(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
《第1の実施形態》
以下、本発明を実施するための第1の形態(以下、単に「実施形態」又は「第1の実施形態」という)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0029】
(拡大観察装置1の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る拡大観察装置1のシステム構成を示す模式図である。この拡大観察装置1は、観察対象物SPを拡大して観察可能にするための装置であり、例えば単に顕微鏡と呼ぶことや、デジタルマイクロスコープ、走査顕微鏡等と呼ぶことができる。また、後述するように、観察対象物SPの三次元形状を取得できることから三次元形状測定機と呼ぶこともできる。
【0030】
拡大観察装置1は、観察ユニット2と外部ユニット3とで構成することができるが、外部ユニット3を観察ユニット2に組み込んで一体化することもできる。観察ユニット2と外部ユニット3とで拡大観察装置1を構成する場合には、外部ユニット3に、観察ユニット2に電力を供給する電力供給装置3aを設けることができる。観察ユニット2と外部ユニット3とは、配線2aによって接続されている。
【0031】
また、拡大観察装置1には、操作用端末4を接続することができる。外部ユニット3に内蔵されている通信部3b(
図4に示す)によって操作用端末4の接続が可能になる。操作用端末4は、表示部5、キーボード6、マウス7及び記憶装置8を備えている。操作用端末4は、観察ユニット2や外部ユニット3に組み込んで一体化して拡大観察装置1の構成部材とすることができ、この場合は「操作用端末」ではなく、コントロールユニット等と呼ぶことができるが、この実施形態では、観察ユニット2及び外部ユニット3とは別体としている。
【0032】
表示部5、キーボード6、マウス7及び記憶装置8についても、それぞれ観察ユニット2や外部ユニット3に組み込んで一体化して拡大観察装置1の構成部材とすることができる。つまり、操作用端末4、表示部5、キーボード6、マウス7及び記憶装置8も拡大観察装置1の一部とすることができ、例えば、表示部5付きの拡大観察装置1、キーボード6及びマウス7(操作部)付きの拡大観察装置1とすることもできる。
【0033】
キーボード6及びマウス7は、従来から周知のコンピュータ操作用の機器であり、操作用端末4を操作するための操作部であり、これらによって拡大観察装置1を操作することができる。キーボード6及びマウス7の操作により、各種情報の入力や選択操作、画像の選択操作、領域指定、位置指定等を行うことができる。キーボード6及びマウス7は、操作部としての一例であり、キーボード6及びマウス7の代わり、またはキーボード6及びマウス7に加えて、たとえば、各種ポインティングデバイス、音声入力機器、タッチ操作パネル等のコンピュータ操作用の機器を使用することもできる。
【0034】
表示部5は、例えば、液晶表示パネルや有機ELパネル等のようなカラー表示可能な表示デバイスで構成されている。表示部5に操作部としてのタッチ操作パネルを組み込むようにしてもよい。
【0035】
また、後述する各部材、手段、素子、ユニット等は、観察ユニット2、外部ユニット3、操作用端末4のいずれに設けられていてもよい。
【0036】
拡大観察装置1には、上述した機器や装置以外にも、操作や制御を行うための装置、プリンタ、その他の各種処理を行うためのコンピュータ、記憶装置、周辺機器等を接続することもできる。この場合の接続は、例えば、IEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続する方法等を挙げることができる。また、有線接続以外にも、IEEE802.x等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や各種設定の保存等を行うための記憶装置に用いる記憶媒体としては、例えば、各種メモリカードや磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等を利用することができる。尚、拡大観察装置1は、観察ユニット2及び外部ユニット3と、それら以外の前記各種ユニットや装置、機器を組み合わせて全体を拡大観察システム、デジタルマイクロスコープシステム等ということもできる。
【0037】
(観察ユニット2の全体構成)
観察ユニット2の外観形状は
図2等に示すようになっており、作業台等に載置されるベース20と、ベース20の奥側部分から上側へ向かって延びる支持部21と、支持部21の上部に設けられたヘッド部22とで構成されている。観察ユニット2は、ヘッド部22を介して後述の電動レボルバ28を回転可能に支持している。尚、観察ユニット2の手間側とは、作業者(観察者)が観察ユニット2に対して通常の操作姿勢で向かい合ったときに作業者に近くなる側であり、観察ユニット2の奥側とは、作業者が観察ユニット2に対して通常の操作姿勢で向かい合ったときに作業者から遠くなる側である。これは説明の便宜を図るために定義するだけであり、実際の使用状態を限定するものではない。
【0038】
観察ユニット2は、観察対象物SPを載置するための水平な電動載置台23と、
図3等に示す観察対象物SPに向けて光を照射する観察用照明としての同軸落射照明24及びリング照明25と、点光源としてのレーザー出力部26と、観察光学系としての非共焦点観察光学系30及び共焦点観察光学系40と、撮像素子(受光素子)50と、光電子倍増管(受光素子)51とを備えている。観察光学系は、テレセントリック光学系である。
【0039】
電動載置台23は、
図1や
図2に示す昇降ダイヤル23aの回転操作によって上下方向に移動させることができるようになっている。観察対象物SPの厚みや高さに応じて使用者が昇降ダイヤル23aを回転操作するのは、他の光学顕微鏡と同様である。
【0040】
(非共焦点観察光学系30の構成)
非共焦点観察光学系30は、従来から光学顕微鏡に使用されている光学系の基本構造と同様に構成することができ、同軸落射照明24及びリング照明25を観察用の光源としており、観察対象物SPから反射した光を撮像素子50によって受光するように構成されている。具体的には、非共焦点観察光学系30は、観察対象物SP側から撮像素子50側に向かって順に配置された対物レンズ27、電動の変倍機構である電動レボルバ(レボルバ)28、第1ハーフミラー31及び第2ハーフミラー32を少なくとも備えている。第1ハーフミラー31は無偏光ハーフミラーとすることができる。第1ハーフミラー31及び第2ハーフミラー32は、対物レンズ27の観察光路上に配置されており、観察対象物SPが照明されていると、観察対象物SPで反射された光L1が、対物レンズ27、第1ハーフミラー31及び第2ハーフミラー32を通って撮像素子50で受光される。
