(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、
図1から
図4を用いて、第一実施形態に係る熱利用システム1の構成について説明する。なお、以下の説明において「上流側」及び「下流側」とは、水の供給方向に基づいて規定されるものである。
【0021】
図1に示す熱利用システム1は、複数の住戸間で用いられ、後述する燃料電池10の発電時に発生する熱(排熱)を各住戸に適宜供給するものである。本実施形態においては、熱利用システム1は、複数の集合住宅H(集合住宅H1〜HN)で用いられる。また、熱利用システム1は、各集合住宅Hの複数の住戸間で、燃料電池10の排熱を融通するように構成される。以下では、主として集合住宅H1のA住戸、B住戸、C住戸及びD住戸に着目して説明を行う。熱利用システム1は、燃料電池10、給湯器20、給湯負荷30、上水側電磁弁40、温水側電磁弁50、水道メーター60、開閉装置70及び制御装置80を具備する。
【0022】
図1に示す燃料電池10は、水素等のガス燃料を用いて発電する装置である。燃料電池10は、各集合住宅Hにつき1台設けられる。集合住宅H1においては、1台の燃料電池10がA住戸、B住戸、C住戸及びD住戸で共用される。燃料電池10は、水道局Sと接続された供給路L1の下流側端部に設けられる。
【0023】
図2に示すように、燃料電池10は、当該
図2に示す電力供給システムにおいて、発電した電力を各集合住宅Hの各住戸に融通可能に設けられている。具体的には、燃料電池10は、各住戸の電力負荷の上流側で、配電線Xから順に分岐する分岐路Y1〜YNに接続される。燃料電池10が発電した電力によって、各住戸の電力負荷の消費電力を賄うことができる。また、余剰電力は、系統電源Kへと逆潮流される。
【0024】
また、
図2に示す電力供給システムは、分岐路Y1〜YNよりも上流側で配電線Xに接続された太陽光発電部102を具備している。これにより、太陽光発電部102で発電した電力を、各住戸に融通することができる。また、
図2に示す電力供給システムにおいては、スマートメータ103及びブレーカ104が適宜設けられている。
【0025】
図1に示すように、燃料電池10は、発電ユニット11及び貯湯タンク12を具備する。
【0026】
発電ユニット11は、燃料電池10の発電部である。発電ユニット11は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)や制御部等により構成される。発電ユニット11は、発電を常時行っている。
【0027】
貯湯タンク12は、発電ユニット11の発電時に発生する熱(排熱)を、温水として蓄熱するものである。貯湯タンク12は、発電ユニット11の下流側に設けられる。貯湯タンク12は、発電ユニット11の発電時に発生する熱(排熱)によって加熱された上水(温水)を貯湯する。
【0028】
このように構成された燃料電池10は、貯湯タンク12の貯湯量が最大容量に達すると、つまり、貯湯タンク12が満蓄状態(これ以上蓄熱ができない状態)となると、排熱を放熱して発電ユニット11による発電を継続させる。
【0029】
図1に示す給湯器20は、後述する給湯負荷30に給湯を行う(湯を供給する)ものである。給湯器20は、当該給湯器20に供給される水(上水又は貯湯タンク12から供給される温水)を沸かして生成した湯を、給湯負荷30に供給する。給湯器20は、各住戸(A住戸、B住戸、C住戸及びD住戸)ごとに設けられる。以下では、A住戸の給湯器20を給湯器20a、B住戸の給湯器20を給湯器20b、C住戸の給湯器20を給湯器20c、D住戸の給湯器20を給湯器20dということもある。
【0030】
給湯器20aは、燃料電池10(貯湯タンク12)と接続された供給路L2から分岐点p1において分岐する供給路L3の中途部に設けられる。これにより、給湯器20aは、供給路L2・L3を介して、貯湯タンク12内の温水が供給可能に設けられる。
【0031】
給湯器20bは、供給路L2から分岐点p2(分岐点p1よりも下流側に設けられた分岐点)において分岐する供給路L4の中途部に設けられる。給湯器20cは、供給路L2から分岐点p3(分岐点p2よりも下流側に設けられた分岐点)において分岐する供給路L5の中途部に設けられる。給湯器20dは、供給路L2から分岐点p4(分岐点p3よりも下流側に設けられた分岐点)において分岐する供給路L6の中途部に設けられる。これにより、給湯器20b・20c・20dは、供給路L2等を介して、貯湯タンク12内の温水が供給可能に設けられる。
【0032】
