(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記警告画面は、前記入力部により入力されたシートのサイズと、前記検知部により検知されたシートのサイズが不一致であることを示す警告画面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
前記制御手段は、前記入力部により入力されたサイズ情報における前記シートの給送方向の長さが前記所定長さより小さい場合は、前記判定を実行しないことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
前記制御手段により、前記入力部により入力されたシートのサイズにおける前記給送方向の長さと、前記検知部により検知されたシートのサイズにおける前記給送方向の長さとが対応していると判定されるまでは、前記収納部から給送されるシートへの画像形成を行わないことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は画像形成装置の一例であるフルカラー複写機の概略構成を示す断面図である。
図1の画像形成装置は、リーダー部1001、プリンタ部1002、及び操作部1003を備える。リーダー部1001は画像読取装置150を備えており、原稿上の画像を光学的に読み取り、読み取った画像を電気信号に変換し画像データを生成する。リーダー部1001はADF160を備え、原稿トレイ161上に積載された原稿Sを図中点線で示される搬送部164により1枚ずつ原稿流し読みガラス154へと搬送する。そして原稿流し読みガラス154の下側に位置する光学スキャナユニット151により、原稿流し読みガラス154に搬送されてくる原稿上の画像を読み取る。光学スキャナユニット151で読み取られた後、原稿は搬送部164によって原稿排紙トレイ162上に排紙される。排紙原稿検知センサ163は、原稿排紙トレイ162上に排紙された原稿の有無を検知する。また原稿有無検知センサ165は、原稿トレイ161上に原稿Sが積載されているか否かを検知する。
【0013】
プリンタ部1002は、点線枠部で示したレーザ露光部101、作像部102、定着部103、給紙カセット120a、120b、手差しトレイ120cを含む給紙/搬送部104(破線枠部)を備えている。給紙カセット120a、120b、手差しトレイ120cは、複数のサイズの用紙(シート)を収納する用紙収納部である。作像部102は、感光ドラム110a、110b、110c、110d(以下、110a〜110dのように記す)を備える画像形成部である。レーザ露光部101は、画像データに応じて変調されたレーザ光を等角速度で回転する回転多面鏡111に入射させ、図中一点鎖線で示す反射走査光として感光ドラム110a〜110dに照射し潜像を形成する。作像部102は、感光ドラム110a〜110dを回転駆動し、帯電器によって帯電させ、レーザ露光部101によって感光ドラム110a〜110d上に形成された潜像をトナーを用いて現像し、そのトナー像を、用紙収納部から給送されてきた用紙に転写する。4つの感光ドラム110a〜110dは、順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成用に並べられ、作像開始から所定時間が経過した後に順次作像動作を実行する。このタイミング制御により用紙上に各色のトナー像が重畳して転写されフルカラートナー像が形成される。定着部103は、ローラやベルトの組み合わせにより構成されるとともにハロゲンヒータ等の熱源を備え、作像部102によって形成された用紙上の未定着のフルカラートナー像を熱と圧力によって溶解、定着させる。
【0014】
給紙/搬送部104は、給紙カセット120a、120b、手差しトレイ120cの何れかの収納部に収納された用紙を一枚ずつ分離して作像部102へと搬送する。作像部102に搬送された用紙は上述したように各色トナー像が転写され、定着部103により定着されて、排紙トレイ130へ排紙される。
【0015】
操作部1003は、キー入力部4000とタッチパネル部4001を有する。キー入力部4000の操作はユーザがキーに触れることで行われる。電源スイッチ4010は画像形成装置全体の電力の供給/切断を切り替えるスイッチである。スタートキー4020は、原稿読取動作及び印刷動作を行うコピージョブの実行開始を指示するためのキーであり、ストップキー4030は、コピージョブを中断するためのキーである。破線枠部に示したテンキー4040は、コピー部数を設定するためのキーである。クリアキー4050は、コピーモードの設定を初期値に戻すためのキーである。ユーザモードキー4060は、システム設定や各種調整等を行う画面に移行するためのキーである。タッチパネル部4001は、ユーザがタッチパネル301に触れることで情報の入力が可能であると共に、情報を表示するための表示部としても機能する。タッチパネル部4001にはコピー部数、倍率、コピー濃度等が表示される。
