(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信制御部は、状態確認指令が記録されている状態で、新たに生成された制御指令と状態確認指令とを第1の記憶部に書き込むときは、制御指令を送信順位一位となるように書き込む、
請求項3から5のいずれか1項に記載の通信システム。
前記親機は、前記複数の子機のうちの第1の子機に接続された制御対象物の状態のみを変更する制御指令を送信した場合には、前記第1の子機のみに状態確認指令を送信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の通信システム。
前記制御対象物の状態は、前記照明器具の点灯と消灯、前記照明器具の照度、前記照明器具において発光させる発光体の個数および前記照明器具において発光させる発光体の指定の内の1つ以上を少なくとも含む、
請求項11に記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る通信システムおよび通信方法を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
[実施の形態1]
実施の形態1に係る通信システムおよび通信方法を、照明器具を制御する照明システムに適用した場合を例に説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る通信システム1は、1台の親機10と、親機10に対する設定を行う手元制御端末12と、m台の照明装置18−1〜18−mと、親機10と手元制御端末12と照明装置18−1〜18−mとを接続するネットワーク22と、を備える。なお、mは2以上の整数である。
【0014】
照明装置18−i(i=1〜m)は、子機14−iと、子機14−iに接続された照明器具16−iとを含む。なお、各子機14−iに接続される照明器具は1台に限られず、その数は任意である。ただし、理解を容易にするため、以下の説明では、各子機14に接続される照明器具16の台数を1台とする。
【0015】
また、以下の説明において、照明装置18−1〜18−mを総称して照明装置18、子機14−1〜14−mを総称して子機14、照明器具16−1〜16−mを総称して照明器具16と呼ぶことがある。
【0016】
親機10は、複数の照明装置18を制御するための制御装置であり、子機14の上位装置として機能する。親機10は、少なくとも1台の照明器具16の状態を変更する必要が生じた場合に、その照明器具16の状態を変更することを指示する制御指令を生成し、生成した制御指令を子機14−1〜14−mに同報通信で送信する。なお、照明器具の状態の変更とは、照明器具16−1〜16−mの動作状態を変更すること全般を意味し、例えば、点灯状態と消灯状態の変更、調光の照度(発光強度)の変更、動作モードの変更等を含む。また、状態の変更は、例えば、照明器具16が複数の発光体を備える場合に、点灯する発光体の個数の変更、発光させる発光体の指定の変更を含む。
【0017】
親機10は、制御指令送信後、子機14−1〜14−mに状態確認指令を個別通信で送信する。親機10は、状態確認指令に応答して、子機14−1〜14−mから個別通信で送信されてきた応答に基づいて、子機14−1〜14−mにおける制御対象の状態変更が成功したか否かを順次判別する。
【0018】
親機10は、子機14−1〜14−mのいずれかで照明器具16−1〜16−mの状態の変更が不成功に終わった、即ち、制御に失敗したと判別したときには、状態確認指令の送信をその時点で中断し、制御指令を子機14−1〜14−mに同報通信で再送信する。
【0019】
一方、子機14−1〜14−mは、親機10により同報通信で送信された制御指令をネットワーク22を介して受信する。子機14−1〜14−mは、受信した制御指令を解釈し、自己に接続された照明器具16−1〜16−mの状態を変更することが指示されている場合には、必要な制御を実行する。また、子機14−1〜14−mは、親機10から個別通信で送信された自己宛の状態確認指令を受信する。子機14−1〜14−mは、受信した状態確認指令に応答して、自己に接続された照明器具16−1〜16−mの状態を示す応答を親機10に送信する。
【0020】
照明器具16−1〜16−mは、子機14−1〜14−mに接続され、直接的には、子機14−1〜14−mにより状態が制御され、間接的には、子機14−1〜14−mを介して、親機10により状態が制御される。
【0021】
手元制御端末12は、ネットワーク22に接続され、ユーザの操作に従って、照明器具16−1〜16−mの状態の変更を親機10に指示する。手元制御端末12は、親機10に、照明器具16の状態の変更を指示する指示装置として機能する。
【0022】
外部制御端末20は、子機14−1〜14−mに接続され、接続されている子機14−1〜14−mに接続された照明器具16−1〜16−mの状態の変更を指示する。なお、外部制御端末20は、一部の子機14のみに接続されてもよい。
図1では、子機14−2のみに外部制御端末20が接続されている。この外部制御端末20は、子機14−2に、照明器具16−2の状態の変更を指示する。この場合、子機14−2が、請求項における第2の子機として機能する。
【0023】
ネットワーク22は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、有線、無線いずれでもよい。
【0024】
[通信システム1の構成要素]
以下、通信システム1の構成要素を詳細に説明する。
