(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理システムおよび情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法、情報処理システムおよび情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
〔1.情報処理システムを用いた商取引例〕
図1A〜
図1Cを用いて、第1の実施形態にかかる情報処理システムとしてオークションシステムを用いた商取引の一例について説明する。
図1A〜
図1Cは、第1の実施形態にかかるオークションシステムSを用いて行われる商取引の一例を説明する図である。なお、ここでは、商品の商取引としてオークションサービスを一例に挙げて説明するが、商取引はオークションサービスに限定されない。例えば、商取引が、商品の販売やレンタル等であってもよい。
【0011】
まず、
図1Aを用いてオークションシステムSの概要について説明する。
【0012】
図1Aに示すように、オークションシステムSは、ロッカー装置1と、ロッカー装置1に搭載されたオークションサーバ10とを有する。
【0013】
ロッカー装置1は、表示装置20と、ICカード等の情報を読み取る読取装置30と、複数のロッカー(収納部)40A〜40Eと、を有する。
【0014】
表示装置20は、例えばタッチパネルの機能を有する液晶ディスプレイ等であって、ロッカー40A〜40Eの空き情報や収納される商品に関する情報等をユーザに提示する。また、表示装置20は、例えばタッチパネルを介してユーザからの入力操作を受け付ける。
【0015】
読取装置30は、例えばユーザが有するICカードやユーザ端末に記憶される情報を読み取る装置であり、読み取った情報をオークションサーバ10に送信する。ユーザは、読取装置30を介して、ロッカー装置1への支払いや商品に関する情報の入力等を行う。なお、ロッカー装置1への支払いは、図示しない金銭投入部に現金を投入することで行うこともできる。また、商品に関する情報は、上述した表示装置20のタッチパネル機能を利用して入力することもできる。
【0016】
ロッカー40A〜40Eは、開閉可能な収納扉と、かかる収納扉を施錠することでロッカー40A〜40Eを施錠可能な施錠部(不図示)とを備え、内部にオークションへの出品物である商品を収納することができる。収納扉には、透明な窓が設けられており、ユーザは、内部に収納された出品物を確認することができる。なお、以下、ロッカー40A〜40Eを区別しない場合には、単にロッカー40と表記する場合がある。
【0017】
オークションサーバ10は、ロッカー40に収納された出品物に対してオークションに関する処理を行う。これにより、オークションサーバ10は、ユーザに対して出品物のオークションに関するサービスを提供する。
【0018】
図1A〜
図1Cを用いて、具体的なオークションの流れについて説明する。まず、図
1Aに示すように、出品者Eがロッカー40Aに出品物を収納することで、オークションサーバ10は、出品者Eによるオークションへの出品を受け付ける(ステップS1)。
【0019】
次に、
図1Bに示すように、入札者U1が例えば表示装置20を介して入札に必要な情報を入力すると、オークションサーバ10は、入札者U1によるロッカー40Aの出品物に対する入札を受け付ける(ステップS2)。
【0020】
その後、出品から一定期間経過して出品物の落札者が決定したものとする。なお、落札者はオークションサーバ10によって入札者の中から決定される。
図1Cに示すように、落札者は、例えば読取装置30に不図示のICカードをかざすことで落札金の入金を行う。オークションサーバ10は、落札金の入金を条件にロッカー40を解錠する。落札者U2は、入金後に解錠されたロッカー40から落札物を受け取る(ステップS3)。
【0021】
なお、オークションサーバ10は、出品を受け付けてオークションを開始した場合や、入札を受け付けた場合等に、出品物に関する情報をユーザに通知する。通知を行うユーザは、例えばユーザの行動履歴に応じて決定する。かかる通知の詳細については、
図3および
図11を用いて後述する。
【0022】
このように、オークションサーバ10は、ユーザの行動履歴に基づいて出品物に関する情報を通知することで、オークションに参加する可能性が高いユーザに対してオークションに出品された出品物に関する情報を通知することができる。また、ユーザは、ロッカー装置1に出向くことなく、例えば参加しやすいオークションに関する情報を知ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
〔2.全体システムS0の構成〕
次に、
図2を用いて、第1の実施形態にかかるシステムの構成について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる全体システムS0の構成例を示す図である。
図2に示すように、第1の実施形態にかかる全体システムS0は、入札者U1〜Unによって利用される入札者端末2−1〜2−nと、出品者E1〜Enによって利用される出品者端末3−1〜3−nと、ロッカー装置1と、ロッカー装置1に搭載されるオークションサーバ10とを有する。
【0024】
入札者端末2−1〜2−nと、出品者端末3−1〜3−nと、オークションサーバ10とは、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、第1の実施形態にかかる情報処理システムSには、複数台のロッカー装置1と、各ロッカー装置1にそれぞれ搭載されるオークションサーバ10とが含まれてよい。
【0025】
また、入札者U1〜Unを区別しない場合には、単に入札者Uと表記し、入札者端末2−1〜2−nを区別しない場合には、単に入札者端末2と表記する場合がある。また、出品者E1〜Enを区別しない場合には、単に出品者Eと表記し、出品者端末3−1〜3−nを区別しない場合には、単に出品者端末3と表記する場合がある。また、入札者Uや出品者Eを区別しない場合、単にユーザと表記する場合がある。なお、ユーザには、入札者Uや出品者E以外にも、オークションサービスの提供を受ける可能性があるユーザが含まれる場合がある。
【0026】
また、ユーザが利用する端末をユーザ端末と表記する。ユーザ端末には、スマートフォンやタブレット等の携帯端末装置の他にICカードや、ICカード機能を有する携帯端末が含まれる場合がある。ユーザ端末がICカードや、ICカード機能を有する携帯端末である場合、オークションサーバ10は、ロッカー装置1の読取装置30を介してユーザ端末と直接通信を行う。このように、オークションサーバ10とユーザ端末とがネットワークNを介さずに通信を行う方法としては、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)などの近距離通信等が挙げられる。
【0027】
オークションサーバ10は、オークションサービスを提供するサーバ装置である。オークションサーバ10の詳細については
図3を用いて後述する。なお、
図2では、オークションサーバ10がロッカー装置1に搭載される場合について示しているが、オークションサーバ10はロッカー装置1に搭載される必要はなく、ロッカー装置1とは異なる場所に設けられてもよい。この場合、ロッカー装置1とオークションサーバ10とは、例えばネットワークNを介して接続される。
【0028】
〔3.オークションシステムSの構成〕
続いて、
図3を用いて、第1の実施形態にかかるオークションシステムSについて説明する。
図3は、第1の実施形態にかかるオークションシステムSの構成例を示す図である。
図3に示すように、オークションシステムSは、ロッカー装置1と、オークションサーバ10とを備える。
【0029】
〔3.1.ロッカー装置1〕
ロッカー装置1は、表示装置20と、読取装置30と、ロッカー40と、カメラ50と、重さセンサ60とを有する。
【0030】
表示装置20は、上述したように、例えばタッチパネルの機能を有する液晶ディスプレイ等であって、ロッカー40に収納される商品に関する情報等をユーザに提示する。また、表示装置20は、例えばタッチパネルを介してユーザからの入力操作を受け付ける入力装置としても機能するものとする。
【0031】
読取装置30は、例えば、非接触型のICカードを読み取るリーダーである。例えば、ユーザがユーザ端末としてICカードを読取装置30に近づけることで、読取装置30は、ICカードに記憶される情報を読み取ったり、所定の情報をICカードに記憶させたりする。なお、表示装置20の入力装置としての機能および読取装置30をまとめて、ロッカー装置1の入力部とも記載する。
【0032】
ロッカー40は、オークションに出品される出品物を収納する収納部である。上述したように、ロッカー40は、開閉可能な収納扉と、かかる収納扉を施錠することでロッカー40を施錠可能な施錠部とを備える。収納扉には、透明な窓が設けられており、ユーザは、内部に収納された出品物を確認することができる。
【0033】
