(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971886
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
F24F 9/00 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
F24F9/00 J
F24F9/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-37696(P2018-37696)
(22)【出願日】2018年3月2日
(65)【公開番号】特開2019-152375(P2019-152375A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2020年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 耕平
(72)【発明者】
【氏名】市岡 英明
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−112636(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2411715(GB,A)
【文献】
特開2000−88312(JP,A)
【文献】
特開2014−125809(JP,A)
【文献】
特開2010−190485(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/041616(WO,A1)
【文献】
実開平4−28583(JP,U)
【文献】
特開2006−183991(JP,A)
【文献】
特開2004−316982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を発生させるファン、前記ファンを回転させるモータ、及び前記モータを制御する制御部を備えた本体を有し、
前記本体は、他の機器が出力した信号が入力される外部連動端子を備え、
前記制御部は、前記外部連動端子への信号入力によらず前記ファンに前記気流を発生させる通常運転モードと、前記外部連動端子に信号入力がされている状態でのみ前記ファンに前記気流を発生させるスタンバイモードとを切り替えて前記モータを制御することを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スタンバイモードにおいて、前記外部連動端子の入力信号のオンに基づいて前記モータを駆動し、前記外部連動端子の入力信号のオフに基づいて前記モータの駆動を停止することを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記外部連動端子の入力信号がオンとなった時点から第1の設定時間後に前記モータを駆動し、前記外部連動端子の入力信号がオフとなってから第2の設定時間後に前記モータの駆動を停止することを特徴とする請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
無線信号を発信するリモートコントローラを備え、
前記本体は、前記無線信号を受信して受信した前記無線信号に基づいた電気信号を前記制御部に出力する受信部を備え、
前記リモートコントローラは、
運転停止切替ボタンと、
風量切替ボタンと、
モード切替ボタンと、
前記運転停止切替ボタンの操作に基づいて運転か停止かを切り替える前記無線信号を発信し、前記風量切替ボタンの操作に基づいて前記ファンが発生させる気流の風量を切り替える前記無線信号を発信し、前記モード切替ボタンの操作に基づいて前記通常運転モードと前記スタンバイモードとを切り替える前記無線信号を発信する発信部とを有し、
前記発信部は、
前記風量切替ボタンが普通押しされると、前記ファンが発生させる風量を切り替える前記無線信号を発信し、
前記風量切替ボタンが長押しされると、前記第1の設定時間を切り替える前記無線信号を発信し、
前記モード切替ボタンが普通押しされると、前記通常運転モードと前記スタンバイモードとを切り替える前記無線信号を発信し、
前記モード切替ボタンが長押しされると、前記第2の設定時間を切り替える前記無線信号を発信することを特徴とする請求項3に記載の送風装置。
【請求項5】
前記本体は、タクタイルスイッチを備え、
前記制御部は、前記タクタイルスイッチが普通押しされると、前記気流の風量を切り替え、前記タクタイルスイッチが長押しされると、前記通常運転モードと前記スタンバイモードとの切り替えを行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項6】
前記本体は、運転状態を記憶する不揮発記憶装置を備え、
前記制御部は、停電によって停止した場合に、前記不揮発記憶装置に記憶されている情報に基づいて、停電前と同じ運転状態で復帰することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の気流を下方に吹き出す送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状の気流を下方に吹き出す送風装置はエアカーテンとも称される。帯状の気流を下方に吹き出す送風装置は、自動ドアの上に設置されることがある。帯状の気流を下方に吹き出す送風装置を自動ドアの上に設置する場合、自動ドアが開いている間は気流を吹き出して自動ドアを通る人に付着している塵埃を吹き落としたり、自動ドアが開いている間は気流の吹き出しを停止して自動ドアを通る人に気流を直接当てないようにすることがある。すなわち、自動ドアに連動して運転させる場合がある。
