(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ実施形態の記憶装置を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の記憶装置は、第1の方向に伸長する第1の導電層と、第1の方向に伸長する第2の導電層と、第1の方向に交差する第2の方向に伸長し、少なくとも一部が第1の導電層と第2の導電層との間に位置する第3の導電層と、第2の方向に伸長し、少なくとも一部が第1の導電層と第2の導電層との間に位置する第4の導電層と、第3の導電層の第1の端部と第4の導電層の第1の端部とを接続する第1の接続部と、第1の導電層と第3の導電層との間に設けられた第1の抵抗変化層と、を備える。
【0010】
図1は、第1の実施形態の記憶装置のブロック図である。
図2は、第1の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイの等価回路図である。
図2は、メモリセルアレイ内の配線構造を模式的に示す。
【0011】
第1の実施形態の記憶装置100は、抵抗変化型メモリ(Resistive Random Access Memory(ReRAM))である。第1の実施形態のメモリセルアレイは、メモリセルが立体的に配置された三次元構造を備える。三次元構造を備えることにより、記憶装置100の集積度が向上する。
【0012】
図1に示すように、記憶装置100は、メモリセルアレイ101、ワード線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、及び、制御回路106を備える。
【0013】
また、
図2に示すように、メモリセルアレイ101内には、複数のメモリセルMCが立体的に配置される。
図2中、破線で囲まれた領域が1個のメモリセルMCに対応する。
【0014】
メモリセルアレイ101は、例えば、複数のワード線WL(WL11、WL12、WL13、WL21、WL22、WL23)と複数のローカルビット線LBL(LBL11、LBL12、LBL21、LBL22)を備える。ワード線WLはx方向に伸長する。ローカルビット線LBLはz方向に伸長する。
【0015】
各ローカルビット線LBLはメモリセルアレイ101の上部で折り返す構造を有する。以下、メモリセルを有する部分をメモリビット線MBL、メモリセルを有さず接続配線として機能している部分を接続ビット線CBL、メモリセルアレイ101の上部でメモリビット線MBLと接続ビット線CBLとを接続する部分を接続部CPと称する。例えば、ローカルビット線LBL11は、
図2に示すように、メモリビット線MBL11、接続ビット線CBL11、接続部CP11を備える。
【0016】
ワード線WLとメモリビット線MBLは垂直に交差する。ワード線WLと接続ビット線CBLは垂直に交差する。ワード線WLとメモリビット線MBLの交差部に、メモリセルMCが配置される。ワード線WLとメモリビット線MBLの交差部に、抵抗変化層が存在する。
【0017】
ワード線WL11が第1の導電層、ワード線WL12が第2の導電層、メモリビット線MBL11が第3の導電層、接続ビット線CBL11が第4の導電層、メモリビット線MBL21が第5の導電層、接続ビット線CBL21が第6の導電層、接続部CP11が第1の接続部、接続部CP21が第2の接続部の具体例である。また、x方向が第1の方向、y方向が第3の方向、z方向が第2の方向の具体例である。x方向、y方向、z方向は、それぞれ直交する。
【0018】
複数のワード線WLは、ローデコーダ回路103に電気的に接続される。複数のローカルビット線LBLは、センスアンプ回路104に接続される。複数のローカルビット線LBLとセンスアンプ回路104との間には選択トランジスタST(ST11、ST21、ST12、ST22)とグローバルビット線GBL(GBL1、GBL2)が設けられる。選択トランジスタSTは所望のローカルビット線LBLを選択する機能を有する。
【0019】
ローデコーダ回路103は、入力されたローアドレス信号に従ってワード線WLを選択する機能を備える。ワード線ドライバ回路102は、ローデコーダ回路103によって選択されたワード線WLに所定の電圧を印加する機能を備える。
【0020】
カラムデコーダ回路105は、入力されたカラムアドレス信号に従ってローカルビット線LBLを選択する機能を備える。センスアンプ回路104は、カラムデコーダ回路105によって選択されたローカルビット線LBLに所定の電圧を印加する機能を備える。また、センスアンプ回路104は、選択されたワード線WLと選択されたローカルビット線LBLとの間に流れる電流を検知して増幅する機能を備える。
