特許第6971904号(P6971904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971904
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】水田作業機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A01C11/02 342C
   A01C11/02 342J
   A01C11/02 342Z
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-66511(P2018-66511)
(22)【出願日】2018年3月30日
(65)【公開番号】特開2019-176745(P2019-176745A)
(43)【公開日】2019年10月17日
【審査請求日】2020年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中瀬 了介
(72)【発明者】
【氏名】岸岡 雄介
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 達弥
(72)【発明者】
【氏名】茂木 博子
【審査官】 佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−125623(JP,A)
【文献】 特開2006−304647(JP,A)
【文献】 特開2016−067302(JP,A)
【文献】 特開平11−262308(JP,A)
【文献】 特開2012−055184(JP,A)
【文献】 米国特許第05669452(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の後部に支持されて田面に農用資材を供給する作業装置と、
前記機体の後部に支持されて田面を整地する3種類の整地手段とが備えられ、
前記整地手段のうちの一つが、板状部材であり、
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて、前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体と、前記整地体の後側に配置されて、前記整地体による泥の後側への跳ね飛ばしを止める泥除けカバーとが設けられた整地装置であり、
前記板状部材が、前記泥除けカバーに取り付けられ、
前記泥除けカバーにおける前記板状部材の取付位置を変更可能な取付位置変更部が設けられている水田作業機。
【請求項2】
前記板状部材は、側面視での上下幅が平面視での前後幅よりも大きなものに設定されている請求項1に記載の水田作業機。
【請求項3】
前記板状部材は、平面視での左右幅が平面視での前記前後幅よりも大きなものに設定されている請求項2に記載の水田作業機。
【請求項4】
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、
前記整地装置の後側に配置され、前記作業装置に設けられて、田面に接地するフロートであり、
前記板状部材が、正面視で前記整地装置と前記フロートとが重複していない部分に配置されている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、
前記整地装置の後側に配置され、前記作業装置に設けられて、田面に接地するフロートであり、
前記板状部材が、正面視で前記作業装置の作業領域の全幅に亘って配置されている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項6】
前記板状部材が、前記泥除けカバーに上下に揺動自在に取り付けられている請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項7】
前記泥除けカバーが、前記整地装置に上下に揺動自在に取り付けられている請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項8】
前記板状部材の下端部が、前記泥除けカバーの下端部よりも下側に位置する請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項9】
田面の泥を後側に流す泥抜き部が、前記板状部材に設けられている請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用型田植機や乗用型播種機等の水田作業機において、田面の整地の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
田面に農用資材を供給する作業装置を機体の後部に支持した水田作業機において、機体の後部に支持されて田面を整地する整地手段としては、特許文献1に開示されているように、左右方向に沿って配置された駆動軸に取り付けられて駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体と、田面に接地するフロートとの2種類がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−23067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水田作業機に整地手段を備える場合に、田面の状態や作業装置の作業状態等に応じて、田面の整地が適切に行われるようにするという面で、改善の余地がある。
本発明は、田面に農用資材を供給する作業装置を機体の後部に支持した水田作業機において、田面の整地が適切に行われるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の水田作業機は、
機体の後部に支持されて田面に農用資材を供給する作業装置と、
前記機体の後部に支持されて田面を整地する3種類の整地手段とが備えられ、
前記整地手段のうちの一つが、板状部材であり、
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられて、前記駆動軸と一体で回転駆動されることにより田面を整地する整地体と、前記整地体の後側に配置されて、前記整地体による泥の後側への跳ね飛ばしを止める泥除けカバーとが設けられた整地装置であり、
前記板状部材が、前記泥除けカバーに取り付けられ、
前記泥除けカバーにおける前記板状部材の取付位置を変更可能な取付位置変更部が設けられている。
【0006】
本発明によると、3種類の整地手段が備えられているので、田面の状態や作業装置の作業状態等による各種の状態に対応できるように、3種類の整地手段により各種の整地状態が設定されて、田面の整地が適切に行われるようになるのであり、田面の整地性能を向上させることができる。
本発明によると、整地装置の泥除けカバーが板状部材の支持部に兼用されるので、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
本発明によると、泥除けカバーにおける板状部材の取付位置を変更することにより、田面の状態や作業装置の作業状態等に対応して、板状部材の整地状態を変更することができるのであり、田面の整地性能が良いものとなる。
