特許第6971895号(P6971895)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カヤバ工業株式会社の特許一覧 ▶ 戸田建設株式会社の特許一覧 ▶ 昭和電線ケーブルシステム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6971895-連結装置 図000002
  • 特許6971895-連結装置 図000003
  • 特許6971895-連結装置 図000004
  • 特許6971895-連結装置 図000005
  • 特許6971895-連結装置 図000006
  • 特許6971895-連結装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971895
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/04 20060101AFI20211111BHJP
   F16F 15/023 20060101ALI20211111BHJP
   F16F 9/54 20060101ALI20211111BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   F16F15/04 L
   F16F15/023 Z
   F16F9/54
   E04H9/02 331B
   E04H9/02 331D
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-46441(P2018-46441)
(22)【出願日】2018年3月14日
(65)【公開番号】特開2019-158023(P2019-158023A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】306013120
【氏名又は名称】昭和電線ケーブルシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】小高 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真成
(72)【発明者】
【氏名】榊原 健人
(72)【発明者】
【氏名】高林 正和
(72)【発明者】
【氏名】三橋 浩司
(72)【発明者】
【氏名】谷地畝 和夫
(72)【発明者】
【氏名】稲井 慎介
(72)【発明者】
【氏名】中村 匠
(72)【発明者】
【氏名】石田 琢志
(72)【発明者】
【氏名】得能 将紀
(72)【発明者】
【氏名】三須 基規
(72)【発明者】
【氏名】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】白井 宏和
【審査官】 児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−166173(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/056265(WO,A1)
【文献】 特開2017−53364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/00− 9/16
F16F 9/00− 9/58
15/00−15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドと、
前記ロッドに設けられた伸側ストッパと、
前記伸側ストッパに対して軸方向に離間して前記ロッドに設けられる縮側ストッパと、
前記伸側ストッパに対向するとともに前記ロッドの挿通を許容する伸側軸受を有する伸側対向部材と、前記伸側対向部材から前記ロッドの軸方向に離間した位置に設けられて前記縮側ストッパに対向するとともに前記ロッドの挿通を許容する縮側軸受を有する縮側対向部材とを具備し、前記ロッドに対して前記ロッドの軸方向への移動が可能であって、前記伸側ストッパに当接すると伸長方向の移動が規制され、前記縮側ストッパに当接すると収縮方向への移動が規制されるストッパ対向部材と、
前記ロッドの外周に摺動自在に装着されるとともに前記伸側軸受に軸方向移動可能に挿入される伸側ブッシュと、
前記ロッドの外周に摺動自在に装着されるとともに前記縮側軸受に軸方向移動可能に挿入される縮側ブッシュと、
前記伸側ブッシュに設けられて前記伸側対向部材に当接すると前記縮側ブッシュから離間する方向への前記伸側ブッシュの移動を規制する伸側ブッシュ規制部と、
前記縮側ブッシュに設けられて前記縮側対向部材に当接すると前記伸側ブッシュから離間する方向への前記縮側ブッシュの移動を規制する縮側ブッシュ規制部と、
前記伸側ブッシュと前記縮側ブッシュとの間に介装されて前記伸側ブッシュと前記縮側ブッシュとを離間させる方向へ付勢して前記ストッパ対向部材を前記ロッドに対して中立位置へ位置決める中立復帰ばねと、
前記ロッド或いは前記ストッパ対向部材をダンパに取付ける取付部とを備え、
前記ロッドの前記ストッパ対向部材に対する軸方向の移動が前記伸側対向部材と前記縮側対向部材により案内される
ことを特徴とする連結装置。
【請求項2】
前記中立復帰ばねは、コイルばねであって外径が前記伸側軸受および前記縮側軸受よりも小径であり
前記伸側ブッシュ規制部は、軸方向から見て前記伸側軸受の外径の範囲内に収まる形状とされて、前記伸側軸受に当接すると前記伸側ブッシュの前記離間方向への移動を規制し、
