特許第6971818号(P6971818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971818近接センサ及びこれを備えたキーレスエントリ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971818
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】近接センサ及びこれを備えたキーレスエントリ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20211111BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20211111BHJP
   E05B 81/78 20140101ALI20211111BHJP
   E05B 85/16 20140101ALI20211111BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01H36/00 X
   E05B49/00 J
   E05B81/78
   E05B85/16 C
   B60R25/24
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-235323(P2017-235323)
(22)【出願日】2017年12月7日
(65)【公開番号】特開2019-102385(P2019-102385A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
(72)【発明者】
【氏名】名越 朗
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−221948(JP,A)
【文献】 特開2015−200117(JP,A)
【文献】 特開平08−115644(JP,A)
【文献】 特開平11−040022(JP,A)
【文献】 特開2013−110057(JP,A)
【文献】 特開2003−221949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
E05B 49/00
E05B 81/78
E05B 85/16
B60R 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が開放された中空部を有し、車両用ドアの外面側に設けられたケースと、
該ケースの中空部の底面部にインサート成形によって一体化され、静電容量の変化によってユーザーの接触を検出する検出電極と、
該検出電極から前記ケースの中空部内に突出した接続部と、
該接続部に電気的に接続され、前記ケースの中空部内の前記検出電極と重複する位置に配置された回路基板と、
前記検出電極と外部装置とを電気的に接続するケーブルと、
を備えた近接センサにおいて、
前記回路基板と前記ケーブルとを電気的に接続する接続端子を、前記ケースの底面部から立設された側面部に樹脂成形によって一体的に設けたことを特徴とする近接センサ。
【請求項2】
前記接続端子に電気的に接続されるケーブル端子を前記ケーブルに設け、該ケーブル端子と前記接続端子とが電気的に接続された状態で、両者を樹脂成形によって前記ケースに一体的に設けたことを特徴とする請求項1記載の近接センサ。
【請求項3】
ーブル端子を前記接続端子の一部として設け、前記ケーブルに形成されたコネクタ端子と前記ケーブル端子とを電気的に接続するコネクタ部を前記ケースに形成したことを特徴とする請求項1記載の近接センサ。
【請求項4】
前記ケースの中空部をポッティング材又は低圧モールドによって封止したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の近接センサ。
【請求項5】
前記ケースに、車両用ドアの外面側に設けられたドアハンドルに取り付け可能な取付部を一体的に形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の近接センサ。
【請求項6】
前記検出電極を、前記回路基板に形成された検出回路に電気的に接続された平板状の駆動電極と受信電極とで構成し、これらの駆動電極と受信電極とを前記回路基板に対向させて並設したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の近接センサ。
【請求項7】
車両のドアハンドル内に組み込まれた近接センサと、
該近接センサと携帯用送信機との間で信号を送受信するアンテナと、
車両のドアを施錠又は解錠するアクチュエータと、
前記アンテナが前記携帯用送信機から受信したコード信号と車両固有のコード信号とが一致したことを検出するとともに、前記近接センサの出力によって該近接センサのON/OFFを検出し、前記近接センサがONした場合に前記アクチュエータを駆動して前記ドアを施錠又は解錠するコントローラと、
を備えたキーレスエントリ装置において、
