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特許6971771ジョブ処理装置及びその制御方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971771
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ジョブ処理装置及びその制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20211111BHJP
   H04N 1/32 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H04N1/00 350
   H04N1/32
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-202697(P2017-202697)
(22)【出願日】2017年10月19日
(65)【公開番号】特開2019-75762(P2019-75762A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝弘
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−103995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行指示に従い投入された1以上の送信ジョブの情報を管理できるジョブ処理装置であって、
ユーザ操作にしたがう、送信ジョブの中止についての第1指示を受け付ける受付手段と、
前記第1指示を受け付けた場合に、前記ジョブ処理装置で管理されている1以上の送信ジョブの情報に基づき、最後に投入された送信ジョブを特定する特定手段と、
前記特定された送信ジョブを中止するための第2指示を受け付けることができる確認画面を表示する表示手段と、
前記確認画面から前記第2指示を受け付けた場合、前記特定された送信ジョブを中止する中止手段と、を有し、
前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で複数の送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記特定された送信ジョブとは異なる送信ジョブを中止するための更なる指示を受け付け可能に構成され、
前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で1つの送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記更なる指示を受け付けないように構成されることを特徴とするジョブ処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記確認画面を介して前記更なる指示を受け付けた場合、前記管理された複数の送信ジョブのいずれかを中止するユーザ指示を受け付けるためのジョブリスト画面をさらに表示することを特徴とする請求項1に記載のジョブ処理装置。
【請求項3】
前記確認画面には、前記特定された送信ジョブの情報が表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載のジョブ処理装置。
【請求項4】
前記表示される送信ジョブの情報には、送信宛先に係る情報が含まれることを特徴とする請求項3記載のジョブ処理装置。
【請求項5】
ユーザ認証を行う認証手段をさらに有し、
前記特定手段は、現在、前記認証手段により認証されているユーザの実行指示に従い投入された1以上の送信ジョブの情報に基づき、当該ユーザがジョブオーナーである送信ジョブを抽出し、前記抽出された送信ジョブの中で最後に投入された送信ジョブを特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のジョブ処理装置。
【請求項6】
実行指示に従い投入された1以上の送信ジョブの情報を管理できるジョブ処理装置における制御方法であって、
ユーザ操作にしたがう、送信ジョブの中止についての第1指示を受け付ける受付ステップと、
前記第1指示を受け付けた場合に、前記ジョブ処理装置で管理されている1以上の送信ジョブの情報に基づき、最後に投入された送信ジョブを特定する特定ステップと、
前記特定された送信ジョブを中止するための第2指示を受け付けることができる確認画面を表示する表示ステップと、
前記確認画面から前記第2指示を受け付けた場合、前記特定された送信ジョブを中止する中止ステップとを、有し、
前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で複数の送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記特定された送信ジョブとは異なる送信ジョブを中止するための更なる指示を受け付け可能に構成され、
前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で1つの送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記更なる指示を受け付けないように構成されることを特徴とするジョブ処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載の制御方法を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブ処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特にユーザ指示に応じてジョブを中止するジョブ処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP等のジョブ処理装置において、ユーザがジョブを中止する場合、ジョブ処理装置の操作部において所定のユーザ操作を行う必要がある。具体的には、ジョブ処理装置の操作部のストップキーを押下し、この押下により表示されるジョブリストから中止したいジョブを選択し、その選択したジョブの中止指示を行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−256123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、ユーザがファクス送信のジョブ投入直後に宛先の間違いに気づきそのジョブのファクス送信を中止したい場合であっても、ジョブリストから中止したいジョブを探すのに時間がかかってしまう。