特許第6971869号(P6971869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971869力率改善回路及び力率改善回路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971869
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】力率改善回路及び力率改善回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   H02M7/12 Q
【請求項の数】7
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-11691(P2018-11691)
(22)【出願日】2018年1月26日
(65)【公開番号】特開2019-129670(P2019-129670A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 健一
(72)【発明者】
【氏名】押方 哲也
(72)【発明者】
【氏名】村田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英輝
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−176526(JP,A)
【文献】 特開2016−039680(JP,A)
【文献】 特開2017−123740(JP,A)
【文献】 特開2011−166903(JP,A)
【文献】 特開2013−048514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00−7/40
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、
前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアーム回路と、
前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする力率改善回路。
【請求項2】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
一端が第1のノードに接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された整流素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続されたスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、
前記交流電圧を全波整流した電圧を、前記第1のインダクタの他端と前記第2の出力端子との間に出力する全波整流回路と、
前記スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記全波整流回路で全波整流された電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする力率改善回路。
【請求項3】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第1のアーム回路と、
前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアームと、
前記第1の入力端子と第2のノードとの間に接続された第2のインダクタ、前記第2のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第5のスイッチ素子、及び、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第6のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第2のアーム回路と、
前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする力率改善回路。
【請求項4】
前記制御部は、
前記差が第1の閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチング動作停止制御を行い、前記直流電圧と、前記差が第2の閾値以上になった場合には、前記スイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の力率改善回路。
【請求項5】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアーム回路と、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする、力率改善回路の制御方法。
【請求項6】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、一端が第1のノードに接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された整流素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続されたスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記交流電圧を全波整流した電圧を、前記第1のインダクタの他端と前記第2の出力端子との間に出力する全波整流回路と、前記スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記全波整流回路で全波整流された電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする、力率改善回路の制御方法。
【請求項7】
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第1のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアームと、前記第1の入力端子と第2のノードとの間に接続された第2のインダクタ、前記第2のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第5のスイッチ素子、及び、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第6のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第2のアーム回路と、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする力率改善回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力率改善回路及び力率改善回路の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、チョッパ制御方式のスイッチングレギュレータが記載されている。特許文献1記載のスイッチングレギュレータは、電源投入時に、所定の変化率で徐々にゼロに戻るランプ電圧を発生させ、このランプ電圧によって、スイッチング動作のパルス幅のゲインを抑制する。これにより、特許文献1記載のスイッチングレギュレータは、電源投入直後のオーバーシュートによる過電流を抑制する。
【0003】
しかし、特許文献1記載のスイッチングレギュレータは、電源投入直後のオーバーシュートによる過電流を抑制するものではあるが、インダクタに流れる電流が累積的に増加する場合については考慮されていない。従って、特許文献1記載のスイッチングレギュレータでは、インダクタに流れる電流が累積的に増加することによる、インダクタの磁気飽和や、スイッチ素子の破壊を招く可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−156275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、インダクタに流れる電流が累積的に増加することを抑制できる力率改善回路及び力率改善回路の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の力率改善回路は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、
