特許第6971909号(P6971909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971909発電機制御装置、発電システム、及び発電機制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971909
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】発電機制御装置、発電システム、及び発電機制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20211111BHJP
   H02P 9/00 20060101ALI20211111BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H02J3/38 180
   H02P9/00 B
   H02P9/04 J
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-89616(P2018-89616)
(22)【出願日】2018年5月8日
(65)【公開番号】特開2019-198140(P2019-198140A)
(43)【公開日】2019年11月14日
【審査請求日】2020年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】猪坂 智
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−78242(JP,A)
【文献】 特開2003−47173(JP,A)
【文献】 特開2004−274844(JP,A)
【文献】 特開2009−95073(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0125336(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/38
H02P 9/00
H02P 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源に停電が発生した場合に、前記商用電源に代わって負荷に給電し、かつ前記商用電源が健全である期間に、保守のための運転である保守運転を遂行する発電機、を制御する発電機制御装置であって、
前記発電機によって前回遂行された前記保守運転からの経過期間長を表す経過期間長情報と、前記停電をもたらす可能性のある災害が発生したか否か、及び前記災害が発生した場合における前記災害に起因する前記停電の発生確率を表す停電確率情報とを取得し、取得した前記経過期間長情報と前記停電確率情報との組み合わせが、前記発電機に前記保守運転を遂行させる必要があることを表すものとして予め定められた保守運転開始条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記組み合わせが前記保守運転開始条件を満たすと判定された場合に、前記保守運転を遂行させる制御指令を前記発電機に出力し、前記判定手段によって、前記組み合わせが前記保守運転開始条件を満たさないと判定された場合には、前記発電機への前記制御指令の出力を見送る制御指令出力手段と、
を備え、
前記組み合わせには、前記停電確率情報が前記災害の発生を表す場合であっても、前記判定手段によって、前記保守運転開始条件を満たさないと判定されるものが存在し、
前記経過期間長が予め定められた最大許容期間長に達している場合には、前記経過期間長情報と、任意の前記停電確率情報との前記組み合わせが、前記判定手段によって、前記保守運転開始条件を満たすと判定される、
発電機制御装置。
【請求項2】
前記経過期間長情報が、前記経過期間長が長いほど大きい数値をとる指数であり、
前記停電確率情報が、前記停電の発生確率が高いほど大きい数値をとり、かつ該数値によって前記災害が発生したか否かを特定可能な指数であり、
前記経過期間長情報と前記停電確率情報との前記組み合わせとは、前記停電確率情報が表す前記指数と、前記経過期間長情報が表す前記指数との和を指し、
前記保守運転開始条件とは、前記和が、前記発電機に前記保守運転を行わせる必要があることを表すものとして予め定められた閾値以上である条件を指す、
請求項1に記載の発電機制御装置。
【請求項3】
災害の発生及び発生した前記災害の程度を表す災害速報データを受信し、受信した前記災害速報データを用いて前記停電確率情報を特定し、特定した前記停電確率情報を前記判定手段に与える停電確率情報特定手段、
をさらに備える、請求項1又は2に記載の発電機制御装置。
【請求項4】
前記発電機の前回遂行された前記保守運転からの前記経過期間長を求め、求めた前記経過期間長に基づいて前記経過期間長情報を特定し、特定した前記経過期間長情報を前記判定手段に与える経過期間長情報特定手段、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の発電機制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の発電機制御装置と、
