(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部との出入口となるゲートを有するコンテナヤードを備え、このコンテナヤードが、コンテナが蔵置される複数の蔵置レーンと、それぞれの蔵置レーンに配置されてその蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンの長手方向に沿って走行する門型クレーンとを有し、前記ゲートを通過する外来車両が、外部と前記コンテナヤードとの間で前記コンテナを運搬して、前記門型クレーンが前記コンテナヤードに進入した前記外来車両に対して前記コンテナの荷役を行う構成にしたコンテナターミナルにおいて、
それぞれの蔵置レーンの側方でその蔵置レーンの長手方向に延在する走行レーンと、前記門型クレーンに設置されて前記走行レーンに停止している前記外来車両が予め備えている車両固有の識別情報を検知するクレーン用情報検知装置と、前記門型クレーンに設置されてこの門型クレーンの位置を検知する位置検知装置と、前記クレーン用情報検知装置及び前記位置検知装置に通信可能に接続された制御装置とを備えて、この制御装置には前記識別情報ごとに対応する荷役位置を含む荷役指令が入力されていて、
前記門型クレーンが前記荷役指令に基づいて前記荷役位置に近づくとともに前記外来車両が前記荷役位置に停止した状況で、前記クレーン用情報検知装置が停止している前記外来車両の識別情報を検知したときの前記位置検知装置により検知された前記門型クレーンの位置に基づいて、前記制御装置により、前記走行レーンに停止している前記外来車両の位置を特定し、この特定した位置とこの外来車両の前記識別情報に対応する前記荷役位置とが一致している場合に、前記門型クレーンにこの外来車両に対して前記コンテナの荷役を行わせる構成にしたことを特徴とするコンテナターミナル。
外部との出入口となるゲートを経由して、コンテナヤードと外部との間で、外来車両によりコンテナを運搬し、前記コンテナが蔵置される複数の蔵置レーンとそれぞれの蔵置レーンに門型クレーンとを有する前記コンテナヤードに進入した前記外来車両に対して、前記蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンの長手方向に移動する前記門型クレーンにより前記コンテナの荷役を行うコンテナターミナルの運用方法において、
前記門型クレーンが荷役指令に基づいてその荷役指令に含まれる荷役位置に近づくととともに前記外来車両がその荷役位置に停止した状況で、前記門型クレーンに設置されたクレーン用情報検知装置により、前記ゲートを通過して前記蔵置レーンの側方でその蔵置レーンの長手方向に延在する走行レーンに停止した前記外来車両が予め備えている車両固有の識別情報を検知すると共に、前記門型クレーンに設置された位置検出装置により、その識別情報を検知したときの前記門型クレーンの位置を検知し、
制御装置により、検知したその門型クレーンの位置に基づいて、前記走行レーンに停止している前記外来車両の位置を特定し、特定したその外来車両の位置と予め入力されていたその外来車両の識別情報に対応する荷役位置とが一致している場合に、前記門型クレーンに、この外来車両に対して前記コンテナの荷役を行わせることを特徴とするコンテナターミナルの運用方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のコンテナターミナル及びその運用方法の実施形態について説明する。図中では、陸側から海側に向う方向をx方向、停泊しているコンテナ船15の進行方向(x方向に直交する方向)をy方向、鉛直方向をz方向で示している。
【0013】
図1〜
図4に例示する第一実施形態のコンテナターミナル10は、x方向に隣接するコンテナヤード11と本船荷役エリア12とを備えている。
【0014】
コンテナヤード11は、外部との出入口となる複数のゲート13を有している。また、コンテナヤード11は、コンテナCが蔵置される複数の蔵置レーン14と、蔵置レーン14を跨いで蔵置レーン14の長手方向(y方向)に沿って走行する門型クレーン30とを有している。複数の蔵置レーン14は、それぞれの長手方向がy方向に向いて、隣接する蔵置レーン14とは所定の間隔を空けて配置されている。蔵置レーン14は、その長手方向がx方向に向いて配置されてもよい。
