(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記フォーカスガイドが対応するフォーカス測定領域のフォーカス状況に基づいて前記フォーカスガイドの表示形態を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
前記所定の条件とは、前記第1のフォーカス測定領域の全体が、前記移動指示により位置が変更された拡大範囲の外に出たことである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記所定の条件とは、前記第1のフォーカス測定領域の所定の割合を超える領域が前記移動指示により位置が変更された拡大範囲の外に出た、ことであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記所定の条件とは、前記第1のフォーカス測定領域が、前記移動指示により位置が変更された拡大範囲の内側における特定の範囲の外に出ることである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記第1の表示処理は、前記撮像画像の、前記第1のフォーカス測定領域を中心とした拡大範囲の画像を拡大した拡大画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記制御手段は、前記第2のフォーカス測定領域を設定した後にも、前記第1のフォーカス測定領域をサブ枠領域として記憶手段に記憶しておくことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記制御手段は、前記第2のフォーカス測定領域を設定した際に前記第1のフォーカス測定領域の少なくとも一部が拡大範囲の内部にある場合、前記第1のフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドの表示をサブ枠の表示に変更することを特徴とする請求項12に記載の表示制御装置。
前記制御手段は、前記フォーカスガイドが対応するフォーカス測定領域の合焦度合いに基づいて前記フォーカスガイドの表示形態を変化させることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の表示制御装置。
前記制御手段は、前記フォーカスガイドが対応するフォーカス測定領域に関して取得されたデフォーカス量に基づいて前記フォーカスガイドの表示形態を変化させることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の表示制御装置。
撮像画像における、第1のフォーカス測定領域を含む拡大範囲の拡大画像と前記第1のフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドを表示部に表示させる第1の表示工程と、
所定の条件を満たさないユーザからの移動指示に応じて、前記撮像画像において拡大範囲を移動し、該移動指示により位置が変更された拡大範囲の拡大画像と前記第1のフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドを前記表示部に表示させる第2の表示工程と、
前記所定の条件を満たすユーザからの移動指示に応じて、該移動指示により位置が変更された拡大範囲の所定の領域に新たに第2のフォーカス測定領域を設定し、当該拡大範囲の拡大画像と前記第2のフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドを前記表示部に表示させる第3の表示処理と、
を有することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載された表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
[第1実施形態]
<ハードウェア構成>
図1に、第1実施形態の表示制御装置の一例としてのデジタルカメラ10のハードウェア構成の一例を示す。
図1において、筺体100は、デジタルカメラ10の構成要素の多くを内包する外装である。各種の操作部(124〜135)や表示部107、外部出力部121は筺体100の表面に露出している。交換レンズ101は、複数のレンズ群からなる撮影レンズであり、フォーカスレンズ、ズームレンズ、シフトレンズを内部に備えるほか、絞りを含む。
【0011】
撮像素子102は、光電変換素子を有する画素が複数、二次元状に配列された構成を有する。撮像素子102は、交換レンズ101により結像された被写体光学像を各画素で光電変換し、さらにA/D変換回路によってアナログ・デジタル変換して、画素単位の画像信号(RAW画像データ)を出力する。測距部108は、撮像素子102からの出力信号に基づいてデフォーカス量や各種信頼性などの情報を算出する。なお、撮像素子102と、関連する測距部108の詳細については、
図2とともに後述する。NDフィルタ103はレンズに備えられた絞りとは別に入射光量を調整する。
【0012】
画像処理部118は、撮像素子102に起因するレベル差を補正する。例えば、OB領域(optical black領域)の画素を用いて、有効領域の画素のレベルを補正する。また、画像処理部118は、欠陥画素に対する周囲画素を用いた補正、周辺光量落ちに対する補正、色補正、輪郭強調、ノイズ除去、ガンマ補正、ディベイヤー、圧縮などの各処理を行う。画像処理部118は、撮像素子102から入力されたRAW画像データに対して上記処理を行うと、その他の制御部へ補正した画像データを出力する。
【0013】
記録媒体I/F部104は、記録媒体105とデジタルカメラ10とのインターフェースであり、記録媒体105に対して、画像処理部118から入力された画像データの記録や記録した画像データの読み出しを制御する。記録媒体105は、撮影された映像あるいは画像データを記録するための半導体メモリ等で構成される記録媒体であり、記録媒体I/F部104による制御に応じて画像データの記録や記録された画像データの読み出しを実行する。本実施形態では、記録媒体105として着脱可能記録媒体(例えばメモリーカード)が用いられるものとするが、内蔵の記録媒体でもよい。
