(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態に即して説明する。
本発明のシートは、ショアA硬度が40未満のエラストマー層を有し、該エラストマー層のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下であることが主たる特徴である。
【0012】
すなわち、本発明は、ショアA硬度が40未満のエラストマー層を有し、該ショアA硬度が40未満のエラストマー層のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるように構成されたシートであれば、ショアA硬度が40未満のエラストマー層を被着体への接着面として、該シートを被着体に貼り付けることにより、被着体への優れた密着性と被着体からの優れた再剥離性とを兼ね備えたシートとなることを見出したものである。
【0013】
本発明のシートにおいて、エラストマー層のショアA硬度は、ASTM D2240に準拠して測定される。
すなわち、エラストマーを6 in×6 in×0.07 inのサイズに177℃、5minプレス成形(Press cured)したものをサンプルとして、ASKER Durometer Type Aをサンプルの表面に押し当て、その際の読み値をショアA硬度とする。
【0014】
また、エラストマー層のステンレス鋼に対する接着力である、90度ピール強度は、ASTM D1000に準拠して測定される。
すなわち、サンプル(シートを1インチ幅に切削したもの)を、Chemsultants International社製のSUS304の研磨板に室温にて2kgfローラー1往復圧着して貼り付け、貼り付けから30分室温放置した後、剥離角度90°、剥離速度2in/minで測定する。
研磨板はトルエンを含むガーゼで表面を洗浄し、室温でトルエンを乾燥させてから、試料の貼り付けに供する。
【0015】
図1(B)、
図2(B)は第1形態のシート10を示す。シート10はショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯材2/感圧性粘着剤層3の積層構成からなる。該第1形態のシート10は、使用前、すなわち、シート10の被着体への貼り付けを行う前は、通常、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1にさらに剥離ライナー4が積層された状態(
図1(B))で巻き取られたロール51(
図1(A))か、或いは、感圧性粘着剤層3にさらに剥離ライナー4が積層された状態(
図2(B))で巻き取られたロール52(
図2(A))になっている。
【0016】
図3(B)は第2形態のシート11を示す。シート11はショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯材2/ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の積層構成の積層体からなる。該第2形態のシート11は、使用前、すなわち、シート11の被着体への貼り付けを行う前は、通常、一方のショアA硬度が40未満のエラストマー層1にさらに剥離ライナー4が積層された状態(
図3(B))で巻き取られたロール53になっている。
【0017】
図4(B)は第3形態のシート12を示す。シート12はショアA硬度が40未満のエラストマー層1のみの単層のシートである。該第3形態のシート12は、使用前、すなわち、シート12の被着体への貼り付けを行う前は、通常、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1にさらに剥離ライナー4が積層された状態(
図4(B))で巻き取られたロール54になっている。
【0018】
第1〜第3形態のシート10〜12は、シートの両面が被着体への接着面となる、所謂、「両面接着型のシート」である。本発明のシートは、シートの片面のみが被着体への接着面となる、所謂、「片面接着型のシート」も含む。このような片面接着型のシートとしては、以下の形態のシートが挙げられる。
【0019】
図5(B)は第4形態のシート13を示す。シート13はショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯材2/ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/基材5の積層構成からなる。該第4形態のシート13は、使用前、すなわち、シート13の被着体への貼り付けを行う前は、基材5を外面にして巻き取られたロール55(
図5(A))になっている。
【0020】
図6(B)は第5形態のシート14を示す。シート14はショアA硬度が40未満のエラストマー層1/基材5の積層構成からなる。該第5形態のシート14は、使用前、すなわち、シート14の被着体への貼り付けを行う前は、基材5を外面にして巻き取られたロール56(
図6(A))になっている。
【0021】
本発明のシートは、ショアA硬度が40未満のエラストマー層を必ず防湿を図るべき被着体に接着して使用される。ショアA硬度が40未満のエラストマー層は被着体に対して被着体を湿気や水(塩水を含む)から隔絶し得る優れた密着状態に接着される。このため、例えば、航空機、船舶等の輸送機や建造物等のフロアーパネルや、航空機のフロアーパネル下の構造材等の防湿を図るべき被着体に本発明のシートを貼り付けることで、被着体を長期に亘って湿気や水(塩水を含む)から隔絶することが可能である。また、被着体を長期に亘って湿気や水(塩水を含む)から隔絶することが可能であることから、被着体の腐食や変色を高いレベルで防止することができる。エラストマー層のショアA硬度が40以上であると、被着体を湿気や水(塩水を含む)から隔絶し得る優れた密着状態にシートを貼り付けることはできない。
なお、高い接着力が得られる感圧性粘着剤層を有するシートの感圧性粘着剤層を被着体に貼り付けることで、被着体を湿気や水(塩水を含む)から隔絶することはできるが、被着体からシートを容易に剥離することができない。
【0022】
本発明のシートにおいて、ショアA硬度が40未満のエラストマー層のショアA硬度は39以下が好ましく、初期接着性(タック)付与の観点から30以下がより好ましい。また、ショアA硬度の下限は特に制限は無いが、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましい。
【0023】
本発明のシートは、ショアA硬度が40未満のエラストマー層のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートであり、かかるエラストマー層のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下であることから、ショアA硬度が40未満のエラストマー層の表面を被着体への接着面として被着体に貼り付けられたシートは、被着体に対して良好な密着状態で被着体に接着する一方、剥離時は容易に剥離することができる。90度ピール強度が11oz/inを超える場合、ショアA硬度が40未満のエラストマー層の表面を被着体への接着面として被着体にシートを貼り付けても、シートを被着体から容易に剥離することができない。
【0024】
本発明のシートにおいて、ショアA硬度が40未満のエラストマー層のステンレス鋼に対する90度ピール強度は5oz/in以下が好ましく、3oz/in以下がより好ましい。また、かかる90度ピール強度は1oz/in以上であることが好ましい。かかる90度ピール強度が1oz/in以上であると、シートの被着体への貼り付け時に十分な接着性を確保でき、また、被着体の防湿および防食の維持性により有利に作用する。
【0025】
第1形態のシート10における感圧性粘着剤層3の接着対象、第2の形態のシート11における2つのショアA硬度が40未満のエラストマー層1のうちの一方のエラストマー層の接着対象は、防湿又は防食を必ずしも必要としない被着体や、接着されたシートの再剥離を必ずしも必要としない被着体であってもよい。しかし、第2の形態のシート11は、2つのショアA硬度が40未満のエラストマー層1を、それぞれ、防湿または防食を図るべき被着体に接着させれば、2つの被着体に対して、それぞれの被着体を湿気や水(塩水を含む)から隔絶して、防湿および防食を図ることができ、しかも、シートを2つの被着体から容易に剥離することができる。
【0026】
また、第4形態のシート13(すなわち、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯材2/ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/基材5の積層構成を有するシート)は、基材5とエラストマー層1のみからなる第5形態のシート14と比較すると、芯材を含むことによりシートの強度(引っ張り強度、引裂き強度等)が増し、シートの透水率がより小さくなるメリットがあり、また、エラストマー層形成用材料の塗工を2回行うので、1回塗工では不可能な厚さ(総厚)のエラストマー層を含むシートを得ることができるという利点がある。
【0027】
