特許第6971859号(P6971859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971859湾曲した反転可能なダイヤフラムを備え付ける容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971859
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】湾曲した反転可能なダイヤフラムを備え付ける容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   B65D1/02 250
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-566648(P2017-566648)
(86)(22)【出願日】2016年6月22日
(65)【公表番号】特表2018-518425(P2018-518425A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】EP2016064413
(87)【国際公開番号】WO2016207213
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】15305969.6
(32)【優先日】2015年6月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴデ,フロリアン
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0159556(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/068511(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0047964(US,A1)
【文献】 特開昭54−031379(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0136725(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フランジ(9)を形成する起立リング(8)と、起立リング(8)から中央部分(10)まで延在するダイヤフラム(11)とを含む基部(7)を備え付ける、プラスチック材料でできた容器(1)にして、
前記ダイヤフラム(11)が外側に突出する位置にあることができ、前記容器(1)が製品で充填される内側容積を画定する、容器(1)であって、
ダイヤフラム(11)が、起立リング(8)に対して、ダイヤフラム(11)の外側関節接合を形成する外側接合部(12)で、起立リング(8)に接続し、
ダイヤフラム(11)が、中央部分(10)に対して、ダイヤフラム(11)の内側関節接合を形成する内側接合部(13)で、中央部分(10)に接続し、
それによって前記ダイヤフラム(11)が、起立リング(8)に対して、内側接合部(13)が起立リング(8)の支持フランジ(9)の延在面の上方に位置する外側に突出する位置から、内側接合部(13)が外側接合部(12)の上方に延在する内側に突出する位置まで反転可能である容器(1)であって、
ダイヤフラム(11)の外側に突出する位置では、ダイヤフラム(11)が、
−起立リング(8)に接続し、半径方向断面で湾曲する外側部分(16)であって、容器(1)の内側容積に対して外側に向いて凹んだ凹面を含む前記外側部分と、
−外側部分(16)および中央部分(10)に接続し、半径方向断面で湾曲する内側部分(17)であって、容器(1)の内側容積に対して内側に向いて凹んだ凹面を含む前記内側部分と、
を含み、
ダイヤフラム(11)の外側に突出する位置では、内側接合部(13)が外側接合部(12)の下方に位置しており、且つ、
ダイヤフラム(11)の内側に突出する位置において、中央部分(10)が起立リング(8)の上方に位置し、
外側部分(16)の凹面が、容器(1)の内側容積に対して内側に向いて凹んでおり
内側部分(17)の凹面が、容器(1)の内側容積に対して外側に向いて凹んでいる
ことを特徴とする、容器。
【請求項2】
内側部分(17)が外側部分(16)に接している、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
外側接合部(12)で、ダイヤフラムの外側部分(16)のR1で示される半径、およびDで示される外径が、
【数1】
のようになる、請求項1または請求項2に記載の容器。
【請求項4】
外側接合部(12)で、ダイヤフラムの内側部分(17)のR2で示される半径、およびDで示される外径が、
【数2】
のようになる、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
R1で示される外側部分(16)の半径、およびR2で示される内側部分(17)の半径が、
【数3】
のようになる、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
外側接合部(12)で、ダイヤフラムのDで示される外径、および内側接合部(13)で、dで示されるその内径が、
【数4】
のようになる、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器。
