(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記ガスタービンおよびHRSGシステムの排気流経路における第2の温度を表す第3の入力信号を受信させる、請求項1記載のシステム。
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記ガスタービン(12)が前記パージ体積を実現するのに十分な前記ガスタービン(12)の通常運転速度の前記一部に到達するときに、前記燃料源を切り離すように、前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御させ、一方、前記ガスタービン(12)は、前記ガスタービン(12)の最小パージ流要件よりも大きい回転速度で動作する、請求項1記載のシステム。
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記パージ体積が実現されるまで、最小パージ流速度以上で前記ガスタービン(12)を維持させる、請求項1記載のシステム。
前記第1のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の圧縮機セクション(20)の入口に配置される温度センサを含み、前記第2のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の回転速度センサを含む、請求項8記載の方法。
前記ガスタービン(12)の通常運転速度の一部で前記燃料源を切り離すように前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御するステップは、 前記燃料源が切り離された後の前記ガスタービン(12)の回転速度の減速率に少なくとも一部基づいている、請求項8記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のシステムおよび技法についての1つまたは複数の特定の実施形態を以下説明する。これらの実施形態を簡潔に説明しようとして、実際の実施の全ての特徴が、本明細書中に説明されていない可能性もある。あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトにあるような何らかのそのような実際の実施の開発では、システム関連の制約およびビジネス関連の制約の尊守など開発者の特定の目標を実現するために実施に特有の多数の決定がなされなければならず、これは実施により異なり得ることを理解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかり得るが、それにもかかわらずこの開示の利益を有する当業者にとって設計、製作、および製造に関する日常的な作業であることを理解されたい。
【0011】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素のうち1つまたは複数存在することを意味することが意図される。用語「備える、含む(comprising)」、「備える、含む(including)」、および「有する(having)」は、包括的であり、挙げられた要素意外にさらなる要素が存在してもよいということを意味することが意図される。
【0012】
本開示は、概して、ガスタービン発電機のパージ流を管理するシステムおよび方法に向けられている。例えば、システムは、シャットダウン期間後に再スタートする前に、パージプロセスを受けることができるガスタービン発電機を備えることができる。ガスタービン発電機をオンラインに戻すために使用される時間を減少させるのを助けるために、本開示は、シャットダウン動作中にガスタービン発電機へパージの流れを供給するシステムおよび方法を説明する。したがって、シャットダウン動作中に供給されるパージの流れは、ガスタービン発電機の起動動作中に「パージ完了」状態に到達する前に使用されるパージの流れの量を制限または取り除くことができる。
【0013】
図1は、コンバインドサイクル発電プラント内で電力を発生させるために一般に使用されるガスタービン12および熱回収蒸気発生器(HRSG)14を含むシステム10(例えば、発電システム)のブロック図である。システム10は、ガスタービン12と、熱回収蒸気発生器(HRSG)14と、燃料システム16とを備える。燃料システム16は、一般に、燃焼のためにガスタービン12へ燃料を供給する。特に、燃料システム16は、複数の弁と共に、制御されたやり方でガスタービン12へ燃焼を供給する1つまたは複数の圧力キャビティを含む配管構成を備えることができる。
図1に示されるように、4つの燃料系統18a、18b、18c、および18dは、燃料システム16からガスタービン12へ燃料を供給する。4つの燃料系統18a〜18dが示されているが、より多くのまたはより少ない燃料系統18がガスタービン12へ燃料を供給することもできることが理解できよう。
【0014】
例示的なガスタービン12は、圧縮機セクション20と、燃焼セクション22と、タービンセクション24とを備えることができる。圧縮機セクション20は、一連の圧縮機段を備えることができ、各圧縮機段は、空気を圧縮するように回転する複数の圧縮機ブレードを備えることができる。圧縮機セクション20は、一般に、圧縮機セクション20への入口で周囲空気を受け入れ、各圧縮機段で空気を圧縮し、圧縮機セクション20の出口における圧縮空気を燃焼セクション24へ供給する。圧縮機セクション20の入口における入口案内ベーン26は、圧縮機セクション20を貫く空気流を調節するように調整(例えば、開閉)することができる。
【0015】
燃焼セクション22では、燃料システム16からの燃料は、圧縮機セクション20からの圧縮空気と混合される。次いで、空気/燃料混合気は、スパークプラグなどの点火装置を用いて点火されて作動ガスを作り出す。この作動ガスは、タービンセクション24を通じて向けられる。タービンセクション24は、直列配列の段を備えることができ、各段は、バケットとして知られている回転ブレードを有する。回転バケットは、共通の回転シャフトによって支持される。燃焼セクション22から出た作動ガスは、直列の段を通じて膨張し、それによってバケットを回転させ、したがって回転シャフトを回転させる。一態様では、タービンセクション24の回転シャフトは、圧縮機セクション20内の圧縮ブレードに接続することができ、それにより回転シャフトの回転によって圧縮機セクション20内で空気圧縮を駆動する。回転シャフトも、タービンセクション24を越えて回転シャフトの回転運動が電力に変換される発電機(図示せず)へ延びている。一方、タービンセクション24から排気された作動ガスは、HRSG14の方へ向けられる。
【0016】
HRSG14は、ガスタービン12から排気を受け入れ、排気を熱源として使用して1つまたは複数の蒸気タービンを駆動する。HRSG14は、入口28と、高圧過熱器(図示せず)と、1つまたは複数のHSRG圧力セクション30a、30b、および30cとを備えることができ、これらはそれぞれ高圧、中圧、および/または低圧で蒸気を発生させるように動作可能である。HRSG14からの排気ガスは、HRSG出口ダクト32を通じて排気筒34へ送られる。
【0017】
ガスタービン12および燃料システム16は、制御ユニット36(例えば、コントローラ)に結合することができる。制御ユニット36は、メモリ38と、本明細書中に記載された方法に従って発電機をシャットダウンするための命令を内部に記憶するプログラム40のセットと、センサの入力および人間の操作者からの命令を用いてシステム10の動作を制御するためのプログラム40のセットを実行することができるプロセッサ42(例えば、マイクロプロセッサ)とを備えることができるコンピュータシステムであり得る。また、プロセッサ42は、複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数の「汎用」マイクロプロセッサ、1つまたは複数の専用マイクロプロセッサ、および/または1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASICS)、あるいはそれらのいくつかの組み合わせを備えることができる。
【0018】
