(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転方向切替機構は、前記調光操作の際には前記2本の巻取軸を互いに逆方向に同期回転させ、当該前後二重のスクリーンの昇降操作の際には前記2本の巻取軸を互いに同方向に同期回転させ、調光操作から昇降操作へ、並びに昇降操作から調光操作へ連続的に移行する際に、前記2本の巻取軸の互いの回転方向を連続的に切り替えるよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。
前記回転方向切替機構は、前記一方の巻取軸の回転と同期して回転する駆動歯車、及び前記駆動歯車の回転を基に、調光操作時と昇降操作時とで前記他方の巻取軸の回転方向を切り替えて連動回転させるための回転方向切替式の被動歯車ユニットを備え、
前記回転方向切替式の被動歯車ユニットは、
第1の凸部を有し前記駆動歯車の回転を基に連動回転する内歯車と、
回転作用で前記第1の凸部と当接・非当接の状態を生じさせる第2の凸部を有し前記他方の巻取軸を回転させるよう連結する太陽歯車と、
前記太陽歯車と噛合し、且つ前記内歯車に形成される内側歯部に噛合する遊星歯車を有し、前記内歯車及び前記太陽歯車と同軸回転するキャリアと、
前記キャリアの回転に所定の制動トルクを付与する制動部材と、を備え、
前記内歯車における第1の凸部と前記太陽歯車における第2の凸部との当接・非当接の切り替えにより、調光操作と昇降操作とを連続的に切り替え可能としたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のロールスクリーン。
前記内歯車における第1の凸部が前記太陽歯車における第2の凸部に対し非当接の状態を維持するときに調光操作を可能とし、調光操作時では前記キャリアが前記所定の制動トルクの範囲内となって制動し、前記キャリアに設けられた前記遊星歯車を介して前記太陽歯車が前記内歯車に対し逆方向に同期回転するよう作動し、
前記内歯車における第1の凸部が前記太陽歯車における第2の凸部に対し当接する状態を維持するときに昇降操作を可能とし、昇降操作時では前記所定の制動トルクに抗して前記キャリア及び前記太陽歯車が一体となって前記内歯車に対し同方向に同期回転するよう作動することを特徴とする、請求項3に記載のロールスクリーン。
当該前後二重のスクリーンの下端に錘部材が設けられ、前記錘部材は、昇降操作及び調光操作に応じて前記一方のスクリーンの下端を前記錘部材から引き出すときは前記他方のスクリーンの下端を前記錘部材に引き込み、前記他方のスクリーンの下端を前記錘部材から引き出すときは前記一方のスクリーンの下端を前記錘部材に引き込むよう構成され、
前記内歯車における第1の凸部と前記太陽歯車における第2の凸部との当接・非当接の切り替えに係る回転量と前記錘部材の引き込み、或いは引き出し量は、当該前後二重のスクリーンの各々にて等間隔で連続する透光部と遮光部の1ピッチに対応させていることを特徴とする、請求項3又は4に記載のロールスクリーン。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態のロールスクリーンを説明する。尚、本願明細書中、
図1に示すロールスクリーンの正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーンの吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーンの左側、及び、図示右方向をロールスクリーンの右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、
図1に示すロールスクリーンの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
【0019】
(ロールスクリーンの構成)
まず、本発明による一実施形態のロールスクリーンを図面に従って説明する。
図1及び
図2に示す一実施形態のロールスクリーンは、取付ブラケット1を介して窓枠等の取付面に取着されるフレーム2の両端に支持ブラケット3が取着され、その支持ブラケット3に2本の巻取軸4a,4bが回転可能に支持されている。
【0020】
巻取軸4a,4bは、支持ブラケット3に上下方向に所定の間隔を隔てて支持されるとともに、前後方向に僅かにオフセットした状態で支持されている。
【0021】