カメラ50は、例えば複数の各ロッカー40内に設けられ、ロッカー40内部を撮像する撮像装置(センサ)である。カメラ50は、ロッカー40に収納された出品物を撮像する。また、重さセンサ60は、例えば複数の各ロッカー40に設けられ、ロッカー40内部の重さを検出することで、ロッカー40に収納された出品物の重さを検出する。
【0034】
〔3.2.オークションサーバ10〕
オークションサーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。
【0035】
〔3.2.1.通信部11〕
通信部11は、例えば、ユーザ端末との間で情報の送受信を行う。通信部11は、第1通信部11aと、第2通信部11bとを有する。第1通信部11aは、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、第1通信部11aは、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、ユーザ端末との間で情報の送受信を行う。
【0036】
第2通信部11bは、例えばロッカー装置1の読取装置30を介して、非接触型ICカードであるユーザ端末との間で情報の送受信を行う。すなわち、読取装置30にユーザがICカードをかざすことで、第2通信部11bは、ICカードとの間で情報の送受信を行う。なお、第2通信部11bとユーザ端末との間の通信は、非接触型ICカードによる通信に限定されず、例えばBluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)などの近距離通信であってもよい。
【0037】
〔3.2.2.記憶部13〕
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、出品情報13aと、ロッカー装置情報13bと、ロッカー情報13cと、入札情報13dと、落札情報13eと、一時出庫情報13fとを記憶する。
【0038】
〔3.2.2.1.出品情報13a〕
出品情報13aは、出品者に関する情報や出品物に関する情報である。ここで、
図4に第1の実施形態にかかる出品情報13aの一例を示す。
図4の例では、出品情報13aには、「出品者ID」、「商品ID」、「出品者情報」、「出品物情報」、「価格情報」や「収納ロッカー情報」等といった情報が含まれる。
【0039】
「出品者ID」は、出品者Eまたは出品者端末3を識別するための識別情報を示す。なお、かかる出品者IDは、出品者端末3を識別するための識別情報であってもよい。「商品ID」は、出品商品を識別する識別情報を示す。「出品者情報」は、出品者Eの個人情報を示し、例えば、出品者Eの連絡先であるメールアドレスや出品者氏名、住所等を含む。「出品物情報」は、対応する出品者Eによって出品される出品物の名称(商品名)、画像データ、説明文等を含む。
【0040】
「価格情報」は、出品物のオークション開始時の価格を示す開始価格や、即座に落札することができる価格を示す即決価格等を含む。本実施形態では、「価格情報」は、出品者Eによって設定されるものとするが、オークションサーバ10によって自動で設定されてもよい。「収納ロッカー情報」は、出品物が収納されたロッカーに関する情報を示し、例えばロッカー40のロッカーIDを含む。
【0041】
例えば、
図4では、出品者ID「E1」によって識別される出品者Eがメールアドレス等の個人情報とともに、商品ID「P001」によって識別される「ノートパソコンF−10」をロッカー40Aに収納することで出品している例を示す。
【0042】
〔3.2.2.2.ロッカー装置情報13b〕
ロッカー装置情報13bは、ロッカー装置1に関する情報である。ここで、
図5に第1の実施形態にかかるロッカー装置情報13bの一例を示す。
図5の例では、ロッカー装置情報13bには、「ロッカー装置ID」や「設置位置」等といった情報が含まれる。
【0043】
「ロッカー装置ID」は、オークションサーバ10が搭載されるロッカー装置1を識別するための識別情報を示す。「設置位置」は、ロッカー装置1の設置位置を示し、例えば、ロッカー装置1の住所等を含む。なお、「設置位置」は、ロッカー装置1の住所に限らず、例えば経緯度であってもよい。例えば、
図5では、ロッカー装置ID「L001」によって識別されるロッカー装置1が「東京都A駅」に設置されている例を示す。なお、
図5では、1つのロッカー装置1に関する情報を含むロッカー装置情報13bについて示したが、ロッカー装置情報13bはこれに限定されない。例えば、オークションサーバ10が複数のロッカー装置1においてオークションサービスを提供している場合、ロッカー装置情報13bには複数のロッカー装置1に関する情報が含まれる。
【0044】
〔3.2.2.3.ロッカー情報13c〕
ロッカー情報13cは、ロッカー装置1が有するロッカー40に関する情報である。ここで、
図6に第1の実施形態にかかるロッカー情報13cの一例を示す。
図6の例では、ロッカー情報13cには、「ロッカーID」、「使用状況」や「サイズ」等といった情報が含まれる。
【0045】
「ロッカーID」は、出品物を収納する収納部であるロッカー40を識別するための識別情報を示す。「使用状況」は、ロッカー40が使用されているか否か、すなわちロッカー40に出品物が収納されているか否かを示す。「サイズ」は、ロッカー40のサイズを示す。例えば、
図6では、ロッカーID「40A」によって識別され、サイズが「小」であるロッカー40Aが使用中である例を示す。
【0046】
〔3.2.2.4.入札情報13d〕
入札情報13dは、出品物に対して行われた入札に関する情報である。ここで、
図7に第1の実施形態にかかる入札情報13dの一例を示す。
図7の例では、入札情報13dには、「入札者ID」、「商品ID」、「入札者情報」や「入札金額」等といった情報が含まれる。
【0047】
「入札者ID」は、出品物に対して入札を行った入札者Uを識別するための識別情報を示す。なお、かかる入札者IDは、入札者端末2を識別するための識別情報であってもよい。「商品ID」は、入札が行われた出品物を識別するための識別情報を示す。「入札者情報」は、入札者Uの個人情報を示し、例えば、入札者Uの連絡先であるメールアドレスや入札者氏名、住所等を含む。「入札金額」は、出品物に対する入札金額を示し、例えば入札者Uによって設定される。例えば、
図7では、入札者ID「U1」によって識別される入札者Uが商品ID「P001」によって識別される出品物に対して入札金額「M1」で入札している例を示す。
【0048】
〔3.2.2.5.落札情報13e〕
落札情報13eは、出品物の落札に関する情報である。ここで、
図8に第1の実施形態にかかる落札情報13eの一例を示す。
図8の例では、落札情報13eには、「商品ID」、「落札者ID」、「落札者情報」、「落札金額」や「入金情報」等といった情報が含まれる。
【0049】
「商品ID」は、落札された出品物を識別するための識別情報を示す。「落札者ID」は、出品物を落札した落札者を識別するための識別情報を示す。「落札者情報」は、落札者の個人情報を示し、例えば、落札者の連絡先であるメールアドレスや落札者氏名、住所等を含む。「落札金額」は、出品物に対する落札金額を示す。「入金情報」は、落札者によって落札金が入金されたか否かを示す。
【0050】
例えば、
図8では、商品ID「P001」によって識別される出品物が、落札者ID「U1」によって識別され、メールアドレス等の個人情報が記憶される落札者によって、落札金額「M1」で落札され、当該落札者による入金が行われた例を示す。
【0051】
〔3.2.2.6.一時出庫情報13f〕
一時出庫情報13fは、出品物をロッカー40から一時的に出庫させる一時出庫に関する情報である。
【0052】
〔一時出庫〕
ここで、一時出庫について
図9A〜
図9Cを用いて説明する。
図9A〜
図9Cは、第1の実施形態にかかる一時出庫について説明する図である。第1の実施形態にかかるオークションシステムSでは、出品者Eによって出品された出品物に対して、デポジット(預かり金)を入金することで、出品者E以外のユーザが出品物をロッカーから取り出すことができる。なお、ユーザが取り出した出品物をロッカーに再度収納することで、ユーザにはデポジットが返金される。このように、ユーザが一時的に出品物を取り出す処理をここでは一時出庫と呼ぶ。
【0053】
具体的に、オークションサーバ10は、
図9Aに示すように、例えば、ユーザからロッカー40Aに収納される出品物の一時出庫要求を受け付ける(ステップS11)と、デポジットの入金を要求する(ステップS12)。デポジットの金額は、例えば出品物の即決価格であるものとする。
【0054】
次に、オークションサーバ10は、
図9Bに示すように、ユーザからデポジットの入金があったことを確認する(ステップS13)と、ロッカー40Aを解錠する(ステップS14)。これにより、ユーザは、ロッカー40Aに収納された出品物を取り出すことができ、出品物を実際に手にとって確認することができる。
【0055】
続いて、
