特許第6971794号(P6971794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971794
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】照明装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20211111BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20211111BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20211111BHJP
   H04N 9/04 20060101ALI20211111BHJP
   H04N 9/73 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G03B15/05
   G03B7/091
   G03B15/02 G
   H04N9/04 B
   H04N9/73 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-219342(P2017-219342)
(22)【出願日】2017年11月14日
(65)【公開番号】特開2019-90918(P2019-90918A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】平澤 銀太
【審査官】 三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102854706(CN,A)
【文献】 特開2014−219602(JP,A)
【文献】 特開2015−207900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 7/091
G03B 15/02
H04N 9/04
H04N 9/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを用いた光源と、
前記LEDに関する色情報を送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段は、前記LEDに関する色情報として、特定光源と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記送信手段が前記LEDに関する色情報を送信する画像処理装置が前記特定光源を前提としてWB処理を行う画像処理装置か否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記送信手段は、前記判定手段により前記特定光源を前提としてWB処理を行う画像処理装置と判定した場合、前記LEDに関する色情報として、前記特定光源と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記判定手段により前記特定光源を前提としてWB処理を行う画像処理装置ではないと判定した場合、前記LEDに関する色情報として、前記LEDの分光特性を示す色情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源は、複数色のLEDを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記LEDに関する色情報として、前記複数色のLEDの発光比率に応じた前記特定光源と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信する請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記LEDに関する色情報として、Xe管と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
LEDを用いた光源と、前記LEDに関する色情報を送信する送信手段と、を有する照明装置の制御方法であって、
前記送信手段により、前記LEDに関する色情報として、特定光源と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信することを特徴とする照明装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源とする照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばストロボ装置のような照明装置を用いて撮像装置で撮影を行った際に、ストロボ装置の発光色の色情報を用いて画像データのホワイトバランス(以下、WB)の処理を行っている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2668983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ストロボ装置の光源として一般的にXe管が使用されてきたが、近年はLEDを光源とするストロボ装置も提案されている。しかしながら、特許文献1に記載のカメラでは、画像データのWB処理はXe管の分光特性を前提に実施されており、LEDを光源としたストロボ装置が装着されることを考慮していない。Xe管とLEDは分光特性が異なるため、従来から用いられている2次元で表される色度や色温度の形式である色情報では分光特性の違いを表すことができない。そのため、Xe管とLEDの分光特性のずれの影響で適正なWB補正ができない。
【0005】