【0016】
(制御ブロック)
図2(a)は、本実施形態の画像形成装置の制御ブロック図である。画像形成装置は、CPU201、ROM202、RAM203、操作制御部204、リーダー制御部205、画像処理部206、外部I/F制御部208、プリンタ制御部207がシステムバス200を介して接続されている。CPU201は画像形成装置を制御する制御手段である。ROM202には後述するフローチャートを実行する為のプログラムが書き込まれており、CPU201はこのプログラムを実行し各種機能を提供する。RAM203はCPU201が各種演算処理を行うための作業用メモリとして使用される。操作制御部204は、操作部1003の各構成部品を制御するための電気回路である。リーダー制御部205とプリンタ制御部207は夫々リーダー部1001、プリンタ部1002の各構成部品を制御するための入出力ポートを含む電気回路である。プリンタ制御部207は、幅ボリュームセンサ514、紙有無センサ515、516、517、用紙幅検知センサ818、用紙長検知センサ817、紙有無センサ820等の検知部を制御する。またプリンタ制御部207は
図3に示したピックアップローラ811の各駆動回路を備えている。CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムに従いリーダー制御部205とプリンタ制御部207を制御し画像形成動作を実行する。
【0017】
画像処理部206は、リーダー制御部205により変換された原稿画像のデジタルデータに各種の画像処理を行い、画像処理が行われたデータをプリンタ制御部207に出力する。外部I/F制御部208は、画像形成装置をLANケーブルやUSBケーブルを介してサーバやパーソナルコンピュータ等の外部機器と接続し、その外部機器との通信を制御するための電気回路である。
【0018】
(操作制御部のブロック図)
図2(b)は、操作制御部204の詳細を示すブロック図である。タッチパネル301及びハードキー群303(
図1(b)の402〜406に相当)は、操作入力部306を介してシステムバス200に接続される。そしてタッチパネル301の押下位置を示す座標情報及びハードキー群の押下に対応するキー情報は、操作入力部306を介してシステムバス200に出力される。LCD302は、表示制御部305を介してシステムバス200に接続されている。表示制御部305及び操作入力部306は、システムバス200を介して、CPU201、ROM202、RAM203と接続されている。ROM202は、制御プログラムの他に各種動作モードの設定画面のデータや表示キーのデータ等を記憶している。RAM203は、画像形成装置の現在の設定状態を記憶している。CPU201は、操作入力部306から座標情報及びキー情報が入力されると、次のように動作する。即ち、CPU201は、現在の画像形成装置の設定状態及びユーザによるタッチパネル301又はハードキー群303への操作に応じた設定画面、表示キーを選択して、表示データとして表示制御部305へ転送する。表示制御部305は、CPU201により転送された表示データをLCD302に送信し、LCD302は、転送された表示データを可視表示する。
【0019】
(給紙カセットの構成)
図3を用いて本実施形態の収納部の一例である給紙カセット120aの構成について説明する。
図3(a)は給紙カセット120aの画像形成装置の正面を下側とした上視図であり、
図3(b)(c)は給紙カセット120aの画像形成装置の正面から給紙カセット120aを仮想的に透視した場合の後側面図である。
図3(c)は、給紙カセット120を画像形成装置に装着した状態の正面図である。
【0020】
給紙カセット120aは、画像形成装置側の本体819から引き出した状態で用紙の補給が可能になり、給紙カセット120aを画像形成装置側の本体819に収納した状態で印刷動作が可能となる。
【0021】
給紙カセット120aには複数枚の用紙が積載可能であり、最上位の用紙から順に本体819近傍に設けられたピックアップローラ811により作像部102へ給送される。
【0022】
