(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971851
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】リフレクタ及び頂部コンタクトを有する発光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20211111BHJP
H01L 33/24 20100101ALI20211111BHJP
H01L 33/22 20100101ALI20211111BHJP
H01L 33/46 20100101ALI20211111BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/24
H01L33/22
H01L33/46
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-553221(P2017-553221)
(86)(22)【出願日】2016年4月5日
(65)【公表番号】特表2018-511949(P2018-511949A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】EP2016057432
(87)【国際公開番号】WO2016165983
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年4月2日
(31)【優先権主張番号】62/147,622
(32)【優先日】2015年4月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニ
【審査官】
大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0057223(US,A1)
【文献】
特表2009−537982(JP,A)
【文献】
特開2007−067198(JP,A)
【文献】
特開2010−087515(JP,A)
【文献】
特開2010−056322(JP,A)
【文献】
特開2010−067891(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/120894(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0220937(US,A1)
【文献】
特表2013−526051(JP,A)
【文献】
特開2011−216882(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/027418(WO,A1)
【文献】
特開2009−076490(JP,A)
【文献】
特開2009−049266(JP,A)
【文献】
特開2008−159626(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/043422(WO,A1)
【文献】
特開2003−218453(JP,A)
【文献】
特開2002−359401(JP,A)
【文献】
特開2001−111103(JP,A)
【文献】
特開平07−106631(JP,A)
【文献】
特開平06−268252(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0213481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
H01S 5/00 − 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型領域とp型領域との間に配置された発光層を有する半導体構造と、
前記半導体構造の下に配置された反射性バックコンタクトと、
前記半導体構造上に配置された複数本の金属バスバーであり、各金属バスバーは、長さ方向に沿った第1部分及び第2部分を有し、前記第1部分は前記半導体構造と直に接触している、複数本の金属バスバーと、
前記金属バスバーの前記第2部分と前記半導体構造との間に配置されたリフレクタであり、前記金属バスバーよりも反射性であるリフレクタと、
を有し、
前記半導体構造は、前記発光層が除去されている又は形成されていない領域を含み、該領域は、前記複数本の金属バスバーに対向する複数本のバー状の電流阻止構造を有する、
デバイス。
【請求項2】
前記複数本の電流阻止構造は、前記反射性バックコンタクト上に配置された又は前記反射性バックコンタクトの一部である複数本のミラーを有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数本のミラーの各々の幅が、各金属バスバーの幅よりも狭い、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記リフレクタは、反射性金属、低屈折率誘電体、及びDBRからなる群から選択されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
