(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0014】
1.内装用中空構造板1
図1は、本発明に係る内装用中空構造板1の第1実施形態の構造を模式的に示す斜視図であり、
図2は、本発明に係る内装用中空構造板1の第1実施形態の断面構造を模式的に示す断面模式図である。本発明に係る内装用中空構造板1は、立壁により隔てられた中空部21が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂からなる中空構造部2と、中空構造部2を挟持する、熱可塑性樹脂からなる表面材31及び裏面材32と、を少なくとも備えている。
【0015】
内装用中空構造板1の全光透過率は特に限定されないが、5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、0%であることが特に好ましい。これにより、下地が透けることがなく、見栄えの良い内装用中空構造板1を提供することができる。
【0016】
内装用中空構造板1の目付は特に限定されないが、300〜6000g/m
2とすることが好ましく、400〜2000g/m
2とすることがより好ましく、500〜1800g/m
2とすることが特に好ましい。これにより、内装用中空構造板1の軽量化を図ることができる。
【0017】
内装用中空構造板1の厚みも特に限定されないが、1.5〜55mmとすることが好ましい。1.5mm以上とすることにより、内装用中空構造板1の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、曲げ剛性が保持された内装用中空構造板1を作製できる。また、55mm以下とすることにより、中空構造部2における中空部21の高さを制御でき、中空部21の側壁の厚みがドラフトされて薄くなり過ぎることを防げるため、変形(座屈)が発生しにくい内装用中空構造板1を作製できる。
【0018】
なお、本発明に係る内装用中空構造板1の壁面への取り付け方法は、特に限定されず、例えば、ビス止め、L形又はH形等のフレームへの挿入、接着剤、粘着テープ等を用いた接着などにより取り付ける方法が挙げられる。本発明では、これらの中でも特に、貼り替えのし易さ、ばたつきの防止、中空構造板が熱膨張した際の伸縮の吸収性等の観点から、ビス止めによる取り付け方法が好ましい。
【0019】
また、内装材として用いる際の使用形態によっては、内装用中空構造板1のその端面を任意の形状に加工することができる。具体的には、端面が切りっぱなしでもよく、端面を、C形形状等に加工したり、垂直端面に封止したり、R形状に封止したりしてもよい。更に、本発明では、内装用中空構造板1の端面に機能性を付与するために、端面に接着剤等を介してエッジ材を貼り合わせることもできる。
【0020】
<中空構造部2>
中空構造部2は、立壁により隔てられた中空部21が間隔をあけて複数形成された熱可塑性樹脂からなり、後述する表面材及び裏面材により挟持される。
【0021】
本発明では、色差計で測定された中空構造部2及び/又は後述する裏面材32の色は、L*a*b*表色系における明度(L*)が60以下の灰色又は黒色であることを特徴とする。これにより、内装用中空構造板1を貼り付けることで形成された、独立空間の視認性及び遮蔽性を良好にすることができる。また、独立空間内に入った際に、ギラツキ等の目に不快な印象を与えず、意匠性も向上できる。
【0022】
色差計としては、例えば、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計(NF333)等を用いることができる。なお、JISZ8729に規定する「L*a*b*表色系」では、L*は明るさ(明度)を、a*、b*は色の方向を示しており、a*は略赤方向、−a*は略緑方向、b*は略黄色方向、−b*は略青方向を示している。
【0023】
本発明では、色差計で測定された中空構造部2の色は、L*a*b*表色系における明度(L*)が92.5以上の白色であることがより好ましい。この場合、色差計で測定された後述する裏面材32の色は、L*a*b*表色系における明度(L*)が60以下の灰色又は黒色である。これにより、後述する表面材31における中空構造部2の色の透けを解消できるため、意匠性が向上し、より見栄えの良い内装用中空構造板1を提供することができる。
【0024】
なお、本明細書において、「白色」とは、色差計で測定した際に、彩度(C*)が、0〜4(好ましくは、0〜3)、ΔE(L*+|a*|+|b*|)が、70〜100(好ましくは、80〜100)のことを指す。また、「黒色又は灰色」とは、色差計で測定した際に、彩度(C*)が、0〜3(好ましくは、0〜2)、ΔE(L*+|a*|+|b*|)が、5〜70(好ましくは、10〜60)のことを指す。
【0025】
中空構造部2において仮想される水平面と立壁とがなす角度(傾斜角)θ1(
図2参照)は特に限定されないが、内装用中空構造板1の外側から荷重をかけた際に、十分な強度を得るため、立壁に傾斜角を有する方が好ましい。また、傾斜角θ1は、45°以上とすることが好ましい。傾斜角θ1を45°以上とすることにより、更に十分な強度が得られる。また、傾斜角θ1は、80°未満とすることが好ましい。傾斜角θ1を80°未満とすることにより、中空構造部2を真空形成した場合等において、中空構造部2の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、かつ、立壁のフィルム化も防止できるため、十分な強度が得られる。