【0041】
撮像素子50は、観察対象物SPの画像を取得するために、非共焦点観察光学系30を介して観察対象物SPを撮像する。具体的には、撮像素子50は、非共焦点観察光学系30を通して得られた光の強度を電気信号に変換するCCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)等の撮像素子からなるイメージセンサを使用することができるが、これらに限られるものではない。撮像素子50は、色情報も取得することができるセンサである。また、撮像素子50の露光時間は任意に調整可能となっている。
【0042】
(同軸落射照明24の構成)
同軸落射照明24は、対物レンズ27を介して観察対象物SPを照明するための光源となる照明ユニットであり、対物レンズ27の光軸上に照明光路が位置するように観察対象物SPの観察面を照明する。同軸落射照明24は、例えばLED等の発光体24aを有するとともに、その発光体24aの光が入射するコレクタ24b、リレーレンズ24c、ミラー24d及びレンズ24eを有している。発光体24aの光は、コレクタ24b及びリレーレンズ24cを通った後、ミラー24dによって方向変換されてからレンズ24eに入射する。レンズ24eから出射した光は、第1ハーフミラー31によって観察対象物SP方向へ変換されてから対物レンズ27の観察光軸上に照射され、対物レンズ27を通って観察対象物SPを照明する。同軸落射照明24は、後述す制御部72によってON/OFF及びON時の光量が制御される。
【0043】
同軸落射照明24は、鏡面もしくは鏡面に近い観察面を観察するのに適しており、観察面の反射率の違いをコントラスト高く観察することができるという利点がある。
【0044】
(リング照明25の構成)
リング照明25は、
図3に模式的に示しているように、対物レンズ27の周囲を囲むように配置された非同軸落射照明であり、対物レンズ27の光軸の周囲から観察対象物SPを照明する。
図7に示すように、電動レボルバ28には、対物レンズ27を取り付けるための複数の取付孔28a、28bが回転中心線周りに間隔をあけて形成されており、それら取付孔28a、28bの各々に倍率の異なる対物レンズ27A、27Bが取り付けられている。対物レンズ27Aは、リング照明25を有さない光学レンズ(以下、単に「レンズ」という場合がある)によって構成されている。対して、対物レンズ27Bは、光学レンズ27a(
図11を参照)の外周部にリング照明25が取り付けられて成る。以下に説明するように、対物レンズ27Bを構成する光学レンズ27aの周囲には、リング照明25のケース25aに収容された光源から出射される光のための光路が設けられている。
【0045】
以下の記載では、2種類の対物レンズ27を区別するために、リング照明25を有さない対物レンズ27Aを「第1レンズ」27Aと呼称する一方、リング照明25を有する対物レンズ27Bを「第2レンズ」27Bと呼称する場合がある。
【0046】
また、複数の取付孔28a、28bのうち、第1レンズ27Aを取り付けるための取付孔28aを「第1取付孔」28aと呼称する一方、第2レンズ27Bを取り付けるための取付孔28bを「第2取付孔」28bと呼称する場合もある。
【0047】
リング照明25は、複数のLED等の光源(図示せず)を収容したリング形状のケース25aと、ケース25aの下部に設けられた光透過部材25bとを有している。ケース25aは、対物レンズ27Bが有するレンズの周囲を囲むように形成されており、内部に収容されている複数の光源は、対物レンズ27Bが有するレンズの周囲を囲むように配置されている。光源から出射された光は、光透過部材25bによって集光されて電動載置台23に載置されている観察対象物SPに向けて照射される。電動レボルバ28の回動位置が、対物レンズ27Aを現在の観察用対物レンズとして選択する位置にある場合には、リング照明25は機能しないが、対物レンズ27Bを現在の観察用対物レンズとして選択する位置である場合には、リング照明25を機能させることができる。リング照明25は、後述する照明制御部72cによってON/OFF及びON時の光量が制御される。
【0048】
また、リング照明25以外にも、対物レンズ27の周囲から観察対象物SPの観察面を照明する側射照明や、対物レンズ27の光軸の周囲から観察対象物SPの観察面を照明する暗視野照明を使用することもできる。これら照明は従来から顕微鏡に使用されている照明であることから詳細な説明は省略する。
【0049】
リング照明25、側射照明及び暗視野照明の場合、紙などの拡散体や凹凸の大きい観察面を観察するのに適しており、対物レンズ27の周囲又は光軸の周囲から光を照射するため、同軸落射照明24では光が返って来ないような傾斜面も明るく照らすことができるという利点がある。また、暗視野対物レンズを使用することもできる。
【0050】
フォーカス合成の原理では、観察対象物SPの観察面にピントが合っているか否かをその点の高さの判定手段として用いているため、同軸落射照明24よりもリング照明25(側射照明及び暗視野照明)が適している場合がある。
【0051】
(共焦点観察光学系40の構成)
図3に示す共焦点観察光学系40は、従来から共焦点顕微鏡に使用されている光学系の基本構造と同様に構成することができ、レーザー出力部26を光源としており、観察対象物SPで反射した光を光電子倍増管51で受光するように構成されている。光電子倍増管51は、共焦点観察光学系40を介して観察対象物SPを測定するための部品である。
【0052】
共焦点観察光学系40は、前記非共焦点観察光学系30の対物レンズ27と電動レボルバ28とを有しており、従って、対物レンズ27と電動レボルバ28は、共焦点観察光学系40及び非共焦点観察光学系30で共通化されている。
【0053】
さらに、共焦点観察光学系40は、ダイクロイックプリズム41と、第1レンズ42と、XYスキャナ部43と、1/4波長板44と、偏光ビームスプリッタ45と、ピンホールレンズ46と、ピンホール板47と、減光フィルタ(NDフィルタ)48とを少なくとも備えている。ダイクロイックプリズム41は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を通すように構成された従来から周知の部材であり、対物レンズ27の観察光軸上に配置されている。この実施形態ではダイクロイックプリズム41はレーザー出力部26から出射された光を反射するように構成されている。
