特許第6971837号(P6971837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971837
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20211111BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 9/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H02J3/38 110
   H02J3/38 160
   H02J3/38 130
   H02J3/32
   H02J3/46
   H02J7/35 K
   H02J7/34 G
   H02J9/06 120
   H02J9/00 120
【請求項の数】11
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2017-250411(P2017-250411)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-13128(P2019-13128A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2020年9月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-129959(P2017-129959)
(32)【優先日】2017年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−038483(JP,A)
【文献】 特開2017−118736(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0047740(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 3/46
H02J 7/35
H02J 7/34
H02J 9/06
H02J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統電源からの電力を充放電可能な第一蓄電池と、前記第一蓄電池からの電力を出力する第一パワーコンディショナーと、を有する第一蓄電システムと、
自然エネルギーを利用して発電可能な発電部と、前記発電部からの電力を充放電可能な第二蓄電池と、前記発電部及び前記第二蓄電池からの電力を出力する第二パワーコンディショナーと、を有し、前記第一蓄電システムよりも負荷側に配置される第二蓄電システムと、
を具備し、
前記第一蓄電システムは、
停電が発生すると、前記系統電源から独立して前記第一蓄電池からの電力を前記負荷へ供給する第一自立運転を行い、
前記第二蓄電システムは、
前記第一自立運転を行っている前記第一蓄電システムを前記系統電源と見立てて前記第一蓄電システムと連系し、前記第二蓄電池からの電力のみを前記負荷へ供給する擬似連系運転と、
前記擬似連系運転中に前記第二蓄電池の残量が第一閾値以下となった場合に前記系統電源から独立し、前記発電部からの電力を前記負荷又は前記第二蓄電池の少なくともいずれかへ供給する第二自立運転と、
を行う、
電力供給システム。
【請求項2】
前記第一蓄電システムは、
前記第一自立運転を開始してから前記第二蓄電システムが前記擬似連系運転を開始するまでの間、前記負荷の一部へのみ電力を供給する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記第二蓄電システムは、
前記系統電源と前記第二パワーコンディショナーとの間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に前記系統電源との連系を行うために閉状態となると共に、前記第二自立運転を行う場合に前記系統電源からの独立を行うために開状態となる連系リレーと、
前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとの間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に開状態となって前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとの接続を解除すると共に、前記第二自立運転を行う場合に閉状態となって前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとを接続する接続リレーと、
をさらに有する、
請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記第一蓄電システムは、
前記発電部が利用する自然エネルギーと同一種類の自然エネルギーを利用して発電可能な同種発電部をさらに有し、
前記第二蓄電システムは、
前記擬似連系運転中に前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値以下となった場合、かつ、前記同種発電部が発電している場合に、前記第二自立運転を行う、
請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記連系リレー及び前記接続リレーを制御可能なEMS(Energy Management System)をさらに具備する、
請求項3又は請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記第二蓄電システムは、
前記第二自立運転中に前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値よりも大きな値の第二閾値以上となった場合に、前記擬似連系運転に切り替える、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記第二蓄電システムは、
前記第二自立運転を行う場合における前記第二パワーコンディショナーから前記負荷への電力の供給経路に設けられ、開閉状態を変更可能な自立リレーをさらに具備する、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記第二蓄電システムは、
前記自立リレーの開閉状態を設定可能な設定手段をさらに具備し、
前記自立リレーは、
前記第二蓄電システムが前記第二自立運転をしている場合、かつ、前記設定手段により前記自立リレーを閉状態にすることが設定されていない場合に、開状態となる、
請求項7に記載の電力供給システム。
【請求項9】
前記第二蓄電システムは、
前記自立リレーの開閉状態を設定可能な設定手段をさらに具備し、
前記自立リレーは、
前記第二蓄電システムが前記第二自立運転をしている場合、かつ、前記設定手段により前記自立リレーを閉状態にすることが設定されている場合に、閉状態となる、
請求項7又は請求項8に記載の電力供給システム。
【請求項10】
前記第二蓄電システムは、
停電が発生してから前記第一蓄電システムが前記第一自立運転を開始するまでの間、前記系統電源から独立し、前記供給経路を介して前記第二パワーコンディショナーから前記負荷へ供給し、
前記自立リレーは、
非停電時に閉状態となる、
請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【請求項11】
前記第二蓄電システムは、
停電時において、放電を停止している前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値以下である場合、かつ、前記発電部が発電している場合に、前記第二自立運転を行う、
請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電部及び蓄電池からの電力を負荷へ供給する電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電部及び蓄電池からの電力を負荷へ供給する電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の電力供給システム(太陽光発電システム)は、発電部(太陽光発電設備)と蓄電池(蓄電装置)と配電変圧器とを有する複数のユニットを具備する。発電部及び蓄電池は、配電変圧器を介して配電線と接続される。このような電力供給システムにおいては、停電時に発電部及び蓄電池からの電力を配電変圧器で昇圧して配電線へ供給することで、停電時に全ての負荷へ電力を供給することができる。
【0004】
しかし、このような構成においては、下流側(負荷側)のユニットの発電部が電力を逆潮流させた場合に、当該電力が上流側(系統電源側)に配置されるユニットの蓄電池へ供給され、当該蓄電池に不具合が生じる可能性がある。また、このような不具合の発生を防止するために、停電時に下流側のユニットの発電部と配電線との接続を解除してしまうと、発電部の電力を有効に活用することができなくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−10536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、系統電源側に配置される第一蓄電池に不具合が生じるのを防止できると共に、発電部の電力を有効に活用することが可能な電力供給システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、系統電源からの電力を充放電可能な第一蓄電池と、前記第一蓄電池からの電力を出力する第一パワーコンディショナーと、を有する第一蓄電システムと、自然エネルギーを利用して発電可能な発電部と、前記発電部からの電力を充放電可能な第二蓄電池と、前記発電部及び前記第二蓄電池からの電力を出力する第二パワーコンディショナーと、を有し、前記第一蓄電システムよりも負荷側に配置される第二蓄電システムと、を具備し、前記第一蓄電システムは、停電が発生すると、前記系統電源から独立して前記第一蓄電池からの電力を前記負荷へ供給する第一自立運転を行い、前記第二蓄電システムは、前記第一自立運転を行っている前記第一蓄電システムを前記系統電源と見立てて前記第一蓄電システムと連系し、前記第二蓄電池からの電力のみを前記負荷へ供給する擬似連系運転と、前記擬似連系運転中に前記第二蓄電池の残量が第一閾値以下となった場合に前記系統電源から独立し、前記発電部からの電力を前記負荷又は前記第二蓄電池の少なくともいずれかへ供給する第二自立運転と、を行うものである。
【0009】
請求項2においては、前記第一蓄電システムは、前記第一自立運転を開始してから前記第二蓄電システムが前記擬似連系運転を開始するまでの間、前記負荷の一部へのみ電力を供給するものである。
【0010】
請求項3においては、前記第二蓄電システムは、前記系統電源と前記第二パワーコンディショナーとの間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に前記系統電源との連系を行うために閉状態となると共に、前記第二自立運転を行う場合に前記系統電源からの独立を行うために開状態となる連系リレーと、前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとの間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に開状態となって前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとの接続を解除すると共に、前記第二自立運転を行う場合に閉状態となって前記発電部と前記第二パワーコンディショナーとを接続する接続リレーと、をさらに有するものである。
【0011】
請求項4においては、前記第一蓄電システムは、前記発電部が利用する自然エネルギーと同一種類の自然エネルギーを利用して発電可能な同種発電部をさらに有し、前記第二蓄電システムは、前記擬似連系運転中に前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値以下となった場合、かつ、前記同種発電部が発電している場合に、前記第二自立運転を行うものである。
【0012】
請求項5においては、前記連系リレー及び前記接続リレーを制御可能なEMS(Energy Management System)をさらに具備するものである。
【0013】
請求項6においては、前記第二蓄電システムは、前記第二自立運転中に前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値よりも大きな値の第二閾値以上となった場合に、前記擬似連系運転に切り替えるものである。
【0014】