サイド規制ガイド812、813は、用紙の給送方向に直交する幅方向である矢印8Y1、8Y2の方向にスライド可能に設けられており、積載された用紙の幅方向の側端を規制し、用紙が斜行したまま給送されることを防止する。またサイド規制ガイド812、813は、不図示のリンク機構を介して
図3(b)に示される用紙幅検知板815と連結されており、サイド規制ガイド812、813の移動に伴い、用紙の給送方向に直交する方向である矢印8Y1、8Y2の方向にスライドする。本実施形態ではサイド規制ガイド812、813は、用紙幅が98.5mm〜215.0mmの用紙を規制可能である。
【0023】
後端規制ガイド814は、用紙の給送方向である矢印8X1、8X2の方向にスライド可能に構成されており、前記用紙の給送方向における後端の位置を規制する。後端規制ガイトはこれにより、積載された用紙が給紙される反動で他の用紙が給紙方向と逆方向に移動することを防止する。また後端規制ガイド814は、不図示のリンク機構を介して用紙長検知板816と連結されており、後端規制ガイド814の位置に応じて、用紙長検知板816が矢印8X1、8X2の方向に連動してスライドする。本実施形態では後端規制ガイド814は、用紙長が190.5mm〜355.6mmの用紙の後端を規制可能である。
【0024】
本体819に設けられた用紙幅検知センサ818は、SW0、SW1、SW2の3連スイッチで構成され、給紙カセット120aが本体819に挿入された状態で用紙幅を検知する。具体的には、サイド規制ガイド812、813に連動して矢印8Y1、8Y2の方向にスライドする用紙幅検知板815の図中点線の位置の形状の情報を、SW0、SW1、SW2のオン/オフの組み合わせとして検知する。
【0025】
同様に、本体819に設けられた用紙長検知センサ817は、SW3、SW4、SW5の3連スイッチで構成され、給紙カセット120aが本体819に挿入された状態で、用紙長を検知する。具体的には、後端規制ガイド814に連動して矢印8X1、8X2の方向にスライドする用紙長検知板816の図中点線の位置の形状の情報を、SW3、SW4、SW5のオン/オフの組み合わせとして検知する。
【0026】
本体819に設けられた紙有無センサ820は、給紙カセット120aに収納された複数枚の用紙のうち最上面に位置する用紙の紙面を検知する。CPU201は、用紙幅検知センサ818、用紙長検知センサ817、及び紙有無センサ820の検知結果に基づき、不図示のリフトアップモータを駆動/停止する。これにより給紙カセット120a上に積載された用紙がピックアップローラ811により給紙可能な高さまで上昇させるリフトアップ動作を行う。そして、給紙可能な高さまでリフトアップさせた状態で給紙カセット120a上の用紙有無を判断する動作を行う。
【0027】
(ユーザ設定サイズ)
上述したように本実施形態では、給紙カセットに収納された用紙のサイズを自動検知する機構が備わっているが、ユーザにより指定された用紙サイズ(シートサイズ)を給紙カセットに設定することもできる。
【0028】
図4を参照して、ユーザ指示に従って用紙サイズを設定する例について説明する。
図4(a)〜(c)は操作部1003に表示される用紙サイズ設定画面である。
【0029】
図4(a)において、給紙カセットキー402は用紙サイズ設定対象の給紙カセットを選択するためのキーである。給紙カセットキー402には、その給紙カセットに登録されている用紙サイズの情報が表示される。給紙カセットキー402がユーザに押下されると、そのキーに対応する給紙カセットが用紙サイズの設定対象として選択される。
図4(a)の例では給紙カセット120aが用紙サイズの設定対象として選択されている。用紙情報表示領域404は、選択状態の給紙カセットに設定されている用紙の詳細情報が表示される領域であり、用紙サイズの他、用紙種類や坪量の情報がこの領域に表示される。ユーザ設定サイズキー403は、選択されている給紙カセットに設定すべき用紙サイズを入力させるためのキーであり、このキーがユーザに押下されることで
図4(b)に示すユーザ設定サイズ画面701に遷移する。
【0030】
図4(b)は、ユーザ設定サイズキー403が押下されることで表示される画面である。
図4(b)において、用紙サイズ入力領域406は用紙を給送する方向(給送方向X)の長さ(用紙長)の情報を入力するための領域であり、用紙サイズ入力領域407は、給送方向に直交する幅方向Yの用紙長さ(用紙幅)を入力するための領域である。用紙サイズ入力領域406、407に用紙長と用紙幅の情報を入力することで、定型サイズだけでなく不定形サイズについても設定することができる。ユーザはテンキー4040や