【0054】
ダイクロイックプリズム41の反射光軸上には、第1レンズ42が配置されている。XYスキャナ部43は、第1レンズ42と波長板44との間に配置されている。また、光電子倍増管51と偏光ビームスプリッタ45との間に、ピンホールレンズ46、ピンホール板47及び減光フィルタ48が配置されている。レーザー出力部26は、偏光ビームスプリッタ45に向けて光を出射するように配置されている。減光フィルタ48は、光電子倍増管51に入射するレーザー光L2を減衰させるために用いられる。そのため、光電子倍増管51に入射するレーザー光L2が十分に弱い場合には減光フィルタ48が設けられなくてもよい。減光フィルタ48は、制御ユニット60によって制御されるようになっており、減光率の変更が可能である。
【0055】
XYスキャナ部43は、ガルバノミラー43aと、レゾナント43bとを有している。ガルバノミラー43a及びレゾナント43bは従来から光を走査する場合に用いられるものであることから詳細な説明は省略する。レーザー出力部26から出射された光は、偏光ビームスプリッタ45及び波長板44を通ってXYスキャナ部43に入射する。XYスキャナ部43に入射した光は、ガルバノミラー43a及びレゾナント43bの動作によって観察対象物SPの観察面上を二次元的(X方向及びY方向)に走査される。X方向は、観察ユニット2の左右方向とし、また、Y方向は、観察ユニット2の奥行き方向とすることができるが、これに限られるものではなく、X方向及びY方向は任意に設定することができる。
【0056】
XYスキャナ部43は、観察対象物SPの観察面上に光を二次元的に走査させることができるように構成されたユニットであればよく、上述した構造に限られるものではない。例えば、2つのガルバノミラーを組み合わせたガルバノスキャナ方式や、ガラスからなる音響光学媒体に圧電素子を接着し、この圧電素子に電気信号を入力して超音波を発生させて音響光学媒体中を通るレーザー光を回折させて光を偏向させる光音響素子方式(レゾナント方式)や、一列ないし多数列のピンホールを螺旋状に持つ円盤を回転させてピンホールを通過した光が観察対象物SPの観察面上を走査するように構成されたニポウディスク方式等であってもよい。
【0057】
また、観察対象物SPで反射されたレーザー光L2は、対物レンズ27、第1ハーフミラー31を通った後、第2ハーフミラー32で反射されて第1レンズ42、XYスキャナ部43、波長板44を通って偏光ビームスプリッタ45により反射されてピンホールレンズ46に向かう。ピンホールレンズ46に入射したレーザー光L2はピンホールレンズ46によって集光されてからピンホール板47に形成されたピンホールの方向に向かって進み、ピンホールを通過したレーザー光L2が減光フィルタ48を通って光電子倍増管51に入射する。尚、光電子倍増管51の代わりに、前記のような撮像素子を使用することもできるし、フォトダイオード及び増幅器からなる受光素子を使用することもできる。また、光電子倍増管51の露光時間は任意に調整可能になっている。
【0058】
共焦点観察光学系40では、光電子倍増管51の前において、観察対象物SPの観察面と共役になる位置にピンホールを配置しており、そのピンホールは極めて微小である。従って、レーザー出力部26から出射されたレーザー光L2が観察対象物SPの観察面で焦点を結ぶと、その観察面からの反射光は、ピンホールレンズ46を通ってからピンホール板47に形成されたピンホールで集光し、これにより、光電子倍増管51で受光する光量が著しく大きくなるので、光強度値(輝度値)が大きくなる。一方、レーザー光L2が観察対象物SPの観察面で焦点を結んでいないと、その観察面からの反射光は、ピンホール板47によって遮光されてピンホールを殆ど通過しないので、光電子倍増管51で受光する光量が著しく小さくなり、輝度値が小さくなる。
【0059】
従って、XYスキャナ部43によるレーザー光L2の二次元的な走査領域(撮像領域、測定領域)のうち、観察対象物SPの観察面で焦点が合った部分については明るく、一方、それ以外の高さの部分については暗くなる。共焦点観察光学系40では、点光源を用いた光学系であることから分解能に優れた輝度情報を取得することができる。
【0060】
(レーザー出力部26の構成)
レーザー出力部26は、対物レンズ27を介して観察対象物SPを照明するためのレーザー光を生成して射出する機器であり、共焦点観察光学系40用の光源となるものである。レーザー出力部26は、例えばHe−Neガスレーザや半導体レーザ等を使用することができる。また、レーザー出力部26の代わりに、点光源を生成することができる各種光源を利用することができ、例えば高輝度ランプとスリットの組み合わせ等であってもよい。また、光源は、点光源であってもよいし、帯状のビーム光を発生する光源であってもよい。
【0061】
(Z軸移動機構の構成)
観察ユニット2は、対物レンズ27と電動載置台23との相対距離を変更自在なZ軸駆動部(垂直移動機構)52(
図1及び
図3に模式的に示す)と、高さ情報を検知する高さ情報検知部(高さ情報検知手段)53(
図4に示す)とを備えている。Z軸駆動部52は、例えばステッピングモータと、ステッピングモータの出力軸の回転を上下方向の直線運動に変換する運動変換機構とを備えており、ヘッド部22に設けられている。Z軸駆動部52のステッピングモータを回転させることにより、電動レボルバ28が上下方向に移動し、これにより、対物レンズ27と電動載置台23との相対距離を変更することができる。対物レンズ27と電動載置台23との相対距離の変更ピッチを最小で1nm程度に設定することができる精度をZ軸駆動部52が有している。
【0062】
高さ情報検知部53は、対物レンズ27と電動載置台23との相対距離を検知することができるリニアスケール(リニアエンコーダ)等で構成されている。高さ情報検知部53は、対物レンズ27と電動載置台23との相対距離の変化が1nmであっても検知できるように構成されている。この実施形態では、電動載置台23がZ軸方向に移動可能となっているとともに、対物レンズ27もZ軸方向に移動可能となっている。そして、フォーカス探索時には、電動載置台23を固定した状態で対物レンズ27をZ軸方向に駆動するので、結果的に、対物レンズ27と電動載置台23との相対距離が変化することになる。そのときの対物レンズ27のZ軸方向の位置をリニアスケールで検出することにより、高さ情報を検知することができる。尚、対物レンズ27がZ軸方向に動かないように固定しておき、フォーカス探索時には、電動載置台23をZ軸方向に駆動するようにしてもよい。この場合、電動載置台23のZ軸方向の位置をリニアスケールで検出することにより、高さ情報を検知することができる。つまり、フォーカス探索時に電動載置台23及び対物レンズ27のいずれをZ軸方向に駆動しても高さ情報検知部53によって高さ情報を検知することができる。