図9Cに示すように、ユーザが取り出した出品物をロッカー40Aに収納することで、出品物を返却する(ステップS15)と、オークションサーバ10は、返却された出品物が、出品者Eが出品した出品物であるか否かを検出する(ステップS16)。オークションサーバ10は、例えば、ロッカー40Aの収納扉が閉じられてロッカー40Aが施錠されたことを契機として、ロッカー40Aの解錠前に収納されていた出品物と返却された出品物とが同一物品であるか否かを検出する。オークションサーバ10は、例えば、ロッカー40Aの解錠前および施錠後に収納された出品物の重さや画像を比較することで同一物品であるか否かを検出する。同一物品であると検出したオークションサーバ10は、ユーザに対してデポジットを返金する(ステップS17)。
【0056】
なお、ステップS17でオークションサーバ10が返金する金額は、ステップS12で要求したデポジットの金額と同額であっても、異なっていてもよい。例えば、オークションサーバ10が、出品物が取り出されてから返却されるまでの時間に応じた金額を差し引いた金額をユーザに返金するようにしてもよい。このように、オークションサーバ10が、出品物が取り出されていた時間に応じた金額をデポジットから差し引いてユーザに返金することで、ユーザが出品物を取り出す時間が不要に長くなることを抑制することができ、出品物の破損等を抑制することができる。
【0057】
なお、出品物が取り出されてから所定時間経過した場合、オークションサーバ10は、取り出された出品物が即時落札(購入)されたとして、返金処理を行う。すなわち、オークションサーバ10は、ユーザに対してデポジットの返金を行わないものとする。このように、出品物が返却されない場合に、出品物が即時落札されたものとすることで、出品者Eの利益を担保することができる。
【0058】
なお、ここでは、デポジットの金額を即決価格であるとしたが、これに限定されない。デポジットの金額は、即決価格より高くても低くてもよい。また、ここでは、デポジットの金額は、オークションサーバ10によって自動で設定されるものとするが、出品者によって設定されてもよい。
【0059】
また、出品者Eが出品物の一時出庫を許可するか否かを決定できるようにしてもよい。これは、例えば、出品物が壊れやすい商品であったり、ユーザが触れることで価値が下がる商品であったりした場合に、出品者Eは、ユーザが出品物に触れることを望まない可能性があるためである。なお、ユーザが触れることで下がる出品物の商品価値を補填するために、例えばオークションサーバ10は、一時出庫に対する対価を出品者Eに支払う。これにより、出品者Eが一時出庫を許可する可能性を向上させることができ、ユーザが出品物を手にとって確認しやすくすることができる。
【0060】
なお、出品者Eが出品物の一時出庫を禁止する場合であっても、ユーザは、ロッカー40の窓やカメラ50の撮像画像から出品物を確認することができるため、ユーザは、出品物を実際に確認してから例えば入札を行うことができる。
【0061】
上述した出品物の一時出庫に関する情報は、一時出庫情報13fとして記憶部13に記憶される。
図10に第1の実施形態にかかる一時出庫情報13fの一例を示す。
図10の例では、一時出庫情報13fには、「商品ID」、「ユーザID」、「ユーザ情報」、「デポジット金額」、「返金額」、「出庫時間」や「返却時間」等といった情報が含まれる。
【0062】
「商品ID」は、一時出庫された出品物を識別するための識別情報を示す。「ユーザID」は、出品物を一時出庫したユーザを識別するための識別情報を示す。「ユーザ情報」は、ユーザの個人情報を示し、例えば、ユーザの連絡先であるメールアドレスやユーザ氏名、住所等を含む。「デポジット金額」は、出品物に対して入金されたデポジット金額を示す。「返金額」は、ユーザに返金された金額を示す。
【0063】
「出庫時間」および「返却時間」は、出品物が取り出された時間および返却された時間をそれぞれ示す。なお、ここでは、例えばロッカー40が解錠された時間を出庫時間、ロッカー40が施錠された時間を返却時間とするが、これに限定されない。例えば、ロッカー40内の重さがほぼゼロになった時間を出庫時間とし、重さがゼロより重くなった時間を返却時間としてもよい。あるいは、オークションサーバ10が、ロッカー40内を撮像した撮像画像に基づき、出庫時間および返却時間を設定するようにしてもよい。
【0064】
例えば、
図10では、商品ID「P001」によって識別される出品物が、ユーザID「U1」によって識別され、メールアドレス等の個人情報が記憶されるユーザによって金額「X2」のデポジットが入金されることで、出庫時間「T01」に出庫された例を示す。また、
図10では、商品ID「P001」によって識別される出品物が、返却時間「T11」に返却され、返金額「X3」がユーザに返金された例を示す。
【0065】
〔3.2.3.制御部12〕
図3に戻る。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、オークションサーバ10内部の記憶部13に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0066】
制御部12は、商品検出部12aと、出品受付部12bと、一時出庫受付部12cと、入札受付部12eと、落札決定部12fと、受渡処理部12gと、返品処理部12hとを有する。また、制御部12は、取得部12iと、通知部12jと、ロッカー制御部12kと、画像処理部12nと、センサ情報取得部12oと、入金検出部12pと、返金処理部12qと、支払処理部12rとを有する。制御部12は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部12が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0067】
〔3.2.3.1.センサ情報取得部12o〕
センサ情報取得部12oは、カメラ50や重さセンサ60等、ロッカー装置1に搭載された各種センサの検出結果を取得する。ロッカー装置1に搭載されるセンサは、カメラ50および重さセンサ60に限定されず、例えばロッカー40の収納扉の開閉状態を検出するセンサや、ロッカー40の施錠状態を検出するセンサが含まれていてもよい。
【0068】
〔3.2.3.2.ロッカー制御部12k〕
ロッカー制御部12kは、ロッカー装置1の各部を制御する。例えば、ロッカー制御部12kは、ロッカー40の施錠部を制御することで、ロッカー40の施錠・解錠を制御する。また、ロッカー制御部12kが、例えばロッカー40の収納扉を自動で閉扉・開扉させてもよい。
【0069】
〔3.2.3.3.商品検出部12a〕
商品検出部12aは、ロッカー40に対して所定の操作が行われたか否かに基づき、ロッカー40に出品物である商品が収納されたか否かを検出する。ロッカー40に対する所定の操作には、例えばロッカー40の収納扉の開閉操作や解錠・施錠操作等が含まれる。商品検出部12aは、使用されておらず解錠されていたロッカー40が施錠されたことを契機として、ロッカー40に出品物である商品が収納されたか否かを検出する。商品検出部12aは、例えばセンサ情報取得部12oの取得結果に基づき、出品物が収納されたか否かを検出する。具体的に、商品検出部12aは、重さセンサ60が所定閾値以上の重さを検出した場合に、収納物が収納されたと検出する。あるいは、商品検出部12aが、カメラ50が撮像した撮像画像に基づき、出品物が収納されたか否かを検出するようにしてもよい。この場合、商品検出部12aは、例えばテンプレートマッチングや背景差分等を用いて出品物が収納されたか否かを検出する。
【0070】
また、商品検出部12aが、後述する出品受付部12bが出品を受け付けた場合に出品物がロッカー40に収納されたと検出してもよい。このように、商品検出部12aは、通信部11や表示装置20を介してユーザから取得した情報に基づいて出品物がロッカー40に収納されたか否かを検出することもできる。なお、商品検出部12aは、センサ情報取得部12oの取得結果およびユーザが入力した情報を組み合わせて出品物が収納されたか否かを検出してもよい。
【0071】
〔3.2.3.4.出品受付部12b〕
出品受付部12bは、オークションへの商品出品を受け付ける。例えば、出品受付部12bは、出品者Eが表示装置20を介して出品者情報や出品物情報、価格情報等を入力することで、これらの情報を取得してオークションへの出品を受け付ける。また、出品受付部12bは、取得した情報と、出品物が収納されたロッカーIDと、出品者IDとを対応付けて出品情報13aとして記憶部13に格納する。
【0072】
なお、出品受付部12bは、出品者情報や出品物情報、価格情報等を、通信部11を介して出品者端末3から取得してもよい。あるいは、出品者情報や出品物情報、価格情報等が図示しないサーバ等に保存されている場合、出品受付部12bが通信部11を介してこれらの情報を取得するようにしてもよい。
【0073】
出品受付部12bは、商品検出部12aによって出品物が収納されたと検出された場合に、出品を受け付けてオークション開始を決定する。これにより、出品者Eは、出品物をロッカー40に収納することでオークションを開始することができ、出品者Eの利便性を向上させることができる。
【0074】