請求項7においては、前記第二蓄電システムは、前記第二自立運転を行う場合における前記第二パワーコンディショナーから前記負荷への電力の供給経路に設けられ、開閉状態を変更可能な自立リレーをさらに具備するものである。
【0015】
請求項8においては、前記第二蓄電システムは、前記自立リレーの開閉状態を設定可能な設定手段をさらに具備し、前記自立リレーは、前記第二蓄電システムが前記第二自立運転をしている場合、かつ、前記設定手段により前記自立リレーを閉状態にすることが設定されていない場合に、開状態となるものである。
【0016】
請求項9においては、前記第二蓄電システムは、前記自立リレーの開閉状態を設定可能な設定手段をさらに具備し、前記自立リレーは、前記第二蓄電システムが前記第二自立運転をしている場合、かつ、前記設定手段により前記自立リレーを閉状態にすることが設定されている場合に、閉状態となるものである。
【0017】
請求項10においては、前記第二蓄電システムは、停電が発生してから前記第一蓄電システムが前記第一自立運転を開始するまでの間、前記系統電源から独立し、前記供給経路を介して前記第二パワーコンディショナーから前記負荷へ供給し、前記自立リレーは、非停電時に閉状態となるものである。
【0018】
請求項11においては、前記第二蓄電システムは、停電時において、放電を停止している前記第二蓄電池の残量が前記第一閾値以下である場合、かつ、前記発電部が発電している場合に、前記第二自立運転を行うものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、系統電源側に配置される第一蓄電池に不具合が生じるのを防止できると共に、発電部の電力を有効に活用することができる。
【0021】
請求項2においては、第一蓄電池の残量を確保することができる。
【0022】
請求項3においては、擬似連系運転及び第二自立運転の切替を簡単に行うことができる。
【0023】
請求項4においては、第二自立運転時に発電部からの電力を負荷又は第二蓄電池へ確実に供給することができる。
【0024】
請求項5においては、擬似連系運転及び第二自立運転の切替をより簡単に行うことができる。
【0025】
請求項6においては、発電部の電力をより有効に活用することができる。
【0026】
請求項7においては、第二蓄電池を効率的に充電することができる。
【0027】
請求項8においては、第二蓄電池を効率的に充電することができる。
【0028】
請求項9においては、必要に応じて自立運転時に発電部から負荷へ電力を供給することができる。
【0029】
請求項10においては、停電発生時の動作を簡略化することができる。
【0030】
請求項11においては、自立運転の切替を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】電力供給システムを示したブロック図。
図2】第一リレー及び第二リレーを示したブロック図。
図3】全てのパワコンが自立運転している様子を示したブロック図。
図4図3における第一リレー及び第二リレーの状態を示したブロック図。
図5】各住宅用パワコンが擬似連系運転している様子を示したブロック図。
図6図5における第一リレー及び第二リレーの状態を示したブロック図。
図7】第三住宅用蓄電システムの住宅用蓄電池の残量が所定の閾値以下となった状態を示したブロック図。
図8】第二実施形態に係る電力供給システムを示したブロック図。
図9】第一リレーから第三リレーまでを示したブロック図。
図10】切替動作の処理を示したフローチャート。
図11】各住宅用パワコンが擬似連系運転している様子を示したブロック図。
図12図11における第一リレーから第三リレーまでの状態を示したブロック図。
図13】第三住宅用蓄電システムの住宅用蓄電池が放電を停止している状態を示したブロック図。
図14】ステップS70の処理が行われた後の電力供給システムの状態を示したブロック図。
図15図14における第一リレーから第三リレーまでの状態を示したブロック図。
図16】ステップS90の処理が行われた後の電力供給システムの状態を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
【0033】
図1に示す電力供給システム1は、系統電源Kからの電力や、自然エネルギーを利用して発電された電力を負荷へと供給するものである。本実施形態に係る電力供給システム1は、集合住宅Aに設けられ、当該集合住宅Aの複数の住宅H(専有部)の負荷へと電力を供給する。
【0034】
まず、各住宅Hの負荷に関する構成について説明する。各住宅Hは、系統電源Kと接続される。具体的には、各住宅Hは、一端部が系統電源Kと接続されると共に他端部が分岐して各住宅Hと接続された配電線Lを介して、系統電源Kと接続される。各住宅Hは、一般負荷H11、第一特定負荷H12、第二特定負荷H13及び給電切替盤H14を具備する。
【0035】
一般負荷H11は、停電発生時に電力が供給されなくても大きな支障のない機器である。このような一般負荷H11としては、例えば、調理機器や音響機器等がある。一般負荷H11は、後述する給電切替盤H14を介して配電線Lと接続される。
【0036】
第一特定負荷H12は、停電発生時に電力が供給されることが望ましい機器のうち、消費電力が小さい機器である。このような第一特定負荷H12としては、例えば、照明等がある。第一特定負荷H12は、給電切替盤H14を介して配電線Lと接続される。
【0037】
第二特定負荷H13は、停電発生時に電力が供給されることが望ましい機器のうち、第一特定負荷H12を除く機器(消費電力が大きい機器)である。このような第二特定負荷H13としては、例えば、冷蔵庫等がある。第二特定負荷H13は、所定の配電線を介して第一特定負荷H12と接続される。
【0038】
給電切替盤H14は、一般負荷H11及び第一特定負荷H12への電力の供給可否を切り替えるためのものである。給電切替盤H14は、配電線Lの他端部と接続され、当該配電線Lを介して系統電源Kと接続される。また、給電切替盤H14は、所定の配電線を介して一般負荷H11及び第一特定負荷H12と接続される。給電切替盤H14は、内部に設けられる複数のリレーを制御することで、一般負荷H11及び第一特定負荷H12への電力供給を許可したり、電力供給を禁止したりすることができる。給電切替盤H14は、このような第一特定負荷H12への電力供給の許否により、第二特定負荷H13への電力供給を許否することができる。
【0039】
なお、図1においては、このように構成される3つの住宅Hを例示している。以下においては、3つの住宅Hのうち、最も配電線Lの下流側に接続される住宅Hを「第一住宅H1」、第一住宅H1よりも配電線Lの1つ上流側に接続される住宅Hを「第二住宅H2」、最も配電線Lの上流側に接続される住宅Hを「第三住宅H3」と称する。
【0040】
次に、電力供給システム1の構成について説明する。
【0041】
電力供給システム1は、分電盤10、共用蓄電システム20、第一住宅用蓄電システム30、第二住宅用蓄電システム40、第三住宅用蓄電システム50及び制御部60を具備する。
【0042】
分電盤10は、各住宅Hで使用される電力量に応じて電力の供給元から供給された電力を、当該各住宅Hに分配するものである。分電盤10は、図示せぬ漏電遮断器や、配線遮断器、制御ユニット等により構成される。分電盤10内には、配電線Lの一部が配設され、系統電源Kからの電力が適宜供給される。分電盤10は、非停電時に配電線Lを介して系統電源Kからの電力を各住宅Hの給電切替盤H14へ供給する。
【0043】
共用蓄電システム20は、自然エネルギー(本実施形態では太陽光)を利用して発電された電力を蓄電したり、各住宅Hへと供給するためのものである。共用蓄電システム20は、共用発電部21、共用蓄電池22、共用パワコン23、共用センサ24、トランス25及び切替盤26を具備する。
【0044】
共用発電部21は、太陽光を利用して発電する装置である。共用発電部21は、太陽電池パネル等により構成される。共用発電部21は、例えば、集合住宅Aの屋上等の日当たりの良い場所に設置される。
【0045】
共用蓄電池22は、電力を充電可能に構成されるものである。共用蓄電池22は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。共用蓄電池22は、後述する共用パワコン23等を介して共用発電部21と接続される。
【0046】
共用パワコン23は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。共用パワコン23は、共用発電部21で発電された電力及び共用蓄電池22から放電された電力を分電盤10に出力可能であると共に、共用発電部21で発電された電力及び系統電源Kからの電力を共用蓄電池22に出力可能に構成される。また、共用パワコン23は、共用蓄電池22に所定の信号を送信することで、共用蓄電池22の充放電を制御可能に構成される。
【0047】
このように構成される共用パワコン23は、配電線L21を介して分電盤10と接続される。配電線L21は、その一端部が共用パワコン23と接続されると共に、その他端部が配電線Lの中途部(分電盤10内)と接続される。また、共用パワコン23は、配電線L22を介して後述する切替盤26と接続される。配電線L22は、その一端部が共用パワコン23と接続されると共に、その他端部が切替盤26と接続される。
【0048】
このような共用パワコン23は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転は、系統電源Kと連系して共用発電部21及び共用蓄電池22を運転させるものである。自立運転は、系統電源Kから独立して共用発電部21及び共用蓄電池22を運転させるものである。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0049】
共用センサ24は、配電線Lの中途部(配電線L・L21の接続部分と系統電源Kとの間)に設けられる。共用センサ24は、設けられた箇所を流通する電力(例えば、各住宅H及び共用蓄電池22へと供給される電力)の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。共用センサ24は、共用パワコン23と接続され、検出結果に関する信号を共用パワコン23へ送信可能に構成される。
【0050】
トランス25は、共用蓄電システム20からの電力(自立運転時に出力される電力)の電圧を昇圧し、各住宅Hで使用可能にするためのものである。トランス25は、配電線L22の中途部に設けられる。
【0051】
切替盤26は、分電盤10への電力の供給元に系統電源Kを含めるか否かを切り替えるものである。切替盤26は、配電線Lの中途部(配電線L・L21の接続部分と各住宅Hとの間)に設けられる。切替盤26は、配電線L・L21を介して、又は配電線L22を介して共用発電部21及び共用蓄電池22と接続される。また、切替盤26は、配電線Lを介して系統電源Kと接続される。
【0052】
切替盤26は、内部に設けられる複数のリレーを制御することで、配電線Lの切替盤26よりも下流側(各住宅H側)を、配電線Lの切替盤26よりも上流側(系統電源K側)又は配電線L22のいずれかと接続することができる。切替盤26は、配電線Lの切替盤26よりも上流側と下流側とを接続することで、分電盤10への電力の供給元に系統電源Kが含まれるようにする。この場合、分電盤10への電力の供給元は、系統電源K及び共用蓄電システム20(より詳細には、連系運転を行っている共用蓄電システム20(共用発電部21及び共用蓄電池22))となる。また、切替盤26は、配電線L22と配電線Lの切替盤26よりも下流側とを接続することで、分電盤10への電力の供給元に系統電源Kが含まれないようにする。この場合、分電盤10への電力の供給元は、共用蓄電システム20(より詳細には、自立運転を行っている共用蓄電システム20)のみとなる。切替盤26は、共用パワコン23と接続されており、当該共用パワコン23から所定の信号が送信されることで、このような電力の供給元の切替を行うことができる。
【0053】
第一住宅用蓄電システム30は、各住宅Hへ電力を供給するためのものである。第一住宅用蓄電システム30は、切替盤26と各住宅Hとの間(共用蓄電システム20よりも下流側)に配置される。第一住宅用蓄電システム30は、住宅用発電部31、住宅用蓄電池32、住宅用パワコン33、住宅用センサ34、第一リレー35及び第二リレー36を具備する。
【0054】
住宅用発電部31及び住宅用蓄電池32は、共用蓄電システム20の共用発電部21及び共用蓄電池22と同様に構成される。
【0055】
