特許第6971700号(P6971700)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6971700-滑り軸受 図000002
  • 特許6971700-滑り軸受 図000003
  • 特許6971700-滑り軸受 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971700
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】滑り軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/02 20060101AFI20211111BHJP
   F16C 23/04 20060101ALI20211111BHJP
   F16C 9/02 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   F16C17/02 Z
   F16C23/04 B
   F16C9/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-153326(P2017-153326)
(22)【出願日】2017年8月8日
(65)【公開番号】特開2019-32028(P2019-32028A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122770
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】川原 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】高田 寛
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 良彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 大基
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−253650(JP,A)
【文献】 特開2010−084778(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/143186(WO,A1)
【文献】 特開2005−249127(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0156769(US,A1)
【文献】 特開2016−180463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/00− 9/06
F16C 17/00−17/26
F16C 21/00−27/08
F16C 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面で回転軸を摺動させて前記回転軸を回転自在に支持する軸受部を備え、
前記軸受部の内周面には、溝が形成され、
前記溝は、前記回転軸の回転方向に直交する幅方向の外端側から中央側に延在し、当該中央側ほど前記回転方向における前記回転軸の進行側に位置するように前記幅方向に対して傾けて配置されており、
かつ、前記溝は、前記軸受部の内周面における前記幅方向の外端から所定間隔あけた箇所から中央側に延在し、
前記溝の深さは、前記幅方向の中央側ほど浅いことを特徴とする滑り軸受。
【請求項2】
前記溝は、前記軸受部の内周面における前記幅方向の一方の外端側と他方の外端側の両側に形成され、
前記一方の外端側の溝と前記他方の外端側の溝とは、前記幅方向の中央部において間隔をあけて配置されることを特徴とする請求項1に記載の滑り軸受。
【請求項3】
前記溝は、前記軸受部の内周面において周方向に沿って間隔をあけて複数形成されることを特徴とする請求項2に記載の滑り軸受。
【請求項4】
前記溝は、前記軸受部の内周面の全周にわたって形成されることを特徴とする請求項3に記載の滑り軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滑り軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、自動車のエンジンでは、クランクシャフトのクランクジャーナルや、コネクティングロッドを取り付けるためのクランクピンなどの回転軸を回転自在に支持する滑り軸受が用いられている。滑り軸受は、円筒状であり、内周面(摺動面)で回転軸を摺動させて支持する。この滑り軸受の内周側には潤滑油が供給され、内周面と回転軸との間に油膜を生じさせることで、内周面と回転軸との間の接触や凝着を防ぎ、摩擦係数を低減させている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エンジンのクランクシャフトのジャーナル部を支持する軸受メタルが開示されている。この軸受メタルの内周面には、熱を逃すために、ジャーナル部との間に空隙を形成する凹状の油溝が形成されている。