【0063】
観察光学系は観察対象物SPにピントを合わせるオートフォーカス機構を備えている。オートフォーカス機構は、Z軸駆動部52によって構成することができる。すなわち、Z軸駆動部52により、対物レンズ27と、電動載置台23に載置されている観察対象物SPとの相対距離を変化させることができるので、周知のコントラストAF等と同様なアルゴリズムを利用して観察対象物SPにピントが合うまでZ軸駆動部52によって対物レンズ27を上下方向に移動させることで、オートフォーカス機構を実現できる。
【0064】
(ステージ駆動部54の構成)
ステージ駆動部54は、電動載置台23を水平方向(X方向及びY方向)に移動させるための装置である。すなわち、電動載置台23は、
図1に示す載置台支持部材23Aとは別体とされており、載置台支持部材23Aに対して水平方向に移動可能に支持されている。電動載置台23は例えばリニアモータ等のアクチュエータを備えており、このアクチュエータにより、載置台支持部材23A内の所定範囲内で電動載置台23をX方向及びY方向に移動させることができる。
【0065】
(制御ユニット60の構成)
観察ユニット2は制御ユニット60を有している。制御ユニット60は、外部ユニット3に設けられていてもよいし、操作用端末4に設けられていてもよい。制御ユニット60は、拡大観察装置1の各部を制御するとともに各種演算及び処理等を行うためのユニットであり、CPUやMPU、システムLSI、DSPや専用ハードウェア等で構成することができる。制御ユニット60は、後述するように様々な機能を搭載しているが、これらは論理回路によって実現されていてもよいし、ソフトウェアを実行することによって実現されていてもよい。以下、制御ユニット60について詳細に説明する。
【0066】
制御ユニット60には、レーザー出力部26、同軸落射照明24、リング照明25、電動レボルバ28、XYスキャナ部43、減光フィルタ48、撮像素子50、光電子倍増管51、Z軸駆動部52、高さ情報検知部53及びステージ駆動部54が接続されている。制御ユニット60により、レーザー出力部26、同軸落射照明24、リング照明25、電動レボルバ28、XYスキャナ部43、減光フィルタ48、撮像素子50、光電子倍増管51、Z軸駆動部52及びステージ駆動部54が制御され、また、撮像素子50、光電子倍増管51及び高さ情報検知部53の出力信号は制御ユニット60に入力される。
【0067】
(電動レボルバ制御部61の構成)
制御ユニット60は、観察光学系の倍率を変更するために電動レボルバ28を制御するレボルバ制御部(変倍機構制御部)61を有している。電動レボルバ制御部61は、電動レボルバ28を回転させることによって所望の対物レンズ27を非共焦点観察光学系30及び共焦点観察光学系40の対物レンズ27とする。予め電動レボルバ28に取り付けられている複数の対物レンズ27の中から、使用者がスイッチ、キーボード6、マウス7等の操作によって所望の対物レンズ27を選択すると、選択された対物レンズ27が非共焦点観察光学系30及び共焦点観察光学系40の対物レンズ27となるように、電動レボルバ制御部61が電動レボルバ28を回転させた後、停止させる。
【0068】
図7に示すように、電動レボルバ28には倍率の異なる対物レンズ27A、27Bが取り付けられており、電動レボルバ28のどの取付孔28a、28bにどの対物レンズ27A、27Bが取り付けられているかは、制御ユニット60が有する記憶部73に記憶されている。したがって、電動レボルバ制御部61は、記憶部73に記憶されている情報と、使用者による選択情報とに基づいて、上述したように電動レボルバ28を制御することができる。電動レボルバ28のどの取付孔28a、28bにどの対物レンズ27A、27Bが取り付けられているかについては、使用者が操作用端末4から入力してもよいし、対物レンズ27を電動レボルバ28のセンサによって自動認識させるようにしてもよい。
【0069】
電動レボルバ28を制御することで、非共焦点観察光学系30及び共焦点観察光学系40の倍率を変更することができる。電動レボルバ28に加えて、または電動レボルバ28に代えて、電動ズームレンズからなる対物レンズ(図示せず)を設けてもよい。電動ズームレンズは電動の変倍機構であり、電動ズームレンズを作動させることにより、非共焦点観察光学系30及び共焦点観察光学系40の倍率を変更することができる。この場合、電動ズームレンズを制御する部分が、変倍機構制御部となる。使用者による選択情報に基づいて変倍機構制御部が電動ズームレンズを制御することで、所望の倍率とすることができる。
【0070】
電動レボルバ28は、表示部5に表示されるユーザーインターフェースを介して操作することもできるし、観察ユニット2に設けられたスイッチ等で操作することもできる。電動レボルバ28にすることで使用者が手でレボルバを回す必要が無くなるので、レボルバを回す際に観察対象物SP上にゴミ等が落ちることがなくなる。
【0071】
(載置台制御部62の構成)
図4に示すように、制御ユニット60は、電動載置台23の水平位置を変更する載置台制御部62を有している。載置台制御部62は、ステージ駆動部54を制御することで電動載置台23の水平位置を変更することができる。電動載置台23の水平位置は、例えば電動載置台23の中心部のX座標及びY座標で指定することができる。載置台制御部62が電動載置台23の水平位置を変更する場合は、例えば、後述するナビゲーション画像を新規で取得する場合、ナビゲーション画像を取得し直す場合、ナビゲーション画像を追加取得する場合等があるが、これらの場合に限らず、使用者が観察範囲や位置を指定した場合にも、指定された範囲を観察することができるように、電動載置台23の水平位置を載置台制御部62が変更する。
【0072】
(フォーカス探索手段の構成)
