(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアーム回路と、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第4のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする、力率改善回路の制御方法。
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、一端が第1のノードに接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された整流素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続されたスイッチ素子を少なくとも有する1以上のアーム回路と、前記交流電圧を全波整流した電圧を、前記第1のインダクタの他端と前記第2の出力端子との間に出力する全波整流回路と、前記スイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記全波整流回路で全波整流された電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記スイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする、力率改善回路の制御方法。
交流電圧が入力される一対の第1の入力端子及び第2の入力端子と、直流電圧を出力する一対の第1の出力端子及び第2の出力端子と、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に接続された出力コンデンサと、前記第1の入力端子と第1のノードとの間に接続された第1のインダクタ、前記第1のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第1のスイッチ素子、及び、前記第1のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第2のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第1のアーム回路と、前記第2の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続された第3のスイッチ素子、及び、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続された第4のスイッチ素子を少なくとも有する極性切り替えアームと、前記第1の入力端子と第2のノードとの間に接続された第2のインダクタ、前記第2のノードと前記第1の出力端子との間に接続された第5のスイッチ素子、及び、前記第2のノードと前記第2の出力端子との間に接続された第6のスイッチ素子を少なくとも有する1以上の第2のアーム回路と、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を制御する制御部と、を備える力率改善回路の制御方法であって、
前記制御部により、前記直流電圧と、前記交流電圧の絶対値と、の差が閾値よりも小さくなった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行い、前記差が前記閾値以上になった場合には、前記第1から第6のスイッチ素子のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う、
ことを特徴とする力率改善回路の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の力率改善回路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。力率改善回路1は、交流(例えば、50Hz又は60Hz)の入力電圧V
inの供給を電源2から受けて、入力電圧V
inより高い直流の出力電圧V
outを負荷4に出力する、昇圧回路である。本実施の形態では、入力電圧V
inの実効値が200Vであるとし、出力電圧V
outの目標電圧が400Vであるとする。つまり、力率改善回路1は、実効値200Vの入力電圧V
inの供給を受けて、400Vの出力電圧V
outを出力するものとする。
【0017】
電源2と力率改善回路1との間には、ノイズフィルタ3が設けられている。ノイズフィルタ3は、主にコモンモードノイズを抑制するフィルタである。ノイズフィルタ3は、第1のアクロスザラインコンデンサ31と、コモンモードフィルタ32と、第2のアクロスザラインコンデンサ33と、を含む。コモンモードフィルタ32は、第1の巻線32a及び第2の巻線32bを、コア32c(例えば、フェライトコア又はアモルファスコア)に、同じ方向に巻いたものである。
【0018】
第1のアクロスザラインコンデンサ31の両端は、電源2の両端に夫々接続されている。コモンモードフィルタ32の第1の巻線32aの一端は、第1のアクロスザラインコンデンサ31の一端に接続されている。コモンモードフィルタ32の第2の巻線32bの一端は、第1のアクロスザラインコンデンサ31の他端に接続されている。第2のアクロスザラインコンデンサ33の一端は、コモンモードフィルタ32の第1の巻線32aの他端に接続されている。第2のアクロスザラインコンデンサ33の他端は、コモンモードフィルタ32の第2の巻線32bの他端に接続されている。
【0019】
コモンモードノイズは、第1の巻線32a及び第2の巻線32bを、同方向に流れる。従って、コア32c内部に発生する磁束も、同方向になり、互いに強め合う。その結果、コモンモードフィルタ32のインピーダンスが、大きくなる。これにより、ノイズフィルタ3は、コモンモードノイズを抑制できる。
【0020】
力率改善回路1は、入力電圧V
inが供給される第1の入力端子11及び第2の入力端子12を含む。力率改善回路1は、入力電圧V
inを検出する第1の電圧検出器13を含む。第1の電圧検出器13は、第1の入力端子11と第2の入力端子12との間に接続されている。
【0021】
力率改善回路1は、出力電圧V
outを出力する第1の出力端子14及び第2の出力端子15を含む。力率改善回路1は、出力電圧V
outを平滑するための出力コンデンサC
1を含む。出力コンデンサC
1は、第1の出力端子14と第2の出力端子15との間に接続されている。また、力率改善回路1は、出力電圧V
outを検出する第2の電圧検出器16を含む。第2の電圧検出器16は、第1の出力端子14と第2の出力端子15との間に接続されている。
【0022】
第1の出力端子14と第2の出力端子15との間には、負荷4が、接続されている。負荷4は、出力電圧V
outを異なる直流電圧に変換するDC−DCコンバータが例示されるが、これに限定されない。
【0023】
力率改善回路1は、第1のインダクタL
1を含む。第1のインダクタL
1の一端は、第1の入力端子11に接続されている。第1のインダクタL
1の他端は、第1のノードN
1に接続されている。
【0024】
力率改善回路1は、第1及び第2のスイッチ素子(例えば、Nチャネル型電界効果トランジスタ(MOSFET))Q
1及びQ
2を含む。第1のノードN
1は、第1のスイッチ素子Q
1のソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第1のノードN