各金属バスバーの前記第1部分は、前記金属バスバーの伝送長の2倍の幅を有し、前記伝送長は、前記金属バスバーの比抵抗を、前記金属バスバーに接触している前記半導体構造の部分におけるシート抵抗で割ったものの平方根に等しいものである、請求項1乃至4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
各金属バスバーの前記第1部分は、10μm以上且つ20μm以下の幅を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
各金属バスバーの前記第1部分は、前記第2部分の両側に配置された2つのサブ部分に分割されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
各金属バスバーの前記第2部分は、前記第1部分の両側に配置された2つのサブ部分に分割されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記リフレクタは絶縁層であり、当該デバイスは更に、各金属バスバーの第3部分と前記半導体構造との間で前記リフレクタの外側に配置された金属リフレクタを有する、請求項1乃至6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1部分は各金属バスバーの中心部に置かれ、前記第3部分は各金属バスバーの端部に置かれ、且つ前記第2部分は前記第1部分と前記第3部分との間に置かれている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
各金属バスバーの前記第3部分は、前記金属バスバーの伝送長よりも小さい幅を有し、前記伝送長は、前記金属バスバーの比抵抗を、前記金属バスバーに接触している前記半導体構造の部分におけるシート抵抗で割ったものの平方根に等しいものである、請求項9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記リフレクタと前記半導体構造との間の境界面がテクスチャ加工されている、請求項1乃至11のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記金属バスバーの前記第1部分は、当該デバイスのコーナーにおいて直角に接続された第1セグメント及び第2セグメントを有する、請求項1乃至12のいずれかに記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1部分の幅は、当該デバイスの前記コーナーにおいて、当該デバイスの前記コーナーから離れた前記第1部分の幅と比較して狭い、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1部分は、当該デバイスの前記コーナーにおける第1の領域内で5μmと10μmとの間の幅を有し、前記第1部分は、当該デバイスの前記コーナーから離れた第2の領域内で10μmと15μmとの間の幅を有する、請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば縦型薄膜発光デバイスなどの、頂部コンタクトを有するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な最も効率的な光源の中に、発光ダイオード(LED)、共振器型(resonant cavity)発光ダイオード(RCLED)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)及び端面発光レーザを含む半導体発光デバイスがある。可視スペクトルで動作可能な高輝度発光デバイスの製造において現在関心ある材料系は、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも呼ばれる、ガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の二元、三元、及び四元合金を含む。典型的に、III族窒化物発光デバイスは、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)又はその他のエピタキシャル技術により、サファイア、炭化シリコン、III族窒化物若しくは複合材の基板、又はその他の好適な基板の上に、異なる組成及びドーパント濃度の複数の半導体層のスタック(積層体)をエピタキシャル成長することによって製造される。スタックは、しばしば、基板上に形成された、例えばSiでドープされた1つ以上のn型層と、該1つ以上のn型層上に形成された活性領域内の1つ以上の発光層と、活性領域上に形成された、例えばMgでドープされた1つ以上のp型層とを含んでいる。これらn型領域及びp型領域の上に、電気コンタクトが形成される。