軸受メタルにはシリンダブロック内の油路に連通される油穴が形成され、この油穴を介して軸受メタルの内周側に潤滑油が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−215125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、滑り軸受の内周面と回転軸との間の摩擦係数が大きくなると、回転中の回転軸に対するフリクションが大きくなるので、摩擦係数は小さいことが望ましい。摩擦係数を低減させるためには、例えば、滑り軸受の内周面上の油量を増やすか、あるいは、滑り軸受の幅を広げる必要がある。滑り軸受を自動車のエンジンに適用した場合、滑り軸受の幅を広げると、エンジンが大型化し、重量も増大するので、滑り軸受の内周面上の油量を増やすことで摩擦係数を低減させることが望まれている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の開示の技術では、軸受メタルの内周面に油溝が形成されているが、この油溝が幅方向の中心部に周方向に沿って延在している。そのため、軸受メタルに供給される潤滑油が油溝に入ると、軸受メタルの内周面上(特に、中央部)の油量が少なくなるおそれがある。また、軸受メタルの内周面と回転軸との間に入った潤滑油は軸受メタルの幅方向における外端部から排出され易いので、軸受メタルの内周面上の油量が少なくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、滑り軸受の幅を広げることなく、内周面上の油量を増大させることができ、摩擦係数を低減させることが可能な滑り軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る滑り軸受は、内周面で回転軸を摺動させて回転軸を回転自在に支持する軸受部を備え、軸受部の内周面には、溝が形成され、溝は、回転軸の回転方向に直交する幅方向の外端側から中央側に延在し、当該中央側ほど回転方向における回転軸の進行側に位置するように幅方向に対して傾けて配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る滑り軸受では、軸受部の内周面に溝が形成されており、この溝が外周側から中央側にかけて幅方向に対して傾けて配置され、特に、中央側ほど回転方向の進行側に位置するように傾けられている。そのため、軸受部の内周側に潤滑油が供給されると、潤滑油が溝に入り、溝に潤滑油を溜めることができ、軸受部の外端から排出される潤滑油を低減することができる。さらに、回転軸の回転に伴って溝内の潤滑油が中央側に移動し、溝から出た潤滑油を軸受部の内周面上の中央部に集めることができる。その結果、軸受部の内周面上の油量が増大し、内周面と回転軸との間の摩擦係数が低減する。このように、本発明に係る滑り軸受によれば、滑り軸受の幅を広げることなく、内周面上の油量を増大させることができ、摩擦係数を低減させることができる。
【0010】
本発明に係る滑り軸受では、溝は、軸受部の内周面における幅方向の一方の外端側と他方の外端側の両側に形成され、一方の外端側の溝と他方の外端側の溝とは、幅方向の中央部において間隔をあけて配置されることが好ましい。このように構成することで、軸受部の両側に形成された各溝により、両側から軸受部の内周面上の中央部に潤滑油を集めることができ、軸受部の内周面上(特に、中央部)の油量を増大させることができる。
【0011】
本発明に係る滑り軸受では、溝は、軸受部の内周面における幅方向の外端から所定間隔をあけた箇所から中央側に延在することが好ましい。このように構成することで、溝が幅方向の外端まで延在していないので、溝に入った潤滑油が軸受部の外端から排出されるのを防止することができる。
【0012】
本発明に係る滑り軸受では、溝の深さは、幅方向の中央側ほど浅いことが好ましい。このように構成することで、溝内の潤滑油が中央側に移動すると、この潤滑油が溝から軸受部の内周面上の中央部に出易く、内周面上の中央部に潤滑油を集めることができる。また、溝の外端側で潤滑油を多く溜めることができ、軸受部の外端から排出される潤滑油を低減することができる。
【0013】
本発明に係る滑り軸受では、溝は、軸受部の内周面において周方向に沿って間隔をあけて複数形成されることが好ましい。このように構成することで、複数の溝により、軸受部の内周面上の油量を増大させることができる。
【0014】
本発明に係る滑り軸受では、溝は、軸受部の内周面の全周にわたって形成されることが好ましい。このように構成することで、軸受部の内周面において全周にわたって油量を増大させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、滑り軸受の幅を広げることなく、内周面上の油量を増大させることができ、摩擦係数を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る滑り軸受とこの滑り軸受で支持されるクランクシャフトの斜視図である。
図2】実施形態に係る滑り軸受の半割型の軸受部であり、(a)が斜視図であり、(b)が平面図である。
図3】潤滑状態を表すストライベック曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0018】
本実施形態では、本発明に係る滑り軸受を、自動車のエンジン(例えば、水平対向型の4気筒ガソリンエンジン)のクランクシャフトのクランクジャーナルを支持する滑り軸受に適用する。