住宅用パワコン33は、住宅用発電部31で発電された電力及び住宅用蓄電池32から放電された電力を分電盤10に出力可能であると共に、住宅用発電部31で発電された電力及び系統電源Kからの電力を住宅用蓄電池32に出力可能に構成される。住宅用パワコン33は、配電線L31を介して分電盤10(配電線Lの中途部)と接続される。また、住宅用パワコン33は、配電線L32を介して住宅用発電部31と接続される。また、住宅用パワコン33は、所定の配電線を介して住宅用蓄電池32と接続され、住宅用蓄電池32に所定の信号を送信することで、住宅用蓄電池32の充放電を制御可能に構成される。また、住宅用パワコン33は、配電線L33を介して第一住宅H1の第二特定負荷H13と接続される。このような住宅用パワコン33は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0056】
住宅用センサ34は、配電線Lの中途部(配電線L・L31の接続部分と切替盤26との間)に設けられる。住宅用センサ34は、設けられた箇所を流通する電力の電圧及び電流を検出する。住宅用センサ34は、住宅用パワコン33と接続され、検出結果に関する信号を住宅用パワコン33へ送信可能に構成される。
【0057】
第一リレー35は、配電線L31の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第一リレー35は、配電線L31の中途部に設けられる。第一リレー35は、閉状態となると配電線L31(第一リレー35の接点同士)を接続し、住宅用パワコン33を分電盤10と接続する。また、第一リレー35は、開状態となると配電線L31の接続が解除され、住宅用パワコン33と分電盤10との接続が解除される。
【0058】
第二リレー36は、配電線L32の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第二リレー36の構成については、後で詳述する。
【0059】
このように構成される第一住宅用蓄電システム30は、第一住宅H1の居住者が所有している。住宅用パワコン33は、配電線L33を介して電力を第二特定負荷H13へ供給することで、配電線Lを用いることなく第一住宅H1(自身を所有する居住者の住宅H)へ電力を供給することができる。
【0060】
第二住宅用蓄電システム40は、第一住宅用蓄電システム30よりも下流側に配置される点及び第二住宅H2の居住者が所有している点を除いて、第一住宅用蓄電システム30と同様に構成される。具体的には、第二住宅用蓄電システム40の住宅用発電部41、住宅用蓄電池42、住宅用パワコン43、住宅用センサ44、第一リレー45及び第二リレー46は、それぞれ第一住宅用蓄電システム30の住宅用発電部31、住宅用蓄電池32、住宅用パワコン33、住宅用センサ34、第一リレー35及び第二リレー36に相当する。また、住宅用パワコン43は、配電線L41を介して分電盤10と接続され、配電線L42を介して住宅用発電部41と接続され、配電線L43を介して第二住宅H2の第二特定負荷H13と接続される。
【0061】
第三住宅用蓄電システム50は、第二住宅用蓄電システム40よりも下流側に配置される点及び第三住宅H3の居住者が所有している点を除いて、第一住宅用蓄電システム30と同様に構成される。具体的には、第三住宅用蓄電システム50の住宅用発電部51、住宅用蓄電池52、住宅用パワコン53、住宅用センサ54、第一リレー55及び第二リレー56は、それぞれ第一住宅用蓄電システム30の住宅用発電部31、住宅用蓄電池32、住宅用パワコン33、住宅用センサ34、第一リレー35及び第二リレー36に相当する。また、住宅用パワコン53は、配電線L51を介して分電盤10と接続され、配電線L52を介して住宅用発電部51と接続され、配電線L53を介して第三住宅H3の第二特定負荷H13と接続される。
【0062】
制御部60は、全ての蓄電システム20・30・40・50の情報を管理すると共に動作を制御するものである。制御部60は、主としてCPU等の演算処理装置、RAMやROM等の記憶装置、並びにタッチパネル等の入出力装置等により構成される。制御部60は、プログラムや種々の情報を前記記憶装置に格納しており、当該プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、電力供給システム1の動作等を実行することができる。このような制御部60は、例えば、EMS(Energy Management System)によって構成される。
【0063】
制御部60は、各住宅用パワコン33・43・53と接続される。制御部60は、各住宅用パワコン33・43・53から送信される信号に基づいて、運転状態及び各住宅用蓄電池32・42・52の残量を取得することができる。制御部60は、各住宅用パワコン33・43・53に信号を送信することで、連系運転及び自立運転を切り替えることができる。
【0064】
また、制御部60は、各第一リレー35・45・55と接続される。制御部60は、各第一リレー35・45・55に信号を送信することにより、各第一リレー35・45・55を制御する(開閉状態を切り替える)ことができる。
【0065】
次に、各第二リレー36・46・56の構成について説明する。なお、以下では、図2に示す第一住宅用蓄電システム30の第二リレー36を例に挙げて説明する。
【0066】
第二リレー36は、配電線L32の中途部において互いに並列に配置される停電リレー36a及び排他リレー36bを具備する。
【0067】
停電リレー36aは、停電の発生有無に応じて開閉状態が切り替えられるリレーである。停電リレー36aは、共用センサ24(図1参照)と接続され、共用センサ24から送信される検出結果に基づいて停電の発生有無を判断する。停電リレー36aは、停電が発生していないと判断した場合に閉状態となる。また、停電リレー36aは、停電が発生していると判断した場合に開状態となる。
【0068】
排他リレー36bは、開閉状態が第一リレー35に対して排他的に制御されるリレーである。すなわち、排他リレー36bは、第一リレー35が閉状態となった場合に開状態となり、第一リレー35が開状態となった場合に閉状態となる。
【0069】
このように構成される第二リレー36は、停電リレー36a又は排他リレー36bのいずれかが閉状態となった場合に、配電線L32、すなわち住宅用発電部31と住宅用パワコン33とを接続する。一方、第二リレー36は、停電リレー36a及び排他リレー36bがそれぞれ開状態となった場合に、配電線L32の接続を解除する。
【0070】
なお、図1、後述する図3図5及び図7においては、配電線L32を接続している(停電リレー36a又は排他リレー36bが閉状態である)場合に閉状態、配電線L32の接続を解除している(停電リレー36a及び排他リレー36bが開状態である)場合に開状態となるような1つのリレーを用いて、第二リレー36の記載を簡略化している。これは、第二住宅用蓄電システム40及び第三住宅用蓄電システム50の第二リレー46・56においても同様である。
【0071】
次に、このように構成される電力供給システム1における、各住宅Hへの電力の供給態様について説明する。
【0072】
まず、図1及び図2を用いて、非停電時における電力の供給態様について説明する。なお、図1及び図2に示す切替盤26は、配電線Lの切替盤26よりも上流側と下流側とを接続し、分電盤10への電力の供給元が系統電源K及び共用蓄電システム20となるようにしている。また、給電切替盤H14は、一般負荷H11及び第一特定負荷H12への電力供給を許可している。
【0073】
非停電時において、配電線Lには、系統電源Kからの電力が流通している。各センサ24・34・44・54は、このような配電線Lを流通する電力を検出し、当該検出結果に関する信号を自身に接続された各パワコン23・33・43・53に送信する。また、共用センサ24は、各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aにも信号を送信する。
【0074】
各パワコン23・33・43・53は、各センサ24・34・44・54から送信される信号(例えば、電圧の検出結果に関する信号)に基づいて、停電が発生していないと判断する。各パワコン23・33・43・53は、停電が発生していないと判断すると、連系運転を行う。
【0075】
このとき、制御部60は、各第一リレー35・45・55を閉状態にして配電線L31・L41・L51を接続する。これにより、制御部60は、各住宅用蓄電システム30・40・50を系統電源Kと連係させる。なお、各第二リレー36・46・56の排他リレー36b・46b・56bは、各第一リレー35・45・55の動作に伴って開状態となる。
【0076】
また、各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aは、共用センサ24から送信される信号に基づいて停電が発生していないと判断して閉状態となる。これにより、各第二リレー36・46・56は、各住宅用パワコン33・43・53が連系運転を行う場合に、配電線L32・L42・L52を接続し、各住宅用発電部31・41・51と各住宅用パワコン33・43・53とを接続する。
【0077】
以上のような状態において、各パワコン23・33・43・53は、連系運転を行う。具体的には、共用パワコン23は、共用発電部21及び共用蓄電池22からの電力を、配電線L21へ流通させる。また、各住宅用パワコン33・43・53は、各住宅用発電部31・41・51及び各住宅用蓄電池32・42・52からの電力を、配電線L31・L41・L51へ流通させる。これにより、各パワコン23・33・43・53は、各発電部21・31・41・51及び各蓄電池22・32・42・52からの電力を配電線L(分電盤10)を介して各住宅Hへ供給する。これによって、各パワコン23・33・43・53は、非停電時において、系統電源Kと連系して電力を供給する。
【0078】
当該電力は、各住宅Hの給電切替盤H14へ供給される。給電切替盤H14へ供給された電力は、一般負荷H11及び第一特定負荷H12へ供給される。第一特定負荷H12へ供給された電力は、第二特定負荷H13へ供給される。これにより、各住宅Hにおいて、照明を点灯させたり、調理器具や冷蔵庫を使用したりすることができる。
【0079】
各パワコン23・33・43・53は、このような連系運転を行う場合に、各センサ24・34・44・54の検出結果(系統電源K等から供給される電力の電力量)に基づいて、各住宅Hへ供給する電力の電力量を調整する負荷追従運転を行う。
【0080】
また、各パワコン23・33・43・53は、連系運転を行う場合において、各蓄電池22・32・42・52の残量が所定の閾値(本実施形態においては30%)以下となった場合に、各蓄電池22・32・42・52の放電を停止する。これにより、各パワコン23・33・43・53は、停電に備えて各蓄電池22・32・42・52の残量が少なくなり過ぎないようにしている。
【0081】
また、各パワコン23・33・43・53は、連系運転を行う場合において、各発電部21・31・41・51で発電した電力を各蓄電池22・32・42・52に適宜充電する。また、各パワコン23・33・43・53は、各発電部21・31・41・51で発電した電力が余った場合に、当該余った電力を系統電源Kへ逆潮流させる。これにより、各住宅Hの居住者は、自身が所有する各住宅用発電部31・41・51から逆潮流させた電力量に応じて金銭的な利益を得ることができる。また、各パワコン23・33・43・53は、必要に応じて(各発電部21・31・41・51の発電量が少ない場合等に)、系統電源Kからの電力を各蓄電池22・32・42・52に充電する。
【0082】
なお、本実施形態において、各蓄電システム20・30・40・50から配電線Lへ流通する電力及び配電線Lから各住宅Hへ供給される電力は、制御部60や各住宅Hに設けられるスマートメータ(不図示)によって適宜把握可能となっている。このような把握された電力に基づいて、電力の売買を適宜判断することができる。
【0083】
具体的には、例えば、第一住宅H1の消費電力が第一住宅用蓄電システム30(第一住宅H1の居住者が所有する蓄電システム)からの電力と同一の電力量である場合、第一住宅H1は系統電源Kから電力を購入していないと判断することができる。この場合、買電量を減少させて電気料金を節約することができる。また、第二住宅用蓄電システム40及び第三住宅用蓄電システム50が停止しており、第一住宅用蓄電システム30からの電力のみで各住宅Hの消費電力を賄っている場合、第一住宅用蓄電システム30から第二住宅H2及び第三住宅H3へ電力を融通していると判断することができる。この場合、第一住宅H1の居住者は、融通した電力量に応じて第二住宅H2及び第三住宅H3の居住者から金銭的な利益を得ることができる。
【0084】
次に、図3から図7までを用いて、停電時における電力の供給態様について説明する。なお、以下においては、図1及び図2に示す状態から停電が発生したものとする。
【0085】