【0007】
本発明において、
前記板状部材は、側面視での上下幅が平面視での前後幅よりも大きなものに設定されていると好適である。
【0008】
本発明によると、板状部材が田面に接地することにより、田面の凹凸を均すような整地を無理なく行うことができるのであり、田面の整地性能が良いものとなる。
【0009】
本発明において、
前記板状部材は、平面視での左右幅が平面視での前記前後幅よりも大きなものに設定されていると好適である。
【0010】
本発明によると、板状部材により、比較的広い範囲において、田面の凹凸を均すような整地を無理なく行うことができるのであり、田面の整地性能が良いものとなる。
【0011】
本発明において、
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、
前記整地装置の後側に配置され、前記作業装置に設けられて、田面に接地するフロートであり、
前記板状部材が、正面視で前記整地装置と前記フロートとが重複していない部分に配置されていると好適である。
【0012】
本発明によると、板状部材以外の整地手段として、駆動軸、整地体及び泥除けカバーが設けられた整地装置と、作業装置に設けられたフロートとが備えられており、整地装置及びフロートが前後に配置されて、田面が整地装置及びフロートにより2回の整地が行われる。
【0013】
作業装置では、複数のフロートが間隔を開けながら左右方向に並ぶように配置されることがあるので、隣接するフロートの間の田面は、整地装置による整地だけが行われることがある。
本発明によると、板状部材が、正面視で整地装置とフロートとが重複していない部分に配置されて、隣接するフロートの間に対応する状態となるのであり、この部分において、整地装置及び板状部材による2回の整地が行われる。
以上のように本発明によると、整地装置及びフロートによる2回の整地、並びに、整地装置及び板状部材による2回の整地が行われるようになって、田面の整地性能が良いものとなる。
【0014】
本発明において、
前記板状部材以外の前記整地手段のうちの一つが、
前記整地装置の後側に配置され、前記作業装置に設けられて、田面に接地するフロートであり、
前記板状部材が、正面視で前記作業装置の作業領域の全幅に亘って配置されていると好適である。
【0015】
本発明によると、板状部材以外の整地手段として、駆動軸、整地体及び泥除けカバーが設けられた整地装置と、作業装置に設けられたフロートとが備えられており、整地装置及びフロートが前後に配置されて、田面が整地装置及びフロートにより2回の整地が行われる。
【0016】
作業装置では、複数のフロートが間隔を開けながら左右方向に並ぶように配置されることがある。
本発明によると、板状部材が、正面視で作業装置の作業領域の全幅に亘って配置されており、隣接するフロートの間の田面に対応する状態となるのであり、この部分において、整地装置及び板状部材による2回の整地が行われる。整地装置及びフロートによる2回の整地が行われる部分では、これに加えて板状部材による整地も行われる。
以上のように本発明によると、整地装置及びフロート、板状部材による3回の整地、並びに、整地装置及び板状部材による2回の整地が行われるようになって、田面の整地性能が良いものとなる。
【0017】
【0018】
【0019】
本発明において、
前記板状部材が、前記泥除けカバーに上下に揺動自在に取り付けられていると好適である。
【0020】
本発明によると、板状部材が田面に馴染むように上下に揺動するようになるので、田面の整地性能が良いものとなる。
【0021】
本発明において、
前記泥除けカバーが、前記整地装置に上下に揺動自在に取り付けられていると好適である。
【0022】
本発明によると、板状部材が泥除けカバーに取り付けられた状態において、泥除けカバーが上下に揺動することにより、板状部材が田面に馴染むように上下に揺動することになるので、田面の整地性能が良いものとなる。
【0023】
【0024】
【0025】
本発明において、
前記板状部材の下端部が、前記泥除けカバーの下端部よりも下側に位置すると好適である。
【0026】
本発明によると、板状部材の下端部が田面に無理なく接地するようになるので、田面の整地性能が良いものとなる。
【0027】
本発明において、
田面の泥を後側に流す泥抜き部が、前記板状部材に設けられていると好適である。
【0028】
本発明によると、機体の走行に伴って、板状部材に田面の泥が滞留しかけても、田面の泥が泥抜き部を通って後側に流れるので、板状部材に田面の泥が滞留することによる不具合は生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1第1参考形態において、乗用型田植機の左側面図である。
図2第1参考形態において、乗用型田植機の後半部分の平面図である。
図3第1参考形態において、苗植付装置及び整地装置の左側面図である。
図4第1参考形態において、苗植付装置及び整地装置の概略平面図である。
図5第1参考形態において、センターフロート及び昇降制御部の付近の左側面図である。
図6第1参考形態において、センターフロート及び昇降制御部の付近の正面図である。
図7第1参考形態において、整地装置の昇降構造を示す縦断左側面図である。
図8第1参考形態において、整地装置、センターフロート及びサイドフロートの平面図である。
図9第1参考形態において、制御装置と各部の連係状態を示す概略図である。
図10第1参考形態において、ガイドレールの分割構造を示す斜視図である。
図11第1参考形態において、ガイドレールの分割構造を示す縦断正面図である。
図12第1参考形態において、ガイドレールの分割構造を示す縦断正面図である。
図13第2参考形態において、発明の実施の第1別形態において、整地装置の付近の縦断左側面図である。
図14第3参考形態において、整地装置の付近の縦断左側面図である。
図15第4参考形態において、整地装置、センターフロート及びサイドフロートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1図15において、Fは機体Kの「前方向」を示し、Bは機体Kの「後方向」を示し、Uは機体Kの「上方向」を示し、Dは機体Kの「下方向」を示している。Rは機体Kの「右方向」を示し、Lは機体Kの「左方向」を示している。
以下、本発明を明確にする為の第1参考形態〜第4参考形態を図1図15に基づいて説明している。
(第1参考形態)
【0031】
(乗用型田植機の全体構成)
図1及び図2に示すように、乗用型田植機において、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体Kの後部に、リンク機構3が上下揺動自在に連結されている。
【0032】
リンク機構3の後部に、6条植型式の苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されており、機体Kの後部に苗植付装置5が昇降自在に支持されている。リンク機構3を昇降操作する油圧シリンダ4が備えられており、油圧シリンダ4により苗植付装置5が機体Kに対して昇降操作される。