例えば、プロセッサ42は、1つまたは複数の縮小命令セット(RISC)プロセッサを備えることができる。制御ユニット36は、制御ソフトウェア、ルックアップテーブル、設定データ等などの情報を記憶することができるメモリ38に結合することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ42および/またはメモリ38は、制御ユニット36の外部にあってもよい。メモリ38は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))および/または不揮発性メモリ(例えば、リードオンリメモリ(ROM))などの有形の持続性機械可読媒体を備えることができる。メモリ38は、様々な情報を記憶することができ、様々な目的に使用することができる。例えば、メモリ38は、システム10を制御する命令などのプロセッサが実行するための機械可読および/またはプロセッサ実行可能な命令40(例えば、ファームウェアまたはソフトウェア)を記憶することができる。記憶装置(例えば、不揮発性ストレージ)は、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または任意の他の適切な光学、磁気、もしくは固体記憶媒体、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。記憶装置は、データ(例えば、位置データ、識別データなど)、命令(例えば、ソフトウェアまたはファームウェア)、および任意の他の適切なデータを記憶することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット36は、燃料流を調節し、入口案内ベーン26を調整し、放出物(例えば、NOxおよびCO放出物)をタービンセクション24の排気管内に保持し、ガスタービン12をスケジュール設定し(例えば、所望の排気温度の設定または燃焼器燃料分割の設定)、ガスタービン12に関する他の制御設定をアクティブ化する燃焼セクション22の弁を調整する指令を生成することができる。制御ユニット36は、燃料システム16における弁の構成を制御することができるとともに、燃料システム16における圧力、ガスタービン12内のガスレベル等などの様々なパラメータを監視することができる。
【0019】
さらに、センサ44のセットは、システム10の流れ経路に沿って配設することができる。センサ44は、例えば、センサ44の位置における空気および/またはシステム10の構成要素の温度を測定することによってシステム10の動作を監視することができる。いくつかの実施形態では、センサ44のうちの1つまたは複数は、ガスタービン12の1つもしくは複数の構成要素(例えば、発生器26、吸気口20など)および/または周囲環境の様々な観察可能な状態を検出することができる。いくつかの実施形態では、複数の冗長センサは、同じ被測定状態を測定するために使用することができる。例えば、複数の冗長温度センサ44は、システム10を取り囲む周囲温度、圧縮機排出温度、タービン排気ガス温度、およびシステム10を貫くガス流れの他の温度測定値を監視することができる。例えば、温度センサ44は、ガスタービン12の排気領域に沿った圧縮機セクション20の入口におよび/またはHRSG14の排気筒34に位置することができる。同様に、複数の冗長圧力センサ44は、圧縮機セクション20、排気筒34、および/またはシステム10を貫くガス流れ内の他の位置で周囲圧力ならびに静的および動的な圧力レベルを監視することができる。複数の冗長センサ(図示せず)は、システム10の動作に関連する様々なパラメータを感知する流れセンサ、速度センサ、炎検出器センサ、弁位置センサ、案内ベーン角度センサ、湿度センサなどを含むこともできる。温度センサ44、圧力センサ44、および任意の他の冗長センサは、制御ユニット36に全て通信可能に結合することができる。
【0020】
本明細書中に使用されるとき、「パラメータ」は、システム10内の定められた位置における温度、圧力、ガス流量などのガスタービン10の動作状態を定めるために使用することができる測定可能および/または評価可能な特性を指す。いくつかのパラメータが測定され、すなわち感知され、直接知られる。他のパラメータは、モデルによって評価され、間接的に知られる。測定および評価されたパラメータは、所与のタービン動作状態を表すために使用することができる。
【0021】
本開示は、シャットダウンから減少した時間量の範囲内で再スタート(例えば、「パージ完了」状態)のための準備状態になるようにシステム10をシャットダウンする方法を提供する。「パージ完了」状態は、燃焼可能なガスが実質的に希釈されるおよび/またはシステム10から除去されることと、システム10がガスタービン12の始動のために所望の状態にあることとの一般的な指示である。「パージ完了」状態は、ガスタービン12、排気筒34、および下流設備内の残りの燃料に関連した危険の除去、特定の始動構成内に燃料システム16を配置することと、燃料システム16の漏れ試験を完了することと、燃料システム16をスタンドバイ状態に固定することと、所望の状態を確立した後の状態を監視することとを伴うこともできる。
【0022】
以上のことを念頭において、
図2は、システム10のシャットダウン中にシステム10をパージする方法74である。方法74のブロックは、必ずしも連続したステップでなく、いくつかのブロックは、同時にまたは異なる順序で実行されてもよいことを理解できよう。上述したように、システム10のシャットダウン中にパージクレジットを受信することは、シャットダウンを完了するとシステム10が「パージ完了」状態になることができるので、システム10のより迅速な再スタートを可能にすることができる。システム10のシャットダウン中にパージを達成するために、ブロック75で、制御ユニット36は、パージクレジットを実現するパージ体積を決定することができる。パージ体積は、システム10についての静的な値であり得、パージ体積は、HRSG14の体積に基づき得る。例えば、いくつかの実施形態では、パージクレジットを実現するパージ体積は、ガスタービン12が最小パージ速度を上回って動作する間にシステム10を通じて循環する空気流の5つの体積交換であり得る。体積交換は、HRSG14の体積に相当するシステム10を通じて循環される空気流の体積として定義することができる。
【0023】
続いて、ブロック76で、制御ユニット36は、シャットダウン通知を受信することができる。シャットダウン指示は、システム10に結合された送電網内の減少した電力需要の結果であり得る。さらに、シャットダウン指示は、手動シャットダウン指示またはシステム10のシャットダウンが望まれる任意の他の刺激の結果とすることもできる。
【0024】
したがって、ブロック77において、燃料は、ガスタービン12から切り離すことができる。ガスタービン12から燃料を切り離す際、燃焼火炎を消すことができ、システム10はシステムを通じてのコーストダウン空気流を用意することができる。このコーストダウン空気流は、燃焼火炎を消した後のタービンセクション24のバケット、および/または圧縮機セクション22の圧縮機ブレードの残留(すなわち、無電力)回転によるシステム10を通じて流れる空気を指し得る。
【0025】
さらに、ガスタービン12から燃料を切り離すことは、所望のパージ流体積を満たすために、ガスタービン12の通常運転速度の約40パーセント(または他のパーセンテージ)で発生し得ることが理解できよう。ガスタービン12の通常運転速度は、標準的な発電動作中にガスタービン12が動作させられるガスタービン12の動作速度として定義することができる。しかしながら、排気の温度、および/またはパージクレジットを実現する体積の大きさに応じて、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約40パーセントよりも大きい速度または約40パーセントよりも小さい速度で切り離すことができることも理解できよう。いくつかの実施形態では、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30から100パーセント、30から65パーセント、65から100パーセント、およびその中の全ての部分範囲で切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセント、35パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントで切り離すことができ、シャットダウン要求時の排気温度、およびパージ体積の大きさに応じて所望のパージをさらに実現することができる。
【0026】
さらに、制御ユニット36は、燃料が切り離されるガスタービン12の動作速度(すなわち、切り離し速度)を決定することができる。例えば、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的低い場合、より多くの入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。したがって、制御ユニット36は、所望のパージ体積を決定すると、公称切り離し速度よりも高い速度でガスタービン12から燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。代替として、例えば、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的高い場合、より少ない入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。そのような状況では、制御ユニット36は、公称切り離し速度よりも小さい速度で燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。言い換えると、特定のシャットダウン動作中に排気温度がより大きくなるにつれて、燃料を切り離すときに必要される切り離し速度がより小さくなる。このようにして、制御ユニット36は、パージ動作の所望のパージ体積を満たすために、シャットダウン動作中のガスタービン12の様々な速度の根拠となり得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット36は、以下により詳細に説明されるように切り離し速度を決定するために、履歴データ(例えば、パージクレジットパラメータを満たす履歴マージン)を少なくとも一部利用することができる。