巻取軸4aには室外側の第1スクリーン5aの上端部が取着され、巻取軸4bには室内側の第2スクリーン5bの上端部が取着されている。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bはそれぞれ巻取軸4a,4bから近接して重ね合わされるように垂下されている。
【0022】
図2に例示する巻取軸4a,4bでは、それぞれその室外側から第1及び第2スクリーン5a,5bを支持する構成としている。
【0023】
巻取軸4a,4b内には、それぞれ第1及び第2スクリーン5a,5bの巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター41、及び各巻取軸4a,4bの回転トルクに所定の制動力を付与するブレーキユニット42等が収容されている。
【0024】
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの各下端部はウェイトバー6に取着され(
図2参照)、そのウェイトバー6の両端は上方を開口したボトムカバー7に回動可能に支持されている。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bはボトムカバー7内からその開口部へ経て上方へ案内されている。このようなウェイトバー6及びボトムカバー7は、錘部材として構成される。従って、この錘部材は、第1及び第2スクリーン5a,5bの各下端部を単に固定して錘作用を生じさせるものではなく、昇降操作及び調光操作に応じて第1のスクリーン5aの下端をボトムカバー7から引き出すときは第2のスクリーン5bの下端をボトムカバー7に引き込み、逆に第2のスクリーン5bの下端をボトムカバー7から引き出すときは第1のスクリーン5aの下端をボトムカバー7に引き込むようにして、ウェイトバー6を吊下支持し、錘作用を生じさせるものとなっている。
【0025】
第1及び第2スクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1スクリーン5aの透光部8と第2スクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1スクリーン5aの遮光部9と第2スクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態では、外光を遮断可能となっている。
【0026】
尚、第1及び第2スクリーン5a,5bに設けられる透光部8は高通気性とし、遮光部9は低通気性を持つよう構成することができる。従って、透光部8に対する遮光部9の重なり幅を調整することで、その通気性を調節することもできる。
【0027】
図1に示す右方の支持ブラケット3には操作装置10が取着され、その操作装置10から無端状のボールチェーン11が垂下されている。そして、ボールチェーン11の操作により、巻取軸4a,4bを互いに同方向に同一速度で同期回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを一括して昇降させる昇降操作が可能となっている。
【0028】
ボールチェーン11は、コネクタ12で連結されて無端状に形成されるとともに、第1及び第2スクリーン5a,5bの昇降範囲を規制する規制部材13a,13bが取着されている。
【0029】
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bが上限まで引き上げられたとき、規制部材13aは操作装置10のケース14の背面側に当接して、ボールチェーン11の同方向へのそれ以上の操作が阻止される。また、第1及び第2スクリーン5a,5bが下限まで下降したとき、規制部材13bはケース14の前面側に当接して、ボールチェーン11の同方向へのそれ以上の操作が阻止される。
【0030】
コネクタ12は、ボールチェーン11のボールを係止するボール係止部と、そのボール係止部を連結する連結部とで構成され、あらかじめ設定された引張り力以上の力で引っ張られると、ボール係止部が連結部から外れるようになっている。
【0031】
ところで、本実施形態のロールスクリーンでは、第1及び第2スクリーン5a,5bを昇降操作した後に、ボールチェーン11を逆方向に引くと、所定回転角度内で巻取軸4a,4bを互いに逆方向に同一速度で同期回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを互いに逆方向上下に相対移動操作可能となっており、これにより透光部8と遮光部9との重なり具合を調整し採光量を調節可能とする調光操作が可能となっている。
【0032】