なお、ここでは、出品者Eがロッカー装置1に出品物を収納することでオークションが開始されるとしたが、これに限定されない。例えば、落札者が落札物を受け取るまでに、出品物(落札物)をロッカー40に収納することを条件として、出品受付部12bが出品者端末3からオークションへの出品を受け付けるようにしてもよい。例えば、出品者Eがロッカー40に出品物を収納せずに、出品者端末3を介して出品物をオークションに出品できるようにしてもよい。この場合、入札者Uは入札者端末2を介して出品物の入札を行い、出品者Eは、例えば落札者が決定されてから出品物をロッカー40に収納する。
【0075】
このように、出品、入札等を、ユーザ端末を介して行い、落札物の受け取りにロッカー装置1を利用することもできる。これにより、出品者Eは、ロッカー装置1に出向かなくともオークションを開始することができるとともに、出品者Eの都合がよいときに出品物をロッカー40に収納することができ、出品者Eの利便性を向上させることができる。また、出品物が落札されなかった場合に、出品者Eは、後述する返品処理部12hによる返品処理を省略することができる、出品者Eの利便性を向上させることができる。このように、出品受付部12bは、出品物の収納を条件として、オークションを開始することで、出品者Eを含むユーザの利便性を向上させることができる。
【0076】
〔3.2.3.5.一時出庫受付部12c〕
一時出庫受付部12cは、ユーザからの要求に応じて、出品物の一時出庫を受け付ける。一時出庫受付部12cは、ユーザが要求した出品物に応じた金額のデポジットが入金された場合に、ロッカー制御部12kに一時出庫を行う出品物が収納されたロッカー40を解錠するよう指示する。なお、ユーザからの入金は、後述する入金検出部12pによって検出される。
【0077】
一時出庫受付部12cは、一時出庫を受け付けた出品物の商品IDとユーザによって入金されたデポジットの金額と、出庫時間とを対応付けて一時出庫情報13fとして記憶部13に格納する。
【0078】
一時出庫受付部12cは、解錠したロッカー40から取り出された出品物が当該ロッカー40に返却されたか否かを検出する返却検出部としても機能する。例えば、一時出庫受付部12cは、ロッカー40を解錠した後に当該ロッカー40が再び施錠された場合に、解錠前にロッカー40に収納されていた出品物と施錠後に収納された出品物が同一か否かを検出する。一時出庫受付部12cは、例えば解錠前の出品物の重さと施錠後の出品物の重さとを比較することで、出品物が同一か否かを検出する。あるいは、一時出庫受付部12cがカメラ50による出品物の撮像画像を比較することで、出品物が同一か否かを検出してもよく、撮像画像および出品物の重さの比較結果を組み合わせて検出してもよい。
【0079】
解錠したロッカー40から取り出された出品物が当該ロッカーに返却されたことを検出すると、一時出庫受付部12cは、出品物が取り出されていた時間に応じた金額を差し引いた金額のデポジットをユーザに返金するよう後述する返金処理部12qに指示する。一時出庫受付部12cは、返却された出品物を識別する商品IDと返却時間と返金額とを対応付けて記憶部13に格納することで、一時出庫情報13fを更新する。
【0080】
一時出庫受付部12cは、ユーザに返金したデポジットの額に応じて、一時出庫された出品物を出品した出品者Eに一時出庫に対する対価を支払うよう後述する支払処理部12rに指示する。
【0081】
〔3.2.3.6.入札受付部12e〕
入札受付部12eは、入札者Uからの入札要求に応じて、出品物に対する入札を受け付ける。入札受付部12eは、入札者Uが表示装置20を介して入札者情報や入札金額等を入力することでこれらの情報を取得する。入札受付部12eは、取得した情報と、ユーザUが入札した商品IDと、入札者IDとを対応付けて入札情報13dとして記憶部13に格納する。このように、入札受付部12eがロッカー装置1を介して出品物の入札を受け付けることで、入札者Uが出品物を実際に確認して入札を行うことができ、入札者Uの利便性を向上させることができる。
【0082】
なお、入札受付部12eは、入札者情報や入札金額等を、入札者Uの入札者端末2から取得してもよい。また、ここでは、入札者Uが直接ロッカー装置1を介してオークションサーバ10に対して入札を行うものとしたが、これに限定されない。例えば入札者UがネットワークNを介して接続された入札者端末2を用いて入札を行うようにしてもよい。これにより、入札者Uは、ロッカー装置1が設置された場所から離れた場所からでも出品物の入札を行うことができ、入札者Uの利便性を向上させることができる。
【0083】
〔3.2.3.7.落札決定部12f〕
落札決定部12fは、入札受付部12eが受け付けた入札に基づき、出品物の落札者を決定する。落札決定部12fは、出品受付部12bが商品の出品を受け付けてオークションが開始されてから所定時間経過した後に、入札者Uが入札した入札金額がもっとも高い入札者Uを落札者に決定する。落札決定部12fは、落札者に決定した入札者Uの入札者ID、入札者情報をそれぞれ落札者ID、落札者情報として、落札された出品物の商品IDおよび落札金額に対応付けて落札情報13eとして記憶部13に格納する。
【0084】
なお、落札決定部12fは、ユーザからの要求に応じて、即決価格の入金があった場合は、オークション開始からの経過時間によらず、即時落札し、入金を行ったユーザを落札者に決定する。また、落札決定部12fは、出品物に入札を行った入札者Uがいない場合、落札者なしと決定する。このように、落札決定部12fは、落札者の決定または落札者なしの決定を行うことで、オークション終了を決定する。
【0085】
落札決定部12fは、入金検出部12pが落札者からの落札金の入金を検出した場合に、落札情報13eの入金情報を更新する。
【0086】
〔3.2.3.8.受渡処理部12g〕
受渡処理部(落札処理部)12gは、落札決定部12fが決定した落札者に対して落札した出品物(以下、落札物とも記載する)を受け渡す。受渡処理部12gは、落札者が表示装置20を介して入力した落札者情報が、落札情報13eに含まれる落札者情報と一致し、落札者による入金を確認した場合、落札物が収納されたロッカー40を解錠するようロッカー制御部12kに指示する。これにより、落札物が落札者に渡される。
【0087】
なお、落札者による落札金の入金の有無は、落札情報13eの入金情報に基づいて確認することができる。かかる入金情報が「無」となっている場合、例えば受渡処理部12gは、落札者に対して入金を要求してもよい。受渡処理部12gは、入金要求後、入金検出部12pによって落札金の入金が検出された場合に、落札者に落札物を受け渡す。
【0088】
また、ここでは、ユーザが表示装置20を介して落札者情報を入力することで、受渡処理部12gが、かかるユーザが落札者であるか否かを確認しているが、落札者の確認方法はこれに限定されない。例えば、落札決定部12fがクレデンシャル情報を発行し、落札者がクレデンシャル情報を入力するようにしてもよい。クレデンシャル情報の一例は、パスコード(pass code)である。また、ここでは、落札者が直接ロッカー装置1の表示装置20を介して落札者情報等を入力するとしたが、これに限定されない。受渡処理部12gが落札者の落札者端末から落札者情報等を取得するようにしてもよい。
【0089】
なお、落札決定部12fが落札者を決定してから所定期間、受渡処理部12gによる落札物の受け渡しがない、すなわち落札者が所定期間落札物の受け取りに現れない場合、落札決定部12fが落札者なしと決定してもよい。あるいは、落札決定部12fが受け取りに現れなかった落札者の次に高い入札金額で入札した入札者Uを新たな落札者に決定してもよい。
【0090】
〔3.2.3.9.返品処理部12h〕
返品処理部12hは、出品物に対して入札がなく、落札決定部12fが落札者なしと決定した場合に、出品物を出品者Eに返却するための処理を行う処理部である。返品処理部12hは、出品者Eが表示装置20を介して入力した出品者情報が、出品情報13aに含まれる出品者情報と一致した場合、出品物が収納されたロッカー40を解錠するようロッカー制御部12kに指示する。これにより、出品物が出品者Eに返品される。
【0091】
なお、例えば、出品受付部12bが、デポジットの入金を条件として出品者Eから出品を受け付けた場合、返品処理部12hは、かかるデポジットの返金を返金処理部12qに指示する。このとき、返品処理部12hが、オークション出品の手数料を差し引いてデポジットを返金するよう返金処理部12qに指示してもよい。このように、オークションへの出品においてデポジットを受け取ることで、落札者がいない場合に、出品者Eに対して出品物の返却をより確実に促すことができる。
【0092】
また、ここでは、出品者Eが直接ロッカー装置1の表示装置20を介して出品者情報を入力するとしたが、これに限定されない。例えば、出品受付部12bがオークション出品受け付け時に発行したクレデンシャル情報を出品者Eが入力するようにしてもよい。また、受渡処理部12gが出品者Eの出品者端末3から出品者情報やクレデンシャル情報を取得するようにしてもよい。
【0093】
〔3.2.3.10.取得部12i〕