【0027】
ブロック78で、ガスタービン12の入口温度、排気温度、および回転速度が測定される。入口温度および排気温度を測定することによって、システム10を通じて流れるガスの増加した温度に基づいて、制御ユニット36が、パージ体積の正確な根拠となることを可能にする。例えば、システム10のシャットダウン中に、排気温度と入口温度の間の温度差は、より温かい排気温度によってガスタービン12の圧縮機セクション20の入口またはガスタービン12の任意の他の入口位置で当初与えられた空気が膨張することになることを示す。したがって、入口温度で空気が膨張することを用いて、より少ない圧縮機入口の流れを使用してパージ要求を完了する。すなわち、より少ない圧縮機入口の流れを使用して、空気のパージクレジット体積を十分に満たすように流れを発生させる。ブロック78で測定された値は、システム10を通過するパージの流れの正確な測定を維持するためにシャットダウン動作中に連続的に監視される。
【0028】
続いて、ブロック79で、パージ流量は、排気および入口温度の測定値ならびにガスタービン12の回転速度の測定値に基づいて計算することができる。上述したように、排気と入口空気流の間の温度の関係は、入口空気流がガスタービン12のガス流経路に沿って移動するときに、入口空気流が膨張する量について示度を与えることができる。したがって、ガスタービン12の入口および/または排気管における温度は、ガスタービン12の回転速度に加えて、システム10の正確なパージ流量の計算を可能にし得る。
【0029】
システム10を再スタートするのに十分なパージを実現するために、ガスタービン12のバケットおよび/または圧縮機セクション20のブレードが標準動作中のガスタービン12の流量のあるパーセント(例えば、8パーセントまたは別のパーセント)よりも大きいレートで流量を与えつつ、空気流のある個数の体積交換(例えば、4、5など)は、システムを通じて循環することができる。いくつかの実施形態では、このパーセントの流量は、ガスタービン12の特定に基づいて標準動作中により大きくまたはより少なくなり得る。すなわち、十分なパージを実現するパージ体積は、システムを通じて循環する空気流のある個数の体積交換として定義することができる。体積交換の個数は、ガスタービンのガス経路内または流量内の装置の定められた体積のある個数の交換を参照する元の装置マネージャまたは産業法規による要件によって決定することができる。空気流の体積は、空気が流れるHRSG14の定められた体積であり得る。入口空気流の膨張に基づいて、より少ない入口空気流を使用してシステムを貫く空気流のある個数の体積交換を実現することができる。したがって、制御ユニット36は、所望のパージクレジット値を満たすように排気流を実現する入口空気流の量を計算することができる。代替として、排気流は、入口で、タービンセクション24の排気部で、および/またはHRSG14を貫く流れ経路に沿って、温度センサ44に基づいて制御ユニット36によって計算されてもよい。この計算は、所望のパージがシステム10の排気部における空気流に基づいて実現される燃料を固定した後の時点の指示を与えることができる。すなわち、制御ユニット36は、システム10の入口および排気温度、ガスタービン12のバケットおよび/または圧縮機セクション20のブレードの速度、ならびにHRSG20の体積に基づいて所望のパージ体積を実現するために使用される時間量を決定することができる。
【0030】
例によれば、周囲温度における排気空気流の質量流量(例えば、システム始動中のパージ)と摂氏300〜400度における排気の質量流量(例えば、システムシャットダウン中のパージ)との比較において、体積は、高められた温度値で約30〜40パーセントだけ増加することができる。すなわち、システム10が始動中に所望のパージを実現するのにかかるよりも、システム10がシャットダウンにおける所望のパージを実現するのに約30〜40パーセント少ない時間がかかり得る。したがって、シャットダウンにおけるパージを確立する際には、システム10は、システム10が始動におけるパージを確立するときよりもずっと早くオンラインに戻ることができる。
【0031】
これを念頭に置いて、ブロック80で、累積的なパージ体積が組み込まれ得る。すなわち、制御ユニット36は、システム10から累積してきたパージ流の体積を追跡することができる。例えば、各時間ブロック80が実行され、制御ユニット36は、現在の入口温度、排気温度、および/またはガスタービン12の回転速度に基づいて累積的なパージ体積を更新することができる。したがって、制御ユニット36は、パージ体積が満たされるときの追跡を維持することができる。
【0032】
決定ブロック81では、制御ユニット36は、パージ体積がシステム10によって満たされたか決定を行うことができる。パージ体積が満たされた場合、ブロック82で、制御ユニット36は、パージが確立されたこと示すことができる。パージが確立されたことを示すことによって、制御ユニット36は、システム10が再スタートするときにシステム10に別のパージ動作を行わせることを命じることができない。
【0033】
決定ブロック81でパージ体積が満たされていなかった場合、決定ブロック83で、制御ユニットは、パージ流量が最小パージ流要件よりも大きいか決定することができる。パージ流量が最小パージ流要件よりも大きい場合、方法74は、ブロック78に戻り、ループは、決定ブロック81でパージ体積が満たされるまで、または決定ブロック83でパージ流量が最小パージ流要件より少なくなるまで続くことができる。決定ブロック83でパージ流量が最小パージ流要件より小さいとき、ブロック84で、制御ユニット36は、パージが確立されていなかったことを示すことができる。したがって、システム10が再スタートするときに、システム10は、パージを確立するために残りのパージ体積を実現するように部分的パージ動作を受けるように制御ユニット36によって命令することができる、または制御ユニット36は、完全なパージ動作を受けた後にシステム10を再スタートすることができる。
【0034】
図3は、システム10のシャットダウン中にシステム10をパージする方法89の代替実施形態である。方法89は、決定ブロック81でパージ体積が満たされていなかった場合に起こることを除いて、方法74と類似する。方法89における決定ブロック81でパージ体積が満たされていなかった場合、ブロック93で、制御ユニット36は、決定ブロック81でパージ体積が満たされるまで、ガスタービンエンジン12が最小パージ流速度以上で維持されるように始動システム(例えば、静的始動システム、例えば、負荷転流形インバータ(LCI)、電気モータ始動パッケージ、ディーゼルエンジン始動パッケージなど)を利用することができる(一方、方法89は、ブロック78へ戻り、そしてループが続く)。
【0035】
上述したように、いくつかの実施形態では、制御ユニット36は、ブロック78で、パージクレジットパラメータを満たす履歴マージンに基づいて燃料がガスタービン12から切り離されるときに制御することができる。したがって、
図4は、燃料がガスタービン12から切り離されるときを決定する方法85である。ブロック86で、履歴データが、制御ユニット36のメモリ38に記憶することができる。履歴データは、ガスタービン12の最小パージ流要件に到達するように様々な状態(例えば、入口温度、排気温度、および切り離し速度)の下での蓄積された体積の履歴量および/またはガスタービン12によってとられた必要な体積のマージンに関し得る。
【0036】
履歴データを用いて、ブロック87で、制御ユニット36は、ガスタービン12が最小パージ流要件に到達する前にガスタービン12がパージを実現することができるガスタービン12の切り離し速度を(例えば、能動的に学習する)決定することができる。すなわち、制御ユニット36は、燃料がガスタービン12から切り離されるガスタービン12の切り離し速度を決定するために、ガスタービン12の現在の動作パラメータ(例えば、入口温度、排気温度、および回転速度)と組み合わせて、メモリ38内に記憶された履歴データを使用することができる。そのような決定は、燃料が切り離される速度は、パージを実現するのに十分に長い間に最小パージ流要件を上回ってガスタービン12を履歴的に維持する速度であり得るので、パージが実現されることを確実にすることにおいてより良い精度を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット36は、(例えば、メモリ38内に)決定された切り離し速度を記憶することができる。記憶された切り離し速度は、続くパージ動作で利用することができる。いくつかの実施形態では、記憶された切り離し速度は、制御ユニット36によって修正および/または更新することができる。パージ体積に加えて、他の要因が切り離し速度に影響を与え得ることに留意されたい。特に、切り離し速度は、異なるガスタービンの間で変更されてもよい。