【0003】
特許文献1には、自動ドアが開いている間は送風装置からの気流の吹き出しを停止する自動ドア開閉装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−28583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される発明は、自動ドアが開いている間だけ気流が停止するように送風装置の電源回路を遮断するようなリレー回路を外付けで設ける必要がある。すなわち、特許文献1に開示される発明における送風装置は、自動ドアといった他の機器と連動させるためにリレー回路を設ける必要があり、容易に他の機器と連動させることはできなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、容易に他の機器と連動させることが可能な送風装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、無線信号を発信するリモートコントローラと、気流を発生させるファン、ファンを回転させる直流モータ、直流モータを制御する制御部、及び無線信号を受信して受信した無線信号に基づいた電気信号を制御部に出力する受信部を備えた本体とを有する。本体は、他の機器が出力した信号が入力される外部連動端子を備え、制御部は、外部連動端子への信号入力によらずファンに気流を発生させる通常運転モードと、外部連動端子に信号入力がされている状態でのみファンに気流を発生させるスタンバイモードとのいずれかで直流モータを制御する。リモートコントローラは、運転停止切替ボタンと、風量切替ボタンと、モード切替ボタンと、運転停止切替ボタンの操作に基づいて運転か停止かを切り替える無線信号を発信し、風量切替ボタンの操作に基づいてファンが発生させる気流の風量を切り替える無線信号を発信し、モード切替ボタンの操作に基づいて通常運転モードとスタンバイモードとを切り替える無線信号を発信する発信部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易に他の機器と連動させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る送風装置の斜視図
【
図2】実施の形態1に係る送風装置の電子回路基板の模式図
【
図3】実施の形態1に係る送風装置のリモートコントローラの構成を示す模式図
【
図4】実施の形態1に係る送風装置の運転状態の遷移を示す図
【
図5】実施の形態1に係る送風装置の停電からの復帰時の動作の流れを示すフローチャート
【
図6】実施の形態1に係る送風装置の制御部の機能をハードウェアで実現した構成を示す図
【
図7】実施の形態1に係る送風装置の制御部の機能をソフトウェアで実現した構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態に係る送風装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る送風装置の斜視図である。実施の形態1に係る送風装置20は、帯状の気流を下方に吹き出すエアカーテンとも称される装置であり、本体1と、リモートコントローラ10とを有する。本体1は、気流を発生させるファン21と、ファン21を回転させる直流モータ4と、直流モータ4を制御する制御部22が搭載された電子回路基板2と、外郭をなす筐体23とを有する。直流モータ4は、供給する電流及び電圧を制御することで、回転数及びトルクを容易に制御可能である。
【0012】
図2は、実施の形態1に係る送風装置の電子回路基板の模式図である。電子回路基板2には、制御部22に加え、タクタイルスイッチ3、他の機器が出力した信号が入力される外部連動端子5、運転状態の情報を不揮発に記憶する不揮発記憶装置6、運転状態が変更されると電子音を発するブザー7、赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に基づいた電気信号を制御部22へ出力する赤外線受光部8、電源に接続される電源接続端子9及び直流モータ4が接続されるモータ接続端子15が実装されている。赤外線受光部8は、リモートコントローラ10から発信された無線信号である赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に基づいた電気信号を制御部22に出力する受信部である。なお、図示は省略するが、電子回路基板2には、各実装部品を接続する回路の導体パターンが形成されている。タクタイルスイッチ3、ブザー7及び赤外線受光部8は、筐体23に形成されている開口部に合わせて配置されている。したがって、タクタイルスイッチ3は、筐体23の外部から操作可能である。また、ブザー7は、筐体23の外に音を発することが可能である。また、赤外線受光部8は、リモートコントローラ10から送信された赤外線信号を受信可能である。なお、タクタイルスイッチ3、外部連動端子5、不揮発記憶装置6、ブザー7、赤外線受光部8及び制御部22は、本体1に設けられていればよく、電子回路基板2上に実装されていなくてもよい。
