(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記複数の発光部において前記発光量の割合を示す光量比に応じて前記記憶手段に記憶されたテーブルの1つを参照のためのテーブルとすることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
前記決定手段は、前記複数の発光部の各々における発光量に応じて得られた合計発光量および前記第1の検知手段による検知結果に基づいて前記参照のためのテーブルから前記色温度情報を決定することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
前記決定手段は、前記複数の発光部の各々について前記テーブルを参照して前記色温度情報を得て、当該複数の発光部の色温度情報を前記複数の発光部における発光量に基づいて加重平均して色温度情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態による照明装置の一例について図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による照明装置を備える撮像装置の一例についてその構成を示す図である。また、
図2は、
図1に示す撮像装置について一部を破断してその構成を示す図である。
【0016】
図1および
図2を参照して、図示の撮像装置は、例えば、デジタルカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、当該カメラはカメラ本体100を有している。カメラ本体100には交換可能な撮影レンズユニット(以下単に撮影レンズと呼ぶ:撮像光学系)200が装着されている。さらに、カメラ本体100には着脱可能な照明装置(ストロボ装置:以下単にストロボと呼ぶ)300が取り付けられている。
【0017】
ストロボ300は、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bを有している。第1の発光部300aおよび第2の発光部300bは、
図2に示すリング部300dに着脱可能に取り付けられ、リング部300dは撮影レンズ200に着脱可能に装着される。そして、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bは本体部300cにケーブルによって接続されている。
【0018】
なお、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bには、それぞれ着脱可能に光学アクセサリ500aおよび500bが装着されている。
【0019】
カメラ本体100には、マイクロコンピュータ(CCPU:以下カメラマイコンと呼ぶ)101が備えられており、カメラマイコン101はカメラ全体の制御を司る。カメラマイコン101はマイコン内蔵ワンチップIC回路である。カメラマイコン101はCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/Dコンバータ、およびD/Aコンバータなどを有している。そして、カメラマイコン101は、プログラム(つまり、ソフトウェア)によってカメラ本体、撮影レンズ200、およびストロボ300の制御を行うとともに、各種の条件判定を行う。
【0020】
撮像素子102は赤外カットフィルタおよびローパスフィルタなどを備えるCCD又はCMOSセンサーである。そして、撮像素子102には後述するレンズ群202を介して光学像(被写体像)が結像して、撮像素子102は光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。
【0021】
シャッター103は非撮影の際には撮像素子102を遮光して、撮影の際にはシャッター幕を開いて撮像素子102に光学像を導く。主ミラー(ハーフミラー)104は非撮影位置(第1の位置)と撮影位置(第2の位置)とに選択的に移動する。非撮影位置においては、主ミラー104はレンズ群202を介して入射する光を反射してピント板105に結像させる。撮影者はピント板105に投影された像をアイピース120によって目視で確認する。撮影位置においては、主ミラー104は撮影レンズ200の光路(撮影光路)から退避する。
【0022】
測光回路(AE)106は測光センサーを備えており、ここでは、測光センサーとして複数の画素を備えるCCD又はCMOSセンサーなどの撮像素子が用いられる。そして、測光センサーは複数の領域に分割されており、領域毎に測光を行う。なお、測光センサーにはペンタプリズム114を介してピント板105に結像した被写体像が入射する。
【0023】
焦点検出回路(AF)107は測距センサーを備えており、当該測距センサーは複数点を測距ポイントとして、測距ポイント毎のデフォーカス量を示す焦点情報を出力する。
【0024】
ゲイン切換回路108は撮像素子102の出力である電気信号を増幅するゲインを切り換えるための回路である。ゲイン切換回路108は、カメラマイコン101の制御下で撮影の条件および撮影者の指示などに応じてゲイン切り換えを行う。A/D変換器109は撮像素子102の出力である電気信号をデジタル信号に変換する。タイミングジェネレータ(TG)110は撮像素子102の出力である電気信号とA/D変換器109によるA/D変換のタイミングとを同期させる。
【0025】
信号処理回路111はA/D変換器109の出力であるデジタル信号について所定の現像パラメータに応じて画像処理を行って画像データを生成する。なお、ここでは、処理画像に用いられるメモリなどは省略されている。
【0026】
入力部112は、電源スイッチ、レリーズスイッチ、および設定ボタンなどを備える操作部を有し、カメラマイコン101は入力部112の入力に応じて各種処理を行う。レリーズスイッチが1段階操作(半押し)されると、第1のレリーズスイッチSW1がONとなって、カメラマイコン101は焦点調節および測光などの撮影準備動作を開始する。また、レリーズスイッチが2段階操作(全押し)されると、第2のレリーズスイッチSW2がONとなって、カメラマイコン101は露光および現像処理などの撮影動作を開始する。さらに、入力部112に備えられた設定ボタンを操作することによって、ストロボ300の各種設定を行うことができる。
【0027】