【0026】
また、傾斜角θ1は、45°以上80°未満とすることがより好ましい。これにより、中空構造部2の剛性を高めると共に、内装用中空構造板1の剛性も向上する。また、座屈等の変形を防ぎ、内装用中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。なお、本発明に係る内装用中空構造板1において、傾斜角θ1は、常に一定でなくてもよく、中空部21が中心軸に対して非対称な形状であってもよい。
【0027】
立壁の高さh(
図2参照)は特に限定されないが、1mm以上とすることが好ましい。立壁の高さhを1mm以上とすることにより、剛性が高い内装用中空構造板1を得ることができる。また、立壁の高さhは、50mm以下とすることが好ましい。立壁の高さhを50mm以下とすることにより、中空部21の側壁部分が薄くなり過ぎるのを防ぎ、中空構造部2の変形(座屈)を防ぐことができる。
【0028】
立壁の厚みも特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。立壁の厚みを0.1mm以上とすることにより、座屈等の変形を防ぎ、内装用中空構造板1の形状保持性を向上させることができる。
【0029】
また、本発明では、立壁の途中に段差を設けたり、立壁の途中にウェーブを設けたりすることもできる。
【0030】
中空構造部2の材質は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、通常、中空構造板に用いることが可能な熱可塑性樹脂を、1種又は2種以上自由に組み合わせて用いることができる。
【0031】
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。
【0032】
中空構造部2の材質としては、これらの中でも特に、加工性、コスト、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、本発明では、更に高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。
【0033】
中空構造部2の目付は特に限定されないが、150g/m
2以上とすることが好ましい。目付を150g/m
2以上とすることにより、中空部21を良好に成形することができる。
【0034】
また、本発明では、中空構造部2や後述する表面材31、裏面材32を形成する熱可塑性樹脂には、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等のフィラー、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等のチョップドストランドを添加してもよい。
【0035】
更に、中空構造部2や後述する表面材31、裏面材32を形成する熱可塑性樹脂には、難燃性、導電性、濡れ性、滑り性及び耐候性などを向上させるための改質剤や顔料等の着色剤などを添加してもよい。
【0036】
なお、中空構造部2や後述する表面材31、裏面材32は、同一の材料で形成されていてもよく、熱融着可能な範囲で相互に異なる材料で形成されていてもよい。
【0037】
中空構造部2の構造は特に限定されないが、少なくとも一方の面に中空状の凸部(=中空部21)が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造(
図1〜6参照)、又はハニカム構造の中空部21が複数形成された熱可塑性樹脂シートからなる構造(
図7及び8参照)が好ましく、少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造がより好ましい。
【0038】
また、本発明では、熱可塑性樹脂シートの一部に流路が存在する構造を採用することもできる。なお、本発明において、この流路の形状、断面の構造、流路の形成方向等は特に限定されない。
【0039】
前記凸部は、
図2で示すように、少なくとも上面部211及び開口部212を有していれば、その形態は特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、
図1で示した円錐台形状又は楕円錐台形状、
図6で示した三角錐台形状、四角錐台形状、五角錐台形状等の多角錐台形状、更には、
図4で示した円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、多角星柱形状、多角星錐台形状など様々な形状に設計することができる。また、これらの形状を組み合わせた形態に設計してもよい。
【0040】
本発明では、後述する表面材31や、裏面材32、表皮材が中空構造部2に積層された際に、起点を少なくしてこれらからの剥離強度を向上させるため、
図6で示したように、多角錐台形状や多角柱形状等の角を丸く設計することもできる。
【0041】
本発明では、これらの中でも特に、前記凸部を、円錐台形状、楕円錐台形状又は多角錐台形状に設計することが好ましい。これにより、製造工程における設計を容易化できることに加え、金型を用いて前記凸部を成形する際には、金型の製造コストを削減することもできる。