本発明でいう、「被着体」とは、アルミニウム、ジュラルミン、鉄、鋼(ステンレス鋼、炭素鋼(普通鋼)、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等)等の金属製の各種部材;プラスチック製の各種部材;ガラスクロス強化エポキシ含浸アラミド樹脂等のガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の各種部材;カーボンファイバー強化エポキシ含浸アラミド樹脂等の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の各種部材等を挙げることができる。
【0028】
防湿を図るべき被着体は、航空機の機体構造材等の金属製の各種部材(板、ロッド、パイプ等)、航空機等の輸送機や建造物等におけるフロアーパネル(材質:アルミニウム、ジュラルミン、ステンレス、ガラス繊維強化プラスチックス(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等)等が挙げられる。
【0029】
第1形態のシート10における感圧性粘着剤層3や、第2形態のシート11における2つのショアA硬度が40未満のエラストマー層1のうちの一方の層の接着対象となる、防湿や防食を必ずしも必要としない被着体や、接着されたシートの再剥離を必ずしも必要としない被着体は、特に限定はされず、種々の材質、種々の形態の部材を挙げることができる。
【0030】
第1形態のシート10では、例えば、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の表面をフロアーパネルに貼り付け、感圧性粘着剤層3の表面を機体構造材に貼り付けることで、フロアーパネルおよび機体構造材の防湿と、フロアーパネルと機体構造材との仮固定(仮固定後に、ネジ止めで本固定される)を成すことができる。また、特に、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1に剥離ライナー4が積層されたシートであれば、剥離ライナーを有する状態で、感圧性粘着剤層をフロアーパネルに貼り付けた後、剥離ライナー4を剥離し、ショアA硬度が40未満のエラストマー層を機体構造材に対向させて、フロアーパネルを機体構造材に重ねて押圧することで、フロアーパネル及び機体構造材の防湿を図ると同時に、機体構造材上にフロアーパネルを敷設することができる。従って、フロアーパネルの敷設作業を効率良く行うことができる。なお、先に機体構造材に感圧性粘着剤層を貼り付け、エラストマー層にフロアーパネルを載置する工法も可能である。
【0031】
また、片面接着型のシートである第4、5形態のシート13、14(
図5、
図6)は、一方の表面層がショアA硬度が40未満のエラストマー層1であり、他方の表面層が基材5である。基材5は、シートに自己支持性を与え、かつシートの耐透湿性を向上させる。このため、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1が被着体に対して優れた密着性を示し、基材5がシートの耐透湿性を高めることから、防湿を図るべき被着体に接着させれば、より効果的に被着体を湿気や水(塩水を含む)から隔絶することができる。また、基材5によりシートの強度(引っ張り強度、引裂き強度等)が増し、シートの貼り付けおよびシートの剥離時において、千切れを抑制する効果が得られる。
【0032】
以下、本発明のシートの各層の詳細を、それぞれの態様のシート毎に説明する。
【0033】
(1)第1形態のシート10(ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯体フィルム2/感圧性粘着剤層3の積層構成からなるシート)
【0034】
<ショアA硬度が40未満のエラストマー層1>
本発明における「エラストマー層」とは、架橋構造を有することで弾性を示す高分子物質であるゴムより形成されるゴム層だけでなく、常温でゴム弾性体の性能を示す非架橋高分子物質により形成される層を含む概念である。
【0035】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1は、硬度の経時安定性の点から、ショアA硬度が40未満のゴム層が好ましく、材料の耐久性、難燃性、防水性等の観点から、ショアA硬度が40未満のシリコーンゴム層またはウレタンゴム層がより好ましく、特に好ましくは、ショアA硬度が40未満のシリコーンゴム層である。
【0036】
ショアA硬度が40未満のシリコーンゴム層には、従来公知のシリコーンゴム組成物を硬化することにより得られるショアA硬度が40未満のシリコーンゴムを適用することができる。シリコーンゴム組成物としては、いずれの硬化型のものでもよいが、成形が加熱により短時間でできる点から付加(ヒドロシリル化)反応硬化型のシリコーンゴム組成物又は有機過酸化物硬化型のシリコーンゴム組成物から得られたものが好ましい。この付加反応硬化型シリコーンゴム組成物は、公知の組成のものでよく、ビニル基に代表されるアルケニル基を1分子中に2個以上有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、SiH基を2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(通常、アルケニル基に対するSiH基のモル比が0.5〜4となる量)と、白金又は白金化合物に代表される白金族金属系付加反応触媒(通常、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対し1〜1,000ppm)とを含有するものが用いられる。また、有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物としても公知の組成のものでよく、好ましくはアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンに硬化剤として有機過酸化物を硬化有効量(通常、上記オルガノポリシロキサン100質量部に対し1〜10質量部)配合したものが用いられる。ショアA硬度が40未満のシリコーンゴムは市販品を使用でき、例えば、Bluestar Silicones社製、SILBIONE LSR 6301(ショアA硬度:1)、LSR 6305(ショアA硬度:5)、Wacker Chemie社製、Elastosil 3003/30(ショアA硬度:30)、DOW社製3631(ショアA硬度:19)等が挙げられる。
【0037】
ショアA硬度が40未満のウレタンゴム層は、ポリウレタン組成物を反応させて硬化させたショアA硬度が40未満の硬化物(ウレタンゴム)により形成された層である。ウレタンゴムの硬度をショアA硬度が40未満に形成するには、ポリウレタン組成物の組成を適宜選択すればよい。
【0038】
ポリウレタン組成物は、ジイソシアネート又はトリイソシアネート等のポリイソシアネートとジオール又はトリオール等のポリオールからなる。
【0039】
上記ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0040】
上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールとしては、特に限定するものではなく、例えば、ポリエステルジオール、ポリエステルトリオール等のポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0041】
上記ポリエステルポリオールとしては、多塩基性有機酸とポリオールとから製造され、水酸基を末端基とするヒドロキシルポリエステルポリオールが好適に用いられる。上記多塩基性有機酸としては、例えば、シュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,イソセバシン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸,フマル酸等の不飽和脂肪酸、フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸,無水フタル酸等の酸無水物、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステル、不飽和脂肪酸の二量化によって得られるダイマー酸等があげられる。上記多塩基性有機酸とともに用いるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール等のジオールや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオールや、ソルビトール等のヘキサオール等があげられる。
【0042】
また、上記ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテルの開環重合または共重合によって製造されるものが好適に用いられる。上記環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等があげられる。
【0043】
上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールの数平均分子量(Mn)は、1500〜3000の範囲が好ましく、特に好ましくは1500〜2500である。すなわち、上記ポリオールのMnが1500未満であると、得られるウレタンゴム層の物性が低下する傾向がみられ、逆にMnが3000を超えると、作業性が悪くなる傾向がみられるからである。
【0044】
ポリウレタン組成物には、ポリイソシアネート、ポリオールに加えて、鎖延長剤、触媒、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤等を適宜配合して用いることも可能である。