【0015】
本船荷役エリア12は、コンテナ船15が接岸しているエリアであり、そのコンテナ船15に対してコンテナCの荷役を行う複数の岸壁クレーン16を有している。
【0016】
外来車両20及び構内車両21は、運転者が搭乗しているコンテナトラックやコンテナトレーラである。外来車両20は、ゲート13を経由して一点鎖線で示した外来用走行路22に沿って走行する。構内車両21は、二点鎖線で示した構内用走行路23に沿って走行する。構内車両21としては、無人搬送台車(AGV)を用いてもよい。
【0017】
外来用走行路22は、あるゲート13から延びる一本の外来用進入路24から複数の外来用レーン(走行レーン)25に分岐して、別のゲート13に向う一本の外来用退出路26に合流している。構内用走行路23は、一本の構内用進入路27から複数の構内用レーン28に分岐して一本の構内用退出路29に合流している。この実施形態では、外来用走行路22と構内用走行路23との二つの走行路をそれぞれ独立して設けたが、それらを一つの走行路として、外来車両20と構内車両21とが共通の走行路を走行する構成としてもよい。
【0018】
コンテナターミナル10のゲート13の近傍の領域内には、管理棟17が設置されている。管理棟17には、管理装置(TOS)40と制御装置41とが設置されている。管理装置40及び制御装置41は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されている。また、管理棟17には、オペレータにより操作される門型クレーン30の操作装置42が設置されている。
【0019】
図2に例示するように、ゲート13の近傍には、ゲート用情報検知装置43a、43b、ゲート用遮断機44、ゲート用指示機45、及びゲート用車両検知装置46が設置されている。これらは管理装置40に無線又は有線で通信可能に接続されている。
【0020】
ゲート用情報検知装置43a、43bは、外来車両20が予め備えている車両固有の識別情報Nx、Nyを検知する。この実施形態では、ゲート用情報検知装置43a、43bは、外来車両20のナンバープレート29a、29bを撮像する撮像装置であり、外来車両20のナンバープレート29a、29bに記載されている車両固有の自動車登録番号を識別情報Nx、Nyとして検知する。
【0021】
コンテナCを運搬する外来車両20は、運転部(キャブ、トラクタやヘッドなどの牽引車)と荷台部(ボディ、トレーラなどの重被牽引車)とから構成されている。運転部に取り付けられたナンバープレート29aと荷台部に取り付けられたナンバープレート29bとは異なる自動車登録番号が記載されている。そこで、二つのゲート用情報検知装置43a、43bは、ゲート13に停止した外来車両20の前後のそれぞれに配置される。ゲート用情報検知装置43aは、外来車両20を前方から撮像して、ナンバープレート29aを撮像する。ゲート用情報検知装置43bは、外来車両20を後方から撮像して、ナンバープレート29bを撮像する。
【0022】
ゲート用遮断機44は、例えば、ゲート用車両検知装置46に連動して遮断桿が昇降する機構であって、ゲート13を遮断とその解除をする。ゲート用指示機45は、例えば、電光掲示板であって、ゲート用情報検知装置43a、43bに連動して外来車両20の運転者に荷役位置Qxを指示する。ゲート用指示機45としては、例えば、外来車両20の
荷役位置Qxが記載された印刷物を印刷する印刷機を用いてもよい。
【0023】
ゲート用車両検知装置46は、外来車両20がゲート13に到着したことを検知するセンサである。このセンサとしては、ループコイル式車両検知センサ、光電式車両検知センサ、磁気式車両検知センサ、超音波式車両検知センサが例示される。
【0024】
図3に例示するように、門型クレーン30は、例えば、運転者が搭乗しない無人のタイヤ式門型クレーン(RTG)であって、蔵置レーン14と外来用レーン25と構内用レーン28とをx方向に跨ぎ、蔵置レーン14に沿ってy方向に移動する。門型クレーン30としては、レール式門型クレーン(RMG)を用いることもできる。この実施形態では、二台の門型クレーン30が各蔵置レーン14で荷役しているが、門型クレーン30の台数については限定されない。