【0042】
また、本発明では、前記凸部を、円錐台形状又は楕円錐台形状に設計することがより好ましい。これにより、中空構造板1の曲げ剛性を向上させることができると共に、圧縮強度を保持させることができる。
【0043】
更に、本発明では、前記凸部を、楕円錐台形状又は円錐台形状に設計した場合、上面部211の径の長さは特に限定されないが、1.5〜10mmとすることが好ましい。これにより、内装用中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
【0044】
また、本発明では、前記凸部を、楕円錐台形状又は円錐台形状に設計した場合、開口部212の径の長さは特に限定されないが、3〜15mmとすることが好ましい。これにより、内装用中空構造板1の厚さ方向における圧縮強度を向上させることができる。
【0045】
本発明では、前記凸部は、全て同一の形態であってもよいし、2種以上の形態を自由に選択して組み合わせてもよい。また、本発明では、前記凸部の途中に段差を設けたり、前記凸部の途中にウェーブを設けたりすることもできる。
【0046】
前記凸部の配列形態は特に限定されず、例えば、前記凸部を四角格子状、千鳥状、又は不規則に配列させることができる。なお、本明細書では、千鳥状に配置させることには、
図6に示すように、所定の基準方向に沿って視たときに、隣接する前記凸部同士が互い違うように配置される状態も含まれるものとする。
【0047】
また、前記凸部を千鳥状に配列させた場合、横方向の中空部21の中心同士を結んだ線と斜め方向の中空部21の中心同士を結んだ線とがなす角度θ2(
図3のB参照)は特に限定されないが、θ2=60°とすることが好ましい。これにより、内装用中空構造板1の剛性を向上できる。なお、「四角格子状」とは、θ2=90°とした場合の配列を意味する。
【0048】
中空部21の開口部212間の最短距離Lも特に限定されないが、0.2〜8mmとすることが好ましい。最短距離Lを0.2mm以上とすることにより、ライナー部(中空部21を一定の方向から視た際に、中空部21が存在しない部分)の厚みが薄くなり過ぎることを防げるため、圧縮強度の低下を回避できる。また、最短距離Lを8mm以下とすることにより、中空部21間の距離が長くなり過ぎて単位面当たりの中空部21の数が減りすぎることを回避できるため、内装用中空構造板1の曲げ剛性を一定以上に保つことができる。なお、本発明に係る内装用中空構造板1において、最短距離Lは、常に一定でなくてもよい。
【0049】
本発明では、前述した少なくとも一方の面に中空状の凸部が複数形成された1又は2枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とは、より具体的には、例えば、
図1で示したような、一方の面に錐台形状の凸部が複数形成された1枚の熱可塑性樹脂シートからなる構造とすることができる。この構造を採用することにより、平面圧縮強度を保持しつつ、加工性にも優れた内装用中空構造板1を提供できる。なお、この構造の内装用中空構造板1は、例えば、後述する
図9に示す製造方法等により製造することができる。
【0050】
<表面材31>
本発明において、表面材31及び後述する裏面材32は、前述した中空構造部2を挟持する。なお、本発明では、この表面材31に対し、後述する表皮材が積層されていてもよい。
【0051】
本発明では、色差計で測定された表面材31の色は、L*a*b*表色系における明度(L*)が70以上の白色であることを特徴とする。これにより、内装用中空構造板1を貼り付けることで形成された、独立空間の視認性を良好にすることができる。また、独立空間内に入った際に、ギラツキ等の目に不快な印象を与えず、意匠性も向上できる。
【0052】
また、本発明では、表面材31は、測定角20°における鏡面光沢度が8以下であることも特徴とする。これにより、表面のギラツキを抑えて内装材として使用したときの視認性を良好にすることができ、意匠性の向上も図ることができる。更に、本発明では、測定角20°における鏡面光沢度が5以下とすることが好ましい。「鏡面光沢度」は、市販の光沢計を用いて測定することができる。光沢計としては、例えば、スガ試験機株式会社製の携帯光沢計HG268等を用いることができる。
【0053】
表面材31の厚みは特に限定されないが、0.2mm以上とすることが好ましい。0.2mm以上とすることにより、表面材31の明度を向上させ、意匠性を向上できる。
【0054】
表面材31の780nmの波長における分光反射率は特に限定されないが、70%以上とすることが好ましく、75%以上とすることがより好ましい。70%以上とすることにより、表面のギラツキを更に抑えて、内装材として使用したときの視認性を良好にすることができる。
【0055】
表面材31の材質は熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、通常、中空構造板に用いることが可能な熱可塑性樹脂を、1種又は2種以上自由に組み合わせて用いることができる。なお、熱可塑性樹脂の具体例は前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0056】
