(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971841
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】レーダ装置及びレーダ処理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 13/30 20060101AFI20211111BHJP
G01S 7/02 20060101ALI20211111BHJP
G01S 13/42 20060101ALI20211111BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20211111BHJP
H01Q 25/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
G01S13/30
G01S7/02 216
G01S13/42
H01Q21/06
H01Q25/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-254293(P2017-254293)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-120551(P2019-120551A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】篠原 学
【審査官】
渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−138481(JP,A)
【文献】
特開2017−096868(JP,A)
【文献】
特開2010−127641(JP,A)
【文献】
米国特許第05347283(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − 7/42
13/00 − 13/95
H01Q 3/00 − 3/46
21/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信パルスを生成する送信部と、複数のアンテナ素子で構成されたアレイアンテナを有し、複数の前記送信パルスからなる送信信号を目標に照射するアンテナ部と、m個(mは2以上の整数)の受信器を有し、前記送信信号の前記目標からの反射信号を受信して処理する受信部と、を備えたレーダ装置であって、
前記送信部は、前記送信信号を前記送信パルスごとに照射方向の制御を行う送信ビーム制御器を備え、前記送信ビーム制御器は、前記送信信号の周期である1パルス繰り返し周期内で前記送信パルスごとに前記送信パルス内の周波数を変更して前記アンテナ部に出力し、
前記アンテナ部は、アンテナ素子間の相互結合の影響及びアレイアンテナを構成する際の素子間距離の影響を考慮して、複数の前記アンテナ素子の中から、2以上前記m以下の受信用アンテナ素子、及び2以上の送信用アンテナ素子を選択する信号分配制御器を備え、
前記信号分配制御器は、前記送信ビーム制御器から送られてくる前記送信信号を前記送信用アンテナ素子に振り分け、振り分けた前記送信用アンテナ素子を励振することで、前記1パルス繰り返し周期内で前記送信パルスの照射方向を前記送信パルスごとに変更して前記目標に照射し、
前記受信部は、選択された前記受信用アンテナ素子を使用して複数の照射方向にマルチビームを形成して前記反射信号を受信する
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記アレイアンテナは、前記送信用アンテナ素子と前記受信用アンテナ素子とが同一面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記送信ビーム制御器は、前記目標の捜索範囲である覆域をカバーする複数の送信パルスの1パルス繰り返し周期内のデューティーが100%となるように、前記送信パルスのパルス幅、及び前記送信パルスの数を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
送信パルスを生成する送信部と、複数のアンテナ素子で構成されたアレイアンテナを有するアンテナ部と、m個(mは2以上の整数)の受信器を有する受信部と、を備えたレーダ装置に適用され、前記アレイアンテナを使用してレーダ信号を目標に照射し、前記目標からの反射信号を受信して目標諸元を演算するレーダ処理方法であって、
パルス化された送信信号を1パルス繰り返し周期内で送信パルスごとに周波数を変更する第1ステップと、
アンテナ素子間の相互結合の影響及びアレイアンテナを構成する際の素子間距離の影響を考慮して、複数の前記アンテナ素子の中から、2以上前記m以下の受信用アンテナ素子、及び2以上の送信用アンテナ素子を選択する第2ステップと、
前記送信信号を、前記第2ステップで選択された前記送信用アンテナ素子に振り分け、振り分けた前記送信用アンテナ素子を励振することで、前記1パルス繰り返し周期内で前記送信パルスの照射方向を前記送信パルスごとに変更して前記目標に照射する第3ステップと、
前記第2ステップで選択された前記受信用アンテナ素子を使用して複数の照射方向にマルチビームを形成して前記目標からの反射信号を受信する第4ステップと、