制御ユニット60は、Z軸駆動部52による前記相対距離に対応して高さ情報検知部53により検知した高さ情報と前記撮像素子50により取得した画像とに基づいてフォーカス探索をする第1フォーカス探索手段63と、Z軸駆動部52による前記相対距離に対応して高さ情報検知部53により検知した高さ情報と前記光電子倍増管51により取得した信号とに基づいてフォーカス探索をする第2フォーカス探索手段64とを備えている。ここで、前記相対距離とは、高さ情報検知部53が検知した高さ情報に基づいて得られた距離である。この相対距離は、対物レンズ27の先端面と、電動載置台23の上面との距離とすることができるが、これに限られるものでなく、対物レンズ27の所定部位と、電動載置台23の所定部位との上下方向の離間距離とすることができる。
【0073】
第1フォーカス探索手段63は、同軸落射照明24及びリング照明25の少なくとも一方により観察対象物SPを照明し、撮像素子50により取得した画像に基づいてフォーカス探索を実行する。具体的には、Z軸駆動部52を制御して対物レンズ27と電動載置台23との相対距離を変化させながら、撮像素子50により取得した画像に基づいて観察対象物SPにピントを合わせる。ピントが合った時に高さ情報検知部53が検知した高さ情報に基づいて得られた相対距離をて記憶部73に記憶しておく。これが第1フォーカス探索手段63で取得されたフォーカス位置(合焦位置)となる。
【0074】
第2フォーカス探索手段64は、レーザー出力部26により観察対象物SPを照明し、光電子倍増管51により取得した信号に基づいてフォーカス探索を実行する。具体的には、Z軸駆動部52を制御して対物レンズ27と電動載置台23との相対距離を変化させながら、光電子倍増管51により取得した信号に基づいて観察対象物SPにピントを合わせる。このとき、上述したように、光電子倍増管51での受光光量が最も大きくなった時が、観察対象物SPにピントが合っていると判定することができる。この判定手順の詳細については後述する。ピントが合った時に高さ情報検知部53が検知した高さ情報に基づいて得られた相対距離を記憶部73に記憶しておく。これが第2フォーカス探索手段64で取得されたフォーカス位置(合焦位置)となる。
【0075】
(三次元形状測定手段の構成)
制御ユニット60は、第1フォーカス探索手段63により探索されたフォーカス位置に基づいて観察対象物SPの三次元形状を測定する第1三次元形状測定手段65と、第2フォーカス探索手段64により探索されたフォーカス位置に基づいて観察対象物SPの三次元形状を測定する第2三次元形状測定手段66とを備えている。観察対象物SPの三次元形状は、観察対象物SPの表面形状、テクスチャと呼ぶこともできる。
【0076】
第1三次元形状測定手段65は、フォーカス合成の原理を使用して観察対象物SPの観察面の三次元形状を把握できる画像を取得する。第1三次元形状測定手段65で取得する画像は深度合成画像と呼ぶこともできる。深度合成画像は、観察対象物SPの測定対象部分の高低差が対物レンズ27の被写界深度を超える場合、高さ方向を異ならせて別々に撮像素子50で撮像した画像の中から、ピントが合った部分(画素)だけを抜き出して合成した画像である。深度合成画像を生成するためには深度合成処理を行えばよく、この深度合成処理は、Z軸駆動部52によって対物レンズ27をZ軸方向(高さ方向)に移動させながら、複数の静止画像を撮像素子50で撮像して、ピントが合っている領域を合成することで、画面全域にピントが合っている画像を合成する処理である。この場合は、Z軸方向の範囲や、Z軸方向の位置を変更する変更ピッチ等によって数十から数百の静止画像を使用する。
【0077】
撮像素子50では色情報を取得できるので、第1三次元形状測定手段65は、観察対象物SPを示すカラー画像を取得できる。
【0078】
第2三次元形状測定手段66は、レーザー共焦点の原理を使用して観察対象物SPの観察面の三次元形状を把握できる画像を取得する。第2三次元形状測定手段66は、次のようにして共焦点画像データを生成する。共焦点画像データは、観察対象物SP上の単位領域ごとに行われる。単位領域は、対物レンズ27の倍率により定まる。
【0079】
まず、観察対象物SPのZ方向の位置が一定の状態で、XYスキャナ部43により単位領域内のY方向の端部でレーザー光L2がX方向に走査される。X方向の走査が終了すると、レーザー光L2がXYスキャナ部43によりY方向に一定の間隔だけ移動する。この状態でレーザー光L2がX方向に走査される。単位領域でのレーザー光L2のX方向の走査及びY方向の移動が繰り返されることにより、単位領域のX方向及びY方向の走査が終了する。次に、Z軸駆動部52によって対物レンズ27をZ軸方向に移動させる。これにより、対物レンズ27のZ方向の位置が前回とは異なる状態になり、この状態で、単位領域のX方向及びY方向の走査が行われる。その後、対物レンズ27のZ方向の位置を後述する所定の変更ピッチで移動させて、単位領域のX方向及びY方向の走査が行われる。これが繰り返される。
【0080】
共焦点画像データのX方向の画素数はXYスキャナ部43によるレーザー光L2のX方向の走査速度とサンプリング周期とによって定まる。1回のX方向の走査(1本の走査線)におけるサンプリング数がX方向の画素数となる。また、Y方向の画素数は、X方向の走査の終了ごとのXYスキャナ部43によるレーザー光L2のY方向の変移量により定まる。Y方向における走査線の数がY方向の画素数となる。
【0081】
単位領域のX方向及びY方向の走査が終了すると、載置台制御部62がステージ駆動部54を制御して電動載置台23をX方向またはY方向に移動させ、別の単位領域において同様にX方向及びY方向の走査を行う。これを繰り返して複数の単位領域についてX方向及びY方向の走査を行う。得られた各単位領域の共焦点画像データを連結して1つの共焦点画像データにすることができる。
【0082】
図5は、1つの画素において観察対象物SPのZ方向の位置と光電子倍増管51の受光強度(受光光量)との関係を示す図である。上述したように、共焦点観察光学系40では、観察対象物SPの観察面が対物レンズ27の焦点位置にあるときに、観察対象物SPの観察面で反射されたレーザー光L2がピンホール板47に形成されたピンホールで集光される。これにより、観察対象物SPの観察面で反射されたレーザー光L2の大部分がピンホール板47に形成されたピンホールを通過して光電子倍増管51に入射するので、光電子倍増管51の受光強度が最大になる。よって、光電子倍増管51から出力される受光信号の電圧値が最大になる。
【0083】
一方、観察対象物SPの観察面が対物レンズ27の焦点位置から外れた位置にあるときには、観察対象物SPの観察面で反射されたレーザー光L2がピンホール板47に形成されたピンホールの前または後で集光されるので、光電子倍増管51から出力される受光信号の電圧値が大幅に低くなる。
【0084】