取得部12iは、ユーザの行動情報を取得する。取得部12iが取得する行動情報は、例えばユーザの位置情報や経路検索結果、ユーザがユーザ端末を介して入力した情報等が含まれる。ユーザがユーザ端末を介して入力した情報には、例えば、落札を希望する出品物に関する情報や、出品物を落札した場合に出品物の受け取りを希望する地域に関する情報が含まれる。また、ユーザがユーザ端末を介して入力した情報には、ネットワークN(
図2参照)を介して行った行動(例えば、キーワード検索や、商品購入等)に関する情報が含まれる。
【0094】
また、取得部12iが取得する行動情報は、ユーザがオークションサーバ10に対して行う操作に関する情報や、ロッカー装置1に対して行う操作に関する情報が含まれる。ユーザがオークションサーバ10に対して行う操作には、例えば出品操作や入札操作、一時出庫操作、落札物受け取り操作等が含まれる。また、ロッカー装置1に対して行う操作には、例えばロッカー40の収納扉の開閉操作や解錠・施錠操作、表示装置20等を介した情報の入力操作等が含まれる。
【0095】
なお、取得部12iが行動情報を取得するユーザは、出品者Eや入札者Uに限定されず、過去にオークションに参加したことがあるユーザや、オークションサービスへのユーザ登録を行っているユーザ等、オークションへ参加する可能性があるユーザが含まれる。
【0096】
〔3.2.3.11.通知部12j〕
通知部12jは、取得部12iが取得した行動情報や出品物の取引に関する情報に基づき、ユーザに出品物に関する商品情報を通知する。通知部12jが通知する商品情報には、例えばオークション(取引)開始に関する情報や入札に関する情報、オークション終了に関する情報、一時出庫等出品物に対して他のユーザが行う操作に関する情報が含まれる。また、出品物の取引に関する情報には、ロッカー装置1の設置位置や、出品物が収納されたロッカー40の配置、出品物に関する情報(出品物の種類や価格情報等)、ロッカー装置1を介して行われた出品物に対する操作(出品、入札、一時出庫等)が含まれる。
【0097】
例えば、通知部12jは、出品受付部12bがオークションへの出品を受け付けた場合、受け付け完了通知を出品者Eに通知する。また、通知部12jは、出品を受け付けた出品物に関する情報をユーザに通知する。このように、通知部12jは、受け付け完了通知や出品物に関する情報を、出品者Eを含むユーザに通知することで、オークション開始をかかるユーザに通知する。
【0098】
また、通知部12jは、ユーザから一時出庫を受け付けた場合、かかる一時出庫に関する情報を、一時出庫を要求したユーザおよび出品者Eに通知する。一時出庫に関する情報には、一時出庫の受け付け完了、デポジットの金額情報、出品物の返却期限、出品物を取り出した時間に応じたデポジットの返金額情報や出品物の返却完了等が含まれる。
【0099】
なお、通知部12jがユーザからの一時出庫を受け付けている旨の通知を、一時出庫を要求したユーザ以外のユーザ(他のユーザ)に通知するようにしてもよい。この場合、他のユーザは、出品物が一時出庫されているため、かかる出品物の確認や入札等が行えない。他のユーザは、通知部12jからの通知によってロッカー装置1に出向くことなく、出品物の確認や入札等が行えないことを知ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0100】
また、通知部12jは、入札者Uからの入札を受け付けた場合、入札者Uおよび出品者Eに入札に関する情報を通知する。この場合、出品物に対して入札を行った入札者Uだけでなく、過去にかかる出品物に入札を行った入札者Uに対して通知部12jが通知を行うようにしてもよい。このように、過去の入札者Uに対しても入札に関する情報を通知することで、入札者Uがロッカー装置1に出向くことなく、例えば最高入札額が更新されたことを知ることができる。そのため、例えば、過去の入札者Uが何度もロッカー装置1に出向かなくても、再度入札を行うことができ、入札者Uの利便性を向上させることができる。
【0101】
また、通知部12jは、落札決定部12fが落札者を決定した場合、落札に関する情報を落札者および出品者Eに通知する。これにより、落札者は、ロッカー装置1に出向かずに、出品物を落札したことを知ることができ、落札者の利便性を向上させることができる。また、落札に関する情報に、落札者を示すクレデンシャル情報を含めることで、落札者が確実に落札物を受け取ることができる。なお、通知部12jは、落札できなかった他の入札者Uに対しても落札者が決定したことを通知することで、オークション終了に関する情報を通知する。これにより、入札者Uは、オークション終了を確認するためにロッカー装置1まで出向く必要がなく、入札者Uの利便性を向上させることができる。
【0102】
また、通知部12jは、受渡処理部12gによって落札物の受渡処理が行われた場合に、受渡処理に関する情報を落札者および出品者Eに通知する。
【0103】
また、通知部12jは、落札決定部12fが落札者なしと決定した場合に、出品者Eに対して落札者がいないことを示す情報を通知する。これにより、出品者Eは、返品処理を行って出品物を回収することができる。
【0104】
ここで、
図11を用いて、通知部12jが、情報を通知するユーザの一例について説明する。
図11は、商品情報を通知するユーザの一例について説明する図である。ここでは、通知部12jがオークション開始に関する商品情報を通知する場合を例にとって説明する。
【0105】
図11に示すように、通知部12jは、取得部12iが取得したユーザの位置情報に基づき、ロッカー装置1を含む所定範囲R内に位置するユーザ(
図11の例ではユーザU1〜U3)に対して商品情報を通知する。ここで、
図11の例では、所定範囲Rは、ロッカー装置1の設置位置を中心とした半径rの範囲であるものとする。
【0106】
例えば、通知部12jが通知する商品情報には、
図11のユーザ端末2−3の画像F2に示すように、商品名(ノートパソコンF−10)や出品物の画像、出品物が収納されたロッカー装置1の所在地を示す地図情報等が含まれる。
【0107】
なお、通知部12jが商品情報を通知するユーザは、所定範囲R内に位置するユーザに限定されない。例えば、通知部12jが過去の所定期間内に所定範囲R内を移動した頻度が閾値以上であるユーザに商品情報を通知してもよい。あるいは、例えば、
図11のユーザ端末2−4に示すように、ロッカー装置1が位置するA駅を含む所定範囲Rが、取得部12iが取得した経路検索結果に含まれる場合、かかる経路を検索したユーザU4に商品情報を通知してもよい。
【0108】
また、例えば、
図11に示すように、出品物と同じ商品を希望商品(例えばパソコン)に指定し、ロッカー装置1の所在地を含む地域を落札物の希望受取地域(例えば東京都)に指定するユーザU5に対して、商品情報を通知してもよい。なお、ユーザU5は、あらかじめユーザ端末を用いてオークションサーバ10に対して希望商品や希望受取地域を登録しているものとする。あるいは、ユーザU5がロッカー装置1を介して希望商品や希望受取地域を登録してもよい。なお、希望商品として、商品名だけでなく商品カテゴリを登録することもできる。
【0109】
このように、所定範囲R内に位置するユーザや所定範囲R内を移動する可能性が高いユーザ、出品物の落札を希望するユーザに、オークション開始に関する商品情報を通知することで、オークションに参加する可能性が高いユーザに商品情報を通知することができる。
【0110】
図3に戻り、通知部12jは、出品者情報や入札者情報として記憶部13に記憶されるメールアドレス宛に、ネットワークNを介して商品情報を通知する。また、通知部12jが表示装置20に商品情報を表示させることでユーザに商品情報を通知するようにしてもよく、通知部12jがロッカー装置1を介してユーザ端末に直接商品情報を通知するようにしてもよい。あるいは、通知部12jが、ロッカー装置1を含む所定範囲R内のデジタルサイレージに商品情報を表示させることで、所定範囲R内のユーザに商品情報を通知するようにしてもよい。
【0111】
〔3.2.3.12.入金検出部12p〕
入金検出部12pは、ユーザからの入金の有無を検出する。入金検出部12pは、例えば、読取装置30を介してユーザ端末であるICカードの情報を読み取ることで、ユーザから所定の金額の入金を受け付ける。これにより、入金検出部12pは、ユーザからの入金を検出する。なお、入金検出部12pは、例えばロッカー装置1の金銭投入口から投入された現金を検出することでユーザからの入金を検出するようにしてもよい。あるいは、ユーザがクレジットカード等による決済代行サービスを利用して入金を行った場合、入金検出部12pは、決済代行サービスを提供するサーバの決済履歴にアクセスして入金の有無を検出するようにしてもよい。
【0112】
〔3.2.3.13.返金処理部12q〕
返金処理部12qは、ユーザにデポジット等の返金処理を行う処理部である。返金処理部12qは、一時出庫受付部12cや返品処理部12hの指示に応じた金額のデポジットをユーザに返金する。返金処理部12qは、例えば、読取装置30を介してユーザ端末であるICカードに情報を書き込むことで、返金処理を行う。なお、返金処理部12qは、例えばロッカー装置1の釣り銭返却口に現金を返却することで返金処理を行ってもよい。あるいは、返金処理部12qが、クレジットカード等による決済代行サービスを介して返金処理を行ってもよい。また、返金処理部12qは、入金検出部12pが現金での入金を受け付けた場合に、釣り銭を釣り銭返却口に返却する釣り銭返却処理を行うようにしてもよい。