【0025】
門型クレーン30は、トロリ31と、トロリ31を介して昇降する吊具32と、x方向に延設されたガーダ33と、ガーダ33の両端部のそれぞれから下方に向って延在する脚体34とを備える。この脚体34は、下端にy方向に走行する走行装置35を有する。門型クレーン30は、クレーン制御装置36を有していて、このクレーン制御装置36により自動走行が制御される。
【0026】
門型クレーン30は、クレーン用情報検知装置47a、47b、位置検知装置48、及びクレーン用車両検知装置49a、49bを有している。
【0027】
図4、5に例示するように、クレーン用情報検知装置47a、47bは、門型クレーン30の走行装置35に設置されており、外来車両20が予め備えている車両固有の識別情報Nx、Nyを検知する。この実施形態で、クレーン用情報検知装置47a、47bは、ゲート用情報検知装置43a、43bと同様に外来車両20のナンバープレート29a、29bを撮像する撮像装置である。
【0028】
クレーン用情報検知装置47a、47bは、門型クレーン30の内側に向けられていて、互いに対向している。クレーン用情報検知装置47a、47bは、外来車両20が門型クレーン30のガーダ33の下方に存在しているときに、ナンバープレート29a、29bを撮像可能に構成されている。つまり、クレーン用情報検知装置47aは、門型クレーン30が外来車両20の前方から近づくときに、ナンバープレート29aを撮像可能に構成されている。クレーン用情報検知装置47bは、門型クレーン30が外来車両20の後方から近づくときに、ナンバープレート29bを撮像可能に構成されている。クレーン用情報検知装置47a、47bは、ナンバープレート29a、29bが撮像可能であれば脚体34に設置されてもよい。
【0029】
クレーン用情報検知装置47a、47bは、外来車両20から識別情報Nx、Nyを検知可能な範囲が、門型クレーン30の荷役可能な範囲に収まっていることが好ましい。つまり、クレーン用情報検知装置47a、47bは、ナンバープレート29a、29bから自動車登録番号を読み取り可能な範囲が、外来車両20が門型クレーン30のガーダ33の下方に存在しているときに限定される。クレーン用情報検知装置47a、47bの読み取り可能範囲を、外来車両20が門型クレーン30のガーダ33の下方に存在していない範囲まで拡大すると、門型クレーン30と外来車両20との位置関係が遠くなり過ぎてしまう。
【0030】
位置検知装置48は、全球測位衛星システム(GNSS)アンテナであり、所定の周期ごとに複数の人工衛星から受信する時刻等の情報に基づき経度と緯度と高度とからなる位置座標を取得する。測位する方法としては、単独測位、相対測位、DGPS(ディファレ
ンシャルGPS)測位、RTK(リアルタイムキネマティックGPS)測位が例示できる。位置検知装置48は、全球測位衛星システムを利用して平面座標として経度と緯度とを取得し、上位システム18と通信して高度を取得する構成にしてもよい。
【0031】
クレーン用車両検知装置49a、49bは、門型クレーン30が外来車両20に近づいたことを検知するセンサである。このセンサとしては、光電式車両検知センサ、磁気式車両検知センサ、超音波式車両検知センサが例示される。
【0032】
図6に例示するように、コンテナターミナル10では、管理装置40とクレーン制御装置36との通信の間に制御装置41を介在させて、制御装置41を、管理装置40からクレーン制御装置36へ送信される荷役指令Cxに対するバッファとして機能させる。制御装置43はバッファとして蔵置レーン14で生じている作業(複数の荷役指令Cxを含む)を蓄積して、その中からその外来車両20に対する作業を選択する。
【0033】
管理装置40の内部記憶装置には、外来車両20の識別情報Nx、Nyに関連付けられた管理番号Mx、蔵置位置Px、及び荷役位置Qxが記憶されている。管理装置40は、外来車両20に対して門型クレーン30の行う荷役作業の指令に、それらの情報を含めた荷役指令Cxを制御装置41に送信する。なお、管理装置40の内部記憶装置には、岸壁クレーン16や構内車両21の情報や指令なども記憶されている。
【0034】