【0021】
制御回路106は、ワード線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、及び、図示しないその他の回路を制御する機能を備える。
【0022】
ワード線ドライバ回路102、ローデコーダ回路103、センスアンプ回路104、カラムデコーダ回路105、制御回路106などの回路は、電子回路である。例えば、図示しない半導体層を用いたトランジスタや配線層によって構成される。
【0023】
図3(a)、
図3(b)は、第1の実施形態の記憶装置100のメモリセルアレイ101の模式断面図である。
図3(a)は、メモリセルアレイ101のxy断面図である。
図3(b)は、メモリセルアレイ101のxz断面図である。
図3(a)は、
図3(b)のBB’断面図、
図3(b)は
図3(a)のAA’断面図である。
図3(a)中の破線で囲まれた領域が、メモリセルの1ユニットセルに相当する。
【0024】
図4は、第1の実施形態の記憶装置100のメモリセルアレイ101の模式上面図である。
図4は、
図3(b)を上から見た図である。
【0025】
メモリセルアレイ101は、ワード線WL11(第1の導電層)、ワード線WL12(第2の導電層)、ワード線WL13、メモリビット線MBL11(第3の導電層)、メモリビット線MBL21(第5の導電層)、メモリビット線MBL31、接続ビット線CBL11(第4の導電層)、接続ビット線CBL21(第6の導電層)、接続ビット線CBL31、接続部CP11(第1の接続部)、接続部CP21(第2の接続部)、接続部CP31を備える。また、メモリセルアレイ101は、抵抗変化層12、側壁絶縁層16(絶縁層)、層間絶縁層18、層間絶縁層20、ストッパ膜22を備える。また、メモリセルアレイ101は、ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38を備える。
【0026】
以下、ワード線WL11(第1の導電層)、ワード線WL12(第2の導電層)、ワード線WL13などの総称として、単にワード線WLと記述する場合がある。また、メモリビット線MBL11(第3の導電層)、メモリビット線MBL21(第5の導電層)、メモリビット線MBL31などの総称として、単にメモリビット線MBLと記述する場合がある。また、接続ビット線CBL11(第4の導電層)、接続ビット線CBL21(第6の導電層)、接続ビット線CBL31などの総称として、単に接続ビット線CBLと記述する場合がある。また、接続部CP11(第1の接続部)、接続部CP21(第2の接続部)、接続部CP31などの総称として、単に接続部CPと記述する場合がある。
【0027】
ワード線WLは、導電層である。ワード線WLは、x方向に伸長する。
【0028】
ワード線WLは、例えば、金属層である。ワード線WLは、例えば、タングステン(W)、又は、窒化チタン(TiN)である。ワード線WLは、その他の金属、金属半導体化合物、又は、半導体などの導電性材料で形成されても構わない。
【0029】
メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、導電層である。メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、z方向に伸長する。メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、少なくとも一部が2本のワード線の間に位置する。例えば、メモリビット線MBL11及び接続ビット線CBL11の少なくとも一部は、ワード線WL11とワード線WL12との間に位置する。
【0030】
メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、例えば、金属層である。メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、例えば、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、又は、銅(Cu)である。メモリビット線MBL及び接続ビット線CBLは、その他の金属、金属半導体化合物、又は、半導体などの導電性材料で形成されても構わない。
【0031】