図1に示す給湯負荷30は、水道局Sから上水が供給されると共に、給湯器20から湯が供給されるものである。給湯負荷30としては、例えば浴槽等が挙げられる。以下では、A住戸の給湯負荷30を給湯負荷30a、B住戸の給湯負荷30を給湯負荷30b、C住戸の給湯負荷30を給湯負荷30c、D住戸の給湯負荷30を給湯負荷30dということもある。給湯負荷30は、給湯器20の下流側に設けられる。
【0033】
具体的には、給湯負荷30aは、供給路L3において、給湯器20aの下流側に設けられる(供給路L3の下流側端部と接続される)。給湯負荷30bは、供給路L4において、給湯器20bの下流側に設けられる(供給路L4の下流側端部と接続される)。給湯負荷30cは、供給路L5において、給湯器20cの下流側に設けられる(供給路L5の下流側端部と接続される)。給湯負荷30dは、供給路L6において、給湯器20dの下流側に設けられる(供給路L6の下流側端部と接続される)。
【0034】
図1に示す上水側電磁弁40は、上水の供給路を開閉するものである。上水側電磁弁40は、上水の供給路を開く(上水側電磁弁40が開く)ことにより、当該上水側電磁弁40が設けられた箇所において、上水の流通を許可する。一方、上水側電磁弁40は、上水の供給路を閉じる(上水側電磁弁40が閉じる)ことにより、当該上水側電磁弁40が設けられた箇所において、上水の流通を遮断する。上水側電磁弁40は、第一上水側電磁弁41、第二上水側電磁弁42、第三上水側電磁弁43及び第四上水側電磁弁44を具備する。
【0035】
第一上水側電磁弁41は、水道局Sから分岐点p4まで延びる供給路L7と、供給路L3とを接続する供給路L8の中途部に設けられる。なお、供給路L8は、供給路L7から分岐点p5において分岐して、給湯器20aよりも上流側に設けられた分岐点p6において供給路L3と接続される。このように設けられた第一上水側電磁弁41によって、給湯器20aへの上水の流通を許可又は遮断することができる(許可と遮断とを切り替えることができる)。
【0036】
図1に示す第二上水側電磁弁42は、供給路L7と供給路L4とを接続する供給路L9の中途部に設けられる。なお、供給路L9は、供給路L7から分岐点p7(分岐点p5よりも下流側に設けられた分岐点)において分岐して、給湯器20bよりも上流側に設けられた分岐点p8において供給路L4と接続される。このように設けられた第二上水側電磁弁42によって、給湯器20bへの上水の流通を許可又は遮断することができる。
【0037】
第三上水側電磁弁43は、供給路L7と供給路L5とを接続する供給路L10の中途部に設けられる。なお、供給路L10は、供給路L7から分岐点p9(分岐点p7よりも下流側に設けられた分岐点)において分岐して、給湯器20cよりも上流側に設けられた分岐点p10において供給路L5と接続される。このように設けられた第三上水側電磁弁43によって、給湯器20cへの上水の流通を許可又は遮断することができる。
【0038】
第四上水側電磁弁44は、供給路L7において、分岐点p9と分岐点p4との間に設けられる。このように設けられた第四上水側電磁弁44によって、給湯器20dへの上水の流通を許可又は遮断することができる。
【0039】
図1に示す温水側電磁弁50は、温水の供給路を開閉するものである。温水側電磁弁50は、温水の供給路を開く(温水側電磁弁50が開く)ことにより、当該温水側電磁弁50が設けられた箇所において、貯湯タンク12からの温水の流通を許可する。一方、温水側電磁弁50は、温水の供給路を閉じる(温水側電磁弁50が閉じる)ことにより、当該温水側電磁弁50が設けられた箇所において、貯湯タンク12からの温水の流通を遮断する。温水側電磁弁50は、第一温水側電磁弁51、第二温水側電磁弁52、第三温水側電磁弁53及び第四温水側電磁弁54を具備する。
【0040】
第一温水側電磁弁51は、供給路L3において、分岐点p6の上流側に設けられる。このように設けられた第一温水側電磁弁51によって、給湯器20aへの貯湯タンク12内の温水の流通を許可又は遮断することができる(許可と遮断とを切り替えることができる)。
【0041】
第二温水側電磁弁52は、供給路L4において、分岐点p8の上流側に設けられる。このように設けられた第二温水側電磁弁52によって、給湯器20bへの貯湯タンク12内の温水の流通を許可又は遮断することができる。
【0042】
第三温水側電磁弁53は、供給路L5において、分岐点p10の上流側に設けられる。このように設けられた第三温水側電磁弁53によって、給湯器20cへの貯湯タンク12内の温水の流通を許可又は遮断することができる。
【0043】
