカウントされていくことを示している。さらにt2において、キー操作もしくはタッチ操作がされると各タイマがリセットされるが、その後操作がされないと各タイマはタイムアウトしていく。
図4(b)は、ユーザがファインダ16を覗いている状態を示しており、時間t3に接眼検知されると表示先が表示部28からファインダ内表示部58に切り替わる。また、時間t4においては、無操作の時間が、接眼センサタイマC経過しておらず(第1の時間未満とする)、さらに節電タイマL経過もしていない(第2の時間未満とする)ので、接眼が検知されると、節電タイマLはリセットされる。さらに、時間t4においてキー操作またはタッチ操作がされると、接眼センサタイマCがリセットされる。このとき、節電タイマLは、接眼が検知されているので、カウントされない。時間t5においてキー操作またはタッチ操作がされた後、時間t6まで無操作(無操作が第1の時間以上経過)であると、接眼センサタイマCがタイムアウトする。時間t5から時間t6においては、接眼が検知されているので、節電タイマLはカウントされない。時間t6において接眼センサタイマCがタイムアウトすると、接眼センサ57がOFFになり、表示部28とファインダ内表示部58共に非表示になる。時間t6からt7においては、接眼センサ57がOFFになっているので、節電タイマLのカウントがされる。
【0071】
図5(a)、(b)は、節電状態からの復帰またはリセットをする要因について説明するための図である。
図5(a)は、ユーザがファインダ16を覗いていない状態を示していると共に、節電タイマの方が接眼センサタイマよりも短い場合を示しており、時間t8以前の表示先は表示部28である。時間t8において、節電状態になると、表示部28への表示と、撮像駆動が停止する。このとき、接眼センサタイマCはタイムアウトしていないので、時間t8から時間t9においては、接眼センサ57の物体の接近検知または、キー操作により、節電状態から復帰できる。時間t9において接眼センサタイマCがタイムアウトしてしまうと、接眼センサ57がOFFになり、キー操作でしか節電状態及び、接眼センサ57のOFF状態から復帰できなくなる。
図5(b)は、ユーザがファインダ16を覗いていない状態を示していると共に、節電タイマ時間の方が接眼センサタイマよりも長い場合を示している。時間t10において接眼センサタイマCがタイムアウトするまでは、接眼がされると、節電タイマLがリセットされるが、時間t10において接眼センサ57がOFFになると、接眼がされても節電タイマLはリセットされない。
【0072】
図6(a)、(b)は、接眼や離眼(ファインダ16への接近状態から離れる状態)の状態が検知された場合の節電タイマLと接眼センサタイマCのカウントの様子を示したものである。
図6(a)は、時間t12において接眼が検知されたので、節電タイマLがリセットされるが、操作がされないまま時間t13まで時間が経過すると接眼センサタイマCがタイムアウトし、接眼センサ57がOFFになる。時間t14において、接眼から離眼の状態になっても、すでに接眼センサ57がOFFになっているので、ユーザからのキー操作やタッチ操作がされない限り、節電タイマLはリセットされることがなく、時間t15において節電状態に移行する。すなわち、時間t13から時間t15までの間、無操作が継続すると(無操作の状態が第2の時間継続すると)、節電状態になる。
図6(b)は、接眼と離眼の変化により、接眼センサタイマCがリセットされることがないことを示している。時間t16において接眼センサ57が物体の接近を検知し、時間t17において離れたことを検知、さらに時間t18において接近したことを検知しても、接眼センサタイマCはリセットされることがない。一方で、節電タイマLは接眼センサ57が物体の接近と検知している状態ではカウントせず、さらに、物体が離れたことを検知するとタイマをリセットする。時間t20において接眼センサタイマCがタイムアウトすると、接眼センサ57がOFFになるが、表示部28への表示はされたままである。時間t19において接眼センサ57が物体を離れたことを検知したので、節電タイマLは時間t19からカウントを開始し、時間t21になると節電タイマLがタイムアウトする。時間t20と時間t21の間に、再び接眼センサ57が物体の接近を検知しても、節電タイマLはリセットされることがない。
【0073】
図7(a)、(b)は、節電状態(S326)から復帰する場合について説明するための図である。
図7(a)は、最初に接眼センサがONの場合に、接眼センサタイマCがタイムアウトしておらず、節電状態になった後、時間t22においてタッチ操作がされても復帰はしないことを示している。さらに、ここで、接眼センサ57において物体の接近が検知されると、節電状態から復帰する。
図7(b)は、最初に接眼センサがONの場合に、
図7(a)と同様に、接眼センサタイマCがタイムアウトしておらず、節電状態になった後、時間t24においてタッチ操作がされても接眼センサタイマCはリセットせず、さらに時間t25になると接眼センサタイマがタイムアウトする。それによって接眼センサはS331のようにOFFとなるので、その後、時間t26において離眼しても、接眼センサがOFFになっているので、節電状態からは復帰しない。しかし、時間t27においてキー操作がされると節電状態から復帰する。節電状態から復帰すると、撮像駆動が開始され、さらに表示部28への表示がされるようになる。
【0074】
このように、接眼センサタイマCを設けることで、接眼センサ57の物体の接近検知状態によらずに、接眼センサ57がOFFになり、その後さらに無操作状態が続けば節電状態へと移行することができる。さらに、接眼センサ57がOFFになると、接眼センサ57の接近検知によっては、節電状態からは復帰しないが、接眼センサ57がOFFでない状態では、接眼センサ57の接近検知によって節電状態から復帰する。
【0075】