【0045】
ポリウレタン組成物を用い注型成形(具体的には、プレポリマー法、セミワンショット法、ワンショット法)により反応硬化させ、シート状の硬化体とすることで、ウレタンゴム層を形成する。
【0046】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1には、難燃剤を含有させることができる。難燃剤としては、特に限定されないが、有毒なハロゲン系ガスを発生しない、ノンハロゲン系難燃剤が好ましく、例えば、水和金属化合物系、無機化合物系、リン系、シリコーン系、窒素化合物系、有機金属化合物系などの公知のハロゲン原子を含有しない難燃剤を使用することができる。なかでも、難燃性の付与効果、燃焼時のドリップ抑制、環境規制への適合性などに優れる点でリン系難燃剤が好ましい。例えば、エラストマー層がシリコーンゴム層またはウレタンゴム層の場合、上述のシリコーンゴム組成物又はポリウレタン組成物に難燃剤を含有させればよい。難燃剤の種類によっても異なるが、難燃剤はシリコーンゴム組成物又はポリウレタン組成物100重量部に対して、10〜100重量部程度が好ましい。
【0047】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の厚さは、当該第1形態のシート10をショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、2〜40milが好ましく、15〜35milがより好ましい。また、エラストマー層1の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品とした際の巻きつけ状態の保持性、テープとしての取り扱い性がより優れたものとなる。
【0048】
<芯材2>
芯材2の材質は、特に制限されないが、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など);ナイロン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、リアクターTPO、エチレン−酢酸ビニル共重合体など);フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)など)などから選ばれる1種又は2種以上からなる単層または積層のプラスチックフィルム、金属箔などが挙げられる。また、プラスチックフィルムと金属箔を積層したフィルムであってもよい。これらのフィルムは中実フィルム(非多孔性フィルム)の状態で使用する他、機械的に穿孔処理を施した有孔フィルムにして使用してもよい。また、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)等の合成高分子繊維、綿、麻等の天然繊維、金属繊維及びガラス繊維から選ばれる1種または2種以上の繊維を用いた編布、織布、不織布等の繊維製シート(単層シート、2層以上の積層シート)、かかる繊維製シートの1種又は2種以上を前述のプラスチックフィルムに積層した積層シートも基材シート1として使用することができる。また、ガラスクロス、和紙、不ファイバー紙等も芯材2として使用することができる。これらの中でも、シートの耐透湿性(モイスチャーバリア性)の観点から、水分が通過する通気孔が少ないものが好ましく、非多孔性フィルムであることが好ましい。「非多孔性フィルム」とは、網布、織布、不織布、メッシュフィルム(シート)、穿孔処理を施したフィルム(シート)などは除かれ、中実のフィルムであること意味する。防湿性、難燃性、柔軟性などの点から、好ましくは、フッ素樹脂フィルム(中実)であり、より好ましくはPTFEフィルム(中実)である。
【0049】
また、シートの配置後に貫通するボルト締めを行う場合などには、ボルト締めの作業性や剥離時の強度付与等の観点から、ガラス繊維製シート(特にガラスクロス)が好ましい。
【0050】
ガラス繊維製シートの目付けは、5〜1000g/m
2の範囲であることが、シートの強度や透明性の点から好ましく、ガラス繊維の太さ(直径)は、0.4〜39mil程度が好適である。また、ガラスクロスの場合、その形態としては、平織り、朱子織、綾織、ななこ織などが挙げられる。また、ガラスクロスはシランカップリング剤による表面処理を施すことで、エラストマー層との接着性を向上できる。
【0051】
また、芯材2の厚さは、特に制限されないが、当該第1形態のシート10をショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、0.5〜10milが好ましく、2〜7milがより好ましい。また、芯材2の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品とした際の巻きつけ状態保持性、テープとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0052】
<感圧性粘着剤層3>
感圧性粘着剤層3に使用する感圧性接着剤は特に限定されず、アクリル系、シリコーン系、天然ゴム系、合成ゴム系、ポリオキシアルキレン系の粘着剤等が挙げられる。なかでも、ポリオキシアルキレン系粘着剤が好ましい。ポリオキシアルキレン系粘着剤は、高接着力、防湿性、凹凸追従性に優れる。
【0053】
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤としては、具体的には、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とするアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい(ここで、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。)。
【0054】
アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は1〜18程度が好ましく、かかるアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用される。中でもアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0055】
アクリル系ポリマー中には、ノンハロゲン系難燃剤含有粘着シートの被シール体への接着性や耐熱性の改善を目的に、1種類以上の各種モノマーを共重合により導入してもよい。そのような共重合モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;アクリル酸2−(ホスホノオキシ)エチルなどの燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。また、窒素含有ビニルモノマーが挙げられ、例えば、マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド;N−アクリロイルモルホリン;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−アクリロイルモルホリンなどのスクシンイミド系モノマーなどが挙げられる。
【0056】
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども挙げられる。
【0057】
これらの中でも、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合に、イソシアネート基との反応性が良好である点から、ヒドロキシル基含有モノマーが好適である。また、難燃剤含有粘着シートの被シール体への接着性、接着耐久性、耐候性などの点から、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマーが好適であり、特に好ましくはアクリル酸である。
【0058】
アクリル系ポリマー中の共重合モノマーの割合は、重量比率において、0.1〜10重量%程度であるのが好ましい。
【0059】
アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量が、一般に30万〜250万程度である。
【0060】
アクリル系ポリマーは種々の公知の手法により製造され、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法などのラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。
【0061】
アクリル系粘着剤にはベースポリマーに加えて架橋剤を含有することができ、架橋剤により、光学板との密着性や耐久性を向上でき、また高温での信頼性や粘着剤自体の形状の保持を図ることができる。架橋剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、過酸化物系、金属キレート系、オキサゾリン系などの公知の架橋剤を適宜に使用可能である。これら架橋剤は1種を、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.02〜3重量部である。架橋剤の使用割合が、10重量部を超えると架橋が進みすぎて接着性が低下するおそれがある点で好ましくない。
【0062】
(シリコーン系粘着剤)