この巻取軸4a,4bを互いに同方向回転させる昇降操作と、巻取軸4a,4bを互いに逆方向回転させる調光操作の切り替えは連続動作で可能となっており、詳細に後述する回転方向切替機構30が巻取軸4a,4bの回転軸に対し設けられることで実現される。即ち、回転方向切替機構30は、第1及び第2スクリーン5a,5bの昇降操作時では同期回転で巻取軸4a,4bの双方を共に同方向回転させ、第1及び第2スクリーン5a,5bの調光操作時では同期回転で巻取軸4a,4bを互いに逆方向回転させ、昇降操作と調光操作とを連続動作で切り替え可能となっている。
【0033】
このため、本実施形態のロールスクリーンでは、昇降操作時には巻取軸4a,4bの双方の同方向回転により第1及び第2スクリーン5a,5bが共に巻き取られるか、又は巻き戻され、調光操作時には巻取軸4a,4bのうち一方軸の巻き取り動作に応じて他方軸の巻き戻し動作が行われ(尚、一方軸の巻き戻し動作に応じて他方軸の巻き取り動作が行われるとして換言してもよい)、昇降操作と調光操作とを連続動作で切り替えることができる。
【0034】
(回転方向切替機構)
より具体的に、
図3乃至
図6を参照して、回転方向切替機構30の構成について説明する。本実施形態の例では、
図3及び
図4に示すように、回転方向切替機構30が、ボールチェーン11を掛装するためのプーリー15を有する操作装置10に組み込まれている。ただし、回転方向切替機構30は、当該プーリー15を有する操作装置10とは別体として設けてもよく、例えば操作装置10を
図1に示すように巻取軸4a,4bの右端側に設けているときに、巻取軸4a,4bの左端側に回転方向切替機構30を設けてもよい。
【0035】
まず、本実施形態において、
図1に示すように、操作装置10のケース14内にはプーリー15が回転可能に支持され、そのプーリー15にボールチェーン11が掛装されている。そして、ボールチェーン11の操作によりプーリー15が正逆方向に回転される。
【0036】
そして、本実施形態における回転方向切替機構30は、駆動歯車16、伝達歯車17、及び回転方向切替式の被動歯車ユニット20を備える。ただし、回転方向切替機構30は、伝達歯車17を設けない構成とすることや、複数設ける構成とすることもできる。例えば、巻取軸4a,4bの距離や位置、或いは巻取軸4a,4bからの第1及び第2スクリーン5a,5bの垂下位置(本実施形態ではいずれも室外側から垂下)を変更するときなどの場合には、適宜、伝達歯車17の要否、及び個数や位置を設定する。
【0037】
本実施形態においては、
図3に示すように、駆動歯車16が操作装置10のケース14における柱状の軸部141により回転可能に支持されている。駆動歯車16は、プーリー15と一体となって回転する。回転方向切替式の被動歯車ユニット20は、当該ケース14における柱状の軸部143により回転可能に支持されている。そして、伝達歯車17が、当該ケース14における柱状の軸部142により回転可能に支持され、駆動歯車16の回転を回転方向切替式の被動歯車ユニット20に伝達する。
【0038】
駆動歯車16の中心軸は、巻取軸4bの中心軸と同軸上にあり、駆動歯車16は、巻取軸4bの右端部側に位置して相対回転不能に係合している。また、回転方向切替式の被動歯車ユニット20の中心軸は、巻取軸4aの中心軸と同軸上にあり、回転方向切替式の被動歯車ユニット20の一部を構成する部材(後述する太陽歯車22)は、巻取軸4aの右端部側に位置して相対回転不能に係合している。
【0039】
駆動歯車16と回転方向切替式の被動歯車ユニット20の歯数は同数であり、駆動歯車16、伝達歯車17、及び回転方向切替式の被動歯車ユニット20における歯部(内歯車21の歯部211)がそれぞれ噛合されて構成され、ボールチェーン11の操作に基づいて回転される駆動歯車16から、伝達歯車17を介して回転方向切替式の被動歯車ユニット20に回転力が付与される。
【0040】
伝達歯車17は、
図4(b)に示すように中心軸孔171を有し、その中心軸孔171がケース14から延びる柱状の軸部142により回転可能に支持される(
図5参照)。
【0041】
駆動歯車16は、本例では
図4(c)に示すようにプーリー15と一体的に形成され、中心軸孔161を有し、その中心軸孔161がケース14から延びる柱状の軸部141により回転可能に支持されている(
図5参照)。尚、中心軸孔161の周面上には一対の扇状の係合凹部162が形成され、この一対の係合凹部162は、巻取軸4bの右端部側に形成される一対の係合凸部43と係合し(
図5参照)、これにより巻取軸4bは、駆動歯車16に対し相対回転不能に連結して、プーリー15と一体となって回転可能になる。