第四温水側電磁弁54は、供給路L2において、分岐点p3と分岐点p4との間に設けられる。このように設けられた第四温水側電磁弁54によって、給湯器20dへの貯湯タンク12内の温水の流通を許可又は遮断することができる。
【0044】
図1に示す水道メーター60は、当該水道メーター60が設けられた部分を流通する水(上水又は温水)の流量を計測するものである。水道メーター60は、第一水道メーター61、第二水道メーター62、第三水道メーター63及び第四水道メーター64を具備する。
【0045】
第一水道メーター61は、供給路L3において、分岐点p6と給湯器20aとの間に設けられる。このように設けられた第一水道メーター61によって、給湯器20aに供給される水(上水及び温水)の流量(給湯器20aによる上水及び温水の使用量)を計測することができる。
【0046】
第二水道メーター62は、供給路L4において、分岐点p8と給湯器20bとの間に設けられる。このように設けられた第二水道メーター62によって、給湯器20bに供給される水(上水及び温水)の流量(給湯器20bによる上水及び温水の使用量)を計測することができる。
【0047】
第三水道メーター63は、供給路L5において、分岐点p10と給湯器20cとの間に設けられる。このように設けられた第三水道メーター63によって、給湯器20cに供給される水(上水及び温水)の流量(給湯器20cによる上水及び温水の使用量)を計測することができる。
【0048】
第四水道メーター64は、供給路L6において、分岐点p4と給湯器20dとの間に設けられる。このように設けられた第四水道メーター64によって、給湯器20dに供給される水(上水及び温水)の流量(給湯器20dによる上水及び温水の使用量)を計測することができる。
【0049】
図3に示す開閉装置70は、燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信を接続又は遮断するものである。開閉装置70は、燃料電池10と各住戸の給湯器20とを通信可能につなぐ通信線に設けられ、当該設けられた箇所を開閉する。開閉装置70が閉じることにより、燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信を接続する。一方、開閉装置70が開くことにより、燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信を遮断する。開閉装置70は、例えば機械式リレーによって構成される。開閉装置70は、第一開閉装置71、第二開閉装置72、第三開閉装置73及び第四開閉装置74を具備する。なお以下では、説明の便宜上、第一開閉装置71、第四開閉装置74、第二開閉装置72、第三開閉装置73の順で説明を行う。
【0050】
第一開閉装置71は、燃料電池10と給湯器20aとを接続する通信線Z1の中途部に設けられる。
【0051】
第四開閉装置74は、通信線Z1から分岐して給湯器20dと接続される通信線Z2の中途部に設けられる。なお、通信線Z2は、第一開閉装置71よりも燃料電池10側に設けられた分岐点q1において、通信線Z1から分岐する。
【0052】
第二開閉装置72は、通信線Z2から分岐して給湯器20bと接続される通信線Z3の中途部に設けられる。なお、通信線Z3は、第四開閉装置74よりも上流側に設けられた分岐点q2において、通信線Z2から分岐する。
【0053】
第三開閉装置73は、通信線Z2から分岐して給湯器20cと接続される通信線Z4の中途部に設けられる。なお、通信線Z4は、分岐点q2と給湯器20dとの間に設けられた分岐点q3において、通信線Z2から分岐する。
【0054】
このように設けられた開閉装置70によって、燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信が接続されると、燃料電池10と給湯器20との間で情報のやり取りが可能となる。例えば、給湯器20は、燃料電池10の貯湯タンク12の貯湯量の情報を受信することにより、給湯器20の運転を制御することができる。
【0055】
また、開閉装置70のいずれか一つは、常に閉じた状態(燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信を許可した状態)となっており、他の開閉装置70は、開いた状態(燃料電池10と各住戸の給湯器20との通信を遮断した状態)となっている。つまり、燃料電池10と給湯器20とが常に1対1で接続されている。
図3においては、一例として、第一開閉装置71が閉じた状態を示している。
【0056】