【0037】
決定ブロック88で、制御ユニット36は、決定された切り離し速度と(例えば、ハードウェアの限界で決定された)最大速度を比較することができる。決定された切り離し速度が最大速度以上でない場合、ブロック95で、制御ユニット36は、ブロック87で決定された速度で燃料を切り離すように燃料システム16を命令することができる。決定された切り離し速度が最大速度未満である場合、ブロック97で、制御ユニット36は、ガスタービンエンジン12が最小パージ流速度以上で維持されるように始動システム(例えば、静的始動システム、例えば、負荷転流形インバータ(LCI)、電気モータ始動パッケージ、ディーゼルエンジン始動パッケージなど)を利用することができる。
【0038】
制御ユニット36は、所望のパージ体積を決定するために温度を考慮に入れるので、システムを通じての空気流は最小化され、システム10の装置に対する熱応力は減少させられる。さらに、センサに基づく空気流の計算は、システム10をパージするより多くの一貫した手法をもたらすことができる。例えば、各パージ動作中にシステム10の中に入力される周囲空気温度のある個数の体積(例えば、5個の体積)のパージの代わりに、制御ユニット36は、加熱された周囲空気のガス体積の膨張を考慮に入れるシステム10を通じて実際の空気流を決定する。したがって、各パージ動作は、パージを実現する所望のパージ体積もより正確に適合する排気体積をパージする。
【0039】
図5は、コンバインドサイクル発電プラント内で電力を発生させるために一般に使用されるガスタービン12および熱回収蒸気発生器(HRSG)14を含むシステム10(例えば、発電システム)のブロック図である。システム10は、ガスタービン12と、熱回収蒸気発生器(HRSG)14と、燃料システム16とを備える。一般に、
図5のシステム10は、シャットダウン動作のパージプロセス中、ガスタービン12の入口抽気加熱システム91の修正を伴って、
図1に記載されたシステム10と同様に動作することができる。
【0040】
例えば、ガスタービン12の入口抽気加熱システム91は、圧縮機セクション20内の圧力を緩和するとともに、圧縮機セクション20の入口へ供給される流体の温度を上昇させることができる。圧力を緩和し、温度を上昇させることによって、入口抽気加熱システム91は、圧縮機セクション20を失速から保護することができる。入口抽気加熱システム91は、流体流系統92によって圧縮機セクション20から加熱された圧縮機の排出を抽気することができる。一般に、流体流系統92は、流体流系統96によって圧縮機セクション20の入口へ加熱された圧縮機の排出を行う入口抽気加熱弁94に結合することができる。入口抽気加熱弁94は、圧縮機セクション20から圧縮機セクション20の入口への加熱された圧縮機の排出を増減させるように制御ユニット36によって制御することができる。
【0041】
さらに、抽気弁98は、流体流系統100によってタービンセクション24の排気プレナム99へ加熱された圧縮機の排出を行うように流体流系統92に結合することができる。パージ動作中、さらなる入口抽気加熱弁98は、加熱された圧縮機の排出の少なくとも一部をガスタービン12の排気プレナム99へ送るように少なくとも一部開いていることができる。加熱された圧縮機の排出を排気プレナム99へ加えることによって、さらなるパージ体積流は、圧縮機セクション20の入口から供給されるHRSG14へのコーストダウンパージ流に加えて与えられる。例えば、加熱された圧縮機の排出は、圧縮機動作系統を下げ、圧縮機入口流量、したがってHRSG14の中への全流量を増大させる。さらなるパージ体積流は、体積蓄積命令またはモデルを介して制御ユニット36によって決定することができる。さらなるパージ体積流の決定は、排出抽出ストローク、測定された流量、および/または圧縮機圧力比の変化に基づき得る。この動作は、圧縮機速度が線形であることにより低速で役立ち得る。全流量を増大させることに加えて、それは、システム10が最小流量に到達する速度を下げ、全蓄積流量をさらに増大させる。システム10がパージ動作のための最小流量の要求を含み得るので、入口抽気加熱システム14から排気プレナム99への加熱された圧縮機の排出の追加は、システム10のシャットダウン動作中の空気の所望のパージクレジット体積を実現するために、システム10にとって十分なパージ流の増加をもたらすことができる。
【0042】
さらに、一般に、弁94および98は、システム10のシャットダウン動作中に閉じることができることを理解できよう。したがって、シャットダウン動作中、圧縮機セクション20のパージの流れ率における圧縮機圧力比として定めることができる動作系統は、概して、弁94と98の一方または両方が開いているときよりも大きいものであり得る。高められた動作系統は、シャットダウン動作中に圧縮機ブレードの速度を十分なパージの流れ率を与える速度より低いレベルへ抑えるのに十分な抵抗をもたらすことができる圧縮機セクション20内の圧力増加となり得る。したがって、弁94および98の一方または両方を開くことによって、シャットダウン動作中に圧縮機ブレードの速度は、弁94および98が閉じられるときと同じ速さで減少することはできない。さらに、弁98が開いているとき、圧縮機セクション20の動作系統は減少させられ得(圧縮機圧力の減少)、圧縮機セクション20から排気プレナム99へ与えられる加熱された圧縮機の排出は、所望のパージクレジット体積がより短い時間量で到達することを可能にするために、(より少ない抵抗およびより遅い減速をもたらしつつ全流量を増大させる)パージの流れ率の増加をもたらし得る。また、加熱された圧縮機の排出を排気プレナム99へ向けることによって圧縮機セクション20の動作系統を減少させ、排気プレナム99へ供給されるパージ流体積を増大させることができるので、システム10は、ガスタービンエンジン12を最小パージ流速度以上で維持するように始動システム(例えば、静的始動システム、例えば、負荷転流形インバータ(LCI)、電気モータ始動パッケージ、ディーゼルエンジン始動パッケージなど)の時間量を減少させることができる。さらに、いくつかの実施形態では、システム10は、パージ動作中の始動システムの使用を全く無くすこともできる。システム10に関しては、始動システムは、ガスタービン12を始動するとシステム10へ電力を供給することができ、またはガスタービン12がシャットダウンされるときに最小のパージの流れ率より上でガスタービン12を維持する電力を供給することがきる。
【0043】
次に
図6を見ると、入口抽気加熱システム91を用いてシャットダウン中にシステム10をパージする方法110の流れ図が示されている。方法110のブロックは、必ずしも連続したステップでなく、いくつかのブロックは、同時にまたは異なる順序で実行されてもよいことを理解できよう。上述したように、システム10のシャットダウン中にパージクレジットを受け取ることは、システム10がシャットダウンを完了すると「パージ完了」状態になり得るので、システム10のより迅速な再スタートを可能にすることができる。システム10のシャットダウン中にパージを達成するために、ブロック112で、制御ユニット36は、シャットダウン通知を受信することができる。シャットダウン通知は、システム10に結合された送電網内の減少した電力需要の結果であり得る。さらに、シャットダウン通知は、手動シャットダウン通知またはシステム10のシャットダウンが望まれる任意の他の刺激の結果とすることができる。
【0044】
続いて、ブロック114で、制御ユニット36は、入口抽気熱弁94および/または98に開くまたは開いたままであるように命じることができる。弁94および/または98を開くまたは開いたままとなるように制御することによって、加熱された圧縮機の排出は、ガスタービン12の圧縮機セクション20の入口および/または排気プレナム99へ送ることができる。特に、制御ユニット36は、ブロック116で、ガスタービン12の動作系統を下げ、増加した圧縮機セクション20内の圧力の結果として合計パージ流を増加させるように排気プレナム99への加熱された圧縮機の排出を制御することができる。さらに、加熱された圧縮機の排出を排気プレナム99へ戻すことは、所望のパージ体積クレジットを満たすのを助けるためにさらなるパージ体積を与えることができる。いくつかの実施形態では、弁94は、パージ動作中に弁98が開いている間、閉じられたままであってもよいことを理解されよう。
【0045】