このため、所望のジョブを探しているうちに、そのジョブのファクス送信が行われてしまい、中止できない場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、確実にユーザが所望する送信ジョブの中止処理を行うことができるジョブ処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るジョブ処理装置は、実行指示に従い投入された1以上の送信ジョブの情報を管理できるジョブ処理装置であって、ユーザ操作にしたがう、送信ジョブの中止についての第1指示を受け付ける受付手段と、前記第1指示を受け付けた場合に、前記ジョブ処理装置で管理されている1以上の送信ジョブの情報に基づき、最後に投入された送信ジョブを特定する特定手段と、前記特定された送信ジョブを中止するための第2指示を受け付けることができる確認画面を表示する表示手段と、前記確認画面から前記第2指示を受け付けた場合、前記特定された送信ジョブを中止する中止手段と、を有し、前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で複数の送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記特定された送信ジョブとは異なる送信ジョブを中止するための更なる指示を受け付け可能に構成され、前記第1指示を受け付けたときに前記ジョブ処理装置で1つの送信ジョブの情報が管理されていた場合には、前記確認画面は、前記更なる指示を受け付けないように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、確実にユーザが所望する送信ジョブの中止処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るジョブ処理装置の構成を示すブロック図である。
図2図1における操作・表示部の構成を示す図である。
図3図2における操作・表示部のLCDに表示される画面を示す図である。
図4図1におけるHDD内で管理されるジョブ管理テーブルの構成を示す図である。
図5】ユーザによって操作・表示部のストップキーが押下された場合にLCDに表示される中止確認画面を示す図である。
図6A】ユーザ認証がされていない場合にユーザによりストップキーが押下されたときに実行される送信ジョブの中止処理の手順を示すフローチャートである。
図6B図6Aのフローチャートの続きである。
図7A】ユーザ認証がされている場合にユーザによりストップキーが押下されたときに実行される送信ジョブの中止処理の手順を示すフローチャートである。
図7B図7Aのフローチャートの続きである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、この実施形態に記載されている図面はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらにのみ限定する主旨のものではない。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るジョブ処理装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態のジョブ処理装置100は、原稿の画像を読み取って外部装置に送信する送信機能や、原稿の画像を読み取って印刷するコピー機能を備える多機能装置である。
【0011】
スキャナ101は、指定されたモード(例えば、紙サイズ、解像度、濃度等)で原稿をスキャンする読み取り装置である。
【0012】
プリンタ102は、文書データ等を印刷しフィニッシャー等の排紙装置を介し、排紙トレーに出力する印刷装置である。
【0013】
操作・表示部103は、テンキー、スタートキー、ストップキー、その他各種設定キーがあり、ユーザによる各種操作を受け入れるためのものである。またタッチスクリーン(例えばタッチパネル式液晶ディスプレイ(以下LCD))を有し、ユーザは、各種設定操作を行う際に画面にタッチすることで画面内の各項目を選択することが可能である。さらに、LCDはユーザに知らせるべき装置の動作状態などを表示する。詳細は図2において後述する。
【0014】
符号化復号化処理部104は、送信する画像情報を符号化し圧縮する一方、受信した圧縮データを復号化し、元の画像情報に復元する。
【0015】
NIC(Network Interfase Card)105はLAN113を介して、他のネットワーク環境下の機器と情報の入出力を行う。例えば、NIC105は、ネットワークを使用した、メール送信、SMB(Server Message Block)送信、FTP(File Transfer Protocol)送信等が可能である。
【0016】
システムメモリ106は、SRAM部およびROM部からなり、ユーザモード情報等、ジョブ処理装置100に予め登録しておく情報は上記SRAM部に、また、ジョブ処理装置100の制御プログラムその他のプログラムはROM部に格納されている。
【0017】
ページメモリ107は、符号化復号化処理部104において符号化・復号化を行う際に1ページ分の画像情報を展開する。
【0018】
システム制御部108は、CPUを含み、図1に示すジョブ処理装置100の各構成要素を監視・制御する。
【0019】
ファクシミリ制御部109はPSTN112等の電話回線に接続されており、この電話回線を介して他のファクシミリ装置との通信を制御する。
【0020】
HDD(ハードディスク)110は、不揮発性の記憶媒体であり、スキャンした文書等の格納や、画像データを処理する際の設定値のジョブとしての記憶に利用される。なお、HDD110は、このようなジョブを複数記憶することができる。HDD110に記憶されたジョブは、システム制御部108によって順に実行される。このように、HDD110は実行対象のジョブが実行されるまで、ジョブを保持する保持部として機能する。
【0021】
図1に示すジョブ処理装置100の各構成要素は、システムバス111を介して接続されている。
【0022】
次に、図2を用いて、図1における操作・表示部103の構成を説明する。
【0023】
操作・表示部103は、LCD201、テンキー202、スタートキー203、ストップキー204(受付手段)、リセットキー205、IDキー206から構成される。