【0014】
GPU115は、ビデオカメラの各種情報表示やメニュー画面をVRAM(不図示)に描画するレンダリングエンジンであり、文字列や図形の描画機能のほか、拡大縮小描画機能や、回転描画機能、レイヤ合成機能を備えている。VRAMは透過度を表すアルファチャネルを備えており、VRAMに描画された内容を表示I/F部106によって撮像画像や再生画像上にオンスクリーン表示することができる。
【0015】
表示I/F部106は、画像処理部118からの画像データ(撮影画像、再生画像)およびGPU115でVRAMに描画した表示内容に対して、重畳合成およびリサイズ処理を行い、表示部107へ出力する(表示する)。拡大表示モードになっているときは、表示I/F部106は映像データの部分領域に対して重畳合成およびリサイズ処理を行う。拡大表示モードでは、通常時よりも拡大された映像が表示部107に表示されるため、撮影者は、マニュアルフォーカス(以下、MF)での焦点調整操作をより正確に行うことができる。表示部107は、表示I/F部106から出力された画像データを画角確認用に表示する筺体100の側から視認可能な外部モニタ、ファインダ内の表示部を含む。表示部107は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(Organic Light−Emitting Diode Display)などで構成され得る。
【0016】
本体マイコン119は、デジタルカメラ10の全体の動作を制御する制御部であり、マイクロコンピュータなどで構成される。本体マイコン119は、CPU119a、ROM119b、RAM119cを備える。CPU119aは、ROM119bに記憶されたプログラムを、RAM119cに展開して実行することにより、後述の各種フローチャートの動作を実行する。
【0017】
ゲイン制御部109、シャッター制御部110、ND制御部111および絞り制御部112は、いずれも露出制御のためのブロックである。これらは、それぞれ画像処理部118の出力した画像データから本体マイコン119が算出した輝度レベルに基づいて、あるいは撮影者がマニュアル設定した動作パラメータに基づいて、本体マイコン119によって制御される。ゲイン制御部109は、撮像素子102のゲインを制御する。シャッター制御部110は、撮像素子102のシャッタースピードを制御する。ND制御部111は、NDフィルタ103を介して撮像素子102に入射する光量を制御する。絞り制御部112は、交換レンズ101の絞りを制御する。
【0018】
フォーカス制御部113は、本体マイコン119によるデジタルカメラ10のフォーカス駆動状態がオートフォーカス(以下、AF)かマニュアルフォーカス(以下、MF)かによって異なる動作を行う。AFのときは、画像処理部118から出力された画像データを参照して本体マイコン119がフォーカスの合焦情報を算出し、フォーカス制御部113がその合焦情報に基づいて交換レンズ101内部のフォーカスレンズを制御する。あるいは、AFにおいては、撮像面位相差検出によって測距部108から出力されたデフォーカス量を元にフォーカス制御部113が交換レンズ101内部のフォーカスレンズを制御する。MFのときは、フォーカス制御部113はAF制御を停止する。この場合、撮影者が交換レンズ101に組み込まれたフォーカスリング134を回転させることによって、任意のフォーカス調整を行うことができる。
【0019】
なお、本実施形態のAFでは、画像データの部分領域にAF枠を設定し、AF枠内の被写体のみに基づいてフォーカス情報を算出する。また、本実施形態のAFは、ワンショットAFモードとコンティニュアスAFモード(サーボAF)の2つのAF動作モードを備えている。ワンショットAFモードでは、ワンショットAFキー129が押下されたときだけAF制御が行われ、合焦成功または合焦失敗が確定した後はフォーカス制御部113の制御が停止する。コンティニュアスAFモードでは、常にAF制御が行われる。ただし、コンティニュアスAFモードであっても、AFロックキー130の押下によってAFロック状態になっているときは、フォーカス制御部113の制御を停止する。これら2つのAF動作モードの切り替えはメニュー画面内の設定変更によって行われる。
【0020】
防振制御部114は、画像処理部118から出力された画像データを参照して本体マイコン119により算出された被写体の動きベクトルをもとに手ブレを相殺するように交換レンズ101内部のシフトレンズを制御する光学式防振処理を行う。あるいは、防振制御部114は手ブレによる像ブレを相殺する方向に動画の各フレームで画像を切り出す電子式防振処理を行ってもよい。
【0021】
メモリI/F部116は、撮像素子102から出力された全画素分のRAW画像データをメモリ117に書き込み、また、メモリ117に保持されたRAW画像データを読み出して画像処理部118に出力する。メモリ117は、数フレームの全画素分のRAW画像データを格納する揮発性の記憶媒体である。画像処理部118は、メモリI/F部116から送られた全画素分のRAW画像データに対し、制御に必要な画像処理を行う。
【0022】
外部出力I/F部120は、画像処理部118からの映像データにリサイズ処理を行う。また、外部出力部121の規格に適した信号変換および制御信号の付与を行い、外部出力部121へ出力する。外部出力部121は、映像データを外部出力する端子であり、例えばSDI(Serial Digital Interface)端子やHDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子である。外部出力部121には、外部機器であるモニターディスプレイ、外部記録装置などが接続可能である。
【0023】