ブロック118では、燃料は、ガスタービン12から切り離すことができる。いくつかの実施形態では、システムの他の構成要素は、切り離されてもよい。ガスタービン12から燃料を切り離す際、燃焼火炎を消すことができ、システム10は、入口抽気加熱システム91の弁98によって行われる加熱された圧縮機の排出に加え、システムを通じてのコーストダウン空気流を用意することができる。このコーストダウン空気流は、燃焼火炎を消した後のタービンセクション24のバケット、および/または圧縮機セクション22の圧縮機ブレードの残留(すなわち、無電力)回転によるシステム10を通じて流れる空気を指し得る。
【0046】
さらに、ガスタービン12から燃料を切り離すことは、所望のパージ流体積を満たすために、ガスタービン12の通常運転速度の約40パーセント(または別のパーセンテージ)で発生し得ることが理解できよう。いくつかの実施形態では、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30から100パーセント、30から65パーセント、65から100パーセント、およびその中の全ての部分範囲で切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービンエンジン12の通常運転速度の約30パーセント、35パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントで切り離すことができる。ガスタービン12の通常運転速度は、標準的な発電動作中にガスタービン12が動作させられるガスタービン12の動作速度として定義することができる。しかしながら、排気の温度、パージを実現する体積の大きさ、および/または加熱された圧縮機の排出によって与えられるパージ流に応じて、燃料は、公称切り離し速度よりも大きい速度または公称切り離し速度よりも小さい速度で切り離すことができることも理解できよう。いくつかの実施形態では、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30から100パーセント、30から65パーセント、65から100パーセント、およびその中の全ての部分範囲で切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセント、35パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントで切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度のあるパーセントで切り離すことができ、シャットダウン要求時の排気温度、およびパージ体積の大きさに応じて所望のパージをさらに実現することができる。
【0047】
さらに、制御ユニット36は、燃料が切り離されるガスタービン12の動作速度を決定することができる。例えば、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的低い場合、より多くの入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。したがって、制御ユニット36は、所望のパージ体積を決定すると、上述したような切り離し速度でガスタービン12から燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。代替として、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的高い場合、より少ない入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。そのような状況では、制御ユニット36は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセントで燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。このようにして、制御ユニット36は、パージ動作の所望のパージ体積を満たすために、シャットダウン動作中のガスタービン12の様々な速度の根拠となり得る。
【0048】
システム10がコーストダウンするとき、ブロック120で、増加したパージ体積は、決定されたパージクレジット体積が実現されるまでシステム10に適用される。すなわち、弁98は、決定されたパージクレジット体積がシステム10によって実現されるまで開いたままであり得る。したがって、圧縮機ブレードの速度は、パージクレジット体積を満たすのに十分な時間量の最小パージ流速度を上回る速度を維持することができる。
【0049】
続いて、パージクレジット体積に到達すると、ブロック122で、入口抽気熱弁94および/または98は、閉じることができる、または閉じたままとすることができる。弁94および98を閉じることによって、圧縮機セクション20の動作系統を増加することができ、これによって、圧縮機セクション20の圧縮機ブレードの速度が素早く減少することになり得る。したがって、システム10は、 所望のパージクレジット体積が満たされた後に素早くシャットダウンすることができる。
【0050】
図7は、コンバインドサイクル発電プラント内で電力を発生させるために一般に使用されるガスタービン12および熱回収蒸気発生器(HRSG)14を含むシステム10(例えば、発電システム)のブロック図である。システム10は、ガスタービン12と、熱回収蒸気発生器(HRSG)14と、燃料システム16と、蒸気タービンシステム128とを備える。一般に、
図7のシステム10は、シャットダウン動作のパージプロセス中、システム10のコーストダウン中のパージ体積流を増加させるように蒸気タービンシステム128の動作の修正を伴って、
図1に記載されたシステム10と同様のやり方で動作することができる。さらに、システム10は、HRSG14上のシステム、または切り離しに含まれ得るバックアップ燃料システムを備えることができる。
【0051】
特に、蒸気タービンシステム128は、蒸気輸送系統130によってHRSG14から蒸気を受け取ることができる。蒸気は、蒸気タービンシステム128の蒸気タービン132に推進力を与えて電力を発生させることができる。蒸気タービン132からさらなる蒸気輸送系統134によって復水器136までこの蒸気は移動することができる。復水器136では、蒸気は、冷却され水へ凝縮され、水輸送系統138によってHRSG14へ輸送により戻すことができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、蒸気タービン132およびガスタービン12は共に、単一シャフトの発電機システムの一部であり得ることが理解できよう。すなわち、蒸気タービン132とガスタービン12は共に発電機システムの同じシャフトから電力を発生させる。さらに、蒸気タービン132の復水器の背圧を減少させることによって、シャフトに関する蒸気タービンドラッグを減少させることができる。蒸気タービン132を含むシステム10のシャットダウン動作中に蒸気タービン132の復水器の背圧を減少させることによって、システム10のコーストダウン中のパージ流の減速は遅くされ得る。例えば、シャフトに関して蒸気タービン132によって与えられるドラッグを制限することによって、システム10は、最小パージ流量まで減速させるのにより長い時間量を得る。したがって、システム10は、始動システムを用いて最小パージ流量でシステム10を保持する必要なく所望のパージ流クレジットを実現することができる。さらに、いくつかの実施形態では、システム10は、始動システムが最小パージ流量でシステム10を保持する時間量を減少させるために蒸気タービン132の復水器の背圧を減少させることによって所望のパージ流クレジットを実現することができる。蒸気タービン132の復水器の背圧は、蒸気タービン132の管理(制御ユニット36を介しての)構成要素(例えば、蒸気弁140、冷却および封止空気システム142など)を介される。
【0053】
次に、
図8を見ると、蒸気タービンシステム128を用いてシャットダウン中にシステム10をパージする方法150の流れ図が示されている。方法150のブロックは、必ずしも連続したステップでなく、同時にまたは任意の順序で実行されてもよいことを理解できよう。上述したように、システム10のシャットダウン中にパージすることは、システム10は、シャットダウンを完了するとパージされた状態なり得るので、システム10のより迅速な再スタートを可能にすることができる。システム10のシャットダウン中にパージを達成するために、ブロック152で、制御ユニット36は、シャットダウン通知を受信することができる。シャットダウン通知は、システム10に結合された送電網内の減少した電力需要の結果であり得る。さらに、シャットダウン通知は、手動シャットダウン通知またはシステム10のシャットダウンが望まれる任意の他の刺激の結果とすることができる。
【0054】