前記縮側ブッシュ規制部は、軸方向から見て前記縮側軸受の外径の範囲内に収まる形状とされて、前記縮側軸受に当接すると前記縮側ブッシュの前記離間方向への移動を規制する
ことを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記ロッドは、並列配置されるとともに前記ストッパ対向部材によって軸方向へ移動が案内される複数の軸を備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
免震装置は、地盤と構造物との間に介装されるボールアイソレータや積層ゴム等といった免震支承装置を備え、構造物を地盤に対して変位可能に支持しており、地震動の構造物への伝達を絶縁するようになっている。免震装置には、上記のような免震支承装置の他に、地盤と構造物との間に介装される免震用ダンパを備える場合があり、構造物の振動を免震用ダンパが発生する減衰力で減衰させて構造物の振動を抑制するようになっている。
【0003】
免震装置は、地震が発生した場合に緩衝器の減衰力が小さければ小さいほど、地盤の振動は建物へ伝達しにくくなり、高い振動絶縁性を確保できる。しかしながら、構造物が地盤に対して大きな振幅で変位するような大規模地震動に対しては、免震用ダンパが発生する減衰力によって構造物の変位を抑制して、免震支承装置からの構造物の脱落や構造物の擁壁への衝突を回避する必要がある。
【0004】
よって、免震装置では、小振幅の振動に対しては免震支承装置の振動絶縁性を阻害しないように免震用ダンパに減衰力を発揮させず、大振幅の振動に対しては免震用ダンパに積極的に減衰力を発揮させるのが好ましい。
【0005】
このような要求に応えるべく、地盤と免震用ダンパとを連結する連結装置が提案されている。この連結装置は、通常時では地盤と免震用ダンパとを連結せず、構造物の地盤に対する振幅が大きくなると、ロックピンで免震用ダンパと地盤とを連結して免震用ダンパを有効に機能させるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−87853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような連結装置を利用すれば、免震支承装置の振動絶縁性を損なうことなく大規模地震に対して免震用ダンパの減衰力の発揮で構造物の変位を抑制できる。しかしながら、大規模地震の発生によって免震用ダンパを地盤に固定する機構が必要で、一度、大規模地震が発生して免震用ダンパと地盤とが連結された状態となると、ロックピンを抜かなければ免震用ダンパと地盤との連結を解除できない。よって、その後の小規模地震に対して振動絶縁性を担保できない。
【0008】
そのため、大規模地震が終息した後にロックピンを引き抜くメンテナンス作業が必要であり、このメンテナンス作業を手動で行う場合には作業負担が大きく、また、電動で行う場合にはロックピンを駆動する駆動装置と制御装置が必要でシステムが高価となってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、大規模地震発生後のメンテナンス作業が不要でコストの増大を招かずに、小規模地震に対してはダンパに減衰力を発揮させず大規模地震に対してはダンパに減衰力を発揮させる連結装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明の連結装置は、ロッドと、ロッドに設けられた伸側ストッパと、前記伸側ストッパに対して軸方向に離間して前記ロッドに設けられる縮側ストッパと、前記伸側ストッパに対向するとともに前記ロッドの挿通を許容する伸側軸受を有する伸側対向部材と、前記伸側対向部材から前記ロッドの軸方向に離間した位置に設けられて前記縮側ストッパに対向するとともに前記ロッドの挿通を許容する縮側軸受を有する縮側対向部材とを具備し、ロッドに対してロッドの軸方向への移動が可能であって伸側ストッパに当接すると伸長方向の移動が規制され、前記縮側ストッパに当接すると収縮方向への移動が規制されるストッパ対向部材と、前記ロッドの外周に摺動自在に装着されるとともに前記伸側軸受に軸方向移動可能に挿入される伸側ブッシュと、前記ロッドの外周に摺動自在に装着されるとともに前記縮側軸受に軸方向移動可能に挿入される縮側ブッシュと、前記伸側ブッシュに設けられて前記伸側対向部材に当接すると前記縮側ブッシュから離間する方向への前記伸側ブッシュの移動を規制する伸側ブッシュ規制部と、前記縮側ブッシュに設けられて前記縮側対向部材に当接すると前記伸側ブッシュから離間する方向への前記縮側ブッシュの移動を規制する縮側ブッシュ規制部と、前記伸側ブッシュと前記縮側ブッシュとの間に介装されて前記伸側ブッシュと前記縮側ブッシュとを離間させる方向へ付勢してストッパ対向部材をロッドに対して中立位置へ位置決める中立復帰ばねと、ロッド或いはストッパ対向部材をダンパに取付ける取付部とを備え、前記ロッドの前記ストッパ対向部材に対する軸方向の移動が前記伸側対向部材と前記縮側対向部材により案内される。このように構成された連結装置は、小振幅の振動に対しては地盤の構造物に対する変位を吸収してダンパを伸縮させないので、ダンパに減衰力を発揮させず、大振幅の振動に対してはダンパを伸縮せしめてダンパに減衰力を発揮させる。また、連結装置は、中立復帰ばねを備えており、地震発生後に自動的にストッパ対向部材が中立位置に復帰するので、地震発生後にストッパ対向部材を中立位置へ手動で移動させる必要がない。このように、本発明の連結装置は、大規模地震の発生によってダンパを地盤に固定する機構を備えておらず、大規模地震が発生した後も何ら作業をせずとも小規模地震の入力に対して減衰力を発揮しない状態を維持できる。