そこで、本発明は、特定光源を光源とした照明装置を前提としたWB補正を行う画像処理であっても、適切にWB処理を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる照明装置は、LEDを用いた光源と、前記LEDに関する色情報を送信する送信手段と、を有し、前記送信手段は、前記LEDに関する色情報として、特定光源と前記LEDの分光特性の差を補償した色情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定光源を光源とした照明装置を前提としたWB補正を行う画像処理装置であっても、適切にWB処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる撮像システムの構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図である。
図3】白色LEDとXe管の分光特性の比較を示すグラフである。
図4】撮像素子の分光感度特性を示すグラフである。
図5】白色LEDを光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフである。
図6】Xe管を光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフである。
図7】各色の色情報補正係数αを示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図である。
図9】橙LED、白色LED、Xe管の分光特性の比較を示すグラフである。
図10】橙LEDを光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフである。
図11】本発明の第3の実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態による撮像システムの一例について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態にかかる、照明装置であるLEDストロボ10が撮像装置であるカメラ20に装着されている撮像システムの構成図である。
【0011】
まず、LEDストロボ10の構成を説明する。マイコン1は、LED駆動回路のON/OFF制御、光源であるLED6の色情報の演算、LED駆動条件の決定等を行う。また、マイコン1は、後述するカメラ20のカメラ制御部25からの発光指示を受信して発光制御を行うだけでなく、演算したLED6の色情報をカメラ制御部25へ送信する。
【0012】
電源3は電池による電源であり、キャパシタ4は電源3から充電回路5を介して充電され、本実施形態では電気二重層コンデンサを用いている。電源制御部2は、キャパシタ4を入力の電源とし電源制御部2の出力側に接続されるLED6を、発光電流決定部13の指示により電流で駆動する。本実施形態では、電源制御部2は降圧型のスイッチングコンバータ回路を用いており、入力側はキャパシタ4に接続され、出力側はLED6に接続されている。演算部11は発光電流決定部13により決定されるLED6の駆動条件に対応する色情報を、メモリである記録部12に記録されている色情報テーブルから読み込む。
【0013】
次に、カメラ20の構成を説明する。撮像素子21は、撮影レンズ200により形成された光学像としての被写体像を光電変換して電気信号を出力するCMOSやCCDなどの撮像素子である。A/D変換部22は、撮像素子21から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換し、画像処理部23は、該デジタル信号に対する各種画像処理を行って画像を生成する。画像処理部23は、WB処理部230と色処理部231とその他の信号処理部232から構成される。WB処理部230は、画像処理部23への入力画像を構成するR、G、Bの各色信号に対し、それぞれゲインをかけR、G、Bの色比を調整する処理(WB処理)を行う。色処理部231は、色の濃さや色合いの調整、3D−LUTなどの色変換処理を行う。また、信号処理部232は、画素補間処理や明度調整処理、ガンマ処理などの現像処理を行う。メモリ24は、WB処理部230で使用する後述の各種データを格納する。LEDストロボ10のLED6を発光させて撮影した場合、WB処理部230は、LEDストロボ10から送信された色情報を用いてWB処理を行う。
【0014】
本実施形態では、カメラ20が特定光源としてXe管光源を前提としたWB処理を行うものでLED光源を使用した場合のWB処理に対応していないカメラ(以下、非対応カメラ)とする。そして、非対応カメラにLEDストロボ10を装着し撮影した時にもカメラ20で適正なWB処理が行われるようにするものである。
【0015】
ここで、解決すべき課題の詳細を説明する。前述の通りXe管とLEDは分光特性が異なる。両者の分光特性の差について図3を用いて説明を行う。Xe管は可視域ほぼ全域において特性がリッチであり高演色であるのに対して、一般的に発光効率重視の白色LEDは青色LEDと黄色蛍光体の合成色で白色を作り出しており演色性がよくない。従来のストロボ装置は、発光色を色温度、Δuv、色度の情報を色情報として撮像装置に伝えていたが、演色性の差は従来の色情報では表現できない。Xe管と白色LEDが仮にどちらも同じ色度の白色であったとしても分光特性としては異なるため、Xe管が前提でWB処理を行う非対応カメラとLEDストロボの組み合わせでは分光特性の差がWBのずれとして表れ適正な色にならない。
【0016】
図2は、本実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図であり、LEDストロボ10のLED6を発光させて撮影する場合のLEDストロボ10とカメラ20の動作を示している。図2のフローチャートは、LEDストロボ10、カメラ20が接続され、かつ、互いに電源がオンの状態にて開始される。
【0017】
ステップS100にてマイコン1は、電源3から充電回路5を介してキャパシタ4の充電を開始する。
【0018】