【0024】
LCD201は、システム制御部108からの指示に基づいて、各種画面の表示を行う。
【0025】
テンキー202は、ユーザからファクス送信宛先の電話番号の入力を受け付けるため、また印刷する部数の入力を受け付けるためのハードキーである。
【0026】
スタートキー203は、ユーザによる押下時に、コピージョブ、印刷ジョブ、送信ジョブといった各種ジョブを投入するためのハードキーである。
【0027】
ストップキー204は、実行中または待機中のジョブの中止指示をユーザから受け付けるためのハードキーである。
【0028】
リセットキー205は、設定途中の設定値をクリアして、設定を初期値に戻すためのハードキーである。
【0029】
IDキー206は、ユーザ認証設定がされている場合にジョブ処理装置100へのログイン要求をユーザから受け付けるためのハードキーである。また、後述する送信ジョブの中止処理においてIDキー206が押下された場合は、ログイン中のユーザのログアウトを行う。
【0030】
次に、図3を用いて、図2における操作・表示部103のLCD201に表示される送信設定画面やユーザ認証画面等の画面について説明する。
【0031】
まず、図3(a)に示す、ユーザが、原稿をスキャンしてEメールやファクスなどの送信を行うときに設定を行う画面(以下、「送信設定画面」という。)について説明する。この送信設定画面は、操作・表示部103が、例えばユーザがLCD201に表示されているメニュー画面に含まれている、送信機能を利用するためのアイコンを押したことを検出することで、操作・表示部103が表示するものである。このメニュー画面には、送信機能を利用するためのアイコンの他には、コピー機能を利用するためのアイコンも含まれている。もちろんほかの機能を利用するためのアイコンも含まれていてよい。
【0032】
ユーザは、アドレス帳301、ワンタッチ302、新規宛先303の3つのアイコンのいずれか1つを選択することで送信宛先を指定することができる。
【0033】
アドレス帳301のアイコンをユーザが選択した場合、予めユーザが登録したアドレス帳のリストを表示する画面に切り替わり、ユーザはそのリストの中から送信宛先を指定することができる。
【0034】
ワンタッチ302のアイコンをユーザが選択した場合、予めユーザが登録したワンタッチのリストを表示する画面に切り替わり、ユーザはそのリストの中から送信宛先を指定することができる。
【0035】
新規宛先303のアイコンをユーザが選択した場合、新規宛先が指定可能な機能、具体的には、ファクス送信、メール送信、SMB送信、FTP送信等の機能のリストを表示する画面に切り替わる。ユーザがそのリストの中から例えばファクス送信の機能を指定した場合、テンキー202より電話番号が入力可能な画面に切り替わる。ユーザは、この画面上へテンキー202を用いて電話番号を入力することより、ファクス送信の新規宛先となる電話番号を指定することができる。
【0036】
また、図3(a)に示す、ユーザは解像度304、用紙サイズ305、濃度306、原稿の種類307の4つのアイコンのいずれか1つを選択することで原稿の読み取りのための設定を行うことができる。この4つのアイコンには、現在の設定値も併せて表示されており、ユーザが設定値を変更したいアイコンを選択すると、変更可能な複数の設定値のリストを表示する画面に切り替わる。ユーザは、そのリストの中から1つの設定値を選択することにより、所望の設定値への変更指示を行うことができる。
【0037】
操作・表示部103を介して設定値の変更指示を受け付けると、システム制御部108は、その変更指示に従って、LCD201の4つのアイコンに表示される現在の設定値を更新する。
【0038】
設定値が更新された状態で、スタートキー203が押下されると、システム制御部108は、送信ジョブを投入する。具体的には、まず、システム制御部は、スキャナ101によって原稿の画像の読み取りを実行させ、読み取られた画像データをHDD110に格納する。そして、システム制御部108は、HDD110に格納された画像データに上記更新された設定値を関連付けて送信ジョブを生成する。スタートキー203が押下された後の表示画面は、各送信設定の設定値としてデフォルト値が設定されている送信設定画面に戻る。
【0039】
また、システム制御部108は、このように生成された送信ジョブの情報を、HDD110内で管理するジョブ管理テーブルに登録する。尚、このジョブ管理テーブルについては図4で説明する。
【0040】
その後、システム制御部108は、ジョブ管理テーブル内に登録された送信ジョブの情報に従って、送信ジョブの実行状況や、実行順序を管理する。
【0041】
図3(b)は、ジョブ処理装置100においてユーザ認証を行うためのユーザ認証画面である。
【0042】
308はユーザ名入力部、309はパスワード入力部、310はキャンセルボタン、311はログインボタンである。ユーザがユーザ名入力部308にユーザ名を、パスワード入力部309にパスワードを入力して、ログインボタン311を押下することでユーザ認証を行うことができる。本実施例では、ログインボタン311の代わりにIDキー206を押下しても、ユーザ認証を行うことができる。
【0043】
尚、本実施例では、ユーザ認証にはユーザ認証画面へのユーザ名とパスワードの入力を必要としたが、少なくともユーザ名を含む情報を用いてユーザ認証がされる構成であれば、かかる構成に本発明は限定されない。
【0044】
図3(c)は、操作・表示部103のLCD201に表示されるユーザ認証エラー画面である。312は戻るボタンである。ユーザがユーザ名又はパスワードを図3(b)のユーザ認証画面において誤って入力し、ログインボタン311を押下した場合に、このユーザ認証エラー画面が表示される。ユーザは戻るボタン312を押下することにより、図3(b)のユーザ認証画面に画面を戻すことができる。
【0045】
図3(d)は、HDD110に格納されているユーザデータベース313である。
【0046】
ユーザデータベース313は、ユーザID、ユーザ名、パスワードからなるデータベースであり、HDD110内に格納されている。なおパスワードは暗号化されて格納されている。
【0047】
次に、図4を用いて、HDD110内で管理されるジョブ管理テーブルの構成を説明する。
【0048】