続いて、ブロック154で、制御ユニット36は、蒸気タービン132の蒸気弁140がシャットダウンパージ位置にあるように命じることができる。さらにまたは代替として、制御ユニット36かは、最大流量能力まで開くように冷却および封止空気システム142に命令することができる。蒸気弁140ならびに/または冷却および封止空気システム142を開くまたは開いたままにするように制御することによって、蒸気タービン132の復水器の背圧を緩和することができる。復水器の背圧を緩和することによって、復水器の背圧から生じる蒸気タービン132のシャフトに関するドラッグを減じることができる。さらに、シャフトに関するドラッグを減少させる(例えば、発電機に結合された同じシャフトを駆動するガスタービン12と蒸気タービン132の両方を有する)単一のシャフトシステムは、シャットダウン動作中にシステム10のパージ流の減速を遅くすることができる。
【0055】
ブロック156で、燃料は、ガスタービン12から切り離すことができる。ガスタービン12から燃料を切り離す際、燃焼火炎を消すことができ、システム10はシステム10を通じてのコーストダウン空気流を用意することができる。このコーストダウン空気流は、燃焼火炎を消した後のタービンセクション24のバケット、圧縮機セクション22の圧縮機ブレード、ならびに/または蒸気タービン132のバケットおよび圧縮機のブレードの残留(すなわち、無電力)回転によるシステム10を通じて流れる空気を指し得る。
【0056】
さらに、ガスタービン12から燃料を切り離すことは、所望のパージ流体積を満たすために、ガスタービン12の通常運転速度の約40パーセント(または他のパーセンテージ)で発生し得ることが理解できよう。ガスタービン12の通常運転速度は、標準的な発電動作中にガスタービン12が動作させられるガスタービン12の動作速度として定義することができる。しかしながら、排気の温度、パージを実現する体積の大きさ、および/またはシステム10のパージ流の減速に応じて、燃料は、公称切り離し速度よりも大きい速度または公称切り離し速度よりも小さい速度で切り離すことができることも理解できよう。いくつかの実施形態では、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30から100パーセント、30から65パーセント、65から100パーセント、およびその中の全ての部分範囲で切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセント、35パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントで切り離すことができ、シャットダウン要求時の排気温度、パージ体積の大きさ、およびシステム10のパージ流の減速に応じて所望のパージをさらに実現することができる。
【0057】
さらに、制御ユニット36は、燃料が切り離されるガスタービン12の動作速度を決定することができる。例えば、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的低い場合、より多くの入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。したがって、制御ユニット36は、所望のパージ体積を決定すると、ガスタービン12の通常運転速度のあるパーセントでガスタービン12から燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。代替として、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的高い場合、より少ない入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。そのような状況では、制御ユニット36は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセントで燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。このようにして、制御ユニット36は、パージ動作の所望のパージ体積を満たすために、シャットダウン動作中のガスタービン12の様々な速度の根拠となり得る。
【0058】
システム10が最小のパージの流れ率の方へコーストダウンされるとき、ブロック158で、増加した全体積は、決定されたパージクレジット体積が実現されるまで、システム10へ適用される。すなわち、蒸気弁140および/または冷却および封止空気システム142は、決定されたパージクレジット体積がシステム10によって実現されるまで完全に開いたままであり得る。特に、蒸気弁140および/または冷却および封止空気システムを開くことは、最小パージ流に到達する前により多くの全体積という結果になるトレインの減速を遅くする。したがって、圧縮機セクション20の圧縮機ブレードの速度は、パージクレジット体積を満たすのに十分な時間量の間、最小パージ流速度を上回る速度で維持することができる。
【0059】
続いて、パージクレジット体積に到達すると、ブロック160で、蒸気弁140および/または冷却および封止空気システム142は、閉じることができる、または閉じたままとすることができる。蒸気弁140および冷却および封止空気システム142を閉じることによって、シャフトに関するドラッグが増加することができ、これによって圧縮機セクション20の圧縮機ブレードの速度が素早く減少することになり得る。したがって、システム10は、所望のパージクレジット体積が満たされた後に素早くシャットダウンすることができる。
【0060】
図9は、コンバインドサイクル発電プラント内で電力を発生させるために一般に使用されるガスタービン12および熱回収蒸気発生器(HRSG)14を含むシステム10(例えば、発電システム)のブロック図である。システム10は、ガスタービン12と、熱回収蒸気発生器(HRSG)14と、燃料システム16と、ブロワ162と、水洗浄システム164とを備える。一般に、
図9のシステム10は、システム10のコーストダウン中にパージ体積流を増大させるためにガスタービン12および/または燃料システム16の動作の修正を伴って、シャットダウン動作のパージプロセス中に
図1に記載したシステム10と同様のやり方で動作することができる。
【0061】
特に、システム10は、ガスタービン12の入口圧力を高めるために様々な空気源(例えば、ブロワ162)を用いてシステム10を通じてパージの流れを増大させることができる。例えば、ブロワ162は、タービンセクション24の後部で増大した空気流を供給することができる。増大した空気流は、所望のパージ流クレジットが減少した時間量で実現されるやり方でシステム10のコーストダウン中に増大したパージ空気流をシステム10へ供給することができる。このようにして、システム10は、システム10が最小パージ流量まで減速する前に所望のパージ流クレジットを実現することができる。さらに、ブロワ162は、増大した空気流をタービンセクション24の後部へ供給することができる任意のファンまたは空気供給システムであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、ブロワ162は、ガスタービン12の排気フレームブロワであり得る。そのような実施形態では、ブロワ162は、任意のさらなる構成要素を加えることなくシステム10に組み込むことができる。
【0062】
さらに、水洗浄システム164を使用することによって、システム10を通じたパージの流れを増大させることもできる。一般に、水洗浄システム164は、圧縮機セクション20が減じられた速度で運転する間、水を圧縮機セクション20の入口の中に噴霧することによって圧縮機セクション20の圧縮機ブレードをきれいにするために使用することができる。圧縮機セクション20が高温で動作するので、圧縮機セクション20の中に噴霧された水は蒸発することができ、圧縮機セクション20から水蒸気として出る。したがって、圧縮機セクション20の入口における空気流が変化していない間、蒸発した水から生じた増大した体積は、排気プレナム99へ送られる。ガスタービン12の燃料が(例えば、ガスタービン12の通常運転速度の約80〜90%で)確保されるときに、水洗浄システム164は、一般に、圧縮機セクション20の入口へ水を噴霧し始めることができ、水洗浄システム164は、ガスタービン12が超えると水が蒸発をやめることになる最小速度に到達するときに、圧縮機セクション20の入口への水の供給を停止することができる。したがって、制御ユニット36は、ガスタービン12がガスタービン12の通常運転速度の約40、50、または60パーセントに到達するときに、水洗浄動作をやめるように水洗浄システム164に命令することができる。水の蒸発によってもたらされた増大した体積は、システム10がシャットダウンするときに、所望のパージ流クレジットの一部の根拠となるように、パージプロセス中に使用することができる。したがって、システム10は、システム10が最小パージ流量まで減速する前に、所望のパージ流クレジットを実現することができる。
【0063】