前記発電機制御装置によって制御される前記発電機と、
を備える、発電システム。
【請求項6】
商用電源に停電が発生した場合に、前記商用電源に代わって負荷に給電し、かつ前記商用電源が健全である期間に、保守のための運転である保守運転を遂行する発電機、を制御する発電機制御方法であって、
前記発電機によって前回遂行された前記保守運転からの経過期間長を表す経過期間長情報と、前記停電をもたらす可能性のある災害が発生したか否か、及び前記災害が発生した場合における前記災害に起因する前記停電の発生確率を表す停電確率情報とを取得し、取得した前記経過期間長情報と前記停電確率情報とを用いて、前記発電機に前記保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された前記数値と、前記発電機に前記保守運転を遂行させる必要があることを表すものとして予め定められた閾値との比較に基づいて、前記発電機に前記保守運転を遂行させるか否かを判定する判定ステップと、
を有する、発電機制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機制御装置、発電システム、及び発電機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、停電時に商用電源に代わって負荷に給電する発電機を制御する発電機制御装置が開示されている。この発電機制御装置は、災害が発生したことを表す速報を受信すると、その災害の程度に関わらず、かつ商用電源に停電が発生しているか否かに関わらずに、発電機を起動させる起動制御を行う。発電機が起動された後に、予め定められた期間経過しても停電が発生しない場合、発電機は停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−95073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発電機を即時に起動可能な状態に保っておくために、災害が発生しない期間においても定期的に発電機の試運転としての保守運転を行っておくことが推奨される。しかし、特許文献1に係る上述した起動制御は、定期的な保守運転とは独立してなされる。このため、停電に至らない軽微な災害の発生に伴う発電機の起動の直前又は直後に、定期的な保守運転が遂行される事態が生じうる。
【0005】
この場合、上述した起動制御による発電機の運転は、保守運転と同等の意義を有するため、過剰な頻度で保守運転が遂行されたことになる。保守運転の過剰な頻度での遂行は、発電機の備蓄燃料の浪費をもたらすため、好ましいとは言えない。
【0006】
一方、特許文献1に係る発電機制御装置において、発電機の定期的な起動を行わないとすると、災害が滅多に発生しない場合に、発電機が殆ど起動されない事態が生じうる。発電機の保守運転と次の保守運転との間隔が開きすぎると、停電時に発電機が即時に起動できない懸念が生じる。
【0007】
本発明の目的は、発電機の保守運転と次の保守運転との間隔が開きすぎることが防止され、かつ過剰な頻度での保守運転の遂行が抑えられる発電機制御装置、発電システム、及び発電機制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る発電機制御装置は、
商用電源に停電が発生した場合に、前記商用電源に代わって負荷に給電し、かつ前記商用電源が健全である期間に、保守のための運転である保守運転を遂行する発電機、を制御する発電機制御装置であって、
前記発電機によって前回遂行された前記保守運転からの経過期間長を表す経過期間長情報と、前記停電をもたらす可能性のある災害が発生したか否か、及び前記災害が発生した場合における前記災害に起因する前記停電の発生確率を表す停電確率情報とを取得し、取得した前記経過期間長情報と前記停電確率情報との組み合わせが、前記発電機に前記保守運転を遂行させる必要があることを表すものとして予め定められた保守運転開始条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記組み合わせが前記保守運転開始条件を満たすと判定された場合に、前記保守運転を遂行させる制御指令を前記発電機に出力し、前記判定手段によって、前記組み合わせが前記保守運転開始条件を満たさないと判定された場合には、前記発電機への前記制御指令の出力を見送る制御指令出力手段と、
を備え、
前記組み合わせには、前記停電確率情報が前記災害の発生を表す場合であっても、前記判定手段によって、前記保守運転開始条件を満たさないと判定されるものが存在し、