米国特許出願公開第2003/123505号は、活性領域内で電流を導くトンネル接合を有するVCSELを開示している。トンネル接合の選択された領域におけるトンネリングが、活性領域の所望の領域に電流を閉じ込める電流阻止領域を形成するように無効にされる。阻止領域は、トンネル接合内に形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、頂部コンタクトを有する効率的な半導体発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、n型領域とp型領域との間に配置された発光層を含んだ半導体構造を含んでいる。この半導体構造上に金属バスバーが配置される。金属バスバーの第1部分が、半導体構造と直に接触する。金属バスバーの第2部分と半導体構造との間に、リフレクタが配置される。電流阻止構造が、第1部分の下の領域で発光層に電流が注入されることを防止する。
電流阻止構造は、発光層が除去されている又は形成されていない領域を有する。発光層が除去されている又は形成されていない上記領域において、半導体構造上に更なるリフレクタが配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】
図1に示されるデバイスの一部の断面図である。
【
図3】バスバーの一部と半導体構造との間にリフレクタが配置されたデバイスの一部の断面図である。
【
図4】バスバーの一部と半導体構造との間にリフレクタが配置されたデバイスの一部の断面図である。
【
図5】誘電体リフレクタ上に入射する光線を例示している。
【
図6】バスバーの一部と半導体構造との間に金属リフレクタ及び誘電体リフレクタが配置されたデバイスの一部の断面図である。
【
図7】リフレクタと半導体構造との間にテクスチャ加工された境界面を持つデバイスの一部の断面図である。
【
図8】バスバーの両側に幅狭ミラーが配置されたデバイスの一部の断面図である。
【
図10】ボンディングパッドの底面の平面図である。
【
図11】ボンディングパッドの頂面の平面図である。
【
図12】ボンディングパッドを含んだデバイスの一部の断面図である。
【
図13】ボンディングパッドの底面の平面図である。
【
図14】ボンディングパッドの底面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例えばLEDなどの半導体発光デバイスにおいては、デバイス層を薄く保つことで光取り出しが向上され得る。より薄い層は、成長にあまり時間を費やさず、それによりデバイスのコストを低減させ得る。しかしながら、薄層内での電流拡散距離が、同じ組成のもっと厚い層における電流拡散距離よりも遥かに短いので、デバイスにおける薄層の使用は、デバイスの設計を複雑にし得る。デバイスにおける最適な効率のためには、活性領域における均一な電流分布が望ましい。
【0007】
以下の図は縦型薄膜デバイスを示すが、本発明の実施形態は、例えば、光の大部分が取り出される表面上にnコンタクト及びpコンタクトの双方が形成されたデバイス(しばしば、横型デバイスとして参照される)など、頂部コンタクトを有する如何なるデバイスにも使用され得る。
【0008】
図1は、縦型薄膜(vertical thin film;VTF)デバイス10の上面図である。VTFデバイスにおいては、デバイスの半導体構造の頂部及び底部にコンタクトが形成される。底部コンタクトは、半導体構造の底面全体を覆う反射性のシートコンタクトとし得る。デバイスの頂部12に複数のバスバー14が形成され、これらバスバー14は、当該バスバーが上に形成される半導体材料における電流拡散長のおよそ2倍だけ離間される。金属バスバーは、デバイスを他の構造に電気接続するのに使用されるものである1つ以上のボンディングパッド16に接続される。
【0009】
図2は、金属バスバー14を含む
図1に示したデバイス10の一部の断面図である。
【0010】
半導体構造15は、n型領域18と、発光領域又は活性領域20と、p型領域22とを含んでいる。半導体構造15は、III族窒化物材料とし得る。活性領域20は、UV光、可視光、又は青色光を発し得る。n型領域18がバスバー14と接触して示され、p型領域22がシートコンタクト24と接触して示されているが、一部の実施形態では、n型領域とp型領域とが逆にされて、p型領域22がバスバー14と接触するようにされ得る。
【0011】