1は、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0025】
第1のインダクタL
1、並びに、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2が、アーム回路17を構成する。
【0026】
本実施の形態では、力率改善回路1が1個のアーム回路17を含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1は、並列接続され、第1及び第2のゲートパルス信号P
1及びP
2で制御される、2個以上のアーム回路17を含んでいても良い。
【0027】
また、アーム回路17は、ハイサイドの1個の第1のスイッチ素子Q
1を含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第1のゲートパルス信号P
1で制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、アーム回路17は、ローサイドの1個の第2のスイッチ素子Q
2を含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第2のゲートパルス信号P
2で制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0028】
力率改善回路1は、第3及び第4のスイッチ素子Q
3及びQ
4を含む。第2の入力端子12は、第3のスイッチ素子Q
3のソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第2の入力端子12は、第4のスイッチ素子Q
4のドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0029】
第3及び第4のスイッチ素子Q
3及びQ
4が、極性切り替えアーム回路18を構成する。
【0030】
極性切り替えアーム回路18は、ハイサイドの1個の第3のスイッチ素子Q
3を含んでいるが、これに限定されない。極性切り替えアーム回路18は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第3のゲートパルス信号P
3で制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、極性切り替えアーム回路18は、ローサイドの1個の第4のスイッチ素子Q
4を含んでいるが、これに限定されない。極性切り替えアーム回路18は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第4のゲートパルス信号P
4で制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0031】
なお、本実施の形態では、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までがNチャネル型MOSFETであることとしたが、これに限定されない。第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までは、シリコンパワーデバイス、GaNパワーデバイス、SiCパワーデバイス、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などでも良い。
【0032】
第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までは、第1の寄生ダイオード(ボディダイオード)D
1から第4の寄生ダイオードD
4までを、夫々有する。寄生ダイオードとは、MOSFETのバックゲートとソース及びドレインとの間のpn接合である。第1の寄生ダイオードD
1から第4の寄生ダイオードD
4までは、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのオフ時の過渡的な逆起電力を逃すためのフリーホイールダイオードとして利用可能である。
【0033】
力率改善回路1は、制御部50を含む。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを利用して、実現可能である。
【0034】
制御部50は、入力電圧V
inの極性に応じて、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM(Pulse Width Modulation)信号である、第1のゲートパルス信号P
1から第4のゲートパルス信号P
4までを、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのゲートに、夫々出力する。なお、第1のゲートパルス信号P
1から第4のゲートパルス信号P
4までには、デッドタイムt
d(
図2参照)が設定されている。デッドタイムt
dは、1nsから10ns程度が例示されるが、これに限定されない。
【0035】
制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0036】
制御部50は、第1閾値記憶部51と、第2閾値記憶部52と、判定部53と、駆動部54と、を含む。
【0037】
第1閾値記憶部51は、第1の閾値V
deff1を記憶する。第1の閾値V
deff1は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。第1の閾値V
deff1は、50Vが例示されるが、これに限定されない。
【0038】
第2閾値記憶部52は、第2の閾値V
deff2を記憶する。第2の閾値V
deff2は、有線通信又は無線通信経由で書き換え可能であっても良い。第2の閾値V
deff2は、第1の閾値V
deff1より大きい値であることが好ましい。第2の閾値V
deff2は、60Vが例示されるが、これに限定されない。
【0039】
判定部53は、力率改善回路1の起動時に、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を行わせるための、ハイレベルの判定信号S
1を駆動部54に出力する。
【0040】
判定部53は、出力電圧V
outと、入力電圧V
inの絶対値|V
in|と、の差を計算する。そして、判定部53は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差と、第1の閾値V
deff1と、を比較する。判定部53は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を停止させるための、ローレベルの判定信号S
1を駆動部54に出力する。
【0041】
また、判定部53は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差と、第2の閾値V
deff2と、を比較する。判定部53は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を再開させるための、ハイレベルの判定信号S
1を駆動部54に出力する。
【0042】
駆動部54は、判定部53から供給される判定信号S
1がハイレベルの場合には、出力電圧V
outが目標電圧(400V)になるように、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までを制御する。具体的には、駆動部54は、第1のゲートパルス信号P