【0113】
〔3.2.3.14.支払処理部12r〕
支払処理部12rは、出品物の一時出庫や受渡処理が行われた場合に、出品者Eに対して一時出庫に対する対価や落札金の支払処理を行う処理部である。支払処理部12rは、例えば手数料等を差し引いて一時出庫の対価や落札金を出品者Eに支払う。支払処理部12rは、例えば、読取装置30を介して出品者端末3であるICカードに情報を書き込むことで、支払処理を行う。なお、支払処理部12rは、例えばロッカー装置1の釣り銭返却口に現金を返却することで支払処理を行ってもよい。
【0114】
〔3.2.3.15.画像処理部12n〕
画像処理部12nは、ロッカー装置1の表示装置20に表示する画像を生成する。
図12に、画像処理部12nが生成する画像F1の一例を示す。
図12では、ユーザがロッカー装置1に対して所定の操作を行う場合に表示する画像F1の一例を示している。
【0115】
図12に示すように、画像F1には、各ロッカー40A〜40Eに出品物が収納されているか否かに応じて、ロッカー40A〜40Eごとに収納された出品物に関する情報を示す画像が含まれる。かかる画像F1には、例えば出品物の商品名、商品画像に加え、現在の最高入札価格(現在価格)や、即決(一時出庫の場合のデポジット)価格、入札件数や落札までの残り時間等が含まれる。また、画像F1にはユーザが行える操作を示す操作ボタンが含まれる。操作ボタンには、出品物の詳細を確認するためのボタン(「商品の詳細を見る」)や、一時出庫を要求するボタン(「手にとって確認する」)が含まれる。また、操作ボタンには、即時落札を行うためのボタン(「即時落札する」)、入札や落札物受け取り、出品を要求するボタン(「入札する」、「商品を受け取る」、「出品する」)が含まれる。
【0116】
なお、ユーザがロッカー40を選択して「商品の詳細を見る」ボタンを操作すると、選択したロッカー40に収納された出品物の画像が表示装置20に表示されるとともに、出品物の説明文等が表示装置20に表示されるものとする。ここで、出品物の画像は、出品者Eが入力した商品画像であっても、カメラ50の撮像画像であってもよい。
【0117】
例えば、カメラ50の位置を変更できる場合は、ユーザがカメラ50の位置を操作することで、表示装置20に表示される撮像画像を変更するようにしてもよい。これにより、ユーザが複数方向から撮像された出品物の画像を確認することができる。なお、カメラ50を固定し、例えばターンテーブル等で出品物を回転させることで、出品物の撮影方向を変更するようにしてもよい。
【0118】
なお、ここでは、画像処理部12nが生成した画像F1を表示装置20に表示するとしたが、これに限定されない。例えば、画像処理部12nがユーザ端末に画像F1を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、ロッカー装置1から離れた場所からでもロッカー装置1に対して操作を行うことができる。なお、一時出庫や落札物受け取りは、ロッカー装置1に対して直接行う操作であるため、かかる操作を行うボタンを画像処理部12nがユーザ端末に表示する画像から省略したり、選択できないようにしたりしてもよい。あるいは、かかる操作を行うボタンを選択することで、ユーザが一時出庫や落札物受け取りの予約を行えるようにしてもよい。ユーザが一時出庫や落札物受け取りの予約を行った場合、オークションサーバ10は、他のユーザが一時出庫や落札物受け取り処理を行えないようにする。
【0119】
このように、オークションサーバ10は、出品や入札などの所定の処理をユーザ端末から受け付けるようにしてもよい。このとき、オークションサーバ10は、出品物が落札された後、換言すると落札された出品物が落札者に受け渡される前までに、出品物をロッカー40に収納することを条件として、出品者Eからの出品を受け付ける。このように、オークションサーバ10は、出品や入札などの所定の処理をユーザ端末からも受け付けることで、ユーザがロッカー装置1から離れた場所からでも所定の処理を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0120】
〔4.情報処理フロー〕
次に、
図13〜
図21を用いて第1の実施形態にかかるオークションサーバ10による情報処理の手順について説明する。
【0121】
〔4.1.オークション処理の流れ〕
まず、
図13を用いてオークション処理の流れについて説明する。
図13は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10によるオークション処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、
図13では、出品者Eによって出品された出品物に対して、入札者U1が一時出庫を行うとともに、入札者U1、U2が入札を行い、入札者U1が出品物を落札した場合について説明する。
【0122】
図13に示すように、オークションサーバ10は、出品者Eから出品を受け付ける(ステップS21)と、入札者U1、U2に出品に関する情報を通知することで、オークション開始を通知する(ステップS22)。
【0123】
次に、オークションサーバ10は、例えば入札者U1から一時出庫の要求を受け付け(ステップS23)、デポジットの入金を確認する(ステップS24)と、ロッカー40を解錠して出品物を出庫する(ステップS25)。オークションサーバ10は、入札者U1から出品物が返却される(ステップS26)と、入札者U1にデポジットを返金し(ステップS27)、出品者Eに一時出庫に関する情報を通知する(ステップS28)。
【0124】
続いて、入札者U1からの入札を受け付ける(ステップS29)と、出品者Eに入札に関する情報を通知する(ステップS30)。同様に、入札者U2からの入札を受け付ける(ステップS31)と、出品者Eに入札に関する情報を通知する(ステップS32)。
【0125】
その後、オークション開始から所定期間が経過した場合、オークションサーバ10は、落札者を決定する(ステップS33)。ここでは、入札者U1が落札者に決定されたものとする。オークションサーバ10は、出品者Eおよび入札者U1、U2に落札に関する情報を通知することでオークション終了を通知する(ステップS34)。
【0126】
次に、オークションサーバ10は、入札者U1から落札金の入金があった場合(ステップS35)に、ロッカー40を解錠して落札された出品物を出庫し(ステップS36)、出品者Eに受渡完了を通知する(ステップS37)。
【0127】
〔4.2.オークションサーバ10によるオークション処理〕
続いて、
図14を用いてオークションサーバ10が実行するオークション処理について説明する。
図14は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行するオークション処理の処理手順を示すフローチャートである。オークションサーバ10は、ロッカー装置1のロッカー40ごとに並列して
図14の処理手順を実行する。
【0128】
図14に示すように、オークションサーバ10は、出品者Eからの出品要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。出品要求を受け付けていない場合(ステップS101、No)、ステップS101に戻り、出品要求を待つ。一方、出品要求を受け付けた場合(ステップS101、Yes)、出品受付処理を実行する(ステップS102)。
【0129】
次に、オークションサーバ10は、ユーザからの一時出庫要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。一時出庫要求を受け付けていない場合(ステップS103、No)、ステップS105に進む。一方、一時出庫要求を受け付けた場合(ステップS103、Yes)、一時出庫処理を実行する(ステップS104)。
【0130】
次に、オークションサーバ10は、ユーザからの即時落札要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。即時落札要求を受け付けていない場合(ステップS105、No)、ステップS107に進む。一方、即時落札要求を受け付けた場合(ステップS105、Yes)、即時落札処理を実行する(ステップS106)。
【0131】
次に、オークションサーバ10は、入札者Uからの入札要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。入札要求を受け付けていない場合(ステップS107、No)、ステップS109に進む。入札要求を受け付けた場合(ステップS107、Yes)、入札処理を実行する(ステップS108)。
【0132】