【請求項7】
【数5】
である、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
ダイヤフラム(11)が滑らかな表面を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
外側部分(16)と内側部分(17)との間の接合点(C)が、外側接合部(12)および内側接合部(13)を結ぶ線の上方または線上に位置する、請求項1から8のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プラスチック(例えばPETなど、ほとんどは熱可塑性)材料でできているプリフォームから、ブロー成形または延伸ブロー成形によって製造される、ボトルなどの容器の製造に関する。限定的ではないが、より詳細には、本発明は、高温充填容器、すなわち高温の注入可能な製品(典型的には、液体)によって充填される容器の加工に関し、「高温」という用語は、容器が作製される材料のガラス遷移温度よりも製品の温度が高いことを意味する。典型的には、PET容器(そのガラス遷移温度が約80℃である)の高温充填が、約85℃と約100℃との間、典型的には90℃に含まれる温度で製品によって実施される。
【背景技術】
【0002】
いくつかのタイプの容器は、高温充填によって含まれる機械的応力およびその後の温度低下による内部圧力の変化に耐えるように特別に(少なくとも主張によれば)製造される。
【0003】
欧州特許第0784569号明細書(Continental PET)に開示されているように、容器の側壁に可撓性圧力パネルを設け、その曲率が容器内の圧力の変化を補償するように変化することが知られている。しかしながら、このタイプの容器の主な欠点の1つは、一旦開封されると、剛性に欠けることである。実際には、圧力パネルは、ユーザの把持力の下で曲がる傾向があり、したがって、ユーザは、意図しない液飛びを回避するために、大切に容器を取り扱わなければならない。
【0004】
剛性の側壁と、反転可能的な圧力パネルを含む可撓性基部とを容器に設けることも知られている。
【0005】
第1の技術では、圧力パネルは可撓性であり、容器内の圧力変化に自動調整する。米国特許第8444002号明細書(Graham Packaging)は、容器の内部と容器の外部との圧力差に応じて徐々に撓み、または同時に撓む、多数のヒンジおよびパネルを有する圧力補償パネルを基部に備え付けた容器を開示している。このような構造は、容器内の圧力の変化に適合し、容器が単独で立っているときに容器の側壁の形状を維持するのに有効であることを証明してきたが、積み重ねられ、パレタイズされる場合、容器がそれによって受ける垂直方向の圧縮応力のような外部応力に耐えるために十分な強度を提供しない。
【0006】
米国特許出願公開第2008/0047964号明細書(Dennerら、C02PACに譲渡された)に開示された第2の技術では、容器内の真空力の全てまたは一部を緩和するために、容器が蓋をされ、冷却された後に、機械的プッシャによって圧力パネルを外側に傾斜した位置から内側に傾斜した位置に移動させて、圧力パネルを内側に傾斜した位置に押し込む。
【0007】
そのような容器上に実施されるテストによれば、一旦内側に傾斜した位置に反転されると、圧力パネルはその位置を維持せず、内容物の圧力下で戻って沈む傾向があることを示した。結局、容器が冷却された後、容器は剛性をほとんどなくしてしまい、それによって手に保持される場合、柔らかく感じられる。容器を積み重ねる、またはパレタイズする場合、下方の容器が、上方の容器の重量下で曲がる危険性があり、かつそれによって、全体のパレットが崩壊する危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第0784569号明細書
【特許文献2】米国特許第8444002号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0047964号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、より優れた安定性を含む容器を提案することである。
【0010】
本発明の別の目的は、反転位置を維持することができ、したがって軸方向圧縮応力のような高い外部応力に耐えることができる反転可能なダイヤフラムを備え付ける容器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、
支持フランジを形成する起立リングと、起立リングから中央部分まで延在するダイヤフラムとを含む基部を備え付ける、プラスチック材料でできた容器にして、
前記ダイヤフラムが外側に突出する位置にあることができ、前記容器が製品で充填される内側容積を画定する、容器であって、
ダイヤフラムが、起立リングに対して、ダイヤフラムの外側関節接合を形成する外側接合部で、起立リングに接続し、
ダイヤフラムが、中央部分に対して、ダイヤフラムの内側関節接合を形成する内側接合部で、中央部分に接続し、
それによって前記ダイヤフラムが、起立リングに対して、内側接合部が外側接合部の下方に延在する外側に突出する位置から、内側接合部が外側接合部の上方に延在する内側に突出する位置まで反転可能である容器であって、
外側に突出する位置では、ダイヤフラムが、