1から第4のゲートパルス信号P
4までを、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのゲートに、夫々出力する。
【0043】
詳しくは、駆動部54は、第1の電圧検出器13で検出された入力電圧V
inと、第2の電圧検出器16で検出された出力電圧V
outと、に基づいて、第1及び第2のゲートパルス信号P
1及びP
2の周波数(スイッチング周波数)と、オン時間と、を計算する。駆動部54は、計算した周波数と、オン時間と、に基づいて、第1及び第2のゲートパルス信号P
1及びP
2を、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2のゲートに、夫々出力する。
【0044】
駆動部54は、判定部53から供給される判定信号S
1がローレベルの場合には、ローレベルの第1のゲートパルス信号P
1から第4のゲートパルス信号P
4までを、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのゲートに、夫々出力する。これにより、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までは、オフ状態になる。
【0045】
制御部50のスイッチング動作時の制御について、説明する。
【0046】
アーム回路17は、昇圧チョッパ回路と同様の回路構成を有する。従って、力率改善回路1は、昇圧チョッパ回路と同様の動作を行う。
【0047】
具体的には、制御部50は、入力電圧V
inの極性が正相(V
in≧0)である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Q
3をオフし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオンする。
【0048】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Q
3をオフし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオンした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0049】
例えば、制御部50は、入力電圧V
inが正相である場合において、第2及び第4のスイッチ素子Q
2及びQ
4をオンし且つ第1及び第3のスイッチ素子Q
1及びQ
3をオフした第1の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオフした第2の状態に制御する。
【0050】
次に、制御部50は、第2の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオンした第3の状態に制御する。
【0051】
次に、制御部50は、第3の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオフした第4の状態に制御する。
【0052】
次に、制御部50は、第4の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオンした第5の状態に制御する。
【0053】
一方、制御部50は、入力電圧V
inの極性が逆相(V
in<0)である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Q
3をオンし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオフする。
【0054】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Q
3をオンし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオフした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0055】
なお、入力電圧V
inの極性が逆相である場合の、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する具体的な動作は、上述の入力電圧V
inが正相である場合の第1の状態から第5の状態までの制御と同様である。
【0056】
図2は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図2は、入力電圧V
inの極性が正相である場合の、力率改善回路1のスイッチング動作制御時の、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに供給される第2のゲートパルス信号P
2及び第1のスイッチ素子Q
1のゲートに供給される第1のゲートパルス信号P
1の波形の一例を示す図である。
【0057】
制御部50は、入力電圧V
inが正相である場合において、第2及び第4のスイッチ素子Q
2及びQ
4をオンし且つ第1及び第3のスイッチ素子Q
1及びQ
3をオフした第1の状態に制御する。
【0058】
次に、制御部50は、第1の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオフした第2の状態に制御する。第1の状態から第2の状態までの時間T
0が、第2のスイッチ素子Q
2のオン時間である。
【0059】
次に、制御部50は、第2の状態からデッドタイムt
d経過後に、第1のスイッチ素子Q
1をオンした第3の状態に制御する。
【0060】
次に、制御部50は、第3の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオフした第4の状態に制御する。第3の状態から第4の状態までの時間T
1が、第1のスイッチ素子Q
1のオン時間である。
【0061】
次に、制御部50は、第4の状態からデッドタイムt
d経過後に、第2のスイッチ素子Q
2をオンした第5の状態に制御する。
【0062】
制御部50は、以降同様の制御を実行する。
【0063】
再び
図1を参照すると、入力電圧V
inが正相である場合には、第1のスイッチ素子Q
1は、第1のノードN
1から第1の出力端子14に向かう方向の電流I
Q1を流し、第1の出力端子14から第1のノードN
1に向かう方向の電流を遮断する、整流素子と等価である。
【0064】
図3は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図3は、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに供給される第2のゲートパルス信号P
2と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース間電圧V
Q2と、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン電流I
Q2と、第1のスイッチ素子Q
1を流れる電流I
Q1と、の波形を示す図である。
【0065】
なお、
図3では、デッドタイムt
dの図示を省略している。
【0066】
第2のスイッチ素子Q
2がオン状態の場合は、電源2→第1のインダクタL
1→第2のスイッチ素子Q
2→電源2という経路に電流が流れる。従って、I
L1=I
Q2である。
【0067】
第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態の場合は、電源2→第1のインダクタL