【0042】
ここで、回転方向切替式の被動歯車ユニット20は、
図4(a)に示すように、内歯車21、太陽歯車22、キャリア23、遊星歯車24、及びブレーキバネ25から構成され、その詳細について
図5を参照して説明する。
【0043】
(回転方向切替式の被動歯車ユニット)
図5を参照するに、回転方向切替式の被動歯車ユニット20は、ケース14の収容部144に配置される。ブレーキバネ25は、ケース14から延びる柱状の軸部143の周壁を締め付けるように係着され、キャリア23の円筒状の軸筒部231の内壁232がブレーキバネ25を収容するようにして、キャリア23が載置される。このとき、ブレーキバネ25の両端部25a,25bが、それぞれキャリア23の軸筒部231に形成される一対の孔部233に係合される。このブレーキバネ25の作用により、キャリア23がケース14に対し所定の制動トルクの範囲内では回転不能に支持され、当該所定の制動トルクを超える回転力がキャリア23に付与されると、キャリア23がケース14に対し回転可能になる。このため、一対の孔部233は、それぞれブレーキバネ25の両端部25a,25bを所定の遊びを持って係合させており、ケース14から延びる柱状の軸部143に対するブレーキバネ25の締付力を緩和させるようになっている。
【0044】
キャリア23は、軸筒部231を離間して囲む外周壁234を有しており、軸筒部231と外周壁234との間にギヤ溝234aが形成される。そして、外周壁234には、本例では3個の遊星歯車24を回転対称に配置するための遊星歯車支持部235が3箇所形成されている。遊星歯車支持部235は外周壁234に対し貫通しており、各遊星歯車支持部235は、ピン孔236で各遊星歯車24の軸ピン24aを軸支することにより、各遊星歯車24を回転可能に支持している。
【0045】
このようにして外周壁234にて回転可能に支持される各遊星歯車24は、各遊星歯車24の歯部が外周壁234の内側及び外側で僅かに突出するようになっている。
【0046】
太陽歯車22は、軸孔221を有し、軸孔221がキャリア23の円筒状の軸筒部231によって回転可能に支持され、キャリア23に対し相対回転可能となっている。このとき、太陽歯車22は、キャリア23のギヤ溝234aに載置され、太陽歯車22の歯部はギヤ溝234a側に僅かに突出する各遊星歯車24の歯部と噛合するようになっている。軸孔221を有したまま太陽歯車22から図示左方に突出する円筒状の軸筒部222の周面上には一対の扇状の係合凹部222aが形成され、この一対の係合凹部222aは、巻取軸4aの右端部側に形成される一対の係合凸部44と係合し、これにより巻取軸4aは、太陽歯車22に対し相対回転不能に連結して、太陽歯車22と一体となって回転可能になる。
【0047】
また、太陽歯車22の軸筒部222の周面上の一部に、径外方向に突出する凸部223が形成されており、凸部223はキャリア23における外周壁234の頂部に沿って回転移動可能である。
【0048】
内歯車21は、軸孔210を有し、軸孔210が巻取軸4aにおける一対の係合凸部44を貫通させることで、巻取軸4aと太陽歯車22との係合を可能としている。そして内歯車21は、太陽歯車22及びキャリア23を包み込むように載置され、内歯車21に形成される内側歯部212がキャリア23から外方に僅かに突出する各遊星歯車24の歯部と噛合することで、太陽歯車22とキャリア23の双方に対して個別に相対回転可能に支持される。
【0049】
また、内歯車21の軸孔210上の一部に、径内方向に突出する凸部213が形成されており、内歯車21と太陽歯車22との相対回転位置によって、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態と、非当接となる状態とが生じるようになっている。
【0050】
そして、回転方向切替式の被動歯車ユニット20は、伝達歯車17の歯部が駆動歯車16に噛み合って収容されているケース14に対し、内歯車21の歯部211が伝達歯車17の歯部と噛み合うよう、ケース14の収容部144に配置される。このため、内歯車21は、駆動歯車16の回転を基に連動回転する。
【0051】
このように、本実施形態の回転方向切替機構30は、駆動歯車16、伝達歯車17、及び回転方向切替式の被動歯車ユニット20を備えるよう構成され、プーリー15の回転が駆動歯車16及び伝達歯車17を経由して、回転方向切替式の被動歯車ユニット20における内歯車21の歯部211へ伝達される。
【0052】