【0025】
[親機10]
親機10は、照明器具16−1〜16−mのコントローラとして機能する。
図2に示すように、親機10は、ネットワーク22に接続されたネットワークIF(インタフェース)100と、送信データを記憶する送信バッファ102と、ネットワークIF100を介して、ネットワーク22との間でデータの送受信を行う通信部104と、通信部104を制御する通信制御部106と、照明器具16の状態を管理する状態管理部108と、入力データを記憶する記憶部110とを備える。
【0026】
ネットワークIF100は、ネットワーク22を介して、手元制御端末12及び子機14にデータを送信し、手元制御端末12及び子機14からデータを受信する。
【0027】
通信部104は、ネットワークIF100を介して、ネットワーク22との間でデータを送受信する。
【0028】
通信制御部106は、通信部104を制御して、同報通信フェーズで、制御指令を同報通信で子機14に送信する。また、通信制御部106は、通信部104を制御して、同報通信フェーズに対応する個別通信フェーズで、状態確認指令を個別通信で各子機14に順次送信する。さらに、通信制御部106は、状態確認指令に応答して各子機14から送信されてくる、その子機14に接続されている照明器具16の状態を示す応答を受信する。
【0029】
状態管理部108は、送信した制御指令が示す照明器具16の状態と、個別通信で受信した子機14からの応答が示す照明器具16の状態とが一致するか否かに基づいて、照明器具16の状態の変更が成功したか否かを判別する判別部として機能する。状態管理部108は、判別の結果に、応答を送信してきた子機14に関するデータを付加して通信制御部106に出力する。
【0030】
送信バッファ102は、通信制御部106から供給された制御指令及び状態確認指令と関連データを記憶し、通信部104に提供する。送信バッファ102は請求項における第1の記憶部の一例である。
【0031】
記憶部110は、通信制御部106から供給されるデータ、例えば、送信済の制御指令と状態確認指令とを記憶し、通信制御部106に供給する。また、記憶部110は、状態の変更が不成功であった子機14の数をカウントする不成功カウンタを保持する。記憶部110は請求項における第2の記憶部の一例である。
【0032】
通信制御部106は、手元制御端末12からいずれかの照明器具16の状態を変更することが指示されると、この変更を全子機14に指示する制御指令を生成し、これを送信する通信フェーズ、送信の種別、制御対象物を特定し、送信バッファ102に登録する。通信制御部106は、さらに、各照明器具16の状態を通知させるための状態確認指令を各子機14宛に生成し、これを送信する通信フェーズ、送信の種別、制御対象物を特定し、送信バッファ102に登録する。
【0033】
具体的に説明すると、例えば、手元制御端末12から全ての照明器具16−1〜16−mの照度をIとすることが指示されたとする。通信制御部106は、照度をIとすることを指示する制御指令を生成する。通信制御部106は、
図6(a)に示すように、生成した制御指令と、この制御指令を送信する同報通信フェーズ「F100」、送信種別「同報」、制御対象物として「全て」とを対応付けて送信バッファ102に登録する。通信制御部106は、さらに、子機14−1〜14−mに順番に送信する状態確認指令を生成し、これを、
図6(b)に示すように、同報通信フェーズ「F100」に対応する個別通信フェーズ「F200」、送信種別「個別」、制御対象物「14−1」、「14−2」...「14−m」を対応付けて送信バッファ102に登録する。なお、本実施の形態では、送信の順番をリストNoの順番とする。従って、リストNo.1の指令が、送信順位一位となる。
【0034】
親機10は、物理的には、例えば、
図3に示す演算処理装置24から構成され、その機能の全部又は一部をソフトウェアとハードウェアの協働により実現する。図示するように、演算処理装置24は、ソフトウェアを実行する演算処理部240と、データを送受信する外部IF242と、演算処理部240の主メモリとして機能するメモリ244と、不揮発性の記憶装置246と、ユーザ操作を受け付ける操作装置248とを備える。
【0035】
演算処理部240は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、タイマ回路、割り込み制御回路などの周辺回路とを含み、プログラムを実行し、他の構成要素を制御する。
【0036】
外部IF242は、ネットワーク22を介して、演算処理部240と、手元制御端末12及び子機14との間のデータの送信および受信を実行する。
【0037】
メモリ244は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、演算処理部240のワークメモリとして機能し、基本動作プログラムを記憶し、処理対象のプログラムが展開され、データを記憶する。
記憶装置246は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリなどの不揮発性記録媒体を含み、記録媒体に動作プログラムを記憶し、記憶媒体からデータを読み出す。
操作装置248は、ユーザによる操作を受け付け、操作データを演算処理部240に供給する。
【0038】
[子機14]
子機14は、自己に接続されている制御対象物である照明器具16を、上位装置に相当する親機10の指示に従って制御する一種の制御装置である。