図4に示すジョブ管理テーブル内の情報は、システム制御部108によって送信ジョブが生成された場合、送信ジョブの実行が完了した場合および送信ジョブが中止された場合に、システム制御部108によって更新される。言い換えると、ジョブ管理テーブルでは送信が未完了、すなわち、実行中または待機中の送信ジョブのみが管理される。
【0049】
まず、システム制御部108は、スタートキー203が押下により投入された送信ジョブの情報を図4(a)に示すようなジョブ管理テーブルに登録する。
【0050】
このジョブ管理テーブルは、各送信ジョブについて、ジョブID401、ジョブ受付時刻402、ジョブオーナー名403、送信宛先404、送信宛先名405、ステータス406、実行順序407等のパラメータを管理する。
【0051】
ジョブ管理テーブルに登録された送信ジョブは、システム制御部108によって、実行順序407に従って実行される。
【0052】
具体的には、実行順序407が示す値が小さいほうから実行され、送信ジョブの実行が完了したら、実行が完了した送信ジョブをジョブ管理テーブルから削除し、他の送信ジョブの実行順序407の値を繰り上げる。
【0053】
ジョブID401の値は、送信ジョブの生成時に、システム制御部108によって割り当てられる、送信ジョブを一意に識別するためのコードである。
【0054】
ジョブ受付時刻402の値は、送信ジョブを受け付けた時刻、より具体的には、スタートキー203の押下に応じて投入された送信ジョブをジョブ管理テーブルに登録した時刻である。
【0055】
ジョブオーナー名403の値は、ユーザ認証がされている状態で送信ジョブがジョブ管理テーブルに登録された場合は、認証したユーザ名とする。一方、ユーザ認証がされていない状態で送信ジョブがジョブ管理テーブルに登録された場合はその送信ジョブのジョブオーナー名403の値としてジョブ管理テーブルには何も入らない。
【0056】
例えば、図3(b)のユーザ認証画面でユーザ名を“SaTo Taro”でユーザ認証した後に送信ジョブがジョブ管理テーブルに登録された場合は、その送信ジョブのジョブオーナー名403の値“SaTo Taro”とする。
【0057】
送信宛先404の値は、ファクス送信が行われる送信ジョブであれば図3(a)の送信設定画面でユーザが送信宛先に指定した電話番号となる。Eメール送信が行われる送信ジョブの場合は、送信宛先404の値はEメールアドレスとなる。
【0058】
送信宛先名405の値は、送信宛先が図3(a)の送信設定画面のアドレス帳301、又はワンタッチ302のいずれかアイコンを選択して指定された場合にのみ予め登録されている送信宛先名がはいる。送信宛先が新規宛先303のアイコンを選択して指定された場合は、このパラメータの値としては何も入らない。
【0059】
ステータス406の値は、各送信ジョブの実行状況を示す。ステータスには、「送信中」、「待機中」、「中止中」等があり、システム制御部108によって管理される。
【0060】
図4(a)は、ジョブ管理テーブルに、ジョブID「0001」の送信ジョブが1つ登録されていて、ステータスは「送信中」である。これは、システム制御部108が、スキャナ101に原稿の画像データの読み取りを実行させ、画像処理を実行した後、ファクシミリ制御部109によって、ファクス送信処理が実行中であることを示す。
【0061】
図4(a)に示す状態で、システム制御部108が、さらに他の送信ジョブを受付け、実行対象の送信ジョブとしてHDD110に格納させた後のジョブ管理テーブルを図4(b)に示す。
【0062】
図4(b)の送信ジョブの数は3つである。ジョブID「0001」の送信ジョブが、システム制御部108によって実行されている状態であり、送信ジョブのステータスは「送信中」である。また、それ以外の送信ジョブのステータスは「待機中」である。これは、ジョブID「0001」の送信ジョブ以外の、ジョブ管理テーブルで管理される各送信ジョブが、HDD110によって保持され、まだシステム制御部108によって実行されていない状態であることを示す。
【0063】
次に、図5を用いて、ユーザによってストップキー204が押下された場合にLCD201に表示され、中止対象の送信ジョブを中止するか否かのユーザ指示を受け付けるための中止確認画面について説明する。
【0064】
ユーザによってストップキー204が押下された場合、システム制御部108は、HDD110に保持された実行対象の送信ジョブの数を図4のジョブ管理テーブルより判定する。この判定された送信ジョブの数に応じて、システム制御部108は、中止確認画面としてLCD201に表示する画面を切り替える。
【0065】
送信ジョブの数が単数であると判定した場合、システム制御部108は、図5(a)に示す中止確認画面501をLCD201に表示させる。一方、送信ジョブの数が複数であると判定した場合、システム制御部108は、図5(b)に示す中止確認画面506をLCD201に表示させる。
【0066】
まずは、ユーザによって、ストップキー204が押下されたとき、ジョブ管理テーブルの送信ジョブの数が単数であると判定された場合について、図4(a)のジョブ管理テーブル及び中止確認画面501を用いて説明する。
【0067】
中止確認画面501では、図4(a)におけるジョブID「0001」の送信ジョブが中止対象となる。このため、送信宛先名表示部502には、この送信ジョブの送信宛先名である「○○株式会社」が、送信宛先表示部503には、この送信ジョブの送信宛先(例えば電話番号やE−mailアドレス)である「0123456789」が表示される。また選択項目として、「中止」ボタン504、「閉じる」ボタン505が表示される。ユーザは、中止確認画面501に表示されている送信ジョブを中止したい場合に、「中止」ボタン504を押下する。一方、ユーザは、中止確認画面501に表示されている送信ジョブを中止したくない場合に、「閉じる」ボタン505を押下する。
【0068】
「中止」ボタン504が押下された場合、システム制御部108は、中止確認画面501に表示されている送信ジョブを中止し、ジョブ管理テーブルからジョブID「0001」の送信ジョブに関する情報を削除する。本実施例においては、HDD110に保持された、図4(a)のジョブ管理テーブルのジョブID「0001」の送信ジョブに関する情報が削除される。
【0069】
また、「閉じる」ボタン505が押下された場合、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブを中止せずに、中止確認画面501を閉じる。
【0070】