1→第1のスイッチ素子Q
1→第1の出力端子14という経路に電流が流れる。従って、I
L1=I
Q1である。
【0068】
図4は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。
図4は、入力電圧V
inが正相であり且つ第2のスイッチ素子Q
2がオン状態の場合の、力率改善回路1の等価回路を示す図である。
【0069】
第1のインダクタL
1の電圧V
L1と電流I
L1との関係は、次の式(1)で表される。式(1)において、tは時間である。
【0071】
図4に示す場合では、V
L1=V
inである。そして、電圧V
L1と電流I
L1との向きを考慮すると、電流I
L1は、次の式(2)で表される。
【0073】
従って、電流I
L1の波形は、傾きがV
in/L
1の直線状になる。つまり、電流I
L1の波形は、入力電圧V
inに依存し、出力電圧V
outに依存しない。
【0074】
図5は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。
図5は、入力電圧V
inが正相であり且つ第2のスイッチ素子Q
2がオン状態の場合の、第1のインダクタL
1の電流I
L1の波形を示す図である。電流I
L1の波形は、傾きがV
in/L
1の直線状になる。
【0075】
図6は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路を示す図である。
図6は、入力電圧V
inが正相であり且つ第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態の場合の、力率改善回路1の等価回路を示す図である。
【0076】
図6に示す場合では、V
L1=V
out−V
inである。そして、電圧V
L1と電流I
L1との向きを考慮すると、電流I
L1は、次の式(3)で表される。式(3)において、I
pは、第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態になったときの、電流I
L1の初期値である。
【0078】
従って、電流I
L1の波形は、傾きが−(V
out−V
in)/L
1の直線状になる。つまり、電流I
L1の波形は、入力電圧V
in及び出力電圧V
outに依存する。
【0079】
図7は、第1の実施の形態の力率改善回路の等価回路の波形の一例を示す図である。
図7は、入力電圧V
inが正相であり且つ第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態の場合の、第1のインダクタL
1の電流I
L1の波形を示す図である。電流I
L1の波形は、傾きが−(V
out−V
in)/L
1の直線状になる。
【0080】
再び
図3を参照すると、第2のスイッチ素子Q
2がオン状態の場合は、電流I
L1(=I
Q2)は、傾きがV
in/L
1の直線状に増加する。一方、第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態の場合は、電流I
L1(=I
Q1)は、傾きが−(V
out−V
in)/L
1の直線状に減少する。
【0081】
図3に示すように、制御部50は、電流臨界モードの制御を行う。電流臨界モードは、電流I
L1が途切れずに連続する電流連続モードと、電流I
L1が途切れる電流断続モードと、の境界のモードである。但し、制御部50は、電流I
L1が0Aに至らなくても、第2のスイッチ素子Q
2のオフから所定時間経過したら、第2のスイッチ素子Q
2を強制的にオンにする。電流I
L1が0Aに至るのを待ち続けていると、待ち続けている期間は昇圧動作が停止してしまうことになるからである。
【0082】
[比較例]
式(3)に示すように、(V
out−V
in)が小さい場合、即ちV
out≒V
inの場合には、電流I
L1が減少する傾きが小さい。つまり、電流I
L1が減少するのに長い時間がかかる。(V
out−V
in)が小さい場合は、力率改善回路1の起動時が例示されるが、これに限定されない。
【0083】
図8は、比較例の波形を示す図である。
図8は、V
out≒V
inである場合の、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに供給される第2のゲートパルス信号P
2と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース間電圧V
Q2と、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン電流I
Q2と、第1のスイッチ素子Q
1を流れる電流I
Q1と、の波形を示す図である。
【0084】
なお、
図8では、デッドタイムt
dの図示を省略している。
【0085】
第2のスイッチ素子Q
2がオン状態である第1の状態では、I
L1=I
Q2である。また、電流I
L1(=I
Q2)の波形の傾きは、V
in/L
1である。
【0086】
第1の状態になってから時間T
2経過後の、第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態である第3の状態では、I
L1=I
Q1である。また、電流I
L1(=I
Q1)の波形の傾きは、−(V
out−V
in)/L
1である。
【0087】
(V
out−V
in)が小さい場合、即ちV
out≒V
inの場合には、電流I
L1が殆ど減少しない。しかしながら、前述した通り、制御部50は、電流I
L1が0Aに至らなくても、第2のスイッチ素子Q
2のオフから所定の時間T
3が経過したら、第2のスイッチ素子Q
2を強制的にオンにする。
【0088】
なお、時間T
3は、第2のスイッチ素子Q
2がオンになってから次に第2のスイッチ素子Q
2がオンになるまでのスイッチング周期の時間T
4から計算しても良い。つまり、時間T
4を予め定めておいて、T
3=T
4−T
2で時間T
3を計算しても良い。時間T
4は、数十ms(ミリ秒)から数百ms程度が例示されるが、これに限定されない。一例として、時間T
4は、40msから100ms程度が例示される。
【0089】
第3の状態になってから時間T
3経過後の、第2のスイッチ素子Q
2がオン状態である第1の状態では、I
L1=I
Q2である。また、電流I
L1(=I
Q2)の波形の傾きは、V
in/L
1である。このように、時間T
3内において電流I
L1が充分に減少する前に、第2のスイッチ素子Q
2が時間T
5の間オン状態にされると、電流I
L1が更に増加する。以降同様に、第2のスイッチ素子Q
2のオンオフが繰り返されることにより、電流I
L1が累積的に増加し、第1のインダクタL
1の磁気飽和や、第2のスイッチ素子Q
2の破壊を招く可能性がある。
【0090】
[第1の実施の形態の動作]
本発明者は、入力電圧V
inの実効値が200Vであり且つ第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2のスイッチング周期が40msである場合に、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が50V程度以上であれば、電流I
L1を好適に減少させることができることを見出した。換言すると、入力電圧V