表示部113には設定されたカメラの撮影モード、その他の撮影情報などが表示される。なお、表示部113は、例えば、液晶表示装置および発光素子などを有している。
【0028】
ペンタプリズム114はピント板105に結像した被写体像を測光回路106に備えられた測光センサーに導くとともにアイピース120に導く。サブミラー115は主ミラー104を透過した光を焦点検出回路107に備えられた測距センサーに導く。
【0029】
通信ラインLCおよびSCはそれぞれカメラ本体100と撮影レンズ200およびストロボ300とのインタフェースである。例えば、カメラマイコン101をホストとして、カメラ本体100、撮影レンズ200、およびストロボ300はデータの交換およびコマンドの伝達を相互に行う。例えば、
図1に示すように、通信ラインLCおよびSCはそれぞれ端子120および130を有している。そして、端子120は、SCLK_L端子、MOSI_L端子、MISO_L端子、およびGND端子を備えている。
【0030】
SCLK_L端子はカメラ本体100と撮影レンズ(レンズユニットともいう)200との通信を同期させるための端子である。MOSI_L端子はカメラ本体100からレンズユニット200にデータを送信するための端子である。MISO_L端子はレンズユニット200からカメラ本体100に送信されたデータを受信するための端子である。そして、GND端子にはカメラ本体100およびレンズユニット200が接続される。
【0031】
端子130はSCLK_S端子、MOSI_S端子、MISO_S端子、およびGND端子を備えている。SCLK_S端子はカメラ本体100とストロボ300との通信を同期させるための端子である。MOSI_S端子はカメラ本体100からストロボ300にデータを送信するための端子である。MISO_S端子はストロボ300からカメラ本体100に送信されたデータを受信するための端子である。そして、GND端子にはカメラ本体100およびストロボ300が接続される。
【0032】
撮影レンズ200は、マイクロコンピュータ(LPU:レンズマイコン)201を有している。レンズマイコン201は撮影レンズ200全体の制御を司る。レンズマイコン201は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/Dコンバータ、およびD/Aコンバータを有するマイコン内蔵ワンチップIC回路である。
【0033】
撮影レンズ200は複数枚のレンズを有するレンズ群202を備えており、当該レンズ群202には少なくともフォーカスレンズが含まれている。レンズ駆動部203はレンズ群202において少なくともフォーカスレンズを光軸に沿って移動させる。カメラマイコン101は焦点検出回路107の検出出力に基づいて、レンズ群202を駆動する際の駆動量を算出して、レンズマイコン201に送る。
【0034】
エンコーダ204はレンズ群202を駆動した際、レンズ群202の位置を検出するためのものである。レンズマイコン201は、カメラマイコン101で算出された駆動量に応じてレンズ駆動部203を制御する。そして、レンズマイコン201はエンコーダ204の出力が示す位置を参照してレンズ群202を駆動制御して焦点調節を行う。絞り制御回路206は、レンズマイコン201の制御下で絞り205を制御する。
【0035】
ストロボ300は、カメラ本体100に着脱可能に装着される本体部300cを備えている。そして、前述のように、本体部300cにはケーブルによって第1の発光部300aおよび第2の発光部300bが接続される。第1の発光部300aおよび第2の発光部300bはリング部300dに着脱可能に装着されている。リング部300dは撮影レンズ200の先端に着脱可能に装着され、これによって、発光は撮影レンズ200の先端から行われる。
【0036】
なお、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bはそれぞれ上下方向および左右方向に回動可能に保持されている。以下の説明では、リング部300dの左右に第1の発光部300aおよび第2の発光部300bを装着した状態を正位置とする。そして、本体部300c側を上側として、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bの回動方向を説明する。
【0037】
ストロボ300は、マイクロコンピュータ(FPU:ストロボマイコン)310を備えており、ストロボマイコン310はストロボ300全体の制御を司る。ストロボマイコン310は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/D、およびD/Aコンバータを有するマイコン内蔵ワンチップIC回路である。
【0038】
電池301はストロボ300の電源(VBAT)であり、昇圧回路302は、昇圧部302a、電圧検出に用いる抵抗302bおよび302c、およびメインコンデンサ302dを有している。昇圧回路302は昇圧部302aによって電池301の電圧を数百Vに昇圧して、メインコンデンサ302dに発光のための電気エネルギーを蓄積する。メインコンデンサ302dの充電電圧は抵抗302bおよび302cによって分圧されて、当該分圧された電圧はストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。
【0039】
ストロボ300は第1の発光部制御回路316aおよび第2の発光部制御回路316bを有している。そして、第1の発光部制御回路316aおよび第2の発光部制御回路316bはそれぞれ第1の発光部300aおよび第2の発光部300bの発光を制御する。
【0040】
第1の発光部300aにおいて、放電管305aは、トリガー回路303bから印加される数KVのパルス電圧を受けてメインコンデンサ302dに充電されたエネルギーによって励起して発光する。そして、放電管305aの光は被写体などに照射される。
【0041】
フォトダイオード314aは放電管305aから光を受光して、その発光量に応じた検知出力(電流)を出力する。フォトダイオード314aは直接又はグラスファイバーなどを介して放電管305aの光を受光する。
【0042】
第1の発光部制御回路316aにおいて、積分回路309aはフォトダイオード314aの出力である電流を積分する。そして、積分回路309aの出力(積分出力)はコンパレータ315aの反転入力端子およびストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子(INT_AD_A)に入力される。