外部操作I/F部122は、外部操作部123による制御指示を受信し、本体マイコン119へ通知するインターフェースである。例えば、赤外線リモコン受光部や、無線LAN(Local Area Network)インターフェースや、LANC(登録商標)(Local Application Control bus system)が相当する。外部操作部123は、外部操作I/F部122に対して制御指示(制御コマンド)を送信する。筺体100や交換レンズ101に組み込まれた操作部(124〜135)の各部の操作に相当する指示(コマンド)を送信することができるほか、表示部107で表示するメニュー画面における設定変更情報を送信することができる。
【0024】
メニューキー124〜AF/MFスイッチ135は操作部であり、キー(ボタン)やダイヤル、タクトスイッチ、リング、タッチパネル等の部材により構成される。いずれも撮影者の操作を受けつけ、本体マイコン119に対して制御指示を通知する役割を担っている。メニューキー124〜START/STOPキー133は筺体100に組みつけられている本体側の操作部である。フォーカスリング134とAF/MFスイッチ135は、交換レンズ101に組みつけられているレンズ側の操作部である。これらの操作部の一部は、メニュー画面内の設定によって、キーの役割を交換したり、別の機能にアサインしたりすることも可能である。
【0025】
メニューキー124は、表示部107にメニュー画面を表示する指示、あるいはすでに開いているメニュー画面を閉じる指示を行う。十字キー125およびダイヤル126は、どちらもメニュー画面内で項目を選択するためのカーソルを移動したり、フォーカスに関する枠表示を撮影者の望む方向へ移動したりする指示を行う。十字キー125は、上キー、下キー、左キー、右キーよりなる方向キーであり、それぞれ別体の操作部材であってもいいし、同一の操作部材として構成して押下する位置に応じて上下左右の何れか指示が行えるように構成しても良い。ダイヤル126は、時計回りの操作と反時計回りの操作が行える回転操作部材である。
【0026】
SETキー127は、メニュー画面内でカーソルの当たっている項目を選択したり、各種の設定操作を確定したりする指示を行う。キャンセルキー128は、メニュー画面で深い階層の選択を行っているときにひとつ前の階層へ戻ったり、各種の設定操作を破棄したりする指示を行う。ワンショットAFキー129は、AFモードがワンショットAFであるときに、フォーカス制御部113によってAFを駆動する指示を行う。AFロックキー130は、AFモードがコンティニュアスAFであるときに、フォーカス制御部113による制御を停止させる停止指示、制御停止状態を解除する解除指示を行う。
【0027】
拡大キー131は、表示部107に表示される映像を拡大したり元に戻したりする指示を行う。DISPLAYキー132は、本体マイコン119で保持されるDispレベルを変更する指示を行う。選択されたDispレベルに基づいて、表示部107に表示される各種情報表示が制限され、より詳細な情報を表示したり、映像をよりクリアに表示したりすることができる。START/STOPキー133は、記録媒体I/F部104による記録の開始と停止の指示を行う。フォーカスリング134は、フォーカス駆動状態がMFであるときに、交換レンズ101内のフォーカスレンズを移動し、フォーカス調整を行うことができる。AF/MFスイッチ135は、フォーカス駆動状態、すなわちAFとMFを相互に切り替える指示を行う。
【0028】
<撮像面位相差検出>
図2は、画像センサとしての撮像素子102の受光面の一部を示している。撮像素子102は、撮像面位相差AFを可能にするために、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としての受光部であるフォトダイオードを2つ保持している画素部をアレイ状に並べている。これにより、各画素部で、交換レンズ101の射出瞳を分割した光束を受光することが可能になっている。
図2(a)は、赤(R)、青(B)、緑(Gb、Gr)のベイヤー配列例のカラーフィルタを有する非撮像面位相差方式の画像センサ表面の一部を示す模式図である。
図2(b)は、
図2(a)のカラーフィルタの配列に対応させて、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを2つ保持している、撮像面位相差方式の画素部の例である。
【0029】
図2(b)の構成を有する撮像素子102は、各画素部から位相差検出用の2つの信号(以下、A像信号、B像信号ともいう)を出力できるようになっている。また、撮像素子102は、2つのフォトダイオードの信号を加算した撮像の記録用の信号(A像信号+B像信号)も出力できるようになっている。加算された信号の場合には、
図2(a)で概略説明したベイヤー配列例の画像センサの出力と同等の信号が出力される。
【0030】
このような画像センサとしての撮像素子102からの出力信号を使って、測距部108が2つの像信号の相関演算を行い、デフォーカス量や各種信頼性などの情報を算出する。すなわち、測距部108は、A像信号、B像信号のズレに基づき、像面でのデフォーカス量を算出する。デフォーカス量は正負の値を持っており、デフォーカス量が正の値であるか負の値であるかによって、前ピンか後ピンかがわかる。また、デフォーカス量の絶対値によって、合焦までの度合いが分かり、デフォーカス量が0であれば合焦状態である。すなわち、測距部108は、測距位置(測距領域、焦点検出位置、焦点検出領域)であるフォーカス測定領域について算出したデフォーカス量の正負を元に前ピンか後ピンかの情報をCPU119aなどに出力する。また、測距部108は、デフォーカス量の絶対値に基づいて、合焦の度合い(ピントのズレの度合い)である合焦度合い情報をCPU119aなどに出力する。測距部108は、デフォーカス量が所定値を超える場合に前ピンか後ピンかの情報を出力し、デフォーカス量の絶対値が所定値以内である場合には、合焦であるという情報を出力する。なお、合焦度合い情報は、デフォーカス量を、合焦させるまでにフォーカスリング134を回転させる操作量に換算した値として出力される。