シリコーン系粘着剤としては、特に限定されず、一般的に多く用いられている、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤(過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤)や、付加反応型シリコーン系粘着剤を好適に用いることができる。これら、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤及び付加反応型シリコーン系粘着剤は市販品を使用することができ、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤の具体例としては、信越化学製のKR−3006A/BT、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH 4280 PSAなどが挙げられる。また、付加反応型シリコーン系粘着剤の具体例としては、信越化学製のX−40−3501、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY 24−712、GE東芝シリコーン社製のTSE32Xなどが挙げられる。
【0063】
(ポリオキシアルキレン系粘着剤)
ポリオキシアルキレン系粘着剤としては、下記A〜C成分を含む組成物の硬化物が好ましい。
A:1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体
B:1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を有する化合物
C:ヒドロシリル化触媒
【0064】
上記A成分の「1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体」は、特に制限はなく、各種のものを用いることができるが、中でも、重合体の主鎖が、下記の一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものが好適である。
【0065】
一般式(1):−R
1−O−
(式中、R
1はアルキレン基である)
【0066】
R
1は、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましい。
【0067】
一般式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては、−CH
2O−、−CH
2CH
2O−、−CH
2CH(CH
3)O−、−CH
2CH(C
2H
5)O−、−CH
2C(CH
3)
2O−、−CH
2CH
2CH
2CH
2O−などが挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に、入手性、作業性の点から、−CH
2CH(CH
3)O−を主たる繰り返し単位とする重合体が好ましい。また、重合体の主鎖にはオキシアルキレン基以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。この場合、重合体中のオキシアルキレン単位の総和は、80重量%以上が好ましく、特に好ましくは90重量%以上である。
【0068】
A成分の重合体は、直鎖状の重合体でも分岐を有する重合体でもよく、それらの混合物であってもよいが、粘着層が種々の材質の面に対して良好な粘着性を示すために、直鎖状の重合体を50重量%以上含有していることが好ましい。
【0069】
A成分の重合体の分子量としては、数平均分子量で500〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましい。数平均分子量が500未満のものでは、得られる硬化物が脆くなりすぎる傾向があり、逆に数平均分子量が50,000を超えるものは、高粘度になりすぎて作業性が著しく低下する傾向となるために好ましくない。ここでいう数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求められる値のことである。
【0070】
また、A成分の重合体は、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.6以下である分子量の分布が比較的狭いものが好ましく、Mw/Mnが1.6以下である重合体は、組成物の粘度が低くなり、作業性が向上する。よって、Mw/Mnは、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.4以下である。なお、ここでいう、Mw/Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により求められる値のことである。
【0071】
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)を用いて測定される、ポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.2重量%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:サンプルカラム TSKgel GMH−H(S)
検出器:示差屈折計
【0072】
A成分の重合体(1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体)において、アルケニル基は特に制限はないが、下記の一般式(2)で示されるアルケニル基が好適である。
【0073】
一般式(2):H
2C=C(R
2)−
(式中、R
2は水素又はメチル基である)
【0074】
アルケニル基のポリオキシアルキレン系重合体への結合様式は、特に制限はないが、例えば、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合などが挙げられる。
【0075】
かかるA成分の重合体の具体例としては、
一般式(3):{H
2C=C(R
3a)−R
4a−O}a
1R
5a
(式中、R
3aは水素又はメチル基、R
4aは炭素数1〜20の2価の炭化水素基であって、1個以上のエーテル基が含まれていてもよい、R
5aはポリオキシアルキレン系重合体残基であり、a
1は正の整数である。)
で示される重合体が挙げられる。式中のR
4aは、具体的には、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2−,−CH
2CH
2OCH
2CH
2−、または−CH
2CH
2OCH
2CH
2CH
2−などを挙げることができるが、合成の容易さからは−CH
2−が好ましい。
【0076】
また、一般式(4):{H
2C=C(R
3b)−R
4b−OCO}a
2R
5b
(式中、R
3b、R
4b、R
5b及びa
2は、それぞれR
3a、R
4a、R
5a、a
1と同義である。)
で示されるエステル結合を有する重合体が挙げられる。
【0077】
また、一般式(5):{H
2C=C(R
3c)}a
3R
5c
(式中、R
3c、R
5c及びa
3は、それぞれR
3a、R
5a、a
1と同義である。)
で示される重合体も挙げられる。
【0078】
さらに、一般式(6):{H
2C=C(R
3d)−R
4d−O(CO)O}a
4R
5d(式中、R
3d、R
4d、R
5d及びa
4は、それぞれR
3a、R
4a、R
5a及びa
1と同義である。)
で示されるカーボネート結合を有する重合体も挙げられる。
【0079】
アルケニル基は、A成分の重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1〜5個、より好ましくは、1.5〜3個存在するのがよい。A成分の重合体1分子中に含まれるアルケニル基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また5個より多くなると網目構造があまりに密となるため、良好な粘着特性を示さなくなる場合がある。なお、A成分の重合体は、特開2003-292926号公報に記載の方法に従って、合成することができる。な
お、市販されているものは、市販品を使用してもよい。
【0080】
A成分の重合体の特に好ましい態様としては、ポリプロピレングリコールの両末端にアリル基が結合した末端アリル化ポリオキシプロピレンが挙げられる。
【0081】
B成分である「1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を含有する化合物」は、ヒドロシリル基(Si−H結合を有する基)を有するものであれば特に制限無く使用できるが、原材料の入手の容易さやA成分への相溶性の面から、特に有機成分で変性されたオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。上記有機成分で変性されたポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中に平均して2〜8個のヒドロシリル基を有するものがより好ましい。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの構造を具体的に示すと、例えば、
【0083】
(式中、2≦m
1+n
1≦50、2≦m
1、0≦n
1である。R
6aは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい)、
【0085】
(式中、0≦m
2+n
2≦50、0≦m
2、0≦n
2である。R