【0043】
コンパレータ315aの非反転入力端子はストロボマイコン310のD/Aコンバータ出力端子(INT_DAC_A)に接続され、コンパレータ315aの出力端子はANDゲート311aの入力端子の一方に接続される。ANDゲート311aの入力端子の他方はストロボマイコン310の発光制御端子(FL_START_A)と接続され、ANDゲート311の出力端子は第1の発光制御回路304aに接続される。そして、第1の発光制御回路304aは放電管305aの発光開始および発光停止を制御する。
【0044】
第1の発光部300aにおいて、トリガー回路303aはストロボマイコン310のトリガー端子(TRIG_A)に接続され、ストロボマイコン310によって制御される。放電管305aは、トリガー回路303aから印加される数KVのパルス電圧を受けてメインコンデンサ302dに充電されたエネルギーによって励起して発光する。そして、放電管305aの光は被写体などに照射される。
【0045】
フォトダイオード314aは放電管305aから光を受光して、その発光量に応じた検知出力(電流)を出力する。フォトダイオード314aは直接又はグラスファイバーおよびNDフィルタなどを介して放電管305aの光を受光する。
【0046】
第1の発光部制御回路316aにおいて、積分回路309aはフォトダイオード314aの出力である電流を積分する。そして、積分回路309aの出力(積分出力)はコンパレータ315aの反転入力端子およびストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子(INT_AD_A)に入力される。
【0047】
コンパレータ315aの非反転入力端子はストロボマイコン310のD/Aコンバータ出力端子(INT_DAC_A)に接続され、コンパレータ315aの出力端子はANDゲート311aの入力端子の一方に接続される。ANDゲート311aの入力端子の他方はストロボマイコン310の発光制御端子(FL_START_A)と接続され、ANDゲート311の出力端子は第1の発光制御回路304aに接続される。そして、第1の発光制御回路304aは放電管305aの発光開始および発光停止を制御する。
【0048】
同様に、第2の発光部300bにおいて、トリガー回路303bはストロボマイコン310のトリガー端子(TRIG_B)に接続され、ストロボマイコン310によって制御される。放電管305bは、トリガー回路303bから印加される数KVのパルス電圧を受けてメインコンデンサ302dに充電されたエネルギーによって励起して発光する。そして、放電管305bの光は被写体などに照射される。
【0049】
フォトダイオード314bは放電管305baから光を受光して、その発光量に応じた検知出力(電流)を出力する。フォトダイオード314bは直接又はグラスファイバーおよびNDフィルタなどを介して放電管305bの光を受光する。
【0050】
第2の発光部制御回路316bにおいて、積分回路309bはフォトダイオード314bの出力である電流を積分する。そして、積分回路309bの積分出力はコンパレータ315bの反転入力端子およびストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子(INT_AD_B)に入力される。
【0051】
コンパレータ315bの非反転入力端子はストロボマイコン310のD/Aコンバータ出力端子(INT_DAC_B)に接続され、コンパレータ315bの出力端子はANDゲート311bの入力端子の一方に接続される。ANDゲート311bの入力端子の他方はストロボマイコン310の発光制御端子(FL_START_B)と接続され、ANDゲート311の出力端子は第2の発光制御回路304bに接続される。そして、第2の発光制御回路304bは放電管305bの発光開始および発光停止を制御する。
【0052】
第1の発光部300aには、反射傘ユニット307aが備えられており、この反射傘ユニット307aは、前述の放電管305aおよび反射傘306aを有している。そして、光学パネル308aなどを有する光学系が反射傘ユニット307aに保持されている。
【0053】
反射傘306aは放電管305aから発せられた光を反射させて所定の方向に導く。また、光学系は第1の発光部300aによる光の照射角を変更する。なお、反射傘ユニット306aと光学パネル308aとの相対的位置を変更することによって照射範囲を変化させることができる。
【0054】
アクセサリ検知部370aは、例えば、調色又は配光角調整のための光学アクセサリ500aの装着の有無を検知するスイッチである。アクセサリ検知部370aは装着の有無を示すON−OFF情報(検知結果)をストロボマイコン310に送る。なお、複数の光学アクセサリを同時に装着することができ、光学アクセサリの数に対応してアクセサリ検知部が備えられる。また、アクセサリ検知部はスイッチに限らず、既知のセンサーを用いるようにしてもよい。
【0055】
光学アクセサリ500aは、例えば、カラーフィルタ、バウンスアダプタ、又はディフューザなどであり、第1の発光部300aの光学パネル面に装着される。そして、光学アクセサリ500aはストロボ光の調色、拡散、又は配光角の変更などを行って、撮影の際のライティング効果を向上させる。光学アクセサリ500aにはアクセサリ検知部370aと相対する位置に突起が設けられ、当該突起がアクセサリ検知部370aを押すことによって装着が検知される。
【0056】
同様に、第2の発光部300bには、反射傘ユニット307bが備えられ、この反射傘ユニット307bは、前述の放電管305bおよび反射傘306bを有している。そして、光学パネル308aなどを有する光学系が反射傘ユニット307bに保持されている。さらには、第2の発光部300bには、アクセサリ検知部370bが備えられ、アクセサリ検知部379bによって光学アクセサリ500bの装着の有無が検知される。
【0057】
なお、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bの配光角はそれぞれ反射傘ユニット307aおよび307bの移動に応じて変化する。また、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bの照射方向はリング部300dに対する回動によって変化する。つまり、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bはリング部300dに対して相対的に上下および左右方向に回動可能である。