図4に示すように、子機14は、親機10との通信を制御する通信制御部142と、親機10からの指令を解析する指令解析部144と、制御対象物である照明器具16の状態を検出する状態検出部146と、照明器具16を制御する照明器具制御部148とを備える。
【0039】
通信制御部142は、親機10からの制御指令と状態確認指令とをネットワークIF100と通信部104とを介して受信し、指令解析部144に供給する。また、通信制御部142は、状態検出部146から照明器具16の状態が通知されたときには、この状態を示すデータに、自機を特定する識別情報等のデータを付して応答を生成し、通信部104とネットワークIF100とを介して、親機10に送信する。
【0040】
指令解析部144は、通信制御部142から供給された指令を解析し、制御指令であるか状態確認指令であるかを判別する。
指令解析部144は、指令が制御指令であると判別すると、さらに、自機に接続された照明器具16の状態を変更する必要があるか否かを判別する。指令解析部144は、状態の変更が必要であると判別した場合には、照明器具制御部148を制御して、照明器具16の状態を、指示された状態に変更する。
また、指令解析部144は、供給された指令が状態確認指令であると判別すると、照明器具制御部148に照明器具16の状態を取得させ、状態検出部146に通知させる。指令解析部144は、続いて、状態検出部146から照明器具16の状態が通知されると、それを通信制御部142に通知する。
【0041】
なお、外部制御端末20は、指令解析部144に接続される。指令解析部144は、外部制御端末20から入力された、照明器具16の状態を変更する指示を解析する。指令解析部144は、解析した指示に基づいて、照明器具制御部148を介して、接続されている照明器具16を制御する。
【0042】
状態検出部146は、照明器具制御部148からの情報に基づいて、自機の照明器具16の状態を検出する。
【0043】
照明器具制御部148は、指令解析部144の制御に従って、照明器具16の状態を変更し、また、照明器具16の現在の状態を示す情報を取得し、状態検出部146に供給する。
【0044】
なお、
図4に示すネットワークIF100、送信バッファ102、通信部104、は、親機10を構成するネットワークIF100、送信バッファ102、通信部104と実質的に同一の機能と構成を有する。
【0045】
図4に示した構成要素により、子機14は、親機10から同報通信で送信された制御指令を受信し、受信した制御指令に、自機に接続された照明器具16の状態を変更する指示が含まれているか否かを判別する。子機14は、照明器具16の状態を変更する指示が含まれていると判別した場合には、制御指令に含まれる指示に従って、制御対象物である照明器具16の状態を変更する。例えば、
図6(a)に例示する制御指令を受信した場合には、自己に接続されている照明器具16の照度をIに制御する。
【0046】
また、子機14は、親機10から個別通信で送信された状態確認指令を受信すると、自機に接続された照明器具16の状態を検出し、検出した状態を示すデータにこの子機14を特定する識別情報等のデータを付加して、応答を生成し、親機10に送信する。
【0047】
なお、子機14は、ハードウェア的には、親機10と同様に
図3に示す演算処理装置24により構成可能である。必要に応じて内部IFを配置し、照明器具16を接続してもよい。
【0048】
[手元制御端末12および外部制御端末20]
図5は、
図1に示した手元制御端末12および外部制御端末20の構成を示す図である。手元制御端末12は、例えば、親機10用の壁スイッチから構成される。また、外部制御端末20は、例えば、子機14用の遠隔制御端末(リモートコントローラ)から構成される。
【0049】
図示するように、手元制御端末12と外部制御端末20は、それぞれ、入力部と表示部とを備える入出力部200と、入出力制御部202と、外部と通信する通信部104と、を備える。
【0050】
入出力部200は入力部と表示部(いずれも不図示)とを含み、照明器具16の状態を変更するためのユーザの操作を受け付け、その操作の内容を表示装置に表示すると共に入出力制御部202に出力する。また、入出力部200は、入出力制御部202が通信部104を介して外部から受信したデータを表示する。
【0051】
入出力制御部202は、入出力部200に入力された照明器具16の状態を変更するためのユーザの指示を通信部104を介して上位装置に送信する。また、入出力制御部202は、上位装置から通信部104を介して受信したデータを入出力部200に表示させる。
【0052】
通信部104は、上位装置と入出力制御部202との間でデータを送受信する。ここで、上位装置とは、手元制御端末12の場合には、ネットワーク22を介した親機10である。一方、外部制御端末20の場合には、子機14である。
【0053】
なお、手元制御端末12と外部制御端末20は、それぞれ、ハードウェア的には、親機10と同様に
図3に示す演算処理装置24により構成可能である。また、手元制御端末12は親機10の機能の一部、外部制御端末20は子機14の機能の一部としてもよい。
【0054】
(動作)
次に、上記構成を有する通信システム1の動作を、
図7及び
図8に示す親機10の動作フローを参照しつつ説明する。
【0055】
ユーザは希望する制御内容を手元制御端末12の入出力部200を操作して入力する。手元制御端末12は、入力された指示を、親機10に送信する。
親機10の通信制御部106は、手元制御端末12からの指示を受信すると、