inの実効値が200Vであり且つ第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2のスイッチング周期が40msである場合に、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が50V程度より小さければ、電流I
L1を好適に減少させることができないことを見出した。
【0091】
そこで、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1(=50V)よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2(=60V)以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0092】
なお、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1(=50V)以上になった場合に、スイッチング動作再開制御を行うこととしても良い。この場合、第2閾値記憶部52は、不要になる。但し、この場合、入力電圧V
in及び出力電圧V
outのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが、小刻みに繰り返されてしまう可能性がある。そのため、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2(=60V)以上になった場合に、スイッチング動作再開制御を行うことが、好適である。
【0093】
図9は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図9は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1(=50V)以上である場合の、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに供給される第2のゲートパルス信号P
2と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース間電圧V
Q2と、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン電流I
Q2と、第1のスイッチ素子Q
1を流れる電流I
Q1と、の波形を示す図である。
【0094】
なお、
図9では、デッドタイムt
dの図示を省略している。
【0095】
第2のスイッチ素子Q
2がオン状態である第1の状態では、I
L1=I
Q2である。また、電流I
L1(=I
Q2)の波形の傾きは、V
in/L
1である。
【0096】
第1の状態になってから時間T
6経過後の、第2のスイッチ素子Q
2がオフ状態である第3の状態では、I
L1=I
Q1である。また、電流I
L1(=I
Q1)の波形の傾きは、−(V
out−V
in)/L
1である。
【0097】
図9に示すように、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1(=50V)以上である場合、即ち(V
out−V
in)≧50である場合には、電流I
L1が好適に減少する。第3の状態になってから時間T
7経過後において、電流I
L1は、0Aに到達する。これにより、制御部50は、電流臨界モードを行うことができる。時間T
6と時間T
7との和が、スイッチング周期T
8(例えば、40msから100ms程度)である。
【0098】
図10は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図10は、入力電圧V
inの正相期間において、入力電圧V
inのピーク値(例えば、283V)と出力電圧V
outとが略等しい場合の、入力電圧V
inと、出力電圧V
outと、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、の波形を示す図である。
【0099】
入力電圧V
inの立ち上がり始めの期間71は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1以上である期間である。
【0100】
期間71の次の期間72は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を行わせないスイッチング非動作期間である。期間72の開始時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差V
0は、第1の閾値V
deff1より小さい。期間72の終了時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差は、第2の閾値V
deff2より小さい。
【0101】
期間72の次の第2番目の期間71は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を再開させるスイッチング動作期間である。第2番目の期間71は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2以上である期間である。第2番目の期間71の開始時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差V
1は、第2の閾値V
deff2以上である。
【0102】
図11は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図11は、入力電圧V
inの正相期間において、入力電圧V
inのピーク値と出力電圧V
outとの差が第1の閾値V
deff1より小さい場合(例えば、V
out=300V)の、入力電圧V
inと、出力電圧V
outと、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、の波形を示す図である。
【0103】
入力電圧V
inの立ち上がり始めの期間71は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1以上である期間である。
【0104】
期間71の次の期間72は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を行わせないスイッチング非動作期間である。期間72の開始時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差V
2は、第1の閾値V
deff1より小さい。期間72の終了時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差は、第2の閾値V
deff2より小さい。
【0105】
期間72の次の第2番目の期間71は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を再開させるスイッチング動作期間である。第2番目の期間71は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2である期間である。第2番目の期間71の開始時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差V
3は、第2の閾値V
deff2以上である。
【0106】
図11では、
図10と比較して、スイッチング非動作期間である期間72が、短くなっている。これは、出力電圧V
outが高くなっているからである。
【0107】