図4(b)に表示されたソフトキーボードを使用し、給送方向Xおよび幅方向Yの用紙サイズを指定する。OKキー405は、指定された用紙サイズを確定するためのキーである。OKキー405が押下されることにより、CPU201は、ユーザ設定サイズ画面で入力した用紙サイズを対象の給紙カセットに対して設定し、
図4(c)に示すように用紙情報表示領域404に用紙サイズの情報を表示する。
【0031】
(給紙カセットの用紙サイズ検知)
次に、ユーザにより指定された用紙サイズ(ユーザ設定サイズ)と自動検知した用紙サイズの一致/不一致を判定する処理について説明する。
図5は、用紙長検知センサ817のSW3〜5の検知結果とユーザに指定された用紙サイズ(ユーザ設定サイズ)の対応表である。
図5の対応表はROM202或いはRAM203に記憶されており、CPU201はこの対応表の情報に基づき用紙サイズエラーを判定する。
【0032】
図5(a)は、用紙の給送方向の長さにおける自動検知結果とユーザ設定サイズの関係を示した表であり、
図5(b)は用紙の幅方向の長さにおける自動検知結果とユーザ設定サイズの関係を示した表である。
【0033】
図5(a)の表の1列目は、用紙長検知センサ817のSW3〜5の出力状態から特定される用紙サイズ長を、表の2〜4列目はSW3〜5の出力状態を、5列目以降はユーザ設定サイズをそれぞれ示している。
図5(a)中、“セットミス”と記載されている部分は、ユーザ設定サイズで設定された用紙長さと自動検知結果が不一致、つまりセットミスと判断することを示している。セットミスと判断された場合、CPU201は
図8に示す用紙サイズエラー画面を操作部1003に表示させ、ユーザにセットミスを報知する。“○”と記載されている部分はユーザ設定サイズで設定された用紙長さと自動検知結果が一致している、即ちセットミスではないと判断することを示している。この場合は用紙サイズエラー画面は表示されずにユーザ設定サイズが確定される。
【0034】
図5(b)は、後端規制ガイド814の位置に基づき自動検知される用紙サイズとユーザ設定サイズの対応表である。表の1列目は用紙幅の設定範囲を、表の2〜4列目は用紙長検知センサ817のSW0〜SW2の出力状態を、5列目以降にはユーザ設定サイズをそれぞれ示している。
図5(b)中、“セットミス”と記載されている部分はユーザ設定サイズで設定された用紙幅と用紙サイズの検知結果が不一致、つまりセットミスと判断していることを示している。セットミスと判断された場合、CPU201は
図8に示す用紙サイズエラー画面を操作部1003に表示させ、ユーザにセットミスを報知する。“○”と記載されている部分はユーザ設定サイズで設定された用紙長さと自動検知結果が一致している、即ちセットミスではないと判断することを示している。
【0035】
例えばSW3がOFF、SW4がON、SW5がONであるという検知結果である場合は、
図5(a)の表によると、後端規制ガイド814は、給送方向において190.5〜221.5mmの長さの用紙を規制可能な位置にあることが分かる。それに対し用紙サイズ設定画面で入力されたユーザ設定サイズにおける給送方向の長さが190.5〜221.5mmである場合、自動検知した用紙サイズとユーザ設定サイズが対応している。そのため後端規制ガイド814は正しくセットされていると判断し、警告画面の表示は行わない。ところが、
図4(b)の用紙サイズ設定画面で給送方向の長さが221.5mmより長いサイズがユーザ設定サイズとして指定された場合は、自動検知した用紙サイズと一致しないため、CPU201は
図6の警告画面を操作部1003に表示させる。
図6の警告画面の表示を行うことで、後端規制ガイド814(又はサイド規制ガイド812)が正しい位置にセットされていないことに起因する給送不良やジャムの発生を防止することができる。
【0036】
(補間部材を設置するケース)
ところで後端規制ガイド814は、
図3で示した8X1〜8X2の距離をスライド可能に構成されており、190.5〜355.6mmの用紙の後端位置を支えることができる。しかし後端規制ガイド814のスライド可能な範囲には限界があるため、これより小さいサイズの用紙、即ち用紙長が148.0mm〜190.5mm未満の用紙を支えることはできない。例えば用紙長が148.0mmであるA5用紙や長型3号などの封筒給紙カセットに収納される場合は、後端規制ガイド814による用紙の後端位置の規制ができない。このように後端規制ガイド814で支えることができる用紙サイズよりも小さいサイズの用紙を使用する場合、確実に用紙を規制するため、本実施形態では後端規制ガイド814と用紙の間に補助部材901が置かれる。具体的には190.5mm未満のサイズの用紙を給紙カセットに補給する場合は補助部材901が設置される。補助部材901は、給紙カセット120aに装着可能な、給紙カセット120aの付属品として提供されるアタッチメントであり、後端規制ガイド814の代わりに用紙後端の位置を規制するためのものである。