【0033】
図1,2,3,4に示すように、整地装置53(整地手段に相当)が、苗植付装置5と機体Kとの間に位置するように、苗植付装置5の右部及び左部に亘って配置されて、昇降自在に苗植付装置5に支持されている。
【0034】
(苗植付装置の構成)
図1,2,3に示すように、苗植付装置5は、1個のフィードケース17、3個の植付伝動ケース6、植付伝動ケース6の後部に回転自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた植付アーム8、苗植付装置5の下部に上下に揺動自在に支持されたセンターフロート9(フロートに相当)(整地手段に相当)及びサイドフロート11(フロートに相当)(整地手段に相当)、6個の苗のせ面を備えた苗のせ台10、苗のせ台10の苗のせ面の各々に備えられた縦送り機構25等を備えている。
【0035】
図3及び図4に示すように、左右方向に配置された支持フレーム18に、フィードケース17及び植付伝動ケース6が連結されており、植付伝動ケース6が支持フレーム18から後側に延出されている。
【0036】
フィードケース17が、リンク機構3の後部下部の前後方向の軸芯周りに、ローリング自在に支持されている。これにより、苗植付装置5の全体が、ローリング自在に支持されている。
【0037】
図4に示すように、フィードケース17から横送り軸19が延出され、横送り軸19の端部がブラケット20を介して支持フレーム18に支持されている。横送り軸19の回転に伴って往復横送り駆動される送り部材21が、横送り軸19に外嵌されており、送り部材21が苗のせ台10に接続されている。
【0038】
図2,3,4に示すように、植付伝動ケース6にガイドレール38が左右方向に支持されて、苗のせ台10の下部がガイドレール38に沿って横移動自在に支持されている。
支持フレーム18の右端部及び左端部に、上下向きの縦フレーム26が連結されて上側に延出され、縦フレーム26の上部に亘って横フレーム50が連結されている。苗のせ台10の上部の前面にガイドレール27が連結され、横フレーム50に備えられたローラー51に、ガイドレール27が横移動自在に支持されている。
【0039】
苗のせ台10の下部がガイドレール38に支持され、苗のせ台10の上部が横フレーム50に支持されて、苗のせ台10が、ガイドレール38及び横フレーム50に沿って左右に往復横送り駆動される。
【0040】
図2に示すように、苗のせ台10の6個の苗のせ面の各々に、幅広のベルト型式の縦送り機構25が備えられている。
図4に示すように、フィードケース17から縦送り軸36が延出されて、縦送り軸36の端部がブラケット37を介して支持フレーム18に支持されている。後述する入力軸28の動力により縦送り軸36が回転駆動されており、縦送り軸36に一対の駆動アーム36aが連結されている。
【0041】
6個の縦送り機構25に動力を伝達する入力部(図示せず)が苗のせ台10に備えられて、入力部が縦送り軸36の駆動アーム36aの間に配置されている。苗のせ台10が往復横送り駆動の右端部又は左端部に達すると、入力部が縦送り軸36の一方の駆動アーム36aに達して、縦送り軸36の一方の駆動アーム36aにより入力部が駆動され、6個の縦送り機構25が所定ストロークだけ作動して、苗のせ台10の苗が下側に送られる。
【0042】
(前輪及び後輪、苗植付装置への伝動構造)
図1に示すように、機体Kの前部に、エンジン49が支持されている。エンジン49の動力が、静油圧式無段変速装置(図示せず)からギヤ変速式の副変速装置(図示せず)を介して、前輪1及び後輪2に伝達される。
【0043】
図1及び図4に示すように、静油圧式無段変速装置と副変速装置との間から分岐した動力が、株間変速装置(図示せず)、植付クラッチ44(図9参照)及びPTO軸22を介して、フィードケース17に備えられた入力軸28に伝達される。
【0044】
図4に示すように、入力軸28の動力が、縦送り軸36に伝達されて、縦送り軸36が回転駆動される。入力軸28の動力が、横送り変速機構29を介して横送り軸19に伝達されて、横送り軸19が回転駆動される。
【0045】
入力軸28の動力が、伝動チェーン30、植付伝動ケース6に亘って架設された伝動軸23、植付伝動ケース6に備えられた植付伝動軸32に伝達される。植付伝動軸32の動力が、伝動チェーン34及び植付駆動軸35を介して、回転ケース7に伝達される。
【0046】
図1,2,3に示すように、植付クラッチ44が伝動状態に操作されると、苗のせ台10が往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が回転駆動されるのであり、植付アーム8が、苗のせ台10の下部から苗(農用資材に相当)を取り出して、田面Gに植え付ける(供給する)。苗のせ台10が往復横送り駆動の右端部又は左端部に達すると、6個の縦送り機構25により苗のせ台10の苗が下側に送られる。
植付クラッチ44が遮断状態に操作されると、苗のせ台10、回転ケース7及び縦送り機構25が停止する。
【0047】
(施肥装置の構成)
図1,2,3に示すように、機体Kにおいて運転座席31の後側に、肥料を貯留するホッパー12、及び、繰り出し部13が備えられている。繰り出し部13の左側に、ブロア14が備えられている。
【0048】
センターフロート9及びサイドフロート11に2個の作溝器15が連結されて、6個の作溝器15が備えられている。ホース16が、繰り出し部13から苗植付装置5に延出されて、作溝器15に接続されている。
【0049】
施肥装置において、副変速装置の動力が、施肥クラッチ45(図9参照)を介して繰り出し部13に伝達される。施肥クラッチ45が伝動状態に操作されると、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13により繰り出されて、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給され、作溝器15を介して肥料が田面Gに供給される。施肥クラッチ45が遮断状態に操作されると、繰り出し部13が停止する。
【0050】
(昇降操作レバーによる苗植付装置の昇降構造)
図2及び図9に示すように、運転座席31の右側に、昇降操作レバー24が備えられており、昇降操作レバー24は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在である。
【0051】
油圧シリンダ4に作動油を給排操作する機械操作型式の制御弁33が機体Kに備えられている。昇降操作レバー24と、制御弁33、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45とが、機械的に接続されている。
【0052】
図9に示すように、昇降操作レバー24が上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作されると、制御弁33、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45が、以下のように操作される。