を含むことを特徴とするレーダ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル・ビーム・フォーミング(Digital Beam Forming:DBF)を利用して目標物(以下、「目標」とも呼ぶ)の捜索を行うレーダ装置及びレーダ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置においては、より広範囲、より短時間、及びより高利得でビーム走査することが求められる。高利得なビーム走査には、ペンシルビームが用いられる。ペンシルビームは、複数のアンテナ素子を配列したアレイアンテナを用いれば、容易に形成することが可能である。
【0003】
特許文献1には、アレイアンテナを使用し、電波の送受信を同じアレイアンテナで実施するレーダ装置が開示されている。電波の送受信を同じアレイアンテナで実施するレーダ装置では、送信信号と受信信号との間の干渉を抑圧するため、1パルス繰返し周期(Pulse Repetition Interval:PRI)内を送信区間と、受信区間とに分けることが一般的に行われている。
【0004】
DBFを利用するレーダ装置は、目標の捜索を広範囲且つ短時間で行うことができる。下記特許文献2に記載のDBFレーダ装置では、送受を別々に行う送信アンテナ及び受信アンテナが用意されている。具体的に、送信アンテナには無指向性送信アンテナが用いられ、受信アンテナにはアレイアンテナが用いられる。そして、受信アンテナでは、目標の捜索範囲である覆域にマルチビームが形成される。これにより、特許文献2では、目標への電波照射にペンシルビームを用いる場合と比較して、目標の捜索を広範囲且つ短時間で実施可能なレーダ装置を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−142511号公報
【特許文献2】特開2000−171544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明において、目標の捜索を広範囲に行う場合には、1PRIごとに1方向へのみペンシルビームを照射する必要がある。このため、特許文献1に記載の発明では、全覆域における目標の捜索に長時間を要するという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明では、目標の捜索を広範囲且つ短時間で実施することはできる。しかしながら、特許文献2では、無指向性の送信アンテナを用いているため、ペンシルビームを用いる場合と比較して、アンテナ利得が低くなり、目標の探知距離が相対的に短くなるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、探知距離の低下を抑制しつつ、広範囲且つ短時間の目標捜索を可能とするレーダ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るレーダ装置は、送信パルスを生成する送信部と、複数のアンテナ素子で構成されたアレイアンテナを有し、複数の送信パルスからなる送信信号を目標に照射するアンテナ部と、送信信号の目標からの反射信号を受信して処理する受信部とを備える。送信部は、送信信号の周期である1パルス繰り返し周期内で送信パルスごとに送信パルス内の周波数を変更してアンテナ部に出力し、アンテナ部は、1パルス繰り返し周期内で送信パルスの照射方向を送信パルスごとに変更して目標に照射し、受信部は、複数の照射方向にマルチビームを形成して反射信号を受信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、探知距離の低下を抑制しつつ、広範囲且つ短時間の目標捜索が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図
【
図2】実施の形態のアレイアンテナにおける各アンテナ素子のパターン例を示す図
【
図3】実施の形態に係るレーダ装置における送信動作の説明に供する図
【
図4】従来技術に係るレーダ装置における送信動作の概念を比較例として示す図
【
図5】実施の形態に係るレーダ装置におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図
【
図6】実施の形態に係るレーダ装置におけるハードウェア構成の他の例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るレーダ装置及びレーダ処理方法について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係るレーダ装置50の構成例を示すブロック図である。実施の形態に係るレーダ装置50は、
図1に示すように、送信部20と、アンテナ部30と、受信部40とを備える。送信部20は、送信器4と、送信ビーム制御器5とを備える。アンテナ部30は、アレイアンテナ1と、信号分配制御器6とを備える。受信部40は、受信器7と、デジタルビーム形成器8と、信号処理器9とを備える。
【0014】
アレイアンテナ1は、複数のアンテナ素子1−1〜1−m,1−m+1〜1−nを有する。これらn個のアンテナ素子のうち、m個のアンテナ素子1−1〜1−mのそれぞれは、受信アンテナを構成する受信用アンテナ素子2である。また、n個のアンテナ素子のうち、n−m個のアンテナ素子1−m+1〜1−nのそれぞれは、送信アンテナを構成する送信用アンテナ素子3である。すなわち、アレイアンテナ1は、送信用アンテナ素子と受信用アンテナ素子とが同じ面上に配置されたアレイアンテナである。送信用アンテナ素子と受信用アンテナ素子とを同一面に配置することで、アレイアンテナの製造が容易となり、アンテナ素子の特性のバラツキも均一化することができる。なお、nは4以上の整数であり、mは2以上(n−1)未満の整数である。
【0015】