接続部CPは、メモリビット線MBLと接続ビット線CBLを接続する。接続部CPは、メモリビット線MBLの第1の端部と接続ビット線CBLの第1の端部を接続する。接続部CPは、メモリビット線MBLの第1の端部と接する。接続部CPは、接続ビット線CBLの第1の端部と接する。接続部CPは、メモリビット線MBLと接続ビット線CBLを電気的に接続する。
【0032】
接続部CPは、例えば、金属層である。接続部CPは、例えば、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、又は、銅(Cu)である。接続部CPは、その他の金属、金属半導体化合物、又は、半導体などの導電性材料で形成されても構わない。
【0033】
なお、
図3(b)において、メモリビット線MBLの上側の端部を第1の端部、下側の端部を第2の端部と称する。また、
図3(b)において、接続ビット線CBLの上側の端部を第1の端部、下側の端部を第2の端部と称する。
【0034】
メモリビット線MBL、接続部CP、及び、接続ビット線CBLが1本のローカルビット線LBLを構成する。例えば、メモリビット線MBL11、接続部CP11、接続ビット線CBL11が1本のローカルビット線LBL11(
図2参照)を構成する。
【0035】
ローカルビット線LBLは、2本のワード線WLの間に、x方向に一定のピッチで設けられる。例えば、メモリビット線MBL21及び接続ビット線CBL21の少なくとも一部は、ワード線WL11とワード線WL12との間に位置する。メモリビット線MBL11とメモリビット線MBL21との間に、接続ビット線CBL11が設けられる。接続ビット線CBL11と接続ビット線CBL21との間に、メモリビット線MBL21が設けられる。
【0036】
ワード線WLのy方向のピッチは、例えば、50nm以上200nm以下である。ローカルビット線LBLのx方向のピッチは、例えば、50nm以上200nm以下である。
【0037】
抵抗変化層12は、メモリビット線MBLを囲んで設けられる。抵抗変化層12は、ワード線WLとメモリビット線MBLとの間に設けられる。抵抗変化層12(第1の抵抗変化層)は、例えば、ワード線WL11とメモリビット線MBL11との間に設けられる。抵抗変化層12(第2の抵抗変化層)は、例えば、ワード線WL11とメモリビット線MBL21との間に設けられる。
【0038】
抵抗変化層12は、第1の領域12aと第2の領域12bとを有する。第1の領域12aは、例えば、ワード線WL11とメモリビット線MBL11との間に設けられる。第2の領域12bは、ワード線WL12とメモリビット線MBL11との間に設けられる。第1の領域12aと第2の領域12bは、連続している。
【0039】
抵抗変化層12は、抵抗状態の変化によってデータを記憶する機能を備える。また、抵抗変化層12は、電圧又は電流の印加によってデータの書き換えが可能である。抵抗変化層12は、電圧又は電流の印加によって高抵抗状態(リセット状態)と抵抗状態(セット状態)との間を遷移する。例えば、高抵抗状態をデータ“0”、低抵抗状態をデータ“1”と定義する。メモリセルMCは“0”と“1”の1ビットデータを記憶する。
【0040】
抵抗変化層12は、抵抗状態の変化によってデータを記憶する機能を有する材料であれば、特に、限定されるものではない。抵抗変化層12は、例えば、金属酸化物である。抵抗変化層12は、例えば、異なる2種の金属酸化物の積層膜である。
【0041】
側壁絶縁層16は、接続ビット線CBLを囲んで設けられる。側壁絶縁層16は、接続ビット線CBLとワード線WLとの間に設けられる。側壁絶縁層16は、接続ビット線CBLとメモリビット線MBLとの間に設けられる。側壁絶縁層16は、接続ビット線CBLと抵抗変化層12との間に設けられる。
【0042】
側壁絶縁層16は、酸化物又は酸窒化物である。側壁絶縁層16は、例えば、酸化シリコンである。
【0043】
ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38は、ワード線WL、メモリビット線MBL、及び、接続ビット線CBLの下側に設けられる。ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38は、選択トランジスタSTを構成する。
【0044】
選択トランジスタSTは、例えば、SGT(Surrouded Gate Transistor)である。
【0045】
ドレイン電極30は、例えば、金属である。ドレイン電極30は、y方向に伸長する。ドレイン電極30は、グローバルビット線GBLである。