前記近接センサを請求項1〜6の何れかに記載の近接センサで構成するとともに、前記コントローラは、前記近接センサの出力低下分が所定の閾値を超えた場合に該近接センサがONしたものと判定するようにしたことを特徴とするキーレスエントリ装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記近接センサがONしたものと判定した場合に、前記ドアを施錠又は解錠する前記アクチュエータを反転制御することを特徴とする請求項7記載のキーレスエントリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアハンドル内に組み込まれる近接センサとこれを備えたキーレスエントリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用ドアの開閉操作の利便性を高めるため、コード信号を送信する携帯用送信機が内蔵された電子キーを携帯した運転者が車両に接近/離間するだけで車両のドアの施錠(ロック)と解錠(アンロック)が行われるキーレスエントリ装置が開発され、既に実用に供されている。
【0003】
斯かるキーレスエントリ装置を採用する車両のドアハンドル装置には、コード信号等の送受信を行うアンテナと、運転者がドアハンドルに接近又は接触したことを静電容量の変化によって検出する近接センサが設けられている。そして、電子キーを携帯した運転者がドアを開けるためにドアハンドルに触ると、それをドアハンドルに内蔵された近接センサが検出し、車両の認証装置からアンテナを介して電子キーに向けてリクエスト信号が送信される。すると、リクエスト信号を受信した電子キーは、車両の認証装置に対して自己のコード信号を送信し、そのコード信号を受信した車両の認証装置は、受信したコード信号に含まれるコード信号が予め記憶されている固有のコード信号と一致する場合には認証OKとし、ドアロック装置のアクチュエータを駆動してドアを開放可能な解錠(アンロック)状態とする。
【0004】
ところで、特許文献1には、ドアハンドル内に設けられたアンテナと近接センサ(静電容量センサ)の検出電極をモールド用合成樹脂によって一体的にモールド成形してユニット化することによって、アンテナの保護と取り扱い性の容易化を図って組付作業性を高めるようにした提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−224410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1において提案された構成では、近接センサとしてロックセンサとアンロックセンサが設けられており、アンテナとアンロックセンサが大型化しているために近接センサを小型化することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、構成の簡素化によって小型化を図ることができる近接センサとこれを備えたキーレスエントリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
一面が開放された中空部を有し、車両用ドアの外面側に設けられたケースと、
該ケースの中空部の底面部にインサート成形によって一体化され、静電容量の変化によってユーザーの接触を検出する検出電極と、
該検出電極から前記ケースの中空部内に突出した接続部と、
該接続部に電気的に接続され、前記ケースの中空部内の前記検出電極と重複する位置に配置された回路基板と、
前記検出電極と外部装置とを電気的に接続するケーブルと、
を備えた近接センサにおいて、
前記回路基板と前記ケーブルとを電気的に接続する接続端子を、前記ケースの底面部から立設された側面部に樹脂成形によって一体的に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接続端子に電気的に接続されるケーブル端子を前記ケーブルに設け、該ケーブル端子と前記接続端子とが電気的に接続された状態で、両者を樹脂成形によって前記ケースに一体的に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、ケーブル端子を前記接続端子の一部として設け、前記ケーブルに形成されたコネクタ端子と前記ケーブル端子とを電気的に接続するコネクタ部を前記ケースに形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記ケースの中空部をポッティング材又は低圧モールドによって封止したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記ケースに、車両用ドアの外面側に設けられたドアハンドルに取り付け可能な取付部を一体的に形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記検出電極を、前記回路基板に形成された検出回路に電気的に接続された平板状の駆動電極と受信電極とで構成し、これらの駆動電極と受信電極とを前記回路基板に対向させて並設したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、