【0058】
入力部312は、電源スイッチ、ストロボ300の動作モードを設定するモード設定スイッチ、および各種パラメータを設定する設定ボタンなど備える操作部を有している。そして、ストロボマイコン310は、入力部312の入力に応じて各種処理を行う。表示部313にはストロボ300の状態を示す情報が表示される。なお、表示部313には液晶装置および発光素子が備えられている。
【0059】
図4は、
図2に示すリング部と第1および第2の発光部との関係を示す斜視図である。
【0060】
前述のリング部300dは、レンズユニット200に形成された突起部に爪(図示せず)を引っ掛けて装着される。リング部300dには左右対称の位置に第1の発光部300aおよび第2の発光部300bが装着される台座が形成されている。そして、台座は円周方向に回動可能である。これによって、図示のように、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bはリング部300dに対して相対的に上下および左右方向に回動可能となる。
【0061】
図4は、
図1に示すストロボの発光処理を説明するためのフローチャートである。
【0062】
入力部312に備えられた電源スイッチがオンされてストロボマイコン310が動作可能となると、ストロボマイコン310は、
図4に示すフローチャートに係る処理を開始する。
【0063】
まず、ストロボマイコン310は、ストロボマイコンに備えられたメモリおよびポートを初期化する(ステップS301)。この際、ストロボマイコン310は入力部312に備えられたスイッチの状態および予め設定された入力情報を読み込んで、発光量の決定方法および発光タイミングなどの発光モードの設定を行う。
【0064】
続いて、ストロボマイコン310は、昇圧回路302を制御してメインコンデンサ302dの充電を開始する(ステップS302)。メインコンデンサ302dの充電を開始した後、ストロボマイコン310は、アクセサリ検知部370aおよび370bで検知されたアクセサリ検知情報を内蔵メモリに格納する(ステップS303)。なお、以前にアクセサリ検知情報が格納されている場合には、ストロボマイコン310はアクセサリ検知情報を更新する。
【0065】
ストロボマイコン310は、その他の設定および検出結果などの各種情報を内蔵メモリに格納する(ステップS304)。各種情報には、ストロボ300における情報の他に、必要に応じてカメラ本体100およびレンズユニット200における情報が含まれる。例えば、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して得た焦点距離情報を各種情報の1つとして内蔵メモリに格納する。なお、以前に焦点距離情報が格納されている場合には、ストロボマイコン310は焦点距離情報を更新する。
【0066】
続いて、ストロボマイコン310は、入力部312において設定された発光モードおよび各種情報を表示部313に表示する(ステップS305)。そして、ストロボマイコン310は、メインコンデンサ302dの充電が完了しているか否かを判定する(ステップS306)。充電が完了していないと(ステップS306において、NO)、ストロボマイコン310は待機する。一方、充電が完了すると(ステップS306において、YES)、ストロボマイコン310は充電完了信号をカメラマイコン101に送信して、ステップS307の処理に進む。
【0067】
トロボマイコン310は、カメラマイコン101から発光指示である発光開始信号を受信したか否かを判定する(ステップS307)。発光開始信号を受信しないと(ステップS307において、NO)、ストロボマイコン310はステップS302の処理に戻る。
【0068】
一方、発光開始信号を受信すると(ステップS307において、YES)、ストロボマイコン310は発光開始信号に応じて第1の発光制御回路304aおよび第2の発光制御回路304bを制御して放電管305aおよび305bを発光させる(ステップS308)。本発光終了の後、ストロボマイコン310はメインコンデンサ302dの電圧などの発光に関する情報を内蔵メモリに格納して、ステップS309の処理に進む。
【0069】
なお、ステップS308の処理では、調光用のプリ発光と本発光のように一連の発光を行う場合には、ストロボマイコン310は一連の発光が終了した後にステップS309の処理に進む。
【0070】
ストロボマイコン310は、発光に関する情報に基づいて後述するように撮影によって得られた画像のホワイトバランス調整に用いる色温度情報を決定する。そして、ストロボマイコン310は、当該色温度情報を通信ラインSCを介してカメラマイコン101に送る色温度通信制御を行う(ステップS309)。その後、ストロボマイコン310はステップS302の処理に戻る。
【0071】
なお、色温度情報には撮影によって得られた画像におけるホワイトバランスを決定する際の情報が含まれている。
【0072】
図5は、
図4に示す色温度通信制御を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、色温度情報として、色温度値および色偏差値をセット(一組)とする情報を説明するが、色温度情報として、例えば、三刺激値又は各種表色系における色温度値、もしくは波長情報などを用いるようにしてもよい。
【0073】
図4で説明したステップS308においてストロボ00が本発光すると、ストロボマイコン310は図示の色温度通信制御を開始する。
【0074】
まず、ストロボマイコン310は、色温度通信制御に係る設定を初期化する(ステップS401)。なお、
図4で説明したステップS301において色温度通信制御に係る設定を初期化した場合には、ステップS401の処理を省略することができる。
【0075】
続いて、ストロボマイコン310は、
図3で説明したステップS303において内蔵メモリにて格納したアクセサリ検知情報を読み込む。そして、ストロボマイコン300は、発光の際に光学アクセサリ500aおよび500bの少なくとも一方が装着されているか否かを確認する(ステップS402)。この際には、ストロボマイコン300は装着された光学アクセサリ500aおよび500bの種類についても確認する。
【0076】