停電が発生すると、配電線Lに系統電源Kからの電力が流通しなくなる。各センサ24・34・44・54は、このような状態を検出し、当該検出結果に関する信号を各パワコン23・33・43・53に送信する。また、共用センサ24は、各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aにも信号を送信する。
【0086】
各パワコン23・33・43・53は、各センサ24・34・44・54から送信される信号(例えば、電圧の検出結果に関する信号)に基づいて、停電が発生していると判断する。各パワコン23・33・43・53は、停電が発生していると判断すると、連系運転から自立運転に切り替える(自立運転を行う)。
【0087】
また、図4に示すように、各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aは、共用センサ24から送信される信号に基づいて停電が発生していると判断して開状態となる。
【0088】
また、図3及び図4に示すように、制御部60は、各第一リレー35・45・55を開状態にして配電線L31・L41・L51の接続を解除する。これにより、制御部60は、各住宅用蓄電システム30・40・50を配電線Lから切り離して系統電源Kから独立させる。なお、各第二リレー36・46・56の排他リレー36b・46b・56bは、各第一リレー35・45・55の動作に伴って閉状態となる。これにより、各第二リレー36・46・56は、各住宅用パワコン33・43・53が自立運転を行う場合にも、各住宅用発電部31・41・51と各住宅用パワコン33・43・53とを接続する。
【0089】
また、各住宅Hの給電切替盤H14は、一般負荷H11への電力供給を禁止する。また、所定のリレーにより第一特定負荷H12と第二特定負荷H13との接続が解除される。
【0090】
以上のような状態において、各パワコン23・33・43・53は、自立運転を行う。具体的には、共用パワコン23は、切替盤26に信号を送信して配電線L22と配電線Lの切替盤26よりも下流側とを接続し、分電盤10への電力の供給元が共用蓄電システム20のみとなるようにする。そして、共用パワコン23は、共用発電部21及び共用蓄電池22からの電力を配電線L22へ流通させる。これにより、共用パワコン23は、切替盤26によって系統電源Kが切り離された状態の配電線Lを介して、各住宅Hの第一特定負荷H12へ電力を供給する。これによって、共用パワコン23は、系統電源Kから独立して電力を供給する。なお、以下においては、このような共用パワコン23による自立運転を「共用自立運転」と称する。
【0091】
また、各住宅用パワコン33・43・53は、自立運転を行う場合に、各住宅用発電部31・41・51及び各住宅用蓄電池32・42・52からの電力を配電線L33・L43・L53へ流通させる。これにより、各住宅用パワコン33・43・53は、自身を所有する各住宅Hの第二特定負荷H13へのみ電力を供給する。これによって、各住宅用パワコン33・43・53は、系統電源Kから独立して電力を供給する。なお、以下においては、このような各住宅用パワコン33・43・53による自立運転を「住宅用自立運転」と称する。
【0092】
ここで、共用自立運転の切替が完了し、共用発電部21及び共用蓄電池22から配電線L22へと電力が流通するようになると、当該電力は、トランス25で昇圧されて配電線Lへ流通することとなる。各住宅用センサ34・44・54は、このような電力を検出し、その検出結果に関する信号を各住宅用パワコン33・43・53に送信する。
【0093】
各住宅用パワコン33・43・53は、各住宅用センサ34・44・54から送信される信号に基づいて、復電したと判断する。各住宅用パワコン33・43・53は、復電したと判断すると連系運転を再開する(住宅用自立運転から連系運転に切り替える)。すなわち、各住宅用パワコン33・43・53は、停電が発生すると一旦住宅用自立運転に切り替えられるものの、すぐに連系運転を再開することとなる。
【0094】
このとき、図5及び図6に示すように、制御部60は、各第一リレー35・45・55を閉状態にする。各第二リレー36・46・56の排他リレー36b・46b・56bは、これに伴って開状態となる。
【0095】
各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aは、トランス25で昇圧された電力が流通していない共用センサ24の検出結果に基づいて停電を判断している。このため、停電リレー36a・46a・56aは、依然として停電している(復電していない)と判断し、開状態のままとなる。こうして、各第二リレー36・46・56は、各住宅用パワコン33・43・53が連系運転を再開する場合に、配電線L32・L42・L52の接続を解除する。
【0096】
以上のような状態において、各住宅用パワコン33・43・53は、連系運転を再開する。この際、各住宅用パワコン33・43・53は、配電線L32・L42・L52の接続が解除されていることから、各住宅用蓄電池32・42・52からの電力のみを配電線L31・L41・L51へ流通させる。これにより、各住宅用パワコン33・43・53は、各住宅用蓄電池32・42・52からの電力のみを配電線Lを介して各住宅Hへ供給する。これによって、各住宅用パワコン33・43・53は、実際には停電となっている系統電源Kとは連系していないものの、共用蓄電システム20を系統電源Kと見立ててあたかも系統電源Kと連系しているかのように(擬似的に)、各住宅Hへ電力を供給する。これによれば、各住宅用パワコン33・43・53は、停電時に共用蓄電システム20と連系し、各住宅用蓄電池32・42・52からの電力を配電線Lを介して各住宅Hに供給(融通)することができる。なお、以下においては、このような停電時に擬似的に行われる連系運転を「擬似連系運転」と称する。
【0097】
このような擬似連系運転が開始されると(切替が完了すると)、所定のリレーによって各住宅Hの第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とが接続される。これにより、擬似連系運転が行われている間、第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13に配電線Lから電力が供給される。
【0098】
このように、擬似連系運転が開始されてから第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とを接続することで、共用蓄電池22の残量を確保することができる。具体的には、住宅用自立運転から擬似連系運転への切替が完了するまで(各住宅用蓄電池32・42・52からの電力が配電線Lへ流通するまで)には、数分程度の時間を要する。この間、共用蓄電システム20は、単体で各住宅Hの電力を賄うこととなるため、各住宅Hの消費電力が大きい場合に、共用蓄電池22の放電量が多くなって、共用蓄電池22の残量が減り易くなってしまう可能性がある。そこで、本実施形態においては、擬似連系運転が開始されてから第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とを接続することで、擬似連系運転の切替が完了するまでは第一特定負荷H12へのみ電力を供給するようにしている。これにより、擬似連系運転の切替が完了するまでの間、共用蓄電システム20から各住宅Hへ供給する電力量を減らすことができる。このため、共用蓄電池22の残量を確保することができる。
【0099】
また、本実施形態においては、擬似連系運転が開始されるまでの間、第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13のうち、消費電力の小さい一方(第一特定負荷H12)へのみ電力を供給するようにしている。これにより、擬似連系運転が開始されるまでの間、共用蓄電システム20から各住宅Hへ供給する電力量を効果的に減らすことができるため、共用蓄電池22の残量を効果的に確保することができる。
【0100】
なお、このような第一特定負荷H12と第二特定負荷H13との接続は、例えば、タイマー等を用いて実現される。より詳細には、停電が発生してからの経過時間をタイマーによって計測し、停電から数分が経過したことを当該タイマーで確認した際に、所定のリレーが制御され第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とを接続する。これによって、擬似連系運転が開始されてから、第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とを簡単に接続することができる。
【0101】
また、各第二リレー36・46・56は、擬似連系運転が行われる場合に配電線L32・L42・L52の接続を解除している。これよれば、擬似連系運転が行われる場合に、各住宅用発電部31・41・51からの電力が逆潮流するのを防止できる。これにより、電力の逆潮流によって共用蓄電池22(最上流の蓄電池)に不具合が生じることを防止できる。
【0102】
ここで、各住宅用蓄電池32・42・52は、擬似連系運転が行われる場合に非停電時と同じように動作することとなるため、その残量が所定の閾値(30%)以下となると、実際には停電しているにも関わらず、停電に備えて放電を停止してしまう。
【0103】
仮に、復電するまでこのような停止した状態を維持してしまうと、各住宅用蓄電池32・42・52は、停電を想定して残しておいた電力を、停電時に放電することができなくなってしまう。
【0104】
また、擬似連系運転において、各住宅Hへ供給される電力は、配電線Lを流通して前記スマートメータで把握されることとなる。このため、仮に、復電するまで各住宅用蓄電池32・42・52が停止した状態を維持してしまうと、当該停止した住宅用蓄電池32・42・52を所有する居住者の各住宅Hは、放電可能な電力が残っているにも関わらず、他の住宅Hから電力を購入することとなってしまう。例えば、第三住宅用蓄電システム50の住宅用蓄電池52の放電が停止すると、第三住宅H3は、第一住宅H1及び第二住宅H2から電力を購入する(第一住宅用蓄電システム30及び第二住宅用蓄電システム40から電力が融通される)こととなってしまう。
【0105】
そこで、本実施形態においては、各住宅用蓄電池32・42・52の残量が所定の閾値(30%)以下となった場合に、住宅用自立運転を行うようにしている。以下においては、第三住宅用蓄電システム50の住宅用蓄電池52の残量が所定の閾値(30%)以下となった場合を例に挙げて、その内容を説明する。
【0106】
図4及び図7に示すように、制御部60は、住宅用蓄電池52の残量が所定の閾値(30%)以下となった場合(住宅用自立運転を行う場合)に、第一リレー55を開状態にして配電線L51の接続を解除する。第二リレー56の排他リレー56bは、これに伴って閉状態となる。これにより、制御部60は、第三住宅用蓄電システム50を配電線L(系統電源K)から切り離すと共に、住宅用発電部51と住宅用パワコン53とを接続する。また、制御部60は、住宅用パワコン53に信号を送信し、擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替える。
【0107】
これにより、住宅用パワコン53は、住宅用発電部51からの電力を住宅用蓄電池52及び第三住宅H3の第二特定負荷H13へ供給する。住宅用蓄電池52は、当該電力によって充電される。また、第二特定負荷H13へ供給された電力は、第一特定負荷H12へ供給される。
【0108】
なお、住宅用発電部51からの電力が第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13の消費電力に対して不足する場合、住宅用パワコン53は、住宅用発電部51から住宅用蓄電池52への電力の供給量を減らしたり、住宅用蓄電池52を放電させて不足した電力を賄う。
【0109】
また、住宅用発電部51及び住宅用蓄電池52からの電力が第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13の消費電力に対して不足する場合、当該不足する電力は、共用蓄電システム20、第一住宅用蓄電システム30及び第二住宅用蓄電システム40からの電力で賄われる。
【0110】
このような構成によれば、停電時において、共用蓄電池22に電力が逆潮流されるのを防止しつつ、住宅用発電部51からの電力を第一特定負荷H12、第二特定負荷H13及び住宅用蓄電池52へ供給することができる。これにより、停電時において、共用蓄電池22に不具合が生じるのを防止できると共に、住宅用発電部51で発電した電力を有効に活用することができる。
【0111】
また、住宅用蓄電池52は、擬似連系運転から切り替えられた住宅用自立運転において放電可能となるため、停電を想定して残しておいた電力を余すことなく使うことができる。また、住宅用蓄電池52に放電可能な電力が残っているにも関わらず、他の住宅H(第一住宅H1及び第二住宅H2)から電力を購入するのを抑制できる。