【0011】
また、ストッパ対向部材が、伸側ストッパに対向する伸側対向部材と、伸側対向部材からロッドの軸方向に離間した位置に設けられて縮側ストッパに対向する縮側対向部材とを有して、ロッドが伸側対向部材と縮側対向部材によりストッパ対向部材に対して軸方向移動が案内されるので、ロッドが軸ぶれせずに円滑にストッパ対向部材に対して軸方向へ相対移動できる。
【0012】
加えてこのように構成された連結装置では、伸側ブッシュおよび縮側ブッシュが中立復帰ばねとともにストッパ対向部材を中立位置へ位置決めとロッドのストッパ対向部材に対する軸方向移動の案内をする機能のみを担う。したがって、ストッパ対向部材が伸側ストッパ或いは縮側ストッパに当接してダンパを伸縮させる際に、伸側ブッシュおよび縮側ブッシュには大きな荷重が入力されず、変形などの心配がないので、ロッドのストッパ対向部材に対する軸方向の円滑な移動を長期間に亘って保証できる。
【0013】
さらに、中立復帰ばねがコイルばねであって外径が伸側軸受および縮側軸受よりも小径であり、伸側ブッシュ規制部が軸方向から見て伸側軸受の外径の範囲内に収まる形状とされて伸側軸受に当接すると伸側ブッシュの前記離間方向への移動を規制し、縮側ブッシュ規制部が軸方向から見て縮側軸受の外径の範囲内に収まる形状とされて縮側軸受に当接すると縮側ブッシュの前記離間方向への移動を規制するように連結装置を構成してもよい。このように構成された連結装置は、容易に組立できるとともにブッシュ交換も容易となる。
【0014】
また、ロッドが並列配置されるとともにストッパ対向部材によって軸方向へ移動が案内される複数の軸を備えて連結装置を構成してもよい。このように構成された連結装置によれば、回り止めを別途設けずにロッドの回り止めが可能となり曲げ剛性が高くなるので強度面でも有利となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の連結装置によれば、大規模地震発生後のメンテナンス作業が不要でコストの増大を招かずに、小規模地震に対してはダンパに減衰力を発揮させず大規模地震に対してはダンパに減衰力を発揮させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ダンパに連結された一実施の形態における連結装置の平面図である。
図2】一実施の形態における連結装置をダンパとともに構造物と地盤との間に介装した状態を示した図である。
図3】一実施の形態における連結装置の拡大断面図である。
図4】一実施の形態における連結装置が最収縮した状態を示した平面図である。
図5】一実施の形態における連結装置が最伸長した状態を示した平面図である。
図6】一実施の形態の一変形例における連結装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一実施の形態における連結装置Jは、図1および図3に示すように、ロッド1と、ロッド1に設けられた伸側ストッパ2および縮側ストッパ3と、ロッド1に対してロッド1の軸方向への移動が可能なストッパ対向部材4と、中立復帰ばね5とを備えて構成されている。
【0018】
そして、図2に示すように、連結装置Jは、構造物Sに設けた取付部Bsと地盤Gに設けた取付部Bgとの間にダンパDとともに介装されている。本例では、連結装置Jは、構造物Sに連結されるダンパDの一端を地盤G側の取付部Bgに連結している。また、構造物Sと地盤Gとの間には、図2に示すように、積層ゴムでなる免震支承装置Mが介装されている。なお、免震支承装置Mは、積層ゴムの他、ボールアイソレータ等といった地盤Gに対する構造物Sの相対移動を許容する構造を採用できる。
【0019】
ダンパDは、図1に示すように、シリンダ20と、シリンダ20内に移動自在に収容されるとともに二つの作動室を区画する図外のピストンと、一端がシリンダ20内の前記ピストンに連結されるとともに他端がシリンダ20外へ突出するピストンロッド21と、シリンダ20の端部に設けられて取付部Bsに連結されるブラケット22と、ピストンロッド21の端部に設けられて連結装置Jに連結されるブラケット23とを備えている。また、ダンパDは、前記作動室同士を連通する通路に設けた減衰弁を備えており、シリンダ20に対してピストンロッド21が相対移動する伸縮時に所定の減衰力を発揮して、構造物Sの振動を抑制する。なお、ダンパDは、伸縮する際に減衰力を発揮できればよいので、内部の構造については公知の種々のダンパ構造を採用できる。したがって、ダンパDは、ユニフロー型のダンパとされてもよいし、バイフロー型のダンパとされてもよく、内部に設けられる通路、減衰弁等の構造も任意に設計できる。
【0020】
そして、シリンダ20の端部に設けられたブラケット22は、環状のアイ型ブラケットとされており、構造物Sに設けた取付部Bsに連結されている。具体的には、ブラケット22は、取付部Bsに設けられるピンPsが挿通される孔を有する球体と球体を抱持する環状の保持環とで構成されている。そして、ダンパDは、ブラケット22内に挿通されるピンPsを中心として構造物Sに対して図2中手前奥行方向(紙面を貫く方向)となる水平横方向と前記球体を中心とした首振り運動が可能となっている。また、ブラケット23も同様の構成とされており、連結装置Jに設けたピンPgを中心として連結装置Jに対して図2中手前奥行方向(紙面を貫く方向)となる水平横方向とブラケット23の球体を中心とした首振り運動が可能となっている。
【0021】