前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアーム回路と、
前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様の力率改善回路は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
一端が第1のノードに接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された整流素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続されたスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、
前記交流電圧を全波整流した電圧を、前記第1のインダクタの他端と前記第2の出力端子との間に出力する全波整流回路と、
前記スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記全波整流回路で全波整流された電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様の力率改善回路は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、
直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、
前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、
前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第1のアーム回路と、
前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアームと、
前記第1の入力端子と第2のノードとの間に接続された第2のインダクタ、前記第2のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第5のスイッチ素子、及び、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第6のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第2のアーム回路と、
前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0009】
前記力率改善回路において、
前記制御部は、
前記差が第1の閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチング動作停止制御を行い、前記差が第2の閾値以上になった場合には、前記スイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様の力率改善回路の制御方法は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアーム回路と、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様の力率改善回路の制御方法は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、一端が第1のノードに接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された整流素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続されたスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記交流電圧を全波整流した電圧を、前記第1のインダクタの他端と前記第2の出力端子との間に出力する全波整流回路と、前記スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記全波整流回路で全波整流された電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様の力率改善回路の制御方法は、
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第1のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアームと、前記第1の入力端子と第2のノードとの間に接続された第2のインダクタ、前記第2のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第5のスイッチ素子、及び、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第6のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第2のアーム回路と、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様の力率改善回路及び力率改善回路の制御方法は、インダクタに流れる電流が累積的に増加することを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。
図5図5は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。
図7図7は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。
図8図8は、比較例の波形を示す図である。
図9図9は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図13図13は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図14図14は、第2の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。
図15図15は、第3の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。
図16図16は、第3の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の力率改善回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。力率改善回路1は、交流(例えば、50Hz又は60Hz)の入力電圧Vinの供給を電源2から受けて、入力電圧Vinより高い直流の出力電圧Voutを負荷4に出力する、昇圧回路である。本実施の形態では、入力電圧Vinの実効値が200Vであるとし、出力電圧Voutの目標電圧が400Vであるとする。つまり、力率改善回路1は、実効値200Vの入力電圧Vinの供給を受けて、400Vの出力電圧Voutを出力するものとする。
【0017】
電源2と力率改善回路1との間には、ノイズフィルタ3が設けられている。ノイズフィルタ3は、主にコモンモードノイズを抑制するフィルタである。ノイズフィルタ3は、第1のアクロスザラインコンデンサ31と、コモンモードフィルタ32と、第2のアクロスザラインコンデンサ33と、を含む。コモンモードフィルタ32は、第1の巻線32a及び第2の巻線32bを、コア32c(例えば、フェライトコア又はアモルファスコア)に、同じ方向に巻いたものである。
【0018】
第1のアクロスザラインコンデンサ31の両端は、電源2の両端に夫々接続されている。コモンモードフィルタ32の第1の巻線32aの一端は、第1のアクロスザラインコンデンサ31の一端に接続されている。コモンモードフィルタ32の第2の巻線32bの一端は、第1のアクロスザラインコンデンサ31の他端に接続されている。第2のアクロスザラインコンデンサ33の一端は、コモンモードフィルタ32の第1の巻線32aの他端に接続されている。第2のアクロスザラインコンデンサ33の他端は、コモンモードフィルタ32の第2の巻線32bの他端に接続されている。
【0019】