このように、観察対象物SPの観察面が対物レンズ27の焦点位置にある状態で光電子倍増管51の受光強度分布に急峻なピークが現れる。各単位領域の共焦点画像データから画素ごとにZ方向における受光強度分布を得ることができる。これにより、画素ごとに受光強度分布のピーク位置(Z座標)とピーク受光強度とを得ることができる。
【0085】
各画素についてZ方向におけるピーク位置を示すデータを高さ画像データ(三次元形状データ)と呼ぶことができる。この高さ画像データに基づいて表示される画像を高さ画像と呼ぶことができる。高さ画像は、観察対象物SPの観察面の三次元形状を把握できる画像である。
【0086】
つまり、レーザー共焦点の原理では、例えばピンホール等の選択的遮光手段により、合焦時に光電子倍増管51による受光量が最も多くなり、合焦状態から離れるにつれ、光電子倍増管51による受光量が急峻に減少することを利用し、画素毎に上記相対距離を変化させた時の光電子倍増管51による受光量のピーク位置を合焦位置であると判断する。
【0087】
一方、フォーカス合成の原理では、撮像素子50により取得した画像から、コントラスト、高空間周波成分等に基づいて画素毎に焦点の合っている度合いを示すフォーカス値を算出し、画素毎に上記相対距離を変化させた時のフォーカス値のピーク位置を合焦位置であると判断する。
【0088】
ここで、焦点が合っていないというのは、隣接画素間の輝度差がなくなること(輝度比が1に近づくこと)であり、逆に、焦点が合っているというのは、隣接画素間の輝度差(輝度比)が、焦点が合っていないときに比べ大きい状態である。
【0089】
すなわち、フォーカス合成の原理とレーザー共焦点の原理とでは、合焦判定の方法が違うだけであり、「観察面の各点において最もピントが合っている画像が撮像された相対距離を各点の高さとする高さ画像(三次元形状画像)」を得ることや、「観察面の各点において最もピントが合っている画像を合成して、各点でピントの合った深度合成画像」を得ることについては変わりない。
【0090】
(測定手順)
図6は、拡大観察装置1を用いて観察対象物SPの測定や観察を行う手順を示すフローチャートである。拡大観察装置1を起動した後、ステップSA1では観察対象物SPを電動載置台23に載置する。その後、ステップSA2では観察対象物SPの測定箇所(観察箇所)を探す。ステップSA3では観察対象物SPの測定箇所にピントを合わせる。これは上述したオートフォーカス機構によって行うことができる。
【0091】
ピントを合わせた後、ステップSA4で対物レンズ27を選択する。対物レンズ27を選択すると、電動レボルバ28が回転して選択した対物レンズ27による観察が可能になる。次いで、ステップSA5では測定原理を選択する。測定原理とは、フォーカス合成及びレーザー共焦点であり、これらのうち、一方を選択する。ステップSA6では各種パラメータを設定する。そしてステップSA7で観察対象物SPの測定箇所の測定を行う。
【0092】
前記のように、電動レボルバ28には、観察対象物SPを適切な倍率で観測するべく、倍率の相違する複数の対物レンズ27が取り付けられており、それら対物レンズ27は、リング照明25を有さない第1レンズ27Aと、リング照明25を有する第2レンズ27Bとによって構成されている。以下、電動レボルバ28の構成について詳細に説明する。
【0093】
(電動レボルバ28の構成)
図7〜
図8に示すように、所定の中心軸Cまわりに回転する電動レボルバ28の下面には、6つの対物レンズ27が取り付けられている。6つの対物レンズ27は、3つの第1レンズ27Aと、3つの第2レンズ27Bとから構成されている。
【0094】
具体的に、電動レボルバ28は、
図9〜
図10に示すような略円板状に形成されており、中心軸Cまわりに回転することにより、観察に用いる対物レンズ27を選択することができる。
【0095】
電動レボルバ28の下面には、6つの取付孔28a、28bが開口している。6つの取付孔28a、28bは、中心軸Cと同心の円周に沿って等間隔で並んでおり、第1レンズ27Aを取り付けるための第1取付孔28aと、第2レンズ27Bを取り付けるための第2取付孔28bとを、3つずつ備えて構成されている。第1取付孔28aと第2取付孔28bとは、略同径とされている。
【0096】
なお、ここでいう「間隔」とは、各取付孔28a、28bの中心軸同士の間隔であって、特に、電動レボルバ28の中心軸Cと同心の円周に沿った間隔を示す。
図12に示すように、隣り合う取付孔28a、28bの間隔は、全て等しい(r1=r2=r3=r4=r5=r6)。
【0097】
詳しくは、
図10に示すように、中心軸Cと同心の円周に沿って、第1取付孔28aと第2取付孔28bとが交互に並んでいる。すなわち、この円周方向においては、2つの第2取付孔28bの間に1つの第1取付孔28aが配置されている。
【0098】
そして、第1レンズ27Aは、リング照明25を有さない光学レンズによって構成されており、第1取付孔28aに対して螺合取付されるようになっている。
【0099】
対して、第2レンズ27Bは、前述のように、光学レンズ27a(
図11を参照)と、その光学レンズ27aの外周部に設けられたリング照明25とを有する。光学レンズ27aとリング照明25とは、分離可能な構成とされており、光学レンズ27aを第2取付孔28bに対して螺合取付した後に、その光学レンズ27aの周囲にリング照明25を装着するようになっている。
【0100】
ところで、
図11に示すように、リング照明25を成すケース25aの側面には電極25cが設けられている。この電極25cに対して側方から端子85(詳しくは後述)を接続することにより、リング照明25へと電力を供給することができる。
【0101】
このように、電極25cに対して側方から端子85を接続する場合、第2レンズ27B(特にリング照明25)の角度位置(具体的には、光学レンズ27aの光軸を回転中心としたときの角度位置)をより正確に位置決めするような仕組みが求められる。
【0102】
そこで、電動レボルバ28と第2レンズ27Bとは、その電動レボルバ28及び第2レンズ27Bの一方に形成される第1位置決め部と、その他方に形成される第2位置決め部とからなる相補的な凹凸形状によって位置決めされるようになっている。第2レンズ27Bにおいて、リング照明25に係る光路は、そうした凹凸形状を介して位置決めすることができる。
【0103】
詳しくは、電動レボルバ28の下面には、