【0112】
なお、制御部60は、第一住宅用蓄電システム30の住宅用蓄電池32の残量が所定の閾値(30%)以下となった場合、第三住宅用蓄電システム50の場合と同様に、住宅用パワコン33を擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替える。また、制御部60は、第二住宅用蓄電システム40の住宅用蓄電池42の残量が所定の閾値(30%)以下となった場合も、第三住宅用蓄電システム50の場合と同様に、住宅用パワコン43を擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替える。これにより、共用蓄電池22に不具合が生じるのを防止できると共に、住宅用発電部31・41で発電した電力も有効に活用することができる。
【0113】
図7に示す状態から復電すると、共用センサ24は、系統電源Kからの電力を検出し、当該検出結果に関する信号を共用パワコン23及び各第二リレー36・46・56の停電リレー36a・46a・56aに送信する。共用パワコン23は、共用センサ24から送信される信号に基づいて、復電したと判断する。図1に示すように、共用パワコン23は、復電したと判断すると連系運転を再開する(共用自立運転から連系運転に切り替える)。また、図2に示すように、停電リレー36a・46a・56aは、共用センサ24から送信される信号に基づいて復電したと判断し、閉状態となる。
【0114】
また、制御部60は、各住宅用パワコン33・43・53の中に住宅用自立運転しているものがある場合、当該各住宅用パワコン33・43・53を住宅用自立運転から連系運転に切り替える。また、制御部60は、各第一リレー35・45・55を閉状態に切り替える。
【0115】
以上によって、各パワコン23・33・43・53は、復電すると連系運転を再開し、系統電源Kと連係して電力を各住宅Hへ供給する。
【0116】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、系統電源Kからの電力を充放電可能な共用蓄電池22(第一蓄電池)と、前記共用蓄電池22からの電力を出力する共用パワコン23(第一パワーコンディショナー)と、を有する共用蓄電システム20(第一蓄電システム)と、自然エネルギーを利用して発電可能な住宅用発電部31・41・51(発電部)と、前記住宅用発電部31・41・51からの電力を充放電可能な住宅用蓄電池32・42・52(第二蓄電池)と、前記住宅用発電部31・41・51及び前記住宅用蓄電池32・42・52からの電力を出力する住宅用パワコン33・43・53(第二パワーコンディショナー)と、を有し、前記共用蓄電システム20よりも第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13(負荷)側に配置される住宅用蓄電システム30・40・50(第二蓄電システム)と、を具備し、前記共用蓄電システム20は、停電が発生すると、前記系統電源Kから独立して前記共用蓄電池22からの電力を前記第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13へ供給する共用自立運転(第一自立運転)を行い、前記住宅用蓄電システム30・40・50は、前記共用自立運転を行っている前記共用蓄電システム20を前記系統電源Kと見立てて共用蓄電システム20と連系し、前記住宅用蓄電池32・42・52からの電力のみを前記第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13へ供給する擬似連系運転と、前記擬似連系運転中に前記住宅用蓄電池32・42・52の残量が第一閾値(所定の閾値(30%))以下となった場合に前記系統電源Kから独立し、前記住宅用発電部31・41・51からの電力を前記第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13又は前記住宅用蓄電池32・42・52の少なくともいずれかへ供給する住宅用自立運転(第二自立運転)と、を行うものである。
【0117】
このように構成することにより、停電時に住宅用発電部31・41・51の電力が逆潮流するのを防止できると共に、住宅用発電部31・41・51の電力を利用できる。このため、共用蓄電池22に不具合が生じるのを防止できると共に、住宅用発電部31・41・51の電力を有効に活用することができる。
【0118】
また、前記共用蓄電システム20は、共用自立運転を開始してから前記住宅用蓄電システム30・40・50が前記擬似連系運転を開始するまでの間、前記第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13の一部へのみ電力を供給するものである。
【0119】
このように構成することにより、共用自立運転を開始してから各住宅用蓄電システム30・40・50が擬似連系運転を開始するまでの間、第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13の全てに電力を供給しなくても済むため、この間の電力の供給量を減らして共用蓄電池22の残量を確保することができる。
【0120】
また、前記住宅用蓄電システム30・40・50は、前記系統電源Kと前記住宅用パワコン33・43・53との間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に前記系統電源Kとの連系を行うために閉状態となると共に、前記住宅用自立運転を行う場合に前記系統電源Kからの独立を行うために開状態となる第一リレー35・45・55(連系リレー)と、前記住宅用発電部31・41・51と前記住宅用パワコン33・43・53との間に配置され、前記擬似連系運転を行う場合に開状態となって前記住宅用発電部31・41・51と前記住宅用パワコン33・43・53との接続を解除すると共に、前記住宅用自立運転を行う場合に閉状態となって前記住宅用発電部31・41・51と前記住宅用パワコン33・43・53とを接続する排他リレー36b・46b・56b(接続リレー)と、をさらに有するものである。
【0121】
このように構成することにより、第一リレー35・45・55及び排他リレー36b・46b・56bを制御することで、擬似連系運転及び住宅用自立運転の切替を簡単に行うことができる。
【0122】
また、前記第一リレー35・45・55及び前記排他リレー36b・46b・56bを制御可能な制御部60(EMS(Energy Management System))をさらに具備するものである。
【0123】
このように構成することにより、住宅用蓄電池32・42・52の残量を確認可能な機器(制御部60)で第一リレー35・45・55及び排他リレー36b・46b・56bを制御することができる。これにより、住宅用蓄電池32・42・52の残量の確認と第一リレー35・45・55等の制御とを一つの機器で行うことができるため、擬似連系運転及び住宅用自立運転の切替をより簡単に行うことができる。
【0124】
なお、本実施形態に係る共用蓄電池22は、本発明に係る第一蓄電池の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る共用パワコン23は、本発明に係る第一パワーコンディショナの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る共用蓄電システム20は、本発明に係る第一蓄電システムの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅用発電部31・41・51は、本発明に係る発電部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅用蓄電池32・42・52は、本発明に係る第二蓄電池の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅用パワコン33・43・53は、本発明に係る第二パワーコンディショナの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13は、本発明に係る負荷の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅用蓄電システム30・40・50は、本発明に係る第二蓄電システムの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一リレー35・45・55は、本発明に係る連系リレーの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る排他リレー36b・46b・56bは、本発明に係る接続リレーの実施の一形態である。
【0125】
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0126】
例えば、電力供給システム1は、集合住宅Aに設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の企業等が入居するオフィスビル等に設けられるものであってもよい。
【0127】
また、本実施形態においては、停電発生時に電力が供給されることが望ましい機器を第一特定負荷H12と第二特定負荷H13とに分けるものとしたが、停電発生時に当該機器に電力を供給可能であれば、必ずしも分ける必要はない。
【0128】
また、共用蓄電システム20は、各住宅Hへ電力を供給する手段として少なくとも共用蓄電池22を具備していればよく、必ずしも共用発電部21を具備していなくてもよい。
【0129】
また、共用蓄電システム20の台数は、1台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、集合住宅Aの規模等に応じて任意の台数とすることができる。
【0130】
また、住宅用蓄電システムの台数は、3台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、各住宅Hの数や各住宅Hの消費電力等に応じて任意の台数とすることができる。また、住宅用蓄電システムは、1つの住宅Hに1台設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、1つの住宅Hに複数台設けられるものであってもよい。
【0131】
また、発電部は、太陽光を利用して発電する各住宅用発電部31・41・51であるものとしたが、自然エネルギー(例えば、水力や風力)を利用して発電するものであれば、これに限定されるものではない。
【0132】
また、制御部60は、EMSによって構成されるものとしたが、各第一リレー35・45・55の制御や各住宅用パワコン33・43・53の運転を切替可能であれば、これに限定されるものではなく、例えば、ホームサーバ等であってもよい。
【0133】
また、制御部60は、開閉状態が排他的に制御される第一リレー35・45・55又は第二リレー36・46・56の排他リレー36b・46b・56bのいずれかを制御すればよく、必ずしも本実施形態のように第一リレー35・45・55を制御する必要はない。
【0134】
また、連系運転時に各蓄電池22・32・42・52の放電を停止させる所定の閾値は、30%であるものとしたが、これに限定されるものではなく、各蓄電池22・32・42・52の容量や各発電部21・31・41・51の発電能力等に応じて任意の値とすることができる。また、所定の閾値は、各蓄電池22・32・42・52毎に異なる値であってもよい。
【0135】
また、擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替える条件は、住宅用蓄電池32・42・52の残量が所定の閾値以下であるか否かを含んでいれば、本実施形態に限定されるものではない。各住宅用パワコン33・43・53は、例えば、各住宅用蓄電池32・42・52の残量が所定の閾値以下となった場合、かつ、各住宅用発電部31・41・51が発電している場合に、擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替えられてもよい。このように構成することで、各住宅用パワコン33・43・53は、住宅用自立運転時に各住宅用発電部31・41・51からの電力を第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13又は各住宅用蓄電池32・42・52へ確実に供給することができる。以下においては、このような各住宅用発電部31・41・51が発電しているか否かを考慮した擬似連系運転から住宅用自立運転への切替を、「変形例に係る切替」と称する。