コモンモードノイズは、第1の巻線32a及び第2の巻線32bを、同方向に流れる。従って、コア32c内部に発生する磁束も、同方向になり、互いに強め合う。その結果、コモンモードフィルタ32のインピーダンスが、大きくなる。これにより、ノイズフィルタ3は、コモンモードノイズを抑制できる。
【0020】
力率改善回路1は、入力電圧Vinが供給される第1の入力端子11及び第2の入力端子12を含む。力率改善回路1は、入力電圧Vinを検出する第1の電圧検出器13を含む。第1の電圧検出器13は、第1の入力端子11と第2の入力端子12との間に接続されている。
【0021】
力率改善回路1は、出力電圧Voutを出力する第1の出力端子14及び第2の出力端子15を含む。力率改善回路1は、出力電圧Voutを平滑するための出力コンデンサCを含む。出力コンデンサCは、第1の出力端子14と第2の出力端子15との間に接続されている。また、力率改善回路1は、出力電圧Voutを検出する第2の電圧検出器16を含む。第2の電圧検出器16は、第1の出力端子14と第2の出力端子15との間に接続されている。
【0022】
第1の出力端子14と第2の出力端子15との間には、負荷4が、接続されている。負荷4は、出力電圧Voutを異なる直流電圧に変換するDC−DCコンバータが例示されるが、これに限定されない。
【0023】
力率改善回路1は、第1のインダクタLを含む。第1のインダクタLの一端は、第1の入力端子11に接続されている。第1のインダクタLの他端は、第1のノードNに接続されている。
【0024】
力率改善回路1は、第1及び第2のスイッチ素子(例えば、Nチャネル型電界効果トランジスタ(MOSFET))Q及びQを含む。第1のノードNは、第1のスイッチ素子Qのソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第1のノードNは、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0025】
第1のインダクタL、並びに、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQが、アーム回路17を構成する。
【0026】
本実施の形態では、力率改善回路1が1個のアーム回路17を含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1は、並列接続され、第1及び第2のゲートパルス信号P及びPで制御される、2個以上のアーム回路17を含んでいても良い。
【0027】
また、アーム回路17は、ハイサイドの1個の第1のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第1のゲートパルス信号Pで制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、アーム回路17は、ローサイドの1個の第2のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第2のゲートパルス信号Pで制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0028】
力率改善回路1は、第3及び第4のスイッチ素子Q及びQを含む。第2の入力端子12は、第3のスイッチ素子Qのソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第2の入力端子12は、第4のスイッチ素子Qのドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0029】
第3及び第4のスイッチ素子Q及びQが、極性切り替えアーム回路18を構成する。
【0030】
極性切り替えアーム回路18は、ハイサイドの1個の第3のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。極性切り替えアーム回路18は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第3のゲートパルス信号Pで制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、極性切り替えアーム回路18は、ローサイドの1個の第4のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。極性切り替えアーム回路18は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第4のゲートパルス信号Pで制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子QまでがNチャネル型MOSFETであることとしたが、これに限定されない。第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでは、シリコンパワーデバイス、GaNパワーデバイス、SiCパワーデバイス、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などでも良い。
【0032】
第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでは、第1の寄生ダイオード(ボディダイオード)Dから第4の寄生ダイオードDまでを、夫々有する。寄生ダイオードとは、MOSFETのバックゲートとソース及びドレインとの間のpn接合である。第1の寄生ダイオードDから第4の寄生ダイオードDまでは、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのオフ時の過渡的な逆起電力を逃すためのフリーホイールダイオードとして利用可能である。
【0033】
力率改善回路1は、制御部50を含む。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを利用して、実現可能である。
【0034】
制御部50は、入力電圧Vinの極性に応じて、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM(Pulse Width Modulation)信号である、第1のゲートパルス信号Pから第4のゲートパルス信号Pまでを、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのゲートに、夫々出力する。なお、第1のゲートパルス信号Pから第4のゲートパルス信号Pまでには、デッドタイムt図2参照)が設定されている。デッドタイムtは、1nsから10ns程度が例示されるが、これに限定されない。
【0035】
制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0036】
制御部50は、第1閾値記憶部51と、第2閾値記憶部52と、判定部53と、駆動部54と、を含む。
【0037】
第1閾値記憶部51は、第1の閾値Vdeff1を記憶する。第1の閾値Vdeff1は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。第1の閾値Vdeff1は、50Vが例示されるが、これに限定されない。
【0038】
第2閾値記憶部52は、第2の閾値Vdeff2を記憶する。第2の閾値Vdeff2は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。第2の閾値Vdeff2は、第1の閾値Vdeff1より大きい値であることが好ましい。第2の閾値Vdeff2は、60Vが例示されるが、これに限定されない。
【0039】
判定部53は、力率改善回路1の起動時に、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を行わせるための、ハイレベルの判定信号Sを駆動部54に出力する。
【0040】
判定部53は、出力電圧Voutと、入力電圧Vinの絶対値|Vin|と、の差を計算する。そして、判定部53は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差と、第1の閾値Vdeff1と、を比較する。判定部53は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるための、ローレベルの判定信号Sを駆動部54に出力する。