識別情報Nx、Nyは、ゲート用情報検知装置43a、43bで検出される番号であり、この実施形態ではナンバープレート29a、29bのそれぞれに記載された自動車登録番号である。管理番号Mxは、コンテナCの固有の番号であり、所有者コードやコンテナCのサイズや種類を表す番号を含めてもよい。蔵置位置Pxは、コンテナCのコンテナヤード11における蔵置位置であり、レーン番号(蔵置レーン14の位置)、ベイ番号、ロウ番号(蔵置レーン14の横手方向(x方向))、ティア番号(蔵置レーン14の高さ方向(z方向))からなる。荷役位置Qxは、外来用レーン25における外来車両20の停止位置であり、門型クレーン30がその外来車両20に対して荷役する作業位置である。
【0035】
制御装置41は、管理装置40から送信された荷役指令Cxを受信すると、内部記憶装置に、識別情報Nx、Ny、管理番号Mx、蔵置位置Px、及び荷役位置Qxが記憶される。また、制御装置41の内部記憶装置には、門型クレーン30の現在位置Qyが記憶されている。現在位置Qyは位置検知装置48により検知された門型クレーン30の位置座標に基づいた蔵置レーン14における存在位置であり、レーン番号及びベイ番号からなる番地である。
【0036】
コンテナターミナル10では、管理装置40及び制御装置41の指示により、各装置が荷役作業を行う。外来車両20は、外部とコンテナヤード11との間でコンテナCを運搬し、構内車両21は、コンテナヤード11と本船荷役エリア12との間でコンテナCを運搬する。岸壁クレーン16は、本船荷役エリア12に進入した構内車両21に対して荷役を行い、門型クレーン30は、蔵置レーン14に進入した外来車両20及び構内車両21に対して荷役を行う。門型クレーン30は、操作装置42により門型クレーン30のトロリ31のx方向の移動と、吊具32のz方向の昇降が制御されている。
【0037】
以下に、コンテナターミナル10の運用方法について、
図7、
図8に例示するフローチャートを参照しながら説明する。なお、
図8で、外来車両20は外来用レーン25に停止しているものとする。
【0038】
図7に例示するように、外部から外来車両20がゲート13に到着すると、ゲート用車両検知装置46がその到着を検知する(S110)。次いで、管理装置40は、ゲート用
情報検知装置43a、43bに対してナンバープレート29a、29bを撮像させて、撮像した画像に対して画像認識処理を施すことにより、識別情報Nx、Nyを検知する(S120)。
【0039】
次いで、管理装置40は、識別情報Nx、Ny、管理番号Mx、蔵置位置Px、荷役位置Qxを関連付ける(S130)。次いで、管理装置40は、識別情報Nxに関連付けられた荷役位置Qxを、ゲート用指示機45により外来車両20の運転者に指示する(S140)。
【0040】
次いで、管理装置40は、制御装置41にその外来車両20への荷役指令Cx(識別情報Nx、Ny、管理番号Mx、蔵置位置Px、荷役位置Qx)を送信する(S150)。
【0041】
以上のステップは、ゲート用車両検知装置46が、外部からゲート13に到着した外来車両20の到着を検知するごとに行われる。ゲート13が複数設置されている場合は、以上のステップが、ゲート13ごとに行われる。
【0042】
図8に例示するように、門型クレーン30が荷役指令Cxに基づいた目標位置に近づき、減速しながら、外来用レーン25で停止した外来車両20に近づくと、その外来車両20の識別情報Nx又は識別情報Nyを検知する(S210、S220)
具体的に、門型クレーン30が外来車両20の前方から近づく場合は、クレーン用車両検知装置49aが隣接する外来車両20を検知する。次いで、クレーン用車両検知装置49aが外来車両20を検知したことをトリガとして、制御装置41は、クレーン用情報検知装置47aに対してナンバープレート29aを撮像させて、撮像した画像に対して画像認識処理を施すことにより、識別情報Nxを検知する(S210)。
【0043】
一方、門型クレーン30が外来車両20の後方から近づく場合は、クレーン用車両検知装置49bが隣接する外来車両20を検知する。次いで、クレーン用車両検知装置49bが外来車両20を検知したことをトリガとして、制御装置41は、クレーン用情報検知装置47bに対してナンバープレート29bを撮像させて、撮像した画像に対して画像認識処理を施すことにより、識別情報Nyを検知する(S220)。