よって、ダンパDは、伸縮によって構造物Sと地盤GのダンパDの軸方向に沿う相対移動を許容するだけでなく、両端がそれぞれ構造物Sと地盤Gとに水平横方向への揺動と首振り運動可能とされている。
【0022】
つづいて、連結装置Jの各部について説明する。連結装置Jは、図1および図3に示すように、図中でダンパDの軸線を中心として上下に対称な構造となっており、ロッド1と、ロッド1に設けられた伸側ストッパ2および縮側ストッパ3と、ロッド1に対してロッド1の軸方向への移動が可能なストッパ対向部材4と、中立復帰ばね5とを備えて構成されている。
【0023】
ロッド1は、一対の軸1a,1aを備えている。軸1a,1aは、共に円柱状であって、反ダンパ側端に装着される縮側ストッパ3によって互いに離間した位置に並列配置された状態で連結されている。また、各軸1a,1aのダンパ側端には、それぞれ軸1aよりも大径の円盤状の伸側ストッパ2が取付られている。
【0024】
なお、軸1a,1aは、ストッパ対向部材4による軸方向への移動の案内を容易とするため、円柱状或いは円筒状とされるとよいが、外周形状はこれに限られない。
【0025】
縮側ストッパ3は、プレート状とされて地盤Gに設けた取付部Bgに固定的に取付けられており、両端には、ロッド1を構成する軸1a,1aが連結されている。よって、縮側ストッパ3は、本例では、軸1a,1aを連結する役割を果たしている。ロッド1は、三つ以上の軸で構成される場合、縮側ストッパ3は、各軸が並列した状態であって同一円周上で等間隔に配置されるように各軸に連結できる形状とされればよく、たとえば、円盤状等とされればよい。なお、ロッド1は、一つの軸のみで構成されていてもよい。他方の伸側ストッパ2は、本例では、各軸1a,1aよりも大径の円盤状とされているが、形状は任意である。
【0026】
ストッパ対向部材4は、伸側ストッパ2に対向する伸側対向部材6と、伸側対向部材6からロッド1における軸方向で離間した位置に設けられて縮側ストッパ3に対向する縮側対向部材7と、伸側対向部材6と縮側対向部材7とを連結する連結部8と、伸側対向部材6に設けた取付部としてのブラケット9とを備えて構成されている。
【0027】
ブラケット9は、ダンパDのブラケット23における球体に設けた孔に挿通されるピンPgと、ピンPgの両端を支持する一対の支持片9a,9aとを備えて構成されている。また、連結装置Jの縮側ストッパ3は、地盤Gの取付部Bgに固定的に取付けられる。よって、ダンパDは、連結装置Jに設けたピンPgを中心として地盤Gに対して図2中手前奥行方向(紙面を貫く方向)となる水平横方向とブラケット23の球体を中心とした首振り運動が可能である。
【0028】
伸側対向部材6は、縮側対向部材7よりもダンパ側に配置されており、図3に示すように、両端にロッド1の軸1a,1aの挿通を許容する孔6b,6bを有するプレート6aと、プレート6aの反ダンパ側にそれぞれ重ねられて螺子締結されるとともに内方が孔6bに連通される一対の環状のスペーサ6cと、プレート6aのダンパ側にそれぞれ重ねられて螺子締結され内方が孔6bに連通される一対の環状の抜け止め6dと、プレート6aの孔6b、スペーサ6cおよび抜け止め6d内に嵌合される筒状の伸側軸受6eとを備えて構成されている。抜け止め6dは、ダンパ側に内周側に突出するフランジを備えており、伸側軸受6eのダンパ側への抜けが防止されている。なお、プレート6a、スペーサ6cおよび抜け止め6dは、別部品ではなく一体化した一部品で構成されてもよいが、機械加工で伸側対向部材6を形成する場合に加工が容易となる。
【0029】
さらに、伸側対向部材6は、抜け止め6dに伸側ストッパ2に軸方向で対向するストッパゴム6fを備えている。そして、伸側対向部材6は、ロッド1に対して軸方向に図3中で左側であるダンパ側へ変位していくと、やがては、ストッパゴム6fが伸側ストッパ2に衝合し、ロッド1の反ダンパ側への移動を規制する。
【0030】
縮側対向部材7は、伸側対向部材6よりも反ダンパ側に配置されており、図3に示すように、両端にロッド1の軸1a,1aの挿通を許容する孔7b,7bを有するプレート7aと、プレート7aのダンパ側にそれぞれ重ねられて螺子締結されるとともに内方が孔7bに連通される一対の環状のスペーサ7cと、プレート7aの反ダンパ側にそれぞれ重ねられて螺子締結され内方が孔7bに連通される一対の環状の抜け止め7dと、プレート7aの孔7b、スペーサ7cおよび抜け止め7d内に嵌合される筒状の縮側軸受7eとを備えて構成されている。抜け止め7dは、ダンパ側に内周側に突出するフランジを備えており、縮側軸受7eの反ダンパ側への抜けが防止されている。なお、プレート7a、スペーサ7cおよび抜け止め7dは、別部品ではなく一体化した一部品で構成されてもよいが、機械加工で縮側対向部材7を形成する場合に加工が容易となる。
【0031】
さらに、縮側対向部材7は、プレート7aの反ダンパ側に縮側ストッパ3に軸方向で対向するストッパゴム7fを備えている。そして、縮側対向部材7は、ロッド1に対して軸方向に図3中で右側である反ダンパ側へ変位していくと、やがては、ストッパゴム7fが縮側ストッパ3に衝合してロッド1の反ダンパ側への移動を規制する。なお、本例では、伸側軸受6eおよび縮側軸受7eの外径は、共に同径とされている。
【0032】