【0046】
半導体層32は、ドレイン電極30と接続ビット線CBLの第2の端部との間に設けられる。半導体層32は、例えば、ドレイン電極30と接続ビット線CBL11の第2の端部との間に設けられる。半導体層32は、例えば、多結晶シリコンである。
【0047】
ソース電極34は、半導体層32と接続ビット線CBLの第2の端部との間に設けられる。ソース電極34は、接続ビット線CBLの第2の端部に電気的に接続される。ソース電極34は、例えば、接続ビット線CBL11の第2の端部に電気的に接続される。
【0048】
ゲート電極36は、例えば、金属、金属半導体化合物、又は、半導体である。ゲート電極36は、例えば、窒化チタン(TiN)である。ゲート電極36は、x方向に伸長する。
【0049】
ゲート絶縁膜38は、半導体層32とゲート電極36の間に設けられる。ゲート絶縁膜38は、酸化物又は酸窒化物である。ゲート絶縁膜38は、例えば、酸化シリコンである。
【0050】
ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38は、層間絶縁層18又は層間絶縁層20の中に設けられる。層間絶縁層18及び層間絶縁層20は、例えば、酸化シリコンである。
【0051】
ストッパ膜22は、層間絶縁層20と抵抗変化層12との間、層間絶縁層20と側壁絶縁層16との間に設けられる。ストッパ膜22は、例えば、窒化物である。ストッパ膜22は、例えば、窒化シリコン膜である。
【0053】
まず、図示しない基板上に、公知のプロセス技術を用いて、選択トランジスタSTを形成する。選択トランジスタSTは、ドレイン電極30、半導体層32、ソース電極34、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38を有する。選択トランジスタSTは、層間絶縁層18又は層間絶縁層20の中に設けられる。
【0054】
次に、層間絶縁層20及びソース電極34の上にストッパ膜22を形成する。次に、ストッパ膜22の上に、絶縁膜50と導電膜52を交互に積層する(
図5(a)、
図5(b))絶縁膜50と導電膜52は、例えば、公知の化学気相成長法(CVD法)により堆積する。
【0055】
次に、絶縁膜50と導電膜52をエッチングして、xz平面に平行な溝を形成する。溝の形成は、例えば、公知のリソグラフィ法と異方性ドライエッチングを用いて行う。絶縁膜50と導電膜52をエッチングする際に、ストッパ膜22でエッチングを止める。導電膜52はパターニングされてワード線WLとなる。
【0056】
次に、溝の中を犠牲膜54で埋め込む(
図6(a)、
図6(b))。犠牲膜54は、例えば、アモルファスシリコンである。犠牲膜54は、例えば、公知のCVD法により堆積する。
【0057】
次に、犠牲膜54をエッチングして、開口部56を形成する(
図7(a)、
図7(b))。犠牲膜54をエッチングする際に、ストッパ膜22でエッチングを止める。開口部56の形成は、例えば、公知のリソグラフィ法と異方性ドライエッチングを用いて行う。
【0058】
次に、開口部56の中に抵抗変化層12を形成する。さらに、導電層を埋め込み、メモリビット線MBLを形成する(
図8(a)、
図8(b))。抵抗変化層12の形成、及び、導電層の埋め込みは、例えば、公知のCVD法により行う。
【0059】
次に、犠牲膜54をエッチングして、開口部58を形成する(
図9(a)、
図9(b))。犠牲膜54をエッチングする際に、ストッパ膜22でエッチングを止める。犠牲膜54のエッチングは、例えば、ウェットエッチングにより行う。
【0060】
次に、開口部58の中に絶縁膜60を堆積する(
図10(a)、
図10(b))。絶縁膜60は、例えば、酸化シリコンである。絶縁膜60は、例えば、公知のCVD法により堆積する。
【0061】
次に、開口部58の底の絶縁膜60を除去する(
図11(a)、
図11(b))。開口部58の底に、ソース電極34が露出する。開口部58の底の絶縁膜60の除去は、異方性ドライエッチングを用いて行う。開口部58の側面には、絶縁膜60が残り側壁絶縁層16が形成される。
【0062】
次に、開口部58内に導電層を埋め込み、接続ビット線CBLを形成する(
図12(a)、
図12(b))。接続ビット線CBLは、ソース電極34と接する。導電層の埋め込みは、例えば、公知のCVD法により行う。
【0063】
その後、導電膜の堆積とパターニングにより、接続部CPを形成する。
【0064】
以上の製造方法により、
図3(a)、