【0019】
図1及び図2を参照して、実施形態に係る滑り軸受1について説明する。図1は、実施形態に係る滑り軸受1とクランクシャフト2の斜視図である。図2は、実施形態に係る滑り軸受1の半割型の軸受部10であり、(a)が斜視図であり、(b)が平面図である。
【0020】
滑り軸受1は、内周面でクランクシャフト2のクランクジャーナル2a(特許請求の範囲に記載の回転軸に相当)を摺動させて、クランクジャーナル2a(ひいては、クランクシャフト2)を回転自在に支持する。滑り軸受1の個数は、クランクジャーナル2aの個数と同数であり、例えば、5個である。
【0021】
クランクシャフト2は、例えば、5個のクランクジャーナル2aと、4個のクランクピン2bと、8個のバランスウェイト2cと、8個のクランクアーム2dとを備えている。クランクジャーナル2aは、クランクシャフト2の回転中心となる。クランクピン2bは、クランクシャフト2(クランクジャーナル2a)の回転中心軸Aから偏心されており、クランクジャーナル2aと交互に配置される。バランスウェイト2cは、クランクアーム2dと一体で形成され、クランクピン2bの逆位相側に配置される。クランクアーム2dは、隣り合うクランクジャーナル2aとクランクピン2bとの間に配置され、クランクジャーナル2aとクランクピン2bとを連結する。
【0022】
クランクシャフト2は、シリンダブロックのクランクケース(図示省略)に収容される。このクランクケースには、滑り軸受1が固定される軸受固定部(断面が円弧状)が形成されている。滑り軸受1に潤滑油を供給するために、例えば、軸受固定部に油穴が形成されており、この油穴がシリンダブロック内に設けられた油路(図示省略)に連通されており、この油路にはオイルポンプ(図示省略)から吐出される潤滑油(エンジンオイル)が供給される。
【0023】
滑り軸受1は、一対の半割型の軸受部(軸受メタル)10,10を備えている。軸受部10の形状は、半円筒状である。一対の軸受部10,10は、上述したクランクケースの軸受固定部に固定され、環状に組み合わせられる。この組み合わせられた軸受部10,10の内周側には、クランクジャーナル2aが配置される。図2には、このクランクジャーナル2a(クランクシャフト2)の回転方向D1と、この回転方向D1(軸受部10の周方向)に直交する軸受部10の幅方向D2を示している。
【0024】
軸受部10には、内周面10aと外周面10bとの間を貫通する貫通穴10cが形成されている。貫通穴10cは、例えば、軸受部10の幅方向D2の中心に配置される。貫通穴10cは、上述した軸受固定部の油穴に連通されている。したがって、軸受固定部に固定された軸受部10,10の内周側には、エンジンの稼動中に、貫通穴10cを介して潤滑油が供給される。
【0025】
軸受部10の内周面10aには、複数の溝11が形成されている。溝11は、幅方向D2における一方の外端10d側と他方の外端10e側との両側に設けられる。溝11は、半割型の軸受部10,10にそれぞれ設けられ、組み合わせられた環状の軸受部10,10の全周に設けられる。溝11の本数や幅は、例えば、適合で決められる。複数の溝11は、軸受部10,10の周方向に沿って一定間隔毎に平行に配置される。この一定間隔は、軸受部10の内周面10aの周方向の長さ及び溝11の本数や幅に応じて決められる。
【0026】
溝11は、幅方向D2における外端10d側又は外端10e側から中央側に延在するように形成される。特に、溝11は、幅方向D2の中央側ほど回転方向D1のクランクジャーナル2aの進行側に位置するように、幅方向D2に対して所定角度傾斜させて配置される。この所定角度は、例えば、適合で決められる。所定角度は、例えば、エンジンの常用回転数において潤滑油を軸受部10の内周面10a上の中央部10fに集め易い角度に設定される。
【0027】
一方の外端10d側の溝11は、外端10dから所定間隔離した箇所から配置されている。他方の外端10e側の溝11は、外端10eから所定間隔離した箇所から配置されている。したがって、溝11は、外端10d,10eまでは延在していない。
【0028】
一方の外端10d側の溝11と他方の外端10e側の溝11とは、幅方向D2の中央部10fにおいて間隔をあけて配置されている。この間隔は、例えば、適合で決められる。溝11の長さは、この間隔や溝11を傾ける所定角度などに応じて決められる。
【0029】
溝11の断面形状は、例えば、略矩形状である。溝11の深さは、幅方向D2における外端10d側又は外端10e側から中央側になるほど浅い。つまり、溝11は、最も外端10d側の端部又は最も外端10e側の端部が最も深く、最も中央側の端部が最も浅い。したがって、溝11の底面は、内周面10aに対して傾斜している。溝11は、最も中央側の端部から潤滑油が出易くなるように、例えば、最も中央側の幹部の深さが0になるように形成されている。
【0030】
このような構成を有する滑り軸受1の作用について説明する。エンジンが稼動されると、クランクシャフト2(クランクジャーナル2a)が回転する。各滑り軸受1では、環状に組み合わせられている軸受部10,10の内周面(摺動面)10a,10aでクランクジャーナル2aを摺動させて、クランクジャーナル2aを回転自在に支持する。