【0053】
昇降操作レバー24が上昇位置に操作されると、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45が遮断状態に操作され、制御弁33が上昇位置に操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して、苗植付装置5が上昇する。
【0054】
昇降操作レバー24が中立位置に操作されると、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45が遮断状態に操作されて、制御弁33が中立位置に操作され、油圧シリンダ4が停止して、苗植付装置5の昇降が停止する。
【0055】
昇降操作レバー24が下降位置に操作されると、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45が遮断状態に操作され、制御弁33が下降位置に操作され、油圧シリンダ4が伸長作動して、苗植付装置5が下降する。
【0056】
昇降操作レバー24が下降位置に操作された状態で、センターフロート9が田面Gに接地すると、後述の(苗植付装置の昇降制御)に記載のように、苗植付装置5の昇降制御が作動する状態となる。これにより、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに維持されるように、制御弁33及び油圧シリンダ4が作動して、苗植付装置5が自動的に昇降操作される状態となる。
【0057】
昇降操作レバー24が植付位置に操作されると、前述の下降位置と同様に、苗植付装置5の昇降制御が作動し、且つ、植付クラッチ44及び施肥クラッチ45が伝動状態に操作される。
【0058】
(センターフロート及びサイドフロートに関する構成)
図5に示すように、植付伝動ケース6の下部の左右方向の軸芯P4周りに、支持軸41が回転自在に支持されて、支持軸41に連結された支持アーム41aが、後側の斜め下側に延出されている。
【0059】
図2及び図8に示すように、田面Gに接地追従するセンターフロート9が、苗植付装置5の左右中央に配置されている。センターフロート9の右側及び左側に、田面Gに接地追従するサイドフロート11が配置されている。支持軸41の支持アーム41aの後部の左右方向の軸芯P5周りに、センターフロート9及びサイドフロート11の後部が上下に揺動自在に支持されている。
【0060】
センターフロート9は平面視でT字状に形成されており、センターフロート9の前部9aの左右幅W1が、センターフロート9の後部9bの左右幅W2よりも大きなものに設定されている。
【0061】
サイドフロート11は平面視でT字状に形成されており、サイドフロート11の前部11aの左右幅W3が、サイドフロート11の後部11bの左右幅W4よりも大きなものに設定されている。
センターフロート9の前部9aの左右幅W1が、サイドフロート11の前部11aの左右幅W3よりも大きなものに設定されている。
【0062】
センターフロート9の前部9aの前端部と、サイドフロート11の前部11aの前端部とが、左右方向に並ぶように配置され、且つ、前後方向で同じ位置に配置されている。
センターフロート9の前部9aの後端部と、サイドフロート11の前部11aの後端部とが、左右方向に並ぶように配置され、且つ、前後方向で同じ位置に配置されている。
【0063】
センターフロート9の前部9aとサイドフロート11の前部11aとの間の領域B1の左右幅W5が、センターフロート9の前部9aの左右幅W1、サイドフロート11の前部11aの左右幅W3、センターフロート9の後部9bの左右幅W2、サイドフロート11の後部11bの左右幅W4よりも小さなものに設定されている。
【0064】
(植付深さレバーに関する構造)
図5及び図9に示すように、人為的に操作可能な植付深さレバー42が、支持軸41に連結されて前側の斜め上側に延出されている。レバーガイド43が支持フレーム18に連結されており、植付深さレバー42がレバーガイド43に挿入されている。
【0065】
植付深さレバー42により支持軸41の支持アーム41aを回動操作して、軸芯P5の位置(センターフロート9及びサイドフロート11の苗植付装置5に対する支持位置)を上下に変更して、設定高さA1を変更することができる。
【0066】
植付深さレバー42をレバーガイド43に係合させることによって、軸芯P5の位置(センターフロート9及びサイドフロート11の苗植付装置5に対する支持位置)を固定して、設定高さA1を設定することができる(後述の(植付深さレバーによる設定高さ(設定植付深さ)の変更)を参照)。
【0067】
図5及び図6に示すように、支持フレーム18におけるセンターフロート9の上側の部分に、支持ブラケット77が連結されている。支持ブラケット77の前部の左右方向の軸芯P6周りに、支持リンク78が揺動自在に支持され、支持リンク78の下部と植付深さレバー42とに亘って、連係ロッド82が接続されている。
【0068】
支持ブラケット77の上側の部分に、支持リンク79が揺動自在に支持されて、支持リンク78,79の上部に、支持部材80が揺動自在に接続されている。
支持リンク78,79により平行リンクが形成されており、植付深さレバー42の操作に連動して連係ロッド82によって、支持部材80が前側の斜め下側及び後側の斜め上側に平行移動するのであり、植付深さレバー42をレバーガイド43に係合させることにより、支持部材80の位置が決まる。
【0069】
(昇降制御部に関する構成)
図5,6,9に示すように、苗植付装置5に対するセンターフロート9の上下動を機械的に取り出して制御弁33に伝達する昇降制御部88が、制御弁33とセンターフロート9とに亘って接続されている。
【0070】
昇降制御部88は、支持ブラケット77、支持リンク78,79、支持部材80、連係ロッド82を備えており、以下の説明のように、感知ロッド84、感知アーム85、感知ワイヤ86等を備えている。
【0071】
センターフロート9の前部9aの前端部の右側部分に、感知ロッド84が接続されている。支持部材80の左右方向の軸芯P7周りに、感知アーム85が上下に揺動自在に支持されている。感知アーム85の前後中間部に軸芯P7が位置しており、感知ロッド84の上部と感知アーム85の後部とが接続されている。
【0072】
支持部材80の前部にワイヤ受け部80aが連結されており、感知ワイヤ86のアウター86bが、支持部材80のワイヤ受け部80aに接続されている。感知ワイヤ86のインナー86aに接続部材87が接続され、接続部材87の長孔87aに、感知アーム85の前部のピン85aが挿入されて、感知アーム85の前部と感知ワイヤ86のインナー86aとが接続されている。感知ワイヤ86が機体Kに延出されて、感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33に接続されている。
【0073】
以上の構造によって、センターフロート9に対する苗植付装置5の昇降(苗植付装置5に対するセンターフロート9の昇降)により、感知アーム85が上下に揺動し、感知ワイヤ86のインナー86aが引き操作及び戻し操作されて、制御弁33が操作される。