なお、光学アクセサリ500aおよび500bが装着されていない場合には、ステップ402の処理を省略するようにしてもよい。そして、ストロボマイコン310は内蔵メモリに光学アクセサリ500aおよび500bに関する情報を格納する。
【0077】
次に、ストロボマイコン310は、確認した光学アクセサリ500aおよび500bに関する情報に基づいて、予め内蔵メモリに格納された光学アクセサリ装着際の発光量補正値を内蔵メモリから読み込む(ステップS403)。当該発光量補正値は、光学アクセサリ装着の際に生じる光量の増減を補正するためのものである。
【0078】
なお、光学アクセサリ500aおよび500bが装着されていない場合には、ステップS403の処理を省略するようにしてもよい。そして、ストロボマイコン310は内蔵メモリに光学アクセサリ500aおよび500bを装着した際の発光量補正値を格納する。
【0079】
続いて、ストロボマイコン310は、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bに関する発光状態を示す発光情報を取得する(ステップS404)。なお、当該発光情報には、各発光部における発光量、発光の際のメインコンデンサ302dの充電電圧、閃光発光又はフラット発光であるかを示す発光方法などの情報が含まれている。各発光部における発光量は、例えば、積分回路309aおよび309bの積分出力又はストロボマイコン310による発光指示などに基づいて算出される。
【0080】
その他、メインコンデンサ302dが発光部に対応して複数備えられている場合には、メインコンデンサの電圧に応じて各発光部における発光量を算出するようにしてもよい。さらには、プリ発光を行う場合には、調光用プリ発光光量を測光回路106で測光した結果を用いるようにしてもよい。この際は、各発光部におけるプリ発光をタイミングをずらして行い、測光回路106で測光を行う。そして、各発光部のプリ発光測光結果を本発光前に内蔵メモリに記憶すれば、本発光前のプリ発光回数の増加を防止することができる。ストロボマイコン300は、各発光部における発光情報を内蔵メモリに格納する。
【0081】
続いて、ストロボマイコン310は、ステップS402からS404で得た情報に基づいて発光量比較演算を行う(ステップS405)。ここでは、ストロボマイコン310は、各発光部からの光が被写体に届く割合を求めて、当該割合を比較する。つまり、放電管305aおよび305bの光量比のみでなく、光学パネル308aなどを含む光学系と光学アクセサリ500aおよび500bの透過率の差による減衰などを考慮して発光量比較演算が行われる。
【0082】
例えば、発光方法が閃光発光で、第1の発光部300aに対する第2の発光部300bの発光指示値を−1EV低い値とする光量比率で発光を行ったものとする。なお、ここでは、光学アクセサリ500aが検知され、かつ光学アクセサリ500aは光量を−2EV下げるディフューザであるとする。そして、ストロボマイコン310はステップS403において−2EVに対応する発光量補正値を読み込んだものとする。
【0083】
この場合、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bの光学系が同一であるとすると、被写体に届く光量の差として、光学アクセサリ500aが装着された第1の発光部300aの方が−1EV低くなる演算結果が得られる。
【0084】
なお、発光指示値および透過率情報に基づいて発光量比較演算を行う他に、プリ発光の測光結果を得ていた場合には、当該測光結果は光学アクセサリを透過した光の測光結果であるので、この測光結果を比較するようにしてもよい。さらには、ステップS304において発光部の光量比制御(レシオ設定)が設定されているか否かに応じて、発光指示値又はプリ発光の測光結果を用いるかを切り替えるようにしてもよい。
【0085】
上述のようにして、発光量比較演算を行った後、ストロボマイコン310は最も被写体に届く光量の割合が大きい発光部に関する情報(最大発光部情報)を内蔵メモリに格納する。なお、最適なホワイトバランスを得るため、後述するように色温度情報を加重平均して求める際には、ステップS405を省略するようにしてもよい。
【0086】
続いて、ストロボマイコン310は、発光部毎の発光情報に基づいてトータルの発光量(合計発光量)を算出する(ステップS406:合計発光量換算)。そして、ストロボマイコン310は合計発光量を内蔵メモリに格納する。
【0087】
次に、ストロボマイコン310は、ステップS402からS406で得られた情報に基づいて色温度情報を決定する(ステップS407)。そして、ストロロボマイコン310は当該色温度情報を内蔵メモリに格納する。
【0088】
ストロボマイコン310に備えられた内蔵メモリには色温度情報テーブルが格納されている。当該色温度情報テーブルには、光学アクセサリ500aおよび500bの有無と発光方法毎に、合計発光量とメインコンデンサ302dの充電電圧とに対応して色温度情報が記録(規定)されている。
【0089】
例えば、前述のステップS405に関連して説明した例では、第2の発光部300bの方が被写体に届く光量の割合が大きい。よって、ストロボマイコン310は第2の発光部300bに係る情報に基づいて色温度情報を決定する。上述の例では、第2の発光部300bで閃光発光を行い、第2の発光部300bには光学アクセサリ500bが装着されていない。よって、ストロボマイコン310は発光方法が閃光発光でかつ光学アクセサリが未装着である色温度情報テーブルを参照する。
【0090】
また、第1の発光部300aが1/1発光で、第2の発光部300bが1/2発光である場合には、合計発光量は3/4発光相当となる。よって、ストロボマイコン310は、発光の際のメインコンデンサ302dの充電電圧が330Vであると、色温度情報テーブルを参照して3/4発光および330Vに対応する色温度情報(色温度値および色偏差値)を取得する。この際には、1つの発光部を発光させる場合と複数の発光部を発光させる場合とで放電管305aおよび305bを流れる電流が異なる。よって、発光の際の色温度値および色偏差値が異なるので、ステップS406において求めた合計発光量を用いて色温度情報が決定される。
【0091】
