【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の幾つかの実施形態に係るボイド層形成シートの設置方法は、
本体胴、および、前記本体胴の外周面を覆うように設けられる外筒を含む放射性物質収納容器へのボイド層形成シートの設置方法であって、
少なくとも一つのマグネットが取付けられた前記ボイド層形成シートを前記本体胴と前記外筒との間の空間に挿入するステップと、
前記空間内における前記ボイド層形成シートの前記放射性物質収納容器に対する位置を調整するステップと、
前記位置を調整するステップの後、前記少なくとも一つのマグネットにより前記ボイド層形成シートを前記放射性物質収納容器のシート取付面に固定するステップと、
を備える。
【0008】
上記(1)の方法によれば、ボイド層形成シートに取付けられるマグネットによってボイド層形成シートの本体胴又は外筒のシート取付面への固定が行われる。このため、ボイド層形成シートをシート取付面に近づけるだけで、両者間に働く磁力によってボイド層形成シートをシート取付面に固定できる。一方で、位置調整を行う場合は、物理的に固定される場合に比べて小さな力で簡単に取外すことができる上、ボイド層形成シートの着脱を繰り返すことができる。このように上記(1)の方法によれば、ボイド層形成シートのシート取付面に対する位置調整や固定を簡単に行うことができる。この結果、ボイド層形成シートの設置を容易にできる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記位置を調整するステップでは、前記シート取付面と前記ボイド層形成シートとの間にスペーサを介在させた状態で、前記ボイド層形成シート又は前記スペーサの少なくとも一方を動かし、
前記ボイド層形成シートを固定するステップでは、
前記シート取付面と前記ボイド層形成シートとの間から前記スペーサを取外し、
前記少なくとも一つのマグネットにより、前記ボイド層形成シートを前記シート取付面に固定する
ことを特徴とする。
【0010】
上記(2)の方法によれば、位置を調整するステップにおいて、マグネットが取付けられるボイド層形成シートとシート取付面との間にスペーサを介在させるため、マグネットとシート取付面との間に働く磁力を弱めることができる。これにより、ボイド層形成シートをシート取付面に対してスムーズに動かすことができる。また、ボイド層形成シートを固定するステップでは、シート取付面とボイド層形成シートとの間に介在するスペーサを取外すことで両者間の磁力を強め、ボイド層形成シートをシート取付面に固定できる。したがって、上記(2)の方法によれば、ボイド層形成シートの位置調整及び固定を容易に行うことができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、
前記スペーサは、樹脂部材を含むことを特徴とする。
【0012】
上記(3)の構成によれば、スペーサとして樹脂部材を用いることで、本体胴又は外筒に傷を付けずにボイド層形成シートの設置作業を行うことが容易になる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の何れか一つの方法において、
前記ボイド層形成シートを挿入するステップでは、前記ボイド層形成シートの前記少なくとも一つのマグネットが取付けられた面が前記シート取付面に対向するように、前記ボイド層形成シートを前記空間に挿入することを特徴とする。
【0014】
上記(4)の方法によれば、ボイド層形成シートに取付けられるマグネットとシート取付面が対向するようにボイド層形成シートが挿入されるため、ボイド層形成シートの固定時には、マグネットをシート取付面に当接させることができる。したがって、シート取付面に対するボイド層形成シートの固定後、マグネットとシート取付面との間に作用する強い磁力によって所定の位置からのボイド層形成シートのずれを効果的に抑制できる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の方法において、
前記少なくとも一つのマグネットは、前記ボイド層形成シートの長手方向に並ぶように前記ボイド層形成シートの前記少なくとも一つのマグネットが取り付けられた面上に設けられた複数のマグネットを含む。
【0016】
上記(5)の方法によれば、ボイド層形成シートを全体的にシート取付面に固定することができる。したがって、所定の位置からのボイド層形成シートのずれをより一層抑制できる。
【0017】
(6)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(5)いずれか一方法において、
前記位置を調整するステップは、前記放射性物質収納容器が横置き状態にあるときに、前記シート取付面上に前記スペーサを介して前記ボイド層形成シートが載置された状態で、前記ボイド層形成シートを動かすことで行われることを特徴とする。
【0018】
本体胴及び外筒が横置き状態にある場合、シート取付面上でボイド層形成シートの位置を調整しようとすると、ボイド層形成シートにはシート取付面に向かう方向への磁力及び鉛直方向への重力が働くため、ボイド層形成シートをスムーズに動かすのは難しい。
この点、上記(6)の方法によれば、シート取付面上にスペーサを介してボイド層形成シートを載置するため、シート取付面とボイド層形成シートとの間の磁力を弱めることができる。この状態でボイド層形成シートを動かすことにより、スムーズな位置調整が可能である。したがって、本体胴及び外筒が横置き状態にある場合であっても、ボイド層形成シートの本体胴及び外筒への取付けを容易にできる。
【0019】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の何れか一つの方法において、
前記ボイド層形成シートを挿入するステップ、前記ボイド層形成シートの位置を調整するステップ、および、前記ボイド層形成シートを固定するステップは、前記本体胴の軸方向が鉛直方向に沿った鉛直姿勢で前記本体胴及び前記外筒を保持した状態で行うことを特徴とする。
【0020】
上記(7)の方法によれば、ボイド層形成シートが設置される上記空間が鉛直方向上向きに開口するように本体胴及び外筒を鉛直姿勢に配向させた状態で、ボイド層形成シートを上方から下方へ向かって上記空間内に挿入できる。さらに、上記(1)で述べたように、ボイド層形成シートにはマグネットが取付けられているから、本体胴及び外筒が鉛直姿勢に保持された状態でボイド層形成シートの位置調整および固定を容易に行うことができる。