【0136】
変形例に係る切替を行う場合、各住宅用パワコン33・43・53は、擬似連系運転中に各住宅用発電部31・41・51の発電状態を判断する必要がある。しかし、各住宅用パワコン33・43・53は、擬似連系運転中は各住宅用発電部31・41・51との接続が解除されるため、各住宅用発電部31・41・51からの電力等に基づいて各住宅用発電部31・41・51の発電状態を判断することが困難となってしまう可能性がある。一方、共用パワコン23は、常に(各住宅用パワコン33・43・53の運転状態に関わらず)共用発電部21と接続されるため、共用発電部21のからの電力等に基づいて共用発電部21の発電状態を常に判断可能である。そこで、各住宅用パワコン33・43・53は、共用パワコン23から共用発電部21の発電状態を取得し、当該発電状態に基づいて各住宅用発電部31・41・51の発電状態を推定(判断)してもよい。この場合、各住宅用パワコン33・43・53は、共用発電部21が発電している場合に各住宅用発電部31・41・51が発電していると推定すると共に、共用発電部21が発電していない場合に各住宅用発電部31・41・51が発電していないと推定してもよい。
【0137】
また、変形例に係る切替を行う構成においては、住宅用自立運転中に各住宅用蓄電池32・42・52の残量が所定の閾値よりも大きな閾値(例えば、80%)以上となった場合、又は、各住宅用発電部31・41・51が発電しなくなった場合に、住宅用自立運転から擬似連系運転に切り替えてもよい。このように構成することで、住宅用自立運転中に充電した電力を擬似連系運転に利用する(停電中に各住宅Hに融通する)ことができるため、各住宅用発電部31・41・51からの電力をより有効に活用することができる。
【0138】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1において、前記共用蓄電システム20は、前記住宅用発電部31・41・51が利用する自然エネルギーと同一種類の自然エネルギーを利用して発電可能な共用発電部21(同種発電部)をさらに有し、前記住宅用蓄電システム30・40・50は、前記擬似連系運転中に前記住宅用蓄電池32・42・52の残量が前記第一閾値以下となった場合、かつ、前記共用発電部21が発電している場合に、前記住宅用自立運転を行うものである。
【0139】
このように構成することにより、住宅用自立運転時に各住宅用発電部31・41・51からの電力を第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13又は各住宅用蓄電池32・42・52へ確実に供給することができる。
【0140】
ここで、擬似連系運転が行われている各住宅用発電部31・41・51は、それぞれ各住宅用パワコン33・43・53との接続が解除されている。このように接続が解除されている状態においては、擬似連系運転から住宅用自立運転に切り替えた後に当該各住宅用発電部31・41・51からの電力を出力可能であるか否か(すなわち、前記切り替え時点において現在各住宅用発電部31・41・51が発電しているか否か)が判別し難くなっている。
【0141】
そこで、本実施形態においては、(共用パワコン23と常に接続され、発電しているか否かの情報が常に取得可能である)共用発電部21が発電している場合に、(当該共用発電部21と同様に太陽光を利用して発電する)各住宅用発電部31・41・51が発電しているものと推定して、住宅用自立運転を行っている。
こうして、実際には、各住宅用発電部31・41・51が発電しているか否かを判別し難いものの、発電している蓋然性が高いと想定される場合に、住宅用自立運転を行うことができる。すなわち、擬似連系運転と住宅用自立運転との切り替えを効率的に無駄なく行うことができる。
【0142】
また、前記住宅用蓄電システム30・40・50は、前記住宅用自立運転中に前記住宅用蓄電池32・42・52の残量が前記第一閾値(所定の閾値)よりも大きな値の第二閾値以上となった場合に、前記擬似連系運転に切り替えるものである。
【0143】
このように構成することにより、住宅用発電部31・41・51の電力をより有効に活用することができる。
【0144】
なお、本実施形態に係る共用発電部21は、本発明に係る同種発電部の実施の一形態である。
【0145】
また、各第二リレー36・46・56の排他リレー36b・46b・56bは、各第一リレー35・45・55に対して開閉状態が排他的に制御されるものとしたが、これに限定されるものではなく、各第一リレー35・45・55に対して独立して制御されるものであってもよい。この場合、排他リレー36b・46b・56bは、例えば、制御部60から信号が送信されることで、適宜開閉状態が切り替えられるものであってもよい。
【0146】
各第二リレー36・46・56の構成は本実施形態のような2つのリレー(停電リレー36a・46a・56a及び排他リレー36b・46b・56b)に限定されるものではなく、例えば、連系運転時、擬似連系運転時及び自立運転時に配電線L32・L42・L52を適宜接続及び接続解除する1つのリレーによって構成されていてもよい。
【0147】
以下では、図8及び図9を用いて、本発明の第二実施形態に係る電力供給システム101の構成について説明する。
【0148】
なお、以下において、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される機器については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0149】
第二実施形態に係る電力供給システム101は、各住宅用蓄電システム130・140・150及び制御部160の構成が第一実施形態に係る電力供給システム1と異なっている。したがって、以下では、各住宅用蓄電システム130・140・150及び制御部160について説明する。
【0150】
第一住宅用蓄電システム130は、住宅用発電部31、住宅用蓄電池32、住宅用パワコン133、住宅用センサ34、第一リレー35及び第二リレー36及び第三リレー137を具備する。
【0151】
住宅用パワコン133は、第一実施形態に係る住宅用パワコン33の構成に加えて、後述する第三リレー137の開閉状態を設定可能に構成される。具体的には、住宅用パワコン133は、第一住宅H1内に設置されるタッチパネル等を具備する。第一住宅H1の居住者、すなわち第一住宅用蓄電システム130の所有者は、前記タッチパネルを操作することで、第三リレー137の開閉状態を設定することができる。住宅用パワコン133は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
【0152】
第三リレー137は、配電線L33の接続及び接続の解除(開閉状態の切替)を行うものである。第三リレー137は、配電線L33の中途部に設けられる。第三リレー137は、閉状態となると配電線L33(第三リレー137の接点同士)を接続し、住宅用パワコン133を第二特定負荷H13と接続する。また、第三リレー137は、開状態となると配電線L33の接続を解除し、住宅用パワコン133と第二特定負荷H13との接続を解除する。
【0153】
第二住宅用蓄電システム140は、住宅用発電部41、住宅用蓄電池42、住宅用パワコン143、住宅用センサ44、第一リレー45、第二リレー46及び第三リレー147を具備する。住宅用パワコン143は、第二住宅H2の居住者が第三リレー147の開閉状態を設定可能に構成される点を除いて、第一住宅用蓄電システム130の住宅用パワコン133と同様に構成される。第三リレー147は、配電線L43の中途部に設けられる点を除いて、第一住宅用蓄電システム130の第三リレー137と同様に構成される。
【0154】
第三住宅用蓄電システム150は、住宅用発電部51、住宅用蓄電池52、住宅用パワコン153、住宅用センサ54、第一リレー55、第二リレー56及び第三リレー157を具備する。住宅用パワコン153は、第三住宅H3の居住者が第三リレー157の開閉状態を設定可能に構成される点を除いて、第一住宅用蓄電システム130の住宅用パワコン133と同様に構成される。第三リレー157は、配電線L53の中途部に設けられる点を除いて、第一住宅用蓄電システム130の第三リレー137と同様に構成される。
【0155】
なお、図8図11図13図14及び図16においては、第二リレー36の記載を簡略化している。具体的には、配電線L32を接続している(停電リレー36a又は排他リレー36bが閉状態である)場合に閉状態、配電線L32の接続を解除している(停電リレー36a及び排他リレー36bが開状態である)場合に開状態となるような1つのリレーを用いて、第二リレー36の記載を簡略化している。これは、第二住宅用蓄電システム140及び第三住宅用蓄電システム150の第二リレー46・56においても同様である。
【0156】
制御部160は、第一実施形態に係る制御部60と同様に、演算処理装置等によって構成され、プログラムや種々の情報を演算処理装置で読み込んで処理することで、電力供給システム101の動作等を実行することができる。
【0157】
制御部160は、各パワコン23・133・143・153と接続される。制御部160は、共用パワコン23から送信される信号に基づいて、共用センサ24の検出結果を取得することができる。また、制御部160は、各住宅用パワコン133・143・153から送信される信号に基づいて、各第三リレー137・147・157の開閉状態の設定結果、各住宅用発電部31・41・51の発電状態、並びに各住宅用蓄電池32・42・52の残量及び充放電の状態を取得することができる。制御部160は、各住宅用パワコン133・143・153に信号を送信することで、連系運転及び自立運転を切り替えることができる。
【0158】
また、制御部160は、各第一リレー35・45・55及び各第三リレー137・147・157と接続される。制御部160は、各第一リレー35・45・55及び各第三リレー137・147・157に信号を送信することで、各第一リレー35・45・55及び各第三リレー137・147・157を制御する(開閉状態を切り替える)ことができる。
【0159】
また、第二実施形態においては、各住宅Hの第二特定負荷H13に関する構成が、第一実施形態とは異なっている。具体的には、第二特定負荷H13は、給電切替盤H14と接続される。給電切替盤H14は、内部に設けられる複数のリレーを制御することで、第二特定負荷H13への電力供給を許可したり、電力供給を禁止したりすることができる。
【0160】
次に、図8から図16までを用いて、制御部160による切替動作の処理を説明しつつ、各住宅用パワコン133・143・153が連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様を適宜説明する。
【0161】
図10に示す切替動作の処理は、停電の発生有無等に応じて、各第一リレー35・45・55から各第三リレー137・147・157までの開閉状態等を切り替えるものである。切替動作の処理は、所定のタイミングで(例えば、所定の時刻になると)開始される。切替動作の処理が開始されると、制御部160は、共用パワコン23から共用センサ24の検出結果を取得する。また、制御部160は、各住宅用パワコン133・143・153から、各第三リレー137・147・157の開閉状態の設定結果、各住宅用発電部31・41・51の発電状態、並びに各住宅用蓄電池32・42・52の残量及び充放電の状態を取得する。
【0162】
ステップS10において、制御部160は、共用センサ24の検出結果に基づいて、現在停電しているか否かを判断する。制御部160は、現在停電していると判断した場合に、ステップS30へ移行する。一方、制御部160は、現在停電していない(非停電時である)と判断した場合に、ステップS20へ移行する。
【0163】
ステップS20において、制御部160は、図8及び図9に示すように、各第一リレー35・45・55及び各第三リレー137・147・157を閉状態にする。各第二リレー36・46・56の各排他リレー36b・46b・56bは、各第一リレー35・45・55が閉状態となることで、開状態となる。また、各第二リレー36・46・56の各停電リレー36a・46a・56aは、非停電時であることから(ステップS10:NO)、閉状態となる。制御部160は、ステップS20の処理が終了すると、切替動作の処理を終了する。
【0164】
制御部160は、ステップS20の処理を行うことで、非停電時において、各住宅用パワコン133・143・153を、各住宅用発電部31・41・51と接続すると共に配電線L・L31・L41・L51を介して各住宅Hと接続する。各住宅用パワコン133・143・153は、このような状態で連系運転を行う。
【0165】