【0044】
なお、門型クレーン30が外来車両20の前方から近づき、クレーン用情報検知装置47aが識別情報Nxを検知した後に、クレーン用車両検知装置49bが隣接する外来車両20を検知すると、クレーン用情報検知装置47aによる撮像を終了する。同様に、門型クレーン30が外来車両20の後方から近づき、クレーン用情報検知装置47bが識別情報Nyを検知した後に、クレーン用車両検知装置49aが隣接する外来車両20を検知すると、クレーン用情報検知装置47bによる撮像を終了する。
【0045】
次いで、制御装置41は、検知した識別情報Nx、Nyに関連付けられた荷役位置Qxを読み出す(S230)。次いで、制御装置41は、位置検知装置48により門型クレーン30の現在位置Qyを取得する(S240)。次いで、制御装置41は、門型クレーン30の現在位置Qyを外来用レーン25に停止した外来車両20の停止位置Qzとして特定する(S250)。
【0046】
次いで、制御装置41は、読み出した荷役位置Qxと特定した停止位置Qzとが一致しているか否かを判定する(S260)。荷役位置Qxと停止位置Qzとが一致したと判定すると、制御装置41の制御は完了して、門型クレーン30の制御が遠隔操作に切り換わる(S270)。これにより、オペレータは、操作装置37を操作して、門型クレーン30の下方に停止している外来車両20に対してコンテナCの荷役を遠隔操作により行う。なお、荷役作業も自動化する場合は、S270で、制御装置41により荷役作業を行う構成とする。
【0047】
荷役位置Qxと停止位置Qzとが一致していないと判定すると、制御装置41は、停止している外来車両20に対して図示しないブザーやランプなどで警告する(S280)。
【0048】
一方、S210、S220のステップで、識別情報Nx、Nyの両方が検知できない場合に、制御装置41は、位置検知装置48により門型クレーン30の現在位置Qyを取得する(S300)。次いで、制御装置41は、荷役指令Cxに基づいた荷役位置Qxと取得した現在位置Qyとが一致しているか否かを判定する(S310)。
【0049】
荷役位置Qxと現在位置Qyとが一致したと判定すると、制御装置41は、荷役位置Qxに対象となる外来車両20が到着していないと判定して、荷役指令Cxを中止する(S320)。このとき、制御装置41から管理装置40に荷役指令Cxの中止を送信するとよい。また、荷役指令Cxを中止した場合に、制御装置41は、門型クレーン30をその場で待機させるとよい。門型クレーン30をその場で待機させることで、対象となる外来車両20が遅れて到着した場合に、再度、荷役指令Cxを実行するには有利になる。
【0050】
以上のように、門型クレーン30に設置したクレーン用情報検知装置47a、47bと位置検知装置48とを用いることで、運転者の目視に替わって、門型クレーン30に対して外来車両20に対するコンテナCの荷役を行わせる前に、制御装置41により確認作業を行う。具体的に、門型クレーン30の現在位置Qyに基づいて外来車両20の停止位置Qzを特定すると共に特定したその停止位置Qzが管理装置40に指示された荷役位置Qxかどうかを確認する。これにより、門型クレーン30を遠隔操作や自動運転しても、予め設定されている荷役位置Qxに停止している指定された外来車両20に対して、門型クレーン30に確実に荷役作業を行わせるには有利になり、荷役効率の向上を図ることができる。
【0051】
なお、門型クレーン30に運転者が搭乗して運転する場合にも、制御装置41による確認作業を運転者に対する運転支援として利用することで、荷役効率の向上を図ることができる。
【0052】
さらに、門型クレーン30のガーダ33の下方に停止している外来車両20が指示されたものがどうかを確認することができるので、一つの外来用レーン25に対して複数台の外来車両20を進入させることができる。これにより、外来用レーン25に進入させる外来車両20の台数を制限する必要が無くなるので、対象となる外来車両20が進入していないことで生じる門型クレーン30の作業待ちの低減には有利になる。
【0053】