前記経過期間長が予め定められた最大許容期間長に達している場合には、前記経過期間長情報と、任意の前記停電確率情報との前記組み合わせが、前記判定手段によって、前記保守運転開始条件を満たすと判定される。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、停電確率情報が災害の発生を表す場合であっても、判定手段によって、保守運転開始条件を満たさないと判定され、制御指令出力手段による制御指令の出力が見送られる場合がある。このため、災害が発生すると無条件に発電機を起動させていた従来技術に比べて、過剰な頻度での保守運転の遂行が抑えられる。
【0010】
また、発電機によって前回遂行された保守運転からの経過期間長が予め定められた最大許容期間長に達している場合には、経過期間長情報と、任意の停電確率情報との組み合わせが、判定手段によって、保守運転開始条件を満たすと判定され、制御指令出力手段によって発電機に制御指令が出力される。このため、発電機の保守運転と次の保守運転との間隔が開きすぎることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る発電システムの構成を示す概念図
図2】実施形態1に係る発電機制御装置の構成を示すブロック図
図3】実施形態1に係る停電確率指数特定テーブルの内容を示す概念図
図4】実施形態1に係る発電機制御装置の機能を示すブロック図
図5】実施形態1に係る停電確率指数特定処理のフローチャート
図6】実施形態1に係る経過期間長指数特定処理のフローチャート
図7】実施形態1に係る保守運転制御のフローチャート
図8A】実施形態1に係る発電機制御装置の表示部の一表示例を示す概念図
図8B】実施形態1に係る発電機制御装置の表示部の別の表示例を示す概念図
図9】実施形態2に係る保守運転制御のフローチャート
図10】実施形態3に係る発電システムの構成を示す概念図
図11】実施形態4に係る発電システムの構成を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態1−4に係る発電システムについて説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
【0013】
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係る発電システム300は、商用電源に停電が発生した場合に、商用電源に代わって負荷LDに給電する発電機100と、発電機100を制御する発電機制御装置200とを備える。
【0014】
なお、負荷LDとは、工場、病院、ビル等に設置された電気機器を指す。また、本明細書において“停電”とは、商用電源によって供給可能な電力がゼロになることのみならず、商用電源から供給される電力が不足したり、不安定になったりすることで、商用電源が負荷LDを適切に作動させ得ないことも含む概念とする。
【0015】
発電機100は、駆動されることにより電力を生成する電力生成機構110と、電力生成機構110を駆動する原動機120とを有する。
【0016】
原動機120は、備蓄燃料を燃焼させることで運動エネルギを生成するエンジンと、そのエンジンの起動及び停止、並びに起動時における回転数を、発電機制御装置200からの各種指令に従って制御する制御部とを含む。電力生成機構110は、原動機120で生成された運動エネルギを、電磁誘導によって電力に変換する。電力生成機構110で生成された電力が、負荷LDに供給される。
【0017】
なお、電力生成機構110は、原動機120と機械的に連結されて原動機120に駆動される連結状態と、原動機120からの動力の伝達が断たれる非連結状態とに切り替えることができる。非連結状態では、電力生成機構110での発電を行わずに、原動機120を作動させることができる。
【0018】
発電機100は、商用電源が健全である期間に、保守のための運転である保守運転を遂行する。保守運転では、原動機120が負荷LDに給電する必要がないので、電力生成機構110と原動機120とは、非連結状態としてもよい。
【0019】
保守運転の目的は、原動機120を構成するエンジンの内部の潤滑油を循環させたり、備蓄燃料が通過する配管の目詰まりをなくしたりすることで、原動機120を即時に起動可能な状態に保つことである。
【0020】
発電機制御装置200が、発電機100に保守運転を遂行させる制御を行う。発電機制御装置200は、気象庁又は電力会社が備える災害速報システム群DSから、災害の発生及び発生した災害の程度を表す災害速報データDTを、通信回線NEを通じて受信する。
【0021】
そして、発電機制御装置200は、受信した災害速報データDTを用いて、発電機100に保守運転を遂行させる必要があるか否かを判定し、保守運転が必要であると判定した場合に、発電機100に保守運転を遂行させる。
【0022】
災害速報システム群DSには、雷の発生及び発生した雷の活動度を表す雷速報データを提供する雷速報システムDS1と、地震の発生及び発生した地震の程度を表す地震速報データを提供する地震速報システムDS2とが含まれる。即ち、災害速報データDTには、雷速報データと地震速報データとが含まれる。
【0023】
以下、図2図8を参照し、発電機制御装置200について詳細に説明する。
【0024】