図7に示す送信バッファ登録処理を開始する。
【0056】
通信制御部106は、まず、手元制御端末12からの指示を取り込み(ステップS10)、指示された変更を実現するための制御指令と各子機14−1〜14−mに照明器具16の状態を問い合わせる状態確認指令とを生成する(ステップS12)。
【0057】
通信制御部106は、生成した制御指令を
図6(a)に例示するように、通信フェーズ、送信種別、制御対象物などの情報と共に送信バッファ102に書き込み、さらに、生成した状態確認指令を、
図6(b)に例示するように、通信フェーズ、送信種別、制御対象物などの情報と共に送信バッファ102に追加する(ステップS14)。なお、ここでは、状態確認指令の順番を、子機14−1〜14−m宛の順とし、制御指令の同報通信フェーズをF100、同報通信フェーズF100に対応する状態確認指令の個別通信フェーズをF200とする。
以上で、今回の送信バッファ登録処理を終了する。
【0058】
一方、通信制御部106は、電源オンの間、
図8に示す制御処理を継続して実行している。
【0059】
この処理において、通信制御部106は、まず、送信バッファ102に格納されている指令のうちから、送信順が1番の指令を入力する(ステップS16)。
【0060】
通信制御部106は、同報通信用の制御指令と個別通信用の状態確認指令のいずれが入力されたかを判断し(ステップS18)、同報通信用の制御指令が入力されたと判別した場合(ステップS18:同報)、全ての子機14に、制御指令を同報送信する(ステップS20)。さらに、この制御指令を送信バッファ102から削除し、記憶部110に記憶して(ステップS22)、その後、ステップS16に戻る。
【0061】
一方、ステップS18で、ステップS16で取り込んだ指令が個別送信で送信する状態確認指令であると判別すると(ステップS18:個別)、通信制御部106は、取り込んだ状態確認指令を、指定された個別通信フェーズに、指定された子機14宛に個別送信する(ステップS24)。
【0062】
子機14の通信制御部142は、自己宛の状態確認指令を受信し、これを指令解析部144に提供する。指令解析部144は、状態確認指令を解析し、照明器具制御部148を制御し、照明器具16の状態を示す情報を収集し、状態検出部146に提供する。状態検出部146は、提供された情報から、照明器具16の状態を検出し、照明器具16の状態を示す状態情報を指令解析部144を介して通信制御部142に供給する。
【0063】
通信制御部142は、状態情報に自己のアドレス、識別情報などを付して、通信部104、ネットワークIF100を介して、親機10に送信する。
【0064】
親機10の通信制御部106は、状態確認指令を送信した後、子機14からの応答を受信したか否かを判別する(ステップS26)。閾値時間を経過しておらず且つ超えても応答を受信していないときには、ステップS26を繰り返し、子機14からの応答を待機する。
【0065】
一方、応答を受信したとき、および、状態確認指令の送信から予め決められた閾値時間を超えても応答を受信していないときには(ステップS26:受信/応答なし)、通信制御部106は、制御指令で指示した制御が成功したか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、通信制御部106は、状態管理部108を制御して、送信した制御指令が指示した状態と、応答が示す照明器具16の状態とが一致するか、矛盾があるか、あるいは、予め定められた応答期間内に応答が無かったかを判別させる。
【0066】
通信制御部106は、制御が成功したと判別したときには(ステップS30:成功)、直前のステップS24で送信した状態確認指令を、送信バッファ102から削除する(ステップS32)。その後、後述するステップS40にジャンプする。
【0067】
一方、通信制御部106は、状態管理部108が矛盾または無応答と判別したときには、子機14による照明器具16への状態変更の制御が不成功であったと判断し(ステップS30:不成功/応答なし)、ステップS24で送信した状態確認指令を、送信バッファ102から削除し、再送信のために、記憶部110に記憶する(ステップS34)。続いて、通信制御部106は、記憶部110に配置した不成功カウンタのカウント値を+1する(ステップS36)。
【0068】
続いて、通信制御部106は、不成功カウンタのカウント値、即ち、制御が不成功であった子機14の数が、予め定められている閾値以上であるか否かを判別する(ステップS38)。不成功の回数が閾値以上と判別された場合(ステップS38:閾値以上)、処理は、後述するステップS44に進む。
【0069】
ステップS32で状態確認指令を送信バッファ102から削除した後、又は、ステップS38で不成功の回数が閾値未満であると判別した場合(ステップS38:閾値未満)、個別通信が終了したか否かを判別する(ステップS40)。未終了であれば、即ち、送信バッファ102に送信していない状態確認指令が残っていれば(ステップS40:未終了)、処理は、ステップS16に戻り、次の状態確認指令について同様の処理を実行する。
【0070】
一方、ステップS40で、全ての状態確認指令の送信を終了していると判別された場合(ステップS40:終了)、通信制御部106は、制御指令が指示する照明器具16の状態変更が全体として成功したか否かを判断する。成功したと判別したときは(ステップS42:成功)、後述するステップS46に進む。また、不成功と判別したときには(ステップS42:不成功)、ステップS44に進む。
