特許第6971730号(P6971730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971730羽根駆動装置、撮像装置、及び携帯電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971730
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】羽根駆動装置、撮像装置、及び携帯電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/10 20210101AFI20211111BHJP
   G03B 9/02 20210101ALI20211111BHJP
【FI】
   G03B9/10 D
   G03B9/02 C
   G03B9/10 A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-174604(P2017-174604)
(22)【出願日】2017年9月12日
(65)【公開番号】特開2019-49671(P2019-49671A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2020年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸昭
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−040814(JP,A)
【文献】 特開2001−147461(JP,A)
【文献】 特開2018−054823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/00 − 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を中心とする開口部の少なくとも一部を遮蔽するよう移動自在な羽根部材を保持するベース部材と、
前記羽根部材を差し込み可能なスリットが設けられ、前記ベース部材に取り付けられるレンズバレルと、
前記羽根部材を開状態または閉状態に駆動するアクチュエータと、
前記羽根部材と連結されたレバー部材と、
前記レバー部材を揺動可能に前記ベース部材に保持する保持部材と、を備え、
前記羽根部材が閉状態のとき、前記開口部の少なくとも一部が前記羽根部材によって遮蔽され、
前記羽根部材が開状態のとき、前記開口部が前記羽根部材によって遮蔽されず、前記羽根部材の先端が前記スリットに差し込まれた状態となり、
前記アクチュエータは、
前記レバー部材に保持されたマグネットと、
前記マグネットおよび前記レバー部材を囲うように、前記保持部材の周りに巻回されるコイルと、を含む、
羽根駆動装置。
【請求項2】
前記羽根部材と前記レバー部材とを連結する連結部と、
前記連結部による前記羽根部材と前記レバー部材との連結を保持する連結保持部材と、をさらに備える、
請求項1に記載の羽根駆動装置。
【請求項3】
前記羽根部材は、作動面と、前記作動面よりも光軸方向後方に一段下がった段差面を含み、
前記連結保持部材は、光軸方向の一方の面が前記段差面と対面し、光軸方向の他方の面が作動面よりも光軸方向後方に位置する、
請求項2に記載の羽根駆動装置。
【請求項4】
光軸を中心とする開口部の少なくとも一部を遮蔽するよう移動自在な羽根部材を保持するベース部材と、
前記羽根部材を差し込み可能なスリットが設けられ、前記ベース部材に取り付けられるレンズバレルと、
前記羽根部材を開状態または閉状態に駆動するアクチュエータと、
前記羽根部材と連結されたレバー部材と、
前記羽根部材と前記レバー部材とを連結する連結部と、
前記連結部による前記羽根部材と前記レバー部材との連結を保持する連結保持部材と、を備え、
前記羽根部材が閉状態のとき、前記開口部の少なくとも一部が前記羽根部材によって遮蔽され、
前記羽根部材が開状態のとき、前記開口部が前記羽根部材によって遮蔽されず、前記羽根部材の先端が前記スリットに差し込まれた状態となり、
前記羽根部材は、作動面と、前記作動面よりも光軸方向後方に一段下がった段差面を含み、
前記連結保持部材は、光軸方向の一方の面が前記段差面と対面し、光軸方向の他方の面が作動面よりも光軸方向後方に位置する、
羽根駆動装置。
【請求項5】
前記羽根部材は、前記レバー部材と一体に形成される、
請求項1または請求項4に記載の羽根駆動装置。
【請求項6】