【0013】
制御部22は、通常運転モード及びスタンバイモードの二つのモードのいずれかで直流モータ4を制御する。通常運転モードにおいては、制御部22は、運転中に外部連動端子5への入力信号によらずファン21に常時気流を発生させる。スタンバイモードにおいては、制御部22は、外部連動端子5の入力信号のオンに基づいて直流モータ4を駆動し、外部連動端子5の入力信号のオフに基づいて直流モータ4の駆動を停止する。すなわち、制御部22は、運転中に外部連動端子5への入力がオンとなっている間のみファン21に気流を発生させる。スタンバイモード中は、制御部22は、外部連動端子5への入力がオンとなった時点又はオンとなった時点から第1の設定時間後に直流モータ4を駆動させる。実施の形態1においては、スタンバイモード中は、外部連動端子5への入力がオンとなった時点から3秒後又は5秒後に制御部22が直流モータ4を駆動させる設定が可能である。また、スタンバイモードでは、制御部22は、外部連動端子5への入力がオンからオフとなった時点、又はオンからオフとなってから第2の設定時間後に直流モータ4の駆動を停止する。実施の形態1においては、スタンバイモード中は、外部連動端子5への入力がオンからオフとなった時点から5秒後又は10秒後に制御部22が直流モータ4の駆動を停止する設定が可能である。
【0014】
外部連動端子5は、電圧フリー接点である。したがって、他の機器が出力した信号が設計範囲内の電圧であるならば、特定の電圧に変換することなくそのまま入力可能である。なお、実施の形態1においては、外部連動端子5には、自動ドアから出力された開閉状態を示す信号が入力されるものとする。すなわち、実施の形態1において、送風装置20は自動ドアと連動させる。ここで、自動ドアが閉じている間はオフで、自動ドアが開いている間はオンとなる信号を外部連動端子5に入力することにより、送風装置20は、自動ドアが開いている間だけ気流を吹き出すことができる。一方、自動ドアが閉じている間はオンで、自動ドアが開いている間はオフとなる信号を外部連動端子5に入力することにより、送風装置20は、自動ドアが開いている間だけ気流の吹き出しを停止することができる。赤外線受光部8がリモートコントローラ10から赤外線信号を受信した場合、及びタクタイルスイッチ3が操作された場合、制御部22は、直流モータ4を制御して、運転停止の切り替え及び風量の切り替えを行い、送風装置20の運転状態を変更する。
【0015】
図3は、実施の形態1に係る送風装置のリモートコントローラの構成を示す模式図である。リモートコントローラ10は、運転停止切替ボタン11、風量切替ボタン12、モード切替ボタン13及び発信部14を有する。運転停止切替ボタン11、風量切替ボタン12及びモード切替ボタン13のいずれかが操作されると、発信部14から赤外線信号が発信される。発信部14は、運転停止切替ボタン11の操作に基づいて運転か停止かを切り替える赤外線信号を発信する。また、発信部14は、風量切替ボタン12の操作に基づいてファン21が発生させる風量を切り替える赤外線信号を発信する。また、発信部14は、モード切替ボタン13の操作に基づいて通常運転モードとスタンバイモードとを切り替える赤外線信号を発信する。
【0016】
図4は、実施の形態1に係る送風装置の運転状態の遷移を示す図である。リモートコントローラ10の風量切替ボタン12及びモード切替ボタン13は、普通押しと長押しとの二通りの操作が可能である。なお、普通押しとは、基準時間よりも短い時間で押下を終了する操作であり、長押しとは、基準時間よりも長い時間押下を続ける操作である。
【0017】
通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、運転中に運転停止切替ボタン11を普通押しする操作が行われると、リモートコントローラ10は、運転か停止かを切り替える赤外線信号を発信部14から発信する。運転か停止かを切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、送風装置20が運転中であれば直流モータ4の駆動を停止させてファン21が気流を発生させない状態に切り替える。一方、送風装置20が停止中であれば、直流モータ4を駆動してファン21が気流を発生させる状態に切り替える。
【0018】