【0071】
通信制御部106は、ステップS44において、記憶部110にセーブしておいた制御指令と状態確認指令とを送信バッファ102に再記憶させる。また、ステップS46において、記憶部110の関係するデータ及び不成功カウンタのカウント値を消去し(ステップS46)、処理はステップS16に戻る。
以後同様の動作を繰り返す。
【0072】
次に、上記
図7及び
図8に示すフローチャートに示す処理を、具体例に基づいて説明する。
ここでは、理解を容易にするため、手元制御端末12から、全ての照明器具16の照度をIに設定する指示が入力されたとする。また、m=3とする。
【0073】
まず、子機14での制御が全て成功した場合の動作を、
図9のシーケンス図を参照して説明する。
手元制御端末12は、入力された指示を、親機10に送信する。親機10の通信制御部106は、手元制御端末12からの指示を受信すると、
図7に示す送信バッファ登録処理を開始する。
【0074】
通信制御部106は、まず、手元制御端末12からの指示を取り込み(ステップS10)、指示された変更を実現するための制御内容を含む制御指令と各子機14−1〜14−mに照明器具16の状態を問い合わせる状態確認指令とを生成する(ステップS12)。
【0075】
通信制御部106は、生成した制御指令を
図6(a)に例示するように、通信フェーズ、送信種別、制御対象物などの情報と共に送信バッファ102に書き込み、さらに、生成した状態確認指令を、
図6(b)に例示するように、通信フェーズ、送信種別、制御対象物などの情報と共に送信バッファ102に追加する(ステップS14)。なお、ここでは、状態確認指令の順番を、子機14−1〜14−m宛の順とし、制御指令の同報通信フェーズをF100、同報通信フェーズF100に対応する状態確認指令の個別通信フェーズをF200とする。
以上で、通信制御部106は、今回の送信バッファ登録処理を終了する。
【0076】
通信制御部106は、
図8のステップS16で、
図6(b)に示す送信バッファ102に記憶されているデータのうちから、1番目の制御指令を取り込み、制御指令であると判別する(ステップS18)。
【0077】
続いて、通信制御部106は、
図9に示すように、同報通信フェーズF100で、制御指令を子機14−1〜14−mに同報送信する(ステップS20)。
続いて、送信バッファ102に格納されていた制御指令に関するデータを、
図6(c)に示すように削除し、
図6(d)に示すように、記憶部110に記憶する(ステップS22)。
【0078】
子機14−1〜14−mの通信制御部142は、親機10から送信された制御指令を受信し、指令解析部144に解析させる。指令解析部144は、制御指令を解析し、必要な制御が存在する場合には、その制御を実行する。この例では、各子機14−1〜14−mの指令解析部144は、制御指令を解析し、照明器具制御部148を介して、自己に接続されている照明器具16−1〜16−mの照度を指示されたIとするように制御する。
【0079】
通信制御部106は、
図6(c)に示す送信バッファ102に記憶されているデータのうちから、1番目の子機14−1宛の状態確認指令を取り込み(ステップS16)、個別送信であると判別する(ステップS18)。
【0080】
図9に示すように、通信制御部106は、個別通信フェーズF200が開始すると、状態確認指令を子機14−1に個別通信で送信する(ステップS24)。
【0081】
子機14−1は、状態確認指令を受信し、照明器具16−1の状態を示すデータを含む応答を生成し、親機10に送信する。
【0082】
すると、親機10の通信制御部106は、応答受信と判別し(ステップS26)、応答の内容から制御成功と判別し(ステップS30)、
図6(c)に示す送信バッファ102から先頭の状態確認指令関連のデータを削除し(ステップS32)、個別未終了と判別し(ステップS40)、ステップS16に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0083】
この結果、親機10から子機14−2、14−mに順番に状態確認指令が個別通信で送信され、子機14−2、14−mからは応答が送信される。
親機10は、全ての子機14−1〜14−mからの応答を受信すると(ステップS40:終了)、制御成功と判別し(ステップS42)、記憶部110の記憶データを削除して(ステップS46)、ステップS16に戻る。
【0084】
次に、同様の場面で、照明器具16の状態の変更が不成功に終わった場合の動作を
図10を参照して説明する。
【0085】
この場合、送信バッファ102に格納される制御指令及び状態確認指令、及び、親機10が制御指令及び状態確認指令を送信する動作と、子機14−1〜14−mが、応答を返送する動作は基本的には
図9に示す例と同一である。
ただし、子機14−2による照明器具16−2の照度の変更が不成功であったとする。
【0086】
この場合、親機10が、全子機14−1〜14−mに制御指令を同報送信し、続いて、子機14−1に状態確認指令を送信し、続いて、子機14−2に状態確認指令を送信する点までは、
図9に示す処理と同一である。
【0087】
ただし、子機14−2による照度設定が不成功であるため、親機10の状態管理部108は、子機14−2から受信した応答が示す照明器具16−2の状態と制御指令で指示した状態とが異なることを検出する(ステップS30:不成功)。このため、通信制御部106は、この状態確認指令を記憶部110に記憶し(ステップS34)、不成功カウンタの値を+1して1とする(ステップS36)。