前記羽根部材の光軸方向の厚みは、前記スリットの幅に対して20%以上95%以下である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の羽根駆動装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の羽根駆動装置を備える、撮像装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の羽根駆動装置を備える、携帯電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根を駆動するための羽根駆動装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、羽根を駆動することで露光開口の大きさを調整したり、露光開口の開閉を制御したりする、絞り装置、シャッタ、及びフィルタ切り替え装置などが知られている。このような装置に関する背景技術の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1のレンズ装置では、鏡筒本体の側面に設けられた2つの挿通孔に絞り装置が挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−348030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなレンズ鏡筒を携帯電話機用のカメラモジュールで利用する場合、レンズ鏡筒の光軸方向の厚み(長さ)が問題となる。絞り機構とレンズとの間隔を狭めるなどして薄型化を図っても、絞り機構の光軸方向の厚みによって、レンズ鏡筒全体の光軸方向の厚みが長くなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
光軸を中心とする開口部の少なくとも一部を遮蔽するよう移動自在な羽根部材(24,60)を保持するベース部材(12,50)と、
前記羽根部材を差し込み可能なスリット(38)が設けられ、前記ベース部材に取り付けられるレンズバレル(28)と、
前記羽根部材を開状態または閉状態に駆動するアクチュエータ(16,22)と、を備え、
前記羽根部材が閉状態のとき、前記開口部の少なくとも一部が前記羽根部材によって遮蔽され、
前記羽根部材が開状態のとき、前記開口部が前記羽根部材によって遮蔽されず、前記羽根部材の先端が前記スリットに差し込まれた状態となる、
羽根駆動装置である。
【0007】
上記構成の羽根駆動装置では、羽根駆動装置の光軸方向の厚みの増加につながる羽根部材を支持する部材を用いることなく、羽根部材がレンズバレル内を確実に動作するようにできる。これにより、羽根部材を支持する部材を用いた構成と比較して、光軸方向の厚みの薄い(光軸方向に短い)、比較的小型の羽根駆動装置を構成することができる。
【0008】
上記羽根駆動装置において、好ましくは、
前記羽根部材と連結されたレバー部材(14)と、
前記レバー部材を揺動可能に前記ベースに保持する保持部材(18)と、をさらに備え、
前記アクチュエータは、
前記レバー部材(14)に保持されたマグネット(16)と、
前記マグネットおよび前記レバー部材を囲うように、前記保持部材の周りに巻回されるコイル(22)と、を含む。
【0009】
上記羽根駆動装置によれば、レバー部材がマグネットを保持し、その周囲をコイルが囲った構成とすることで、電磁アクチュエータを構成するマグネットとコイルとを、レバー部材とは全く異なる部分に配置する場合に比べて、比較的コンパクトにマグネット、コイルおよびレバー部材をベース部材に対して配置することができる。
【0010】
上記羽根駆動装置において、好ましくは、
前記羽根部材と前記レバー部材とを連結する連結部(14b,24a)と、
前記連結部による前記羽根部材と前記レバー部材との連結を保持する連結保持部材(26)とを、さらに備える。
【0011】
上記羽根駆動装置によれば、レバー部材と羽根部材とを別部材にすることで、コイルをベース部材に巻回した後に羽根部材を取り付けることができるため、羽根駆動部の組み立てを容易にすることができる。
【0012】
上記羽根駆動装置において、好ましくは、
前記羽根部材は、作動面(24b)と、前記作動面よりも光軸方向後方に一段下がった段差面(24c)を含み、
前記連結保持部材は、光軸方向の一方の面が前記段差面と対面し、光軸方向の他方の面が作動面よりも光軸方向後方に位置する。
【0013】
上記羽根駆動装置によれば、レバー部材と羽根部材との連結を保持する連結保持部材を、光軸方向において作動面よりも飛び出すことなく、ベース部材に設けることができる。
【0014】
上記羽根駆動装置において、好ましくは、
前記羽根部材は、前記レバー部材と一体に形成される。
【0015】
上記羽根駆動装置によれば、羽根部材にレバー部材を一体形成することで、上述した連結保持部を用いることなく、ベース部材が羽根部材を安定して保持することができる。これにより、羽根駆動部材の部品点数を減らすことができ、材料コスト等を削減することができる。