【0031】
なお、本実施形態では、撮像素子102は、撮像用の信号と、位相差検出用の2つの信号の計3つの信号を出力するが、このような構成に限定されるものではない。例えば、撮像用の信号と位相差AF用の像信号の2つの信号のうちの1つの信号の計2つ信号が出力されるようにしてもよい。この場合、位相差検出用の像信号の2つの信号のうちの出力されない方の信号は、撮像素子102からの上記2つの出力信号を利用して算出される。
【0032】
また、
図2では、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを2つ保持している画素部をアレイ状に並べている例を示したが、これに限られるものではない。例えば、一つのマイクロレンズに対して光電変換手段としてのフォトダイオードを3つ以上保持している画素部をアレイ状に並べた構成としてもよい。また、マイクロレンズに対して受光部の開口位置が異なる画素部を複数有するようにしてもよい。つまり、結果としてA像信号とB像信号といった位相差検出可能な位相差検出用の2つの信号が得られるようになっていれば足りる。
【0033】
<アシスト機能と画面例>
本実施形態におけるデジタルカメラ10は、フォーカスのアシスト機能として、「フォーカスガイド」機能と「撮像画像拡大表示」機能を備える。「フォーカスガイド」機能とは、ユーザが指定した領域のフォーカス状況を指標で示すモードであり、その指標によってユーザは、合焦状態(焦点検出領域の被写体に合焦している状態)であるか前ピンもしくは後ピンであるかを確認することができる。「撮像画像拡大表示」とは、ユーザが指定した領域の撮像画像を任意の倍率で表示する機能であり、より詳細に撮像画像を確認することが可能となる。「フォーカスガイド」機能と「撮像画像拡大表示」機能の実行時の画面の表示例を
図3、
図4、
図5にて説明する。
【0034】
図3(a)の画面300は、表示部107に表示される画面の一例であり、被写体303及び被写体304は画像処理部118からの画像データの一部である。また画面上には、記録可能時間301、記録タイムコード302、及びフォーカスガイド307(矩形のフォーカスガイド枠305と三角指標306)がいずれもOSDとして画像データに重畳されている。このOSDは、CPU119aの指示に応じてGPU115がOSD用のVRAMに描画した内容である。前述の通り、OSD用のVRAMと映像データをGPU115により合成することで、
図3(a)の画面300が表示部107に表示される。
【0035】
なお、フォーカス状況に応じてフォーカスガイド307として表示されるフォーカス指標が変わる。フォーカス指標は、フォーカス測定領域を示す矩形のフォーカスガイド枠305の表示形態と、その上部の複数の三角指標306の表示形態を変えることによりフォーカス状況を表現する。
図3(b)に、そのようなフォーカス指標の例を示す。フォーカス指標310は、合焦状態(焦点検出領域の被写体に合焦している状態)であり、フォーカスガイド枠305と、その上部で向き合う2つの三角形からなる三角指標306で構成される。フォーカス指標311は後ピン状態であることを示す。フォーカス指標311はフォーカス指標310とは異なり、フォーカスガイド枠305の上部の三角指標306のうち、上側の三角形が離れていることにより、合焦状態でないことを示し、離れている三角形の角度によって合焦状態からのズレ量を示している。また、合焦状態でないため、フォーカス測定領域を示すフォーカスガイド枠305が鍵括弧で示されている。フォーカス指標312は前ピンであることを示す。フォーカス指標312はフォーカス指標311と異なり、フォーカスガイド枠305の上部の三角指標306のうち下側の三角形が離れている。このように上下どちらの三角形が離れているかにより、前ピン、後ピン状態をユーザは区別することができる。
【0036】
フォーカス指標313は、前ピン後ピンの判定に失敗した(すなわち、測距に失敗した)大ボケの状態であることを示している。フォーカス指標314は、サブ枠であることを示す。サブ枠は、前回のフォーカス状況を確認した位置もしくは、次にフォーカス状況を確認したい位置にユーザが配置でき、サブ枠のフォーカス状況は指標として示さないため、常に固定の表示(位置を示すだけ)となる。サブ枠と(メインの)フォーカスガイドの切り替えについては、
図5にて説明する。
【0037】
上記のように、フォーカス指標310〜314が、フォーカスガイドとして表示されることにより、ユーザは、対象エリアのフォーカス状況を確認することができる。従って、MF操作をする際などに、ユーザの意図通りのフォーカス調整ができているかを確認する一助となる。なお、フォーカス指標310〜314はフォーカス状況を視覚的に表した一例であり、フォーカス状況を色や別の表現で表してもよい。例えば、フォーカス指標310においては、フォーカスガイド枠305を緑色の矩形で示し、他のフォーカス指標ではフォーカスガイド枠305を赤色の矩形で示すようにしてもよい。あるいは、フォーカスガイド枠305の表示形態の変化でフォーカス状況を表し、三角指標306を省略したものでもよい。
【0038】
図4(a)〜(c)は、「撮像画像拡大表示」機能の操作時の表示部107に表示される画面の一例である。
図4(a)において、画面300上に、拡大表示の対象となる画像の範囲である拡大範囲401と拡大範囲402が存在する。拡大範囲401、402とそれらの間の矢印は説明のために可視化したものである。画面300を表示した状態において、ユーザが「撮像画像拡大表示」機能を実行すると、フォーカスガイド枠305を中心とした拡大範囲401の領域が拡大され、拡大範囲401の範囲の画像が表示部107に表示される。この拡大処理は、画像処理部118もしくはGPU115によって行われる。また、フォーカスガイド枠305(フォーカス測定領域)を中心に拡大される。
【0039】
「撮像画像拡大表示」機能の実行後、ユーザは拡大範囲の位置(以下、拡大位置)を十字キー125によって移動させることが可能である。例えば、拡大範囲401を拡大範囲402の位置まで右方向に移動した際に、表示部107上に表示される画面の例を