【0074】
センターフロート9に対して苗植付装置5が上昇すると(苗植付装置5に対してセンターフロート9が下降すると)、感知ロッド84が下降して、感知アーム85の前部が上昇するように、感知アーム85が揺動する。
【0075】
感知アーム85の前部に、下限位置ピン85bが横向きに連結されている。苗植付装置5に対してセンターフロート9が下降した場合、感知アーム85の下限位置ピン85bが支持部材80のワイヤ受け部80aの下部に当たることにより、感知アーム85の揺動が止められて、苗植付装置5に対するセンターフロート9の下限位置が決まる。
【0076】
これにより、苗植付装置5が田面Gから上側に離れる位置に上昇した場合、感知アーム85の下限位置ピン85bが支持部材80のワイヤ受け部80aの下部に当たる下限位置で、センターフロート9が止められて、これ以上に下降しない状態となる。
【0077】
(苗植付装置の昇降制御)
センターフロート9に対する苗植付装置5の昇降に基づいて、苗植付装置5が設定高さA1に維持されるように(植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに維持されるように)、昇降制御部88により制御弁33が操作されて、油圧シリンダ4が伸縮作動する状態について説明する。
【0078】
図5及び図9に示す状態は、植付深さレバー42により設定高さA1を設定し、軸芯P5(センターフロート9及びサイドフロート11)の位置を設定した状態である。支持部材80(軸芯P7)が田面Gから中立高さA0に位置して、制御弁33が中立位置に操作され、苗植付装置5の昇降が停止し、苗植付装置5が田面Gから設定高さA1に維持された状態である。
【0079】
植付アーム8は苗植付装置5に対して一定の軌跡で回転駆動されるので、苗植付装置5が田面Gから設定高さA1に維持されると、植付アーム8による苗の植付深さは、設定高さA1に対応する設定植付深さとなる。
【0080】
図5及び図9に示す状態において、苗植付装置5が設定高さA1から下降すると(苗植付装置5が田面Gに接近すると)、支持部材80(軸芯P7)も一緒に設定高さA1から下降するのであり、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さよりも深くなり、苗植付装置5に対してセンターフロート9が上昇する状態となる。
【0081】
これにより、センターフロート9の上昇が、感知ロッド84及び感知アーム85を介して感知ワイヤ86に伝達され、感知ワイヤ86のインナー86aが苗植付装置5側に引き操作されて、制御弁33が上昇位置に操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して、苗植付装置5及び支持部材80(軸芯P7)が上昇する。
【0082】
苗植付装置5の上昇に伴って、苗植付装置5に対してセンターフロート9が下降する状態となり、感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33側に戻し操作される。支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に達すると、制御弁33が中立位置に操作され、油圧シリンダ4が停止して、苗植付装置5の上昇が設定高さA1で停止するのであり、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに戻る。
【0083】
この場合、制御弁33を上昇位置から下降位置に付勢する下降付勢バネ(図示せず)が備えられているので、前述のように苗植付装置5に対してセンターフロート9が下降する際に、感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33側に引き操作される状態となり、感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33側に無理なく戻し操作される。
【0084】
図5及び図9に示す状態において、苗植付装置5が設定高さA1から上昇すると(苗植付装置5が田面Gから離間すると)、支持部材80(軸芯P7)も一緒に設定高さA1から上昇するのであり、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さよりも浅くなり、苗植付装置5に対してセンターフロート9が下降する状態となる。
【0085】
これにより、センターフロート9の下降が感知ロッド84及び感知アーム85を介して感知ワイヤ86に伝達され、感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33側に戻し操作されて、前述の下降付勢バネにより制御弁33が下降位置に操作され、油圧シリンダ4が伸長作動して、苗植付装置5及び支持部材80(軸芯P7)が下降する。
【0086】
苗植付装置5の下降に伴って、苗植付装置5に対してセンターフロート9が上昇する状態となり、感知ワイヤ86のインナー86aが苗植付装置5側に引き操作される。
支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に達すると、制御弁33が中立位置に操作され、油圧シリンダ4が停止し、苗植付装置5の設定高さA1で下降が停止するのであり、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに戻る。
【0087】
例えば田面Gの凹部にセンターフロート9が入り込んで、センターフロート9が急速に下降する状態になったとする。
この場合、感知アーム85の前部が急速に上昇する状態となるのであるが、感知アーム85のピン85aが接続部材87の長孔87aに沿って上側に移動するだけで、感知アーム85により感知ワイヤ86のインナー86aが制御弁33側に急速に戻し操作される状態は生じない。
【0088】
この後、前述の下降付勢バネによって制御弁33が少し遅れて下降位置に操作される状態となるのであり、苗植付装置5及び支持部材80(軸芯P7)が急速に下降するような状態は生じない。
【0089】
(植付深さレバーによる設定高さ(設定植付深さ)の変更)
前述の(苗植付装置の昇降制御)に記載のように、植付アーム8による苗の植付深さが設定植付深さに維持される状態において、植付深さレバー42による設定高さA1(設定植付深さ)の変更について説明する。
【0090】
図5及び図9に示す状態において植付深さレバー42を深側(下側)に操作すると、植付深さレバー42により軸芯P5(センターフロート9及びサイドフロート11)の位置が上昇して苗植付装置5に接近する状態となり、設定高さA1が低くなる。
【0091】
植付深さレバー42の深側(下側)への操作に伴って、連係ロッド82により支持リンク78,79が上側に操作され、支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に維持されるのであり、支持部材80(軸芯P7)に対して苗植付装置5の位置が下側に設定される。
【0092】