車両のドアハンドル内に組み込まれた近接センサと、
該近接センサと携帯用送信機との間で信号を送受信するアンテナと、
車両のドアを施錠又は解錠するアクチュエータと、
前記アンテナが前記携帯用送信機から受信したコード信号と車両固有のコード信号とが一致したことを検出するとともに、前記近接センサの出力によって該近接センサのON/OFFを検出し、前記近接センサがONした場合に前記アクチュエータを駆動して前記ドアを施錠又は解錠するコントローラと、
を備えたキーレスエントリ装置において、
前記近接センサを請求項1〜6の何れかに記載の近接センサで構成するとともに、前記コントローラは、前記近接センサの出力低下分が所定の閾値を超えた場合に該近接センサがONしたものと判定するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記コントローラは、前記近接センサがONしたものと判定した場合に、前記ドアを施錠又は解錠する前記アクチュエータを反転制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜6記載の近接センサによれば、ロックセンサとアンロックセンサを兼ねる単一の検出電極を用いるため、この検出電極を備える近接センサの構造が簡素化し、該近接センサを必要最小限の大きさとしてモジュール化することができる。又、ケーブル端子と接続端子とが電気的に接続された状態で、両者を樹脂成形によってケースに一体的に設けたため、これらのケーブル端子と接続端子との接続部の防水性と強度が高められる。
【0017】
請求項7及び8記載のキーレスエントリ装置によれば、近接センサがONしたものと判定した場合、コントローラは、ドアを施錠又は解錠するアクチュエータを反転制御するようにしたため、単一の検出電極がロックセンサとアンロックセンサの機能を果たすことができ、該検出電極を備える近接スイッチと該近接スイッチを含むキーレスエントリ装置の小型化を図ることができる。又、近接センサにアンテナをモジュールする必要がないため、近接センサとこれを備えるキーレスエントリ装置を一層小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る近接センサが組み込まれた車両用ドアハンドルの側面図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る近接センサが組み込まれた車両用ドアハンドルの別形態を示す側面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る近接スイッチを示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のB−B線断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る近接センサの回路基板を組み込む前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る近接センサのケース中空部を封止する前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のD−D線断面図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る近接センサを示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のE−E線断面図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る近接センサの回路基板を組み込む前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のF−F線断面図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る近接センサのケース中空部を封止する前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のG−G線断面図である。
図10】本発明に係るキーレスエントリ装置のシステム構成を示すブロック図である。
図11】本発明に係るキーレスエントリ装置の電気回路図である。
図12】本発明に係るキーレスエントリ装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明に係る近接スイッチの実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
[近接センサ]