起立リングに接続し、半径方向断面で湾曲する外側部分であって、容器の内側容積に対して外側に曲がった凹面を含む外側部分と、
外側部分および中央部分に接続し、半径方向断面で湾曲する内側部分であって、容器の内側容積に対して内側に曲がった凹面を含む内側部分と、
を含む、容器が提供される。
【0012】
外側部分はダイヤフラムの反転を容易にし、一方で内側部分は反転位置で剛性を提供し、それによってダイヤフラムが戻って沈むことを防止する。したがって、容器内の圧力は、高い値に維持され、容器に高い剛性を提供する。外側に突出する位置と内側に突出する位置との間で、ダイヤフラムによって一掃されるかなりの容積によって、容器内の圧力が、温度降下による圧力損失が容器の剛性に影響を与えない程度に増加して、それによって信頼して積み重ねられ、パレタイズされることが可能になる。
【0013】
別々にまたは組み合わせて採用される様々な実施形態によれば、
外側接合部で、ダイヤフラムの外側部分のR1で示される半径、およびDで示される外径が、
【数1】
のようになる。
【0014】
外側接合部で、ダイヤフラムの内側部分のR2で示される半径、およびDで示される外径が、
【数2】
のようになる。
【0015】
R1で示される外側部分の半径、およびR2で示される内側部分の半径が、
【数3】
のようになる。
【0016】
外側接合部で、ダイヤフラムのDで示される外径、および内側接合部で、dで示されるその内径が、
【数4】
【数5】
のようになる。
【0017】
ダイヤフラムは滑らかな表面を有する。
【0018】
外側部分と内側部分との間の接合点が、外側接合部および内側接合部を結ぶ線の上方または線上に位置する。
【0019】
本発明の上述の、および他の目的および利点が、添付の図面と併せて考察される、好適な実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】基部の拡大された詳細図を含む、反転可能な基部ダイヤフラムを備えた容器を示す断面図である。
図2】基部の適正な構成方法を示す線図である。
図3】基部の不適切な構成方法を示す線図である。
図4】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図5】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図6】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図7】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図8】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図9】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図10】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
図11】異なる実施形態における容器の基部を示す、拡大された片側断面図であり、ダイヤフラムの外側に突出する位置(実線で示す)およびその内側に突出する位置(点線で示す)の両方で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、高温の製品(例えば、茶、果汁、またはスポーツ飲料)で充填されるのに適した容器1を示し、「高温」とは、製品の温度が材料のガラス遷移温度より高いことを意味し、その温度で容器1が作製される(PETの場合は約80℃)。
【0022】
容器1は、上方に開いた円筒形ねじ付き上方部分またはネック2を含み、ネック2は、その下方端部でより大きい直径の支持カラー3の中で終端する。カラー3の下方に、容器1は、長さが短い円筒形上方端部を通ってカラー3に接続される肩部4を含む。
【0023】
肩部4の下方に、容器1は、容器の主軸Xの周りに略円筒形である側壁5を含む。図1に示されるように、側壁5は、応力に耐えることができる環状補強リブ6を含むことができるが、そうでない場合は、応力は、水平断面で見ると、側壁5を楕円形にする傾向がある(そのような変形は標準的であり、楕円化と呼ばれる)。
【0024】
側壁5の下方端部で、容器1は、容器1を閉鎖し、容器1がテーブルなどの平坦な面上に置かれることを可能にする基部7を含む。
【0025】
容器基部7は、主軸Xに略垂直な平面に延在する支持フランジ9を形成する起立リング8、中央部分10、および起立リング8から中央部分10まで延在するダイヤフラム11を含む。
【0026】
ダイヤフラム11は、外側接合部12で起立リング8に接続し、内側接合部13で中央部分10に接続する。外側接合部12および内側接合部13の両方が、好適には湾曲している(または丸い形である)。ダイヤフラム11は、内側接合部13で測定される内径d、および外側接合部12で測定される外径Dを含む。
【0027】
容器1は、変化しないネック、円筒壁、および丸みを帯びた底部を含む、PET(ポリエチレンテレフタレート)のようなプラスチック製のプリフォームからブロー成形される。
【0028】
図面に示される好適な実施形態では、起立リング8は、高い起立リングであり、すなわち、起立リングは、円錐台形状内壁14を備え付け、その上端部が外側接合部12(したがって、ダイヤフラム11による外側関節接合)を形成し、ダイヤフラム11の外側に突出する位置では、中央部分10が起立リング8の上方に位置する。