カメラ20の不図示のシャッターボタンが操作されると、ステップS101にてマイコン1とカメラ制御部25は通信を行いそれぞれカメラIDとストロボIDを取得する。ここで取得したID情報は、撮像装置側では接続されている照明装置の光源がLEDかXe管かの判定、照明装置側では撮像装置がLED対応のWB処理が可能かどうかの判定にそれぞれ用いられる。
【0019】
次にカメラ20は、被写体の測光、測距動作を行うが公知の制御なのでここでは説明を省略する。その後、ステップS102にてカメラ制御部25は、測光結果とカメラ20の撮影条件設定により決定された発光命令をLEDストロボ10に送信する。発光命令の通信内容には発光量、発光時間、露光開始時間のタイミング情報が含まれる。
【0020】
この発光命令に従い、ステップS103にてマイコン1は、発光電流決定部13を制御してLED6の発光を行う。
【0021】
ステップS104にてマイコン1は、ステップS103で得た発光命令の条件に基づいて、記録部12に記録されている色情報テーブルから色情報を読み込む。本実施形態では色情報をRGBで表し(R0、G0、B0)とする。
【0022】
ステップS105にてマイコン1は、ステップS101で取得したカメラIDがLED対応のWB処理が可能なカメラ(以下、対応カメラ)を示すか否かを判定する。非対応カメラと判定した場合は色情報の補正が必要になるためステップS106に進み、対応カメラと判定した場合、色情報の補正は行わずステップS108に進む。
【0023】
ステップS106にてマイコン1は、記録部12に記録されている色情報補正係数αを読み込む。色情報補正係数αは、撮像素子の分光感度によって違うため装着されるカメラによって異なる。そこで、マイコン1は、ステップS101で取得したカメラIDからカメラを識別しテーブルで記録されている色情報補正係数αを読み込む。
【0024】
なお、色情報補正係数αは下記の様に求められ予めテーブルで記録されている。色情報補正係数αは白色LEDとXe管の分光特性の差を補償するためのものであるがその求め方について図3〜7を用いて説明を行う。
【0025】
図3は、白色LEDとXe管の分光特性の比較を示すグラフである。図4は、撮像素子の分光感度特性を示すグラフである。図5は、白色LEDを光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフであり、白色LED感度係数をwとする。図5中の表は白色LED感度係数wのRed、Green、Blueの出力値になる。図6は、Xe管を光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフであり、Xe管感度係数xとする。図6中の表はXe管感度係数xのRed、Green、Blueの出力値になる。図7は、各色の色情報補正係数αを示す図であり、色情報補正係数αは白色LED感度係数wをXe管感度係数xで除算することで求められる。図7において色情報補正係数αは、Blueを基準にした場合、REDは+1%、GREENは+19%となっている。
【0026】
図2のフローチャートに戻り、ステップS107にてマイコン1は、ステップS104で得られた色情報(R0、G0、B0)とステップS106で得られた色情報補正係数αから下記の式1〜3を用いて補正色情報(R1、G1、B1)を求める。
R1=R0÷1.01 (式1)
G1=G0÷1.19 (式2)
B1=B0÷1 (式3)
【0027】
ステップS108にてマイコン1は、ステップS104で取得した色情報、あるいはステップS107で求めた色情報をカメラ20に送信する。
【0028】
ステップS109にてWB処理部230は、ステップS108でLEDストロボ10から送信された色情報を用いてWB処理を行う。ここでカメラ20は非対応カメラであるため、WB処理は色情報(R1,G1,B1)にWB係数をかけた値をRGB各画素にそれぞれ行う。ここでのWB係数とは撮像素子21のRGB各色の感度に合わせた値であり各色によって係数は異なる。WB係数は撮像素子21の特性によって決定されメモリ24に格納されている。R、G、BのWB係数をそれぞれWbGainR、WbGainG、WbGainBとし、WB処理前のR、G、B値をPRERED、PREGREEN、PREBLUEとする。WB処理後のR、G、B値をそれぞれRED、GREEN、BLUEとすると、WB処理は式4〜6のように表すことができる。
RED =WbGainR ×R1× PRERED (式4)
GREEN =WbGainG ×G1× PREGREEN (式5)
BLUE=WbGainB ×B1× PREBLUE (式6)
【0029】
WB処理の後は、色処理部231、信号処理部232によって3D−LUT(3次元ルックアップテーブル)を用いた色空間変換処理の他、画素補間処理や明度調整処理、ガンマ処理を行うが、公知の技術のため説明は省略する。
【0030】
なお、光の色情報はここではRGBを用いて演算を行ったが色情報の形式はRGBに限定しない。
【0031】
以上のシーケンスによりLED光源に対して非対応のカメラにLED光源を持つ照明装置が装着された場合でも適正なWB処理を実現できる。
【0032】
(第2の実施形態)
本実施形態では、LEDストロボ10のLED6が複数個あり複数色(2色以上)の異なる発光色を持つ構成である例を説明する。
【0033】
図8は本実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図であり、LEDストロボ10の複数の発光色を持つLED6を発光させて撮影する場合のLEDストロボ10とカメラ20の動作を示している。本実施形態では、LED6は第1の実施形態で使用した白色LED及び白色LEDに赤色蛍光体を混ぜて演色性を高めた橙LEDの2色の発光体で構成されている。図9は、橙LED、白色LED、Xe管の分光特性の比較を示すグラフである。図10は、橙LEDを光源とした場合の撮像素子の分光感度出力を示すグラフであり、橙LED感度係数をoとする。図10中の表は橙LED感度係数oのRed、Green、Blueの出力値になる。
【0034】