図2に示すように、発電機制御装置200は、通信回線NEに接続される通信部210を備える。図1に示した災害速報システム群DSが提供する災害速報データDTは、通信部210を通じて、発電機制御装置200に取り込まれる。
【0025】
また、発電機制御装置200は、図1に示した発電機100に保守運転を遂行させるか否かの判定を含む保守運転制御の手順を規定した発電機制御プログラム221と、保守運転が遂行された日付を記録した保守運転遂行日付データ222とを記憶する記憶手段としての補助記憶部220を備える。
【0026】
また、補助記憶部220には、発電機100に保守運転を遂行させるか否かの判断材料を特定するための停電確率指数特定テーブル223も記憶されている。
【0027】
図3に示すように、停電確率指数特定テーブル223は、発生した地震の震度及び発生した雷の活動度の各々に対して、その地震又は雷に起因する停電の発生確率を表す停電確率情報としての停電確率指数を対応付けたものである。
【0028】
地震の震度を特定する情報は、図1に示す災害速報データDTのうち、地震速報システムDS2によって出力される地震速報データに含まれる。また、雷の活動度を特定する情報は、図1に示す災害速報データDTのうち、雷速報システムDS1によって出力される雷速報データに含まれる。
【0029】
停電確率指数は、停電の発生確率が高いほど大きい数値をとる指数、具体的には、停電の発生確率をパーセントの単位で表した数値である。災害の程度が大きいほど停電の発生確率が高いため、停電確率指数は、災害の程度、即ち地震の震度及び雷の活動度が大きいほど大きな数値をとる。この停電確率指数が、上述した保守運転制御において、発電機100に保守運転を遂行させるか否かの判断材料として用いられる。
【0030】
図2に戻り、説明を続ける。発電機制御装置200は、発電機100に保守運転を遂行させるか否かの判定の結果が表示される判定結果出力手段としての表示部230も備える。表示部230は、ユーザに対して、保守運転を遂行させるか否かの判定の結果を視覚的に出力するディスプレイによって構成されている。
【0031】
また、発電機制御装置200は、発電機制御プログラム221を実行するCPU(Central Processing Unit)240と、CPU240によって発電機制御プログラム221及び各種データが一時的に蓄えられる主記憶部250とを備える。
【0032】
CPU240は、発電機制御プログラム221を実行することにより、協働して保守運転制御を行う図4に示す各部として機能する。以下、図4を参照し、CPU240によって実現される機能について説明する。
【0033】
図4に示すように、CPU240は、発電機100に保守運転を遂行させるか否かの判定を行う判定手段としての判定部243の機能と、判定部243によって発電機100に保守運転を遂行させると判定された場合に、保守運転を遂行させる制御指令CSを発電機100に出力する制御指令出力手段としての制御指令出力部244の機能とを有する。
【0034】
また、CPU240は、停電確率情報特定手段としての停電確率指数特定部241の機能を有する。停電確率指数特定部241は、災害速報データDTと、図3に示した停電確率指数特定テーブル223とを用いて停電確率指数を特定する停電確率指数特定処理を行い、特定した停電確率指数を判定部243に与える。
【0035】
また、CPU240は、経過期間長情報特定手段としての経過期間長指数特定部242の機能を有する。経過期間長指数特定部242は、発電機100の前回遂行された保守運転からの経過期間長を表す経過期間長情報としての経過期間長指数を特定する経過期間長指数特定処理を行い、特定した経過期間長指数を判定部243に与える。
【0036】
判定部243は、停電確率指数特定部241によって特定された停電確率指数と、経過期間長指数特定部242によって特定された経過期間長指数とを取得し、取得した停電確率指数と経過期間長指数とを用いて、発電機100に保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値を特定する。
【0037】
また、判定部243は、停電確率指数、経過期間長指数、及び発電機100に保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値を、表示部230に表示させる制御も行う。
【0038】
そして、判定部243は、発電機100に保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値と、発電機100に保守運転を遂行させる必要があることを表すものとして予め定められた閾値との比較により、発電機100に保守運転を遂行させるか否かを判定する。
【0039】
以下、図5図7を参照し、図4に示す各部の動作について詳細に説明する。
【0040】
図5を参照し、停電確率指数特定部241によって行われる停電確率指数特定処理について説明する。まず、停電確率指数特定部241は、現在、災害の発生が有るか否か、即ち図1に示した災害速報システム群DSが災害速報データDTを発信しているか否かを確認する(ステップS11)。