成長基板上に先ずn型領域18が成長され得る。n型領域18は、異なる組成及びドーパント濃度の複数の層を含み得る。該複数の層は、例えば、n型あるいは意図的にはドープされないものとし得るバッファ層若しくは核生成層などのプリパレーション層と、発光領域が効率的に発光するのに望ましい特定の光学特性、材料特性若しくは電気特性に合わせて設計されるn型、若しくはp型であってもよい、デバイス層とを含み得る。n型領域の上に、発光領域又は活性領域20が成長される。好適な発光領域の例は、単一の厚い若しくは薄い発光層、又はバリア層によって分離された複数の薄い若しくは厚い発光層を含んだマルチ量子井戸発光領域を含む。次いで、発光領域の上に、p型領域22が成長され得る。n型領域と同様に、p型領域は、異なる組成、厚さ及びドーパント濃度の複数の層を含むことができ、該複数の層は、意図的にはドープされていない層又はn型層を含んでいてもよい。
【0012】
半導体構造15の全体の下に、p型領域22と接触させて、反射性のバックコンタクト2が配置される。反射バックコンタクト24は、多層の金属構造とすることができ、例えば、オーミック層、反射層、及びガード層のうちの1つ以上を含み得る。如何なる好適な金属又はその他の導電材料が使用されてもよい。反射層として銀が使用され得る。
【0013】
成長基板が除去されてn型領域18の表面が露出され、その上にバスバー14及びボンディングパッド16が形成され得る。
【0014】
バスバー14は光を吸収するものであることが多いので、バスバー14の下の領域に、活性領域20が光を放出するのを防止するように電流阻止構造が形成される。例えば、活性領域20が、
図2に例示するように除去されてもよく、又はその他の方法で、光を放出するのを防止され得る。さもなければ、金属バスバー14から注入された電流が、バスバー14の真下で優先的に光を発生させることになるが、そこは、光が、デバイスから取り出されるのではなく、光損失のあるバスバー14によって吸収されることになりやすいところである。
【0015】
図2のデバイスでは、バスバー14の下の領域において、活性領域20の一部が除去され、コンタクト24の上に配置される又はその一部であるミラー26で置き換えられている。バスバー14によってn型領域18に注入された電流は、矢印28によって指し示されるように横方向に進まなければならず、バスバー14によって塞がれない領域で活性領域20に注入される。ミラー26によってバスバー14へと反射される光(光線37によって示されている)が、吸収されて(37a)、熱を生み出し、それがデバイスの効率を低下させ得る。
【0016】
バスバー14は、バスバー14の比抵抗を、バスバー14と接触する半導体材料のシート抵抗で割ったものの平方根に等しいものである伝送長L
tによって特徴付けられ得る。理想的には、バスバーの幅30は2L
t以下である。何故なら、電流はこの長さを超えては広がらないからである。しかし、バスバーの幾何学形状は製造技術によって制限される。さらに、バスバーの導電率には限界があり、そのため、バスバーの幅と高さは、ダイ領域の全体に電流を均等に分散させるとともに順方向電圧V
fを低く保つのに十分な大きさでなければならない。従って、バスバーの幅は、製造上の制限及び電流搬送の必要性のために、2L
tよりも大きくなり得る。大面積の、吸収のあるバスバーは、デバイスの効率を低下させてしまい得る。
【0017】
本発明の実施形態においては、バスバーによる吸収を低減させるために、バスバーと半導体構造との間の境界面の少なくとも一部が反射性にされる。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態を例示している。
図3のデバイスにおいて、
図2のデバイスにおいてのように、半導体構造15のn型領域18上に金属バスバー14が配置されている。また、
図2においてと同様に、電流阻止構造は、バスバー14の真下に形成されたミラー26である。
【0019】
図3のデバイスでは、金属バスバー14の第1部分32a、32bが、n型領域18と直に接触している。金属バスバー14の第2部分34と半導体構造15との間にリフレクタ(反射体)36が配設されている。第1部分は、幅L
tを有し得るとともに、第2部分34の何れか側に配置されることができ、例えば、第1部分が2つのサブ部分32a、32bに分割され、各サブ部分32a、32bが、バスバー断面をその長軸に沿って見るときに第2部分34のそれぞれの側に配置される。
【0020】
半導体構造に直に接触する金属バスバー14の第1部分32a、32bは、例えばAuZn、AuGe、又はその他の好適材料など、反射率にかかわらず半導体材料と優れた電気的接触を為す材料とし得る。典型的に、半導体材料と直に接触するバスバー14の全幅は、少なくとも2L
tであり(例えば、2つのサブ部分32a、32bの各々が幅L
tのものである)、故に、バスバー14は電気的に、
図2に示した構造と実質的に等価である。一部の実施形態において、半導体と直に接触するバスバー14の全幅は、10μm以上且つ20μm以下である。
【0021】