図4(b)と
図4(c)に示す。この操作は、ユーザが被写体303のフォーカス合わせを行い、その後、被写体304のフォーカス合わせを行う操作を前提としている。この操作により、特定の人物から別の人物へフォーカスが移り変わるような撮影をすることができる。
図4(b)、
図4(c)において画面300に表示されている画像は、それぞれの拡大範囲の画像が拡大された拡大画像である。
【0040】
図4(b)の(b1)〜(b4)は、本件の課題を説明する画面表示例である。図中には、画面300上に、拡大画像とともに新たに拡大表示位置指標403がOSDとして表示されている。この拡大表示位置指標403によりユーザは、撮像画像全体のどのエリアがどのくらいの倍率で拡大されているかを確認することができる。
図4(b1)は、フォーカスガイド枠305を中心とした拡大範囲401が拡大表示された画面を示し、被写体303の全体が表示されている。この際にフォーカスガイド307(フォーカスガイド枠305と三角指標306)も拡大して表示されている。この状態で、十字キー125の右キーを押すと、拡大位置が移動し、より右側の表示エリアが拡大される。
図4(b2)は、
図4(b1)の状態で、十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、被写体303およびフォーカスガイド枠305の8割ほどが見えている。拡大表示の範囲は
図4(b1)から変わっているが、フォーカスガイド枠305の撮像画像全体における位置は固定されている(被写体303の位置に固定されている)。従って、引き続き被写体303のフォーカス状況(合焦度合い)を確認することができる。
【0041】
図4(b3)は、
図4(b2)の状態から十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、被写体303およびフォーカスガイド枠305は見えずに、被写体304の一部が見えている。
図4(b4)は、
図4(b3)の状態で、十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、被写体304全体が見えている。このように、ユーザが被写体304のフォーカス状況を確認するために被写体304が中心になるように拡大位置をずらすと、フォーカスガイドが表示されなくなってしまう。そのため、このままでは、ユーザはフォーカスガイドによる詳細なフォーカス状況の確認ができない。被写体304のフォーカス状況をフォーカスガイドにて確認するためには、一度「撮像画像拡大表示」を解除した後、フォーカスガイドを移動させる必要がある。
【0042】
図4(c)の(c1)〜(c4)は、上記の課題を解決する本実施形態による画面の表示例である。このような表示を実現するための処理については、
図7のフローチャートにて説明する。
図4(c)の画面300においても、
図4(b)と同様に、拡大画像とともに拡大表示位置指標403がOSDとして表示されている。
図4(c1)は、フォーカスガイド枠305を中心とした拡大範囲401が拡大表示された画面であり、被写体303の全体が表示されている。この際にフォーカスガイド307も拡大して表示されている。この状態で、十字キー125の右キーを押すと、拡大表示位置が移動し、より右側の表示エリアが拡大される。
図4(c2)は、
図4(c1)の状態で十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、被写体303およびフォーカスガイド枠305の8割ほどが見えている状態である。拡大表示の範囲は
図4(c1)から変わっているが、フォーカスガイド枠305の撮像画像全体における位置は固定されている(被写体303の位置に固定されている)。従って、引き続き被写体303のフォーカス状況(合焦度合い)を確認することができる。
【0043】
図4(c3)は、
図4(c2)の状態で、十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、フォーカスガイド枠305が見えなくなったため(フォーカス測定領域が拡大範囲の外へ出たため)、画面中央に新たにフォーカスガイドが表示される。
図4(c4)は、
図4(c3)の状態で、十字キー125の右キーを何度か押した際に表示部107に表示される画面の例である。この状態では、被写体304の全体が見えており、画面中央にフォーカスガイドが表示されている。
図4(c3)のように、フォーカスガイドが画面表示範囲から出て見えなくなった際に、画面中央の位置に固定して新たなフォーカスガイドを表示することで、拡大表示中の領域のフォーカス状況を確認することができる。また、ユーザは、被写体304のフォーカス状況を確認したいのであれば、被写体304が中心になるように拡大位置をずらすことで、被写体304に対するフォーカス状況を確認することができる。以上によれば、わざわざ「撮像画像拡大表示」を解除することなく、被写体304のフォーカス状況をフォーカスガイドにより確認することができる。
【0044】
なお、上記では、フォーカスガイド枠305が表示されなくなったことを条件として、画面中央に新たにフォーカスガイド枠を表示するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、フォーカスガイド枠305の矩形枠(すなわち、フォーカス測定領域)の所定の割合(半分以上、8割以上など)が表示されなくなったことを条件として画面中央に新たなフォーカス測定領域を設定し、フォーカスガイドを表示するようにしてもよい。また、フォーカスガイド枠305が画面の内側の所定範囲(画面端周辺で、画面端から所定距離の範囲)の外側に出た、あるいは差し掛かったことを条件として、画面中央に新たなフォーカス測定領域を設定し、フォーカスガイドを表示するようにしてもよい。新たなフォーカス測定領域を設定した場合、それまで表示されていたフォーカスガイドの位置には、サブ枠が表示されるようにしてもよい。また、それまで表示されていたフォーカスガイドの位置(測定領域の位置)をRAM119cなどの記憶部に記憶するようにしてもよい。また、拡大範囲の移動操作は左右方向に限られるものではなく、上下方向であってもよい。