【0041】
また、判定部53は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差と、第2の閾値Vdeff2と、を比較する。判定部53は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるための、ハイレベルの判定信号Sを駆動部54に出力する。
【0042】
駆動部54は、判定部53から供給される判定信号Sがハイレベルの場合には、出力電圧Voutが目標電圧(400V)になるように、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでを制御する。具体的には、駆動部54は、第1のゲートパルス信号Pから第4のゲートパルス信号Pまでを、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのゲートに、夫々出力する。
【0043】
詳しくは、駆動部54は、第1の電圧検出器13で検出された入力電圧Vinと、第2の電圧検出器16で検出された出力電圧Voutと、に基づいて、第1及び第2のゲートパルス信号P及びPの周波数(スイッチング周波数)と、オン時間と、を計算する。駆動部54は、計算した周波数と、オン時間と、に基づいて、第1及び第2のゲートパルス信号P及びPを、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQのゲートに、夫々出力する。
【0044】
駆動部54は、判定部53から供給される判定信号Sがローレベルの場合には、ローレベルの第1のゲートパルス信号Pから第4のゲートパルス信号Pまでを、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのゲートに、夫々出力する。これにより、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでは、オフ状態になる。
【0045】
制御部50のスイッチング動作時の制御について、説明する。
【0046】
アーム回路17は、昇圧チョッパ回路と同様の回路構成を有する。従って、力率改善回路1は、昇圧チョッパ回路と同様の動作を行う。
【0047】
具体的には、制御部50は、入力電圧Vinの極性が正相(Vin≧0)である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Qをオフし且つ第4のスイッチ素子Qをオンする。
【0048】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Qをオフし且つ第4のスイッチ素子Qをオンした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0049】
例えば、制御部50は、入力電圧Vinが正相である場合において、第2及び第4のスイッチ素子Q及びQをオンし且つ第1及び第3のスイッチ素子Q及びQをオフした第1の状態から、第2のスイッチ素子Qをオフした第2の状態に制御する。
【0050】
次に、制御部50は、第2の状態から、第1のスイッチ素子Qをオンした第3の状態に制御する。
【0051】
次に、制御部50は、第3の状態から、第1のスイッチ素子Qをオフした第4の状態に制御する。
【0052】
次に、制御部50は、第4の状態から、第2のスイッチ素子Qをオンした第5の状態に制御する。
【0053】
一方、制御部50は、入力電圧Vinの極性が逆相(Vin<0)である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Qをオンし且つ第4のスイッチ素子Qをオフする。
【0054】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Qをオンし且つ第4のスイッチ素子Qをオフした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0055】
なお、入力電圧Vinの極性が逆相である場合の、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する具体的な動作は、上述の入力電圧Vinが正相である場合の第1の状態から第5の状態までの制御と同様である。
【0056】
図2は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図2は、入力電圧Vinの極性が正相である場合の、力率改善回路1のスイッチング動作制御時の、第2のスイッチ素子Qのゲートに供給される第2のゲートパルス信号P及び第1のスイッチ素子Qのゲートに供給される第1のゲートパルス信号Pの波形の一例を示す図である。
【0057】
制御部50は、入力電圧Vinが正相である場合において、第2及び第4のスイッチ素子Q及びQをオンし且つ第1及び第3のスイッチ素子Q及びQをオフした第1の状態に制御する。
【0058】
次に、制御部50は、第1の状態から、第2のスイッチ素子Qをオフした第2の状態に制御する。第1の状態から第2の状態までの時間Tが、第2のスイッチ素子Qのオン時間である。
【0059】
次に、制御部50は、第2の状態からデッドタイムt経過後に、第1のスイッチ素子Qをオンした第3の状態に制御する。
【0060】
次に、制御部50は、第3の状態から、第1のスイッチ素子Qをオフした第4の状態に制御する。第3の状態から第4の状態までの時間Tが、第1のスイッチ素子Qのオン時間である。
【0061】
次に、制御部50は、第4の状態からデッドタイムt経過後に、第2のスイッチ素子Qをオンした第5の状態に制御する。
【0062】
制御部50は、以降同様の制御を実行する。
【0063】
再び図1を参照すると、入力電圧Vinが正相である場合には、第1のスイッチ素子Qは、第1のノードNから第1の出力端子14に向かう方向の電流IQ1を流し、第1の出力端子14から第1のノードNに向かう方向の電流を遮断する、整流素子と等価である。
【0064】
図3は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図3は、第2のスイッチ素子Qのゲートに供給される第2のゲートパルス信号Pと、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース間電圧VQ2と、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、第2のスイッチ素子Qのドレイン電流IQ2と、第1のスイッチ素子Qを流れる電流IQ1と、の波形を示す図である。
【0065】
なお、図3では、デッドタイムtの図示を省略している。
【0066】
第2のスイッチ素子Qがオン状態の場合は、電源2→第1のインダクタL→第2のスイッチ素子Q→電源2という経路に電流が流れる。従って、IL1=IQ2である。
【0067】
第2のスイッチ素子Qがオフ状態の場合は、電源2→第1のインダクタL→第1のスイッチ素子Q→第1の出力端子14という経路に電流が流れる。従って、IL1=IQ1である。
【0068】
図4は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。図4は、入力電圧Vinが正相であり且つ第2のスイッチ素子Qがオン状態の場合の、力率改善回路1の等価回路を示す図である。
【0069】
第1のインダクタLの電圧VL1と電流IL1との関係は、次の式(1)で表される。式(1)において、tは時間である。
【0070】
【数1】
【0071】
図4に示す場合では、VL1=Vinである。そして、電圧VL1と電流IL1との向きを考慮すると、電流IL1は、次の式(2)で表される。
【0072】
【数2】
【0073】
従って、電流IL1の波形は、傾きがVin/Lの直線状になる。つまり、電流IL1の波形は、入力電圧Vinに依存し、出力電圧Voutに依存しない。
【0074】
図5は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。図5は、入力電圧Vinが正相であり且つ第2のスイッチ素子Qがオン状態の場合の、第1のインダクタLの電流IL1の波形を示す図である。電流IL1の波形は、傾きがVin/Lの直線状になる。
【0075】