次に、オークションサーバ10は、オークション開始から所定期間が経過し落札時間になったか否かを判定する(ステップS109)。落札時間になっていない場合(ステップS109、No)、ステップS103に戻る。落札時間になった場合(ステップS109、Yes)、落札処理を実行する(ステップS110)。
【0133】
続いて、オークションサーバ10は、落札処理によって落札者が決定したか否かを判定する(ステップS111)。落札者が決定した場合(ステップS111、Yes)、受渡処理を実行する(ステップS112)。落札者が決定していない場合(ステップS111、No)、返品処理を実行する(ステップS113)。
【0134】
なお、一時出庫、即時落札および入札に関する処理の順番は入れ替えてもよく、また同時に実行してもよい。
【0135】
〔4.3.出品受付処理〕
続いて、
図15を用いてオークションサーバ10が実行する出品受付処理について説明する。
図15は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する出品受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0136】
オークションサーバ10は、出品者Eからの出品要求を受け付けると、ロッカー40を解錠して収納扉を開扉する(ステップS201)。次に、オークションサーバ10は、ロッカー40の収納扉が閉扉されたか否かを判定する(ステップS202)。ロッカー40が閉扉されていない場合(ステップS202、No)、ステップS202に戻る。一方、閉扉された場合(ステップS202、Yes)、オークションサーバ10は、出品情報13aに含まれる情報を取得し(ステップS203)、出品情報13aを記憶部13に記憶する(ステップS204)。なお、ステップS202およびステップS203の処理は順番を入れ替えてもよく、同時に実行してもよい。
【0137】
続いて、オークションサーバ10は、ロッカー40を施錠して(ステップS205)、出品者Eに対して出品完了を通知する(ステップS206)。次に、オークションサーバ10は、ユーザの行動情報を取得して(ステップS207)、取得した行動情報に基づき、ユーザに出品情報を通知する(ステップS208)。これにより、オークションが開始される。
【0138】
〔4.4.一時出庫処理〕
続いて、
図16を用いてオークションサーバ10が実行する一時出庫処理について説明する。
図16は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する一時出庫処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0139】
オークションサーバ10は、ユーザからデポジットの入金があったか否かを判定する(ステップS301)。デポジットの入金がない場合(ステップS301、No)、オークションサーバ10は、ステップS301に戻る。一方、デポジットの入金があった場合(ステップS301、Yes)、オークションサーバ10は、ロッカー40を解錠する(ステップS302)。
【0140】
続いて、オークションサーバ10は、ロッカー40の収納扉が閉扉されたか否かを判定する(ステップS303)。ロッカー40の収納扉が閉扉されていない場合(ステップS303、No)、ステップS303に戻る。一方、閉扉された場合(ステップS303、Yes)、オークションサーバ10は、ロッカー40を施錠し(ステップS304)、出品物が返却されたか否かを判定する(ステップS305)。出品物が返却されていない場合(ステップS305、No)、オークションサーバ10はユーザに出品物の購入を通知する(ステップS306)。この場合、デポジットはユーザに返金されない。一方、出品物が返却された場合(ステップS305、Yes)、オークションサーバ10は、ユーザにデポジットを返金する(ステップS307)。オークションサーバ10は、一時出庫に関する情報をユーザに通知し、処理を終了する(ステップS308)。
【0141】
〔4.5.即時落札処理〕
続いて、
図17を用いてオークションサーバ10が実行する即時落札処理について説明する。
図17は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する即時落札処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0142】
オークションサーバ10は、即決価格分の入金がユーザからあったか否かを判定する(ステップS601)。入金がない場合(ステップS601、No)、処理を終了する。一方、入金があった場合(ステップS601、Yes)、オークションサーバ10は、ロッカー40を解錠し(ステップS602)、ユーザおよび出品者Eに即時落札完了を通知することでオークション終了を通知する(ステップS603)。
【0143】
〔4.6.入札処理〕
続いて、
図18を用いてオークションサーバ10が実行する入札処理について説明する。
図18は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する入札処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0144】
オークションサーバ10は、入札価格を含む入札者情報を入札者Uから取得し(ステップS401)、入札情報13dを記憶部13に記憶する(ステップS402)。オークションサーバ10は、入札完了を入札者Uに通知する(ステップS403)とともに、出品者Eを含むユーザに入札に関する情報を通知する(ステップS404)。
【0145】
〔4.7.落札処理〕
続いて、
図19を用いてオークションサーバ10が実行する落札処理について説明する。
図19は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する落札処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0146】
オークションサーバ10は、入札者Uがいるか否かを判定する(ステップS501)。入札者Uがいない場合(ステップS501、No)、オークションサーバ10は、落札者なしと決定する(ステップS502)。入札者Uがいる場合(ステップS501、Yes)、オークションサーバ10は、最高入札価格で入札した入札者Uを落札者に決定する(ステップS503)。
【0147】
〔4.8.受渡処理〕
続いて、
図20を用いてオークションサーバ10が実行する受渡処理について説明する。
図20は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する受渡処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0148】
オークションサーバ10は、落札者を含むユーザに落札に関する情報を通知することでオークション終了を通知する(ステップS701)。続いて、オークションサーバ10は、落札者の受渡要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS702)。オークションサーバ10は、受渡要求を落札者が行っているか否か、例えば落札者情報やクレデンシャル情報等に基づいて判定する。落札者の受渡要求を受け付けていない場合(ステップS702、No)、ステップS702に戻る。一方、落札者の受渡要求を受け付けた場合(ステップS702、Yes)、オークションサーバ10は、落札者から落札金の入金があったか否かを判定する(ステップS703)。入金がない場合(ステップS703、No)、ステップS703に戻る。
【0149】
一方、入金があった場合(ステップS703、Yes)、オークションサーバ10は、ロッカー40を解錠し(ステップS704)、落札者および出品者Eを含むユーザに受渡完了を通知する(ステップS705)。
【0150】
〔4.9.返品処理〕
続いて、
図21を用いてオークションサーバ10が実行する返品処理について説明する。
図21は、第1の実施形態にかかるオークションサーバ10が実行する返品処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0151】
まず、オークションサーバ10は、出品者Eに対して落札者がいないことを通知することでオークション終了を通知する(ステップS801)。次に、オークションサーバ10は、出品者Eの返品要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS802)。オークションサーバ10は、返品要求を出品者Eが行っているか否か、例えば出品者情報やクレデンシャル情報等に基づいて判定する。出品者Eの返品要求を受け付けていない場合(ステップS802、No)、ステップS802に戻る。一方、出品者Eの返品要求を受け付けた場合(ステップS802、Yes)、オークションサーバ10は、ロッカー40を解錠して出品物を返却する(ステップS803)。
【0152】
〔5.変形例〕