次に、ユーザによって、ストップキー204が押下されたとき、ジョブ管理テーブルの送信ジョブの数が複数であると判定された場合について、図4(b)のジョブ管理テーブル及び中止確認画面506を用いて説明する。
【0071】
中止確認画面506には、ジョブ管理テーブルから抽出された中止対象の送信ジョブの送信宛先名が送信宛先名表示部507に、その中止対象の送信ジョブの送信宛先が送信宛先表示部508に表示される。
【0072】
ここ抽出される中止対象の送信ジョブは、ジョブ管理テーブルのなかでジョブ受付時間が最近の送信ジョブであり、図4(b)のジョブ管理テーブルであればジョブID「0003」の送信ジョブとなる。
【0073】
よって、送信宛先名表示部507には「××株式会社」が表示され、送信宛先表示部508には「0445556666」が表示される。
【0074】
また中止確認画面506の選択項目として、「他のジョブを中止」ボタン509、「中止」ボタン510、「閉じる」ボタン511が表示される。
【0075】
ユーザが、中止確認画面506に表示されている送信ジョブ以外の、ジョブ管理テーブルで管理されている送信ジョブを中止したい場合は、「他のジョブを中止」509を押下する。「他のジョブを中止」509が押下された場合、システム制御部108は、LCD201に図5(c)の送信ジョブ状況画面512を表示する。
【0076】
一方、ユーザは、中止確認画面506に表示されている送信ジョブを中止したい場合に、「中止」510ボタンを押下する。「中止」ボタン510が押下された場合、システム制御部108は、中止確認画面506に表示されている送信ジョブを中止し、ジョブ管理テーブルからジョブID「0003」の送信ジョブに関する情報を削除する。本実施例においては、HDD110に保持された、図4(b)のジョブ管理テーブルのジョブID「0003」の送信ジョブに関する情報が削除される。
【0077】
また、「閉じる」511ボタンが押下された場合、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブを中止せずに、中止確認画面506を閉じる。
【0078】
図5(c)の送信ジョブ状況画面512は、送信ジョブリスト513、「中止」ボタン514、「閉じる」ボタン515からなり、操作・表示部103のLCD201に表示される。
【0079】
送信ジョブリスト513はジョブ管理テーブルから取得した各送信ジョブの最新の送信状況が表示される。ユーザは、送信ジョブリスト513の所望の送信ジョブの情報が記載される箇所をタッチすることにより、その送信ジョブを選択することができる。送信ジョブリスト513の中から送信ジョブの1つが選択された状態で「中止」ボタン514が押下された場合、システム制御部108は、その選択された送信ジョブを、中止対象の送信ジョブに設定する。その後、システム制御部108は、中止対象の送信ジョブの送信宛先名及び送信宛先がそれぞれ送信宛先名表示部502及び送信宛先表示部503に表示された中止確認画面501を表示する。この状態で「中止」ボタン504が押下された場合、その選択された送信ジョブを中止し、ジョブ管理テーブルからその送信ジョブに関する情報を削除する。また、「閉じる」ボタン515が押下された場合、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブを中止せずに、送信ジョブ状況画面512を閉じる。
【0080】
尚、「中止」ボタン514が押下された場合、上記中止確認画面501を表示することなく、その選択された送信ジョブを中止し、ジョブ管理テーブルからその送信ジョブに関する情報を削除するようにしてもよい。
【0081】
次に、図6A図6Bのフローチャートを用いて、ユーザ認証がされていない場合にユーザによりストップキー204が押下されたときに実行される送信ジョブの中止処理の手順を説明する。本処理は、システム制御部108が、システムメモリ106のROM部に格納される本処理を実行するためのプログラムを不図示のRAM上で展開することにより実行される。
【0082】
尚、ユーザ認証がされている場合にユーザによりストップキー204が押下された場合の送信ジョブの中止処理については図7のフローチャートにおいて後述する。
【0083】
図6Aにおいて、まず、ステップS600にて、システム制御部108は、ストップキー204が押下されたことを検知した場合、ステップS601に進む。ここでストップキー204が押されるシチュエーションとして、送信ジョブが投入された直後にユーザがその送信ジョブの実行を中止したいと思い、すぐにストップキー204が押す、というシチュエーションが考えられる。そこで以下で説明するフローチャートでは、次の考え方に従っている。送信ジョブが投入された直後は表示画面が送信設定画面であるため、送信設定画面の表示中のストップキー204の押下は、投入した送信ジョブ(最新の送信ジョブ)の中止指示であるだろうという考え方である。そして送信設定画面以外(例えばメニュー画面)の表示中のストップキー204の押下は、送信ジョブや印刷ジョブなどの何らかのジョブの中止指示であるだろうという考え方である。
【0084】
ステップS601にて、システム制御部108は、操作・表示部103のLCD201に送信設定画面が表示されているか否かを判定し、表示されている場合は送信ジョブの中止指示を受け付けたと判断してステップS602に進む。一方、表示されていない場合(例えば、メニュー画面が表示中の場合)は、送信ジョブおよび印刷ジョブなどの何らかのジョブの中止指示を受け付けたと判断してステップS615に進む。
【0085】
ステップS602にて、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブ、すなわち、実行中又は待機中の送信ジョブがあるか否かをジョブ管理テーブル(図4)に基づいて判定する。判定の結果、実行中又は待機中の送信ジョブがあると判定した場合はステップS603に進み、ない場合は本処理を終了する。
【0086】
ステップS603にて、システム制御部108(検索手段)は、ジョブ管理テーブル(図4)により、最後に投入された送信ジョブ、つまりジョブ受付時刻402が最近の送信ジョブを検索する。その後、その検索された送信ジョブの送信宛先名及び送信宛先を検索結果として保持しステップS604に進む。
【0087】
ステップS604にて、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブの数が単数であるか、複数であるかをジョブ管理テーブルに基づいて判定する。
【0088】