連結部8は、伸側対向部材6のスペーサ6cと縮側対向部材7のスペーサ7cとに溶接にて接続されるとともにロッド1の軸1aの外周を覆う一対のパイプ8aと、伸側対向部材6のプレート6aと縮側対向部材7のプレート7aとパイプ8a,8aに溶接にて接続される十字状の鋼材でなる補強部材8bとで構成されている。このように、伸側対向部材6と縮側対向部材7は、連結部8によってロッド1の軸方向にて所定の間隔を空けて一体化されている。また、連結部8がロッド1の軸1aの外周を覆うパイプ8aを備えているので、軸1aの外周に塵や埃の付着が防止されるとともに、伸側対向部材6と縮側対向部材7との間から軸1aの軸方向移動を円滑にするための潤滑油やグリスの外部への漏洩も防止される。
【0033】
また、ロッド1の各軸1aには、それぞれ、筒状の伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11とが摺動自在に装着されている。伸側ブッシュ10は、軸1aの縮側ブッシュ11よりダンパ側に装着されており、軸1aの外周に摺動自在に装着される筒部10aと、筒部10aの反ダンパ側となる図3中右端の外周に設けたフランジ状の伸側ブッシュ規制部10bとを備えている。また、伸側ブッシュ10における筒部10aは、伸側対向部材6における伸側軸受6e内に摺動自在に挿入されており、伸側ブッシュ規制部10bは、外径が伸側軸受6eの外径より小径となっており伸側対向部材6よりも反ダンパ側に配置されている。そして、伸側ブッシュ規制部10bは、図3中左端が伸側対向部材6における伸側軸受6eに当接すると、伸側ブッシュ10は、伸側対向部材6によって、それ以上、ダンパ側となる図3中左方への移動が規制され、縮側ブッシュ11からの離間が規制される。伸側ブッシュ規制部10bと伸側軸受6eとが接触している際に、伸側軸受6eに伸側ブッシュ規制部10bからダンパ側へ押す力が作用しても抜け止め6dによって伸側軸受6eのダンパ側への抜けが防止される。なお、伸側ブッシュ規制部10bは、伸側ブッシュ10の前記移動を規制できれば、フランジ状でなくともよく、形状および構造は任意に設計できる。また、伸側ブッシュ10の内周には、軸1aの外周に摺接するシールリング10cが装着されており、伸側ブッシュ10と軸1aとの間から軸1aの外周を潤滑する潤滑油あるいはグリスの漏洩が防止される。さらに、伸側軸受6eの内周にも伸側ブッシュ10の外周に摺接するシールリング6gが装着されており、伸側軸受6eと伸側ブッシュ10との間から伸側ブッシュ10の外周を潤滑する潤滑油あるいはグリスの漏洩が防止される。
【0034】
縮側ブッシュ11は、軸1aの伸側ブッシュ10より反ダンパ側に装着されており、軸1aの外周に摺動自在に装着される筒部11aと、筒部11aのダンパ側となる図3中左端の外周に設けたフランジ状の縮側ブッシュ規制部11bとを備えている。また、縮側ブッシュ11における筒部11aは、縮側対向部材7における縮側軸受7e内に摺動自在に挿入されており、縮側ブッシュ規制部11bは、外径が縮側軸受7eの外径より小径となっており縮側対向部材7よりもダンパ側に配置されている。そして、縮側ブッシュ規制部11bの図3中右端が縮側対向部材7における縮側軸受7eに当接すると、縮側ブッシュ11は、縮側対向部材7によって、それ以上、ダンパ側への移動が規制され、伸側ブッシュ10からの離間が規制される。縮側ブッシュ規制部11bと縮側軸受7eとが接触している際に、縮側軸受7eに縮側ブッシュ規制部11bから反ダンパ側へ押す力が作用しても抜け止め7dによって縮側軸受7eの反ダンパ側への抜けが防止される。なお、縮側ブッシュ規制部11bは、縮側ブッシュ11の前記移動を規制できれば、フランジ状でなくともよく、形状および構造は任意に設計できる。また、縮側ブッシュ11の内周には、軸1aの外周に摺接するシールリング11cが装着されており、縮側ブッシュ11と軸1aとの間から軸1aの外周を潤滑する潤滑油あるいはグリスの漏洩が防止される。さらに、縮側軸受7eの内周にも縮側ブッシュ11の外周に摺接するシールリング7gが装着されており、縮側軸受7eと縮側ブッシュ11との間から縮側ブッシュ11の外周を潤滑する潤滑油あるいはグリスの漏洩が防止される。
【0035】
このように、伸側ブッシュ10が伸側対向部材6の伸側軸受6e内に摺動自在に挿入され、縮側ブッシュ11が縮側対向部材7の縮側軸受7e内に摺動自在に挿入される。
【0036】
さらに、ロッド1における軸1aが伸側ブッシュ10および縮側ブッシュ11内に摺動自在に挿入されている。よって、ロッド1は、ストッパ対向部材4によって軸方向の移動が案内されてストッパ対向部材4に対して軸方向へ相対移動できる。また、本例では、ストッパ対向部材4が伸側対向部材6と伸側対向部材6から軸方向に離間した縮側対向部材7を備えて両者でロッド1の軸方向の移動を案内するので、ロッド1とストッパ対向部材4は、互いに軸ぶれせずに円滑に軸方向へ相対移動できる。なお、軸1aの設置数に応じて、ストッパ対向部材4を構成する伸側対向部材6および縮側対向部材7にそれぞれ対応する数の軸受6e,7e或いは軸1aの挿通を許容する孔を設ければよい。
【0037】
さらに、本例では、ロッド1が複数の軸1aで構成されて、ストッパ対向部材4によって軸方向移動が案内されるとともに回り止めされるので、ロッド1の回転が阻止される。
【0038】