具体的には、各住宅用パワコン133・143・153は、各住宅用発電部31・41・51及び各住宅用蓄電池32・42・52からの電力を配電線L31・L41・L51に流通させる。これにより、各住宅用パワコン133・143・153は、配電線Lを介して各住宅Hへ電力を供給(融通)する。なお、各住宅用蓄電池32・42・52は、連系運転中にその残量が所定の閾値(本実施形態では30%)以下となると、停電に備えて放電を停止する。
【0166】
図10に示すように、ステップS10において現在停電していると判断した場合に移行するステップS30において、各停電リレー36a・46a・56aは、開状態となる。また、図11に示すように、給電切替盤H14は、一般負荷H11への電力供給を禁止する。また、共用パワコン23は、配電線L22へ電力を流通させることで、系統電源Kから独立して電力を供給する共用自立運転を行う。各住宅用パワコン133・143・153は、共用蓄電システム20を系統電源Kと見立てて(擬似的に)連系する擬似連系運転を行う。
【0167】
図11及び図12に示すように、各住宅用パワコン133・143・153が擬似連系運転を行う場合、各第一リレー35・45・55が閉状態となると共に各排他リレー36b・46b・56bが開状態となる。こうして、各住宅用パワコン133・143・153は、各住宅用発電部31・41・51との接続が解除され、各住宅用蓄電池32・42・52からの電力のみを配電線Lを介して各住宅Hへ供給する。これによって、各住宅Hの第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13へ電力が融通される。図10に示すように、制御部160は、ステップS30の処理が終了すると、ステップS40へ移行する。
【0168】
ここで、各住宅用蓄電池32・42・52は、擬似連系運転が行われる場合に非停電時と同じように動作することとなるため、その残量が所定の閾値(30%)以下となると、実際には停電しているにも関わらず(ステップS10:YES)、停電に備えて放電を停止してしまう。そこで、制御部160は、ステップS40以降の処理を行うことにより、放電を停止した住宅用蓄電池の充放電を適宜制御する。
【0169】
ステップS40において、制御部160は、各住宅用蓄電池32・42・52の中に停止している蓄電池があるか否かを判断する。制御部160は、各住宅用蓄電池32・42・52の充放電の状態を確認し、停止している(充放電していない)蓄電池が少なくとも1つある場合に、停止している蓄電池があると判断する。この場合、制御部160は、ステップS50へ移行する。一方、制御部160は、全ての住宅用蓄電池32・42・52が充放電している(停止している蓄電池がないと判断した)場合に住宅用蓄電池の充放電を制御する必要はないと判断し、切替動作の処理を終了する。
【0170】
なお、以下においては、図13に示すように、第三住宅用蓄電システム150の住宅用蓄電池52の放電が停止して(ステップS40:YES)、ステップS50へ移行した場合を例に挙げながら、ステップS50以降の処理の内容を説明する。
【0171】
図10に示すステップS50において、制御部160は、停止している蓄電池の残量がないか否かを判断する。具体的には、制御部160は、停止している蓄電池の残量が所定の閾値(擬似連系運転中に放電を停止することになる値、具体的には30%)以下である場合に、蓄電池の残量がないと判断する。この場合、制御部160は、蓄電池の充電を行う必要があると判断し、ステップS60へ移行する。一方、制御部160は、蓄電池の残量がある場合に充電を行わなくてもよいと判断し、切替動作の処理を終了する。例えば、図13に示した例では、制御部160は、住宅用蓄電池52の残量が30%以下であるか否かを判断し、その判断結果に応じてステップS60へ移行する、又は切替動作の処理を終了することになる。
【0172】
図10に示すステップS60において、制御部160は、放電を停止している蓄電池を有する住宅用蓄電システムの住宅用発電部の発電状態を確認し、当該住宅用発電部が発電しているか否かを判断する。制御部160は、住宅用発電部が発電している場合に、ステップS70へ移行する。一方、制御部160は、住宅用発電部が発電していない場合に住宅用蓄電池を充電できないと判断し、切替動作の処理を終了する。例えば、図13に示した例では、制御部160は、第三住宅用蓄電システム150の住宅用発電部51の発電状態を確認し、その確認結果に応じてステップS70へ移行する、又は切替動作の処理を終了することになる。
【0173】
図10に示すステップS70において、制御部160は、放電を停止している蓄電池を有する住宅用蓄電システムの第一リレー及び第三リレーを開状態にする。第二リレーの排他リレーは、第一リレーが開状態となることで、閉状態となる。制御部160は、放電を停止している蓄電池を有する住宅用蓄電システムの住宅用パワコンに信号を送信し、自立運転を行うように運転状態を制御する。制御部160は、ステップS70の処理が終了すると、ステップS80へ移行する。
【0174】
例えば、図13に示す第三住宅用蓄電システム150の住宅用発電部51が発電している場合(ステップS60:YES)、図14及び図15に示すように、制御部160は、第一リレー55及び第三リレー157を開状態にする。排他リレー56bは、閉状態となる。以上によって、制御部160は、住宅用発電部51を住宅用蓄電池52のみと接続する。住宅用パワコン153は、このような状態で自立運転を行う。
【0175】
住宅用パワコン153は、ステップS70において自立運転を行う場合に、住宅用発電部51からの電力を住宅用蓄電池52のみに供給する。これによって、住宅用パワコン153は、住宅用発電部51からの電力を全て住宅用蓄電池52に充電できるため、住宅用蓄電池52を効率的に充電することができる。
【0176】
図10に示すステップS80において、制御部160は、放電を停止している蓄電池を有する住宅用蓄電システムの、第三リレーの開閉状態の設定結果を確認し、第三リレーを閉状態にする旨の指示があるかを判断する。制御部160は、第三リレーを閉状態にする旨の指示がある場合に、ステップS90へ移行する。一方、制御部160は、第三リレーを閉状態にする旨の指示がない場合に、ステップS100へ移行する。図14及び図15に示した例では、制御部160は、第三住宅用蓄電システム150の第三リレー157の開閉状態の設定結果に応じて、ステップS90又はステップS100のいずれかへ移行することになる。
【0177】
図10に示すステップS90において、制御部160は、放電を停止している蓄電池を有する住宅用蓄電システムの、第三リレーを閉状態にする。制御部160は、ステップS90の処理が終了すると、ステップS100へ移行する。
【0178】
例えば、図14及び図15に示す第三住宅用蓄電システム150の第三リレー157を閉状態にする旨の指示がある場合(ステップS80:YES)、図16に示すように、制御部160は、第三リレー157を閉状態にして、住宅用パワコン153と第三住宅H3の第二特定負荷H13とを接続する。当該住宅用パワコン153は、自立運転を行う。
【0179】
このとき、住宅用パワコン153は、住宅用発電部51からの電力を、住宅用蓄電池52に供給すると共に配電線L53へ出力する。これにより、住宅用パワコン153は、住宅用蓄電池52を充電すると共に、配電線L53を介して第三住宅H3の第二特定負荷H13へ電力を供給する。給電切替盤H14は、配電線L53を介して第二特定負荷H13へ電力が供給されるようになると、第二特定負荷H13との接続を解除する。これにより、各住宅Hの第一特定負荷H12及び第二特定負荷H13のうち、第三住宅H3の第二特定負荷H13を除く負荷に、配電線Lを介して電力が融通されることになる。
【0180】
ステップS80で居住者からの指示がない場合、及びステップS90の処理が終了した場合に移行するステップS100において、制御部160は、放電を停止していた蓄電池の残量が一定量以上であるか否かを判断する。具体的には、制御部160は、放電を停止していた蓄電池の残量が所定の閾値(30%)よりも大きな閾値(例えば、70%)以上である場合に、蓄電池の残量が一定量以上であると判断する。この場合、制御部160は、ステップS110へ移行する。一方、制御部160は、蓄電池の残量が一定量未満であると判断した場合に切替動作の処理を終了し、住宅用パワコンによる自立運転を継続させる。
【0181】
例えば、図14及び図16に示した例では、制御部160は、住宅用蓄電池52の残量が70%以上であるか否かを判断し、その判断結果に応じてステップS100へ移行する、又は切替動作の処理を終了することになる。
【0182】
図10に示すステップS110において、制御部160は、残量が一定以上であると判断した蓄電池を有する蓄電システムの第一リレー及び第三リレーを閉状態にする。第二リレーの排他リレーは、第一リレーが閉状態となることで、開状態となる。制御部160は、残量が一定以上であると判断した蓄電池を有する蓄電システムの住宅用パワコンに信号を送信し、自立運転から擬似連系運転に切り替える。制御部160は、ステップS110の処理が終了すると、切替動作の処理を終了する。
【0183】
例えば、図14及び図16に示す第三住宅用蓄電システム150の住宅用蓄電池52の残量が70%以上である場合(ステップS100:YES)、図11及び図12に示すように、制御部160は、第一リレー55及び第三リレー157を閉状態にする。排他リレー56bは、開状態となる。住宅用パワコン153は、擬似連系運転を行う。
【0184】
このようなステップS110により、制御部160は、住宅用パワコン153の擬似連系運転を再開させ、住宅用蓄電池52からの電力を配電線Lを介して各住宅Hへ供給する。なお、給電切替盤H14は、擬似連系運転が再開されると、第三住宅H3の第二特定負荷H13と接続する。これによれば、住宅用パワコン153は、住宅用発電部51からの電力で充電した住宅用蓄電池52を放電させて、各住宅Hへ電力を供給(融通)することができる。これにより、住宅用発電部51からの電力をより有効に活用することができる。
【0185】
以上のように構成された切替動作の処理は、終了後に無条件で連続して行われたり、所定の条件をトリガーにして(例えば、処理が終了してから所定の時間が経過した場合等に)、もう一度行われる。
【0186】
以上のように、制御部160は、擬似連系運転中に住宅用蓄電池52が所定の閾値(30%)以下となった場合でも、居住者の指示がない限りは配電線L53を切り離し、配電線L53を介した第二特定負荷H13への電力供給を極力行わないようにしている(ステップS70・S80)。これにより、住宅用発電部51からの電力を住宅用蓄電池52のみに供給し易くすることができるため、住宅用蓄電池52を効率的に充電することができる。
【0187】
また、住宅用パワコン153は、配電線L53を切り離して住宅用蓄電池52を充電し(ステップS70)、当該住宅用蓄電池52からの電力を配電線Lに流通させることで(ステップS110)、住宅用発電部51からの電力を第三住宅H3内で消費するのではなく、全ての住宅Hへ融通することができる。これにより、住宅用発電部51からの電力をより有効に活用することができる。
【0188】
なお、本実施形態においては、第三住宅用蓄電システム150の住宅用蓄電池52が放電を停止した場合を例に挙げてステップS50以降の処理を説明したが、第一住宅用蓄電システム130及び第二住宅用蓄電システム140の住宅用蓄電池32・42が放電を停止した場合、第一住宅用蓄電システム130及び第二住宅用蓄電システム140を対象としてステップS50以降の処理が行われることとなる。
【0189】
また、図8に示す非停電時において(ステップS10:NO)、各住宅用パワコン133・143・153は、配電線L33・L43・L53に電力を出力しない。このため、非停電時において、各第三リレー137・147・157の開閉状態は、各住宅Hへの電力供給に影響を与えるものではない。制御部160は、このような非停電時において、各第三リレー137・147・157を閉状態にしている(ステップS20)。
【0190】
このように構成することで、停電が発生した際の動作を簡略化することができる。具体的には、各住宅用パワコン133・143・153は、停電が発生すると、共用パワコン23が共用自立運転を開始するまでの間(共用蓄電システム20と連系するまでの間)、自立運転を行って、配電線L33・L43・L53を介して第二特定負荷H13へ電力を供給することとなる(図3参照)。
【0191】
本実施形態のように非停電時において各第三リレー137・147・157を閉状態にしていれば、停電が発生した際に各第三リレー137・147・157を動作させなくて済む。このため、停電が発生した際の動作を簡略化することができる。
【0192】