そして、回転方向切替式の被動歯車ユニット20では、ブレーキバネ25の作用によりキャリア23がケース14に対し所定の制動トルクが生じるようになっている。
【0053】
このため、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し非当接の状態を維持するときの内歯車21の回転(正逆回転含む)は、キャリア23がケース14に対し当該所定の制動トルクの範囲内となって相対回転せずに制動し、キャリア23に設けられた遊星歯車24を介して太陽歯車22が内歯車21に対し逆方向に同期回転するよう作動する。
【0054】
つまり、
図6(a),(b)に示す実線矢印A方向に、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し非当接の状態を維持して内歯車21が回転するときは、キャリア23がケース14に対し当該所定の制動トルクの範囲内となって相対回転せず、遊星歯車24を介して太陽歯車22が内歯車21に対し逆方向となる実線矢印B方向に同期回転するよう作動する。これにより、巻取軸4a,4bを互いに逆方向に同一速度で同期回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを互いに逆方向上下に相対移動操作可能となり、即ち透光部8と遮光部9との重なり具合を調整し採光量を調節可能とする調光操作が可能となる。
【0055】
一方、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態を維持するときの内歯車21の回転(正逆回転含む)は、当該所定の制動トルクに抗してキャリア23及び太陽歯車22が一体となって内歯車21に対し同方向に同期回転するよう作動する。
【0056】
つまり、
図6(a),(b)に示す実線矢印A方向に、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態を維持して内歯車21が回転するときは、遊星歯車24の回転が阻止され、当該所定の制動トルクに抗してキャリア23及び太陽歯車22が一体となって内歯車21に対し同方向となる破線矢印A方向に同期回転するよう作動する。これにより、巻取軸4a,4bを互いに同方向に同一速度で同期回転させて、第1及び第2スクリーン5a,5bを一括して昇降させる昇降操作が可能となる。
【0057】
そして、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態から非当接とする状態へ、或いは非当接とする状態から当接する状態へと連続させることができる。このため、本実施形態の回転方向切替機構30は、プーリー15の正逆回転の切り替えにより昇降操作から調光操作へと連続的に切り替えることができるだけでなく、プーリー15が正逆回転の切り替えを経て正方向或いは逆方向に連続的に回転するとき、内歯車21の回転に対し太陽歯車22の回転が停止することなく正逆回転が切り替わり(常に回転している)、これによって第1及び第2スクリーン5a,5bに不所望な弛みを生じさせることなく、調光操作から昇降操作へと連続的に切り替えることができる。
【0058】
従って、本実施形態の回転方向切替機構30は、調光操作及び昇降操作に係るプーリー15の回転に対し、調光操作時には巻取軸4a,4bを互いに逆方向に同期回転させ、昇降操作時には巻取軸4a,4bを互いに同方向に同期回転させ、調光操作から昇降操作へ、及び昇降操作から調光操作へ連続的に移行する際に、巻取軸4a,4bの回転を停止させることなく、巻取軸4a,4bの互いの回転方向を連続的に切り替えることができる。
【0059】
(ロールスクリーンの全体動作)
ここで、ロールスクリーンの全体動作を
図7及び
図8を参照して説明する。ここでは、下降操作から、調光操作を経て、上昇操作へと連続的に移行する例を説明する。
【0060】
〔下降操作時〕
図7(a)には本発明に係る一実施例の回転方向切替機構30の下降操作時の動作を概略的に示しており、
図8(a)には本実施形態のロールスクリーンの下降操作時の動作を概略的に示している。
【0061】
まず、
図7(a)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの下降操作の際には、駆動歯車16がプーリー15の回転に一体となって回転し(
図4(c)参照)、この駆動歯車16と係合する巻取軸4bが第2スクリーン5bの巻き戻し方向に回転する(
図8(a)参照)。駆動歯車16の回転は、伝達歯車17を介して回転方向切替式の被動歯車ユニット20における内歯車21に伝達され、内歯車21は駆動歯車16と同方向に同期して同一速度で回転する。