【0029】
製品で充填される内側容積15を画定する容器1は、内側接合部13が外側接合部12の下方に配置される(容器1は、通常ネックを上に保持されている)、外側に突出する位置で立つダイヤフラム11と共にブロー成形される。
【0030】
外側接合部12が、起立リング8に対して(より詳細には、内壁14に対して)ダイヤフラム11の外側関節接合を形成し、内側接合部13が、中央部分10に対してダイヤフラム11の内側関節接合を形成し、それによって、ダイヤフラム11が、起立リング8に対して、外側に突出する位置(図1および図4から図11の実線内)から、内側接合部13が外側接合部12の上方に配置される内側に突出する位置(図1および図4から図11の点線内)まで反転可能である。
【0031】
容器1が製品で充填され、キャップを取り付けられ、冷却された後、製品の冷却によって生成される真空を補償し、または内部圧力を上昇させ、および側壁5に剛性を提供するために、ダイヤフラム11を反転することが、好ましくは機械的に実施される(例えば、ジャッキ上に取り付けられたプッシャによって)。
【0032】
ダイヤフラム11を反転することによって、EVと示され(図1の詳細図の中の斜線内)、「取出体積」と呼ばれる体積の液体の変位(および続いて起こる容器1の内側容積の減少)を引き起こす。取出体積EVは、ダイヤフラム11の外側に突出する位置とその内側に突出する位置との間に含まれる。
【0033】
ダイヤフラム11の剛性を高め、内側に突出する位置の内容物の圧力を高めるために、ダイヤフラムは湾曲した外側部分16と湾曲した内側部分17とを備え付ける。
【0034】
外側部分16は、外側接合部12で内壁14の上端に接続し、半径方向断面で湾曲している。より詳細には、外側に突出する位置の半径方向断面で見ると、外側部分16は、容器1の内側容積15に対して外側に向いた凹面を有する。R1は、外側部分16の半径を示す。図面に示すように、外側接合部12では、外側部分16の接線は水平(すなわち、軸線Xに垂直)である。
【0035】
内側部分17は、外側部分16および中央部分10に接続し、半径方向断面で湾曲している。より詳細には、外側に突出する位置の半径方向断面から見ると、内側部分17は、容器1の内側容積15に対して内側に向いた凹面を有し、それによって、ダイヤフラム11は、その外側に突出する位置に、サイマレクタ(またはS)形状を含む。R2は、内側部分17の半径を示す。図面に示される好ましい実施形態では、内側部分17は外側部分16に接している。
【0036】
図1に示すように、ダイヤフラム11は、その外側に突出する位置において、内側接合部13が起立リング8によって画定される平面の上方に位置するような形状および寸法になっている。
【0037】
図2は、半径方向断面においてダイヤフラム11を構成する適切な幾何学的方法を示す。これと比較して、図3は、同様の半径方向断面においてダイヤフラム11を構成する不適切な幾何学的方法を示す。
【0038】
図2および図3において、Aが外側接合部12を示し、Bが内側接合部13を示す、矩形AA’BB’がプロットされている。参照符号16はダイヤフラム11の外側部分を示し、その外側部分は円の円弧の形態であり、符号17はダイヤフラム11の内側部分を示し、やはり円の円弧の形態である。外側部分16と内側部分17との間の変曲点(すなわち、ダイヤフラム11の湾曲が反転する点)を形成する、Cで示された接合点で、外側部分16および内側部分17が交わる。図2および図3に示すように、外側部分16は点Aで水平線(AA’)に接している。言い換えれば、円の円弧AC(すなわち外側部分16)の中心は、線(AB’)上に位置する。
【0039】
一旦CおよびO1がプロットされると、AをCに結んで、(AA’)に接する円(中心がO2で示される)の1つだけの円弧がプロットされ得る。次に、CをBに結んで、Cで円の円弧AC(すなわち、外側部分16)に接する円の1つだけの円弧(すなわち、内側部分17)がプロットされ得る。
【0040】
半直線[BT)は、中心O2を有する円の円弧BCに対する接線を示す。図2では、Cが三角形AA’Bの中に位置し、すなわち対角線(AB)より上方に位置する場合、そのとき接線[BT)は線(BB’)の上方に位置するという事実を示している。言い換えれば、円の円弧BC(すなわち、内側部分17)は内側接合部13の上方に位置しているが、一方それとは反対に、図3では、Cが三角ABB’の中に位置し、すなわち対角線(AB)より下方に位置する場合、接線[BT)は線(ΒΒ’)の下方に位置する。言い換えれば、円の円弧BC(すなわち内側部分17)は、内側接合部13の下方に位置する。図3に対するダイヤフラム11は、図2の幾何形状に構成することが好ましいはずである。
【0041】
図4から図11に示すように、ダイヤフラム11は、その内側に突出する位置(点線)において、外側に突出する位置で有する形状と対称的な形状を有する。言い換えれば、上方に突出する位置において、外側部分16は、容器1の内側容積15に対して内側に向けられた凹面を有し、一方、内側部分17は、容器1の内側容積15に対して外側に向けられた凹面を有する。したがって、内側部分17が内側接合部13の下方に及ぶ図3の幾何形状を選択すると、内側に突出する位置で、反転した内側部分17が反転した内側接合部13の上方に及ぶ幾何形状になり、それによって、内側接合部13の近傍の内容物によって働く圧力が、外側に向いた半径方向成分を有し、これによってダイヤフラム11をその外側に突出する位置に戻して広げる可能性がある。