【0041】
次に、停電確率指数特定部241は、災害速報システム群DSからの災害速報データDTの発信が有る場合は(ステップS12;YES)、災害速報データDTを受信し、受信した災害速報データDTが表す災害の程度に対応する停電確率指数を、図3に示す停電確率指数特定テーブル223を用いて特定し(ステップS13)、本処理を終える。
【0042】
なお、ステップS13では、災害速報データDTが地震の発生を表す地震速報データである場合は、その地震速報データDTが表す地震の震度に対応する停電確率指数が、図3に示す停電確率指数特定テーブル223によって特定される。
【0043】
同様に、災害速報データDTが雷の発生を表す雷速報データである場合は、その雷速報データが表す雷の活動度に対応する停電確率指数が、図3に示す停電確率指数特定テーブル223によって特定される。
【0044】
一方、停電確率指数特定部241は、災害速報システム群DSからの災害速報データDTの発信が無い場合は(ステップS12;NO)、停電確率指数がゼロであると特定し(ステップS14)、本処理を終える。
【0045】
以上のように、停電確率指数は、災害がない場合はゼロの値をとり、災害が発生している場合は、ゼロを超える値をとる。このため、停電確率指数によって、災害が発生したか否かを特定可能である。
【0046】
次に、図6を参照し、経過期間長指数特定部242によって行われる経過期間長指数特定処理について説明する。
【0047】
図6に示すように、まず、経過期間長指数特定部242は、現在の日付を確認する(ステップS21)。経過期間長指数特定部242は、日時を計る計時機能を備えており、その計時機能によって、現在の日付を特定できる。
【0048】
次に、経過期間長指数特定部242は、図2に示す補助記憶部220の保守運転遂行日付データ222を参照し、保守運転遂行日付データ222が表す、前回の保守運転の日付を確認する(ステップS22)。
【0049】
次に、経過期間長指数特定部242は、ステップS21で特定した現在の日付と、ステップS22で特定した前回の保守運転の日付との差を算出することで、前回の保守運転からの経過期間長としての経過日数を求める(ステップS23)。
【0050】
次に、経過期間長指数特定部242は、ステップS23で求めた経過日数の、保守運転と次の保守運転の間隔の最大値として許容されている最大許容期間長に対する割合を算出する。その割合は、パーセントの単位で算出される。その算出された数値が、経過期間長指数である。
【0051】
具体的には、本実施形態では最大許容期間長は30日であり、経過期間長指数特定部242は、ステップS23で求めた経過日数÷30日×100%を算出し、その算出した値を経過期間長指数とする(ステップS24)。以上で、経過期間長指数特定処理を終える。
【0052】
次に、図7を参照し、判定部243と制御指令出力部244との動作を含む保守運転制御について説明する。
【0053】
図7に示すように、まず、停電確率指数特定部241によって、上述した図5の停電確率指数特定処理が行われ(ステップS31)、かつ経過期間長指数特定部242によって、上述した図6の経過期間長指数特定処理が行われる(ステップS32)。
【0054】
次に、判定部243は、保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値を特定する特定ステップとして、停電確率指数特定処理で特定された停電確率指数と、経過期間長指数特定処理で特定された経過期間長指数との和を算出する(ステップS33)。
【0055】
この和は、保守運転を遂行させる必要性の度合いを表す数値であり、災害の程度によって決まる保守運転の必要性の度合いに、前回の保守運転からの経過期間長によって決まる保守運転の必要性の度合いを加味した数値である。
【0056】
次に、判定部243は、発電機100に保守運転を遂行させるか否かを判定する判定ステップとして、ステップS33で求めた和が、保守運転を遂行させる必要があることを表す保守運転開始条件を満たすか否か、具体的には、ステップS33で求めた和が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0057】
ここで、閾値は、停電確率指数及び経過期間長指数と同じ単位で表される数値である。具体的には、本実施形態では、閾値は100%である。
【0058】
次に、判定部243は、ステップS33で求めた和が閾値以上であれば(ステップS34;YES)、保守運転開始条件が満たされているため、表示部230に、保守運転を遂行する旨を表示させる(ステップS35)。
【0059】
図8Aに、ステップS35における表示部230の表示態様を例示する。このように表示部230には、保守運転を遂行する旨だけでなく、停電確率指数と経過期間長指数との和である指数合計が100%以上になった旨、指数合計の具体的な値、並びにその内訳としての停電確率指数及び経過期間長指数の各々の値が表示される。このため、ユーザは、保守運転の遂行に至った原因を把握することができる。