【0062】
このとき、回転方向切替式の被動歯車ユニット20では、ブレーキバネ25の作用によりキャリア23はケース14に対し所定の制動トルクが生じるようになっているが(
図5参照)、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態を維持しており、遊星歯車24の回転が阻止され、当該所定の制動トルクに抗してキャリア23及び太陽歯車22が一体となって内歯車21に対し同方向に同期回転する。
【0063】
従って、
図7(a)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの下降操作の際には、太陽歯車22が駆動歯車16と同方向に同期して同一速度で回転し、この太陽歯車22と係合する巻取軸4aが第1スクリーン5aの巻き戻し方向に回転する(
図8(a)参照)。
【0064】
そして、第1及び第2スクリーン5a,5bを下降操作したときに、第1スクリーン5aの透光部8と第2スクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1スクリーン5aの遮光部9と第2スクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態を維持して、第1及び第2スクリーン5a,5bが下降するため、例えば
図8(a)に示すようにボトムカバー7が床面から高さh(≧0)の位置となる下限位置まで下降させることで、遮蔽状態とすることができる。
【0065】
〔調光操作時〕
図7(b)には本発明に係る一実施例の回転方向切替機構30の下降操作から切り替えた調光操作時の動作を概略的に示しており、
図8(b)には本実施形態のロールスクリーンの下降操作から切り替えた調光操作時の動作を概略的に示している。特に、
図8(b)は、
図8(a)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの下限位置からの調光操作時の動作を概略的に示している。
【0066】
まず、
図7(b)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの調光操作の際には、
図7(a)に示す下降操作からの切り替えとして逆方向の回転とする駆動歯車16がプーリー15の回転に一体となって回転し(
図4(c)参照)、この駆動歯車16と係合する巻取軸4bが第2スクリーン5bの巻き取り方向に回転する(
図8(b)参照)。駆動歯車16の回転は、伝達歯車17を介して回転方向切替式の被動歯車ユニット20における内歯車21に伝達され、内歯車21は駆動歯車16と同方向に同期して同一速度で回転する。
【0067】
このとき、回転方向切替式の被動歯車ユニット20では、ブレーキバネ25の作用によりキャリア23はケース14に対し所定の制動トルクが生じるようになっており(
図5参照)、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し非当接とする状態を維持して内歯車21が回転するときは、キャリア23がケース14に対し当該所定の制動トルクの範囲内となって相対回転せず、遊星歯車24を介して太陽歯車22が内歯車21に対し逆方向に同期回転する。
【0068】
従って、
図7(b)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの調光操作の際には、太陽歯車22が駆動歯車16と逆方向に同期して同一速度で回転し、この太陽歯車22と係合する巻取軸4aが第1スクリーン5aの巻き戻し方向に回転する(
図8(b)参照)。
【0069】
このように、第2スクリーン5bの巻き取り量に応じて第1スクリーン5aが巻き戻されるため、ウェイトバー6及びボトムカバー7は上下動しない。そして、第1及び第2スクリーン5a,5bを互いに逆方向上下に相対移動操作可能となり、即ち透光部8と遮光部9との重なり具合を調整し採光量を調節可能とする調光操作が可能となる。
【0070】
尚、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し非当接とする状態を維持している限り、プーリー15(即ち駆動歯車16)を正逆回転させてもウェイトバー6及びボトムカバー7が上下動することはないため、調光操作の使い勝手が向上したものとなる。
【0071】