【0037】
図8は給紙カセット120a内の後端規制ガイド814と用紙の間に補助部材901が装着された例である。
図8の一点鎖線は、後端規制ガイド814がスライド可能な最小サイズ位置である。後端規制ガイド814のスライド可能な最小サイズ(例えばA5サイズ148.0mm)未満の用紙を積載するため、用紙と後端規制ガイド814の間に補助部材901を設置する場合があることを想定している。
【0038】
補助部材901が設置するケースでは、ユーザにより入力された用紙サイズ(ユーザ設定サイズ)と、後端規制ガイド814の位置から自動検知した用紙サイズが不一致であったとしても警告表示を行うべきではない。そこで本実施形態は、補助部材901を設置して用紙をカセットに収納することが想定されるケースでは警告表示を行わないようにしている。
【0039】
(警告表示を行う処理を説明するフローチャート)
図7は、ユーザ設定サイズと自動検知サイズの判定結果に基づき警告表示を行わせる処理を説明するフローチャートである。
図7のフローチャートは、画像形成装置の電源投入時、給紙カセット120aが閉じられた時、ユーザが用紙サイズを設定した時、に実行される。
図7のフローチャートに示す各ステップはROM202に記憶されたプログラムに従いCPU201により実行される。
【0040】
S1401でCPU201は、RAM203に記憶されている給紙カセット120aの情報を“用紙なし”且つ“用紙サイズ不定”の状態に初期化する。次にS1402でCPU201は、用紙幅検知センサ818のSW0、SW1、SW2、用紙長検知センサ817のSW3、SW4、SW5の検知結果から、給紙カセット120aが本体819に装着されているか否かを判断する。SW0〜SW5が全てオフの場合は、給紙カセット120aが本体819に装着されていないと判断する。一方、SW0〜SW5の何れかがオンである場合は装着されていると判断する。S1402で給紙カセット120aが装着されていると判断した場合はS1403の処理に進む。S1403でCPU201は、後端規制ガイド814とサイド規制ガイド812の位置に基づき用紙のサイズを検知する。この検知方法は
図5で説明した通りである。
【0041】
S1404でCPU201は、ユーザ設定サイズの設定がなされているか否かを判定する。具体的には、
図4(b)のサイズ設定画面で、ユーザ設定用紙サイズが給紙カセット120aに設定されたときはS1404でYESと判定する。ユーザ設定サイズの設定がなされていると判定した場合はS1405に進み、ユーザ設定サイズの設定がなされていないと判定した場合はS1408に進む。S1405でNOと判定した場合は、自動検知した用紙サイズの情報がそのまま給紙カセット120aに対して設定される。即ち、後端規制ガイド814とサイド規制ガイド812の位置の検知に応じて特定された用紙サイズを、給紙カセット120aの用紙サイズとして確定する。
【0042】
S1405でCPU201は、ユーザ設定サイズの給送方向Xの長さ(用紙長)が148.0mm〜190.5mm未満か否かを判定する。この範囲内の用紙サイズは、後端規制ガイド814が支えることができる用紙のサイズよりも小さいサイズの用紙である。そのため後端規制ガイド814と用紙の間に補助部材901が置かれていることが想定される。そこで本実施形態では、用紙長が148.0mm〜190.5mmの用紙がユーザ設定サイズとして入力された場合はS1406の判定処理を行わずにS1408の処理を実行する。即ち自動検知した用紙サイズとの一致/不一致に関わらず、ユーザ設定サイズを給紙カセット120aのサイズ情報として確定する。
【0043】
S1405でユーザ設定サイズの給送方向Xの長さ(用紙長)が190mmより長いと判断した場合はS1406に進む。S1406でCPU201は、ユーザ設定サイズを自動検出した用紙サイズと比較する。具体的には、
図5(a)の表を参照して、ユーザ設定サイズの給送方向Xの長さ(用紙長)と、後端規制ガイド814の位置検出結果を比較する。さらに、
図5(b)を参照して、ユーザ設定サイズの幅方向Yの長さ(用紙幅)とサイド規制ガイド812の位置検出結果を比較する。比較の結果、用紙長、用紙幅、何れか一方について“セットミス”に該当すると判断した場合、S1407の処理に進む。S1407でCPU201は、