図4に示す制御装置80は、開閉装置70、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の動作を制御するものである。制御装置80は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置等により構成される。制御装置80は、各水道メーター60の検出結果(計測結果)を取得及び蓄積する。制御装置80は、各水道メーター60の検出結果に基づいて、開閉装置70、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の動作を制御する。また、制御装置80は、開閉装置70の動作履歴を蓄積する。
【0057】
制御装置80は、開閉装置70の動作と連動して、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の動作を制御する。具体的には、制御装置80は、給湯器20の開閉装置70(給湯器20に対して設けられた開閉装置70)を閉じた場合に、当該給湯器20の上水側電磁弁40(当該給湯器20に対して設けられた上水側電磁弁40)を閉じて、当該給湯器20の温水側電磁弁50(当該給湯器20に対して設けられた温水側電磁弁50)を開く。また、制御装置80は、各給湯器20の開閉装置70を開いた場合に、当該給湯器20の上水側電磁弁40を開いて、当該給湯器20の温水側電磁弁50を閉じる。つまり、制御装置80は、燃料電池10と通信可能となった給湯器20にのみ、貯湯タンク12から温水を供給可能とする。
【0058】
以下では、
図5を参照して、制御装置80による開閉装置70、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の切替制御について説明する。
【0059】
ステップS10において、制御装置80は、現在の時刻が0時であるか否かを確認する。制御装置80は、現在の時刻が0時であると判定した場合(ステップS10で「YES」)、ステップS12に移行する。一方、制御装置80は、現在の時刻が0時でないと判定した場合(ステップS10で「NO」)、最初のステップ(当該ステップS10)に処理を戻す。
【0060】
ステップS12において、制御装置80は、通信が接続したときの熱使用量の積算値を取得する。なお、「熱使用量」とは、各住戸によって使用される熱の量のことをいう。本実施形態においては、水道メーター60で計測される水(上水又は温水)の流量によって、熱使用量を算出する。また、積算値とは、各給湯器20の使用開始時から現在までの使用量の合計(生涯熱使用量)のことをいう。この処理において、制御装置80は、通信が接続したときの熱使用量の積算値を取得することにより、貯湯タンク12から給湯器20への温水の流量(供給量)の積算値を把握することができる。具体的には、制御装置80は、水道メーター60の計測データのうち、開閉装置70が閉じたときに計測したデータを抽出することで、貯湯タンク12から給湯器20への温水の供給量(給湯器20による温水使用量)の積算値を取得する。制御装置80は、当該ステップS12の処理を行った後、ステップS14に移行する。
【0061】
ステップS14において、制御装置80は、ステップS12で取得した通信が接続したときの熱使用量の積算値(貯湯タンク12から給湯器20への温水の流量(供給量)の積算値)の少ない順に、各給湯器20に対して優先順位を設定する。具体的には、制御装置80は、通信が接続したときの熱使用量の積算値が最も少ない給湯器20に対して、優先順位を第1位に設定する。そして、制御装置80は、通信が接続したときの熱使用量の積算値が2番目に少ない給湯器20に対して優先順位を第2位に設定し、3番目に少ない給湯器20に対して優先順位を第3位に設定し、4番目に少ない給湯器20に対して優先順位を第4位に設定する。制御装置80は、当該ステップS14の処理を行った後、ステップS16に移行する。
【0062】
ステップS16において、制御装置80は、各住戸の前日までの熱使用量の積算値と前々日までの熱使用量の積算値を取得する。制御装置80は、蓄積した水道メーター60の計測結果に基づいて、熱使用量の積算値を取得する。制御装置80は、当該ステップS16の処理を行った後、ステップS18に移行する。
【0063】
ステップS18において、制御装置80は、各住戸ごとに前日に熱の使用があったかを確認する。制御装置80は、ステップS16で取得した積算値に基づいて、この処理を行う。具体的には、制御装置80は、前日までの熱使用量の積算値が前々日までの熱使用量の積算値よりも大きい場合、前日に熱の使用があったと判断する。一方、制御装置80は、前日までの熱使用量の積算値が前々日までの熱使用量の積算値と同じである場合、前日に熱の使用がなかったと判断する。制御装置80は、当該ステップS18の処理を行った後、ステップS20に移行する。