そして、軸1aの外周であって伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11との間には中立復帰ばね5が介装されている。中立復帰ばね5は、本例では、コイルばねとされており、伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11とを離間させる方向へ付勢している。また、中立復帰ばね5は、外径が伸側軸受6eおよび縮側軸受7eよりも小径とされている。なお、中立復帰ばね5の付勢力は、ロッド1のストッパ対向部材4に対する軸方向の相対移動を妨げる摩擦力と、ダンパDが自身の伸縮を妨げる摩擦力との合力よりも大きくしてある。本例では、軸1aと伸側ブッシュ10との間、伸側ブッシュ10と伸側対向部材6との間、軸1aと縮側ブッシュ11との間、縮側ブッシュ11と縮側対向部材7との間のそれぞれで摩擦が発生する。また、シリンダ20に対してピストンロッド21が出入りする際にも、図示はしないが、ピストンロッド21を軸支するロッドガイドとの間やピストンとピストンが摺接して作動室を形成する部品との間で摩擦が発生する。よって、中立復帰ばね5の付勢力は、前記各所で生じる摩擦力を考慮して設定される。
【0039】
ここで、伸側ブッシュ規制部10bを伸側対向部材6に当接させるとともに、縮側ブッシュ規制部11bを縮側対向部材7に当接させると、筒部10aの図3中左端が伸側ストッパ2に当接し、筒部11aの図3中右端が縮側ストッパ3に当接するようになっている。そして、伸側ブッシュ規制部10bを伸側対向部材6に当接させるとともに縮側ブッシュ規制部11bを縮側対向部材7に当接させると、ストッパ対向部材4を伸側ストッパ2と縮側ストッパ3との間の中立位置に位置決めできるようになっている。ストッパ対向部材4が中立位置に位置決めされると、前記中立位置から伸側対向部材6と伸側ストッパ2とが接触するまでの距離と、前記中立位置から縮側対向部材7と縮側ストッパ3とが接触するまでの距離とが等しくなる。つまり、両ブッシュ10,11を最大限離間させるとストッパ対向部材4をストローク中心である中立位置へ位置決めできる。
【0040】
そして、中立復帰ばね5を伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11との間に介装すると、伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11とが離間する方向へ付勢される。さらに、中立復帰ばね5の付勢力は、前述のように設定されている。そのため、中立復帰ばね5は、弾発力を発揮して、伸側ブッシュ10を伸側ブッシュ規制部10bが伸側対向部材6に当接する位置へ位置決め、縮側ブッシュ11を縮側ブッシュ規制部11bが縮側対向部材7に当接する位置へ位置決める。よって、中立復帰ばね5は、ストッパ対向部材4を伸側ストッパ2と縮側ストッパ3との間で、ストローク中心である中立位置へ位置決めできる。なお、中立復帰ばね5は、伸側ブッシュ規制部10bが伸側軸受6eに接触中は伸側軸受6eを抜け止め6dに向けて付勢し、縮側ブッシュ規制部11bが縮側軸受7eに接触中は縮側軸受7eを抜け止め7dに向けて付勢する。よって、伸側軸受6eの反ダンパ側への抜け止めと縮側軸受7eのダンパ側への抜け止めを設けなくとも不都合はないが、このような抜け止めを設けてもよい。
【0041】
このように構成された連結装置Jは、以下のように作動する。まず、地震動によって地盤G側から連結装置Jのロッド1を図3中右方へ移動させる振動が入力される場合について説明する。振動の振幅が小さく、ストッパ対向部材4における縮側対向部材7が縮側ストッパ3に当接しない場合、ロッド1に対してストッパ対向部材4に対するダンパ側への移動が許容される。このような状況では、連結装置Jは、ロッド1がストッパ対向部材4に対して移動するため収縮でき、地盤Gの構造物Sに対する変位を吸収するので、ダンパD側へ振動が入力されない。よって、ダンパDは、減衰力を発揮せず、連結装置Jが中立復帰ばね5の圧縮による反力を発揮するのみとなる。
【0042】
図4に示すように、入力振動の振幅が大きく、ストッパ対向部材4における縮側対向部材7が縮側ストッパ3に当接すると、ロッド1のストッパ対向部材4に対するダンパ側への移動が規制される。ストッパ対向部材4から見れば、ロッド1に対して連結装置Jの収縮方向への移動が規制される。このように縮側対向部材7が縮側ストッパ3に当接してからさらに、ロッド1がダンパ側へ変位しようとするとストッパ対向部材4もロッド1と共に変位するので、ダンパDが押し縮められて減衰力を発揮するようになる。なお、ブラケット9或いはダンパDのブラケット23は、ダンパDの揺動および首振り運動の可動範囲を制限するようになっており、ダンパDが最収縮して揺動および首振り運動しても伸側ストッパ2がシリンダ20と接触しないように配慮されている。
【0043】
他方、地震動によって地盤G側から連結装置Jのロッド1を図1中左方へ移動させる振動が入力される場合について説明する。振動の振幅が小さく、ストッパ対向部材4における伸側対向部材6が伸側ストッパ2に当接しない場合、ロッド1のストッパ対向部材4に対する反ダンパ側への移動が許容される。このような状況では、連結装置Jは、ロッド1がストッパ対向部材4に対して移動して伸長でき、地盤Gの構造物Sに対する変位を吸収するので、ダンパD側へ振動が入力されない。よって、ダンパDは、減衰力を発揮せず、連結装置Jが中立復帰ばね5の圧縮による反力を発揮するのみとなる。
【0044】
図5に示すように、入力振動の振幅が大きく、ストッパ対向部材4における伸側対向部材6が伸側ストッパ2に当接すると、ロッド1のストッパ対向部材4に対する反ダンパ側への移動が規制される。ストッパ対向部材4から見れば、ロッド1に対して連結装置Jの伸長方向への移動が規制される。このように伸側対向部材6が伸側ストッパ2に当接してからさらに、ロッド1が反ダンパ側へ変位しようとするとストッパ対向部材4もロッド1と共に変位するので、ダンパDが引き伸ばされて減衰力を発揮するようになる。
【0045】