【0021】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の何れか一つの方法において、
前記ボイド層形成シートを挿入するステップ、前記ボイド層形成シートの位置を調整するステップ、および、前記ボイド層形成シートを固定するステップは、前記放射性物質収納容器の軸方向が水平方向に沿った水平姿勢で前記放射性物質収納容器を保持した状態で行うことを特徴とする。
【0022】
上記(8)の方法によれば、ボイド層形成シートが設置される上記空間が水平方向に開口するように本体胴及び外筒を水平姿勢に配向させた状態で、ボイド層形成シートを水平方向に動かして上記空間内に挿入できる。さらに、上記(1)で述べたように、ボイド層形成シートにはマグネットが取付けられているから、本体胴及び外筒が水平姿勢に保持された状態でボイド層形成シートの位置調整および固定を容易に行うことができる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の方法において、
ボイド層形成シートの設置方法は、
前記放射性物質収納容器の周方向における第1シート取付位置において、前記ボイド層形成シートを挿入するステップ、前記ボイド層形成シートの位置を調整するステップ、および、前記ボイド層形成シートを固定するステップを行った後、前記放射性物質収納容器を回動させるステップを備え、
前記放射性物質収納容器を回動させるステップの後、前記第1シート取付位置とは異なる第2シート取付位置において、前記ボイド層形成シートを挿入するステップ、前記ボイド層形成シートの位置を調整するステップ、および、前記ボイド層形成シートを固定するステップを行う
ことを特徴とする。
【0024】
上記(9)の方法によれば、第1シート取付位置に対してボイド層形成シートを固定するステップを行った後、本体胴及び外筒を回動させるステップを備えるため、本体胴及び外筒を水平姿勢に保持したまま、周方向における複数のシート取付位置(第1シート取付位置及び第2シート取付位置)へのボイド層形成シートの設置作業を一層容易に行うことができる。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態に係る放射性物質収納容器の設置方法は、
上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の方法により、前記ボイド層形成シートを前記本体胴と前記外筒との間の前記空間に設置するステップと、
前記ボイド層形成シートを設置するステップの後、前記本体胴及び前記外筒の間の前記空間に樹脂材を充填することによりレジン層を形成するステップと、を備えることを特徴とする。
【0026】
上記(10)の方法によれば、ボイド層形成シートをマグネットでシート取付面に固定した状態で、本体胴と外筒との間の空間への樹脂材を充填することにより、レジン層の形成時においてボイド層形成シートの位置ずれを防止できる。また、樹脂材の充填により形成されるレジン層は、ボイド層形成シートの取付面への本固定にも利用することができる。こうした簡単な方法により、放射性物質収納容器の製造を容易に行うことができる。
【0027】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の方法において、
前記レジン層は、前記ボイド層形成シートにより形成されるボイド層よりも内径側に形成されることを特徴とする。
【0028】
上記(11)の方法によれば、レジン層が熱膨張した場合であっても、レジン層の外径側に位置するボイド層形成シートのボイド層にはレジンが充填されないため、ボイド層が径方向のつぶれ代を確保しレジン層の熱膨張を吸収できる。したがって、放射性物質収納容器の耐久性を維持可能なようにレジン層及びボイド層を形成できる。
【0029】
(12)本発明の幾つかの実施形態に係るシートアセンブリは、
放射性物質収納容器の本体胴および外筒の間にボイド層を形成するためのボイド層形成シートと、
前記ボイド層形成シートのマグネット取付面に設けられた少なくとも一つのマグネットと、
を備える。
【0030】
上記(12)の構成によれば、シートアセンブリは、ボイド層形成シートのマグネット取付面に少なくとも一つのマグネットが設けられている。このため、シートアセンブリをシート取付面に近づけるだけで、ボイド層形成シートに設けられたマグネットとシート取付面との間に働く磁力によってシートアセンブリをシート取付面に固定できる。またシート取付面に固定されたシートアセンブリは、物理的に固定される場合に比べて小さな力で簡単に取外すことができるため、位置調整や着脱も容易である。
【0031】
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、
前記少なくとも一つのマグネットは、前記ボイド層形成シートの長手方向に沿って設けられる。
【0032】
上記(13)の構成によれば、ボイド層形成シート上に設けられる少なくとも一つのマグネットは、ボイド層形成シートの長手方向に沿って設けられる。これにより、ボイド層形成シートとシート取付面との間に効率的に磁力を作用させることができ、シート取付面に固定された際のボイド層形成シートの安定性が向上する。
【0033】
(14)幾つかの実施形態では、上記(12)又は(13)の構成において、
前記少なくとも一つのマグネットは、前記ボイド層形成シートの長手方向に並ぶ複数のマグネットを含む。
【0034】
上記(14)の構成によれば、ボイド層形成シート上には、複数のマグネットが長手方向に沿って設けられる。このため、ボイド層形成シートとシート取付面との間には、長手方向に沿った広範囲に亘って磁力が働き、シート取付面に固定された際のボイド層形成シート15の安定性をより向上できる。
【0035】
(15)幾つかの実施形態では、上記(12)〜(14)のいずれか一構成において、
前記少なくとも一つのマグネットは、
前記マグネット取付面の幅方向における一方の端部側に設けられた第1マグネットと、
前記マグネット取付面の幅方向における他方の端部側に設けられた第2マグネットと、
を含む。
【0036】
上記(15)の構成によれば、マグネット取付面の幅方向に沿って第1マグネットと第2マグネットとが設けられる。このようにマグネット取付面の幅方向に沿って複数のマグネットを設けることで、シート取付面に固定された際のボイド層形成シートの安定性をより向上できる。