【0064】
ステップS20において、制御装置80は、前日に熱の使用があった住戸の給湯器20の間で優先順位を確定する。つまり、制御装置80は、ステップS14で優先順位を設定した給湯器20のうち、前日に熱の使用がなかった住戸の給湯器20を対象から除外して、優先順位を再設定する。制御装置80は、当該ステップS20の処理を行った後、ステップS22に移行する。
【0065】
ステップS22において、制御装置80は、燃料電池10と優先順位第1位の給湯器20との通信を接続する。制御装置80は、優先順位第1位の給湯器20の開閉装置70を閉じることで、当該通信の接続を行う。なお、優先順位第1位以外の給湯器20は、燃料電池10との通信が遮断された状態(開閉装置70が開いた状態)とされる。制御装置80は、当該ステップS22の処理を行った後、ステップS24に移行する。
【0066】
ステップS24において、制御装置80は、優先順位第1位の給湯器20の電磁弁を切り替える。具体的には、制御装置80は、開閉装置70を閉じた給湯器20(つまり、優先順位第1位の給湯器20)の上水側電磁弁40を閉じると共に、当該給湯器20(優先順位第1位の給湯器20)の温水側電磁弁50を開く。これにより、優先順位第1位の給湯器20は、貯湯タンク12内の温水の使用が可能となる。なお、開閉装置70を開いた給湯器20(つまり、優先順位第1位以外の給湯器20)の上水側電磁弁40は開いた状態とされ、当該給湯器20(優先順位第1位以外の給湯器20)の温水側電磁弁50は閉じた状態とされる。これにより、優先順位第1位以外の給湯器20は、貯湯タンク12内の温水の使用が不可能となる。制御装置80は、当該ステップS24の処理を行った後、
図5に示す切替制御を終了する。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る熱利用システム1においては、給湯器20の温水使用量(燃料電池10(貯湯タンク12)から供給される温水の使用量)の積算値を用いて、貯湯タンク12から給湯器20への温水の供給を制御する。具体的には、給湯器20の温水使用量の積算値の少ない順に優先順位を設定し、優先順位が上位の給湯器20を優先的に貯湯タンク12内の温水を使用可能とする。これにより、貯湯タンク12から供給される温水の使用量を、各住戸間で平均化することができる。したがって、各住戸の不公平感を低減することができる。
【0068】
また、前日に熱の使用がなかった住戸は、当日も給湯を行わない可能性が高いと考えられる。本実施形態に係る熱利用システム1においては、前日に熱の使用がなかった住戸の給湯器20を優先順位の設定の対象から除外するので(ステップS16からS20)、前日に給湯を行っていない給湯器20に対して温水の流通が許可されることはない。つまり、当日に給湯を行う可能性が高い給湯器20に対して、温水の流通を許可することができる。これにより、燃料電池10の排熱の有効利用を図ることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る熱利用システム1においては、燃料電池10と給湯器20との通信の接続(開閉装置70の動作)と上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の動作が連動している。このため、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50の下流側に水道メーター60が一つしか設けられていなくても、通信の接続履歴(開閉装置70の動作履歴)を参照することにより、水道メーター60による計測値(給湯器20による上水使用量及び温水使用量)のうち、温水使用量のみを抽出することができる。このように、上水側電磁弁40及び温水側電磁弁50それぞれに対して水道メーター60を設けなくても(各給湯器20に対して水道メーター60を2つ設けなくても)、各給湯器20に供給された温水の流量の積算値を容易に取得することができる。
【0070】