【0045】
図5は、「フォーカスガイド」機能が持つサブ枠表示を有効にした際の表示部107上に表示される画面表示の例である。前述のように、サブ枠は、前回のフォーカス状況を確認した位置もしくは、次にフォーカス状況を確認したい位置にユーザが配置できる機能である。サブ枠表示は、メニューにて、オン/オフを切り替えることができ、初期値は画面中央である。フォーカスガイド枠とサブ枠が表示されている状態で、SETキー127を押すとサブ枠の位置にフォーカスガイド枠が表示されて、もともとフォーカスガイド枠が表示されていた位置にサブ枠が表示される。すなわち、SETキー127は、サブ枠の位置とフォーカスガイド枠の位置を入れ替える。このように、SETキー127は、サブ枠の位置とフォーカスガイド枠の位置を切り替えるための切替部として機能する。例えば、
図5(a)の状態でSETキー127を押すと、
図5(b)のようになり、サブ枠308とフォーカスガイド307が切り替わっていること分かる。同様に、
図5(b)の表示状態でSETキー127が押下されると、
図5(a)の表示状態となり、サブ枠308とフォーカスガイド307が切り替わる。
【0046】
<アシスト機能の処理>
図6は、「フォーカスガイド」機能有効時に「撮像画像拡大表示」機能を有効にして、デジタルカメラ10を操作した際の制御を示すフローチャートである。
図6のフローチャートで示される処理は、CPU119aがROM119bからプログラムを読み出してRAM119cに展開して実行することによって実現される。このフローチャートは、動作モードに撮影モード時において、「フォーカスガイド」機能有効時に「撮像画像拡大表示」機能が有効化されることで開始される。なお、フローチャートにおいては、「撮像画像拡大表示」をMagnという略称を使って示している。
【0047】
S601において、CPU119aは現在のフォーカスガイド枠の位置からフォーカス測定領域を算出し、RAM119c上に格納する。S602において、CPU119aはフォーカスガイド枠の位置から拡大位置を確定する。ここで、CPU119aは、フォーカスガイド枠の位置が中央になるように拡大位置を確定する。S603において、CPU119aは、S602で確定した拡大位置を基準として撮像画像から拡大画像を生成し、表示部107に表示させる。この撮像画像の拡大処理は、画像処理部118もしくはGPU115によって行われる。
【0048】
S604において、CPU119aはフォーカス測定領域のフォーカス状況を取得し(算出方法については
図2の説明を参照)、フォーカスガイドを更新する。フォーカスガイドの更新とは、フォーカス状況に応じて
図3で示したフォーカス指標のいずれかを選択して用いてフォーカスガイドを表示することを示す。なお、フォーカス指標311もしくはフォーカス指標312の場合は、状況によってフォーカスガイド枠305の上部に表示される三角指標(三角形の角度)が変わる。以上のように、S601〜S604の処理は、フォーカス測定領域を含む拡大範囲の拡大画像とフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドを表示部107に表示させる第1の表示処理である。
【0049】
S605において、CPU119aはユーザ操作があったかどうかを判定する。ユーザ操作がないと判定された場合には、CPU119aは、処理をS604に戻し、撮影状況変化に合わせたフォーカスガイド枠の更新とユーザ操作の有無の判定を繰り返す。ユーザ操作があったと判定された場合には、S606において、CPU119aはS605にて受け付けたユーザ操作が「撮像画像拡大表示」の解除指示であるかどうかを判定する。ユーザ操作が「撮像画像拡大表示」の解除指示であると判定された場合、処理はS616へ進み、ユーザ操作が「撮像画像拡大表示」の解除指示ではないと判定された場合、処理はS607へ進む。
【0050】
S607において、CPU119aはS605で受け付けたユーザ操作が、「撮像画像拡大表示」の拡大位置を移動する移動指示かどうかを判定する。「撮像画像拡大表示」の拡大位置の移動指示でないと判定された場合、CPU119aは処理をS604へ戻す。他方、S605で受け付けたユーザ操作が「撮像画像拡大表示」の拡大位置の移動指示であると判定された場合、処理はS608へ進む。S608において、CPU119aは拡大位置を変更し、拡大画像を更新する。すなわち、CPU119aは、S607で判定した操作に応じて拡大位置を算出し、算出した拡大位置に基づいて拡大範囲の画像を拡大して拡大画像を生成し、表示部107の表示を更新する。以上のように、S607の処理は、ユーザの移動指示に応じた移動後の拡大範囲の拡大画像を表示部107に表示させる第2の表示処理である。
【0051】
続いて、S609において、CPU119aはフォーカス測定領域が画面上に表示されているか否かを判定する。フォーカス測定領域が画面上に表示されていると判定された場合、CPU119aは、処理をS604に戻し、上述の処理を繰り返す。第1実施形態においてフォーカス測定領域が画面上に表示されているかどうかは、フォーカスガイド枠が画面上に表示されるかどうかで判定する。そのため、
図4(c2)のようにフォーカスガイド枠の一部でも画面上に表示されていれば、フォーカス測定領域が画面上に表示されているとする。S609までの処理により、フォーカスガイド枠が画面上に表示されている間は、フォーカス測定領域は維持される。
【0052】