図6は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。図6は、入力電圧Vinが正相であり且つ第2のスイッチ素子Qがオフ状態の場合の、力率改善回路1の等価回路を示す図である。
【0076】
図6に示す場合では、VL1=Vout−Vinである。そして、電圧VL1と電流IL1との向きを考慮すると、電流IL1は、次の式(3)で表される。式(3)において、Iは、第2のスイッチ素子Qがオフ状態になったときの、電流IL1の初期値である。
【0077】
【数3】
【0078】
従って、電流IL1の波形は、傾きが−(Vout−Vin)/Lの直線状になる。つまり、電流IL1の波形は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutに依存する。
【0079】
図7は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。図7は、入力電圧Vinが正相であり且つ第2のスイッチ素子Qがオフ状態の場合の、第1のインダクタLの電流IL1の波形を示す図である。電流IL1の波形は、傾きが−(Vout−Vin)/Lの直線状になる。
【0080】
再び図3を参照すると、第2のスイッチ素子Qがオン状態の場合は、電流IL1(=IQ2)は、傾きがVin/Lの直線状に増加する。一方、第2のスイッチ素子Qがオフ状態の場合は、電流IL1(=IQ1)は、傾きが−(Vout−Vin)/Lの直線状に減少する。
【0081】
図3に示すように、制御部50は、電流臨界モードの制御を行う。電流臨界モードは、電流IL1が途切れずに連続する電流連続モードと、電流IL1が途切れる電流断続モードと、の境界のモードである。但し、制御部50は、電流IL1が0Aに至らなくても、第2のスイッチ素子Qのオフから所定時間経過したら、第2のスイッチ素子Qを強制的にオンにする。電流IL1が0Aに至るのを待ち続けていると、待ち続けている期間は昇圧動作が停止してしまうことになるからである。
【0082】
[比較例]
式(3)に示すように、(Vout−Vin)が小さい場合、即ちVout≒Vinの場合には、電流IL1が減少する傾きが小さい。つまり、電流IL1が減少するのに長い時間がかかる。(Vout−Vin)が小さい場合は、力率改善回路1の起動時が例示されるが、これに限定されない。
【0083】
図8は、比較例の波形を示す図である。図8は、Vout≒Vinである場合の、第2のスイッチ素子Qのゲートに供給される第2のゲートパルス信号Pと、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース間電圧VQ2と、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、第2のスイッチ素子Qのドレイン電流IQ2と、第1のスイッチ素子Qを流れる電流IQ1と、の波形を示す図である。
【0084】
なお、図8では、デッドタイムtの図示を省略している。
【0085】
第2のスイッチ素子Qがオン状態である第1の状態では、IL1=IQ2である。また、電流IL1(=IQ2)の波形の傾きは、Vin/Lである。
【0086】
第1の状態になってから時間T経過後の、第2のスイッチ素子Qがオフ状態である第3の状態では、IL1=IQ1である。また、電流IL1(=IQ1)の波形の傾きは、−(Vout−Vin)/Lである。
【0087】
(Vout−Vin)が小さい場合、即ちVout≒Vinの場合には、電流IL1が殆ど減少しない。しかしながら、前述した通り、制御部50は、電流IL1が0Aに至らなくても、第2のスイッチ素子Qのオフから所定の時間Tが経過したら、第2のスイッチ素子Qを強制的にオンにする。
【0088】
なお、時間Tは、第2のスイッチ素子Qがオンになってから次に第2のスイッチ素子Qがオンになるまでのスイッチング周期の時間Tから計算しても良い。つまり、時間Tを予め定めておいて、T=T−Tで時間Tを計算しても良い。時間Tは、数十ms(ミリ秒)から数百ms程度が例示されるが、これに限定されない。一例として、時間Tは、40msから100ms程度が例示される。
【0089】
第3の状態になってから時間T経過後の、第2のスイッチ素子Qがオン状態である第1の状態では、IL1=IQ2である。また、電流IL1(=IQ2)の波形の傾きは、Vin/Lである。このように、時間T内において電流IL1が充分に減少する前に、第2のスイッチ素子Qが時間Tの間オン状態にされると、電流IL1が更に増加する。以降同様に、第2のスイッチ素子Qのオンオフが繰り返されることにより、電流IL1が累積的に増加し、第1のインダクタLの磁気飽和や、第2のスイッチ素子Qの破壊を招く可能性がある。
【0090】
[第1の実施の形態の動作]
本発明者は、入力電圧Vinの実効値が200Vであり且つ第1及び第2のスイッチ素子Q及びQのスイッチング周期が40msである場合に、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が50V程度以上であれば、電流IL1を好適に減少させることができることを見出した。換言すると、入力電圧Vinの実効値が200Vであり且つ第1及び第2のスイッチ素子Q及びQのスイッチング周期が40msである場合に、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が50V程度より小さければ、電流IL1を好適に減少させることができないことを見出した。
【0091】
そこで、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1(=50V)よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2(=60V)以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0092】
なお、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1(=50V)以上になった場合に、スイッチング動作再開制御を行うこととしても良い。この場合、第2閾値記憶部52は、不要になる。但し、この場合、入力電圧Vin及び出力電圧Voutのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが、小刻みに繰り返されてしまう可能性がある。そのため、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2(=60V)以上になった場合に、スイッチング動作再開制御を行うことが、好適である。
【0093】
図9は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図9は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1(=50V)以上である場合の、第2のスイッチ素子Qのゲートに供給される第2のゲートパルス信号Pと、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース間電圧VQ2と、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、第2のスイッチ素子Qのドレイン電流IQ2と、第1のスイッチ素子Qを流れる電流IQ1と、の波形を示す図である。
【0094】
なお、図9では、デッドタイムtの図示を省略している。
【0095】
第2のスイッチ素子Qがオン状態である第1の状態では、IL1=IQ2である。また、電流IL1(=IQ2)の波形の傾きは、Vin/Lである。
【0096】
第1の状態になってから時間T経過後の、第2のスイッチ素子Qがオフ状態である第3の状態では、IL1=IQ1である。また、電流IL1(=IQ1)の波形の傾きは、−(Vout−Vin)/Lである。
【0097】
図9に示すように、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1(=50V)以上である場合、即ち(Vout−Vin)≧50である場合には、電流IL1が好適に減少する。第3の状態になってから時間T経過後において、電流IL1は、0Aに到達する。これにより、制御部50は、電流臨界モードを行うことができる。時間Tと時間Tとの和が、スイッチング周期T(例えば、40msから100ms程度)である。