図8において、ステップS200〜S202は図2のステップS100〜S102と同じであるため説明を省略する。
【0035】
ステップS203にてマイコン1は、発光電流決定部13を制御してLED6の発光を行う。LED6内の2色の発光比率は、カメラ20からの指示で決定する方法とLEDストロボ10でユーザーが設定する方法のいずれかによって決定される。
【0036】
ステップS204にてマイコン1は、ステップS203で発光した比率を元に記録部12に記録されている色情報テーブルから色情報を読み込む。本実施形態では色情報をRGBで表し(R0、G0、B0)とする。
【0037】
ステップS205にてマイコン1は、ステップS201で取得したカメラIDがLED対応のWB処理が可能なカメラ(以下、対応カメラ)を示すか否かを判定する。非対応カメラと判定した場合は色情報の補正が必要になるためステップS206に進み、対応カメラと判定した場合、色情報の補正は行わずステップS209に進む。
【0038】
ステップS206にてマイコン1は、記録部12に記録されている2色の色情報補正係数を読み込む。白色LEDと橙LEDは補正係数が異なるため、白色LED感度係数wと橙LED感度係数oをそれぞれ読み込む必要がある。
【0039】
ステップS207にてマイコン1は、ステップS206で取得した白色LED、橙LEDの感度係数に発光比率分を補正し最終的な色情報補正係数αを求める。ここでは発光比率を白色LED:橙LED=2:1とした例を説明する。色情報補正係数αの求め方として、まず白色LEDと橙LEDの合成光の感度係数m(R、G、B)を求める。m(R、G、B)=白色LED発光比率×白色LED発光感度係数w + 橙LED発光比率×橙LED発光感度係数oであるので、各感度係数m(RED)、m(GREEN)、m(BLUE)は式7〜9のように表すことができる。
m(RED)=2×0.66+1×3.32=4.64 (式7)
m(GREEN)=2×1.27+1×2.81=5.36 (式8)
m(BLUE)=2×1+1×1=3 (式9)
【0040】
m(BLUE)を1として基準とした正規化後は、m(RED)=1.55、m(GREEN)=1.79、m(BLUE)=1となる。
【0041】
色情報補正係数αは、合成感度係数mを図6で示したXe管感度係数xで除算することで求められる。α(RED)=1.55÷0.65=2.38、α(GREEN)=1.79÷1.07=1.67、α(BLUE)=1÷1=1となる。
【0042】
ステップS208にてマイコン1は、ステップS204で得られた色情報(R0、G0、B0)とステップS207で得られた色情報補正係数αからWB処理は式10〜12を用いて補正色情報(R1、G1、B1)を求める。
R1=R0÷2.38 (式10)
G1=G0÷1.67 (式11)
B1=B0÷1 (式12)
【0043】
ステップS209にてマイコン1は、ステップS204で取得した色情報、あるいはステップS208で求めた色情報をカメラ20に送信する。
【0044】
ステップS210にてWB処理部230はステップS209でLEDストロボ10から送信された色情報を用いて、ステップS109と同様にWB処理を行う。
【0045】
以上のシーケンスによりLED光源に対して非対応のカメラに複数の発光色を有するLED光源を持つ照明装置が装着された場合でも適正なWB処理を実現できる。
【0046】
なお、本実施形態では2色のLEDを用いて説明を行ったが、RGB3色や発光比率が変化しても同様の処理を適用できる。
【0047】
(第3の実施形態)
本実施形態では、LED光源に対して非対応のカメラにLED光源を持つ照明装置を装着した場合に発光時の色情報の送信を禁止することで誤情報を使用して誤ったWB処理が行われる事を防止するものである。
【0048】
図11は、本実施形態にかかる撮像システムの動作シーケンスを示すフローチャート図である。ステップS300〜S305は図2のステップS100〜S105と同じであるため説明を省略する。
【0049】
ステップS305にて対応カメラと判定した場合、ステップS306にてマイコン1は補正していない色情報をカメラ20に送信する。
【0050】
ステップS307にてWB処理部230は、ステップS306でLEDストロボ10から送信された色情報を用いてWB処理を行う。WB処理はステップS109と同じ処理のため詳しい説明は省略する。
【0051】
ステップS305にて非対応カメラと判定した場合、マイコン1は色情報をカメラ20に送信せずに一連の動作シーケンスを終了する。LEDストロボ10から色情報が送信されない場合のWB処理では、LEDストロボ10から光が照射されていないとみなして外光の色情報を用いる。このように、LEDストロボ10から色情報を送信しないことで、カメラ20でXe管が前提の誤ったWB処理を行うことを防止することができる。
【0052】
なお、上記の3つの実施形態では、照明装置が撮像装置に装着されている撮像システムの例を説明したが、照明装置と撮像装置が通信可能な撮像システムであれば照明装置と撮像装置が物理的に接触していなくてもよい。すなわち、照明装置と撮像装置が物理的に接触していなくても、無線通信などを介して照明装置と撮像装置が通信可能な撮像システムであればよい。
【0053】
また、照明装置が送信する色情報に基づいて撮像画像に対してWB処理を行う画像処理装置であれば撮像装置でなくてもよい。
【0054】
また、照明装置と画像処理装置とがアダプタなどの他の外部機器を介して接続されている構成でもよく、照明装置は外部機器に色情報を送信する構成であれば画像処理装置に直接的に色情報を送信しなくてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 マイコン
6 LED
10 LEDストロボ
12 記録部
20 カメラ
23 画像処理部
24 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11