放電管305aおよび305bを流れる電流と発光量との間には相関関係があるので、放電管305aおよび305bを流れる電流を色温度情報を決定する際の指針として用いることができる。また、色温度情報テーブルを圧縮するなどして分解能を粗くした場合に、色温度情報テーブルにおける中間の発光量および充電電圧で放電管305aおよび305bを発光させたとする。この場合には、色温度情報は当該発光量および充電電圧の前後における色温度情報の平均値を用いることが望ましい。
【0092】
なお、発光量比較演算を省略した場合には、色温度情報は加重平均を用いて決定される。加重平均によって色温度情報を決定する場合には、ストロボマイコン310は発光部毎の色温度情報テーブルに基づいて色温度情報を求める。そして、ストロボマイコン310は各発光部の発光量又はプリ発光測光結果に応じて色温度情報を加重平均して色温度情報を決定する。
【0093】
続いて、ストロボマイコン310は、内蔵メモリに格納した色温度情報を通信ラインSCを介してカメラマイコン101に送る(ステップS408)。そして、ストロボマイコン310は色温度通信制御を終了する。
【0094】
なお、カメラマイコン101は色温度情報を受信すると、当該色温度情報を内蔵メモリに格納する。そして、カメラマイコン101はカメラ本体100の設定に応じて、色温度情報を用いて撮影によって得られた画像のホワイトバランス調整を行う。さらに、カメラマイコン101はホワイトバランス調整後の画像データに所定の情報を付加する。その後、カメラマイコン101は画像データを記録媒体(図示せず)に保存して、一連の撮像処理を終了する。
【0095】
このように、本発明の第1の実施形態では、発光部毎の発光量の割合に応じて、ホワイトバランス調整に用いられる色温度情報を決定する。これによって、発光部毎の色温度情報の不整合を抑制して、良好にホワイトバランス調整を行うことができる。
【0096】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例について説明する。
【0097】
図6は、本発明の第2の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例についてその構成を示す図である。なお、
図6において、
図1に示すカメラと同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0098】
図示のように、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bには、それぞれ第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bが備えられている。第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bは、それぞれ第1の発光部300aおよび第2の発光部300bが所定の正位置からその照射方向が変更されているか検知する。つまり、第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bは、それぞれ第1の発光部300aおよび第2の発光部300bがバウンス状態であるか否かを検知する。
【0099】
なお、第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bとして、例えば、バウンス状態の有無のみを検知するスイッチタイプのセンサーが用いられる。さらには、第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bとして、照射方向の角度(つまり、バウンス角度)を検知するエンコーダ又はポテンショメータなどの角度検出センサーを用いるようにしてもよい。
【0100】
ここで、
図4を参照して、本発明の第2の実施形態によるストロボで行われる発光処理について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる発光処理と異なる処理についてのみ説明する。
【0101】
ステップS304において、ストロボマイコン310は、各種情報の一つとして第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bで検知されたバウンス検知結果を内蔵メモリに格納する。なお、バウンス検知部がスイッチタイプのセンサーであれば、ストロボマイコン310はバウンス状態であるか否かを示すビットを内蔵メモリに記録する。一方、角度検出センサーであれば、ストロボマイコン310はバウンス角度を内蔵メモリに格納するか又は内蔵メモリに格納されたバウンス角度を更新する。
【0102】
続いて、
図5を参照して、本発明の第2の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御と異なる処理についてのみ説明する。
【0103】
ステップS404において、ストロボマイコン310は、各発光部に係る発光情報を取得する際、バウンス検知結果を取得する。そして、ストロボマイコン310は発光情報とともに、バウンス検知結果を内蔵メモリに格納する。
【0104】
ステップS405において、ストロボマイコン310は、前述のように、ステップS402からS404で得た各種情報に基づいて発光量比較演算を行う。この際、ストロボマイコン310はバウンス検出結果を考慮して発光量比較演算を行う。
【0105】
例えば、第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bがスイッチタイプのセンサーであるとする。この場合、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bがバウンス状態であるとそれぞれ被写体に届く光が減衰する。よって、この場合には、ストロボマイコン310はバウンス状態である発光部による発光量を数EV減衰した状態して発光量比較演算を行う。
【0106】
第1のバウンス検知部371aおよび第2のバウンス検知部371bが角度検出センサーの場合には、ストロボマイコン310はバウンス角度に応じて、コサイン4乗則に基づいて発光量の減衰量を求める。そして、発光量比較演算を行った後、ストロボマイコン310は最も被写体に届く光量の割合が大きい発光部に係る情報を内蔵メモリに格納する。
【0107】
なお、第1の実施形態と同様に、色温度情報を加重平均によって求める場合は、ステップS405を省略するようにしてもよい。この際は、ストロボマイコン310は、ステップS407において発光部毎の色温度情報テーブルを参照して色温度情報を求める。そして、ストロボマイコン310は各発光部の発光量と発光部毎のバウンス検知結果とに応じて色温度情報を加重平均して色温度情報を決定する。