【0098】
図10は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図10は、入力電圧Vinの正相期間において、入力電圧Vinのピーク値(例えば、283V)と出力電圧Voutとが略等しい場合の、入力電圧Vinと、出力電圧Voutと、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、の波形を示す図である。
【0099】
入力電圧Vinの立ち上がり始めの期間71は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1以上である期間である。
【0100】
期間71の次の期間72は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を行わせないスイッチング非動作期間である。期間72の開始時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差Vは、第1の閾値Vdeff1より小さい。期間72の終了時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差は、第2の閾値Vdeff2より小さい。
【0101】
期間72の次の第2番目の期間71は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を再開させるスイッチング動作期間である。第2番目の期間71は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2以上である期間である。第2番目の期間71の開始時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差Vは、第2の閾値Vdeff2以上である。
【0102】
図11は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図11は、入力電圧Vinの正相期間において、入力電圧Vinのピーク値と出力電圧Voutとの差が第1の閾値Vdeff1より小さい場合(例えば、Vout=300V)の、入力電圧Vinと、出力電圧Voutと、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、の波形を示す図である。
【0103】
入力電圧Vinの立ち上がり始めの期間71は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1以上である期間である。
【0104】
期間71の次の期間72は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を行わせないスイッチング非動作期間である。期間72の開始時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差Vは、第1の閾値Vdeff1より小さい。期間72の終了時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差は、第2の閾値Vdeff2より小さい。
【0105】
期間72の次の第2番目の期間71は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を再開させるスイッチング動作期間である。第2番目の期間71は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2である期間である。第2番目の期間71の開始時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差Vは、第2の閾値Vdeff2以上である。
【0106】
図11では、図10と比較して、スイッチング非動作期間である期間72が、短くなっている。これは、出力電圧Voutが高くなっているからである。
【0107】
図12は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図12は、入力電圧Vinの正相期間において、入力電圧Vinのピーク値と出力電圧Voutとの差が第1の閾値Vdeff1以上である場合(例えば、Vout=400V)の、入力電圧Vinと、出力電圧Voutと、第1のインダクタLを流れる電流IL1と、の波形を示す図である。
【0108】
入力電圧Vinの正相期間の全体である期間71は、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1以上である期間である。入力電圧Vinのピーク時において、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差Vは、第1の閾値Vdeff1以上である。
【0109】
図12では、図10及び図11と比較して、スイッチング非動作期間である期間72が、無くなっている。これは、出力電圧Voutが高くなっているので、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が、第1の閾値Vdeff1より小さくなることがないからである。
【0110】
図13は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図13は、力率改善回路1の起動時の、入力電圧Vinと、第2のスイッチ素子Qのゲートに供給される第2のゲートパルス信号Pと、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース間電圧VQ2と、の波形を示す図である。
【0111】
入力電圧Vinの周期数が進むに従って出力電圧Voutが上昇するので、図13に示すように、スイッチング非動作期間である期間72が減少し、スイッチング動作期間である期間71が増大する。そして、入力電圧Vinの第3周期目の後半(第3周期目の逆相期間)からは、スイッチング非動作期間である期間72が無くなっている。
【0112】
上記の通り、力率改善回路1は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0113】
これにより、力率改善回路1は、第1のインダクタLの電流IL1が累積的に増加し、第1のインダクタLの磁気飽和や、第2のスイッチ素子Qの破壊を招く可能性を抑制できる。
【0114】
また、力率改善回路1は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第4のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0115】
これにより、力率改善回路1は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0116】
(第2の実施の形態)
図14は、第2の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0117】
力率改善回路1Aは、入力電圧Vinを全波整流する全波整流回路61を含む。全波整流回路61は、ダイオードブリッジが例示されるが、これに限定されない。全波整流回路61は、入力電圧Vinを全波整流した電圧を、第1のインダクタLの一端と、第2の出力端子15と、の間に出力する。第1のインダクタLの他端は、第1のノードNに接続されている。
【0118】
第1の電圧検出器13は、全波整流回路61で全波整流された電圧を検出する。
【0119】
力率改善回路1Aは、整流素子Dを含む。整流素子Dは、第1のノードNから第1の出力端子14に向かう電流を通過させ、第1の出力端子14から第1のノードNに向かう電流を遮断する。整流素子Dは、ダイオードが例示されるが、これに限定されない。
【0120】
力率改善回路1Aは、第2のスイッチ素子Qを含む。第1のノードNは、第2のスイッチ素子Qのドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0121】
第1のインダクタL、整流素子D及び第2のスイッチ素子Qが、アーム回路17Aを構成する。
【0122】
アーム回路17Aは、昇圧チョッパ回路と同様の回路構成を有する。
【0123】