【0031】
軸受部10,10の内周側には、貫通穴10cを介して潤滑油が供給される。この供給される潤滑油の一部は、内周面10a,10aに形成された各溝11に入り、各溝11に溜まる。特に、溝11は外側10d側又は外側10e側ほど深くなっているので、溝11の外側10d側又は外側10e側ほど多くの量の潤滑油が溜まっている。また、溝11は、軸受部10の外端10d又は外端10eまで延在していない。これにより、潤滑油が軸受部10の外端10d,10eから排出され難い。
【0032】
溝11は幅方向D2の中央側ほどクランクジャーナル2aの回転の進行方向側になるように幅方向D2に対して傾けて配置されているので、クランクジャーナル2aの回転に伴って、溝11内に溜まった潤滑油が中央側に移動する。また、溝11は幅方向D2の中央側ほど浅くなっているので、溝11内の潤滑油が溝11の最も中央側の端部から出易い。これにより、溝11の中央側に移動した潤滑油は、溝11の最も中央側の端部から内周面10a上の中央部10fに排出される。
【0033】
また、幅方向D2における一方の外端10d側と他方の外端10e側の両側に溝11が設けられているので、両側の各溝11から内周面10a上の中央部10fにそれぞれ潤滑油が排出される。また、環状に組み合わせられた軸受部10,10の内周面10a,10aの全周に一定間隔毎に溝11が設けられているので、この周方向に沿って配置される各溝11から内周面10a上の中央部10fにそれぞれ潤滑油が排出される。
【0034】
したがって、滑り軸受1では、このような溝11が形成されていない従来の滑り軸受に比べて、軸受部10,10の内周面10a上の中央部10fに多くの量の潤滑油が集められ、この内周面10a,10a(特に、中央部10f)とクランクジャーナル2aとの間に滞留する油量が増大する。油量が多くなることで、軸受部10,10の内周面10a,10aとクランクジャーナル2aとの間の油膜が厚くなり、摩擦係数が低減する。
【0035】
この滑り軸受1を用いることにより、滑り軸受1とクランクジャーナル2aとの潤滑状態が、図3に示すストライベック曲線における混合潤滑と流体潤滑との境界付近の摩擦係数が低い状態となる。なお、溝11が形成されていない従来の滑り軸受の場合、滑り軸受の外端部から潤滑油が排出され易く、油量が少なくなるので、図3に示すストライベック曲線における境界潤滑の状態になり易い。
【0036】
実施形態に係る滑り軸受1によれば、中央側ほどクランクジャーナル2aの回転の進行方向側になるように幅方向D2に対して傾けた溝11を軸受部10の内周面10aに設けることにより、軸受部10の幅を広げることなく、内周面10a上の油量を増大させることができ、摩擦係数を低減させることができる。これにより、回転中のクランクジャーナル2aに対するフリクションを低減でき、燃費を向上させることができる。また、オイルポンプの容量を増やすことなく(軸受部10,10の内周側への潤滑油の供給量を増やすことなく)、内周面10a,10a上に滞留する油量を増大させることがきる。
【0037】
実施形態に係る滑り軸受1によれば、溝11を内周面10a,10aの幅方向D2の両側に設けることにより、両側から軸受部10の内周面10a上の中央部10fに潤滑油を集めることができ、軸受部10の内周面10a上(特に、中央部10f)の油量を増大させることができる。また、実施形態に係る滑り軸受1によれば、溝11を内周面10a,10aの全周に設けることにより、軸受部10の内周面10aにおいて全周にわたって油量を増大させることができる。
【0038】
実施形態に係る滑り軸受1によれば、溝11の深さを幅方向D2の中央側ほど浅くすることにより、溝11内の潤滑油が軸受部10の内周面10a上の中央部10fに出易くなり、内周面10a上の中央部10fに潤滑油を集めることができる。また、実施形態に係る滑り軸受1によれば、溝11の深さを幅方向D2の外端10d側又は外端10e側ほど深くすることにより、溝11の外端10d側又は外端10e側で潤滑油を多く溜めることができ、軸受部10の外端10d,10eから排出される潤滑油を低減することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、自動車のクランクシャフト2のクランクジャーナル2aを支持する滑り軸受1に適用したが、他の回転軸を支持する場合にも適用でき、例えば、自動車のクランクシャフトにコネクティングロッドを取り付けるためのクランクピンを支持する滑り軸受に適用することができる。
【0040】
上記実施形態では溝11を幅方向D2の一方の外端10d側と他方の外端10e側の両側に設ける構成としたが、溝11を幅方向D2の片側にのみ形成する構成としてもよい。また、上記実施形態では溝11を軸受部10,10の周方向の全周に設ける構成としたが、周方向の一部に設ける構成としてもよい。また、上記実施形態では溝11の深さを幅方向D2の中央側ほど浅くする構成としたが、溝11の深さを変えない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 滑り軸受
2 クランクシャフト
2a クランクジャーナル
10 軸受部
10a 内周面
10d,10e 外端
10f 中央部
11 溝
図1
図2
図3