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る近接センサが組み込まれた車両用ドアハンドルの側面図、図2図1のA−A線断面図であり、図示のドアハンドル10は、車両の乗降口を開閉する不図示のドアに取り付けられている。このドアハンドル10は、ドアのアウタパネル11(図2参照)に取り付けられた車両前後方向(図1の左右方向)に長いハンドルグリップ12と、該ハンドルグリップ12の後端部(図1の左端部)に連なるハンドルキャップ13を備えている。尚、ハンドルグリップ12とハンドルキャップ13は、非導電性樹脂によって構成されている。
【0021】
上記ハンドルキャップ13は、車体側に固定されており、その内部には本発明の実施の形態1に係る近接センサ1とキーシリンダ14が組み込まれている。又、ハンドルグリップ12は、その前端部(図1の右端部)を中心として図2の矢印方向に回転可能に支持されている。尚、キーシリンダ14は、バッテリ上がり等の非常時にキーを差し込んで回転させることによってドアをロック/アンロックするものである。
【0022】
ところで、ハンドルキャップ13の内部に組み込まれた近接センサ1は、図2に示すように、ケース2に挿通するネジ3をハンドルキャップ13にねじ込むことによって該ハンドルキャップ13に取り付けられている。ここで、ハンドルグリップ12には、アンテナやアンロックセンサ等は組み込まれておらず、ユーザーがドアハンドル10に接近又は接触すると、静電容量の変化によって近接センサ1がON信号を出力し、このON信号によって不図示のドアロック装置によるドアのロック/アンロックの反転制御が行われる。尚、図3に示すように、ハンドルキャップ13が設けられておらず、キーシリンダ14をハンドルグリップ12で隠すタイプのドアハンドル10’においては、近接センサ1がハンドルグリップ12の内部に組み込まれる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態1に係る前記近接センサ1の構成と組立手順を図4図6に基づいて以下に説明する。
【0024】
図4は本発明の実施の形態1に係る近接センサを示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のB−B線断面図であり、図示の近接センサ1は、図1及び図2に示すドアハンドル10のハンドルキャップ13内に組み込まれるものであって、車両用ドアの外面側に設けられたケース2と、該ケース2の中空部Sの底面部2Aに配置された検出電極4と、該検出電極4と外部装置とを電気的に接続するケーブル5と、ケース2の中空部S内の検出電極4と平面視で重複する位置に配置された矩形平板状の回路基板6と、回路基板6とケーブル5とを電気的に接続する接続端子7を備えており、回路基板6が収容されたケース2の中空部Sをポッティング材等の充填材8によって封止することによって構成されている。尚、ケース2の中空部Sを低圧モールドによって封止しても良い。又、ケース2の中空部Sに別部材のカバーを設け、中空部Sの開口部をカバーによって塞ぐ構成としても良い。
【0025】
ここで、以上のように構成された近接センサ1の組立要領を図5及び図6に基づいて以下に説明する。
【0026】
図5は本発明の実施の形態1に係る近接センサの回路基板を組み込む前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のC−C線断面図、図6は同近接センサのケース中空部を封止する前の状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のD−D線断面図である。
【0027】
前記ケース2は、非導電性樹脂によって矩形ボックス状に一体成形されており、一面が開放された中空部Sを有している(図5(c)参照)。そして、このケース2の中空部Sの底面部2Aには、検出電極4を構成する駆動電極4Aと受信電極4Bがインサート成形によって一体化されている。これらの駆動電極4Aと受信電極4Bは、静電容量の変化によって当該近接センサ1へのユーザーの接近又は接触を検出するためのものであって、図5(b)に示すように、導電性の細長い矩形金属板で構成されており、これらは回路基板6に対向して互いに平行に並設されている。尚、本実施の形態では、駆動電極4Aと受信電極4Bで構成される相互容量方式としているが、自己容量方式を適用し、1枚の電極で近接センサを構成しても良い。
【0028】
そして、図5(c)に示すように、上記駆動電極4Aと受信電極4Bの長手方向一端(図5(c)の左端)には、直角に折り曲げられた接続部4a,4bがそれぞれ形成されており、これらの接続部4a,4bは、ケース2の中空部S内に突出している。
【0029】
ここで、前記ケース2の長手方向一端(図5の左端)の幅方向中央には、水平に突出するブラケット状の取付部2Bが一体に形成されている。そして、この取付部2Bには、図2に示す前記ネジ3が挿通するための円孔2aが形成されている。
【0030】
又、ケース2の長手方向他端(図5の右端)には、底面部2Aから一体に立設された側面部2Cが形成されており、この側面部2Cには、導電性の矩形金属板から成る2つの前記接続端子7がインサート成形(樹脂成形)によって一体的に設けられている。これらの接続端子7は、互いに平行に並設されており、各接続端子7の長手方向一端(図5(b)の左端)から幅方向外方(図5(b)の上下方向)へと延びる部分は、直角に折り曲げられた接続部7aを構成しており、これらの接続部7aは、図5(c)に示すように、ケース2の中空部S内に突出している。