本実施の形態では、力率改善回路1Aが1個のアーム回路17Aを含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1Aは、並列接続され、第2のゲートパルス信号Pで制御される、2個以上のアーム回路17Aを含んでいても良い。
【0124】
また、アーム回路17Aは、ハイサイドの1個の整流素子Dを含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17Aは、並列接続された2個以上の整流素子を含んでいても良い。また、アーム回路17Aは、ローサイドの1個の第2のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17Aは、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第2のゲートパルス信号Pで制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドの整流素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0125】
力率改善回路1Aは、制御部50を含む。制御部50は、CPUとプログラムを利用して、実現可能である。
【0126】
制御部50は、第2のスイッチ素子Qのゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第2のスイッチ素子Qのスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM信号である、第2のゲートパルス信号Pを、第2のスイッチ素子Qのゲートに、夫々出力する。
【0127】
力率改善回路1Aは、出力電圧Voutと全波整流された電圧の絶対値との差が第1の閾値Vdeff1よりも小さくなった場合には、第2のスイッチ素子Qのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0128】
これにより、力率改善回路1Aは、第1の実施の形態の力率改善回路1と同様に、第1のインダクタLの電流IL1が累積的に増加し、第1のインダクタLの磁気飽和や、第2のスイッチ素子Qの破壊を招く可能性を抑制できる。
【0129】
また、力率改善回路1Aは、出力電圧Voutと全波整流された電圧の絶対値との差が第2の閾値Vdeff2以上になった場合には、第2のスイッチ素子Qのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0130】
これにより、力率改善回路1Aは、第1の実施の形態の力率改善回路1と同様に、入力電圧Vin及び出力電圧Voutのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0131】
(第3の実施の形態)
図15は、第3の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0132】
力率改善回路1Bは、第1の実施の形態の力率改善回路1と比較して、第2のインダクタLと、第5及び第6のスイッチ素子Q及びQと、を更に含む。
【0133】
第2のインダクタLの一端は、第1の入力端子11に接続されている。第2のインダクタLの他端は、第2のノードNに接続されている。第2のノードNは、第5のスイッチ素子Qのソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第2のノードNは、第6のスイッチ素子Qのドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0134】
第2のインダクタL、並びに、第5及び第6のスイッチ素子Q及びQが、第2のアーム回路19を構成する。
【0135】
第1のアーム回路17は、マスターアームと称されても良いし、スレーブアームと称されても良い。第2のアーム回路19は、スレーブアームと称されても良いし、マスターアームと称されても良い。
【0136】
本実施の形態では、力率改善回路1Bが1個の第2のアーム回路19を含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1Bは、並列接続され、第5及び第6のゲートパルス信号P及びPで制御される、2個以上の第2のアーム回路19を含んでいても良い。第2のアーム回路19の個数と、第1のアーム回路17の個数は、同数が好適である。
【0137】
また、第2のアーム回路19は、ハイサイドの1個の第5のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。第2のアーム回路19は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第5のゲートパルス信号Pで制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、第2のアーム回路19は、ローサイドの1個の第6のスイッチ素子Qを含んでいるが、これに限定されない。第2のアーム回路19は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第6のゲートパルス信号Pで制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0138】
第5のスイッチ素子Q及び第6のスイッチ素子Qは、第5の寄生ダイオードD及び第6の寄生ダイオードDを、夫々有する。第5の寄生ダイオードD及び第6の寄生ダイオードDは、第5のスイッチ素子Q及び第6のスイッチ素子Qのオフ時の過渡的な逆起電力を逃すためのフリーホイールダイオードとして利用可能である。
【0139】
第1の入力端子11に入力される入力電流Iinは、第1のアーム回路17に流れる電流IL1と、第2のアーム回路19に流れる電流IL2と、の和である。
【0140】
力率改善回路1Bは、制御部50を含む。制御部50は、入力電圧Vinの極性に応じて、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM信号である、第1のゲートパルス信号Pから第6のゲートパルス信号Pまでを、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのゲートに、夫々出力する。なお、第1のゲートパルス信号Pから第6のゲートパルス信号Pまでには、デッドタイムtが設定されている。
【0141】
制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1(=50V)よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2(=60V)以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0142】
駆動部54は、スイッチング動作を行う場合は、第1の電圧検出器13で検出された入力電圧Vinと、第2の電圧検出器16で検出された出力電圧Voutと、に基づいて、第1、第2、第5及び第6のゲートパルス信号P、P、P及びPの周波数(スイッチング周波数)と、オン時間Ton−d図16参照)と、第1のアーム回路17と第2のアーム回路19との位相差時間tdiff図16参照)と、を計算する。駆動部54は、計算した周波数と、オン時間Ton−dと、位相差時間tdiffと、に基づいて、第1、第2、第5及び第6のゲートパルス信号P、P、P及びPを、第1、第2、第5及び第6のスイッチ素子Q、Q、Q及びQのゲートに、夫々出力する。
【0143】
制御部50のスイッチング動作時の制御について、説明する。
【0144】
制御部50は、入力電圧Vinの極性が正相である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Qをオフし且つ第4のスイッチ素子Qをオンする。
【0145】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Qをオフし且つ第4のスイッチ素子Qをオンした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0146】