図3(b)、
図4に示す第1の実施形態の記憶装置100のメモリセルアレイ101が製造される。
【0065】
次に、第1の実施形態の記憶装置100の作用及び効果について説明する。
【0066】
抵抗変化型メモリの集積度を上げるためには、メモリセルのサイズを縮小することが望まれる。
【0067】
図13(a)、
図13(b)は、比較形態の記憶装置のメモリセルアレイ901の模式断面図である。
図13(a)は、メモリセルアレイ901のxy断面図である。
図13(b)は、メモリセルアレイ101のxz断面図である。
図13(a)は、
図13(b)のDD’断面図、
図13(b)は
図13(a)のCC’断面図である。
図13(a)中の破線で囲まれた領域が、メモリセルの1ユニットセルに相当する。
【0068】
メモリセルアレイ901は、複数のワード線WL、複数のメモリビット線MBLを備える。また、メモリセルアレイ901は、抵抗変化層12、絶縁層70、保護膜72、層間絶縁層18、層間絶縁層20、ストッパ膜22を備える。また、メモリセルアレイ901は、ドレイン電極30、半導体層32、ソース電極34、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38を備える。
【0069】
比較形態のメモリセルアレイ901は、接続ビット線CBL、及び、接続部CPを備えない点で第1の実施形態のメモリセルアレイ101と異なる。また、メモリビット線MBLと抵抗変化層12との間に、保護膜72を備える点で第1の実施形態と異なる。
【0070】
比較形態のメモリセルアレイ901では、ローカルビット線LBLはメモリビット線MBLのみで構成される。このため、メモリビット線MBLの第2の端部が選択トランジスタSTのソース電極34に接続される。メモリビット線MBLとメモリビット線MBLとの間には、絶縁層70が設けられる。
【0071】
メモリセルアレイ901を製造する際、メモリビット線MBLをソース電極34に接続するために、メモリビット線MBLの形成前にソース電極34の上の抵抗変化層12を除去する必要がある。すなわち、メモリビット線MBL形成用の開口部の底の抵抗変化層12を除去する必要がある。
【0072】
開口部の底の抵抗変化層12の除去は、異方性ドライエッチングを用いて行われる。開口部の底の抵抗変化層12の除去を行う際、開口部の側面の抵抗変化層12をエッチングから保護するため、保護膜72が用いられる。保護膜72は、例えば金属膜である。
【0073】
開口部の底の径は保護膜72を設けることで小さくなる。したがって、メモリビット線MBLとソース電極34との接続部(
図13(b)の破線で囲まれる領域)の面積が小さくなる。よって、メモリビット線MBLとソース電極34との接続不良が生じやすい。
【0074】
また、開口部の底の径が小さくなると、開口部のアスペクト比が大きくなるため、開口部の底の抵抗変化層12及び保護膜72を除去する際のエッチングレートが低下する。したがって、開口部の底の抵抗変化層12及び保護膜72のエッチングが困難となる。この観点からもメモリビット線MBLとソース電極34との接続不良が生じやすい。
【0075】
さらに、抵抗変化層12は、例えば、金属酸化物膜であり、保護膜72は、例えば、金属膜である。金属酸化物膜や金属膜は、例えば、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等に比較してエッチングが困難である。この観点からもメモリビット線MBLとソース電極34との接続不良が生じやすい。
【0076】
比較形態のメモリセルアレイ901では、ローカルビット線LBLとソース電極34との接続不良を抑制する要請が大きく、メモリセルのサイズを縮小することが困難である。メモリセルのx方向及びy方向のいずれの方向を縮小しても、開口部の底の径が小さくなる。
【0077】
図14(a)、
図14(b)は、第1の実施形態の効果及び作用の説明図である。
図14(a)は比較形態のメモリセルアレイ901の模式断面図、
図14(b)は第1の実施形態のメモリセルアレイ101の模式断面図である。
【0078】
第1の実施形態のメモリセルアレイ101では、比較形態のメモリセルアレイ901と異なり、メモリビット線MBLの第2の端部とソース電極34とは接続されない。ソース電極34とローカルビット線LBLとの電気的な接続は、接続ビット線CBLの第2の端部とソース電極34とを接続させることで確保される。接続ビット線CBL形成用の開口部58の底には抵抗変化層12は存在しない(