一方、S609においてフォーカス測定領域が画面上に表示されていないと判定された場合、S610において、CPU119aは現在のフォーカス測定領域をサブ枠領域としてRAM119cに記憶する。そして、S611において、CPU119aは現在の拡大範囲の中央領域をフォーカス測定領域としてRAM119cに記憶し、さらに、設定したフォーカス測定領域のフォーカス状況を取得してフォーカスガイドを更新する。ここでのフォーカスガイドの更新処理は、S604と同じである。すなわち、新たなフォーカス測定領域の位置にフォーカスガイド枠305を表示し、その上に三角指標306を表示する。フォーカスガイド枠305と三角指標306の表示形態は、新たなフォーカス測定領域について測定されたフォーカス状況に基づく。
【0053】
以上のように、S609の処理は、移動指示が所定の条件を満たすと、移動後の拡大範囲の所定の領域に新たにフォーカス測定領域を設定し、当該拡大範囲の拡大画像と新たなフォーカス測定領域に対応するフォーカスガイドを表示部107に表示させる第3の表示処理である。なお、所定の条件とは、フォーカス測定領域の全体が画面外へ出たということであり、所定の領域とは中央領域のことである。
【0054】
S612において、CPU119aはユーザ操作があったかどうかを判定する。ユーザ操作がない場合にはS611、S612の処理を繰り返し行い、撮影状況変化に合わせたフォーカスガイド枠の更新を行う。S612においてユーザ操作があったと判定された場合には、処理はS613へ進む。S613において、CPU119aはS612にて受け付けたユーザ操作が「撮像画像拡大表示」の解除指示であるかどうかを判定する。「撮像画像拡大表示」の解除指示であると判定された場合、処理はS616へ進み、「撮像画像拡大表示」の解除指示ではない判定された場合、処理はS614へ進む。
【0055】
S614において、CPU119aはS612で受け付けたユーザ操作が、「撮像画像拡大表示」の拡大位置の移動指示かどうかを判定する。「撮像画像拡大表示」の拡大位置の移動指示を受け付けたと判定された場合は、処理はS615へ進む。他方、「撮像画像拡大表示」の拡大位置の移動指示でないと判定された場合は、処理はS611へ戻り、上述した処理が繰り返される。S615において、CPU119aは拡大位置(拡大範囲)を移動し、移動後の拡大位置の拡大画像を生成し、表示部107に表示する。その後処理はS611に戻り、上述したS611以降の処理が繰り返される。
【0056】
S616〜S617は、「撮像画像拡大表示」の解除処理である。S616において、CPU119aは撮像画像の拡大を解除する。拡大を解除することにより、表示部107には撮像画像全体が表示される。そして、S617において、CPU119aはフォーカスガイド枠とサブ枠の表示を更新し、「撮像画像拡大表示」の解除処理を完了する。具体的には、フォーカス測定領域のフォーカス状況を取得しフォーカスガイド枠を更新し、サブ枠領域のフォーカス状況を取得してサブ枠を更新する。例えば、
図4(c4)の状態で「撮像画像拡大表示」の解除処理が行われると、
図5(a)のような表示となる。
【0057】
なお、
図6において、フォーカス測定領域やサブ枠領域をRAM119cに記憶するとしたが、電源オフ時にも記憶内容を維持するROM119bに記憶するようにしてもよい。また、フォーカス測定領域やサブ枠の領域の縦横サイズは特に限定されるものではない。
【0058】
図7は、「フォーカスガイド」機能の有効時において、サブ枠切り替えを実行した際の制御を示すフローチャートである。
図7のフローチャートで示される処理は、CPU119aがROM119bからプログラムを読み出してRAM119cに展開して実行することによって実現される。このフローチャートは、動作モードに撮影モード時において、「フォーカスガイド」機能が有効化されることで開始される。上述したように、SETキー127がユーザによる切り替え指示を受け付ける切替部として機能する。なお、
図3(b)において、サブ枠のフォーカス指標314の表示はフォーカス状況を示さないものとしたが、サブ枠のフォーカス指標314においても、フォーカスガイド307のようにフォーカス状況に応じて表示形態を変化させてもよい。
図7のフローチャートでは、サブ枠の表示形態がフォーカス状況に応じて更新される処理を含む場合が示されている。なお、この場合、
図6のフローチャートにおいても、サブ枠が表示されていれば、フォーカスガイドと同じようにフォーカス状況を取得し更新処理を行うようにする。
【0059】
S701において、CPU119aはフォーカス測定領域のフォーカス状況を取得し、フォーカスガイドの更新処理を行う。フォーカスガイドの更新処理は
図6(S604)と同様である。次に、S702において、CPU119aはサブ枠領域のフォーカス状況を取得し、サブ枠の更新処理を行う。次に、S703において、CPU119aはSETキー127が押されたかどうかを判定する。SETキー127が押されてないと判定された場合には、処理はS701に戻り、上述の処理が繰り返される。他方、S703においてSETキー127が押されたと判定された場合は、処理はS704へ進む。
【0060】
S704において、CPU119aはフォーカス測定領域とサブ枠領域の位置を切り替える。次に、S705において、CPU119aはフォーカス測定領域のフォーカス状況を取得し、フォーカスガイド枠の更新処理を行う。そして、S706において、CPU119aはサブ枠領域のフォーカス状況を取得し、サブ枠の更新処理を行う。こうしてサブ枠切り替えの処理が終了する。
【0061】
以上のように、第1実施形態によれば、「撮像画像拡大表示」を有効とした後の拡大位置の変更によってフォーカスガイド枠が表示されなくなった場合に、表示されている画面上の中央領域がフォーカス測定領域に設定される(
図4(c3)、(c4))。そのため、次にフォーカス確認をしたい対象のフォーカス状況の確認をフォーカスガイド枠の位置を変更することなく実現できる。すなわち、拡大表示時に別のフォーカス状況を確認したい場合に、ユーザは、わざわざ拡大表示を解除してフォーカスガイド枠を移動させることなく、所望の位置におけるフォーカス状況を確認することができる。さらに、「撮像画像拡大表示」有効後に、フォーカスガイド枠の位置が変わったとしても、変更前のフォーカスガイド枠の位置がサブ枠として記憶される。そのため、ユーザは元のフォーカスガイド枠の位置へ簡単に戻すことが可能(