以上の如く、本実施形態に係る熱利用システム1は、複数の住戸間で用いられる熱利用システム1であって、発電時に発生する熱を用いて生成された温水を貯溜する貯湯タンク12を有する燃料電池10と、各住戸ごとに設けられて、供給される水を沸かして給湯可能な給湯器20と、前記給湯器20ごとに設けられて、当該給湯器20への上水の流通を許可又は遮断する上水側電磁弁40(第一切替装置)と、前記給湯器20ごとに設けられて、前記貯湯タンク12から当該給湯器20への前記温水の流通を許可又は遮断する温水側電磁弁50(第二切替装置)と、前記上水側電磁弁40及び前記温水側電磁弁50の下流側に設けられて、前記給湯器20に供給される水の流量を計測する水道メーター60と、前記温水の流通を許可したときの前記水道メーター60の検出結果に基づいて前記温水の流量の積算値を取得し、当該積算値に基づいて前記上水側電磁弁40及び前記温水側電磁弁50を制御する制御装置80(制御部)と、を具備するものである。
このように構成することにより、各住戸への熱の供給量を管理することができる。具体的には、各住戸への熱の供給量(各住戸の給湯器20の貯湯タンク12内の温水使用量)を適宜設定(制限)することができる。
【0071】
また、前記制御装置80は、前記温水の流量の積算値を前記給湯器20ごとに取得し、当該積算値の少ない順に前記給湯器20に優先順位を設定し、前記優先順位が上位の前記給湯器20に対して優先的に、上水の流通を遮断するように前記上水側電磁弁40を制御すると共に、前記貯湯タンク12からの前記温水の流通を許可するように前記温水側電磁弁50を制御するものである。
このように構成することにより、貯湯タンク12から供給される温水の使用量を、各住戸間で平均化することができる。
【0072】
また、前記制御装置80は、前記優先順位第1位の前記給湯器20に対して、上水の流通を遮断するように前記上水側電磁弁40を制御すると共に、前記貯湯タンク12からの前記温水の流通を許可するように前記温水側電磁弁50を制御し、前記優先順位第2位以下の前記給湯器20に対して、上水の流通を許可するように前記上水側電磁弁40を制御すると共に、前記貯湯タンク12からの前記温水の流通を遮断するように前記温水側電磁弁50を制御するものである。
このように構成することにより、温水の使用量の最も少ない給湯器20が、貯湯タンク12内の温水を使用可能となり、これにより、温水の使用量を各住戸間で平均化することができる。
【0073】
また、前記制御装置80は、前日(直近の所定期間内)に使用実績のある前記給湯器20の間で前記優先順位を設定するものである。
このように構成することにより、使用しない可能性の高い給湯器20に対して温水の流通が許可されるのを防ぐことができる。
【0074】
また、前記燃料電池10と各住戸の前記給湯器20との通信を接続又は遮断する開閉装置70を具備し、前記制御装置80は、前記開閉装置70を制御すると共に、前記開閉装置70の動作履歴を記録し、前記燃料電池10との通信が接続されている前記給湯器20に対して、上水の流通を遮断するように前記上水側電磁弁40を制御すると共に、前記貯湯タンク12からの前記温水の流通を許可するように前記温水側電磁弁50を制御し、前記燃料電池10との通信が遮断されている前記給湯器20に対して、上水の流通を許可するように前記上水側電磁弁40を制御すると共に、前記貯湯タンク12からの前記温水の流通を遮断するように前記温水側電磁弁50を制御するものである。
このように構成することにより、開閉装置70の動作履歴と、水道メーター60の検出結果とに基づいて、給湯器20に供給された温水の流量の積算値を容易に取得することができる。
【0075】
なお、本実施形態に係る上水側電磁弁40は、第一切替装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る温水側電磁弁50は、第二切替装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御装置80は、制御部の実施の一形態である。
【0076】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0077】
例えば、熱利用システム1は、集合住宅に設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、住宅街区やオフィス等に設けられるものであってもよい。
【0078】
また、本実施形態においては、燃料電池10と給湯器20との通信を1対1で接続するものとしたが、燃料電池10と複数の給湯器20とを接続してもよい。これに伴って、複数の給湯器20に、貯湯タンク12からの温水の流通を許可してもよい。
【0079】
また、本実施形態においては、制御装置80は、前日に使用実績のある給湯器20の間で優先順位を設定するものとしたが(ステップS20)、使用実績の有無を判定するための対象期間は、前日の1日に限るものではなく、直近の任意の所定期間とすることができる。