図10に示すような位置決め突起(以下、単に「突起部」という)28iが設けられている。この突起部28iは、各第2取付孔28bの周辺に2つずつ設けられており、各々が第1位置決め部を構成している。2つの突起部28iは、電動レボルバ28の下面から略下方に向かって突出しており、下方から見たときに、第2取付孔28bを径方向(具体的には、中心軸Cを中心としたときの径方向)の両側から挟むように配置されている。なお、各突起部28iの先端には、金属が設けられている。この金属は、突起部28iの先端から露出させてもよいし、突起部28iに内蔵させてもよい。
【0104】
対して、第2レンズ27Bの頂部には、
図11に示すような位置決め穴(以下、単に「凹部」という)27dが設けられている。この凹部27dは、各ケース25aの上面に2つずつ設けられており、各々が第2位置決め部を構成している。2つの凹部27dは、各突起部28iよりも大径とされており、
図13の下図に示すように、その開口端の周縁は、上方に向かってテーパ状に拡径している。なお、各凹部27dの底面には、磁石27eが埋設されている。
【0105】
よって、電動レボルバ28に対して螺合された光学レンズ27aにリング照明25を装着するときには、リング照明25側の各凹部27dを、電動レボルバ28側の各突起部28iへと挿入する。これにより、リング照明25が角度方向に位置決めされる。そして、各突起部28iの金属と各凹部27dの磁石との間に作用する磁力により、リング照明25、ひいては第2レンズ27Bは、電動レボルバ28に対して取り付けられることになる。このような構成とすることで、第2レンズ27Bを成す光学レンズ27aとして、一般的な汎用品を用いたとしても、リング照明25をより正確に位置決めすることが可能となる。
【0106】
なお、第1及び第2位置決め部の構成は、適宜、変更可能である。
【0107】
例えば、位置決め突起としての突起部28iをリング照明25に形成する一方、位置決め穴としての凹部27dを電動レボルバ28の下面に形成してもよい。また、突起部28iの先端に磁石27eを埋設する一方、凹部27dの底部に金属を設けてもよい。
【0108】
また、突起部28iの表面に嵌合形状を形成する一方、凹部27dの内面に被嵌合形状を形成してもよい。この場合、第1位置決め部と第2位置決め部とからなる相補的な凹凸形状によって、第2レンズ27Bと電動レボルバ28とは互いに嵌合されることになる。
【0109】
またそもそも、突起部28i及び凹部27dは、双方とも必須ではない。仮に、突起部28iを設けないような構成とした場合、第1取付孔28aと第2取付孔28bとは、外見上は略一致することになる。その場合、作業者に第1取付孔28aと第2取付孔28b
とを視認させるべく、第1及び第2取付孔28a、28bのレイアウトを表示部5に表示させてもよい。
【0110】
このようにして、取付孔28a、28bの各々に対し、対応する対物レンズ27を装着することにより、
図7〜
図8に示すレイアウトが実現される。取付孔28a、28bの配置からも理解されるように、6つの対物レンズ27は、電動レボルバ28の下面に対して、上述の中心軸Cと同心の円周に沿って各々等間隔で並んでいるとともに、その円周方向において、第2レンズ27Bの間に第1レンズ27Aが位置するように取り付けられている。
【0111】
なお、この電動レボルバ28は、仮に凹部27dや突起部28iが設けられていなかったとしても、隣り合う第1及び第2取付孔28a、28bの双方に第2レンズ28Bを取り付けようとすると、第2レンズ28B同士がぶつかり合って干渉するようなレイアウトとされている。すなわち、隣り合う第1及び第2取付孔28a、28b間の距離(具体的には、隣り合う取付孔28a、28bの中心を結ぶ直線の長さ)は、第2レンズ27Bの半径を2倍した長さよりも短い。
【0112】
一方、隣り合う第1及び第2取付孔28a、28b間の距離は、第1レンズ27Aの半径と、第2レンズ27Bの半径との和よりも長い。つまり、
図7〜
図8に示すように、隣り合う第1及び第2取付孔28a、28bの各々に第1レンズ27Aと第2レンズ27Bとを取り付けたとしても、2つのレンズがぶつかり合って干渉しないようになっている。
【0113】
上述のように、電動レボルバ28は、中心軸Cまわりに回転することにより、観察に用いる対物レンズ27を選択するようになっている。そうした動作を精密に行うためには、電動レボルバ28をヘッド部22に対して可能な限り精密に位置決めすることが求められる。
【0114】
そこで、電動レボルバ28の側面には、電動レボルバ28を位置決めするための位置決め部81が設けられている。この位置決め部81は、ヘッド部22に設けられたレボルバストッパ82と共に、電動レボルバ28の固定機構を構成している。位置決め部81とレボルバストッパ82とが係合することにより、電動レボルバ28を回転方向において位置決めすることができる。
【0115】
詳しくは、位置決め部81は、
図9〜
図10に示すように、取付孔28a、28bの各々に対応して1組ずつ設けられており、各々、中心軸Cと同心の円周に沿って等間隔で並んでいる。各位置決め部81は、レボルバ側突起部81aと、レボルバ側挿入部81bを1つずつ備えている。
【0116】
対して、レボルバストッパ82は、不図示のDCモータによって駆動される回転軸83の先端に設けられており、その回転軸83と一体的に回動可能な板状に形成されている。レボルバストッパ82は、電動レボルバ28の側面に沿うような姿勢で支持されており、DCモータからの動力を受けて回転軸83が回動することにより、
図9において実線で示すホールド状態と、2点鎖線で示すリリース状態との間で姿勢を切り替えることができる。
【0117】
また、
図13の一側に示すように、レボルバストッパ82には、上述の位置決め部81を介して電動レボルバ28を係止するように構成された係止部84が設けられている。
【0118】
この係止部84は、レボルバストッパ側溝部84aと、レボルバストッパ側突起部84bとから構成されている。レボルバストッパ側溝部84aとレボルバストッパ側突起部84bは、双方とも、電動レボルバ28の側面に対して向い合うように配置されている。
【0119】
具体的に、レボルバストッパ側溝部84aは、電動レボルバ28の側面から離れる方向に向かって切り込まれるように形成された、略V字状の断面を有する溝状に形成されている。このレボルバストッパ側溝部84aは、
図13に示すように、リリース状態にあっては、電動レボルバ28の側面及びレボルバ側突起部81aに対して離間する一方、ホールド状態にあっては、電動レボルバ28の側面に対して近接することにより、レボルバ側突起部81aと係合可能とされている。
【0120】