【0042】
対照的に、内側部分17が内側接合部13の上方に延在する図2の幾何形状を選択すると、内側に突出する位置で、反転した内側部分17が反転した内側接合部13の下方に位置する幾何形状になり、それによって、内側接合部13の近傍の内容物によって働く圧力が、内側に向いた半径方向成分のみを有し、これによってダイヤフラム11に係止効果を与える。したがって、図2の幾何形状は、図3の幾何形状よりも好ましい。
【0043】
外側部分16が水平線(または平面)に接している限り、すなわち円の円弧ACが線(AA’)に接している限り、数学的に以下を証明することができ、つまり
【0044】
点C(すなわち、外側部分16と内側部分17との間の接合部)が三角形AA’B内に位置する場合、そのとき図2に示すように、内側部分17は内側接合部13(または点B)の上方に位置する。
【0045】
点C(すなわち、外側部分16と内側部分17との間の接合部)が線(AB)上に位置する場合、内側部分17は点Bで水平に接し、すなわち水平線(BB’)に接する。
【0046】
点C(すなわち、外側部分16と内側部分17との間の接合部)が三角形ABB’内に位置する場合、図3に示すように、内側部分17は部分的に内側接合部13(または点B)の下方に延在する。
【0047】
したがって、好ましい実施形態では、外側部分16と内側部分17との間の接合部Cは、外側接合部12と内側接合部13とを結ぶ線(すなわち、線(AB))上またはその上方に配置される。
【0048】
図1および図2に示すように、d’は、軸線Xを中心とし、接合点Cを含む円の直径を示し、αは、それらの接合点Cで外側部分16(または内側部分17)に対する接線の角度を示す。
【0049】
取出体積EVは、直径d’と共に全体的に増加する(ただし、以下に説明するように、他のパラメータも考慮に入れるべきである)。したがって、d’は、取出体積EVを最大にするために十分に大きくなければならない。より正確には、d’は、好ましくは、直径Dの半分より大きく、直径Dの95%よりも小さい。すなわち
【数6】
である。
【0050】
角度αが大きいほど、ダイヤフラム11は内側に突出する位置でより剛性が高いが、しかし外側に突出する位置から内側に突出する位置にそれを反転させるのがより困難になる。
【0051】
逆に、角度αが小さいほど、ダイヤフラム11は内側に突出する位置でより弱くなるが、しかし外側に突出する位置から内側に突出する位置に反転させるのがより容易になる。
【0052】
角度αが約55°(C点が外側接合部12と内側接合部13とを結ぶ線(AB)上に位置する場合に相当する)から75°の間に含まれる場合:すなわち、
【数7】
であり、容器内容物の圧力を受ける場合における内側に突出する位置にあるダイヤフラム11の良好な剛性と、外側に突出する位置から内側に突出する位置に反転されるためにダイヤフラム11の良好な能力との間に良好な妥協が見いだされ得る。
【0053】
加えて、外側部分16の半径R1および内側部分17の半径R2は、取出体積EVを最大にするように(すなわち、ダイヤフラム11の内側に突出する位置で容器内の圧力を最大にするように)、同時にダイヤフラム11の良好な反転能力およびその内側に突出する位置での良好な剛性を提供するように注意して選択されるべきである。
【0054】
この目的のために、半径R1およびR2は、以下のように選択されるべきである。
【数8】
【数9】
【数10】
【0055】
ダイヤフラム11の内径dと外径Dは、好ましくは
【数11】
のようになる。
【0056】
1つの好ましい実施形態において、
【数12】
である。
【0057】
図4から図11は、0.5l(より大きい、またはより小さい容積の容器に対して、他の値を当てはめることができる)の容器について、以下の表に示すように、取出体積を増加させることによって選別されたダイヤフラム11の異なる各幾何形状を有する基部7の様々な実施形態を示す。これらの実施形態の全てについて、Dは52mmに等しく、dは19mmに等しく設定される。
【表1】
【0058】
これらの実施形態は全て、既知の解決策よりも大きな取出体積EVを提供し、一方、ダイヤフラム11は、内側に突出する位置で剛性がより高いか、または剛性が同じ程度である。外側部分16は、ダイヤフラム11の外側に突出する位置から内側に突出する位置への反転を容易にする働きをするが、内側部分17は、内側に突出する位置でダイヤフラム11を強化する働きをし、ダイヤフラムが外側に突出する位置に沈むことを防止する。したがって、容器1内の圧力が、高い値に維持され得る。容器1は、手で保持される場合に剛性が感じられる。加えて、容器1は、積み重ねられた場合、積み重ねに対する安定性を提供し、パレタイズされた場合、パレットに対する安定性を提供する。
【0059】
図面に示されているように、上に説明した幾何形状および寸法が反転能力および機械的強度を提供するために十分であるように、ダイヤフラム11は平滑な表面を有する(すなわち、リブまたは溝がない)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11