【0088】
閾値=1とすると、不成功数≧閾値が成立し(ステップS38;閾値以上)、処理はステップS44に進む。
【0089】
親機10は状態確認動作を中止し、ステップS44において、記憶部110にセーブしておいた制御指令と子機14−2宛の状態確認指令とを、
図12(a)に示す状態であった送信バッファ102に、
図12(b)に示すように書き戻す(ステップS44)。また、通信フェーズを更新する。ここでは、制御指令の再送信を同報通信フェーズF102とし、状態確認指令の個別通信フェーズをF202とする。
【0090】
続いて、親機10の通信制御部106は、同報通信フェーズF102において、制御指令を同報通信で全子機14−1〜14−mに再度同報送信する(ステップS20)。その後、親機10は、個別通信フェーズF202において、各子機14に状態確認指令を順次送信する。ただし、子機14−1については、状態変更に成功したことを確認済であり、送信バッファ102に子機14−1宛の状態確認指令が記憶されていないので、スキップする。
【0091】
一方、特許文献1に開示されている通信システムでは、同様の場合に、
図11に示すように、子機14−2から返信された応答が制御不成功を示していたとしても、残りの子機14への状態確認指令の送信及び応答の受信を繰り返す。そして、最後の子機14−mへの状態確認指令の送信と子機14−mからの応答を受信した後、ようやく、子機14−1〜14−mに制御指令を再送信する。
【0092】
このように、本実施の形態に係る通信システム1によれば、いずれかの子機14で状態の変更が不成功であったときに、速やかに制御指令を再送でき、制御対象物を適切に制御することができる。
また、上記実施の形態においては、状態変更に成功した子機14に対しては、制御指令再送後の状態確認指令を再送していない。従って、状態確認指令と応答の受信に要する時間を短縮することができる。
【0093】
(変形例)
なお、上記実施の形態においては、
図10に示すように、状態変更に成功した子機14に対しては、制御指令再送後の状態確認指令を再送していない。ただし、状態変更に成功した子機14にも状態確認指令を再送してもよい。この場合は、例えば、
図8のステップS32において、ステップS34と同様に、状態確認指令と対応するデータとを送信バッファ102から削除すると共に記憶部110に記憶すればよい。或いは、ステップS32を除去し、ステップS34をステップS24〜S30の任意の位置に移動してもよい。
また、ステップS38の閾値は適宜設定可能であり、2以上の整数でもよい。
【0094】
[実施の形態2]
実施の形態1では、全ての照明器具16の状態を同様に変更する場合を例にこの発明を説明したが、この発明はこれに限定されない。一部の照明器具16のみを状態変更の対象としてもよい。この場合、状態の確認が必要な子機14のみに状態確認指令を送信するようにしてもよい。
【0095】
例えば、
図1の構成において、手元制御端末12から照明器具16−1と16−mの状態のみを変更することが指示された場合を想定する。この場合、子機14−1と14−mとが請求項における第1の子機として機能する。
親機10は、例えば、
図7のステップS12で、
図13に示すように、照明器具16−1と16−mを制御することを指示する制御指令を作成し、子機14−1と14−mとに照明器具16−1と16−mの状態を問い合わせる状態確認指令を作成し、送信バッファ102に格納する。
【0096】
親機10は、全子機14に制御指令を同報通信で送信し、一方、子機14−1と14−mとに状態確認指令を個別通信で送信し、その応答を受信する。
このような構成によれば、無駄な通信を抑えることができる。
【0097】
[実施の形態3]
実施の形態1及び2においては、1つの制御指令とそれに対応する状態確認指令のみが送信バッファ102に格納されている場合を例に説明したが、この発明はこれに限定されない。送信バッファ102には複数の制御指令と各制御指令に対応する状態確認指令が格納されてもよい。
【0098】
このような場合に、複数の制御指令による指示が互いに矛盾することがある。例えば、照明器具16−1をオフする制御指令が登録された直後に、全ての照明器具16の照度をIに設定する制御指令が登録された場合である。
【0099】
この場合に、照明器具16−1をオフする制御指令を送信し、子機14−1の状態の変更に成功したか否かを判別しても、その後に照明器具16−1をオンして照度を設定するので、あまり意味がない。従って、このような場合に、状態情報の取得をスキップすることも可能である。以下、制御指令が上書きされた場合に、先に送信される制御指令に対する状態確認指令の送信をスキップする実施の形態について説明する。
【0100】
本実施の形態に係る通信システム1の基本構成は
図1に示した構成と同一であり、親機10及び各子機14の構成は
図2、
図4に示す構成と同一である。
【0101】
本実施の形態においては、親機10の通信制御部106は、手元制御端末12から指示があると、
図7に示す送信バッファ登録処理に代えて
図14に示す送信バッファ登録処理を実行する。
【0102】
まず、通信制御部106は、今回の指示を、ネットワークIF100及び通信部104を介して受信し、状態管理部108に提供する。状態管理部108は、受信した指示に基づいて、照明器具16−1〜16−mの状態を指示された状態に変更するための制御指令と状態確認指令を生成する(ステップS141)。
【0103】