通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、運転中に風量切替ボタン12を普通押しする操作が行われると、リモートコントローラ10は、ファン21が発生させる風量を切り替える赤外線信号を発信部14から発信する。ファン21が発生させる風量を切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、風量を切り替える。風量の切り替えは、風量切替ボタン12を普通押しする操作が行われるたびに風量を1ノッチ増加させ、最大ノッチの時には最小ノッチに切り替える。通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、停止中に風量切替ボタン12を普通押しする操作が行われた場合、赤外線受光部8は、赤外線信号を無視し、受信した赤外線信号に基づく電気信号を制御部22へ出力しない。したがって、通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、停止中に風量切替ボタン12を普通押しする操作が行われても、制御部22は、送風装置20の運転状態を変化させない。通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、風量切替ボタン12を長押しする操作が行われると、発信部14は、第1の設定時間を切り替える赤外線信号を発信する。第1の設定時間を切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、第1の設定時間を切り替える。第1の設定時間の切り替えは、風量切替ボタン12を長押しする操作が行われるたびに、第1の設定時間を0秒、3秒、5秒の順で切り替え、5秒に設定されている状態では、0秒に切り替える。
【0019】
通常運転モード中にモード切替ボタン13を普通押しする操作が行われると、発信部14は、通常運転モードからスタンバイモードへ切り替える赤外線信号を発信する。通常運転モードからスタンバイモードへ切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、通常運転モードからスタンバイモードへ切り替える。また、スタンバイモード中にモード切替ボタン13を普通押しする操作が行われると、発信部14は、スタンバイモードから通常運転モードへ切り替える赤外線信号を発信する。スタンバイモードから通常運転モードへ切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、スタンバイモードから通常運転モードへ切り替える。また、通常運転モード及びスタンバイモードのいずれにおいても、モード切替ボタン13を長押しする操作が行われると、発信部14は、第2の設定時間を切り替える赤外線信号を発信する。第2の設定時間を切り替える赤外線信号を赤外線受光部8が受信すると、制御部22は、第2の設定時間を切り替える。第2の設定時間の切り替えは、風量切替ボタン12を長押しする操作が行われるたびに、第2の設定時間を0秒、5秒、10秒の順で切り替え、10秒に設定されている状態では、0秒に切り替える。風量切替ボタン12及びモード切替ボタン13の長押しにより第1の設定時間及び第2の設定時間の切り替えを可能としたことにより、第1の設定時間及び第2の設定時間の切り替えのボタンを別途リモートコントローラ10に設ける必要がない。
【0020】
タクタイルスイッチ3は、普通押しと長押しとの二通りの操作が可能である。通常運転モード中にタクタイルスイッチ3を長押しする操作が行われると、制御部22は、通常運転モードからスタンバイモードへ切り替える。また、スタンバイモード中にタクタイルスイッチ3を長押しする操作が行われると、制御部22は、スタンバイモードから通常運転モードへ切り替える。通常運転モードで運転中にタクタイルスイッチ3を普通押しする操作が行われると、制御部22は、ファン21が発生させる風量を切り替える。風量の切り替えは、タクタイルスイッチ3を普通押しする操作が行われるたびに風量を1ノッチ増加させ、最大ノッチの時には最小ノッチに切り替える。モードが通常運転モードに設定された状態にて運転停止中にタクタイルスイッチ3を普通押しする操作が行われると、制御部22は、直流モータ4を駆動して送風装置20の運転を開始する。スタンバイモード中にタクタイルスイッチ3を普通押しする操作が行われると、送風装置20の運転状態を変化させない。
【0021】
送風装置20と連動させる自動ドアは、人を検知してからドアが開き始めるまでの時間、及び人を検知しなくなってからドアが閉じるまでの時間が機種によって異なる。したがって、外部連動端子5への入力がオンからオフとなった時点から直流モータ4の駆動を停止させるまでの第2の設定時間を設定可能とすることで、ドアが閉じるまでの間に確実に気流を形成することができる。また、外部連動端子5への入力がオンとなった時点から直流モータ4の駆動を開始するまでの第1の設定時間を設定可能とすることで、人が通過した後にだけ気流を発生させ、人の頭に直接気流を当てないようにすることができる。
【0022】
運転停止切替ボタン11、風量切替ボタン12、モード切替ボタン13及びタクタイルスイッチ3の操作時にブザー7から電子音を発することにより、ユーザは、制御部22が受け付けた操作の内容を聴覚に基づいて認識することができる。なお、
図4では、ブザー7が発する電子音は長音、短音又は短音2回であるが、ユーザが電子音の違いによって操作内容を認識可能であればよい。
【0023】