【0031】
更に、2つの接続端子7の長手方向他端(図5(b)の右端)は、直角に折り曲げられて平板状に成形されている。そして、ケース2の側面部2Cの幅方向両端にはボス部2Dがそれぞれ形成されており(図5(b)参照)、各ボス部2Dには前記ケーブル5の端部がそれぞれ差し込まれている。ここで、ケーブル5は、検出電極4を構成する駆動電極4Aと受信電極4Bを外部装置に電気的に接続するものであって、その各一端には導電性金属から成るケーブル端子5Aが設けられている。
【0032】
而して、図5(c)に示すように、各ケーブル5のケーブル端子5Aと各接続端子7は、両者が電気的に接続された状態で、インサート成形(樹脂成形)によってケース2に一体的に設けられている。
【0033】
以上のように、ケース2の底面部2Aに検出電極4を構成する駆動電極4Aと受信電極4Bがインサート成形によって一体的に設けられ、各ケーブル5のケーブル端子5Aと各接続端子7がインサート成形(樹脂成形)によってケース2に一体的に設けられ、駆動電極4Aと受信電極4Bの各接続部4a,4b及び2つの接続端子7の各接続部7aがケース2の中空部Sに突出している状態において、図6(c)に示すように、回路基板6がケース2の中空部Sに組み込まれる。具体的には、回路基板6の4箇所(駆動電極4Aと受信電極4Bの各接続部4a,4b及び接続端子7の各接続部7aに対応する箇所)には、円孔6aがそれぞれ形成されており(図6(b)参照)、これらの各孔6aに駆動電極4Aと受信電極4Bの各接続部4a,4b及び接続端子7の各接続部7aを通して回路基板6をケース2の中空部Sに組み込み、該回路基板6がケース2の段部2bに当接した状態で、回路基板6と各接続部4a,4b,7aとをハンダ付けして両者を電気的に接続する(図6(b)参照)。すると、回路基板6が図6(c)に示すようにケース2の中空部S内に収容固定され、該回路基板6とこれに電気的に接続された駆動電極4A及び受信電極4Bと各接続端子7の各接続部4a,4b,7a、接続端子7に電気的に接続されたケーブル端子5Aを介して駆動電極4Aと受信電極4Bがケーブル5を経て外部装置と電気的に接続される。
【0034】
上述のようにして回路基板6がケース2の中空部S内に収容固定されると、図4(b),(c)に示すように、ケース2の中空部Sをポッティング材等の充填材8によって封止することによって、図4に示す近接センサ1が得られる。
【0035】
以上のように、本実施の形態に係る近接センサ1によれば、ロックセンサとアンロックセンサを兼ねる一対の駆動電極4Aと受信電極4Bから成る単一の検出電極4を用いるため、この検出電極4を備える近接センサ1の構造が簡素化し、該近接センサ1を必要最小限の大きさとしてモジュール化することができる。
【0036】
又、ケーブル端子5Aと接続端子7とが電気的に接続された状態で、両者をモールド成形(樹脂成形)によってケース2に一体的に設けたため、これらのケーブル端子5Aと接続端子7との接続部の防水性と強度が高められるという効果が得られる。
【0037】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2に係る近接センサを図7図9に基づいて以下に説明する。
【0038】
図7は本発明の実施の形態2に係る近接センサを示す図であって、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(b)のE−E線断面図、図8及び図9は同近接センサの組立要領をその工程順に示す図であって、図8(a)は平面図、図8(b)は底面図、図8(c)は図8(b)のF−F線断面図、図9(a)は平面図、図9(b)は底面図、図9(c)は図9(b)のG−G線断面図であり、これらの図においては、図4図6において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0039】
本実施の形態に係る近接センサ1’においては、ケース2に、その底面部2Aから一体に立設された矩形ボックス状のコネクタ部2Eを一体に形成し、ケース2にインサート成形(樹脂成形)によって一体に設けられた2つの接続端子7の直角に折り曲げられた各ケーブル端子7bをコネクタ部7Eの内部に突出させている。
【0040】
そして、ケーブル5の一端に取り付けられたコネクタ端子9をケース2のコネクタ部2E(図8(c)参照)に差し込む込むことによって、回路基板6とこれに電気的に接続された駆動電極4A及び受信電極4Bと各接続端子7の各ケーブル端子7b、各ケーブル端子7bに電気的に接続されたコネクタ端子9を介して駆動電極4Aと受信電極4Bがケーブル5を経て外部装置と電気的に接続される。
【0041】