前述の状態で、前述の(苗植付装置の昇降制御)に記載のように、支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に維持されるように、苗植付装置5が自動的に昇降操作されると、苗植付装置5が低い設定高さA1に維持されて、植付アーム8による苗の植付深さ(設定植付深さ)が深いものとなる。
【0093】
図5及び図9に示す状態において植付深さレバー42を浅側(上側)に操作すると、植付深さレバー42により軸芯P5(センターフロート9及びサイドフロート11)の位置が下降して苗植付装置5から離間する状態となり、設定高さA1が高くなる。
【0094】
植付深さレバー42の浅側(上側)への操作に伴って、連係ロッド82により支持リンク78,79が下側に操作され、支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に維持されるのであり、支持部材80(軸芯P7)に対して苗植付装置5の位置が上側に設定される。
【0095】
前述の状態で、前述の(苗植付装置の昇降制御)に記載のように、支持部材80(軸芯P7)が中立高さA0に維持されるように、苗植付装置5が自動的に昇降操作されると、苗植付装置5が高い設定高さA1に維持されて、植付アーム8による苗の植付深さ(設定植付深さ)が浅いものとなる。
【0096】
(整地装置の全体構造)
図1及び図2に示すように、整地装置53が、機体Kと苗植付装置5(センターフロート9及びサイドフロート11)との間に位置するように、苗植付装置5の右部及び左部に亘って配置され、苗植付装置5に昇降自在に支持されている。
【0097】
図3及び図4に示すように、整地装置53の左部に、整地伝動ケース81が備えられている。苗植付装置5の左端の植付伝動ケース6において、植付伝動軸32の部分よりも外側に支持ケース66が連結されている。整地伝動ケース81の後部が、苗植付装置5の左右方向の軸芯P2周りに、上下に揺動自在に支持ケース66に支持されて、整地伝動ケース81が前側に延出されている。
【0098】
整地装置53の右部に整地支持アーム83が備えられている。支持フレーム18の右端部に、ブラケット68が連結されている。整地支持アーム83の後部が、苗植付装置5の左右方向の軸芯P2周りに、上下に揺動自在にブラケット68に支持されて、整地支持アーム83が前側に延出されている。
【0099】
整地伝動ケース81の前部及び整地支持アーム83の前部に亘って、断面正方形状の駆動軸61(図7参照)が支持されている。合成樹脂により一体的に構成された小幅で小径の整地体62と、合成樹脂により一体的に構成された小幅で大径の整地体63とが備えられて、整地体62,63が駆動軸61に一体で回転するように取り付けられている。駆動軸61に取り付けられたボス部材57及びスペーサ64により、整地体62,63の位置が決められている。
【0100】
図3,4,7に示すように、整地伝動ケース81と整地支持アーム83とに亘って、支持フレーム67が連結されている。金属製の泥除けカバー65が、整地体62,63の後側に位置するように支持フレーム67に連結されている。
【0101】
以上のように、整地装置53は、整地伝動ケース81、整地支持アーム83、駆動軸61、整地体62,63、泥除けカバー65、支持フレーム67等を備えている。整地伝動ケース81及び整地支持アーム83が軸芯P2周りに上下に揺動することによって、整地装置53が苗植付装置5に昇降操作される。
【0102】
図4に示すように、苗植付装置5に伝達された動力が、左端の植付伝動ケース6の植付伝動軸32から、支持ケース66の内部の伝動軸69及びトルクリミッター70、整地伝動ケース81の内部の伝動チェーン71を介して、駆動軸61に伝達される。
【0103】
これにより、駆動軸61及び整地体62,63が、図2及び図7に新酢ように、軸芯P1周りに反時計方向に回転駆動されて、整地体62,63により田面Gが整地される。整地体62,63により田面Gの泥が後側に跳ね飛ばされても、泥除けカバー65により泥が止められる。
【0104】
(センターフロート及びサイドフロートと整地装置との関係)
図1及び図8に示すように、センターフロート9及びサイドフロート11と機体Kとの間に、整地装置53が備えられており、整地装置53の後側に、センターフロート9及びサイドフロート11が配置されている。
【0105】
整地装置53において、整地体62、ボス部材57及びスペーサ64が、センターフロート9の前部9aの前側に配置され、センターフロート9の前部9aの前端部の前側近傍に左右方向に沿って配置されている。
【0106】
整地体63が、サイドフロート11の前部11aの前側、センターフロート9の前部9aとサイドフロート11の前部11aとの間の部分の前側に配置されており、サイドフロート11の前部11aの前端部の前側近傍に沿って左右方向に配置されている。
【0107】
整地体62が整地体63よりも小径に構成されているので、整地体62とセンターフロート9の前部9aとの間の前後方向での間隔が、整地体63とサイドフロート11の前部11aとの間の前後方向での間隔よりも大きなものとなっている。
【0108】
整地体62、ボス部材57及びスペーサ64は、正面視で、センターフロート9の前部9aの左右幅W1の範囲内に位置している。
右のサイドフロート11及び右の領域B1は、正面視で、右の複数の整地体63の左右幅W6の範囲内に位置している。左右幅W6の左の端部から後側に延長した仮想線に、センターフロート9の前部9aの右端部、及び右の領域B1の左端部が位置している。
【0109】
左のサイドフロート11及び左の領域B1は、正面視で、左の複数の整地体63の左右幅W6の範囲内に位置している。左右幅W6の右の端部から後側に延長した仮想線に、センターフロート9の前部9aの左端部、及び左の領域B1の右端部が位置している。
【0110】
(板状部材の構成)
図7及び図8に示すように、泥除けカバー65の下端部に、金属製又はゴム板製の板状部材39(整地手段に相当)が取り付けられている。
【0111】
板状部材39は、泥除けカバー65の下端部から斜め下側の後側に向けて延出されている。板状部材39の下端部39bが、泥除けカバー65の下端部65aよりも下側の位置に位置しており、整地体63の外周部の回転軌跡の下端部63aよりも上側の位置に位置している。
【0112】
板状部材39において、側面視での上下幅W11が、平面視(側面視)での前後幅W12よりも大きなものに設定されている。平面視での左右幅W13が、平面視(側面視)での前後幅W12よりも大きなものに設定されている。
【0113】
板状部材39は、右及び左の領域B1の前側に位置するように、泥除けカバー65に取り付けられている。これにより、板状部材39が、正面視で整地装置53(整地体62,63)とセンターフロート9及びサイドフロート11とが重複していない部分に配置された状態となっている。
【0114】
(整地装置の昇降構造)
図3及び図7に示すように、リンク機構3の左隣に位置するように、支持フレーム52が支持フレーム18に連結されており、支持フレーム52の左右方向の軸芯P3周りに、扇型の昇降ギヤ54が上下に揺動自在に支持されている。
【0115】