リフレクタ36は、反射性の材料とし得る。適切な反射材料は、例えばAu若しくはAgなどの反射性の金属、例えば絶縁体、SiO
2などの低屈折率誘電体材料、及び/又は薄膜分布ブラッグ反射器(DBR)などの非金属材料、又はこれらの組み合わせを含む。リフレクタ36は、リフレクタ36の領域に電流が流れ込まないように、絶縁体又は非常に不良な導電体であることが多いが、これは必要なことではなく、十分に反射性である導電材料が使用されてもよい。リフレクタ36に入射する光は、吸収されるのではなく、光線38a−38gによって示されるように、自身が取り出され得る半導体/空気界面に達するまで、ミラー26とリフレクタ36との間で反射され得る。セグメント38aは、リフレクタ36で反射されてミラー26に入射している。セグメント38bは、ミラー26で反射されてリフレクタ36に入射している。セグメント38cは、リフレクタ36で反射されてミラー26に入射している。セグメント38dは、ミラー26で反射されてリフレクタ36に入射している。セグメント38eは、リフレクタ36で反射されてミラー26に入射している。セグメント38fは、ミラー26で反射されて半導体/空気界面に入射している。セグメント38gは空気中に取り出されている。
【0022】
図3に例示されるデバイスでは、バスバー14の第1部分32は、リフレクタ36に対応する第2部分34のそれぞれの側に配置される2つのサブ部分に分割されている。
図4に例示されるデバイスでは、リフレクタに対応する第2部分34a、34bが、バスバー14の中心にあり且つ半導体構造15のn型領域18と直に接触する第1部分32のそれぞれの側に配置される2つのサブ部分34a、34bに分割されている。中心部の第1部分32は、少なくとも2L
tの幅を有し得る。各部分34a、34bは、それぞれ、リフレクタ部分36a、36bを含んでいる。
【0023】
図3及び4のデバイスにおいては、活性領域20の領域40a、40bは、電流が注入されるバスバー14に最も近い活性領域の領域であるので、高強度の光生成の領域であり得る。一部の実施形態では、領域40a、40bで放出される光子が吸収される可能性を低減させるために、
図3においてのように吸収のある第1部分32ではなく、
図4においてのようにリフレクタ36a、36bが、領域40a、40bの最も近くに配置され得るように、第2部分を分割するのが好ましいことがある。
【0024】
図5は、
図4に例示したデバイスの一区画を示している。
図5は、半導体構造15からバスバー14のすぐ外側の空気中に漏れ出た光42の一部が、リフレクタ36が透明な誘電体材料から作製されている場合に、リフレクタ36を通じて半導体構造中に結合され返されてしまい得ることを示している。
【0025】
図6に例示されるデバイスにおいて、リフレクタ36は透明な誘電体である。
図4においてのように、リフレクタ36a、36bに対応するバスバー14の第2部分34a、34bが、バスバー14の中心にある第1部分32のそれぞれの側に配置される2つの部分に分割されている。第3部分46a、46bの下でリフレクタ36の外側に金属リフレクタ44a、44bを配設することによって、
図5に示した結合が回避される。これらの金属リフレクタは、例えばAg又はAuとし得る。かなりの電流が金属リフレクタ44a、44bから半導体構造に流れ込むことを回避するため、第3部分46a、46bの幅は、L
tよりも小さく保たれる。半導体構造から取り出されてリフレクタ44に入射する光線48は、反射されるのであり、半導体構造に結合され返されない。リフレクタ44の第3部分46a、46bの幅は、一部の実施形態において少なくとも0.5μm、一部の実施形態において2μm以下、そして一部の実施形態において1μm以下とし得る。
【0026】
図7に例示されるデバイスにおいては、リフレクタ36a、36bと半導体構造15との間の境界面が、フィーチャ(造形部)50でテクスチャ加工されており、それにより、デバイスからの光取り出しが高められ得る。これらのフィーチャは、粗化された表面を形成するように、或るパターンで又はランダムに形成され得る。フィーチャは、一連の山と谷として形作られた断面を有し得る。それらの山及び谷は、リフレクタ36a、36bと半導体構造15との間の境界面に形成される導波路を遮ることができ、それにより、半導体構造から外へ光を散乱させ得る。各フィーチャの山同士の間の幅は、一部の実施形態において少なくとも0.5μm、一部の実施形態において2μm以下、そして一部の実施形態において1μm以下とし得る。テクスチャは、リフレクタを形成する前に、リソグラフィ、例えば研削などの機械的プロセス、又はその他の好適プロセスによって形成され得る。
【0027】
一部の実施形態において、活性領域20を最大化するように、バスバー14に対向するミラー26を縮小してもよい。何故なら、バスバー14の下で生成される光の吸収の可能性は、リフレクタ36の存在によって低減されるからである、