6bは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい)、
又は、
【0087】
(式中、3≦m
3+n
3≦20、2≦m
3≦19、0≦n
3<18である。R
6cは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい)
などで示される鎖状又は環状のものや、これらのユニットを2個以上有する、以下の
【0089】
(式中、1≦m
4+n
4≦50、1≦m
4、0≦n
4である。R
6dは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦b
1である。R
8aは2〜4価の有機基であり、R
7aは2価の有機基である。ただし、R
7aは、R
8aの構造によってはなくても構わない。)、
【0091】
(式中、0≦m
5+n
5≦50、0≦m
5、0≦n
5である。R
6eは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦b
2である。R
8bは2〜4価の有機基であり、R
7bは2価の有機基である。ただし、R
7bは、R
8bの構造によってはなくても構わない。)、又は
【0093】
(式中、3≦m
6+n
6≦50、1≦m
6、0≦n
6である。R
6fは、主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素基であり、1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦b
3である。R
8cは2〜4価の有機基であり、R
7cは2価の有機基である。ただし、R
7cは、R
8cの構造によってはなくても構わない。)
などで示されるものが挙げられる。
【0094】
B成分の「1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を有する化合物」は、A成分及びC成分との相溶性、又は、系中での分散安定性が良好なものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、B成分として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。
【0095】
A成分及びC成分との相溶性、又は、分散安定性が比較的良好なB成分を具体的に示すと、以下のものが挙げられる。
【0097】
(式中、n
7は4以上10以下の整数である。)
【0099】
(式中、2≦m
8≦10、0≦n
8≦5であり、R
6gは炭素数8以上の炭化水素基である。)
当該B成分の好ましい具体例としては、ポリメチルハイドロジェンシロキサンが挙げられ、また、A成分との相溶性確保と、SiH量の調整のために、α−オレフィン、スチレン、α−メチルスチレン、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステルなどにより変性した化合物が例示され、一例として、以下の構造があげられる。
【0101】
(式中、2≦m
9≦20、1≦n
9≦20である。)
【0102】
B成分は、公知の方法により合成することができるが、市販されているものは、市販品を使用してもよい。
【0103】
C成分の「ヒドロシリル化触媒」は特に限定されず、任意のものを使用できる。具体例としては、たとえば、塩化白金酸;白金の単体;アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Pt
n(ViMe
2SiOSiMe
2Vi)
m、Pt〔(MeViSiO)
4〕
mなど};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh
3)
4、Pt(PBu
3)
4など};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)
3〕
4、Pt〔P(OBu)
3〕
4など};Pt(acac)
2;Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号に記載された白金−炭化水素複合体;Lamoreauxらの米国特許第3220972号に記載された白金アルコラート触媒などが挙げられる。なお、これらの式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基、acacはアセチルアセトナトを表し、n、mは整数を表す。
【0104】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh
3)
3、RhCl
3、Rh/Al
2O
3、RuCl
3、IrCl
3、FeCl
3、AlCl
3、PdCl
2・2H
2O、NiCl
2、TiCl
4などが挙げられる。
【0105】
これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から、塩化白金酸、白金−ホスフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)
2などが好ましい。
【0106】
C成分の配合量は、特に制限はないが、組成物のポットライフの確保及び硬化物(粘着層)の透明性の観点から、A成分中のアルケニル基1molに対して一般に1×10
−1mol以下、好ましくは5.3×10
−2mol以下であり、硬化物(粘着層)の透明性の観点から、より好ましくは3.5×10
−2mol以下、とりわけ好ましくは1.4×10
−3mol以下である。A成分中のアルケニル基1molに対して1×10
−1molを超えると、最終的に得られる硬化物(粘着層)が黄変しやすく、硬化物(粘着層)の透明性が損なわれる傾向となる。なお、C成分の配合量が少なすぎる場合、組成物の硬化速度が遅く、また硬化性が不安定になる傾向となるため、C成分の配合量は8.9×10
−5mol以上が好ましく、1.8×10
−4mol以上がより好ましい。
【0107】
以上説明したA〜C成分を含む組成物は、加熱により硬化する。すなわち、A成分(1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体)中のアルケニル基が、ヒドロシリル化触媒(C成分)の存在下、B成分の1分子中に平均2個以上のヒドロシリル基を有する化合物のヒドロシリル基(Si−H結合を有する基)でヒドロシリル化されて、架橋構造が進行することによって硬化が成される。かかる硬化物は、活性が低く、水、金属、プラスチック材料などの種々の物質に接触しても反応しない。
【0108】
A〜C成分を含む組成物において、A成分とB成分は、B成分(化合物B)のヒドロシリル基が、A成分(化合物A)のアルケニル基に対して官能基比が0.3以上、2未満となるように配合されることが好ましく、より好ましくは0.4以上、1.8未満の範囲であり、さらに一層好ましくは0.5以上、1.5未満の範囲である。前記官能基比が2を超える組成では、架橋密度が高くなり、粘着性が得られなくなる場合がある。また、官能基比が0.3未満になると、硬化物における架橋が緩くなりすぎて、高温で特性保持が困難となる場合がある。
【0109】
感圧性粘着剤層3には、難燃剤を含有させることができる。難燃剤としては、特に限定されないが、有毒なハロゲン系ガスを発生しない、ノンハロゲン系難燃剤が好ましく、例えば、水和金属化合物系、無機化合物系、リン系、シリコーン系、窒素化合物系、有機金属化合物系などの公知のハロゲン原子を含有しない難燃剤を使用することができる。なかでも、難燃性の付与効果、燃焼時のドリップ抑制、環境規制への適合性などに優れる点でリン系難燃剤が好ましい。難燃剤の種類によっても異なるが、難燃剤は粘着剤100重量部に対して、10〜100重量部程度が好ましい。
【0110】
感圧性粘着剤層3には、粘着付与樹脂を含有させることができる。粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は1種又は2種以上を使用できる。
【0111】
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。
【0112】
フェノール系粘着付与樹脂としては、各種フェノール類(例えば、フェノール、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アルキルフェノール、レゾルシンなど)とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、アルキルフェノール系樹脂、キシレンホルムアルデヒド系樹脂など)、前記フェノール類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒で付加反応させたレゾールや、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒で縮合反応させて得られるノボラックなどが挙げられる。
【0113】
ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合などにより変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンの他、その他の化学的に修飾されたロジンなど)、各種のロジン誘導体などが挙げられる。前記ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物などのロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)、不飽和脂肪酸変性ロジン類又は不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体などのロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩などが挙げられる。また、ロジン誘導体としては、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども用いることができる。
【0114】
なお、上記のロジンエステル類を得る際に使用されるアルコール類はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどの4価アルコール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなどが挙げられ、これらはいずれか1種が単独で、または2種以上が組み合わせて使用される。
【0115】
石油系粘着付与樹脂としては、例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂(脂肪族環状石油樹脂)、脂肪族・芳香族系石油樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加石油樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などの公知の石油樹脂を用いることができる。具体的には、芳香族系石油樹脂としては、例えば、炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)が1種のみ又は2種以上用いられた重合体などが挙げられる。芳香族系石油樹脂としては、ビニルトルエンやインデンなどの留分(いわゆる「C9石油留分」)から得られる芳香族系石油樹脂(いわゆる「C9系石油樹脂」)を好適に用いることができる。また、脂肪族系石油樹脂としては、炭素数4〜5のオレフィン(例えば、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1など)、ブタジエン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなどのジエン類から選択される1種又は2種以上を用いて得られた重合体などが挙げられる。また、脂肪族系石油樹脂としては、ブタジエン、ピペリレン、イソプレンなどの留分(いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」など)から得られる脂肪族系石油樹脂(いわゆる「C4系石油樹脂」や「C5系石油樹脂」など)を好適に用いることができる。脂環族系石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂(いわゆる「C4系石油樹脂」や「C5系石油樹脂」など)を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン、エチリデンビシクロヘプテン、ビニルシクロヘプテン、テトラヒドロインデン、ビニルシクロヘキセン、リモネンなど)の重合体又はその水素添加物、前記の芳香族系炭化水素樹脂や下記の脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂などが挙げられる。脂肪族・芳香族系石油樹脂としては、スチレン−オレフィン系共重合体などが挙げられる。また、脂肪族・芳香族系石油樹脂としては、いわゆる「C5/C9共重合系石油樹脂」などを用いることができる。
【0116】
粘着付与樹脂は、シートの難燃性の点から、テルペン系粘着付与樹脂及び/又はロジン系粘着付与樹脂が好ましく、ロジン系粘着付与樹脂が特に好ましい。テルペン系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂は難燃助剤としての効果が得られやすく、これらを使用することで、シートの被着体への密着性とともにシートの難燃性を向上させることができる。なお、テルペン系粘着付与樹脂は、テルペンフェノール樹脂が特に好ましく、ロジン系粘着付与樹脂はロジンエステル類(すなわち、未変性ロジン、水添ロジン、不均化ロジン又は重合ロジンのエステル化物)が特に好ましく、ロジンエステル類は、3価以上の多価アルコールエステルが好ましく、4〜6価の多価アルコールエステルが特に好ましい。
【0117】
粘着付与樹脂は1種又は2種以上を併用でき、その使用量は特に限定されないが、炭素源となって、リン系難燃剤の助剤としての効果が十分に発揮されるという観点から、粘着剤100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましく、15重量部以上が特に好ましい。また、粘着特性の維持、保存性、ハンドリング性、分散性などの観点から、100重量部以下が好ましく、60重量部以下がより好ましく、40重量部以下が特に好ましい。
【0118】
感圧性粘着剤層3には、必要に応じて、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末などからなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜配合することもできる。
【0119】
感圧性粘着剤層3の厚さは、当該第1形態のシート10を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、1〜40milが好ましく、15〜25milがより好ましい。また、感圧性粘着剤層3の厚さがかかる好ましい範囲にあると、シート10をロール品51、52とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0120】
当該第1形態のシート10において、シート全体の厚さ、すなわち、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1と芯材2と感圧性粘着剤層3の合計厚さは、3〜90milが好ましく、30〜70milがより好ましい。また、合計厚さがかかる好ましい範囲にあれば、ロール品51、52とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0121】
<剥離ライナー4>
剥離ライナー4としては、(a)剥離ライナー用基材の少なくとも片面に剥離剤による剥離処理層を形成したもの、(b)フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材、(c)無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材、(d)慣用の剥離紙(クレープ紙、エンボス紙、和紙、ファイバー紙等)等を使用することができる。
【0122】
剥離ライナー用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材や、紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)等が挙げられる。
【0123】
剥離ライナーがエラストマー層1に積層されるものである場合、剥離処理層を形成する剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤等が使用される。
【0124】
剥離ライナーが感圧性粘着剤層3(特にポリオキシアルキレン系粘着剤層)に積層されるものである場合、剥離処理層を形成する剥離剤としては、フルオロシリコーン系剥離剤が好ましく、紫外線照射によりカチオン重合されたフルオロシリコーン系剥離剤が特に好ましい。
【0125】
剥離処理層の形成は、剥離剤を有機溶媒に溶解乃至分散させた塗工液を、剥離ライナー用基材の少なくとも片面に、ロールコーター、リバースコーター、ドクターブレードコーター等の一般的な塗工装置にて塗布し、乾燥することによって行われる。剥離剤の塗布量(固形分量)は特に限定はされないが、一般に0.05〜6mg/cm
2程度である。
【0126】
剥離ライナーの厚さ(剥離ライナー用基材の厚さ、低接着性基材の厚さ)は0.5〜5mil程度が好ましく、2〜3mil程度がより好ましい。かかる好ましい範囲にあることで、剥離ライナーの柔軟性、取り扱い作業性などがより向上する。また、剥離ライナーは、柔軟性の観点から、剥離ライナー用基材にPEフィルム、PPフィルム等を用いたものや、PE、PPまたはPTFEからなる低接着性基材が好ましい。
【0127】
(2)第2形態のシート11(ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯体フィルム2/ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の積層構成からなるシート)
【0128】
<ショアA硬度が40未満のエラストマー層1>
エラストマー層1の構成材料についての詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10におけるエラストマー層1のそれが踏襲される。
【0129】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の厚さは、シート11を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、2〜40milが好ましく、15〜35milがより好ましい。また、エラストマー層1の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品53とした際の巻きつけ状態の保持性、シートとしての取り扱い性がより優れたものとなる。