【0108】
このように、本発明の第2の実施形態では、バウンス検知結果を考慮して色温度情報を決定するようにしたので、発光部がバウンス状態にあるか否かに応じて精度よく色温度情報を決定することができる。
【0109】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例について説明する。
【0110】
図7は、本発明の第3の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例についてその構成を示す図である。なお、
図7において、
図1に示すカメラと同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0111】
図示のように、第1の発光部300aおよび第2の発光部300bには、それぞれ第1の測距ユニット372aおよび第2の測距ユニット372bが備えられている。第1の測距ユニット372aおよび第2の測距ユニット372bは、それぞれ第1の発光部300aおよび第2の発光部300bから被写体までの距離を測距する。図示の例では、第1の測距ユニット372aおよび第2の測距ユニット372bの各々は、反射光検出によって被写体から反射された反射光の光量を検知する。そして、ストロボマイコン310は反射光量に応じて被写体までの距離を求める。
【0112】
ここで、
図4を参照して、本発明の第3の実施形態によるストロボで行われる発光処理について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる発光処理と異なる処理についてのみ説明する。
【0113】
ステップS308において、ストロボマイコン310は、発光開始信号に応じて発光制御回路304aおよび304bによって放電管305aおよび305bを発光させる。そして、第1の測距ユニット372aおよび第2の測距ユニット372bは発光の際に行われる調光用のプリ発光の反射光を受光して、反射光量をストロボマイコン310に送る。ストロボマイコン310は反射光量に基づいて第1の発光部300aおよび第2の発光部300bと被写体との距離を求める。
【0114】
ステップS301において、例えば、マニュアル発光のように調光の必要のない発光モードに設定されている場合においても、同様にしてプリ発光を行って、被写体との距離を求めるようにすればよい。また、プリ発光によって測距を行う際には発光部毎にタイミングをずらして測距を行うようにする。プリ発光終了後、ストロボマイコン310は被写体まで距離を被写体距離として内蔵メモリに格納する。
【0115】
なお、ステップS308においては、プリ発光および本発光のように一連の発光を行う場合には、一連の発光が終了した後、ステップS309の処理に移行する。
【0116】
続いて、
図5を参照して、本発明の第3の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御と異なる処理についてのみ説明する。
【0117】
ステップS404において、ストロボマイコン310は、各発光部に係る発光情報を取得する際、前述のようにして被写体距離を求める。そして、ストロボマイコン310は発光情報とともに、被写体距離を内蔵メモリに格納する。
【0118】
ステップS405において、ストロボマイコン310は、前述のように、ステップS402からS404で得た各種情報に基づいて発光量比較演算を行う。この際、ストロボマイコン310は被写体距離を考慮して発光量比較演算を行う。
【0119】
例えば、被写体と第1の発光部300aとの距離をXa、被写体と第2の発光部300bとの距離をXbとする。この場合、第1の発光部300aに対する第2の発光部300bの光量比(反射光量比)Ybaは距離の二乗則よって次の式(1)で表される。
【0121】
ストロボマイコン310は光量比Ybaを第2の発光部B300bの光量に乗じて、第1の発光部A300aの光量と比較する。なお、第2の発光部300bに対する第1の発光部300aの光量比Yabを求めて、第1の発光部A300aの光量に光量比Yabを乗じて比較するようにしてもよい。また、ガイドナンバーベースによる距離の比率に応じて比較を行うようにしてもよい。
【0122】
発光量比較演算を行った後、ストロボマイコン310は最も被写体に届く光量の割合が大きい発光部に係る情報を内蔵メモリに格納する。
【0123】
なお、第1の実施形態と同様に、色温度情報を加重平均によって求める場合は、ステップS405を省略するようにしてもよい。この際は、ストロボマイコン310は、ステップS407において発光部毎の色温度情報テーブルを参照して色温度情報を求める。そして、ストロボマイコン310は各発光部の発光量と発光部毎の被写体距離とに応じて色温度情報を加重平均して色温度情報を決定する。
【0124】
このように、本発明の第2の実施形態では、発光部毎の被写体距離を考慮して色温度情報を決定するようにしたので、発光部と被写体との距離に応じて精度よく色温度情報を決定することができる。
【0125】
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例について説明する。
【0126】
図8は、本発明の第4の実施形態によるストロボを備えるカメラの一例についてその構成を示す図である。なお、
図8において、
図1に示すカメラと同一の構成要素については同一の参照番号を付して説明を省略する。
【0127】
図示のように、本体部300cには、無線ユニット373が備えられている。ストロボマイコン310は無線ユニット373によって、後述するようにしてワイヤレス通信を行う。
【0128】
ここでは、ストロボマイコン310は無線ユニット373によって、同様に無線ユニットを備える他のストロボとワイヤレス双方向通信を行う。ユーザは入力部313を用いてIDおよびチャンネルなどを設定することによって、同一設定の他のストロボとワイヤレス通信を行うことができる。さらに、ワイヤレス通信を設定する際には、入力部112によって通信ラインSCを介して設定することができる。
【0129】
なお、図示の例では、電波によってワイヤレス通信を行うものとするが、ワイヤレス受光部を設ければ光通信によってワイヤレス通信を行うことができる。