【0016】
上記羽根駆動装置において、好ましくは、
前記羽根部材の光軸方向の厚みは、前記スリットの幅に対して20%以上95%以下である。
【0017】
上記羽根駆動装置によれば、羽根部材を支持する部材を用いずに羽根部材を適切に駆動することができるとともに、羽根駆動装置の光軸方向の厚みを薄くすることができる。
【0018】
また、本発明は、上記羽根駆動装置を備える撮像装置を含む。
【0019】
上記撮像装置によれば、光軸方向に薄型化された羽根駆動装置を採用することで、撮像装置の光軸方向の薄型化および小型化を図ることができる。
【0020】
また、本発明は、上記羽根駆動装置を備える携帯電子機器を含む。
【0021】
上記撮像装置によれば、光軸方向に薄型化された羽根駆動装置を採用することで、携帯電子機器の光軸方向の薄型化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、この発明の一実施例の羽根駆動装置の分解斜視図である。
図2図2は、図1に示す羽根駆動部の平面図である。
図3図3は、図1に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図4図4は、図1に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図5図5は、図4に示す羽根駆動部のA−Aの位置における断面図である。
図6図6は、図1に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図7図7は、図1に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図8図8は、図1に示すレンズバレルの斜視図である。
図9図9は、図1に示す羽根駆動装置の平面図である。
図10図10は、図1に示す羽根駆動装置の他の平面図である。
図11図11は、図1に示す羽根駆動装置の側面図である。
図12図12は、図9に示す羽根駆動装置のB−Bの位置における断面図である。
図13図13は、図1に示す羽根駆動装置の他の平面図である。
図14図14は、図13に示す羽根駆動装置のC−Cの位置における断面図である。
図15図15は、この発明の他の実施例の羽根駆動装置の分解斜視図である。
図16図16は、図15に示す羽根駆動部の平面図である。
図17図17は、図15に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図18図18は、図15に示す羽根駆動部の他の平面図である。
図19図19は、図15に示す羽根駆動装置の平面図である。
図20図20は、図15に示す羽根駆動装置の他の平面図である。
図21図21は、図1または図15に示す羽根駆動装置を備える撮像装置および携帯電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
2.実施形態2
3.補足事項
【0024】
<1.実施形態1>
本実施形態の羽根駆動装置10では、光軸を中心とする開口部の少なくとも一部を遮蔽するように羽根部材24が移動する構成とされている。羽根駆動装置10は、羽根部材24を保持するベース部材12にレンズバレル28が取り付けられ、電磁アクチュエータによって羽根部材24が開状態または閉状態に駆動される。閉状態では、開口部の少なくとも一部が羽根部材24によって遮蔽される。一方、開状態では、開口部は羽根部材24により遮蔽されず開放されたまま、レンズバレル28のスリット38に羽根部材の先端が差し込まれた状態となることを特徴の一つとしている。以下、本実施形態の羽根駆動装置10について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
図1は、本実施形態の羽根駆動装置10の分解斜視図である。
【0026】
図1から図5などに示されるように、本実施形態の羽根駆動装置10は、ベース部材12、レバー部材14、マグネット16、保持部材18、磁性体20、コイル22、羽根部材24、連結保持部材26、及びレンズバレル28を含んで構成される。なお、本明細書では、羽根駆動装置10において、レンズバレル28を除く、ベース部材12、レバー部材14、マグネット16、保持部材18、磁性体20、コイル22、羽根部材24および連結保持部材26をまとめて羽根駆動部と称することがある。
【0027】
ベース部材12は、樹脂製であり、羽根部材24を移動自在に保持する。ベース部材12は、レバー部材14の回転ピン14aが嵌合される第1嵌合孔12a、羽根部材24の連結ピン24aが貫通する長孔12b、及びコイル22の一部が巻回される第1巻回部12cなどを含んで構成される。