さらに、いくつかの実施形態では、燃料システム16は、システム10を貫くパージの流れを増大させるために使用することもできる。一般に、燃料システム16は、燃焼火炎を消す動作を行うこともできる。例えば、燃料システム16は、1つまたは複数の弁(例えば、ガス制御弁、停止弁など)を閉じることによってガスタービン12から燃料源を切り離すことができる。さらに、燃料システム16は、燃焼火炎が消された後にガスタービン12内の任意の残りの燃料をさらに希釈するように希釈剤(すなわち、置換ガス)を置換ガス供給部からガスタービン12へ供給することができる。置換ガス供給部からの希釈剤は、燃料システム16の弁が特定の構成にあるときに、システム10へのさらなるパージの流れを与えることができることが理解できよう。さらなるパージの流れは、システム10が最小パージ流量まで減速する前にシステム10が所望のパージ流クレジットを実現することを可能にすることができる。
【0064】
ブロワ162からのパージ空気流の追加、水洗浄システム164からの増加した体積、および/または燃料システム16の置換ガス供給部からの増加したパージの流れは、システム10が最小パージ流量まで減速する前にシステム10が所望のパージ流クレジットを実現することを可能にし得るが、これらのさらなるパージ流は、始動システムがシステムに適用されて所望のパージ流クレジットを実現する時間量を制限もし得る。例えば、ガスタービン12が最小パージ流量まで減速するのにかかる時間全体にわたってパージの流れの体積を増大させることによって、より多くの全体積がその時間にわたってパージされる。したがって、始動システムは、ガスタービン12が最小パージ流へ減速する前に所望のパージ流クレジットが到達しないとき、パージ動作を終えるまでより少ない時間量の間に使用することができる。
【0065】
次に、
図10を見ると、さらなるパージ空気流を用いてシャットダウン中にシステム10をパージする方法170の流れ図が示されている。方法170のブロックは、必ずしも連続したステップでなく、いくつかのブロックは、同時にまたは異なる順序で実行されてもよいことを理解できよう。上述したように、システム10のシャットダウン中にパージクレジットを受け取ることは、システム10がシャットダウンを完了すると「パージ完了」状態になり得るので、システム10のより迅速な再スタートを可能にすることができる。システム10のシャットダウン中にパージを達成するために、ブロック172で、制御ユニット36は、シャットダウン通知を受信することができる。シャットダウン通知は、システム10に結合された送電網内の減少した電力需要の結果であり得る。さらに、シャットダウン通知は、手動シャットダウン通知またはシステム10のシャットダウンが望まれる任意の他の刺激の結果とすることができる。
【0066】
続いて、ブロック174において、制御ユニット36は、燃料がガスタービン12から切り離されることを命令することができる。ガスタービン12から燃料を切り離す際、燃焼火炎を消すことができ、システム10はシステム10を通じてのコーストダウン空気流を用意することができる。このコーストダウン空気流は、燃焼火炎を消した後のタービンセクション24のバケット、圧縮機セクション22の圧縮機ブレード、ならびに/または蒸気タービン132のバケットおよび圧縮機のブレードの残留(すなわち、無電力)回転によるシステム10を通じて流れる空気を指し得る。
【0067】
さらに、ガスタービン12から燃料を切り離すことは、所望のパージ流体積を満たすために、ガスタービン12の通常運転速度の約40パーセント(または他のパーセンテージ)で発生し得ることが理解できよう。ガスタービン12の通常運転速度は、標準的な発電動作中にガスタービン12が動作させられるガスタービン12の動作速度として定義することができる。しかしながら、排気の温度、パージを実現する体積の大きさ、および/またはシステム10のパージ流の減速に応じて、燃料は、公称切り離し速度よりも大きい速度または公称切り離し速度よりも小さい速度で切り離すことができることも理解できよう。いくつかの実施形態では、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30から100パーセント、30から65パーセント、65から100パーセント、およびその中の全ての部分範囲で切り離すことができる。例えば、燃料は、ガスタービン12の通常運転速度の約30パーセント、35パーセント、45パーセント、50パーセント、55パーセント、60パーセント、65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセント、または100パーセントで切り離すことができ、シャットダウン要求時の排気温度、パージ体積の大きさ、およびシステム10のパージ流の減速に応じて所望のパージをさらに実現することができる。
【0068】
さらに、制御ユニット36は、燃料が切り離されるガスタービン12の動作速度を決定することができる。例えば、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的低い場合、より多くの入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。したがって、制御ユニット36は、所望のパージ体積を決定すると、公称切り離し速度よりも大きい速度でガスタービン12から燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。代替として、特定のシャットダウン動作中に排気温度が比較的高い場合、より少ない入口空気流および時間が、所望のパージ体積を実現するために使用され得る。そのような状況では、制御ユニット36は、公称切り離し速度よりも小さい速度で燃料を切り離すようにシステム10に命令することができる。このようにして、制御ユニット36は、パージ動作の所望のパージ体積を満たすために、シャットダウン動作中のガスタービン12の様々な速度の根拠となり得る。
【0069】
続いて、ブロック176で、制御ユニット36は、さらなるパージの流れをガスタービン12へ与えるようにシステムに命令することができる。例えば、制御ユニット36は、増加した空気流を圧縮機セクション20の入口へ供給するようにブロワ162に命令することができる。さらにまたは代替として、制御ユニット36は、水洗浄システム164に水洗浄動作を始めるように命じることができ、これによって
図9の説明に上述されたように、ガスタービン12内で水が水蒸気になるときにパージの流れを増加させる。また、制御ユニット36は、置換ガス供給部68に、置換ガス供給部68内に蓄えられた希釈剤によってさらなるパージの流れを与えるように命令することができる。ブロワ162、水洗浄システム164、および置換ガス供給部68の各々は、単独でまたは互いに組み合わされてガスタービンへさらなるパージの流れを与えることができる。まとめて、ブロワ162、水洗浄システム164、および置換ガス供給部68は、さらなるパージの流れの源として定義することができる。制御ユニット36は、決定されたパージ流クレジットが実現されるまでアクティブのままとするようにさらなるパージの流れの源に命令することができる。
【0070】
さらに、いくつかの実施形態では、さらなるパージの流れの源は、システム10が最小のパージの流れ率に到達するまで、アクティブのままであり得る。そのようなときに、システム10は、始動システムをアクティブ化させて最小のパージの流れ率以上でシステム10を維持することができる。さらなるパージの流れの源をアクティブ状態で維持することによって、始動システムがアクティブである時間量が減少させられる。このようにして、パージプロセスを達成するために消費されるエネルギーが少なくなり、パージプロセスは、より短い時間量で完了することができる。
【0071】
所望のパージ流クレジットが実現された後、ブロック178で、さらなるパージの流れの源は、システム10から除去されてもよい。さらに、この点で、システム10に適用された任意の他のパージ流増加アプリケーションも、システム10が迅速にシャットダウンすることを可能にするように除去することもできる。システム10のシャットダウン後に、システム10は、始動すると任意のさらなるパージのない「パージ完了」状態にあり得る。
【0072】
方法80、110、150、および170は全て、システム10のシャットダウン中にシステム10の所望のパージ値を実現するために、単独で使用されてもよく、または互いに様々な組み合わせで使用されてもよいことが理解できよう。HRSGシステムは、単サイクルシステムまたはコンバインドサイクルシステムと共に利用されてもよいことに留意されたい。加えて、システム10は、排気処理システム(例えば、選択触媒還元システム、ダクトバーナ、ダイバータダンパなど)を備えることができる。
【0073】