表面材31の材質としては、これらの中でも特に、加工性、コスト、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、本発明では、更に高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。
【0057】
表面材31の目付は特に限定されないが、100g/m
2以上とすることが好ましい。目付を100g/m
2以上とすることにより、中空構造部2に表面材31を積層する際に、表面材31が薄くなり過ぎて破けることを防止できる。
【0058】
本発明では、内装用中空構造板1が表面材31を複数有していてもよく、この場合、複数の表面材31の厚みは同一としてもよいし、異なるものであってもよい。また、各表面材を、同一の材質で形成してもよいし、異なる材質で形成してもよい。
【0059】
<裏面材32>
前述の通り、本発明では、色差計で測定された中空構造部2及び/又は裏面材32の色は、L*a*b*表色系における明度(L*)が60以下の灰色又は黒色であることを特徴とする。これにより、内装用中空構造板1を貼り付けることで形成された、独立空間の視認性及び遮蔽性を良好にすることができる。また、独立空間内に入った際に、ギラツキ等の目に不快な印象を与えず、意匠性も向上させることができる。
【0060】
本発明では、裏面材32の厚みは特に限定されないが、0.1mm以上とすることが好ましい。0.1mm以上とすることにより、内装用中空構造板1の剛性を保つことができる。
【0061】
裏面材32の材質は熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、通常、中空構造板に用いることが可能な熱可塑性樹脂を、1種又は2種以上自由に組み合わせて用いることができる。なお、熱可塑性樹脂の具体例は前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0062】
裏面材32の材質としては、これらの中でも特に、加工性、コスト、重量及び物性の観点から、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマー等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、本発明では、更に高い剛性を得るため、ABS樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリング・プラスチックを用いることもできる。
【0063】
裏面材32の目付は特に限定されないが、100g/m
2以上とすることが好ましい。目付を100g/m
2以上とすることにより、中空構造部2に裏面材32を積層する際に、裏面材32が薄くなり過ぎて破けることを防止できる。
【0064】
本発明では、内装用中空構造板1が裏面材32を複数有していてもよく、この場合、複数の裏面材32の厚みは同一としてもよいし、異なるものであってもよい。また、各裏面材を、同一の材質で形成してもよいし、異なる材質で形成してもよい。
【0065】
<表皮材>
本発明では、前述した表面材31及び/又は裏面材32に、更に表皮材を積層することができる。本発明に係る内装用中空構造板1が表皮材を備えることにより、内装用中空構造板1に対し、意匠性、吸音特性、断熱性などの各種用途に応じた特性を付与することができる。
【0066】
表皮材の材質は特に限定されず、通常、中空構造板の表皮材として用いることができる材料を、目的の用途などに応じて自由に選択して用いることができる。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂シート、樹脂製の織布、不織布、組布、編み物、ステンレス、アルミニウム、銅等からなる金属シート、有機系又は無機系多孔質シート等が挙げられる。また、複数の同種又は異種のシートを積層した積層シート等を表皮材として用いることも可能である。
【0067】
本発明では、内装用中空構造板1は表皮材を複数有していてもよく、この場合、複数の表皮材の厚みは同一としてもよいし、異なるものであってもよい。また、各表皮材を、同一の材質で形成してもよいし、異なる材質で形成してもよい。
【0068】
2.内装用中空構造板1の製造方法
本発明に係る内装用中空構造板1は、その構成に特徴があるため、その製造方法は特に限定されない。すなわち、本発明に係る内装用中空構造板1の製造には、通常、中空構造板を製造する際に用いられる方法を、1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。なお、
図9及び10において、矢印jは内装用中空構造板1の流れ方向を示す。
【0069】
図9は、本発明に係る内装用中空構造板1の製造方法の一例を示す概念図である。
図9で示した製造方法では、まず、溶融状態の熱可塑性樹脂Pを、金型D1、D2で両側からプレスすることにより、
図3で示した構造の中空構造部2を製造する。次に、先端にTダイ101が設けられた押出機102から、熱可塑性樹脂を押し出してシート状にした表面材31及び裏面材32を、加熱手段が設けられたローラーR1を用いて熱融着により中空構造部2に積層し、本発明に係る内装用中空構造板1を製造する。
【0070】
図10は、本発明に係る内装用中空構造板1の、
図9とは異なる製造方法の一例を示す概念図である。