このように本発明の連結装置Jは、小振幅の振動に対しては地盤Gの構造物Sに対する変位を吸収してダンパDを伸縮させないので、ダンパDに減衰力を発揮させず、大振幅の振動に対してはダンパDを伸縮せしめてダンパDに減衰力を発揮させる。したがって、本発明の連結装置Jによれば、小規模地震に対してはダンパDに減衰力を発揮させず免震支承装置Mの振動絶縁性を阻害せず、大規模地震に対してはダンパDに減衰力を発揮させて構造物Sの地盤Gに対する変位を抑制して構造物Sの免震支承装置Mからの脱落や擁壁への衝突を回避できる。
【0046】
さらに、本例の連結装置Jでは、ストッパ対向部材4を伸側ストッパ2と縮側ストッパ3の間であって中立位置に位置決める中立復帰ばね5を備えているので、地震発生後に自動的にストッパ対向部材4が中立位置に復帰する。よって、地震発生後にストッパ対向部材4を中立位置へ手動で移動させる必要がない。また、ストッパ対向部材4が中立位置から偏心した位置に停止して、そのままの状態となって小振幅の振動の入力でダンパDが減衰力を発揮してしまう危惧もない。したがって、小規模地震の入力時にダンパDの減衰力の発揮を効果的に防止できる。
【0047】
そして、本発明の連結装置Jは、大規模地震の発生によってダンパDを地盤Gに固定する機構を備えておらず、大規模地震が発生した後も何ら作業をせずとも小規模地震の入力に対して減衰力を発揮しない状態を維持できる。よって、大規模地震終息後に固定を解除するメンテナンス作業が不要であり、地震の発生を検知して電動でダンパDに減衰力を発揮させるシステムも要しない。
【0048】
以上より、本発明の連結装置Jによれば、大規模地震発生後のメンテナンス作業が不要でコストの増大を招かずに、小規模地震に対してはダンパDに減衰力を発揮させず大規模地震に対してはダンパDに減衰力を発揮させ得る。
【0049】
また、連結装置Jは、機構がシンプルであるから点検も容易である。さらに、連結装置Jは、通常のダンパDに取付け可能であるから既存の構造物Sの耐震改修にも利用できる。そしてさらに、連結装置Jは、電力の供給を受けずに動作可能であるから、電力供給が必要な連結装置に比較して、ランニングコストが低いだけでなく作動信頼性も高くなる。
【0050】
なお、本例では、連結装置Jに縮側ストッパ3を設けているが、ロッド1の軸1aを直接に地盤Gに設けた取付部Bgに取付けて、ロッド1がダンパD側へ変位した際に縮側対向部材7を取付部Bgに当接させてロッド1のストッパ対向部材4に対するダンパ側への変位を規制してもよい。つまり、取付部Bgを縮側ストッパとして利用してもよく、その場合、縮側ストッパ3を省略してもよい。なお、連結装置Jは、縮側ストッパ3を備える場合、ストッパ対向部材4に設けていたブラケット9を縮側ストッパ3に設けてロッド1をダンパDに連結し、取付部Bgを介してストッパ対向部材4を地盤Gに取付けるようにしてもよい。つまり、取付部は、ストッパ対向部材4をダンパDへ取付けるように設置されてもよいし、ロッド1をダンパDへ取付けるように設置されてもよい。
【0051】
なお、本例の連結装置Jでは、ストッパ対向部材4は、伸側対向部材6と縮側対向部材7と連結部8を備えて構成されているが、図6に示すように、一つの対向部材15を伸側ストッパ2と縮側ストッパ3の双方に対向させるようにしてもよい。この場合、中立復帰ばね16,17は、伸側ストッパ2の端部に設けたフランジ状のばね受2aと対向部材15との間と、縮側ストッパ3に設けた環状凹部3aと対向部材15との間とに設ければよい。また、ブラケット9は、対向部材15に直接装着すればよいが、長さが足りない場合には対向部材15に取付軸を設けて取付軸を介して装着すればよい。このようにしても、ストッパ対向部材4における対向部材15が伸側ストッパ2と当接するとロッド1のストッパ対向部材4に対する反ダンパ側への移動を規制できる。また、対向部材15が縮側ストッパ3と当接するとロッド1のストッパ対向部材4に対するダンパ側への移動を規制できる。よって、このように構成された連結装置Jにあっても本発明の効果を発揮できる。また、伸側ストッパ2と縮側ストッパ3とは、同一軸線上に並べて配置されずとも良く、伸側ストッパ2とストッパ対向部材4との当接によりロッド1のストッパ対向部材4に対する反ダンパ側への移動を規制でき、縮側ストッパ3とストッパ対向部材4との当接によりロッド1のストッパ対向部材4に対するダンパ側への移動を規制できればよい。
【0052】
さらに、本例の連結装置Jでは、伸側ストッパ2に対向する伸側対向部材6と、伸側対向部材6からロッド1の軸方向に離間した位置に設けられて縮側ストッパ3に対向する縮側対向部材7とを有し、ロッド1が伸側対向部材6と縮側対向部材7により二点支持されてロッド1のストッパ対向部材4に対する軸方向移動が案内される。このように連結装置Jが構成されると、ロッド1は軸ぶれせずに円滑にストッパ対向部材4に対して軸方向へ相対移動できる。
【0053】
そして、本例の連結装置Jは、伸側対向部材6がロッド1の挿通を許容する伸側軸受6eを有し、縮側対向部材7がロッド1の挿通を許容する縮側軸受7eを有し、ロッド1の外周に摺動自在に装着されるとともに伸側軸受6eに軸方向移動可能に挿入されて伸側ブッシュ規制部10bを有する伸側ブッシュ10と、ロッド1の外周に摺動自在に装着されるとともに縮側軸受7eに軸方向移動可能に挿入されて縮側ブッシュ規制部11bを有する縮側ブッシュ11と、伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11との間に介装される中立復帰ばね5とを備えている。このように連結装置Jが構成されると、伸側ブッシュ10および縮側ブッシュ11は、中立復帰ばね5とともにストッパ対向部材4を中立位置へ位置決めとロッド1のストッパ対向部材4に対する軸方向移動の案内をする機能のみを担う。したがって、ストッパ対向部材4が伸側ストッパ2或いは縮側ストッパ3に当接してダンパDを伸縮させる際に、伸側ブッシュ10および縮側ブッシュ11には大きな荷重が入力されず、変形などの心配がないので、ロッド1のストッパ対向部材4に対する軸方向の円滑な移動を長期間に亘って保証できる。