【0028】
レバー部材14は、樹脂製であり、羽根部材24を駆動するための部材である。レバー部材14は、レバー部材14の回転中心となる2つの回転ピン14a、羽根部材24の連結ピン24aと連結される連結部14b、及びマグネット16を保持する収容部14cなどを含んで構成される。
【0029】
マグネット16は、S極及びN極の2極に着磁されており、後述するコイル22と共に電磁アクチュエータを構成する。
【0030】
保持部材18は、樹脂製であり、レバー部材14を揺動可能に保持する共にコイル22が巻回される。保持部材18は、レバー部材14の回転ピン14aが嵌合される第2嵌合孔18a、及びコイル22の他の一部が巻回される第2巻回部18bを含んで構成される。
【0031】
磁性体20は、たとえば金属などの磁性体で形成されており、レバー部材14を初期位置で保持するために用いられる。磁性体20は、第1巻回部12cおよび第2巻回部18bを覆うように折り曲げられた2つの襷部20aを含んで構成される。
【0032】
コイル22は、ベース部材12の第1巻回部12cおよび保持部材18の第2巻回部18bに導線を巻回すことで形成される。コイル22は、上述したマグネット16と共に電磁アクチュエータを構成し、レバー部材14を介して羽根部材24を駆動する。
【0033】
羽根部材24は、光を遮蔽する部材で形成され、光軸を中心とする開口部の少なくとも一部を遮蔽するために用いられる。このような羽根部材24は、連結ピン24a、作動面24b、段差面24c、及び絞り開口24dを含んで構成される。連結ピン24aは、レバー部材14と連結する。作動面24bは、開口部の少なくとも一部を遮蔽する。段差面24cは、連結ピン24aと作動面24bとの間に設けられ、その作動面24bに対して光軸方向後方に一段下がっている。絞り開口24dは、作動面24bに設けられる。
【0034】
なお、羽根部材24は、絞り開口24dを有し、羽根駆動装置10を搭載する撮像装置で絞りとして機能することから、絞り羽根と言われることもある。また、連結ピン24aは、電磁アクチュエータの駆動力が伝達されることから、駆動ピンと言われることもある。また、他の実施形態の羽根部材24は、露光開口の全体を覆うシャッタ羽根、またはIRカットフィルタなどを用いたフィルタ羽根であってもよい。
【0035】
連結保持部材26は、レバー部材14と羽根部材24との連結を保持するための部材である。また、連結保持部材26は、光軸方向の一方の面が段差面24cと対面し、光軸方向の他方の面が作動面24bよりも光軸方向後方に位置する。
【0036】
ここで、羽根駆動部を組み立てる手順を説明する。まず、図1から図5に示すように、レバー部材14の収容部14cにマグネット16を配置する。次に、マグネット16を保持したレバー部材14の一方側の回転ピン14aをベース部材12の第1嵌合孔12aに嵌合する。続いて、他方側の回転ピン14aが保持部材18の第2嵌合孔18aと嵌合するように保持部材18がベース部材12に取り付けられる。これにより、レバー部材14(マグネット16)は、ベース部材12と保持部材18との間に挟まれた状態となる。なお、マグネット16とコイル22とは、まとめて電磁アクチュエータと言われることもある。
【0037】
このように、レバー部材14がマグネット16を保持し、その周囲をコイル22が囲った構成とすることで、電磁アクチュエータを構成するマグネットとコイルとを、レバー部材とは異なる部分に配置する場合に比べて、比較的コンパクトにマグネット16、コイル22およびレバー部材14をベース部材12に対して配置することができる。
【0038】
続いて、ベース部材12の第1巻回部12c、および保持部材18の第2巻回部18bに対して、コイル22の導線を巻回する。このように、コイル22を設けることで、保持部材18をベース部材12に対してより確実に固定することができる。そして、このようにして設けられたコイル22の一部を覆うように、磁性体20が取り付けられる。
【0039】
次に、羽根部材24は、ベース部材12の長孔12bを介して、レバー部材14の連結部14bに形成された孔に連結ピン24aが嵌合される。連結保持部材26は、レバー部材14と羽根部材24との連結を維持するために、ベース部材12に取り付けられる。
【0040】
このように、レバー部材14と羽根部材24とを別部材にすることで、コイル22をベース部材12に巻回した後に羽根部材24を取り付けることができるため、羽根駆動部の組み立てを容易にすることができる。
【0041】