【0130】
<芯材2>
芯材2の構成材料についての詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における芯体フィルム2のそれが踏襲される。
【0131】
芯材2の厚さは、当該第2形態のシート11を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、0.5〜10milが好ましく、2〜7milがより好ましい。また、芯材2の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品とした際の巻きつけ状態保持性、テープとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0132】
当該第2形態のシート11において、シート全体の厚さ、すなわち、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1と芯材2とショアA硬度が40未満のエラストマー層1の合計厚さは、4〜90milが好ましく、30〜80milがより好ましい。合計厚さがかかる好ましい範囲にあれば、ロール品53とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0133】
<剥離ライナー4>
剥離ライナー4の詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における剥離ライナー4のそれが踏襲される。
【0134】
(3)第3形態のシート12(ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のみの単層のシート)
【0135】
<ショアA硬度が40未満のエラストマー層1>
エラストマー層1の構成材料についての詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10におけるエラストマー層1のそれが踏襲される。
【0136】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の厚さは、当該第3形態のシート12を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、2〜40milが好ましく、15〜35milがより好ましい。また、エラストマー層1の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品54とした際の巻きつけ状態の保持性、シートとしての取り扱い性がより優れたものとなる。
【0137】
<剥離ライナー4>
剥離ライナー4の詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における剥離ライナー4のそれが踏襲される。
【0138】
(4)第4形態のシート13(ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/芯材2/ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/基材5の積層構成からなるシート)
【0139】
<ショアA硬度が40未満のエラストマー層1>
基材5から離反する側のエラストマー層1および基材5に接する側のエラストマー層1の構成材料についての詳細およびその好適態様等は、上記第1形態のシート10におけるエラストマー層1のそれが踏襲される。
【0140】
また、これら2つのエラストマー層1の厚さは、2〜40milが好ましく、15〜35milがより好ましい。エラストマー層1の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品
55とした際の巻きつけ状態の保持性、シートとしての取り扱い性がより優れたものとなる。
【0141】
<芯材2>
芯材2の構成材料についての詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における芯材2のそれが踏襲される。
【0142】
芯材2の厚さは、当該第4形態のシート13を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、0.5〜10milが好ましく、1〜3milがより好ましい。また、芯材2の厚さがかかる好ましい範囲であると、ロール品55とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0143】
<基材5>
基材5を有することで、シート
13の被着体での密着性及びメンテナンス時の剥離作業性をより向上させることができる。
【0144】
基材5の材質は、特に制限されないが、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など);ナイロン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、リアクターTPO、エチレン−酢酸ビニル共重合体など);フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)など)などから選ばれる1種又は2種以上からなる単層または積層のプラスチックフィルム、金属箔などが挙げられる。また、プラスチックフィルムと金属箔を積層したフィルムであってもよい。また、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)等の合成高分子繊維、綿、麻等の天然繊維、金属繊維及びガラス繊維から選ばれる1種または2種以上の繊維を用いた編布、織布、不織布等の繊維製シート(単層シート、2層以上の積層シート)、かかる繊維製シートの1種又は2種以上を前述のプラスチックフィルムに積層した積層シートも基材として使用することができる。
【0145】
基材5の厚さは、0.5〜10milが好ましく、2〜7milがより好ましい。基材5の厚さがかかる好ましい範囲にあることで、被着体へのシート13の密着性及びメンテナンス時の剥離作業性をさらに一層向上させることができる。
【0146】
当該第4形態のシート13において、シート全体の厚さ、すなわち、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1、芯材2、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1及び基材5の合計厚さは、5〜100milが好ましく、30〜80milがより好ましい。合計厚さがかかる好ましい範囲にあることで、ロール品55とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0147】
<剥離ライナー4>
剥離ライナー4の詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における剥離ライナー4のそれが踏襲される。
【0148】
(6)第5形態のシート14(ショアA硬度が40未満のエラストマー層1/基材5の積層構成からなるシート)
【0149】
<ショアA硬度が40未満のエラストマー層1>
エラストマー層1の構成材料についての詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10におけるエラストマー層1のそれが踏襲される。
【0150】
ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の厚さは、当該第5形態のシート14を、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1のステンレス鋼に対する接着力が90度ピール強度で11oz/in以下となるシートにする観点から、2〜40milが好ましく、15〜35milがより好ましい。また、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1の厚さがかかる好ましい範囲にあることで、ロール品56とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0151】
<基材5>
基材5の詳細およびその好適態様等は上記第4形態のシート13における基材5のそれが踏襲される。
【0152】
当該第5形態のシート14において、シート全体の厚さ、すなわち、ショアA硬度が40未満のエラストマー層1と基材5の合計厚さは、2.5〜50milが好ましく、17〜42milがより好ましい。合計厚さがかかる好ましい範囲にあることで、ロール品56とした際の巻きつけ状態保持性、シートとしての取り扱い効率等がより向上する。
【0153】
<剥離ライナー4>
剥離ライナー4の詳細およびその好適態様等は上記第1形態のシート10における剥離ライナー4のそれが踏襲される。
【0154】
本発明のシートは自体が水分を吸収しにくく、被着体に貼り付けて防湿および/又防食を図るために好適な物性を有している。すなわち、本発明のシートは、ASTM D570に準拠して測定される水分吸収率が2.5%以下(好ましくは1.0%以下)を示す。
【0155】
[シートの製造方法]