システム制御部108は、送信ジョブの数が単数であると判定した場合、ステップS605に進み、複数であると判定した場合、ステップS606に進む。
【0089】
ステップS605にて、システム制御部108は、ステップS603で検索結果として保持される送信宛先名及び送信宛先が夫々送信宛先名表示部502及び送信宛先表示部503に表示された中止確認画面501をLCD201に表示させる。その後、ステップS607に進む。
【0090】
ステップS607にて、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、中止確認画面501の「中止」ボタン504が押下されたかで判定する。
【0091】
「中止」ボタン504が押下されたと判定した場合、ステップS608に進み、システム制御部108(中止手段)は、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、本処理を終了する。
【0092】
一方、ステップS607にて「中止」ボタン504ではなく、「閉じる」ボタン505が押下されたと判定した場合、システム制御部108は、中止確認画面501を閉じて本処理を終了する。
【0093】
ステップS606にて、システム制御部108は、ステップS603で検索結果として保持される送信宛先名及び送信宛先が夫々送信宛先名表示部507及び送信宛先表示部508に表示された中止確認画面506をLCD201に表示させる。その後、ステップS609に進む。
【0094】
ステップS609にて、システム制御部108は、送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、システム制御部108は、中止確認画面506の「中止」ボタン510が押下されたか否かを判定する。
【0095】
「中止」ボタン510が押下されたと判定した場合、システム制御部108は、ステップS608に進み、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、本処理を終了する。
【0096】
一方、ステップS609にて「中止」ボタン504ではなく、「中止」ボタン510以外のボタンが押下された場合は、ステップS610に進む。
【0097】
次に、図6Bに示すように、ステップS610にて、システム制御部108は、他の送信ジョブの確認指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には「他のジョブを中止」ボタン509が押下されたか否かを判定する。
【0098】
「他のジョブを中止」ボタン509が押下されたと判定した場合、システム制御部108は、ステップS611に進む。「他のジョブを中止」ボタン509以外のボタン、つまり「閉じる」511ボタンが押下された場合は、本処理を終了する。
【0099】
ステップS611にて、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512をLCD201に表示させる。ここでユーザが送信ジョブ状況画面512の「閉じる」ボタン515を押した場合、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512の表示をやめて、図3(a)の送信設定画面を表示する。以下では、送信ジョブが選択されて中止される処理(ステップS612,S613,S608)を説明する。
【0100】
ステップS612にて、送信ジョブリスト513に表示された複数の送信ジョブのうち、中止したい送信ジョブを選択し、ステップS613に進む。選択された送信ジョブは中止対象のジョブとしてハイライト表示される。ここでハイライト表示された送信ジョブを再選択すると、その送信ジョブは中止対象から外されて、ハイライト表示が解除される。
【0101】
ステップS613にて、システム制御部108は、送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512の「中止」ボタン514が押されたか否かを判定する。「中止」ボタン514が押されたと判定された場合、中止対象の送信ジョブの送信宛先名及び送信宛先がそれぞれ送信宛先名表示部502及び送信宛先表示部503に表示された中止確認画面501が表示される。システム制御部108は、表示された中止確認画面501の「中止」ボタン504が押されたことを検知すると、処理をステップS608に進め、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、本処理を終了する。一方、表示された中止確認画面501の「閉じる」ボタン505が押されたことを検知すると、システム制御部108は、ステップS611に処理を戻す。
【0102】
図6(A)に戻り、ステップS615にて、システム制御部108は、印刷ジョブリスト画面をLCD201に表示させ、ステップS616に進む。ここで、印刷ジョブリスト画面とは、HDD110に保持された各印刷ジョブの最新の印刷状況が表示される印刷ジョブリスト、「中止」ボタン、「閉じる」ボタンからなり、操作・表示部103のLCD201に表示される。
【0103】
ステップS616にて、印刷ジョブリスト画面に表示された印刷ジョブのうち、中止したい印刷ジョブを選択し、ステップS617に進む。
【0104】
ステップS617にて、システム制御部108は、選択された印刷ジョブを中止するか否かをユーザに確認するための中止確認画面を表示する。ステップS617で表示される中止確認画面は、選択された印刷ジョブのファイル名、「中止」ボタン、「閉じる」ボタンからなり、操作・表示部103のLCD201に表示される。
【0105】
ステップS618にて、システム制御部108は、選択された印刷ジョブの中止指示がされたか、具体的には、ステップS617で表示された中止確認画面の「中止」ボタンが押下されたか否かを判定する。「中止」ボタンが押下されたと判定した場合、ステップS608に進み、HDD110に保持されている、選択された印刷ジョブを中止し、本処理を終了する。一方、中止確認画面の「中止」ボタンでなく、「閉じる」ボタンが押された場合、ステップS615に戻る。
【0106】
以上のように、送信ジョブが複数である場合でも、送信ジョブを中止するために必要な手順を少なくすることによって、HDD110に保持された送信ジョブの数に応じて、確実にユーザが所望する送信ジョブの中止処理を行うことができる。
【0107】