このように羽根駆動部が組み立てられた状態では、レバー部材14に設けられたマグネット16と磁性体20との間には磁気吸引力が生じ、マグネット16は磁性体20に吸引される。マグネット16は、レバー部材14におり保持されているため、マグネット16と磁性体20との間の磁気吸引力によって、レバー部材14が移動する。具体的には、マグネット16の端部のそれぞれが、磁性体20の2つの襷部20aと近接した状態でレバー部材14が停止する。図2および図3に示すように、このようにしてレバー部材14が停止する位置が、レバー部材14の初期位置となる。
【0042】
また、コイル22に電力が供給されるとコイル22が磁力を帯び、その磁力とマグネット16の磁力との相互作用によって、レバー部材14が駆動され、回転する。レバー部材14が駆動されると、レバー部材14に連結されている羽根部材24が駆動される。たとえば、羽根部材24が初期位置から移動すると、図6および図7に示す状態となる。一方、コイル22に対して上記とは逆方向に通電し、羽根部材24が上記とは逆方向に駆動すると、図2および図3に示す状態となる。
【0043】
なお、本実施形態のマグネット16とコイル22とは、ボイス・コイル・モータ(以下、「VCM」と言う。)として機能する。そして、このVCMによってレバー部材14に駆動力が与えられる。
【0044】
なお、羽根部材24は、動作時にたわまない程度に光軸方向に所定の厚みを有しているため、自身の作動を支持する支持部材を有することなく、動作することができる。
【0045】
レンズバレル28は、第1レンズ保持部32、第2レンズ保持部34、連結部36、及びバレルベース部40を含んで構成されている。第1レンズ保持部32は、第1レンズ群を保持する。第2レンズ保持部34は、第2レンズ群を保持する。連結部36は、第1レンズ保持部と第2レンズ保持部とを連結する。バレルベース部40は、ベース部材12にレンズバレル28を固定する。また、光軸方向において第1レンズ保持部32と第2レンズ保持部34との間に、スリット38が形成されている。なお、第1レンズ保持部32に設けられている開口部が、本実施例の羽根駆動装置10における露光開口となる。
【0046】
第1レンズ保持部32および第2レンズ保持部34は、それぞれ少なくとも1枚のレンズから構成されるレンズ群を保持する。スリット38に対して羽根部材24が挿入されると、羽根部材24は、2つのレンズ群の間に配置された状態となる。
【0047】
図9および図10に示すように、レバー部材14が初期位置にある状態で、羽根駆動部にレンズバレル28が固定されると、羽根駆動装置10は開状態となる。開状態では、羽根部材24によって開口部が遮蔽されずに全開となり、羽根部材24の先端がレンズバレル28の内部に差し込まれた状態となる。
【0048】
ここで、図11および図12に示すように、羽根部材24の作動面24bは、光軸方向において第1レンズ保持部32のスリット側の面よりも低くなるよう(光軸方向後方に位置するよう)にされている。そして、段差面24cは、光軸方向においてこのような作動面24bよりもさらに低くなるよう(さらに光軸方向後方に位置するよう)にされている。このようにすることで、レバー部材14と羽根部材24との連結を保持する連結保持部材26を、光軸方向において作動面24bよりも飛び出すことなく、ベース部材12に設けることができる。
【0049】
図13に示すように、羽根部材24が移動すると、レンズバレル28の開口部の一部が羽根部材24によって覆われた小絞り状態となる。なお、羽根駆動装置10の小絞り状態は、閉状態と言われることもある。
【0050】
また、図14に示すように、羽根部材24の光軸方向の厚みは、スリット38の幅に対して、20%以上95%以下の関係を有するように設計されている。このように設計することで、羽根部材24を支持する部材を用いずに、羽根部材24を適切に駆動することができるとともに、羽根駆動装置10の光軸方向の厚みを薄くすることができる。
【0051】
以上の説明から分かるように、本実施形態の構成によれば、羽根駆動装置10の光軸方向の厚みの増加につながる羽根部材24を支持する部材を用いることなく、羽根部材24がレンズバレル28内を確実に動作するようにできる。
【0052】
<2.実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について、図面を参照しながら説明する。実施形態2の羽根駆動装置10は、実施形態1の羽根駆動装置10と比較して、羽根部材とレバー部材とが一体形成されている点などで相違し、それ以外の構成等は同様である。以下の説明では、他の実施形態が実施形態1と相違する点についての説明を行い、実施形態1と同様の構成等についてはその説明を省略する。
【0053】
図15から図17などに示されるように、実施形態2の羽根駆動部は、ベース部材50、マグネット16、保持部材18、磁性体20、コイル22、および羽根部材60を含んで構成される。