撮影時のユーザのデジタルカメラ100の使用パターンとしてはいくつかある。1つ目として、ファインダを覗きながら、撮影をしようとしているパターン。2つ目として、首や肩からデジタルカメラ100をかけて操作をしていないが、撮影機会が来たら撮影をしようとしているパターン。3つ目として、背面の表示部を見ながら、撮影をしようとしているパターン。上述の実施形態によれば、1つ目のパターンでは、ファインダを覗いているので、無操作時間が多少続いたとしても、接眼センサタイマCがタイムアウトする5秒前にガイドが出るので、ユーザは操作をすればよいことに気付くことができる。2つ目のパターンでは、ファインダを覗いていない状態で接眼状態が検知されても、無操作の時間が続けば、接眼センサがOFFになるので、その後、ファインダに腹部が当たったりしても、節電状態へと移行することができる。3つ目のパターンでは、背面の表示部を見ながら、操作をしない時間が継続すると接眼センサがOFFになるが、節電状態に移行しなければ、背面の表示はされたままであるので、視認性は低下しない。さらに、接眼センサがOFFにならずに、節電状態に移行した場合には、ファインダを覗けば、節電状態から復帰することができる。ユーザがファインダを覗いているか否かに関わらず、デジタルカメラ100を構えた状態で無操作時間が、首からぶら下げて持ち歩いているときほど続く可能性は低い。
【0076】
<第2実施形態>
第2実施形態は、デジタルカメラ100の構成に関しては第1実施形態の
図1、
図2と同様である。第2実施形態は、第1実施形態で説明した接眼センサタイマCは設けないが節電タイマLの計時方法が第1実施形態とは異なる。第2実施形態では、デジタルカメラ100を首や肩から掛けた状態でユーザが持ち歩いた際に、接眼センサ57が物体(体)の接近と非接近とを繰り返し検知するので、無操作状態、かつ物体の接近状態が検知された状態である合計の時間を計測する。計測された合計の時間(節電タイマL)がタイムアウトすれば、節電状態へと移行する。第2実施形態は、
図8を用いて、説明する。
図8の省電移行処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。なお、この処理は、デジタルカメラ100に電源が入ると開始する。
【0077】
S801〜S804の処理は、
図3のS301〜S304の処理と同様の処理である。ただし、S804では節電タイマLのカウントは開始しない。
【0078】
S805では、システム制御部50は、接眼センサ57が物体の接近を検知したか否かを判定する。物体の接近と検知したと判定した場合は、S806へ進み、そうでない場合は、S808へ進む。
【0079】
S806の処理は、
図3のS308の処理と同様の処理である。
【0080】
S807では、システム制御部50は、節電タイマLのカウントを停止する、またはS804の処理の後初めてS807の処理を行う場合には、節電タイマLのカウントを開始する。初めてS807の処理を行う場合には、S805における接眼検知がYesと判定されたことに応じて節電タイマLのカウントを開始する。2回目以降については、接眼センサ57が物体の接近を検知している間は、節電タイマLのカウントを停止することで、ユーザがファインダ16を覗きながら無操作で待機している場合には、節電タイマLがカウントされて節電状態に移行しないようにする。停止された節電タイマLの累計時間は、システムメモリ52に記録されるが、リセットはされない。
【0081】
S808の処理は、
図3のS309の処理と同様の処理である。
【0082】
S809では、システム制御部50は、節電タイマLのカウントが停止中であるか否かを判定する。節電タイマLのカウントが停止中であると判定した場合は、S810へ進み、そうでない場合は、S811へ進む。
【0083】
S810では、システム制御部50は、停止中であった節電タイマLのカウントを再開する。節電タイマLのカウントが開始されていない場合には、カウントをしない。
【0084】
S811〜S817の処理は、
図3のS311〜S317の処理と同様の処理である。
【0085】
S818では、システム制御部50は、節電タイマLがタイムアウトしたか否かを判定する。節電タイマLがタイムアウトしたと判定した場合は、S819へ進み、そうでない場合は、S805へ戻り、接眼検知と操作がされるのを待つ。
【0086】
S819では、システム制御部50は、ファインダ内表示部58と表示部28の表示の停止、撮像駆動の停止、接眼センサ57の検知停止をする。
【0087】
S820では、システム制御部50は、キー操作があるか否かを判定する。キー操作があれば、S801へ戻り、節電状態から復帰するが、そうでなければ、キー操作がされるまで待つ。
【0088】
以上、説明した実施形態によれば、ユーザの操作性を低下させることなく、かつユーザの意図しないまま電力を大量に消費する可能性を低減することができる。ユーザがファインダ16を覗いている状態では、節電タイマLをカウントしないので、ユーザがファインダ16を覗きながら撮影機会を待機している間に意図せず節電状態になる可能性が低減する。また、S805において接眼検知されてから、節電タイマLのカウントを開始するので、ユーザが表示部28を見ながら撮影機会を待機しているだけでは、節電状態には移行しない。一方ユーザが首や肩からデジタルカメラ100をかけているが、操作をしていない場合には何度も接眼センサによる検出が行われるが、その間はカウンタが停止し、接眼センサから離れた時間の累積が所定値に達することによって、節電状態に移行することができる。
【0089】
なお、節電タイマLのカウントは、S804において開始してもよい。さらに、姿勢検知部55において、ユーザの歩く振動が検出された(所定の周期の姿勢変化の検出)がされたことに応じて、節電タイマLのカウントを開始してもよい。さらに、ユーザの歩く振動が検出された状態で、無操作であることが所定時間以上継続されたら、節電タイマLをタイムアウトするようにしてもよい。
【0090】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0091】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0092】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、接近部への物体の接近を検知可能な電子機器であれば適用可能である。もしくは接近部への物体の接近を検知可能な電子機器を制御可能な装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ファインダを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0093】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。