図10(b)参照)。
【0079】
このため、開口部58の底の絶縁膜60を除去する際に、保護膜72を設ける必要が無い。したがって、接続ビット線CBLとソース電極34との接続部(
図14(b)の破線で囲まれる領域)の面積が大きくなる。よって、接続ビット線CBLとソース電極34との接続不良が生じにくい。
【0080】
また、比較形態のメモリセルアレイ901に比べ、開口部58のアスペクト比が小さくなるため、開口部58の底の絶縁膜60のエッチングレートの低下が抑制される。この観点からも接続ビット線CBLとソース電極34との接続不良が生じにくい。
【0081】
さらに、絶縁膜60は、例えば、エッチングの容易な酸化シリコン膜である。この観点からも接続ビット線CBLとソース電極34との接続不良が生じにくい。
【0082】
第1の実施形態のメモリセルアレイ101では、比較形態のメモリセルアレイ901に比べ、ローカルビット線LBLとソース電極34との接続不良は生じにくくなる。したがって、メモリセルのサイズを縮小することが容易となる。メモリセルのx方向及びy方向のいずれの方向も縮小が可能である。
【0083】
以上、第1の実施形態の記憶装置100では、ローカルビット線LBLを、メモリビット線MBL、接続ビット線CBL、及び、接続部CPで構成する。そして、ローカルビット線LBLと選択トランジスタSTのソース電極34との接続は、接続ビット線CBLとソース電極34とを接続することで確保される。したがって、第1の実施形態の記憶装置100によれば、メモリセルのサイズの縮小が可能な記憶装置を提供できる。
【0084】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の記憶装置は、抵抗変化層は、第2の導電層と第3の導電層との間に設けられ、抵抗変化層は、第1の導電層と第3の導電層との間に位置する第1の領域と、第2の導電層と第3の導電層との間に位置し、第1の領域と分離された第2の領域を有する点で第1の実施形態と異なっている。また、第4の導電層の第1の方向の幅が、第3の導電層の第1の方向の幅よりも広い点で第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する。
【0085】
図15(a)、
図15(b)は、第2の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイ201の模式断面図である。
図15(a)は、メモリセルアレイ201のxy断面図である。
図15(b)は、メモリセルアレイ201のxz断面図である。
図15(a)は、
図15(b)のFF’断面図、
図15(b)は
図15(a)のEE’断面図である。
図15(a)中の破線で囲まれた領域が、メモリセルの1ユニットセルに相当する。
【0086】
メモリセルアレイ201は、ワード線WL11(第1の導電層)、ワード線WL12(第2の導電層)、ワード線WL13、メモリビット線MBL11(第3の導電層)、メモリビット線MBL21(第5の導電層)、メモリビット線MBL31、接続ビット線CBL11(第4の導電層)、接続ビット線CBL21(第6の導電層)、接続ビット線CBL31、接続部CP11(第1の接続部)、接続部CP21(第2の接続部)、接続部CP31を備える。また、メモリセルアレイ201は、抵抗変化層12、側壁絶縁層16、層間絶縁層18、層間絶縁層20、ストッパ膜22を備える。また、メモリセルアレイ201は、ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38を備える。
【0087】
抵抗変化層12は、第1の領域12aと第2の領域12bとを有する。第1の領域12aは、例えば、ワード線WL11とメモリビット線MBL11との間に設けられる。第2の領域12bは、ワード線WL12とメモリビット線MBL11との間に設けられる。第1の領域12aと第2の領域12bは、分離している。メモリビット線MBLと側壁絶縁層16とは接している。
【0088】
また、接続ビット線CBLのx方向の幅が、メモリビット線MBLのx方向の幅よりも広い。例えば、接続ビット線CBL11のx方向の幅(
図15(a)中のw1)は、メモリビット線MBL11のx方向の幅(
図15(a)中のw2)よりも広い。
【0090】
犠牲膜54をエッチングして、開口部58を形成するまでは、第1の実施形態の製造方法と同様である(
図16(a)、
図16(b))。
【0091】
次に、開口部58の中の抵抗変化層12を等方的に除去する(