図6に示す警告画面を操作部1003に表示させる。
図6に示す警告画面は、ガイドが用紙サイズに合った位置にセットされているかを促す情報、および、ユーザ設定サイズが実際の用紙サイズと一致しているかの確認を促す情報が表示される警告画面である。この時CPU201は、給紙カセット120aの情報を、S1401で初期化した用紙無し、且つ用紙サイズ不定の状態のままとする。給紙カセットの状態が用紙無しの状態に初期化されたままであるため給紙カセット120aを使用した画像形成動作は行わない。
【0044】
S1406にてユーザ設定サイズと自動検知した用紙サイズが一致、即ち“セットミス”ではないと判定した場合はS1408の処理に進む。S1408でCPU201は、ユーザ設定サイズ又は自動検出された用紙サイズを給紙カセット120aの用紙サイズ情報として確定する。
【0045】
S1409でCPU201は、給紙カセット120a内の用紙を給紙可能な高さまで上昇させるためにリフトアップ動作を開始する。S1410でCPU201は、紙有無センサ820の検知結果に基づいて用紙の有無を判断する。S1410で用紙無と判断した場合、CPU201は、S1411で所定時間が経過したか否かを判断する。S1411で所定時間が経過していないと判断した場合はS1410の処理に戻る。S1411で所定時間が経過したと判断した場合は、所定時間経過しても紙有無センサ820により給紙カセット120a上に積載された紙の紙面を検知できないことを意味する。この場合、CPU201はリフトアップ動作を停止させ(S1412)、給紙カセット120aに用紙がないと判断する。さらに、CPU201は、S1413で、S1401で初期化した、給紙カセット120aの情報を、“用紙サイズ不定”から、“ユーザ設定サイズ”又は“自動検出された用紙サイズ”に置き換える。
【0046】
S1410で用紙が有ると判断した場合、S1414の処理に進む。S1414で、CPU201はリフトアップを停止する。S1415でCPU201は、S1401で給紙カセット120aの情報を “ユーザ設定サイズ”、又は“自動検出された用紙サイズ”に置き換える。即ちCPU201は、給紙カセット120aの状態を、用紙あり、かつ、ユーザ設定サイズ、または自動検出された用紙サイズの状態として、RAM203に記憶する。そしてCPU201は、ユーザ設定サイズ、又は自動検出された用紙サイズに基づいて画像形成動作を制御する。
【0047】
S1416でCPU201は、本体819に給紙カセット120aが装着されているか否かを判断する。CPU201は、用紙幅検知センサ818、用紙長検知センサ817の検知結果に基づきSW0〜SW5の何れかがオンであれば給紙カセット120aがあると判断し、S1416の処理を繰り返す。これによりCPU201は、給紙カセット120aありを検知している間、S1403で判断した給紙カセット120aの状態を保持する。S1416でCPU201は、用紙幅検知センサ818、用紙長検知センサ817の検知結果に基づき、SW0〜SW5のすべてがオフの場合には給紙カセット120aがないと判断し、S1401の処理に戻る。
【0048】
ここで、給紙カセット120aがないとCPU201が判断する場合とは、例えばS1407の処理で、
図8に示す画面の指示に従い、ユーザが給紙カセット120aを本体819から引き出した場合が相当する。またS1415の処理の後、画像形成動作により給紙カセット120a上に積載された用紙が消費され、例えば操作部1003に用紙なしを表示したことに応じてユーザが給紙カセット120aを引き出した場合が相当する。更に、用紙がなくなったS1413の処理の後に、空の給紙カセット120aを本体819に装着した場合等が相当する。このように、S1416でCPU201が、給紙カセット120aがないと判断した場合、S1401の処理に戻り、給紙カセット120aの状態は、用紙なし、かつ、用紙サイズ不定の状態となる。そしてユーザが用紙を給紙カセット120aに補給して給紙カセット120aを本体819に装着すると、S1402でCPU201は、給紙カセット120aありと判断することとなる。
【0049】
本実施形態によれば、ユーザ設定サイズの給送方向の長さ(用紙長)が所定長さより長い場合は後端規制ガイド814の位置に応じた警告表示を行い、所定長さより短い場合は後端規制ガイド814の位置に応じた警告画面の表示は行わないようにした。この構成により、後端規制ガイド814が規制できない用紙長である場合、補助部材901が置かれているとみなして警告表示を行わない。これにより、適切に警告表示を行わせることができる。