【0054】
また、伸側軸受6eおよび縮側軸受7eを用いているので、長期間の使用によって摩耗しても各軸受6e,7eの交換により連結装置Jの初期機能を取り戻せる。さらに、各軸受6e,7eを用いると伸側対向部材6および縮側対向部材7のプレート6a,7a、スペーサ6c,7cおよび抜け止め6d,7dの軸受6e,7eを保持する内周面を滑らかにする加工が不要になる。なお、前記内周面に前記加工を施して軸受6e,7eを廃止して、伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11を直接にプレート6a,7a、スペーサ6c,7cおよび抜け止め6d,7dの内周面に摺接させてもよい。
【0055】
また、本例の連結装置Jでは、中立復帰ばね5がコイルばねであって外径が伸側軸受6eおよび縮側軸受7eよりも小径であって、伸側ブッシュ10における伸側ブッシュ規制部10bは、伸側軸受6eの外径よりも小径とされており、伸側軸受6eに当接するとそれ以上の伸側ブッシュ10の縮側ブッシュ11から離間を規制し、縮側ブッシュ11における縮側ブッシュ規制部11bは、縮側軸受7eの外径よりも小径とされており、縮側軸受7eに当接するとそれ以上の縮側ブッシュ11の伸側ブッシュ10から離間を規制する。このように連結装置Jが構成されると、ロッド1の軸1aにそれぞれ伸側ストッパ2、伸側ブッシュ10、縮側ブッシュ11、伸側軸受6e、縮側軸受7eおよび中立復帰ばね5を装着したアッセンブリ化して、予め組立てておいたストッパ対向部材4へ組付けできるようになる。具体的には、伸側対向部材6については抜け止め6dを組付けておき、アッセンブリ化された軸1aをそれぞれ縮側対向部材7の孔7b、伸側対向部材6の孔6bの順に挿通する。このアッセンブリ化された軸1aの最大外径は伸側軸受6eと圧側軸受7eの外径となるので、アッセンブリ化された軸1aの縮側対向部材7の孔7bおよび伸側対向部材6の孔6bへの挿通が可能となる。そして、このようにアッセンブリ化された軸1aの縮側対向部材7の孔7bおよび伸側対向部材6の孔6bへの挿通の後、縮側対向部材7のプレート7aに抜け止め7dを取付け、さらに、縮側ストッパ3に組付すれば連結装置Jを組立できる。このように軸1aに装着される前記各部品を軸1aにアッセンブリ化でき、予め抜け止め6dを除き、伸側対向部材6、縮側対向部材7、連結部8およびブラケット9を組み立てておいたストッパ対向部材4に組付可能となるので、連結装置Jを容易に組立できる。また、伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11の交換も容易となる。なお、本例では、伸側軸受6eの外径が縮側軸受7eの外径が同径であるので、抜け止め6dの代わりに抜け止め7dを後から組付けるようにして、アッセンブリ化された軸1aを縮側対向部材7の孔7bから挿通して伸側対向部材6の孔6bへ挿通する手順も採用できる。アッセンブリ化された軸1aの両方向からの組付が不要であれば、伸側軸受6eと圧側軸受7eの外径を必ずしも同径とする必要はないが、同径に設定すると両方向からの組付が可能となるともに、誤組立の防止も可能となる。
【0056】
また、本例では、伸側ブッシュ規制部10bがフランジ状であって外径が伸側軸受6eの外径より小径で、縮側ブッシュ規制部11bがフランジ状であって外径が縮側軸受7eの外径より小径とされている。組立および伸側ブッシュ10と縮側ブッシュ11の交換を容易にするには、伸側ブッシュ規制部10bが軸方向から見て伸側軸受6eの外径の範囲内に収まる形状であり、縮側ブッシュ規制部11bが軸方向から見て縮側軸受7eの外径の範囲内に収まる形状とされればよい。
【0057】
さらに、本例の連結装置Jでは、ロッド1が列配置されるとともにストッパ対向部材4によって軸方向へ移動が案内される複数の軸1aを備えているので、ロッド1が回り止めされてロッド1の軸周りの回転が阻止され、別途に回り止めを設ける必要が無くなる。また、連結装置Jに曲げ荷重が作用しても、ロッド1が複数の軸1aで構成されているので、高い曲げ剛性を発揮でき強度面でも有利となる。
【0058】
また、本例の連結装置Jでは、ストッパゴム6f,7fを備えており、これらストッパゴム6f,7fが外部からアクセスしやすい箇所に設けられていて交換が容易であるから、連結装置Jの最伸長時と最収縮時の剛性調整も容易となる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・ロッド、1a・・・軸、2・・・伸側ストッパ、3・・・縮側ストッパ、4・・・ストッパ対向部材、5・・・中立復帰ばね、6・・・伸側対向部材、6e・・・伸側軸受、7・・・縮側対向部材、7e・・・縮側軸受、9・・・ブラケット(取付部)、10・・・伸側ブッシュ、10b・・・伸側ブッシュ規制部、11・・・縮側ブッシュ、11b・・・縮側ブッシュ規制部、J・・・連結装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6