図10で示した製造方法では、まず、表面に凸状のピンが複数突設された成形ローラーR2を用いて、該成形ローラーR2の溝に溶融状態の熱可塑性樹脂シートを注入して、
図3で示した構造の中空構造部2を形成する。次に、該中空構造部2の一方の面に表面が平坦な平ローラーR3を用いて裏面材32を熱融着により積層し、その後、中空構造部2の他方の面に加熱手段が設けられたローラーR1を用いて表面材31を熱融着により積層し、内装用中空構造板1を製造する。
【0071】
図10で示した製造方法では、中空構造部2を、表面に凸状のピンが複数突設された成形ローラーR2と、表面が平坦な平ローラーR3とが、その回転軸が相互に平行となるように配置された真空形成装置によって製造を行っている。成形ローラーR2と平ローラーR3とは、それぞれ、減圧チャンバー103a、103b内に設置されている。また、減圧チャンバー103a、103bには、
図10に示すように、中空構造部2や表面材31、裏面材32を吸引保持するための吸引孔104a、104bを設けることもできる。
【0072】
なお、ここでは図示しないが、表皮材を更に積層する場合は、加熱手段が設けられたローラーRや表面が平坦な平ローラーなどにより、表面材31や裏面材32に、更に表皮材を積層する製造方法等を採用することができる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0074】
1.試験方法及び試験結果
まず、以下の表1及び2に示す実施例1〜8及び比較例1〜4の内装用中空構造板を作製した。実施例1〜6及び比較例1〜4の内装用中空構造板は、
図1で示した構造を
図9で示した製造方法により作製した。また、実施例7の内装用中空構造板は、
図6で示した構造を
図9で示した製造方法により作製した。更に、実施例8の内装用中空構造板は、
図7及び8で示した構造を、
図9で示した製造方法により作製した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
なお、表1及び2中、PPはポリプロピレンを示す。また、表1及び2中、「色」の行で「ナチュラル」と記載のあるものは、着色していない状態を示す。
【0078】
次に、各内装用中空構造板において、以下の評価を行った。また、以下の評価結果は、表1及び2に併記した。
【0079】
[明度(L*)、彩度(C*)、及びΔE(L*+|a*|+|b*|)の測定](表面材、中空構造部、及び裏面材における測定)
簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社製、NF333)を用いて、測定条件を光源:D65、視野角:10°として、幅200mm、長さ300mm、厚さ0.33mmの各サンプルをn=5測定し、その平均値を求めた。なお、中空構造部は、その形状に凹凸があるため、中空構造部を形成する素材と同一の素材による厚み0.33mmの各サンプルを作成した上で、上記と同様に測定した。
【0080】
[鏡面光沢度の測定](表面材における測定)
携帯光沢計(スガ試験機株式会社製、HG268)を用い、測定条件を測定角度20°として、幅200mm、長さ300mm、厚さ0.33mmの各サンプルをn=5測定し、その平均値を求めた。
【0081】
[分光反射率](表面材における測定)
紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)を用い、JISZ8722を参考に、測定条件を波長780nmとして、幅30mm、長さ30mmの各サンプルをn=5測定し、その平均値を求めた。
【0082】
[全光線透過率の測定]
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH200)を用い、JISK7361−1を参考に、幅65mm、長さ85mmの各サンプルをn=5測定し、その平均値を求めた。
【0083】
[表面材におけるギラツキの程度の評価]
表面材におけるギラツキは、5名の人が審査員となり、ギラツキが不快に感じた人数が3名以上で×、2名以下を○として判定した。
【0084】
[表面材における中空構造部の透けの程度の評価]
表面材における中空構造部の透けは、5名の人が審査員となり、中空構造部の透けが気になった人数が1名以下を◎、2名以下を○、3名以上を×として判定した。
【0085】
[意匠性の評価]
意匠性は、200mm×200mmのサイズの各サンプルを5名の人が審査員となり、独立空間の視認性及び遮蔽性の観点から、意匠的価値が高いと判断した人数が5名を◎、3名以上を○、2名以下を×として判定した。
【0086】
2.考察
実施例1〜8の内装用中空構造板は、全光線透過率がいずれも5%以下であり、かつ、表面材におけるギラツキや表面材における中空構造部の透けも防止されていた。また、内装用中空構造板としての意匠性も高かった。その一方で、比較例1〜4の内装用中空構造板においては、これら全ての要件を満たすものはなかった。
【0087】
したがって、本試験結果から、色差計で測定された表面材の色を、L*a*b*表色系における明度(L*)が70以上の白色とし、表面材を、測定角20°における鏡面光沢度が8以下とし、かつ、色差計で測定された中空構造部及び/又は裏面材の色を、L*a*b*表色系における明度(L*)が60以下の灰色又は黒色とすることにより、見栄えの良い内装用中空構造板が提供できることが分かった。