ピニオンギヤ55aを備えたギヤ機構55、及びギヤ機構55を駆動する電動モータ56が支持フレーム52に連結されて、ギヤ機構55のピニオンギヤ55aが昇降ギヤ54に咬合している。
【0116】
駆動軸61の中央部の左側において、ボス部材57(図4参照)がベアリング(図示せず)により相対回転自在に駆動軸61に外嵌されており、ボス部材57から上側に延出されたアーム部57aが、昇降ギヤ54に接続されている。
【0117】
右及び左の縦フレーム26の上部に、取付部材58が連結されている。整地支持アーム83と右の取付部材58とに亘ってバネ59が接続され、整地伝動ケース81と左の取付部材58とに亘ってバネ59が接続されており、バネ59の付勢力により整地装置53が上昇側に付勢されている。
【0118】
電動モータ56によりギヤ機構55のピニオンギヤ55aを正逆に回転駆動して、昇降ギヤ54を軸芯P3周りに上下に揺動操作することによって、整地装置53を苗植付装置5に対して昇降操作する。整地装置53を上昇操作する際に、バネ59が補助となる。
【0119】
図9に示すように、田面Gに接地して整地を行う作業位置A3、及び、田面Gから上昇して整地を行わない退避位置A4の範囲において、電動モータ56により整地装置53を昇降操作することができる。
【0120】
(整地装置の制御系の構成)
図9に示すように、苗植付装置5に、操作ボックス72が取り付けられている。操作ボックス72に、整地設定操作部89及び設定深さ設定部90が備えられており、整地設定操作部89及び設定深さ設定部90の操作信号が、制御装置40に入力されている。整地設定操作部89は、人為的に押し操作される押しボタン型式であり、設定深さ設定部90は、人為的に回転操作されるダイヤルスイッチ型式である。
【0121】
植付深さレバー42に接続されることによって、センターフロート9の苗植付装置5に対する支持位置を検出する設定高さセンサー73が備えられている。
前述の(植付深さレバーによる設定高さ(設定植付深さ)の変更)に記載のように、植付深さレバー42により設定高さA1(設定植付深さ)が設定されていると、センターフロート9の苗植付装置5に対する支持位置、言い換えると設定高さA1(設定植付深さ)が、設定高さセンサー73により検出されており、設定高さセンサー73の検出値が制御装置40に入力されている。
【0122】
昇降ギヤ54に接続されることにより、整地装置53の苗植付装置5に対する支持位置を検出する整地位置センサー74が備えられており、整地位置センサー74の検出値が制御装置40に入力されている。
【0123】
(整地装置の昇降制御)
図9に示すように、整地設定操作部89及び設定深さ設定部90の操作信号、設定高さセンサー73及び整地位置センサー74の検出値に基づいて、制御装置40により以下の説明のように、電動モータ56が作動操作されて、整地装置53が昇降操作される。
【0124】
整地設定操作部89を押し操作することにより、退避位置A4の整地装置53を作業位置A3に下降させることができる。整地設定操作部89を押し操作することにより、作業位置A3の整地装置53を退避位置A4に上昇させることができる。
【0125】
整地装置53が作業位置A3に位置している状態において、整地装置53の整地体62,63が田面Gに少し入り込で回転することにより、田面Gの整地が行われる。
設定高さセンサー73により設定高さA1が検出され、整地位置センサー74により整地装置53の苗植付装置5に対する支持位置が検出されることによって、整地装置53の田面Gに対する高さが検出されるのであり、整地装置53の整地体62,63が田面Gに入り込む整地深さA2が検出される。
【0126】
設定深さ設定部90を操作することにより、設定整地深さを設定及び変更することができる。前述のように、整地装置53の整地深さA2が検出されることにより、整地装置53の整地深さA2が設定整地深さとなるように、整地装置53が昇降操作される。
【0127】
整地装置53は苗植付装置5(支持フレーム18)に支持されているので、前述の(植付深さレバーによる設定高さ(設定植付深さ)の変更)に記載のように、植付深さレバー42によって設定高さA1が変更されると(植付アーム8による植付深さが変更されると)、整地装置53の整地深さA2が変化する。
【0128】
植付深さレバー42により設定高さA1を低くすると(植付アーム8による植付深さを深くすると)、設定高さA1を低くした分だけ、整地装置53が苗植付装置5に対して上昇操作される。これにより、整地装置53の整地深さA2が設定整地深さに維持される。
【0129】
植付深さレバー42により設定高さA1を高くすると(植付アーム8による植付深さを浅くすると)、設定高さA1を高くした分だけ、整地装置53が苗植付装置5に対して下降操作される。これにより、整地装置53の整地深さA2が設定整地深さに維持される。
【0130】
(整地装置による整地状態)
苗植付装置5を田面Gに下降操作した状態(センターフロート9及びサイドフロート11が田面Gに接地した状態)において、図7及び図8に示すように、整地装置53を作業位置A3に下降操作すると(前述の(整地装置の昇降構造)を参照)、整地体62,63及び板状部材39の下端部39bは、田面Gに接地する状態となる。
【0131】
整地装置53が作業位置A3に下降操作された状態において、前述の(整地装置の昇降制御)に記載のように、整地装置53の整地深さA2が深いものに設定されると、泥除けカバー65の下端部65aは、田面Gにほぼ接地する状態となる。整地装置53の整地深さA2が浅いものに設定されると、泥除けカバー65の下端部65aは、田面Gにほぼ接地しない状態となる。
【0132】
以上の状態において、図8に示すように、整地装置53の左右中央付近(センターフロート9の付近)の田面Gにおいて、整地体62及びセンターフロート9が前後に並ぶ部分では、整地体62及びセンターフロート9による整地が行われる。整地体62が存在しない部分では、センターフロート9による整地が行われる。
この場合、整地装置53の左右中央付近のすべての部分に整地体62を設けて、センターフロート9だけで整地が行われる部分を無くすように構成してもよい。
【0133】
整地装置53の右部及び左部付近(右及び左のサイドフロート11の付近)の田面Gにおいて、整地体63及びサイドフロート11が前後に並ぶ部分では、整地体63及びサイドフロート11による整地が行われる。整地体63及び板状部材39が前後に並ぶ部分(領域B1)では、整地体63及び板状部材39による整地が行われる。
【0134】
(ガイドレールの分離及び連結構造)
図2及び図4に示すように、ガイドレール38では、ガイドレール38の本体部38aに対して、ガイドレール38の右及び左の端部38bが、整地装置53の整地伝動ケース81及び整地支持アーム83と干渉せずに着脱できるように構成されている。
【0135】
図10,11,12に示すように、ガイドレール38の端部38bに、ガイドピン46及びガイド板47,48が固定されている。ガイドレール38の本体部38aに、締付板60が内装されており、ネジ軸75が締付板60に取り付けられて下側に延出され、カラー76及び蝶ナット91がネジ軸75に取り付けられている。
【0136】