本明細書は、最良の形態を含む本開示の主題を開示するために例を用いており、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行するなど当業者が開示した主題を実施することを可能にもする。本開示の主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が思いつく他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を含む場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言からわずかに異なる均等な構成要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0074】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
ガスタービンおよび熱回収蒸気発生器(HRSG)システムのコントローラ(36)
を備えたシステムであって、前記コントローラは、
前記ガスタービンおよびHRSGシステムの動作を実行するための命令を記憶するメモリ(38)と、
前記命令を実行するように構成されたプロセッサ(42)と
を備えており、前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、
前記ガスタービンおよびHRSGシステムのガスタービン(12)の圧縮機セクション(20)の入口における第1の温度を表す第1の入力信号、ならびに前記ガスタービン(12)の回転速度を表す第2の入力信号を受信させ、
前記第1の入力信号および前記第2の入力信号に少なくとも基づいて前記ガスタービンおよびHRSGシステムの排気流量を計算させ、
前記排気流量に基づいて前記ガスタービンおよびHRSGシステムを通じた空気流のコーストダウン中に予め定められたパージ体積を実現するのに十分な前記ガスタービン(12)の通常運転速度の一部で燃料源を前記ガスタービン(12)から切り離すように前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御させる、システム。
[実施態様2]
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記ガスタービンおよびHRSGシステムの排気流経路における第2の温度を表す第3の入力信号を受信させる、実施態様1記載のシステム。
[実施態様3]
前記第1の入力信号を供給する第1の温度センサであって、前記ガスタービン(12)の前記圧縮機セクション(20)の前記入口に配置された第1の温度センサと、
前記第2の入力信号を供給する回転速度センサと、
前記第3の入力信号を供給する第2の温度センサと
を備え、前記第2の温度センサは、前記ガスタービンおよびHRSGシステムの前記ガスタービン(12)の排気部または前記HRSG(14)の排気筒(34)に沿って配置される、
実施態様2記載のシステム。
[実施態様4]
前記排気流量は、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号に加えて、前記第3の入力信号に少なくとも基づいて計算される、実施態様2記載のシステム。
[実施態様5]
前記予め定められたパージ体積は、前記HRSG(14)の少なくとも体積に基づく、実施態様1記載のシステム。
[実施態様6]
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記ガスタービン(12)が前記パージ体積を実現するのに十分な前記ガスタービン(12)の通常運転速度の前記一部に到達するときに、前記燃料源を切り離すように、前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御させ、一方、前記ガスタービン(12)は、前記ガスタービン(12)の最小パージ流要件よりも大きい回転速度で動作する、実施態様1記載のシステム。
[実施態様7]
前記命令は、前記プロセッサ(42)によって実行されるときに、前記コントローラ(36)に、前記パージ体積が実現されるまで、最小パージ流速度以上で前記ガスタービン(12)を維持させる、実施態様1記載のシステム。
[実施態様8]
第1のセンサ(44)からガスタービンおよび熱回収蒸気発生器(HRSG)システムの、前記ガスタービンおよびHRSGシステムのガスタービン(12)の入口における少なくとも温度を含む第1の温度の第1の測定値を受信し、
第2のセンサ(44)から前記ガスタービンの回転速度の第2の測定値を受信し、
前記第1の温度、および前記ガスタービン(12)の前記回転速度に少なくとも基づいて前記ガスタービンおよびHRSGシステムの排気体積流量を計算し、
前記ガスタービンおよびHRSGシステムのHRSG(14)の体積に少なくとも基づいている前記ガスタービンおよびHRSGシステムのパージ体積を取得し、
前記排気体積流量に基づいて前記ガスタービンおよびHRSGシステムを通じての空気流のコーストダウン中に、前記パージ体積を実現するのに十分な前記ガスタービンおよびHRSGシステムの前記ガスタービン(12)の通常運転速度の一部で燃料源を前記ガスタービン(12)から切り離すように前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御する
ようにコントローラ(36)を利用するステップ
を含む方法。
[実施態様9]
前記第1のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の圧縮機セクション(20)の入口に配置される温度センサを含み、前記第2のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の回転速度センサを含む、実施態様8記載の方法。
[実施態様10]
第3のセンサ(44)から前記ガスタービンおよびHRSGシステムの第2の温度の第3の測定値を受信するように前記コントローラ(36)を利用するステップを含み、前記第3のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の排気部または前記HRSG(14)の排気筒(34)に配置される温度センサを含み、前記ガスタービンおよびHRSGシステムの前記排気体積流量を計算することは、前記第3のパラメータに少なくとも基づく、実施態様8記載の方法。
[実施態様11]
前記第2のセンサ(44)は、前記ガスタービン(12)の回転速度センサを含む、実施態様8記載の方法。
[実施態様12]
前記ガスタービン(12)の通常運転速度の一部で前記燃料源を切り離すように前記ガスタービンおよびHRSGシステムを制御するステップは、 前記燃料源が切り離された後の前記ガスタービン(12)の回転速度の減速率に少なくとも一部基づいている、実施態様8記載の方法。
[実施態様13]
前記燃料を切り離すように前記ガスタービンおよびHRSGシステムを命令することは、前記ガスタービン(12)が前記パージ体積を実現するのに十分な前記ガスタービン(12)の通常運転速度の前記一部に到達するときに生じ、一方、前記ガスタービン(12)は、前記ガスタービン(12)の最小パージ速度よりも大きい回転速度で動作する、実施態様8記載の方法。
[実施態様14]
第1のセンサ(44)から発電システムの第1の温度の第1の測定値を受信し、
第2のセンサ(44)から前記発電システムのガスタービン(12)の回転速度の第2の測定値を受信し、
前記第1の温度、および前記ガスタービン(12)の前記回転速度に少なくとも基づいて前記発電システムの排気流量を計算し、
前記排気流量に少なくとも基づいて、前記発電システムを通じての空気流のコーストダウン中にパージ体積を実現するのに十分な前記発電システムの通常運転速度の一部で燃料源を前記ガスタービン(12)から切り離すように前記発電システムを制御するような機械可読命令を含む有形の持続性機械可読媒体。
[実施態様15]
前記パージ体積は、熱回収蒸気発生器を備える前記発電システムの定められた部分の体積に少なくとも基づく、実施態様14記載の機械可読媒体。
[実施態様16]
前記発電システムは、ガスタービンと、熱回収蒸気発生器とを備える、実施態様14記載の機械可読媒体。
[実施態様17]
前記第1のセンサは、前記発電システムのガスタービンの圧縮機セクションの入口に配置された第1の温度センサを含む、実施態様14記載の機械可読媒体。
[実施態様18]
前記第2のセンサは、前記発電システムのガスタービンの回転速度を測定するように構成された回転速度センサを含む、実施態様14記載の機械可読媒体。
[実施態様19]
前記パージ体積は、前記発電システムが前記発電システムの最小パージ速度よりも大きい速度のままである間に実現される、実施態様14記載の機械可読媒体。
[実施態様20]
第3のセンサから前記発電システムの第2の温度の第3の測定値を受信する
ように機械可読命令を含み、
前記第3のセンサは、前記発電システムのガスタービンの排気部または前記発電システムの熱回収蒸気発生器の排気筒に配置された第2の温度センサを含み、前記発電システムの前記排気流量を計算することは、前記第3のパラメータに少なくとも基づいている、実施態様14記載の機械可読媒体。