また、第1及び第2スクリーン5a,5bの各下端部はウェイトバー6に取着され、そのウェイトバー6の両端は上方を開口したボトムカバー7に回動可能に支持されている。このようなウェイトバー6及びボトムカバー7は錘部材として構成され、この錘部材は、第1及び第2スクリーン5a,5bの各下端部を単に固定して錘作用を生じさせるものではなく、昇降操作及び調光操作に応じて第1のスクリーン5aの下端をボトムカバー7から引き出すときは第2のスクリーン5bの下端をボトムカバー7に引き込み、逆に第2のスクリーン5bの下端をボトムカバー7から引き出すときは第1のスクリーン5aの下端をボトムカバー7に引き込むようにして、ウェイトバー6を吊下支持し、錘作用を生じさせるものとなっている。
【0072】
そして、内歯車21の凸部213と太陽歯車22の凸部223との当接・非当接の切り替えに係る回転量とウェイトバー6の回動量(引き込み、或いは引き出し量)は、第1及び第2スクリーン5a,5bの各々にて所定間隔で連続する透光部8と遮光部9の1ピッチに対応させている。本例では、透光部8の上下方向長さに対し遮光部9の上下方向長さを約2倍として、1ピッチを構成している。
【0073】
〔上昇操作時〕
図7(c)には本発明に係る一実施例の回転方向切替機構30の調光操作から連続して移行する上昇操作時の動作を概略的に示しており、
図8(c)には本実施形態のロールスクリーンの調光操作から連続して移行する上昇操作時の動作を概略的に示している。
【0074】
まず、
図7(c)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの上昇操作の際には、
図7(a)に示す下降操作とは逆方向の回転とする駆動歯車16がプーリー15の回転に一体となって回転し(
図4(c)参照)、この駆動歯車16と係合する巻取軸4bが第2スクリーン5bの巻き取り方向に回転する(
図8(c)参照)。駆動歯車16の回転は、伝達歯車17を介して回転方向切替式の被動歯車ユニット20における内歯車21に伝達され、内歯車21は駆動歯車16と同方向に同期して同一速度で回転する。
【0075】
このとき、回転方向切替式の被動歯車ユニット20では、ブレーキバネ25の作用によりキャリア23はケース14に対し所定の制動トルクが生じるようになっているが(
図5参照)、内歯車21の凸部213が太陽歯車22の凸部223に対し当接する状態を維持しており、遊星歯車24の回転が阻止され、当該所定の制動トルクに抗してキャリア23及び太陽歯車22が一体となって内歯車21に対し同方向に同期回転する。
【0076】
従って、
図7(c)に示す第1及び第2スクリーン5a,5bの上昇操作の際には、太陽歯車22が駆動歯車16と同方向に同期して同一速度で回転し、この太陽歯車22と係合する巻取軸4aが第1スクリーン5aの巻き取り方向に回転する(
図8(c)参照)。
【0077】
そして、所望の高さまで第1及び第2スクリーン5a,5bを上昇操作させて、解放状態とすることができる。
【0078】
尚、内歯車21の凸部213と太陽歯車22の凸部223との当接・非当接の切り替えに係る回転量とウェイトバー6の回動量は、第1及び第2スクリーン5a,5bの各々にて所定間隔で連続する透光部8と遮光部9の1ピッチに対応させている。このため、巻取軸4a,4bをそれぞれ同径とすると、
図8(a)に示す巻取軸4aの周面上A点、及び巻取軸4bの周面上B点を参照するに、調光操作は、
図8(b)に示すように、巻取軸4aについては図示する時計回りに回転し、これに同期して巻取軸4bについては図示する反時計回りに回転する範囲で、透光部8と遮光部9との重なり具合を調整することができる。また、上昇操作では、
図8(c)に示すように、巻取軸4aの周面上A点、及び巻取軸4bの周面上B点の位相差(回転角度差)を維持して巻取軸4a,4bの双方が同期して第1及び第2スクリーン5a,5bの巻き取り方向に回転する。従って、この上昇操作時において第1及び第2スクリーン5a,5bの弛みを生じさせることなく、第1及び第2スクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なり、各遮光部9も前後方向で重なる状態を維持して、第1及び第2スクリーン5a,5bが上昇する。
【0079】
また、調光操作から連続して下降操作へと移行するときも同様に動作するため、下降操作において第1及び第2スクリーン5a,5bの弛みを生じさせることなく、例えば
図8(a)に示したボトムカバー7の下限位置まで、第1スクリーン5aの透光部8と第2スクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1スクリーン5aの遮光部9と第2スクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態を維持して、第1及び第2スクリーン5a,5bが下降する。