図8に例示されるデバイスにおいて、ミラー26は、バスバー14の幅54よりも狭い幅52を有している。ミラー26は、
図8ではバスバー14の下に中心を合わせられているが、これは必要なことではない。バスバー14の下に置かれた活性領域20の部分56で生成された光は、光線58によって例示されるように、バスバー14によって吸収されないようにし得る。幅52は、一部の実施形態において幅54の90%以下、一部の実施形態において幅54の75%以下、一部の実施形態において幅54の60%以下、そして、一部の実施形態において幅54の少なくとも40%とし得る。幅54は、一部の実施形態において少なくとも10μm、そして一部の実施形態において20μm以下とし得る。幅52は、一部の実施形態において少なくとも5μm、そして一部の実施形態において10μm未満とし得る。
【0028】
一部の実施形態において、バスバーは、
図9に例示されるように、電流集中を抑制するように設計される。
図9は、バスバー14の半導体構造15との境界を示している。第1部分32において、金属バスバー14は半導体構造と直に接触している。リフレクタ36a、36bが、第1部分32のそれぞれの側に配置される。
図9のデバイスでは、一般に電流集中を被る領域であるデバイスのコーナー(角部)において、それを通して半導体構造に電流が注入される第1部分32の幅62が、デバイスのコーナーから離れた第1部分32の幅60と比較して縮小されている。故に、コーナーにて注入される電流の量が減少され、それにより、デバイスのコーナーにおける電流集中が抑制され得る。幅60は、一部の実施形態において少なくとも10μm、そして一部の実施形態において15μm以下とし得る。幅62は、一部の実施形態において少なくとも5μm、そして一部の実施形態において10μm以下とし得る。
【0029】
一部の実施形態において、デバイス内の1つ以上のボンディングパッドも、ボンディングパッドの一部と半導体構造との間に配置されたリフレクタを含む。例えば、
図1の平面図は、2つのボンディングパッド16を含んでいる。
図10及び11は、それぞれ、ボンディングパッド16の(半導体構造と接触している)底部層36及び(底面とは反対側の)頂部層76の平面図である。
【0030】
図12は、ボンディングパッド16の一部の断面図である。部分71の位置が、
図10、11、及び12に指し示されている。ボンディングパッド16と半導体構造15との間の境界74にあるボンディングパッドの底部層の平面図が、
図10に例示されている。ボンディングパッドの頂部層72の平面図が、
図11に例示されている。
図10に示されるボンディングパッド16の底面には、8個の領域70において、ボンディングパッド頂部層を形成する金属76が、半導体構造15と直に接触している。領域70で電流が半導体構造15に注入される。半導体構造15とボンディングパッド16との間に配置されたリフレクタ36が、領域70を取り囲んでいる。
図11に示されるボンディングパッド16の頂部では、頂面全体が金属76であり、それ故に、ボンディングに利用可能であるように、ボンディングパッド金属76がリフレクタ36を覆っている。一部の実施形態において、ボンディングパッドの底面のうち80%と90%との間がリフレクタ36である。
図13は、別のボンディングパッド16の底面を例示している、
図14は、別のボンディングパッド16の底面又はバスバー14の底面を例示している。
図13において、ボンディングパッドは円形である。環状部70において、ボンディングパッド金属76が、
図12に示したのと同様にして、半導体構造と直に接触する。リフレクタ36が、環状部70の両側に配置される。リフレクタ36は、
図12に示したのと同様に、ボンディングパッド金属76によって覆われる。
図14において、ボンディングパッドは矩形である。センターストリップ70において、ボンディングパッド金属76が半導体構造と直接的な接触をなす。リフレクタ36c、36dが、ストリップ70のそれぞれの側に配置される。
【0031】
以下の例では、半導体発光デバイスは、青色光又はUV光を発するIII族窒化物LEDであるが、例えばレーザダイオードなどの、LED以外の半導体発光デバイスや、例えばその他のIII−V族材料、III族リン化物、III族ヒ化物、II−VI族材料、ZnO、又はSi系材料などの、その他の材料系からなる半導体発光デバイスが使用されてもよい。
【0032】
本発明を詳細に説明したが、当業者が認識するように、本開示を所与として、ここに記載の発明概念の精神を逸脱することなく、本発明に変更が為され得る。異なる実施形態の異なる要素が組み合わされてもよく、また、特定の実施形態にて記述された要素がそれらの実施形態から省かれてもよい。故に、本発明の範囲は、図示して説明した特定の実施形態に限定されるものではない。