なお、本発明は、本実施形態のように中止確認画面501,506を表示する構成に限定されない。例えば、送信設定画面が表示中にストップキー204が押下された場合は中止確認画面501,506を表示することなく、最後に投入された送信ジョブを中止するようにしてもよい。この場合、中止処理後に、その中止した送信ジョブの送信宛先および送信宛先名を表示すると事後通知画面を表示するようにしてもよい。また、送信設定画面が表示中にストップキー204が押下された場合に中止確認画面501,506を表示するか否かを予めユーザによって設定可能にしてもよい。
【0108】
また、本実施例では、印刷ジョブについては、印刷が未完了である印刷ジョブが単数か否かにかかわらず、ステップS615において印刷ジョブリスト画面を表示したが送信ジョブの場合と同様の処理を行なうようにしてもよい。すなわち、印刷が未完了である印刷ジョブが単数である場合は、その印刷ジョブを中止するか否かをユーザに確認するための中止確認画面を表示するようにしてもよい。また、印刷が未完了である印刷ジョブが複数である場合は、最後に投入された印刷ジョブを中止するか否かをユーザに確認するための中止確認画面を表示するようにしてもよい。
【0109】
さらに、本実施例では、ストップキー204は、操作・表示部103に設けられるハードキーであったが、かかる構成に限定されない。例えば、ユーザがPCからジョブ処理装置100に送信ジョブや印刷ジョブを送信した場合、PCの画面上にストップアイコンを表示するようにしてもよい。さらに、ユーザがそのストップアイコンを選択した場合、ステップS602以降の処理が行われ、PCの画面上にステップS605,S606,S617等の中止確認画面が表示されるようにしてもよい。
【0110】
次に、図7A図7Bのフローチャートを用いて、ユーザ認証がされている場合にユーザによりストップキー204が押下されたときに実行される送信ジョブの中止処理の手順を説明する。本処理は、システム制御部108が、システムメモリ106のROM部に格納される本処理を実行するためのプログラムを不図示のRAM上で展開することにより実行される。
【0111】
図7Aにおいて、まず、ステップS700にて、操作・表示部103はユーザ認証画面(図3(b))を表示する。
【0112】
ステップS701にて、ユーザはステップS700で表示されたユーザ認証画面のユーザ名入力部308に登録している自分の名前と、パスワード入力部309にパスワードを入力する。本実施例では、ユーザ名に“Sato Taro”が入力された場合について説明する。入力されたユーザ名とパスワードはシステム制御部108によって、HDD110へ格納される。
【0113】
ステップS702にて、システム制御部108は、HDD110に記憶されたユーザ名とパスワードとユーザデータベース313(図3(d))のユーザ名とパスワードとを比較し、ユーザ認証が正常に行われたか否かを判定する。
【0114】
比較の結果、ステップS701で入力されたユーザ名およびパスワードがユーザデータベース313に登録されていないユーザである場合は、ユーザ認証が正常に行われなかったと判定して、ステップS717に進む。一方、比較の結果、登録されているユーザである場合は、ユーザ認証が正常に行われたと判定して、ステップS703へ進む。
【0115】
まず、ステップS703にて、システム制御部108は、ストップキー204が押下されたことを検知した場合、ステップS704に進む。
【0116】
ステップS704にて、システム制御部108は、操作・表示部103のLCD201に送信設定画面が表示されているか否かを判定し、表示されている場合はステップS705に進む。一方、表示されていない場合(例えばメニュー画面が表示中の場合)は、本処理を終了する。
【0117】
ステップS705にて、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブ、すなわち、実行中又は待機中の送信ジョブがあるか否かをジョブ管理テーブル(図4)に基づいて判定する。判定の結果、実行中又は待機中の送信ジョブがある場合はステップS706に進み、ない場合はステップS717に進む。
【0118】
ステップS706にて、システム制御部108は、ジョブ管理テーブル(図4)に基づいて、ジョブオーナー名が“Sato Taro”の中で最後に投入された送信ジョブ、つまりジョブ受付時刻402が最近のジョブを検索する。その後、その検索された送信ジョブの送信宛先名及び送信宛先を検索結果として保持し、図7BのステップS707に進む。
【0119】
次に、ステップS707にて、システム制御部108は、ユーザの送信ジョブ、すなわち、HDD110に保持されたジョブオーナー名が“Sato Taro”の送信ジョブの数が単数であるか、複数であるかをジョブ管理テーブルに基づいて判定する。
【0120】
システム制御部108は、送信ジョブの数が単数であると判定した場合、ステップS708に進み、複数であると判定した場合、ステップS709に進む。
【0121】
ステップS708にて、システム制御部108は、ステップS706で検索結果として保持される送信宛先名及び送信宛先が夫々送信宛先名表示部502及び送信宛先表示部503に表示された中止確認画面501をLCD201に表示させる。その後、ステップS710に進む。
【0122】
ステップS710にて、システム制御部108は、HDD110に保持された送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、中止確認画面501の「中止」ボタン504が押下されたかで判定する。
【0123】
「中止」ボタン504が押下されたと判定した場合、ステップS711に進み、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、ステップS717に進む。
【0124】
一方、ステップS710にて「中止」ボタン504ではなく、「閉じる」ボタン505が押下されたと判定した場合、中止確認画面501を閉じてステップS717に進む。
【0125】
ステップS709にて、システム制御部108は、ステップS706で検索結果として保持される送信宛先名及び送信宛先が夫々送信宛先名表示部507及び送信宛先表示部508に表示された中止確認画面506をLCD201に表示させる。その後、ステップS712に進む。
【0126】
ステップS712にて、システム制御部108は、送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、システム制御部108は、中止確認画面506の「中止」ボタン510が押下されたか否かを判定する。