【0130】
ここで、
図4を参照して、本発明の第4の実施形態によるストロボで行われる発光処理について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる発光処理と異なる処理についてのみ説明する。
【0131】
ステップS304において、ストロボマイコン310は、各種情報の一つとして、入力部313で設定されたIDおよびチャンネルなどを通信設定情報として内蔵メモリに格納する。そして、ストロボマイコン310は通信設定情報に基づいて同一の通信設定情報が設定された他のストロボを探索する。他のストロボが探索されると、ストロボマイコン310は当該他のストロボとワイヤレス通信を開始する。ワイヤレス通信が確立されると、ストロボマイコン310はワイヤレス通信状態であることを示すビットを内蔵メモリに格納する。
【0132】
ステップS308において、ストロボマイコン310は、発光開始信号に応じて発光制御回路304aおよび304bによって放電管305aおよび305bをプリ発光させる。この際、調光用のプリ発光は発光部毎に行われ、測光回路106によって測光が行われる。そして、ストロボマイコン310はその測光結果を内蔵メモリに格納する。
【0133】
なお、ステップS308においては、プリ発光および本発光のように一連の発光を行う場合には、一連の発光が終了した後、ステップS309の処理に移行する。
【0134】
続いて、
図5を参照して、本発明の第4の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御について説明する。なお、ここでは、第1の実施形態によるストロボで行われる色温度通信制御と異なる処理についてのみ説明する。
【0135】
ステップS404において、ストロボマイコン310は、各発光部に係る発光情報を取得する際、測光回路106で得られた測光結果を取得する。そして、ストロボマイコン310は発光情報とともに、測光結果を内蔵メモリに格納する。
【0136】
なお、ストロボマイコン310はプリ発光による測光結果(他のストロボによる測光結果を含む)を、通信ラインSCを介してカメラマイコン101から取得する。また、ストロボマイコン310は無線ユニット373によって、ワイヤレス通信を行っている他のストロボから発光情報を取得する。
【0137】
ステップS405において、ストロボマイコン310は、前述のように、ステップS402からS404で得た各種情報に基づいて発光量比較演算を行う。
【0138】
図9は、本発明の第4に実施形態に係るカメラを他のストロボとともに示す図である。
【0139】
図9においては、他のストロボ601および602を用いて、ストロボ300(メイン照明装置)を有するカメラによって被写体900を撮影する例が示されており、所謂ワイヤレス多灯撮影の例が示されている。なお、他のストロボ601および602とストロボ300とによって照明システムが構成される。
【0140】
ここでは、カメラ本体100に備えられたストロボ300には第1の発光部300aおよび第2の発光部300bが備えられている。そして、ストロボ300は無線ユニット373を介して、無線ユニットを備えるストロボ601および602とワイヤレス双方向通信を行っているものとする。
【0141】
ストロボ601および602は所謂クリップオンタイプのストロボであり、それぞれ1つの発光部を有している。発光部300bおよびストロボ602の発光部にはそれぞれ光学アクセサリ500bおよび702が装着されている。当該光学アクセサリ500bおよび702の各々は、例えば、ディフューザである。
【0142】
なお、ストロボ300、601、および602は被写体900を照明するようにセッティングされているものとする。
【0143】
ここでは、ストロボ300、601、および602の発光部はグループ設定されており、第1の発光部300aをグループAとする。また、第2の発光部300bはグループBとされ、ストロボ601の発光部はグループCとされ、ストロボ602の発光部はグループDとされている。
【0144】
いま、前述のステップS308で得られたプリ発光による測光結果が、C>A>B>Dであったとする。この場合、測光結果(つまり、プリ発光量)が最も大きいのはグループCであるので、ストロボマイコン310はストロボ601に係る発光情報をステップS407の処理で用いると決定する。
【0145】
なお、第1の実施形態と同様に、光量比および光学アクセサリの透過率による減衰などを用いて発光量比較演算を行う場合には、ストロボマイコン310は光学アクセサリ702に係る減衰情報をストロボ602から取得する。
【0146】
図8に示す例では、ストロボ300をカメラ本体100に接続しているが、カメラ本体100にストロボ601又は602に接続するようにしてもよい。そして、ストロボ300のように複数の発光部を備えるストロボを用いることなく、1つの発光部のみを有するストロボのみを用いてワイヤレス多灯撮影を行う場合であっても同様にして処理すればよい。
【0147】
発光量比較演算を行った後、ストロボマイコン310は最も被写体に届く光量の割合が大きい発光部に係る発光情報を内蔵メモリに格納する。
【0148】
なお、第1の実施形態と同様に、色温度情報を加重平均によって求める場合は、ステップS405を省略するようにしてもよい。この際は、ストロボマイコン310は、ステップS407において発光部毎の色温度情報テーブルを参照して色温度情報を求める。そして、ストロボマイコン310は各発光部の発光量と発光部毎の測光結果とに応じて色温度情報を加重平均して色温度情報を決定する。
【0149】
このように、本発明の第4の実施形態では、ワイヤレス多灯撮影を行う際においても精度よく色温度情報を決定することができる。
【0150】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0151】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を照明装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを照明装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0152】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。