次に、状態管理部108は、データが送信バッファ102に格納されているか否かを判別する(ステップS142)。
【0104】
送信バッファ102にデータが記憶されていない場合(ステップS142:なし)、状態管理部108は、送信バッファ102に、制御指令と状態確認指令を関連する情報と共に格納する(ステップS143)。一方、データが送信バッファ102に既に記憶されている場合、同一の子機14に対する状態確認指令のうち、送信順が先のものとその関連データを削除し、処理を終了する。なお、複数の制御指令が違いに矛盾するか否かを判別し、矛盾すると判別した場合に、送信順が先のものとその関連データを削除するようにしてもよい。
【0105】
次に、このように送信バッファ102に指令を登録した場合の通信動作を、
図15と
図16を参照して具体的に説明する。
ここでは理解を容易にするため、手元制御端末12で、照明器具16−1〜16−mを全てオフする指示が入力され、続いて、照明器具16−1と16−mを点灯する指示が入力されたものとする。また、m=3とする。
【0106】
手元制御端末12からの照明器具16−1〜16−mを全てオフする指示に基づいて、状態管理部108は、
図15(a)に示すように、制御指令と状態確認指令とを生成し(ステップS141)、関連するデータと共に送信バッファ102に登録する(ステップS143)。制御指令は、子機14−1〜14−mに照明器具16−1〜16−mの消灯を指示するものである。一方、状態確認指令は、子機14−1〜14−mに順番に状態を問い合わせるものである。
【0107】
その後、通信制御部106は、
図8に示す制御処理を実行することにより、送信バッファ102に登録されている制御指令を、子機14−1〜14−mに、同報通信で送信する。その後、通信制御部106は、子機14−1に個別通信で、状態確認指令を送信し、応答を受信する。
【0108】
このタイミングで、手元制御端末12から親機10に照明器具16−1と16−mを点灯する指示が入力されたものとする。
状態管理部108は、受信した指示に基づいて、
図15(b)に示すように、制御指令と子機14−1と14−m宛の状態確認指令を生成する(ステップS141)。
次に状態管理部108は、送信バッファ102に既にデータが格納されていると判別する(ステップS142)。この段階では、制御指令と子機14−1宛の状態確認指令が送信済であるため、送信バッファ102には
図15(c)に示すデータが格納されている。
【0109】
次に、状態管理部108は、送信バッファ102に、今回作成した状態確認指令と同一の子機14宛の状態確認指令を削除し、今回作成した制御指令と状態確認指令及び対応するデータを追加登録する(ステップS144)。この例では、子機14−m宛の状態確認指令が重複する。そこで、
図15(c)に示すデータから、子機14−m宛の状態確認指令を削除し、その後に、
図15(b)に示す制御指令と状態確認指令と対応するデータを追加登録する。
【0110】
これにより、
図16のシーケンスに示すように、親機10の通信制御部106は、子機14−2への状態確認指令の送信と応答の受信を行った後、子機14−mとの個別通信を中止し、照明器具16−1と16−mの照度を変更するための制御指令を、同報通信で全子機14−1〜14−mに送信する。その後、通信制御部106は、子機14−1と14−mに状態確認指令を個別通信で順番に送信する。
【0111】
(変形例)
なお、
図14のステップS144において、新たに作成した制御指令と状態確認指令とを送信バッファ102に追加記憶する際に、
図17に示すように、他の状態確認指令より上位に状態制御指令を送信バッファ102に記憶させてもよい。
【0112】
[実施の形態4]
図1に示す通信システム1において、外部制御端末20により照明器具16−2の状態を切り替えた場合、親機10はその状態の変更を直接的には把握することはできない。このため、例えば、親機10が照明器具16−2の状態を変更するための制御指令を送信した直後に、外部制御端末20が照明器具16−2の状態を切り替え、その後、親機10が状態確認指令を送信した場合、親機10は制御不成功と判別し、制御指令を再送してしまう。
【0113】
そこで、本実施の形態においては、各子機14の通信制御部142は、外部制御端末20による状態の変更の設定があったときには、照明器具16の状態の変更内容を示すデータを、フラグとして、状態確認指令に対する応答に付加して送信する。
【0114】
本実施の形態における、子機14の通信制御部142が、親機10から制御指令又は状態確認指令を受信したときの動作を
図18のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
子機14の指令解析部144は、外部制御端末20から、照明器具16の状態を設定する指示を受信すると、
図18に示す制御処理を開始し、まず、指示の内容を解析する(ステップS180)。
続いて、指令解析部144は、解析した指示の内容に基づいて、照明器具制御部148を介して照明器具16を制御し、状態を指示された状態に変更する(ステップS182)。
続いて、指令解析部144は、変更内容を示すフラグをオンし(ステップS184)、今回の処理を終了する。
【0116】
一方、子機14の通信制御部142は、親機10から制御指令又は状態確認指令を受信したとき、
図19に示す指令応答処理を開始する。
まず、通信制御部142は、供給された指示を取り込み(ステップS190)、指令解析部144に供給する(ステップS192)。
【0117】