レボルバストッパ側突起部84bは、電動レボルバ28の側面に向かって突出するように形成されている。このレボルバストッパ側突起部84bは、
図13に示すように、リリース状態にあっては、電動レボルバ28の側面に対して離間する一方、ホールド状態にあっては、電動レボルバ28の側面に対して近接することにより、レボルバ側挿入部81bに没入可能とされている。
【0121】
また、レボルバストッパ82は、上述の端子85も備えている。端子85は、リング照明25の電極25cに接続することにより、その電極25cを介してリング照明25に電力を供給するよう構成されている。
【0122】
具体的に、端子85は、レボルバストッパ82の揺動端付近に配置されており、
図9に示すように、電動レボルバ28に相対する方向に突出している。この端子85は、
図14に示すように、リリース状態にあっては、電動レボルバ28に取り付けられた対物レンズ27に対して離間する一方、ホールド状態にあっては、対物レンズ27に対して近接することにより、リング照明25の電極25cに没入可能とされている。
【0123】
ここで、
図6のステップSA4に示すように、対物レンズ27を選択するとき、制御部72は、Z軸駆動部52を介して電動レボルバ28を上方へ移動させる。そして、制御部72は、DCモータを介して回転軸83を回動させることにより、レボルバストッパ82をリリース状態とする。リリース状態においては、部品同士を干渉させることなく、電動レボルバ28を中心軸Cまわりに回転させることができる。
【0124】
続いて、制御部72は、所望の対物レンズ27を選択するべく、電動レボルバ28を回転させる。続いて、制御部72は、DCモータを介して回転軸83を回動させることにより、レボルバストッパ82をホールド状態とする。ホールド状態においては、電動レボルバ28を回転方向に位置決めする一方で、端子85を介してリング照明25に電力を供給することができる。
【0125】
続いて、制御部72は、Z軸駆動部52を再び駆動させて、電動レボルバ28を下方へと移動させる。ここまでに説明した処理を完了すると、制御部72は、
図6のステップSA4からステップSA5に進む。
【0126】
(第1の実施形態の作用効果)
この実施形態によれば、フォーカス合成の原理を使用した測定手法と、レーザー共焦点の原理を使用した測定手法とを実現することができる。
【0127】
また、
図7〜
図8に示すように、第2レンズ27Bは、リング照明25の光路の分だけ第1レンズ27Aよりも大径となる。そして、各対物レンズ27は等間隔で並んでいるものの、2つの第2レンズ27Bの間に第1レンズ27Aが位置するようにレイアウトされている。このようなレイアウトとすることで、各取付孔28a、28bを近接させることができる。そのことで、電動レボルバ28の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0128】
また、仮に、レボルバストッパ82と端子85とを別体とした場合、端子85を移動させるための機構が別途必要となり、装置の大型化を招く可能性がある。対して、
図14に示すように、レボルバストッパ82に端子85を設けることにより、拡大観察装置1をコンパクトに構成することができる。
【0129】
また、端子85は、回転軸83が回動することにより、電極25cに対して側方から接離するようになっている。このような構成とすると、例えば、スライド方式によって端子85と電極25cとを接続するような構成と比較して、電極25cの摩耗を抑制し、ひいては電極25cの耐久性を確保する上で有利になる。
【0130】
(第1の実施形態の変形例)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0131】
図16(a)に、第1の実施形態の変形例V1を示す。この変形例V1においては、単円が第1取付孔を示す一方、2重円が第2取付孔を示す(後述の変形例V2〜V4についても同様である)。この変形例V1のように、第1取付孔及び第2取付孔の数を変更したとしても、前記実施形態と同様の作用効果を奏することになる。
【0132】
《第2の実施形態》
以下、本発明を実施するための第2の形態(以下、単に「第2の実施形態」という)を図面に基づいて例示する。また、以下の説明において、前記第1の実施形態と共通する、又は、対応する構成要素については、「’」を付した符号を用いる。
【0133】
図15に本発明の第2の実施形態を示す。この図に示すように、第2の実施形態に示す電動レボルバ28’の下面には、第1レンズ27Aを取り付けるための第1取付孔28a’と、第2レンズ27Bを取り付けるための第2取付孔28b’とが、中心軸Cと同心の円周に沿って各々非等間隔で並んでいる。
【0134】
詳しくは、
図15のr1’〜r6’に示すように、第1取付孔28a’同士の間隔は、第1取付孔28a’と第2取付孔28b’との間隔よりも小さい(例えば、r1’<r3’)。また、第1取付孔28a’と第2取付孔28b’との間隔は、第2取付孔28b’同士の間隔よりも小さい(例えば、r3’<r4’)。
【0135】
図15に示すようなレイアウトとすることで、前記第1の実施形態と同様に、電動レボルバ28の小型化及び軽量化を実現することができる。
【0136】
(第2実施形態の変形例)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0137】
例えば、
図16(b)〜(d)に示す変形例V2〜V4のように、第1取付孔及び第2取付孔の数等を変更してもよい。これらの変形例V2〜V4においても、前記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することになる。
【0138】
《他の実施形態》
前記第1及び第2の実施形態では、観察用照明としてリング照明25を用いた場合について説明したが、前述のように、リング照明25以外にも、対物レンズ27の周囲から観察対象物SPの観察面を照明する側射照明を用いることができる。
【0139】
一般に、側斜照明を用いた場合、観察用照明は、前記第1及び第2の実施形態のように、第2レンズ27Bを構成するリング照明25に収容されるのではなく、第2レンズ27Bの外部(例えば、観察ユニット2の筐体内部)に設けられることになる。この場合、電動レボルバ28は、その観察用照明を光源としかつ、電動レボルバ28を貫通する光路を有することになる。前記の構成は、リング照明25に代えて側斜照明を用いた場合であっても、電動レボルバ28の小型化及び軽量化を実現する上で有効である。