以上の構造により、ガイドレール38の本体部38aに、ガイドレール38の端部38bを取り付ける場合、ガイドピン46及びガイド板47をガイドレール38の本体部38aの内部に挿入する。ガイド板48をガイドレール38の本体部38aの下側に入れながら、ガイド板48の切り欠き部48aにネジ軸75を入れる。
【0137】
次に蝶ナット91を締め付け操作して、カラー76を押し上げることにより、締付板60とカラー76の上端部との間で、ガイドレール38の本体部38aとガイド板48とを挟みながら締め付けることによって、ガイドレール38の端部38bをガイドレール38の本体部38aに固定する。
【0138】
(第2参考形態)
図13に示すように、泥除けカバー65の下端部の左右方向の軸芯P8周りに、板状部材39が上下に揺動自在に取り付けられるように構成してもよい。板状部材39が真下に向いた状態において、板状部材39の下端部39bが、整地体63の外周部の回転軌跡の下端部63aよりも下側の位置に位置する。
【0139】
この構成において、板状部材39を下側に軽く付勢するバネ(図示せず)と、板状部材39が真下に向いた状態から板状部材39の下側(前側)への揺動を止めるストッパー(図示せず)とを設けてもよい。
【0140】
(第3参考形態)
図14に示すように、泥除けカバー65の下端部の左右方向の軸芯P8周りに、板状部材39が上下に揺動自在に取り付けられるのに加えて、泥除けカバー65が、支持フレーム67の左右方向の軸芯P9周りに、上下(前後)に揺動自在に取り付けられるように構成してもよい。
【0141】
この構成において、泥除けカバー65を下側(前側)に軽く付勢するバネ(図示せず)と、図14に示す位置で泥除けカバー65の下側(前側)への揺動を止めるストッパー(図示せず)とを設けてもよい。
右の泥除けカバー65と、左の泥除けカバー65とに分割されている場合、右及び左の泥除けカバー65が互いに独立して軸芯P9周りに揺動自在に構成してもよい。
【0142】
図14において、泥除けカバー65が、支持フレーム67の左右方向の軸芯P9周りに、上下(前後)に揺動自在に取り付けられるのに対して、板状部材39が泥除けカバー65の下端部65aに揺動しないように固定されていてもよい。
【0143】
(第4参考形態)
図15に示すように、泥除けカバー65が苗植付装置5の作業領域の全幅に亘って配置され、泥除けカバー65の下端部65aの全幅に亘って、板状部材39が取り付けられるように構成してもよい(板状部材39が、正面視で苗植付装置5の作業領域の全幅に亘って配置された状態に相当)。
【0144】
右の泥除けカバー65と、左の泥除けカバー65とに分割されている場合、右の泥除けカバー65の下端部65aの全幅に亘って板状部材39を取り付け、左の泥除けカバー65の下端部65aの全幅に亘って板状部材39を取り付ければよい。
【0145】
この構成において、図15に示すように、田面Gの泥を後側に流す切り欠き状の複数の泥抜き部39aを、板状部材39の下端部39bに設ければよい。
【0146】
前述の(第2参考形態)に記載の構造(板状部材39が軸芯P8周りに揺動自在に取り付けられた構造)や、前述の(第3参考形態)に記載の構造(泥除けカバー65が軸芯P9周りに揺動自在に取り付けられた構造)を、この(第4参考形態)の板状部材39に適用してもよい。
【0147】
この(第4参考形態)に記載の構造(板状部材39の泥抜き部39a)を、図7及び図8に示す板状部材39や、前述の(第2参考形態)(第3参考形態)に適用してもよい。
【0148】
以下、本発明の実施形態について説明する。この場合、本発明の実施形態において前述の第1参考形態〜第4参考形態と異なる部分について説明しており、その他の部分は前述の第1参考形態〜第4参考形態と同様である。
(本発明の実施形態)
泥除けカバー65に板状部材39を取り付ける場合、泥除けカバー65又は板状部材39の一方に、上下方向(前後方向)に沿った長孔(図示せず)(取付位置変更部に相当)を開口して、ボルト(図示せず)を長孔に通すことによって、泥除けカバー65に板状部材39を取り付けるように構成してもよい。
【0149】
この構成によると、ボルトを外すことにより、泥除けカバー65から板状部材39を取り外すことができる。長孔に沿ってボルトの締め付け位置を変更することにより、泥除けカバー65に対する板状部材39の取付位置を、上下方向(前後方向)に変更することができる。
【0150】
この場合、泥除けカバー65又は板状部材39の一方に、左右方向に沿った長孔(図示せず)(取付位置変更部に相当)を開口してもよい。
この構成によると、長孔に沿ってボルトの締め付け位置を変更することにより、泥除けカバー65に対する板状部材39の取付位置を、左右方向に変更することができる。
【0151】
(発明の実施の第1別形態
苗植付装置5を、6条植型式ではなく、4条植型式や、8条植型式、10条植型式に構成してもよい。8条植型式及び10条植型式であると、センターフロート9に対して、右側に2個のサイドフロート11が配置され、左側に2個のサイドフロート11が配置される。
【0152】
昇降制御部88を、感知ワイヤ86等による機械的な構造とするのではなく、センターフロート9の軸芯P5周りでの揺動位置が、ポテンショメータ型式の高さセンサー(図示せず)により電気的に検出され、高さセンサーの検出値に基づいて、電磁操作型式の制御弁33が電気的に操作されるように構成してもよい。
【0153】
(発明の実施の第2別形態
整地装置53が備えられなくてもよい。整地装置53が備えられない場合、整地装置53を昇降操作する装置(電動モータ56や昇降ギヤ54等)や、整地位置センサー74等も不要になる。
この場合、センターフロート9及びサイドフロート11に加えて、図7,8,13,14,15に示す板状部材39を備えればよい。センターフロート9及びサイドフロート11を廃止して、図7,8,13,14,15に示す板状部材39だけを備えてもよい。
【0154】
整地装置53を備えた場合、センターフロート9及びサイドフロート11を廃止して、図7,8,13,14,15に示す板状部材39を備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、乗用型田植機ばかりではなく、田面Gに種子(農用資材に相当)を供給する播種装置(図示せず)(作業装置に相当)を機体Kの後部に支持した乗用型播種機にも適用できるのであり、田面Gに肥料や薬剤(農用資材に相当)を供給する供給装置(図示せず)(作業装置に相当)を機体Kの後部に支持した水田作業機にも適用できる。
【符号の説明】
【0156】
5 苗鵜植付装置(作業装置)
9 センターフロート(フロート、整地手段)
11 サイドフロート(フロート、整地手段)
39 板状部材(整地手段)
39a 泥抜き部
39b 板状部材の下端部
53 整地装置(整地手段)
61 駆動軸
62,63 整地体
65 泥除けカバー
65a 泥除けカバーの下端部
G 田面
K 機体
W11 上下幅
W12 前後幅
W13 左右幅


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15