図17(a)、
図17(b))。メモリビット線MBLの周りの抵抗変化層12の一部が除去され、分離した第1の領域12aと第2の領域12bが形成される。抵抗変化層12の除去は、例えば、ウェットエッチング又は等方性のドライエッチングにより行う。
【0092】
次に、開口部58の中に絶縁膜60を堆積する(
図18(a)、
図18(b))。絶縁膜60は、例えば、酸化シリコンである。絶縁膜60は、例えば、公知のCVD法により堆積する。
【0093】
その後、第1の実施形態の製造方法と同様の製造方法により、
図15(a)、
図15(b)に示す第2の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイ201が製造される。
【0094】
第2の実施形態のメモリセルアレイ201のメモリセルのセルサイズは、第1の実施形態のメモリセルアレイ101のセルサイズと同じである。しかし、接続ビット線CBLのx方向の幅が、メモリビット線MBLのx方向の幅よりも広い。このため、接続ビット線CBLとソース電極34との接続部の面積が大きくなる.したがって、ローカルビット線LBLとソース電極34との接続不良が更に生じにくくなる。
【0095】
また、抵抗変化層12の、第1の領域12aと第2の領域12bとが分離されている。したがって、メモリビット線MBLを共有し、y方向に隣接するメモリセル間のセル干渉が生じにくくなる。
【0096】
以上、第2の実施形態の記憶装置によれば、メモリセルのサイズの縮小が可能な記憶装置を提供できる。さらに、ローカルビット線LBLと選択トランジスタのソース電極34との接続不良が抑制され、かつ、メモリセル間のセル干渉が抑制された記憶装置を提供できる。
【0097】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の記憶装置は、第4の導電層の第1の方向の幅が、第3の導電層の第1の方向の幅と略同一である点で、第2の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態、及び、第2の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
【0098】
図19(a)、
図19(b)は、第3の実施形態の記憶装置のメモリセルアレイ301の模式断面図である。
図19(a)は、メモリセルアレイ301のxy断面図である。
図19(b)は、メモリセルアレイ301のxz断面図である。
図19(a)は、
図19(b)のHH’断面図、
図19(b)は
図19(a)のGG’断面図である。
図19(a)中の破線で囲まれた領域が、メモリセルの1ユニットセルに相当する。
【0099】
メモリセルアレイ301は、ワード線WL11(第1の導電層)、ワード線WL12(第2の導電層)、ワード線WL13、メモリビット線MBL11(第3の導電層)、メモリビット線MBL21(第5の導電層)、メモリビット線MBL31、接続ビット線CBL11(第4の導電層)、接続ビット線CBL21(第6の導電層)、接続ビット線CBL31、接続部CP11(第1の接続部)、接続部CP21(第2の接続部)、接続部CP31を備える。また、メモリセルアレイ301は、抵抗変化層12、側壁絶縁層16、層間絶縁層18、層間絶縁層20、ストッパ膜22を備える。また、メモリセルアレイ301は、ドレイン電極30(第1の電極)、半導体層32、ソース電極34(第2の電極)、ゲート電極36、ゲート絶縁膜38を備える。
【0100】
メモリセルアレイ301は、接続ビット線CBLのx方向の幅が、メモリビット線MBLのx方向の幅と略同一である。例えば、接続ビット線CBL11のx方向の幅(
図19(a)中のw3)は、メモリビット線MBL11のx方向の幅(
図19(a)中のw4)と略同一である。
【0101】
第3の実施形態の記憶装置は、選択トランジスタSTのx方向のピッチ、及び、メモリビット線MBLを形成するためのx方向の開口部のピッチを小さくすることで、第2の実施形態と同様の製造方法で製造することが可能である。
【0102】
第3の実施形態の記憶装置によれば、メモリセルのx方向の長さが短くなる。したがって、メモリセルのサイズが縮小する。
【0103】
以上、第3の実施形態の記憶装置によれば、さらに、メモリセルのサイズの縮小が可能な記憶装置を提供できる。
【0104】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。