図12は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図12は、入力電圧V
inの正相期間において、入力電圧V
inのピーク値と出力電圧V
outとの差が第1の閾値V
deff1以上である場合(例えば、V
out=400V)の、入力電圧V
inと、出力電圧V
outと、第1のインダクタL
1を流れる電流I
L1と、の波形を示す図である。
【0108】
入力電圧V
inの正相期間の全体である期間71は、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までにスイッチング動作を行わせるスイッチング動作期間である。期間71は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1以上である期間である。入力電圧V
inのピーク時において、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差V
4は、第1の閾値V
deff1以上である。
【0109】
図12では、
図10及び
図11と比較して、スイッチング非動作期間である期間72が、無くなっている。これは、出力電圧V
outが高くなっているので、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が、第1の閾値V
deff1より小さくなることがないからである。
【0110】
図13は、第1の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図13は、力率改善回路1の起動時の、入力電圧V
inと、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに供給される第2のゲートパルス信号P
2と、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース間電圧V
Q2と、の波形を示す図である。
【0111】
入力電圧V
inの周期数が進むに従って出力電圧V
outが上昇するので、
図13に示すように、スイッチング非動作期間である期間72が減少し、スイッチング動作期間である期間71が増大する。そして、入力電圧V
inの第3周期目の後半(第3周期目の逆相期間)からは、スイッチング非動作期間である期間72が無くなっている。
【0112】
上記の通り、力率改善回路1は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0113】
これにより、力率改善回路1は、第1のインダクタL
1の電流I
L1が累積的に増加し、第1のインダクタL
1の磁気飽和や、第2のスイッチ素子Q
2の破壊を招く可能性を抑制できる。
【0114】
また、力率改善回路1は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第4のスイッチ素子Q
4までのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0115】
これにより、力率改善回路1は、入力電圧V
in及び出力電圧V
outのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0116】
(第2の実施の形態)
図14は、第2の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0117】
力率改善回路1Aは、入力電圧V
inを全波整流する全波整流回路61を含む。全波整流回路61は、ダイオードブリッジが例示されるが、これに限定されない。全波整流回路61は、入力電圧V
inを全波整流した電圧を、第1のインダクタL
1の一端と、第2の出力端子15と、の間に出力する。第1のインダクタL
1の他端は、第1のノードN
1に接続されている。
【0118】
第1の電圧検出器13は、全波整流回路61で全波整流された電圧を検出する。
【0119】
力率改善回路1Aは、整流素子D
7を含む。整流素子D
7は、第1のノードN
1から第1の出力端子14に向かう電流を通過させ、第1の出力端子14から第1のノードN
1に向かう電流を遮断する。整流素子D
7は、ダイオードが例示されるが、これに限定されない。
【0120】
力率改善回路1Aは、第2のスイッチ素子Q
2を含む。第1のノードN
1は、第2のスイッチ素子Q
2のドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0121】
第1のインダクタL
1、整流素子D
7及び第2のスイッチ素子Q
2が、アーム回路17Aを構成する。
【0122】
アーム回路17Aは、昇圧チョッパ回路と同様の回路構成を有する。
【0123】
本実施の形態では、力率改善回路1Aが1個のアーム回路17Aを含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1Aは、並列接続され、第2のゲートパルス信号P
2で制御される、2個以上のアーム回路17Aを含んでいても良い。
【0124】
また、アーム回路17Aは、ハイサイドの1個の整流素子D
7を含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17Aは、並列接続された2個以上の整流素子を含んでいても良い。また、アーム回路17Aは、ローサイドの1個の第2のスイッチ素子Q
2を含んでいるが、これに限定されない。アーム回路17Aは、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第2のゲートパルス信号P
2で制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドの整流素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0125】
力率改善回路1Aは、制御部50を含む。制御部50は、CPUとプログラムを利用して、実現可能である。
【0126】
制御部50は、第2のスイッチ素子Q
2のゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第2のスイッチ素子Q
2のスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM信号である、第2のゲートパルス信号P
2を、第2のスイッチ素子Q
2のゲートに、夫々出力する。
【0127】
力率改善回路1Aは、出力電圧V
outと全波整流された電圧の絶対値との差が第1の閾値V
deff1よりも小さくなった場合には、第2のスイッチ素子Q
2のスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0128】
これにより、力率改善回路1Aは、第1の実施の形態の力率改善回路1と同様に、第1のインダクタL
1の電流I
L1が累積的に増加し、第1のインダクタL
1の磁気飽和や、第2のスイッチ素子Q
2の破壊を招く可能性を抑制できる。
【0129】
また、力率改善回路1Aは、出力電圧V
outと全波整流された電圧の絶対値との差が第2の閾値V
deff2以上になった場合には、第2のスイッチ素子Q
2のスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0130】
これにより、力率改善回路1Aは、第1の実施の形態の力率改善回路1と同様に、入力電圧V