而して、本実施の形態に係る近接センサ1’においても、前記実施の形態1に係る近接センサ1と同様に、ロックセンサとアンロックセンサを兼ねる一対の駆動電極4Aと受信電極4Bから成る単一の検出電極4を用いるため、この検出電極4を備える近接センサ1’の構造が簡素化し、該近接センサ1’を必要最小限の大きさとしてモジュール化することができる。
【0042】
[キーレスエントリ装置]
次に、本発明に係るキーレスエントリ装置の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
【0043】
図10は本発明に係るキーレスエントリ装置のシステム構成を示すブロック図、図11は同キーレスエントリ装置の電気回路図である。
【0044】
本実施の形態に係るキーレスエントリ装置20は、運転者が携帯用送信機である電子キー21(図10参照)を携帯し、図1に示す車両のドアハンドル10に手を近づけ或いは接触することによって、車両のドアの施錠(ロック)又は解錠(アンロック)を自動的に行わせるものである。
【0045】
而して、本実施の形態に係るキーレスエントリ装置20は、図10に示すように、図1に示すドアハンドル10のハンドルキャップ13内に組み込まれた前記近接センサ1と、該近接センサ1が運転者の手のドアハンドル10への近接又は接触を検知すると電子キー21との間で信号を送受信するアンテナ22と、検出回路23(図11参照)と、車両のドアを施錠又は解錠するラッチ装置等のアクチュエータ24と、近接センサ1の出力によって該近接センサ1のOPN/OFFを検出してアクチュエータ24を反転制御するコントローラ25を含んで構成されている。尚、コントローラ25には、直流電源Vccが接続されている。又、アンテナ22は、ドアハンドル10が配置される車両のドアに近い図示しない車体のセンターピラー等に配設されている。
【0046】
ここで、近接センサ1は、前述のように検出電極4を構成する駆動電極4Aと受信電極4Bを備えており、検出回路23は、図11に示すように、近接センサ1の受信電極4Bとコントローラ25とを接続する経路に設けられており、オペアンプ26とダイオード27を備えている。又、受信電極4Bとコントローラ25とを接続する経路には、充電用のコンデンサCと放電用の抵抗Rが設けられている。
【0047】
ところで、前記コントローラ25は、近接センサ1の駆動電極4Aに対してパルス電圧を印加する機能と、近接センサ1のON/OFFを検出する機能と、近接センサ1のONを検出してアンテナ22から電子キー21に対してリクエスト信号を送信させる機能と、アンテナ22から送信されるリクエスト信号に対して電子キー21からアンテナ22に返信されてくるコード信号と車両に固有のコード信号とを照合する機能と、両コード信号が一致した場合にアクチュエータ24を反転制御して車両のドアを施錠(ロック)又は解錠(アンロック)させる機能を備えている。尚、図示しないが、コントローラ25には、パルス電圧を発生する発振器、該発振器の発振時間を計測するタイマー、計測した電圧値を記憶するメモリ等が内蔵されている。
【0048】
次に、本実施の形態に係るキーレスエントリ装置20のコントローラ25による処理手順を図12に基づいて以下に説明する。
【0049】
図12はキーレスエントリ装置20の処理手順を示すフローチャートであり、先ず、キーレスエントリ装置20が動作すると、コントローラ25から近接センサ1の駆動電極4Aに対して所定の周波数(例えば、125kHz)のパルス電圧が印加される(図12のステップS1)。
【0050】
すると、近接センサ1の駆動電極4Aと受信電極4Bとの間に電界が発生し、駆動電極4Aから受信電極4Bに向かって電気力線が発生し、受信電極4Bに電圧が誘起される。この受信電極4Bに誘起された電圧は、検出回路23のオペアンプ26によって増幅されてコンデンサCを充電する(ステップS2)。
【0051】
而して、例えば、運転者が停車中の車両に乗り込むために施錠(ロック)状態にあるドアを開ける場合には、運転者が図1に示すドアハンドル10のハンドルキャップ13付近に近づけ或いは接触した場合には、該ドアハンドル10に組み込まれた近接センサ1の駆動電極4Aから受信電極4Bに向かって発生する電気力線の一部が誘電体である運転者の手によって吸収される。このため、発生した電気力線数が減少して受信電極4Bに誘起される電圧が低下し、コンデンサCに充電される電荷(電圧)も低下する。
【0052】
他方、運転者が車両から降りてドアを閉じ、解錠(アンロック)状態にあるドアを施錠(ロック)状態とするために手をドアハンドル10のハンドルキャップ13付近に近づけ或いは接触した場合には、近接センサ1の駆動電極4Aから受信電極4Bに向かって発生する電気力線の一部が誘電体である運転者の手によって吸収される。このため、発生した電気力線数が減少して受信電極4Bに誘起される電圧が低下し、コンデンサCに充電される電荷(電圧)も低下する。
【0053】
以上のパルス電圧の印加とコンデンサCへの充電は、予め設定された所定時間だけ行われる。即ち、コントローラ25は、これに内蔵された不図示のタイマーによって計測される時間が所定時間を経過したか否かを判定し(ステップS3)、所定時間が経過していない場合(ステップS3:No)には、以上の処理(発振と充電)を繰り返し、所定時間が経過すると(ステップS3:Yes)、パルス電圧の印加を停止する(ステップS4)。