【0127】
「中止」ボタン510が押下されたと判定した場合、システム制御部108は、ステップS711に進み、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、ステップS717に進む。
【0128】
一方、ステップS712にて「中止」ボタン504ではなく、「中止」ボタン510以外のボタンが押下された場合は、ステップS713に進む。
【0129】
ステップS713にて、システム制御部108は、他の送信ジョブの確認指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には「他のジョブを中止」ボタン509が押下されたか否かを判定する。
【0130】
「他のジョブを中止」ボタン509が押下されたと判定した場合、システム制御部108は、ステップS714に進む。一方、「他のジョブを中止」ボタン509以外のボタン、つまり「閉じる」511ボタンが押下された場合は、ステップS717に進む。
【0131】
ステップS714にて、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512をLCD201に表示させる。このとき送信ジョブリスト513に表示される送信ジョブはジョブ管理テーブルのジョブオーナー名403が“Sato Taro”のジョブのみである。つまり、ユーザ認証後に図4(b)のジョブ管理テーブルに基づき送信ジョブ状況画面512が表示される場合は、ジョブID「0001」,「0002」のジョブ状況のみが表示される。ここでユーザが送信ジョブ状況画面512の「閉じる」ボタン515を押した場合、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512の表示をやめて、図3(a)の送信設定画面を表示する。以下では、送信ジョブが選択されて中止される処理(ステップS715,S716,S711)を説明する。
【0132】
ステップS715にて、送信ジョブリスト513に表示された複数の送信ジョブのうち、中止したい送信ジョブを選択し、ステップS716に進む。選択された送信ジョブは中止対象のジョブとしてハイライト表示される。ここでハイライト表示された送信ジョブを再選択すると、その送信ジョブは中止対象から外されて、ハイライト表示が解除される。
【0133】
ステップS716にて、システム制御部108は、送信ジョブを中止するための指示を受け付けたか否かを判定する。具体的には、システム制御部108は、送信ジョブ状況画面512の「中止」ボタン514が押されたか否かを判定する。「中止」ボタン514が押されたと判定された場合、中止対象の送信ジョブの送信宛先名及び送信宛先がそれぞれ送信宛先名表示部502及び送信宛先表示部503に表示された中止確認画面501を表示する。この状態で「中止」ボタン504が押下された場合、処理をステップS711に進め、HDD110に保持された送信ジョブを中止し、ステップS717に進む。一方、「閉じる」ボタン515が押されたことを検知すると、システム制御部108は、ステップS714に処理を戻す。
【0134】
ステップS717にて、システム制御部108は、IDキー206ボタンが押下されたか否かを判定する。押下された場合は、現在ログイン中のユーザID「0001」のユーザである“Sato Taro”のログアウトをした後、本処理を終了する。
【0135】
(その他の実施形態)
以上の実施形態においては、システム制御部108は、ステップS603,S706において、ジョブ管理テーブル(図4)で管理されている実行中(送信中)および実行待機中の全ての送信ジョブを検索範囲として、最後に投入された送信ジョブを検索する。しかしながら、次のように構成してもよい。例えば、検索範囲を、実行中(送信中)の全てのジョブとしてもよい。このように検索範囲を変えると、実行中(送信中)および実行待機中の送信ジョブが複数ある場合においても、実行中の送信ジョブの中止指示を、送信ジョブのリストを表示することなく出すことが可能になる。
【0136】
また次のように構成してもよい。例えば検索範囲はステップS603,S706と同じように、実行中および待機中の全ての送信ジョブとして、その検索範囲のうちで最初に投入された送信ジョブを検索してもよい。
【0137】
また、他の実施形態においては、検索範囲を上記実施形態のように実行中および待機中の全ての送信ジョブとするのか、上記他の実施形態のように実行中の送信ジョブのみにするのかを、ユーザ(あるいは管理者)の指示のもと、設定可能な構成にしてもよい。また検索範囲を変えずとも、検索によって探される対象を、最後に投入された送信ジョブとするのか、最初に投入された送信ジョブとするのかを、ユーザ(あるいは管理者)の指示のもと、設定可能な構成にしてもよい。
【0138】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0139】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0140】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0141】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0142】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
【0143】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0144】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0145】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0146】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。
【符号の説明】
【0147】
100 ジョブ処理装置
101 スキャナ
102 プリンタ
103 操作・表示部
108 システム制御部
109 ファクシミリ制御部
110 HDD
201 LCD
204 ストップキー
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B