【0080】
このように、本実施形態では、第1及び第2スクリーン5a,5bを一括して昇降操作した後に、ボールチェーン11を逆方向に操作して、駆動歯車16を逆方向に回転させたとき、回転方向切替機構30の作用により巻取軸4aが巻取軸4bとは逆方向に回転されて調光操作が可能となる。このため、この巻取軸4aが巻取軸4bとは逆方向に回転されることによる調光操作により、第2スクリーン5bの巻き取り量に応じて第1スクリーン5aが巻き戻され、或いは第2スクリーン5bの巻き戻し量に応じて第1スクリーン5aが巻き取られるため、ウェイトバー6及びボトムカバー7はほとんど上下動しない。
【0081】
従って、本実施形態のロールスクリーンは、ウェイトバー6及びボトムカバー7を上下動させることなく採光量の調節動作を行うことができる。
【0082】
そして、本実施形態のロールスクリーンにおける調光動作は、ウェイトバー6及びボトムカバー7が下限位置であるか否かに関わらず同様に動作するため、ウェイトバー6及びボトムカバー7の任意位置での調光機能、或いは通気調整機能を持たせたロールスクリーンを実現できる。
【0083】
特に、ボトムカバー7が下限位置にあるときに、採光量を調節可能な態様でボトムカバー7の下方からの光漏れを防止することや、通気量を調節可能な態様でボトムカバー7の下方からの気密性を高めることができる。
【0084】
また、ウェイトバー6に対してボトムカバー7を相対移動可能とする構成よりも、ウェイトバー6及びボトムカバー7の小型化にも寄与することとなる。
【0085】
特に、本実施形態では、前後二重の第1及び第2スクリーン5a,5bをより近接、或いは密着させる構成で、ウェイトバー6及びボトムカバー7を上下動させることなく、尚且つ第1及び第2スクリーン5a,5bの弛みを生じさせることなく、採光量の調節動作を行うことができるため、使い勝手が向上する。
【0086】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施形態の例では、巻取軸4a,4bの回転操作のためにボールチェーンによる操作を例に説明したが、紐状の操作コードよる回転操作としてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態の例では、主として、回転方向切替機構30を操作装置10に組み込んだ例を説明したが、回転方向切替機構30は、当該プーリー15を有する操作装置10とは別体として設けてもよく、例えば操作装置10を
図1に示すように巻取軸4a,4bの右端側に設けているときに、巻取軸4a,4bの左端側に回転方向切替機構30を設けてもよい。
【0088】
また、上述した実施形態の例では、主として、回転方向切替機構30は、駆動歯車16、伝達歯車17、及び回転方向切替式の被動歯車ユニット20を備える例を説明したが、回転方向切替機構30は、伝達歯車17を設けない構成とすることや、複数設ける構成とすることもできる。
【0089】
また、上述した実施形態の例では、主として、キャリア23に所定の制動トルクを生じさせるために、ブレーキバネ25を制動部材として用いる例を説明したが、キャリア23に所定の制動トルクを生じさせるものであればよく、例えばゴム材でもよい。
【0090】
また、上述した実施形態の例では、主として、回転方向切替機構30は、調光操作及び昇降操作に係るプーリー15の回転に対し、調光操作時には巻取軸4a,4bを互いに逆方向に同期回転させ、昇降操作時には巻取軸4a,4bを互いに同方向に同期回転させ、調光操作から昇降操作へ、及び昇降操作から調光操作へ連続的に移行する際に、巻取軸4a,4bの回転を停止させることなく、巻取軸4a,4bの互いの回転方向を連続的に切り替える主たる機能を、巻取軸4aの回転に関連付けられる回転方向切替式の被動歯車ユニット20に持たせる例を説明したが、これに限定する必要はない。例えば、巻取軸4aを回転させる歯車を単なる平ギヤの被動歯車で構成し、巻取軸4bの回転に対し当該回転方向切替式の被動歯車ユニット20と同様の機能を持たせて、回転方向切替機構30を構成することや、当該巻取軸4bの回転に一体となって回転する駆動歯車16の回転を当該巻取軸4aを回転させるための単なる平ギヤの被動歯車へと伝達する伝達歯車に対し当該被動歯車ユニット20と同様の機能を持たせて、回転方向切替機構30を構成することも可能である。