第1の実施形態にかかる情報処理システムSは、上記実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。例えば、ロッカー装置1へ出品物を収納した場合に、かかる出品物がオークションサーバ10によって管理されるオークションへ出品されるとともに、ネットオークションに出品されるようにしてもよい。ネットオークションは、
図2のネットワークNに接続される不図示のネットオークションサーバによって管理されるものとする。
【0153】
この場合、ネットオークションサーバを介して出品物が落札された場合、オークションサーバ10でもかかる出品物が落札されたことが反映されるなど、ネットオークションで行われる取引等がロッカー装置1に搭載されるオークションサーバ10でのオークションに反映される。同様に、オークションサーバ10で行われる入札、落札等のオークション取引がネットオークションサーバによるオークションにも反映されるものとする。
【0154】
このように、ロッカー装置1を用いたオークションの他に、かかるオークションを管理するオークションサーバ10以外が管理するオークション(例えばネットオークション)が行われる場合に、オークションサーバ10とネットオークションサーバとが連携して出品物のオークションを管理するようにしてもよい。これにより、オークションサーバ10を利用するユーザ以外にもネットオークションサーバを利用するユーザが出品物に対して入札等を行うことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0155】
(第2の実施形態)
さて、第1の実施形態では、商取引の一形態であるオークションでの商品売買を前提とした情報処理システム(オークションシステム)Sについて説明してきた。情報処理システムSの構成要素は、オークションだけでなく他の商取引にも適用することができる。例えば、商品をレンタルするレンタルシステムにおいても、情報処理システムSの構成要素を適用することができる。そこで、第2の実施形態では、商取引としてレンタルサービスを提供する情報処理システム(レンタルシステムSa)について説明する。レンタルシステムSaは、ロッカー装置1とレンタルサーバ10aとを有する。
【0156】
なお、第2の実施形態にかかる全体システムは、オークションサーバ10に代えてレンタルサーバ10aを、入札者Uに代えてユーザUを、入札者端末2に代えてユーザ端末
を有する点を除き、
図2の全体システムS0と同じ構成であるため、図示および説明を省略する。
【0157】
〔1.レンタルサーバ10aの構成〕
図22を用いて、第2の実施形態にかかるレンタルサーバ10aについて説明する。
図22は、第2の実施形態にかかるレンタルサーバ10aの構成例を示す図である。
図22に示すレンタルサーバ10aは、入札受付部12e、落札決定部12f、受渡処理部12gを備えていない点、一時出庫受付部12cの代わりにレンタル処理部22を備える点を除き
図3に示すオークションサーバ10と同じ構成である。また、
図22に示す記憶部13は、入札情報13d、落札情報13eを記憶しない点、一時出庫情報13fの代わりにレンタル情報23を記憶する点を除き
図3に示す記憶部13と同じ情報を記憶する。そのため、
図3と同じ構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。なお、
図3の説明で、出品物とした商品はレンタル商品と読み替え、オークションへの出品はレンタルサービスへの出品と適宜読み替えるものとする。
【0158】
レンタル処理部22は、ユーザからの要求に応じて、レンタル商品の貸し出しを含むレンタル処理を行う処理部である。レンタル処理部22は、ユーザが要求したレンタル商品に応じた金額のデポジットが入金された場合に、ロッカー制御部12kに貸し出すレンタル商品が収納されたロッカー40を解錠するよう指示する。なお、ユーザからの入金は、入金検出部12pによって検出される。
【0159】
レンタル処理部22は、貸し出したレンタル商品の商品IDとユーザによって入金されたデポジットの金額と、出庫時間とを対応付けてレンタル情報23として記憶部13に格納する。
【0160】
レンタル処理部22は、解錠したロッカー40から貸し出されたレンタル商品が当該ロッカーに返却されたか否かを検出する返却検出部として機能する。例えば、レンタル処理部22は、ロッカー40を解錠した後に当該ロッカー40が再び施錠された場合に、解錠前にロッカー40に収納されていたレンタル商品と施錠後に収納された商品が同一か否かを検出する。レンタル処理部22は、例えば解錠前のレンタル商品の重さと施錠後のレンタル商品の重さとを比較することで、レンタル商品が同一か否かを検出する。あるいは、レンタル処理部22がカメラ50によるレンタル商品の撮像画像を比較することで、出品物が同一か否かを検出してもよく、撮像画像およびレンタル商品の重さの比較結果を組み合わせて検出してもよい。
【0161】
貸し出したレンタル商品がロッカー40に返却されたことを検出すると、レンタル処理部22は、レンタル商品が貸し出されていた時間に応じた金額を差し引いた金額のデポジットをユーザに返金するよう返金処理部12qに指示する。レンタル処理部22は、返却されたレンタル商品を識別する商品IDと返却時間と返金額とを対応付けて記憶部13に格納することで、レンタル情報23を更新する。
【0162】
なお、あらかじめ貸し出し時間が決められている場合、レンタル処理部22は、貸出時間に応じたレンタル料およびデポジットの入金をユーザから受け付けたことでレンタル商品を貸し出すものとする。この場合、レンタル処理部22は、レンタル商品返却時にデポジットをユーザに返金する。
【0163】
また、出品受付部12bは、価格情報として、開始価格のかわり貸出時間に応じたレンタル料金を、即決価格のかわりにデポジット料金を記憶部13に記憶するものとする。また、返品処理部12hは、ユーザからレンタル商品が返却された場合に出品者Eに対して、レンタル商品の回収(返品)を要求し、返品処理を行う。これにより、出品者Eは、商品がレンタルされるごとに、商品のクリーニング等を行うことができ、レンタル商品の商品価値を高く保つことができる。
【0164】
あるいは、返品処理部12hは、レンタル商品の出品から所定期間が経過した場合に、出品者Eに対してレンタル商品の回収(返品)を要求し、返品処理を行うようにしてもよい。これにより、出品者Eは所定期間ごとにレンタル商品を入れ替えることができる。
【0165】
なお、情報処理システムSが提供する商取引サービスは、オークションやレンタルサービスに限定されない。例えば、情報処理システムSが商取引として出品物の販売サービスを提供するようにしてもよい。この場合、価格情報には販売価格が含まれる。このように、情報処理システムSが販売サービスを提供する場合であっても、例えば商品購入前に一時出庫を許可することで、ユーザは実際の商品を手にとって確認することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0166】
(その他)
〔1.プログラム〕
上述してきた各実施形態にかかるオークションサーバ10およびレンタルサーバ10aは、例えば
図23に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、オークションサーバ10を例に挙げて説明する。
図23は、オークションサーバ10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0167】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0168】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50Nを介して他の機器へ送信する。
【0169】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0170】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0171】
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態にかかるオークションサーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部13内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50Nを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0172】
〔2.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0173】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0174】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0175】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0176】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。