本発明のシートの製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法で製造することができる。なお、以下の記載において、「工程ライナー」とは、製造工程で使用され、最終製品(本発明のシート)には含まれないライナー(シート、フィルム)を意味する。
【0156】
第1形態のシート(
図1)の場合、以下の第一工程と第二工程を経て製造される。
第一工程:芯材2上にエラストマー層1を塗工形成し、剥離ライナー4(少なくとも片面が剥離処理されたもの)を貼り合わせる。
第二工程:工程ライナー上に感圧粘着剤層3を塗工形成し、感圧粘着剤層3を第一工程を経た芯材2の背面に貼り合わせる。
貼り合わせの圧着条件は5〜7kgf/cm
2程度が好ましい。この後、一方の剥離ライナー(工程ライナー)を剥離し、他方の剥離ライナー4の少なくとも片面の剥離処理面上に感圧性粘着剤層3の形成面が接するように、すなわち、感圧粘着剤層3を内面、エラストマー層1と剥離ライナー4を外面にし、シートをロール状に巻き取る。
【0157】
第1形態のシート(
図2)の場合、以下の第一工程と第二工程を経て製造される。
第一工程:芯
材2上にエラストマー層1を塗工形成し、必要に応じて、エラストマー層1に工程ライナー貼り合わせる。
第二工程:剥離ライナー4(少なくとも片面が剥離処理されたもの)上に感圧粘着剤層3を塗工形成し、感圧粘着剤層3を第一工程を経た芯材2の背面に貼り合わせ、必要に応じて工程ライナーを剥離して巻き取る。
貼り合わせの圧着条件は5〜7kgf/cm
2程度が好ましい。この後、一方の剥離ライナー(工程ライナー)を剥離し、他方の剥離ライナー4の感圧性粘着剤層3の形成面とは反対側の片面を外面、エラストマー層1を内面にし、シートをロール状に巻き取る。
【0158】
第2形態のシート11(
図3)の場合、以下の第一工程と第二工程を経て製造される。
第一工程:芯
材2上にエラストマー層1を塗工し、工程ライナー貼り合わせる。
第二工程:第一工程を経た芯
材2の背面にエラストマー層1を塗工し、剥離ライナー4(少なくとも片面が剥離処理がされ、両面で剥離力が異なるもの)を貼り合わせ、工程ライナーを剥離して巻き取る。
貼り合わせの圧着条件は5〜7kgf/cm
2程度が好ましい。この後、一方の剥離ライナーを剥離し、他方の剥離ライナーのショアA硬度が40未満のエラストマー層1の形成面とは反対側の片面を外面にしてシートをロール状に巻き取る。
【0159】
第3形態のシート12(
図4)の場合、剥離ライナー(両面に剥離処理を施したもの)の片面にショアA硬度が40未満のエラストマー層1を形成し、剥離ライナーのショアA硬度が40未満のエラストマー層1の形成面とは反対側の片面を外面にしてシートをロール状に巻き取る。
【0160】
第4形態のシート13(
図5)の場合、剥離ライナーを用意し、剥離ライナーの片面にショアA硬度が40未満のエラストマー層1を形成し、該エラストマー層1に芯
材2を貼り合わせる。次に、一方の片面(背面)を剥離処理した基材5の他方の片面(剥離処理していない片面、もしくは、低接着性基材の場合は、密着性向上処理がされた片面)にショアA硬度が40未満のエラストマー層1を形成し、該ョアA硬度が40未満のエラストマー層1を芯
材2の片面に圧着して貼り合わせる。この際の圧着条件は5〜7kgf/cm
2程度が好ましい。この後、剥離ライナーを剥離し、基材5の剥離処理した片面を外面にしてシートをロール上に巻き取る。
【0161】
第5形態のシート14(
図6)の場合、一方の片面(背面)を剥離処理した基材5の他方の片面(剥離処理していない片面、もしくは、低接着性基材の場合は、密着性向上処理がされた片面)にショアA硬度が40未満のエラストマー層1を形成し、基材
5の剥離処理した片面を外面にしてシートをロール上に巻き取る。
【実施例】
【0162】
以下に、実施例および比較例を示して本発明より具体的に説明する。以下の実施例および比較例はあくまで例示であり、以下の実施例によって本発明は限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における物性の測定試験および性能評価は次の通り。
【0163】
1.ショアA硬度
前述の方法。
【0164】
2.90度ピール強度
前述の方法。
【0165】
3.水分吸収率
ASTM D570に準拠。すなわち、シートを10インチ長さ×1インチ幅にカットしたサンプルをアルミニウム板上に貼り付け、室温で24時間放置した後の重さを測定(初期値)し、その後、サンプルを49℃、湿度95%のチャンバー内で7日間保存し、保存終了後表面の水滴を乾燥したガーゼで除いた後の重さを測定(最終値)する。こうして測定した初期値に対する最終値と初期値の差の百分率を水分吸収率とする。なお、5つのサンプルについて、水分吸収率を求め、それらの平均値を評価値として採用した。
【0166】
4.耐腐食性試験(密着性評価試験)
シートを3インチ×3インチの平面サイズにカットし、これを平面サイズが4インチ×4インチのアルミニウムパネルに上に貼り付け、2kgローラーで1往復し、常温で24時間エージングしてサンプルを作製する。
サンプルを下記条件の塩水噴霧試験に供した。
【0167】
塩水噴霧試験(ASTM B117に準拠)
サンプルセット角度:30°
温度:35+1.1〜1.7℃
塩水濃度:5wt%
噴霧量:1.5ml/80cm2/hrs
試験時間:250時間、500時間
【0168】
シール性能評価:試験後にアルミニウムパネルからシートを剥離し、シートを貼り付けていた領域の面積全体に対する腐食している部分の面積の割合を求める。1%以上の腐食部分があれば不合格、1%以上の腐食部分がなければ合格と評価した。なお、腐食は目視で判断した。
【0169】
5.剥離性試験
耐腐食性試験と同様のサンプルの上面(剥離ライナー剥離後)から、同サイズのアルミニウムパネルを押し当てサンドイッチ形状の試験サンプルを作製し、24時間室温エージング後に70℃オーブン内で48時間加熱、取り出し30分後にパネルを引き剥がす。評価基準は以下の通り。
【0170】
良好(Good):特殊な道具や方法を用いず手で用意にシートを引き剥がせる。パネルからシート剥離後に糊残りなし。
可(Acceptable):手のみでのパネル引き剥がしが困難でドライバーなどで隙間を広げながらでないと引き剥がせない。パネルからのシート剥離後に糊残りなし。
不可(Bad):手のみでのパネル引き剥がしが困難でドライバーなどで隙間を広げながらでないと引き剥がせない。パネルからのシート剥離後に糊残り発生。
【0171】
[実施例1〜3、比較例1〜4]
【0172】
(使用材料)
1.エラストマー組成物
Bluestar Silicones製 SILBIONE LSR 6301 A/B、A:B=100:100(重量部)
Bluestar Silicones製 SILBIONE LSR 6305 A/B、A:B=100:100(重量部)
ELASTOSIL製 LR 3003/30 A/B、A:B=100:100(重量部)
信越シリコーン製 KE1100 A/B、A:B=100:100(重量部)
東レダウ製 SE4400 A/B、A:B=100:100(重量部)
註1)いずれのエラストマー組成物も2液硬化型で、A液とB液の等量配合
【0173】
2.感圧粘着剤
(ポリオキシアルキレン系粘着剤)
主剤:カネカ製 SILYL ACX022
※1、100重量部
難燃剤1:BUDENHEIM製 FRCROS486
※2、50重量部
難燃剤2:Rit-Chem製 TCP
※3、30重量部
粘着付与剤:荒川化学製 PENSEL D-125
※4、20重量部
架橋剤:カネカ製 SILYL CR500
※5、7.65重量部
触媒:AB Specialty Silicones製 PT-56003P (3 % Pt-VTS-IPA Solution)
※6、0.1重量部
反応制御剤:TCI America製 3-Methyl-1-butyn-3-ol、0.05重量部
※1)平均分子量約28000のポリプロピレングリコールの両末端にアリル基を結合させてなる末端アリル化ポリオキシプロピレン
※2)ポリリン酸アンモニウムのシランコート物
※3)リン酸トリクレジル
※4)ロジンエステル樹脂
※5)分子中に平均5個のヒドロシリル基を有するハイドロジェンシロキサン系化合物
※6)ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体のイソプロパノール希釈液
【0174】
(ポリウレタン系粘着剤)
AV-DEC製Hi-TAK HT3935
【0175】
3.PTFEフィルム
厚さ5 mil、両面Naエッチング処理
【0176】
4.シートの作製
実施例1〜3、比較例1、2
(1)PTFEフィルムの一方の片面にエラストマー組成物を塗布し、オーブン内で130℃、3分乾燥(乾燥後厚さ30 mil)し、剥離ライナー(Loparex製 S2 CL PET 5100/5100)をハンドローラーにて貼り合わせた。
(2)別の同剥離ライナーの片面に感圧粘着剤を塗布し、オーブン内で130℃、3分乾燥(乾燥後厚さ20 mil)し、得られた感圧粘着剤層を(1)のPTFEフィルムの他方の片面へハンドローラーで貼り合わせた。
【0177】
比較例3、4
上記(1)におけるエラストマー組成物を、ポリオキシアルキレン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤に変更し、上記(1)(2)を実施した。
表1に試験結果を示す。
【0178】
【表1】