送信器4は、目標捜索用の送信信号を生成する。送信信号は、複数の送信パルスからなる信号である。送信パルスは、送信器4によって連続的に生成される。ここで、1PRI期間内のある期間を「第1の期間」とし、第1の期間に続く次の期間を「第2の期間」とすると、第1の期間で生成される送信パルスと、第2の期間で生成される送信パルスとは、周波数が異なっている。すなわち、連続的に生成される送信パルスは、1PRI期間内において、送信パルス内の周波数が変更される。このため、第1の期間で生成される送信パルスと、第2の期間で生成される送信パルスとは、目標からの反射信号を受信する際に、異なる信号パルスとして識別することができる。すなわち、送信器4が生成する送信パルスは、送信器4によって連続的に生成されるが、送信パルス内の周波数が異なるので、送信パルスごとに、異なる信号として扱うことができる。なお、送信パルスの詳細については、後述する。送信器4によって生成された送信パルスは、送信ビーム制御器5へ送られる。
【0016】
送信ビーム制御器5は、送信信号を受信し、受信した送信信号を送信パルスごとに照射方向の制御を行う。照射方向の制御についての詳細は後述する。送信ビーム制御器5が生成した信号は、信号分配制御器6へ送られる。なお、送信ビーム制御器5は、送信用アンテナ素子3であるn−m個のアンテナ素子1−m+1〜1−nを個々に制御する。このため、送信ビーム制御器5は、n−m個の信号線で信号分配制御器6と接続される。
【0017】
信号分配制御器6は、送信ビーム制御器5から送られてくる送信信号を送信用アンテナ素子3であるアンテナ素子1―m+1〜1―nのうちの少なくとも2以上のアンテナ素子に振り分け、振り分けたアンテナ素子を励振する。送信用アンテナ素子3は、目標に向けて送信信号を放射する。なお、送信用アンテナ素子3から放射される送信信号は、「レーダ用信号」とも称される。
【0018】
レーダ用信号の目標からの反射信号は、受信用アンテナ素子2で受信される。受信用アンテナ素子2による受信信号は、信号分配制御器6を通じて受信器7に送られる。受信器7は、アンテナ素子1―1〜1―mの数と同数の受信器7−1〜7−mを有する。すなわち、受信器7−1〜7−mは、アンテナ素子1―1〜1―mのそれぞれに対応して設けられている。
【0019】
受信器7−1〜7−mは、アンテナ素子1―1〜1―mごとに振り分けられた信号をビデオ信号に変換する。受信器7―1〜7―mから出力されたビデオ信号は、デジタルビーム形成器8へ送られる。
【0020】
デジタルビーム形成器8は、複数の照射方向にマルチビームを形成する。周知のように、マルチビームは、DBF処理において、目標の存在する方向を特定するために形成される受信処理用のビームである。デジタルビーム形成器8の処理信号は、信号処理器9へ送られる。
【0021】
信号処理器9は、デジタルビーム形成器8の処理信号を基に、目標を捜索し、捜索した目標の諸元情報を演算する。目標の諸元情報には、少なくとも、目標までの距離、目標の速度及び方位に関する情報が含まれる。
【0022】
図2は、アレイアンテナ1における各アンテナ素子のパターン例を示す図である。アレイアンテナ1を構成する受信用アンテナ素子2及び送信用アンテナ素子3は、アンテナ収納部12における同一面である第1の面上に配置されている。第1の面は、空間への放射面である。
図2において、太字実線の四角形が受信用アンテナ素子2を表し、細字破線の四角形が送信用アンテナ素子3を表している。
【0023】
アレイアンテナ1において、励振する送信用アンテナ素子3は、信号分配制御器6によって選択される。選択される送信用アンテナ素子3を変更することにより、アンテナ開口面積及び素子間距離を変更することができる。これにより、アンテナパターン又は放射パターンの変更が可能になる。
【0024】
図2の例は、送受アンテナ素子間の相互結合の影響、及びアレイアンテナを構成する際の素子間距離の影響を考慮して
選択したものである。なお、
図2の
選択例は一例であり、素子間相互結合及び素子間距離を考慮して
選択する限りにおいて、任意の構成を採用することができる。また、
図2では、アンテナ収納部12の形状が円形の場合を示しているが、この形状に限定されない。円形形状に代えて、矩形形状のものを用いてもよい。
【0025】
以上のように、実施の形態に係るレーダ装置50によれば、複数のアンテナ素子で構成されたアレイアンテナ1において、送信用アンテナ素子3と、受信用アンテナ素子2とを
同一面に配置し、励振する送信用のアンテナ素子を信号分配制御器6によって選択するように構成しているので、レーダ信号を目標に照射している間においても、目標からの反射信号を受信し続けることができる。
【0026】
次に、上記のように構成されたレーダ装置の送信動作について説明する。
図3は、実施の形態に係るレーダ装置における送信動作の説明に供する図である。
【0027】
図3において、上段部には、目標の捜索範囲である扇形の覆域11に対して、ペンシルビームの送信方向が示されている。中段部には、上段部に示したペンシルビームの送信方向rと、送信信号に含まれる送信パルスの周波数fとの関係、及びそれらの間のタイミングが示されている。下段部には、受信信号を受け取るタイミング、及び受信信号に含まれる周波数成分fとペンシルビームの送信方向rとの関係が示されている。なお、自機10とは、レーダ装置が搭載されるプラットホームを意味している。
【0028】
送信部20及びアンテナ部30は、