図5は、実施の形態1に係る送風装置の停電からの復帰時の動作の流れを示すフローチャートである。ステップS1において、制御部22は、不揮発記憶装置6に記憶されている送風装置20の運転状態の情報を読み出し、停電前にスタンバイモードであったか否かを判断する。停電前にスタンバイモードであったならば、ステップS1でYesとなり、ステップS2において、制御部22は、送風装置20をスタンバイモードの停止状態に移行させる。スタンバイモードの停止状態とは、スタンバイモードの設定で停止している状態である。また、制御部22は、設定風量、第1の設定時間及び第2の設定時間を、停電前と同じ設定にする。一方、停電前にスタンバイモードでなかったならば、ステップS1でNoとなり、ステップS3において、制御部22は、送風装置20を通常運転モードの停止状態に移行させる。通常運転モードの停止状態とは、通常運転モードの設定で停止している状態である。また、制御部22は、設定風量、第1の設定時間及び第2の設定時間を、停電前と同じ設定にする。すなわち、ステップS2又はステップS3により、制御部22は、停電によって停止した場合に、不揮発記憶装置6に記憶されている情報に基づいて、停電前と同じ状態で復帰する。
【0024】
制御部22は、停電前と同じ運転状態で復帰するため、復帰時に運転モード、風量、第1の設定時間及び第2の設定時間の再設定は不要である。
【0025】
上記の説明において、リモートコントローラ10と本体1とは、赤外線通信を行っていたが、リモートコントローラ10と本体1とがワイヤレスで通信を行えばよく、通信形態は赤外線通信に限定されない。
【0026】
上記の制御部22の機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、記憶装置に格納されるプログラムを実行する演算装置であってもよい。
【0027】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
図6は、実施の形態1に係る送風装置の制御部の機能をハードウェアで実現した構成を示す図である。処理回路29には、制御部22の機能を実現する論理回路29aが組み込まれている。処理回路29を実現するハードウェアには、マイクロコントローラを例示できる。
【0028】
処理回路29が演算装置の場合、制御部22の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0029】
図7は、実施の形態1に係る送風装置の制御部の機能をソフトウェアで実現した構成を示す図である。処理回路29は、プログラム29bを実行する演算装置291と、演算装置291がワークエリアに用いるランダムアクセスメモリ292と、プログラム29bを記憶する記憶装置293を有する。記憶装置293に記憶されているプログラム29bを演算装置291がランダムアクセスメモリ292上に展開し、実行することにより、制御部22の機能が実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラム言語で記述され、記憶装置293に格納される。演算装置291は、中央処理装置を例示できるがこれに限定はされない。
【0030】
処理回路29は、記憶装置293に記憶されたプログラム29bを読み出して実行することにより、制御部22の機能を実現する。プログラム29bは、制御部22の機能を実現する手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
【0031】
なお、処理回路29は、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0032】
このように、処理回路29は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0033】
実施の形態1に係る送風装置20は、本体1とリモートコントローラ10とがワイヤレス接続されるため、本体1とリモートコントローラ10とを接続する配線の敷設作業が不要である。また、本体1が設置される出入口の周辺にリモートコントローラ10を設置する必要がないため、リモートコントローラ10を目立たない場所に配置して美観を損なわないようにすることができる。
【0034】
実施の形態1に係る送風装置20は、外部連動端子5を備えるため、自動ドアが開いている間だけファン21に気流を発生させないように送風装置20の電源回路を遮断するリレー回路を設けなくても、自動ドアと連動して気流を発生させることができる。なお、上記の実施の形態1では送風装置20を自動ドアと連動させているが、連動させる相手となる他の機器は自動ドアに限定されることはない。また、実施の形態1に係る送風装置20は、直流モータ4でファン21を回転させるため、直流モータ4に供給する電流及び電圧を調整することで、施工後に室内外温度差及び外風の強さといった設置環境に合わせて風量設定を変えることが容易である。また、実施の形態1に係る送風装置20は、直流モータ4でファン21を回転させるため、運転強度を3ノッチ以上の多段階とすることが容易である。
【0035】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 本体、2 電子回路基板、3 タクタイルスイッチ、4 直流モータ、5 外部連動端子、6 不揮発記憶装置、7 ブザー、8 赤外線受光部、9 電源接続端子、10 リモートコントローラ、11 運転停止切替ボタン、12 風量切替ボタン、13 モード切替ボタン、14 発信部、15 モータ接続端子、20 送風装置、21 ファン、22 制御部、23 筐体、29 処理回路、29a 論理回路、29b プログラム、291 演算装置、292 ランダムアクセスメモリ、293 記憶装置。