【0054】
その後、充電されたコンデンサCの電圧値を測定し(ステップS5)、測定した電圧値を不図示のメモリに記憶する(ステップS6)。そして、今回測定した電圧値と前回測定した電圧値との電位差ΔVが所定の閾値Aを超えたか否かを判定する(ステップS7)。尚、図1に示すドアハンドル10に運転者の手が近接又は接触した場合には、前述のようにコンデンサCに充電される電荷量が減少するため、計測されるコンデンサCの電圧値は前回計測された電圧値よりも低くなる。
【0055】
上述のように今回測定された電圧値と前回測定された電圧値との電位差ΔVと所定の閾値Aとの比較がなされると(ステップS7)、コンデンサCに充電されていた電荷は、コントローラ25が電圧値を読み込んだ時点で抵抗Rによって放電される(ステップS8,S15)。
【0056】
而して、ステップS7での判定の結果、今回測定された電圧値と前回測定された電圧値との電位差ΔVが所定の閾値Aを超えた(ΔV>A)場合(ステップS7:Yes)には、近接センサ1がONしたものと判定される(ステップS9)。このように近接センサ1がONしたものと判定されると、コントローラ25は、運転者が携帯する電子キー21に対してリクエスト信号を送信する(ステップS10)。そして、このリクエスト信号を受信した電子キー21は、アンテナ22に向けてコード信号を返信する(ステップS11)。
【0057】
すると、コントローラ25は、電子キー21から返信されたコード信号と車両に固有のコード信号とを照合し、両者が一致するか否かを判定する(ステップS12)。この判定の結果、電子キー21から返信されたコード信号と車両に固有のコード信号とが一致した場合(ステップS12:Yes)には、アクチュエータ24を反転制御してドアを施錠(ロック)又は解錠(アンロック)する(ステップS13)。例えば、ドアが施錠(ロック)状態にあるときにアクチュエータ24が反転制御されると、ドアが解錠(アンロック)され、逆にドアが解錠(アンロック)状態にあるときにアクチュエータ24が反転制御されると、ドアが施錠(ロック)される。
【0058】
上述のように、アクチュエータ24が反転制御されてドアが施錠(ロック)又は解錠(アンロック)されると一連の処理が終了し、以後は同様の処理が繰り返される(ステップS14)。
【0059】
他方、ステップS7での判定の結果、今回測定された電圧値と前回測定された電圧値との電位差ΔVが所定の閾値A以下(ΔV≦A)である場合(ステップS7:No)には、コンデンサCに充電されていた電荷は、コントローラ25が電圧値を読み込んだ時点で抵抗Rによって放電され(ステップS15)、近接センサ1はOFF状態にあるものと判断される(ステップS16)。又、ステップS12での判定の結果、電子キー21から返信されてきたコード信号と車両に固有のコード信号とが一致しない場合(ステップS12:No)には、そのまま処理を終了し、以後、同様の処理が繰り返される(ステップS14)。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係るキーレスエントリ装置20によれば、近接センサ1がONしたものと判定した場合、コントローラ25は、ドアを施錠(ロック)又は解錠(アンロック)するアクチュエータ24を反転制御するようにしたため、一対の駆動電極4Aと受信電極4Bから成る単一の検出電極4がロックセンサとアンロックセンサの機能を果たすことができ、該検出電極4を備える近接スイッチ1と該近接スイッチ1を含むキーレスエントリ装置20の小型化が図られる。
【0061】
又、近接センサ1にアンテナ22をモジュールする必要がないため、近接センサ1とこれを備えるキーレスエントリ装置20を一層小型化することができるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
1,1’ 近接センサ
2 ケース
2A ケースの底面部
2B ケースの取付部
2C ケースの側面部
2D ケースのボス部
2E ケースのコネクタ部
2a ケースの円孔
2b ケースの段部
3 ネジ
4 検出電極
4A 駆動電極
4B 受信電極
4a 駆動電極の接続部
4b 受信電極の接続部
5 ケーブル
5A ケーブル端子
6 回路基板
6a 回路基板の円孔
7 接続端子
7a 接続端子の接続部
7b 接続端子のケーブル端子
8 充填材
9 コネクタ端子
10 ドアハンドル
11 ドアのアウタパネル
12 ハンドルグリップ
13 ハンドルキャップ
14 キーシリンダ
20 キーレスエントリ装置
21 電子キー(携帯用送信機)
22 アンテナ
23 検出回路
24 アクチュエータ
25 コントローラ
26 オペアンプ
27 ダイオード
S ケースの中空部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12