in及び出力電圧V
outのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0131】
(第3の実施の形態)
図15は、第3の実施の形態の力率改善回路の回路構成を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0132】
力率改善回路1Bは、第1の実施の形態の力率改善回路1と比較して、第2のインダクタL
2と、第5及び第6のスイッチ素子Q
5及びQ
6と、を更に含む。
【0133】
第2のインダクタL
2の一端は、第1の入力端子11に接続されている。第2のインダクタL
2の他端は、第2のノードN
2に接続されている。第2のノードN
2は、第5のスイッチ素子Q
5のソース−ドレイン経路を介して、第1の出力端子14に接続されている。また、第2のノードN
2は、第6のスイッチ素子Q
6のドレイン−ソース経路を介して、第2の出力端子15に接続されている。
【0134】
第2のインダクタL
2、並びに、第5及び第6のスイッチ素子Q
5及びQ
6が、第2のアーム回路19を構成する。
【0135】
第1のアーム回路17は、マスターアームと称されても良いし、スレーブアームと称されても良い。第2のアーム回路19は、スレーブアームと称されても良いし、マスターアームと称されても良い。
【0136】
本実施の形態では、力率改善回路1Bが1個の第2のアーム回路19を含むこととしたが、これに限定されない。力率改善回路1Bは、並列接続され、第5及び第6のゲートパルス信号P
5及びP
6で制御される、2個以上の第2のアーム回路19を含んでいても良い。第2のアーム回路19の個数と、第1のアーム回路17の個数は、同数が好適である。
【0137】
また、第2のアーム回路19は、ハイサイドの1個の第5のスイッチ素子Q
5を含んでいるが、これに限定されない。第2のアーム回路19は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第5のゲートパルス信号P
5で制御される、ハイサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。また、第2のアーム回路19は、ローサイドの1個の第6のスイッチ素子Q
6を含んでいるが、これに限定されない。第2のアーム回路19は、ソース−ドレイン経路が並列接続され、第6のゲートパルス信号P
6で制御される、ローサイドの2個以上のスイッチ素子を含んでいても良い。ハイサイドのスイッチ素子の個数と、ローサイドのスイッチ素子の個数は、同数が好適である。
【0138】
第5のスイッチ素子Q
5及び第6のスイッチ素子Q
6は、第5の寄生ダイオードD
5及び第6の寄生ダイオードD
6を、夫々有する。第5の寄生ダイオードD
5及び第6の寄生ダイオードD
6は、第5のスイッチ素子Q
5及び第6のスイッチ素子Q
6のオフ時の過渡的な逆起電力を逃すためのフリーホイールダイオードとして利用可能である。
【0139】
第1の入力端子11に入力される入力電流I
inは、第1のアーム回路17に流れる電流I
L1と、第2のアーム回路19に流れる電流I
L2と、の和である。
【0140】
力率改善回路1Bは、制御部50を含む。制御部50は、入力電圧V
inの極性に応じて、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのゲート−ソース間の電圧を制御することにより、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのスイッチング動作を制御する。制御部50は、PWM信号である、第1のゲートパルス信号P
1から第6のゲートパルス信号P
6までを、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのゲートに、夫々出力する。なお、第1のゲートパルス信号P
1から第6のゲートパルス信号P
6までには、デッドタイムt
dが設定されている。
【0141】
制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1(=50V)よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。また、制御部50は、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2(=60V)以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0142】
駆動部54は、スイッチング動作を行う場合は、第1の電圧検出器13で検出された入力電圧V
inと、第2の電圧検出器16で検出された出力電圧V
outと、に基づいて、第1、第2、第5及び第6のゲートパルス信号P
1、P
2、P
5及びP
6の周波数(スイッチング周波数)と、オン時間T
on−d(
図16参照)と、第1のアーム回路17と第2のアーム回路19との位相差時間t
diff(
図16参照)と、を計算する。駆動部54は、計算した周波数と、オン時間T
on−dと、位相差時間t
diffと、に基づいて、第1、第2、第5及び第6のゲートパルス信号P
1、P
2、P
5及びP
6を、第1、第2、第5及び第6のスイッチ素子Q
1、Q
2、Q
5及びQ
6のゲートに、夫々出力する。
【0143】
制御部50のスイッチング動作時の制御について、説明する。
【0144】
制御部50は、入力電圧V
inの極性が正相である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Q
3をオフし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオンする。
【0145】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Q
3をオフし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオンした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q
5及びQ
6を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0146】
例えば、制御部50は、入力電圧V
inが正相である場合において、第2、第4及び第6のスイッチ素子Q
2、Q
4及びQ
6をオンし且つ第1、第3及び第5のスイッチ素子Q
1、Q
3及びQ
5をオフした第1の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオフし且つ第1のスイッチ素子Q
1をオンした第2の状態に制御する。
【0147】
さらに、制御部50は、第2の状態に制御した後、第2の状態から、第6のスイッチ素子Q
6をオフした第3の状態に制御する。
【0148】
そして、制御部50は、第3の状態に制御した後、第3の状態から、第5のスイッチ素子Q
5をオンした第4の状態に制御する。
【0149】
また、制御部50は、第4の状態に制御した後、第4の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオフした第5の状態に制御する。
【0150】
そして、制御部50は、第5の状態に制御した後、第5の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオンした第6の状態に制御する。