また、図11に示す擬似連系運転時においても、各住宅用パワコン133・143・153は、配電線L33・L43・L53に電力を出力しない。このため、擬似連系運転時においても、各第三リレー137・147・157の開閉状態は、各住宅Hへの電力供給に影響を与えるものではない。制御部160は、このような擬似連系運転時において、各第三リレー137・147・157を閉状態にしている。
【0193】
このように構成することで、共用パワコン23が共用自立運転を停止した場合の動作を簡略化することができる。具体的には、共用パワコン23は、停電時において、共用発電部21の発電が停止し、かつ共用蓄電池22の残量がなくなった場合に、配電線L22に電力を出力できなくなって共用自立運転を停止する。この場合、各住宅用パワコン133・143・153は、擬似連系運転から自立運転に切り替えて、配電線L33・L43・L53を介して第二特定負荷H13へ電力を供給することとなる。
【0194】
本実施形態のように擬似連系運転中に各第三リレー137・147・157を閉状態にしていれば、共用パワコン23が共用自立運転を停止した際に各第三リレー137・147・157を動作させなくて済む。このため、共用パワコン23が共用自立運転を停止した際の動作を簡略化することができる。
【0195】
ここで、擬似連系運転時において、各住宅用蓄電池32・42・52は、その残量が所定の閾値(30%)よりも多くても(放電可能であっても)、各住宅Hの消費電力が少ない場合等において、放電を停止する場合がある。そこで、制御部160は、ステップS50において、放電を停止している蓄電池の残量を確認している。これによれば、制御部160は、放電を停止している蓄電池が放電可能か否かを把握することができる。このため、制御部160は、放電不能な各住宅用蓄電池32・42・52がある場合に(ステップS50:YES)、各住宅用パワコン133・143・153を自立運転に切り替えて、各住宅用蓄電池32・42・52の充電を行うことができる。
【0196】
また、例えば、ある切替動作の処理においてステップS70やステップS90の処理が行われて停止していた蓄電池が充電を開始すると、全ての住宅用蓄電池が充放電を行うこととなる。その結果、制御部160は、次回以降の切替動作の処理においてステップS40へ移行すると、全ての住宅用蓄電池が停止していないと判断し、切替動作の処理を終了する可能性がある。この場合、充電中の蓄電池の残量が一定量以上となってもステップS50以降の処理へ移行せずに、擬似連系運転を再開しない可能性がある。
【0197】
そこで、制御部160は、ある切替動作の処理においてステップS70やステップS90の処理を行った場合、次回以降の切替動作の処理においてステップS40へ移行した場合に、充電している蓄電池を判断対象から除外することも可能である。これによって、制御部160は、次回以降の切替動作の処理においてステップS50以降の処理へ確実に移行することができる。
【0198】
また、例えば、ある切替動作の処理においてステップS70やステップS90の処理を行って残量がない蓄電池が充電を開始すると、当該蓄電池の残量は所定の閾値(30%)よりも多くなる。その結果、制御部160は、次回以降の切替動作の処理においてステップS50へ移行すると、充電中の蓄電池の残量が所定の値(30%)よりも多いと判断し、切替動作の処理を終了する可能性がある。この場合、充電中の蓄電池の残量が一定量以上となってもステップS100・S110へ移行せずに、擬似連系運転を再開しない可能性がある。
【0199】
そこで、制御部160は、ある切替動作の処理においてステップS70やステップS90の処理を行った場合、次回以降の切替動作の処理においてステップS50の処理をスキップする(あるいは、充電中の蓄電池を判断対象から除外する)ことも可能である。これによって、制御部160は、次回以降の切替動作の処理においてステップS100・S110へ確実に移行することができる。
【0200】
以上の如く、第二実施形態に係る電力供給システム101において、住宅用蓄電システム130・140・150(前記第二蓄電システム)は、自立運転(前記第二自立運転)を行う場合における住宅用パワコン133・143・153(前記第二パワーコンディショナー)から第二特定負荷H13(前記負荷)への電力の供給経路(配電線L33・L43・L53)に設けられ、開閉状態を変更可能な第三リレー137・147・157(自立リレー)をさらに具備するものである。
【0201】
このように構成することにより、住宅用蓄電池32・42・52を効率的に充電することができる。具体的には、第三リレー137・147・157によれば、配電線L33・L43・L53を介した第二特定負荷H13への電力供給の可否を切り替えることができる。このような構成において、自立運転時に第三リレー137・147・157を開状態にすれば、住宅用発電部31・41・51から第二特定負荷H13への電力供給を禁止することができる。これによって、住宅用蓄電池32・42・52からの電力を供給する対象を減らすことができるため、住宅用蓄電池32・42・52を効率的に充電することができる。
【0202】
また、前記住宅用蓄電システム130・140・150は、前記第三リレー137・147・157の開閉状態を設定可能な住宅用パワコン133・143・153(設定手段)をさらに具備し、前記第三リレー137・147・157は、前記住宅用蓄電システム130・140・150が前記自立運転をしている場合、かつ、前記住宅用パワコン133・143・153により前記第三リレー137・147・157を閉状態にすることが設定されていない場合に、開状態となるものである(ステップS70・ステップS80:NO)。
【0203】
このように構成することにより、自立運転時に住宅用発電部31・41・51から第二特定負荷H13への電力供給を禁止することができるため、住宅用蓄電池32・42・52を効率的に充電することができる。
【0204】
また、前記第三リレー137・147・157は、前記第三リレー137・147・157の開閉状態を設定可能な住宅用パワコン133・143・153(設定手段)をさらに具備し、前記住宅用蓄電システム130・140・150が前記自立運転をしている場合、かつ、前記住宅用パワコン133・143・153により前記前記第三リレー137・147・157を閉状態にすることが設定されている場合に(ステップS80:YES)、閉状態となるものである(ステップS90)。
【0205】
このように構成することにより、必要に応じて自立運転時に住宅用発電部31・41・51から第二特定負荷H13へ電力を供給することができる。本実施形態においては、各住宅H内で第三リレー137・147・157の開閉状態を設定可能であるため、居住者の意思に応じて自立運転時に住宅用発電部31・41・51から第二特定負荷H13へ電力を供給することができる。
【0206】
また、前記住宅用蓄電システム130・140・150は、停電が発生してから共用蓄電システム20(前記第一蓄電システム)が共用自立運転(前記第一自立運転)を開始するまでの間、前記系統電源Kから独立し、前記供給経路を介して前記住宅用パワコン133・143・153から前記第二特定負荷H13へ供給し、前記第三リレー137・147・157は、非停電時に閉状態となるものである。
【0207】
このように構成することにより、停電発生時に第三リレー137・147・157を閉状態にしなくて済むため、停電発生時の動作を簡略化することができる。
【0208】
また、前記住宅用蓄電システム130・140・150は、停電時において(ステップS10:YES)、放電を停止している住宅用蓄電池32・42・52(前記第二蓄電池)の残量が前記第一閾値以下である場合(ステップS40:YES、ステップS50:YES)、かつ、住宅用発電部31・41・51(前記発電部)が発電している場合に(ステップS60:YES)、前記自立運転を行うものである(ステップS70・S90)。
【0209】
このように構成することにより、自立運転時に、残量が減って放電を停止している住宅用蓄電池32・42・52に住宅用発電部31・41・51からの電力を充電することができる。これにより、自立運転の切替を適切に行うことができる。
【0210】
なお、本実施形態に係る住宅用蓄電システム130・140・150は、本発明に係る第二蓄電システムの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る住宅用パワコン133・143・153は、本発明に係る第二パワーコンディショナー及び設定手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第三リレー137・147・157は、本発明に係る自立リレーの実施の一形態である。
【0211】
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0212】
例えば、制御部160は、ステップS10において、共用センサ24の検出結果に基づいて、現在停電しているか否かを判断したが、停電の判断基準は、共用センサ24の検出結果に限定されるものではない。制御部160は、例えば、共用パワコン23の運転状態に基づいて、現在停電しているか否かを判断してもよい。この場合、制御部160は、共用パワコン23が連系運転を行っている場合に現在停電していないと判断し、共用パワコン23が共用自立運転を行っている場合に現在停電していると判断すればよい。
【0213】
また、制御部160は、非停電時及び擬似連系運転時において各第三リレー137・147・157を閉状態にしたが(ステップS20、ステップS110)、これに限定されるものではなく、開状態にしてもよい。この場合、制御部160は、停電発生時や共用自立運転が停止した場合に、各第三リレー137・147・157を閉状態にすればよい。
【0214】
また、制御部160は、住宅用発電部51が発電しているか否かを判断するステップS60において、必ずしも住宅用発電部51の発電状態を確認する必要はない。制御部160は、住宅用発電部51の日照条件を検出可能な日照センサの検出結果や日照条件が略同一となるような発電部の発電状態を確認してもよい。具体的には、制御部160は、住宅用発電部51の近傍に共用発電部21が設置されて日照条件が略同一となると考えられる場合、当該共用発電部21の発電状態を確認してもよい。この場合、制御部160は、共用発電部21が発電している場合に住宅用発電部51が発電していると判断し、共用発電部21が発電していない場合に住宅用発電部51が発電していないと判断すればよい。これにより、制御部160は、住宅用発電部51が住宅用パワコン153と接続されていない場合でも、住宅用発電部51が発電しているか否かを簡単に判断することができる。
【0215】
また、制御部160は、住宅用発電部51が発電している場合にステップS70以降の処理を行ったが、これに限定されるものではなく、住宅用発電部51の発電状態に関わらずステップS70の処理を行ってもよい。このように構成することで、住宅用発電部51が発電していなくても、住宅用発電部51と住宅用蓄電池52とを接続することができる。これにより、住宅用発電部51の発電が再開されれば、住宅用発電部51からの電力を速やかに(次回以降の切替動作の処理を行うことなく)住宅用蓄電池52に充電することができる。
【0216】
また、制御部160は、停電時において居住者からの指示がある場合に(ステップS80:YES)第三リレー157を閉状態にしたが、停電時に第三リレー157を閉状態にする条件はこれに限定されるものではなく、任意の条件を設定することができる。制御部160は、例えば、住宅用発電部51からの電力が住宅用蓄電池52に対して余剰した場合に、第三リレー157を閉状態にしてもよい。これにより、住宅用蓄電池52に対して余剰した電力を第二特定負荷H13へ供給することができるため、住宅用発電部51からの電力をより有効に活用することができる。
【0217】
また、電力供給システム101においては、必ずしも各住宅Hの居住者が各第三リレー137・147・157の開閉状態を設定する必要はない。電力供給システム101においては、例えば、集合住宅Aの管理人等が各第三リレー137・147・157の開閉状態を設定してもよい。
【符号の説明】
【0218】
1 電力供給システム
20 共用蓄電システム(第一蓄電システム)
22 共用蓄電池(第一蓄電池)
23 共用パワコン(第一パワーコンディショナ)
30・40・50 各住宅用蓄電システム(第二蓄電システム)
31・41・51 各住宅用発電部(発電部)
32・42・52 各住宅用蓄電池(第二蓄電池)
33・43・53 各住宅用パワコン(第二パワーコンディショナ)
H12 第一特定負荷(負荷)
H13 第二特定負荷(負荷)
K 系統電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16