ゲート用情報検知装置43a、43b、クレーン用情報検知装置47a、47bをビデオカメラで構成し、管理装置40に画像解析プログラムを実装して、ナンバープレート29a、29bが写り込んだタイミングの静止画像から識別情報Nx、Nyを検知してもよい。
【0054】
一台の門型クレーン30に対して二つのクレーン用情報検知装置47a、47bを設置して、それらを平面視でx方向に互いに離間配置したことで、門型クレーン30が外来車両20を追い越さなくても、識別情報Nx、Nyを検知することができる。
【0055】
識別情報Nx、Nyを検知するまでのステップにおいて、外来車両20が停止しているか否かを判定するステップを行うことが望ましい。例えば、門型クレーン30が一方向に減速しながら走行して外来車両20を追い越した後に、逆方向に走行してクレーン用車両検知装置49a、49bで外来車両20を検知するとよい。この場合に、門型クレーン3
0が逆方向に走行したことをトリガとしてS210〜S240を行うとよい。外来車両20が外来用レーン25を走行している場合は、門型クレーン30が逆方向に走行した後に、クレーン用車両検知装置49a、49bでその外来車両20を検知することがない。これにより、外来車両20が外来用レーン25に停止していることを判定することができる。
【0056】
また、外来車両20が停止しているか否かを判定するステップとして、識別情報Nx、Nyの両方を検知するようにしてもよい。例えば、門型クレーン30が一方向に走行している間に、識別情報Nx、Nyのどちらか一方を検知し、逆方向に走行したときに、他方を検知するとよい。外来車両20が外来用レーン25を走行している場合は、門型クレーン30が一方向と逆方向とに走行したときに、識別情報Nx、Nyの両方を検知することがない。これにより、外来車両20が外来用レーン25に停止していることを判定することができる。
【0057】
また、クレーン用車両検知装置49a、49bが、門型クレーン30のガーダ33の下方で外来車両20が停止したことを検知可能に構成にしてもよい。例えば、門型クレーン30が停止した状態で、外来車両20が外来用レーン25をその門型クレーン30に向って走行し、ガーダ33の下方で停止する場合に、外来車両20が停止する前に、識別情報Nx、Nyのどちらか一方を検知可能である。このときに、外来車両20の停止を検知することで、無駄な門型クレーン30の走行を省略することが可能になる。
【0058】
このように、クレーン用情報検知装置47a、47bが識別情報Nx、Nyを検知する場合を、外来用レーン25に停止している外来車両20に限定することで、指定された外来車両20に対して、門型クレーン30により確実に荷役作業を行わせるには有利になる。
【0059】
ゲート用情報検知装置43a、43b、クレーン用情報検知装置47a、47bとしては、撮像装置の代わりに、電子料金収受システムの路側装置を用いてもよい。路側装置は、外来車両20に予め備えられている電子料金収受システムの車載機と無線通信を行って、その車載機に記憶されている固有の車載機番号を識別情報Nxとして読み取り可能である。なお、車載機は、電子料金が記憶されているカードが不挿入でも、車載機番号を送信可能である。また、ゲート用情報検知装置43a、43bとしては、外来車両20が予め備えているRFIDタグと通信して、そのRFIDタグに記憶されている識別情報Nxを読み取るリーダを用いてもよい。
【0060】
このように、ゲート用情報検知装置43a、43b、クレーン用情報検知装置47a、47bとして撮像装置を用いない場合は、撮像タイミングを図る必要が無くなるので、ゲート用車両検知装置46やクレーン用車両検知装置49a、49bを設けなくてもよい。
【0061】
クレーン用情報検知装置47a、47bのそれぞれを、門型クレーン30の外側に向けてもよいが、この場合に、門型クレーン30の現在位置Qyと外来車両20の停止位置Qzとの間が離れ過ぎることになる。そこで、クレーン用情報検知装置47a、47bのそれぞれを外側に向ける場合は、それらの検知範囲に基づいて停止位置Qzを補正するとよい。
【0062】
また、既述した実施形態では、管理装置40と制御装置41とで制御を別々にすることで、一つあたりの情報処理負荷を低減しているが、一つの装置で制御してもよい。