図3に示す通り、周波数f1の送信信号をペンシルビームにして、覆域11に含まれる送信方向r1へ放射する。次に、送信部20及びアンテナ部30は、周波数f2の送信信号をペンシルビームにして、覆域11に含まれる送信方向r2へ放射する。送信方向r1と送信方向r2とは、異なる方向である。また、周波数f1と、周波数f2とは、異なる周波数である。以降、周波数fkの送信信号が送信方向rkへ放射されるまで、これらの処理が順次繰り返される。次のPRI区間においても同様である。
【0029】
送信方向r1,r2,…,rkによって、覆域11は網羅される。このとき、k個の送信パルス、すなわち覆域11をカバーする複数の送信パルスの1PRI内のデューティーが100%となるよう、覆域11の範囲も考慮して、送信パルスのパルス幅と、送信パルス数が設定される。デューティーが100%であることは、1PRIにおいて、送信信号が途切れなく連続的に放射されることを意味する。
【0030】
前述の通り、受信部40は、複数の照射方向にマルチビームを形成して目標からの反射信号を受信する。また、前述の通り、送信用アンテナ素子3と、受信用アンテナ素子2とが
同一面に配置されているので、送信信号を目標に照射している間においても、周波数f1〜fkの何れかで送信された送信信号の反射信号を、間断なく受信し続けることができる。
【0031】
図4は、従来技術に係るレーダ装置における送信動作の概念を比較例として示す図である。上述した特許文献1に係るレーダ装置の場合、
図4に示すように、送信信号と受信信号との間の干渉を抑圧するため、1PRI内の区間は、送信区間と受信区間とに分けられている。また、特許文献1に係るレーダ装置の場合、目標の捜索を広範囲に行う場合には、1PRIごとに1方向へのみペンシルビームを照射する必要がある。従って、
図4の例の場合、特許文献1に記載の発明では、覆域11の全範囲を網羅するにはk×PRIの期間を要するため、目標の捜索に長時間を要してしまうことになる。
【0032】
これに対し、実施の形態に係るレーダ装置50によれば、送信時には、1PRI内で送信パルスごとに送信パルス内の周波数を変更し、且つ、1PRI内で送信パルスの照射方向を送信パルスごとに変更して目標に照射し、受信時には、複数の照射方向にマルチビームを形成して反射信号を受信するので、目標の捜索を短時間で行うことができる。
【0033】
また、上述した特許文献2に係るレーダ装置では、無指向性の送信アンテナを用いているため、ペンシルビームを用いる場合と比較して、アンテナ利得が低くなり、目標の探知距離が相対的に短くなっていた。
【0034】
これに対し、実施の形態に係るレーダ装置50によれば、1PRI内において、ペンシルビームの利得で、覆域11の全範囲を網羅的に捜索することが可能となる。これにより、探知距離の低下を抑制しつつ、広範囲且つ短時間の目標捜索が可能となる。
【0035】
最後に、実施の形態に係るレーダ装置50の機能を実現するためのハードウェア構成について、
図5及び
図6の図面を参照して説明する。
図5は、実施の形態に係るレーダ装置50におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6は、実施の形態に係るレーダ装置50におけるハードウェア構成の他の例を示すブロック図である。
【0036】
実施の形態に係るレーダ装置50において、特にデジタルビーム形成器8及び信号処理器9の機能を実現する場合には、
図5に示すように、演算を行うプロセッサ200、プロセッサ200によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ202、及び信号の入出力を行うインタフェース204を含む構成とすることができる。
【0037】
プロセッサ200は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。また、メモリ202には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)(登録商標)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)を例示することができる。
【0038】
メモリ202には、デジタルビーム形成器8及び信号処理器9の機能を実行するプログラム及びプロセッサ200によって参照されるテーブルが格納されている。プロセッサ200は、インタフェース204を介して必要な情報を授受し、メモリ202に格納されたプログラムをプロセッサ200が実行し、メモリ202に格納されたテーブルをプロセッサ200が参照することにより、上述したデジタルビーム形成器8及び信号処理器9の演算処理を行うことができる。
【0039】
図5に示すプロセッサ200及びメモリ202は、
図6のように処理回路203に置き換えてもよい。処理回路203は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。なお、デジタルビーム形成器8及び信号処理器9における一部の処理を処理回路203で実施し、処理回路203で実施しない処理をプロセッサ200及びメモリ202で実施してもよい。
【0040】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 アレイアンテナ、1−1〜1−n アンテナ素子、2 受信用アンテナ素子、3 送信用アンテナ素子、4 送信器、5 送信ビーム制御器、6 信号分配制御器、7−1〜7−m 受信器、8 デジタルビーム形成器、9 信号処理器、10 自機、11 覆域、12 アンテナ収納部、20 送信部、30 アンテナ部、40 受信部、50 レーダ装置、200 プロセッサ、202 メモリ、203 処理回路、204 インタフェース。