図5)となり、元の位置にフォーカスガイド枠を戻したいユーザにとっても使い勝手のよい装置を提供することができる。
【0062】
なお、
図7により説明したフォーカスガイド枠とサブ枠の切り換え処理は、拡大表示中に行われてもよい。この場合、拡大表示中におけるフォーカスガイド枠とサブ枠の切り換えに応じて、拡大表示の対象となる拡大範囲も切換後のフォーカスガイド枠を中心とした範囲に切り替わるようにするとよい。これにより、フォーカスガイド枠の位置の被写体の拡大表示とサブ枠の位置の被写体の拡大表示を簡単に、且つ、迅速に切り替えることができる。例えば、
図4(c1)の表示状態と
図4(c4)の表示状態とがSETキー127の押下の度に切り替わる。なお、フォーカスガイド枠とサブ枠の両方が拡大表示範囲に収まっているか否かに応じて、拡大範囲の変更を実行するか否かを切り替えるようにしてもよい。すなわち、両者が拡大表示範囲に収まっている場合には、SETキー127の押下に応じて枠の切り替えが生じても拡大範囲の変更は行われない。他方、少なくとも一方の枠が拡大表示範囲に収まっていない状態でSETキー127が押下された場合は、新たにフォーカスガイド枠になった枠の位置が中心になるように拡大範囲が変更される。
【0063】
[第2実施形態]
第1実施形態では、フォーカスガイド枠が画面外(拡大範囲外)に出たら、拡大表示の中心領域にフォーカスガイド枠を表示するとした。しかしながら、これに限られるものではない。第2実施形態では、拡大範囲の移動操作が所定回数を超えた場合に、拡大表示の中心領域にフォーカスガイド枠を表示する。なお、<ハードウェア構成>は、第1の実施例と同様である。
【0064】
図8は、第2実施形態における「撮像画像拡大表示」機能の操作時の表示部107に表示される画面の例を示す。
図4(c2)とは異なり、
図8(b)の状態で、フォーカスガイド枠801が拡大表示の中央に表示される。
図8(a)の画面表示の拡大位置から
図8(b)の画面表示の拡大位置に移動した際、拡大範囲の移動操作が所定の操作量を超えたため、拡大表示の中心領域にフォーカスガイド枠801が表示されている。このとき、それまでフォーカスガイド枠が表示されていた位置にはサブ枠802が表示される。以降の画面表示(
図8(c)、
図8(d))では、以前のフォーカス測定領域(サブ枠802)が画面から消えており、表示内容は
図4(c3)、
図4(c4)と同様になっている。なお、操作量の計測対象となる移動操作は左右方向に限られるものではない。上下左右方向の移動操作の操作量の総和が所定の操作量を超えた場合にフォーカスガイド枠を拡大表示の中央に表示する。
【0065】
図9は、第2実施形態における「フォーカスガイド」機能有効時に「撮像画像拡大表示」機能を有効にして、デジタルカメラ10を操作した際の制御を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、CPU119aがROM119bからプログラムを読み出してRAM119cに展開して実行することによって実現される。このフローチャートは、動作モードが撮影モードのときに、「フォーカスガイド」機能有効時に「撮像画像拡大表示」機能が有効化されることで開始される。基本的には、
図6の処理と同様であるが、S901とS902の処理が異なる。
【0066】
S901において、CPU119aはS607で判定した拡大位置の移動指示の操作回数をRAM119cに記憶する。そして、S902において、CPU119aは操作回数が所定量を超えたかどうかを判定する。操作回数が所定回数を超えたと判定された場合には、処理はS610へ進み、操作回数が所定回数を超えていないと判定された場合には、処理はS604に戻る。
【0067】
以上のように、第2実施形態では、拡大位置の移動操作が所定回数を超えたかどうかにより、フォーカスガイド枠の位置を拡大画像の中央に移動(新たなフォーカスガイドを拡大画像の中央に表示)するか否かを判定する。これは、ユーザが拡大移動操作を複数回入力していることから、フォーカスガイド枠が当たっていた位置とは別のフォーカス状況を確認していることを想定している。なお、第2実施形態において、拡大位置移動操作が所定回数を超えたかどうかで判定したが、所定回数でなくても「撮像画像拡大表示」機能有効後の位置からの移動量で判定してもよい。すなわち、移動指示に応じた拡大範囲の移動量が所定量を超えた場合に、フォーカスガイドを拡大画像の中央に移動(新たなフォーカスガイドを拡大画像の中央に表示)するようにしてもよい。さらに、第1及び第2実施形態(S611)において、拡大表示の中央領域をフォーカス測定領域とし、そこにフォーカスガイド枠を表示するとしたがこれに限られるものではない。例えば、ユーザ指定の任意の位置であってもよく、その場合、例えば、ユーザがあらかじめメニュー等でその位置を指定できるようにする。また、画面中央下部のように、画面中央以外の固定位置であってもよい。
【0068】
なお、デジタルカメラ10の本体マイコン119(CPU119a)が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0069】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0070】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、撮像手段と、撮像手段により撮像された画像をライブビュー表示する機能を有する機器であれば適用可能である。すなわち、本発明は、カメラを内蔵または接続するパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話端末、携帯型の画像ビューワ、ゲーム機などに適用可能である。
【0071】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0072】
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。