例えば、制御部50は、入力電圧Vinが正相である場合において、第2、第4及び第6のスイッチ素子Q、Q及びQをオンし且つ第1、第3及び第5のスイッチ素子Q、Q及びQをオフした第1の状態から、第2のスイッチ素子Qをオフし且つ第1のスイッチ素子Qをオンした第2の状態に制御する。
【0147】
さらに、制御部50は、第2の状態に制御した後、第2の状態から、第6のスイッチ素子Qをオフした第3の状態に制御する。
【0148】
そして、制御部50は、第3の状態に制御した後、第3の状態から、第5のスイッチ素子Qをオンした第4の状態に制御する。
【0149】
また、制御部50は、第4の状態に制御した後、第4の状態から、第1のスイッチ素子Qをオフした第5の状態に制御する。
【0150】
そして、制御部50は、第5の状態に制御した後、第5の状態から、第2のスイッチ素子Qをオンした第6の状態に制御する。
【0151】
また、制御部50は、第6の状態に制御した後、第6の状態から、第5のスイッチ素子Qをオフした第7の状態に制御する。
【0152】
そして、制御部50は、第7の状態に制御した後、第7の状態から、第6のスイッチ素子Qをオンした第8の状態に制御する。
【0153】
また、制御部50は、第8の状態に制御した後、第8の状態から、第2のスイッチ素子Qをオフした第9の状態に制御する。
【0154】
そして、制御部50は、第9の状態に制御した後、第9の状態から、第1のスイッチ素子Qをオンした第10の状態に制御する。
【0155】
以上の制御により、入力電圧Vinの極性が正相である場合には、電流IL1及びIL2が、第4のスイッチ素子Qを介して、第2の入力端子12に流れることとなる。
【0156】
一方、制御部50は、入力電圧Vinの極性が逆相である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Qをオンし且つ第4のスイッチ素子Qをオフする。
【0157】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Qをオンし且つ第4のスイッチ素子Qをオフした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0158】
この制御により、入力電圧Vinの極性が逆相である場合には、電流IL1及びIL2が、第3のスイッチ素子Qを介して第2の入力端子12に流れることとなる。
【0159】
なお、入力電圧Vinの極性が逆相である場合の、第1及び第2のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q及びQを相補的にオン/オフを切り替えるように制御する具体的な動作は、上述の入力電圧Vinが正相である場合の第1の状態から第10の状態までの制御と同様である。
【0160】
図16は、第3の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。図16は、入力電圧Vinの極性が正相である場合の、力率改善回路1Bの動作波形の一例を示す図である。
【0161】
制御部50は、入力電圧Vinが正相である場合において、第2、第4及び第6のスイッチ素子Q、Q及びQをオンし且つ第1、第3及び第5のスイッチ素子Q、Q及びQをオフした第1の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングtにおいて、第2のスイッチ素子Qをオフする。次に、制御部50は、タイミングtからデッドタイムt経過後のタイミングtにおいて、第1のスイッチ素子Qをオンした第2の状態に制御する。
【0162】
次に、制御部50は、タイミングtにおいて、第2の状態から、第6のスイッチ素子Qをオフした第3の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングtからデッドタイムt経過後のタイミングtにおいて、第5のスイッチ素子Qをオンした第4の状態に制御する。タイミングtからタイミングtまでの期間が、第1のアーム回路17と第2のアーム回路19との間の位相差時間tdiffである。
【0163】
次に、制御部50は、タイミングtにおいて、第4の状態から、第1のスイッチ素子Qをオフした第5の状態に制御する。タイミングtからタイミングtまでの期間が、オン時間Ton−dである。次に、制御部50は、タイミングtからデッドタイムt経過後のタイミングtにおいて、第2のスイッチ素子Qをオンした第6の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングtにおいて、第6の状態から、第5のスイッチ素子Qをオフした第7の状態に制御する。タイミングtからタイミングtまでの期間が、オン時間Ton−dである。
【0164】
次に、制御部50は、タイミングtからデッドタイムt経過後のタイミングtにおいて、第7の状態から、第6のスイッチ素子Qをオンした第8の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングtにおいて、第8の状態から、第2のスイッチ素子Qをオフした第9の状態に制御する。タイミングtからタイミングtまでの期間が、オン時間Ton−dである。次に、制御部50は、タイミングtからデッドタイムt経過後のタイミングt10において、第9の状態から、第1のスイッチ素子Qをオンした第10の状態に制御する。
【0165】
制御部50は、以降同様の制御を実行する。
【0166】
なお、第2のスイッチ素子Qを制御するための第2のゲートパルス信号Pの位相と、第6のスイッチ素子Qを制御するための第6のゲートパルス信号Pの位相とは、位相差時間tdiffだけずれている。同様に、第1のスイッチ素子Qを制御するための第1のゲートパルス信号Pの位相と、第5のスイッチ素子Qを制御するための第5のゲートパルス信号Pの位相とは、位相差時間tdiffだけずれている。
【0167】
上記の通り、力率改善回路1Bは、インターリーブ方式の力率改善回路である。力率改善回路1Bでは、第1のインダクタLの電流IL1と第2のインダクタLの電流IL2との位相がずれているので、一方のインダクタの電流が、他方のインダクタの電流を打ち消す方向に流れる。従って、第2のアクロスザラインコンデンサ33及び出力コンデンサCのリップル電流を低減できる。
【0168】
力率改善回路1Bは、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第1の閾値Vdeff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0169】
これにより、力率改善回路1Bは、第1のインダクタLの電流IL1及び第2のインダクタLの電流IL2が累積的に増加し、第1のインダクタL及び第2のインダクタLの磁気飽和や、第2のスイッチ素子Q及び第4のスイッチ素子Qの破壊を招く可能性を抑制できる。
【0170】
また、力率改善回路1Bは、出力電圧Voutと入力電圧Vinの絶対値|Vin|との差が第2の閾値Vdeff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Qから第6のスイッチ素子Qまでのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0171】
これにより、力率改善回路1は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0172】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0173】
1、1A、1B 力率改善回路
2 電源
3 ノイズフィルタ
4 負荷
11 第1の入力端子
12 第2の入力端子
13 第1の電圧検出器
14 第1の出力端子
15 第2の出力端子
16 第2の電圧検出器
17 アーム回路(第1のアーム回路)
18 極性切り替えアーム回路
19 第2のアーム回路
50 制御部
51 第1閾値記憶部
52 第2閾値記憶部
53 判定部
54 駆動部
61 全波整流回路
整流素子
第1のインダクタ
第2のインダクタ
第1のスイッチ素子
第2のスイッチ素子
第3のスイッチ素子
第4のスイッチ素子
第5のスイッチ素子
第6のスイッチ素子
出力コンデンサ
第1のノード
第2のノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16