【0050】
本実施形態では、所定長さの例として、後端規制ガイド814の規制可能な最小用紙の長さ(190.0mm)を例に説明したが、これ以外の基準値を所定長さとしてもよい。例えば、付属品として提供される補助部材901のサイズに基づいて決定される長さを所定長さとしてもよい。
【0051】
また本実施形態では、警告表示の例として、ガイドが用紙サイズに合った位置にセットされているかを促す情報を表示する例や、ユーザ設定サイズがカセットに補給した実際の用紙サイズと合っているかを確認させる情報を表示する例を説明した。しかし、警告表示の内容はこれに限定されるものではなく、例えば、用紙設定エラーのみを通知する警告表示であってもよい。
【0052】
なお本実施形態では、後端規制ガイド814と用紙の間に補助部材901が置かれるケースについて説明した。しかし補助部材の装着箇所はこれに限られるものではなく、例えばサイド規制ガイド812と用紙の間に補助部材が置かれてもよい。この場合には、
図7のS1404で次の処理を実行する。即ち、ユーザ設定サイズの幅方向Yの長さ(用紙幅)が所定幅より小さいかを判定し、所定幅より小さいと判定した場合はサイド規制ガイド812の位置検知に応じた警告表示を行わないようにする。このときの所定幅の値は、サイド規制ガイド812が規制可能な最小用紙幅を基準にして決定することが好ましい。本実施形態における給紙カセット120aの構成を例にすると、98.3mmの用紙幅の用紙であればサイド規制ガイド812により用紙の側端の位置を規制可能である。そのため98.3mm未満の用紙幅がユーザ設定サイズとして指定された場合には上記警告表示を行わないようにする。
【0053】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ユーザ設定サイズの用紙長が所定長さより短いと判定されたときは、ユーザ設定サイズの用紙幅が自動検知結果と異なるとしても警告画面の表示は行わない例を説明した。これに対し第2の実施形態は、ユーザ設定サイズの用紙幅が自動検知結果と異なるときは、ユーザ設定サイズの用紙長が所定長さより短いか否かに拘わらず警告表示を行う例を説明する。
【0054】
図9は、第2の実施形態における警告表示を行う処理を説明するフローチャートである。S1601〜S1602、S1609〜1617の処理は、第1の実施形態で説明した
図9のS1401〜S1404、S1408〜S1416の処理と同じであるため説明を省略する。
【0055】
S1603でCPU201は、用紙長検知センサ817(SW3〜SW5)の検知結果に基づき
図5(a)の用紙長さを検知するとともに、用紙幅検知センサ818(SW0〜SW2)の検知結果に基づき
図5(b)の用紙幅を検知する。
【0056】
S1604でユーザ設定サイズの設定がなされているか否かを判定し、ユーザ設定サイズの場合はS1605に進み、ユーザ設定サイズではない場合はS1609に進む。S1605でCPU201は、
図5(b)に示す表を用いて、ユーザ設定サイズで設定された用紙幅と、S1603で検知した用紙幅の一致/不一致を判定する。S1607で不一致であると判定した場合はS1607に進み、
図6の警告表示画面を表示部に表示させる。S1605でNOと判定した場合はS1608に進み、S1608で、ユーザ設定サイズの用紙長が後端規制ガイド814のスライドが可能な最小サイズ未満か否かを判定する。S1608の判定の結果、最小サイズ未満と判定した場合はS1609の処理に進む。
【0057】
一方S1605でNOと判定され、S1608でNOと判定された場合、S1606に進む。S1606でCPU201は、
図5(a)の表を用いて、ユーザ設定サイズで設定された用紙長と検出した用紙長が一致するか否かを判定する。S1606の判定の結果、不一致である場合はS1607の処理に進む。またS1608でYESと判定した場合はS1609の処理に進む。S1609でCPU201は、ユーザ設定サイズまたは自動検出された用紙サイズを給紙カセット120aの用紙サイズ情報として確定する。
【0058】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、ユーザ設定サイズの用紙幅が自動検知結果と異なるときは、ユーザ設定サイズの用紙長が所定長さより短いか否かに拘わらず警告表示を行う。
【0059】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。