【0054】
ベース部材50は、実施形態1のベース部材12と同様、第3嵌合孔50aおよび第3巻回部50cを含むとともに、後述する羽根部材60の連結軸60cが任意に移動可能な作動部50bを含む。作動部50bは、Y軸方向にベース部材50が凹んだ部分を指す。
【0055】
羽根部材60は、実施形態1のレバー部材14と羽根部材24とを一体化したものである。そのため、羽根部材60は、実施形態1のレバー部材14と同じ回転ピン60aおよび収容部60bを含むとともに、実施形態1の羽根部材24と同じ作動面60dおよび絞り開口60eを有している。そして、実施形態2の羽根部材60は、羽根部材に相当する部分とレバー部材に相当する部分とを連結する連結軸60cを有している。この連結軸60cは、光軸方向に延びる棒状であり、一方端に羽根部材に相当する部分が連結され、他方端にレバー部材に相当する部分が連結されている。
【0056】
続いて、実施形態2の羽根駆動部を組み立てる手順を説明する。図15から図18などに示されるように、マグネット16が羽根部材60の収容部60bに保持され、その羽根部材60の回転ピン60aをベース部材50の第3嵌合孔50aに嵌合する。このとき、ベース部材50の作動部50bの下側から、連結軸60cを差し込むことで、回転ピン60aを第3嵌合孔50aに嵌合することができる。また、実施形態1と同様に、保持部材18をベース部材50に取り付けたのち、保持部材18の第2巻回部18bおよびベース部材50の第3巻回部50cにコイル22の導線が巻回される。このとき、羽根部材60を図17に示すように、コイル22における導線の巻回位置から退避した状態にすることで、コイル22の導線を巻回すときに羽根部材60が邪魔にならず、巻回しやすいようにする。
【0057】
そして、このようにして組み立てられた実施形態2の羽根駆動部において、VCMが動作すると、羽根部材60は図16または図18の状態となる。さらに、羽根駆動部にレンズバレル28が取り付けられた状態でVCMが駆動されると、図19に示す開状態または図20に示す閉状態となる。
【0058】
以上の説明から分かるように、本実施形態の羽根駆動装置10では、羽根部材60にレバー部材を一体形成することで、実施形態1で用いた連結保持部材26を用いることなく、ベース部材50は羽根部材60を安定して保持することができる。これにより、羽根駆動部材10の部品点数を減らすことができ、材料コスト等を削減することができる。
【0059】
<3.補足事項>
【0060】
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0061】
なお、絞り開口を有する羽根部材24を駆動する羽根駆動装置10は絞り装置と言われることもある。また、シャッタ羽根を駆動する羽根駆動装置10はシャッタと言われ、フィルタ羽根を駆動する羽根駆動装置10はフィルタ切り替え装置と言われることもある。すなわち、本発明の羽根駆動装置10は、絞り装置、シャッタ、またはフィルタ切り替え装置の総称であるといえる。
【0062】
また、羽根駆動源には、VCMに代えて、マグネットロータをU字型のヨークで挟む形状のモータなどの、他のアクチュエータが用いられてもよい。
【0063】
上述した羽根駆動装置10は、たとえば図21に示すような、いわゆるスマートフォン、いわゆるフィーチャーフォン、またはタブレット機器などの携帯情報機器90用の撮像装置80を構成する部品として用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、特に羽根部材を駆動するための羽根駆動装置として効果的に利用される。
【符号の説明】
【0065】
10 … 羽根駆動装置
12 … ベース部材
12a … 第1嵌合孔
12b … 長孔
12c … 第1巻回部
14 … レバー部材
14a … 回転ピン
14b … 連結部
14c … 収容部
16 … マグネット
18 … 保持部材
18a … 第2嵌合孔
18b … 第2巻回部
20 … 磁性体
20a … 襷部
22 … コイル
24 … 羽根部材
24a … 連結ピン
24b … 作動面
24c … 段差面
24d … 絞り開口
26 … 連結保持部材
28 … レンズバレル
32 … 第1レンズ保持部
34 … 第2レンズ保持部
36 … 連結部
38 … スリット
40 … レンズベース部
50 … ベース部材
50a … 第3嵌合孔
50b … 作動部
50c … 第3巻回部
60 … 羽根部材
60a … 回転ピン
60b … 収容部
60c … 連結軸
60d … 作動面
60e … 絞り開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21