指令解析部144は、受信した指令が、制御指令であるか状態確認指令のいずれであるかを判別する(ステップS194)。
指令解析部144は、受信した指令が制御指令であると判別した場合(ステップS194:制御指令)、自己に接続されている照明器具16の状態の変更が必要か否か判別する(ステップS196)。
【0118】
制御が不要であると判別すると(ステップS196:不要)、指令解析部144は、今回の処理を終了する。
一方、制御が必要であると判別すると(ステップS196:要)、指令解析部144は、照明器具制御部148を制御して、自己に接続されている照明器具16の状態を変更する(ステップS198)。
続いて、指令解析部144は、内部に記憶している外部制御フラグをオフし(ステップS200)、今回の処理を終了する。
【0119】
一方、指令解析部144は、ステップS194で、受信した指令が状態確認指令であると判別すると(ステップS194:状態確認指令)、照明器具制御部148を制御して、照明器具16の状態を示す情報を抽出させ、状態検出部146は、状態を検出し、応答を生成する(ステップS202)。
【0120】
続いて、指令解析部144は、外部制御フラグがオンか否かを判別する(ステップS204)。外部制御フラグがオフの場合(ステップS204:オフ)、処理は後述するステップS210にジャンプする。
一方、外部制御フラグがオンの場合(ステップS204:オン)、即ち、制御指令の受信から現在までに、外部制御端末20による照明器具16の状態の変更があってステップS184で外部制御フラグがオンされている場合、指令解析部144は、応答に外部制御フラグを付加し、通信制御部142に供給する(ステップS206)。続いて、指令解析部144は、外部制御フラグをオフする(ステップS208)。
続いて、通信制御部142は、応答を、親機10に送信する(ステップS210)。
【0121】
外部制御フラグが付された応答を受信した親機10の通信制御部106は、同報通信で子機14に送信した制御指令と、応答が示す照明器具16の状態との間に矛盾が生じていても、
図8のステップS30で、制御成功と判別する。
【0122】
以下、本実施の形態に係る通信システム1の全体的な動作を具体例に基づいて説明する。
前提として、
図20に示すように、親機10が、同報通信フェーズF100で、制御指令を同報通信で送信し、子機14−1〜14−mが、制御指令に従って、照明器具16への制御を成功させたとする。さらに、その後、個別通信フェーズF200において、親機10が、子機14−1に状態確認指令を送信し、その応答を受信している間に、外部制御端末20から子機14−2に、照明器具16−2の状態を変更する指示が入力されたと仮定する。
【0123】
この場合、子機14−2は、指示に従って照明器具16−2を制御し(ステップS182)、外部制御フラグをオンする(ステップS184)。
【0124】
その後、親機10の通信制御部106は、子機14−2に個別通信で状態確認指令を送信し、子機14−2から、フラグが付された応答を得る。この場合、親機10の通信制御部106は、外部制御フラグが付加されているため、送信した制御指令が指示する状態と応答が示す照明器具16−2の状態との間に矛盾があるか否かに関わらず、制御指令による制御が成功したと判断する。
従って、制御指令を再送することなく、子機14−mに、状態確認指令を送信する。
【0125】
以上説明したように、この構成によれば、外部制御端末20により、照明器具16が個別に制御された場合でも、制御指令を不必要に再送することなく、処理を継続することができる。
【0126】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、通信システムの構成要素は、通信システムの動作に異常および矛盾を生じさせない範囲で、適宜、変形することができる。
【0127】
また、送信バッファ102及び記憶部110に記憶させるデータの形式は上述と同様の機能と動作が実現できるならば、任意である。例えば、
図21に示すように、個別通信フェーズの開始と終了とを示すデータをさらに記憶してもよい。
【0128】
なお、親機10自体が照明器具16の制御を行ってもよい。
また、制御対象物は、照明器具に限定されず、空調機、音響装置など任意である。また、制御対象物は同一種の器具に限定されず、異なる種類の器具が含まれてもよい。
【0129】
なお、以上説明した通信システム1の構成要素は、これらの通信システムの動作に異常を発生させず、互いの動作が矛盾しない範囲で組み合わせたり、変形したりすることができる。
【0130】
また、親機10からデータが入力されない場合には、
図5に示す手元制御端末12の入出力部200は、入力装置のみを含み、表示装置を含まなくてもよい。同様に、外部制御端末20の入出力部200も、入力装置のみを含み、表示装置を含まなくてもよい。また、手元制御端末12および外部制御端末20は、スケジュール制御端末のように、照明器具16の状態変更を生じさせるための端末であれば、壁スイッチおよびリモートコントローラでなくてもよい。個別通信の順は、予め決められた他の順、あるいは、個別通信フェーズにおいて、子機14への個別通信が重ならないように毎回ランダムに決められる順であってもよい。
【0131】
送信バッファ102と記憶部110を別個の装置と示したが、1つの記憶装置に制御指令と状態確認指令を記憶させ、フラグなどで、どのデータが送信バッファに記憶されたデータとして機能し、どのデータが記憶部に記憶されたデータとして機能しているのかを示すようにしてもよい。