【0151】
また、制御部50は、第6の状態に制御した後、第6の状態から、第5のスイッチ素子Q
5をオフした第7の状態に制御する。
【0152】
そして、制御部50は、第7の状態に制御した後、第7の状態から、第6のスイッチ素子Q
6をオンした第8の状態に制御する。
【0153】
また、制御部50は、第8の状態に制御した後、第8の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオフした第9の状態に制御する。
【0154】
そして、制御部50は、第9の状態に制御した後、第9の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオンした第10の状態に制御する。
【0155】
以上の制御により、入力電圧V
inの極性が正相である場合には、電流I
L1及びI
L2が、第4のスイッチ素子Q
4を介して、第2の入力端子12に流れることとなる。
【0156】
一方、制御部50は、入力電圧V
inの極性が逆相である場合には、極性切り替えアーム回路18内の第3のスイッチ素子Q
3をオンし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオフする。
【0157】
そして、制御部50は、第3のスイッチ素子Q
3をオンし且つ第4のスイッチ素子Q
4をオフした状態で、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q
5及びQ
6を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する。
【0158】
この制御により、入力電圧V
inの極性が逆相である場合には、電流I
L1及びI
L2が、第3のスイッチ素子Q
3を介して第2の入力端子12に流れることとなる。
【0159】
なお、入力電圧V
inの極性が逆相である場合の、第1及び第2のスイッチ素子Q
1及びQ
2を相補的にオン/オフを切り替えるように制御しつつ、第5及び第6のスイッチ素子Q
5及びQ
6を相補的にオン/オフを切り替えるように制御する具体的な動作は、上述の入力電圧V
inが正相である場合の第1の状態から第10の状態までの制御と同様である。
【0160】
図16は、第3の実施の形態の力率改善回路の波形の一例を示す図である。
図16は、入力電圧V
inの極性が正相である場合の、力率改善回路1Bの動作波形の一例を示す図である。
【0161】
制御部50は、入力電圧V
inが正相である場合において、第2、第4及び第6のスイッチ素子Q
2、Q
4及びQ
6をオンし且つ第1、第3及び第5のスイッチ素子Q
1、Q
3及びQ
5をオフした第1の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングt
1において、第2のスイッチ素子Q
2をオフする。次に、制御部50は、タイミングt
1からデッドタイムt
d経過後のタイミングt
2において、第1のスイッチ素子Q
1をオンした第2の状態に制御する。
【0162】
次に、制御部50は、タイミングt
3において、第2の状態から、第6のスイッチ素子Q
6をオフした第3の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングt
3からデッドタイムt
d経過後のタイミングt
4において、第5のスイッチ素子Q
5をオンした第4の状態に制御する。タイミングt
2からタイミングt
4までの期間が、第1のアーム回路17と第2のアーム回路19との間の位相差時間t
diffである。
【0163】
次に、制御部50は、タイミングt
5において、第4の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオフした第5の状態に制御する。タイミングt
2からタイミングt
5までの期間が、オン時間T
on−dである。次に、制御部50は、タイミングt
5からデッドタイムt
d経過後のタイミングt
6において、第2のスイッチ素子Q
2をオンした第6の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングt
7において、第6の状態から、第5のスイッチ素子Q
5をオフした第7の状態に制御する。タイミングt
4からタイミングt
7までの期間が、オン時間T
on−dである。
【0164】
次に、制御部50は、タイミングt
7からデッドタイムt
d経過後のタイミングt
8において、第7の状態から、第6のスイッチ素子Q
6をオンした第8の状態に制御する。次に、制御部50は、タイミングt
9において、第8の状態から、第2のスイッチ素子Q
2をオフした第9の状態に制御する。タイミングt
6からタイミングt
9までの期間が、オン時間T
on−dである。次に、制御部50は、タイミングt
9からデッドタイムt
d経過後のタイミングt
10において、第9の状態から、第1のスイッチ素子Q
1をオンした第10の状態に制御する。
【0165】
制御部50は、以降同様の制御を実行する。
【0166】
なお、第2のスイッチ素子Q
2を制御するための第2のゲートパルス信号P
2の位相と、第6のスイッチ素子Q
6を制御するための第6のゲートパルス信号P
6の位相とは、位相差時間t
diffだけずれている。同様に、第1のスイッチ素子Q
1を制御するための第1のゲートパルス信号P
1の位相と、第5のスイッチ素子Q
5を制御するための第5のゲートパルス信号P
5の位相とは、位相差時間t
diffだけずれている。
【0167】
上記の通り、力率改善回路1Bは、インターリーブ方式の力率改善回路である。力率改善回路1Bでは、第1のインダクタL
1の電流I
L1と第2のインダクタL
2の電流I
L2との位相がずれているので、一方のインダクタの電流が、他方のインダクタの電流を打ち消す方向に流れる。従って、第2のアクロスザラインコンデンサ33及び出力コンデンサC
1のリップル電流を低減できる。
【0168】
力率改善回路1Bは、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第1の閾値V
deff1よりも小さくなった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのスイッチング動作を停止させるスイッチング動作停止制御を行う。
【0169】
これにより、力率改善回路1Bは、第1のインダクタL
1の電流I
L1及び第2のインダクタL
2の電流I
L2が累積的に増加し、第1のインダクタL
1及び第2のインダクタL
2の磁気飽和や、第2のスイッチ素子Q
2及び第4のスイッチ素子Q
4の破壊を招く可能性を抑制できる。
【0170】
また、力率改善回路1Bは、出力電圧V
outと入力電圧V
inの絶対値|V
in|との差が第2の閾値V
deff2以上になった場合には、第1のスイッチ素子Q
1から第6のスイッチ素子Q
6までのスイッチング動作を再開させるスイッチング動作再開制御を行う。
【0171】
これにより、力率改善回路1は、入力電圧V
in及び出力電圧V
outのリップルや、第1の電圧検出器13及び第2の電圧検出器16の検出精度などに起因して、スイッチング動作の停止と再開とが小刻みに繰り返されてしまう可能性を抑制できる。
【0172】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。