【0060】
図7に戻って、ステップS35の次に、制御指令出力部244が、保守運転を遂行させる制御指令CSを発電機100に出力する(ステップS36)。これにより、発電機100において、保守運転が一定期間遂行される。
【0061】
次に、経過期間長指数特定部242が、ステップS36において保守運転が遂行された日付を、図2に示す保守運転遂行日付データ222として記録することで、保守運転遂行日付データ222を更新する(ステップS37)。その後、再びステップS31に戻る。
【0062】
一方、判定部243は、ステップS33で求めた和が閾値未満であれば(ステップS34;NO)、保守運転開始条件が満たされないため、表示部230に、まだ保守運転を遂行しない旨を表示させ(ステップS38)、再びステップS31に戻る。この場合、制御指令出力部244による発電機100への制御指令CSの出力は、見送られる。
【0063】
図8Bに、ステップS38における表示部230の表示態様を例示する。このように表示部230には、保守運転開始条件の具体的な内容、即ち指数合計が100%になったら保守運転が遂行される旨だけでなく、現在の指数合計の具体的な値、並びにその内訳としての停電確率指数及び経過期間長指数の各々の値が表示される。
【0064】
このため、ユーザは、まだ保守運転が遂行されない理由を把握でき、かつ指数合計によって、現在における保守運転の必要性の度合いを把握することができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、災害の程度によって決まる保守運転の必要性の度合いを表す停電確率指数と、前回の保守運転からの経過期間長によって決まる保守運転の必要性の度合いを表す経過期間長指数との双方を考慮して、保守運転を行うか否かを判定する。このため、保守運転を遂行させるタイミングの最適化が図られる結果、以下の効果が得られる。
【0066】
即ち、本実施形態によれば、停電確率指数が災害の発生を表す場合であっても、判定部243によって、保守運転開始条件を満たさないと判定され、制御指令出力部244による制御指令CSの出力が見送られる場合がある。具体的には、図8Bに示したように、停電確率指数がゼロを超える数値をとる場合であっても、経過期間長指数との和が、閾値である100%未満の場合は、保守運転開始条件を満たさないため、制御指令出力部244による制御指令CSの出力が見送られる。
【0067】
このように、災害の程度が比較的小さく、かつ前回の保守運転からの経過期間長が最大許容期間長である30日に満たない場合は、保守運転が見送られる。このため、災害が発生すると無条件に発電機100を起動させていた従来技術に比べて、過剰な頻度での保守運転の遂行が抑えられる。
【0068】
また、経過期間長指数は、前回の保守運転からの経過期間長が最大許容期間長である30日に達している場合には、上述した閾値である100%と等しい値をとる。
【0069】
従って、前回の保守運転からの経過期間長が30日に達している場合には、経過期間長指数と任意の停電確率指数との和が、判定部243によって保守運転開始条件を満たすと判定され、制御指令出力部244によって発電機100に制御指令CSが出力される。このため、保守運転と次の保守運転との間隔が30日よりも開きすぎることが防止される。
【0070】
また、停電確率指数は、発生した災害の程度が予め定められた一定の水準以上である場合、具体的には、図3に示したように、地震の震度が6弱以上であるか又は雷の活動度が4以上である場合には、上述した閾値である100%と等しい値をとる。
【0071】
従って、一定の水準以上の災害が発生した場合には、任意の経過期間長指数と停電確率指数との和が、判定部243によって保守運転開始条件を満たすと判定され、制御指令出力部244によって発電機100に制御指令CSが出力される。このため、一定の水準以上の災害が発生した場合には、必ず保守運転が遂行される。
【0072】
[実施形態2]
上記実施形態1では、判定部243によって保守運転の遂行が必要であると判定された場合に、発電機100に一定期間の保守運転を遂行させたが、保守運転の最中に停電が生じた場合には、発電機100の運転を維持したまま負荷LDへの送電を開始してもよい。以下、その具体例について説明する。
【0073】
図9に示すように、本実施形態では、既述のステップS35を経て制御指令出力部244が発電機100に制御指令CSを出力し、保守運転が開始された後(ステップS41)、制御指令出力部244が、商用電源に停電が生じたか否かを判定する(ステップS42)。
【0074】
制御指令出力部244は、商用電源に停電が生じていない場合は(ステップS42;NO)、保守運転を行う期間長として予め定められた一定期間が経過したか否かを判定し(ステップS43)、まだ一定期間が経過していない場合は(ステップS43;NO)、ステップS42に戻る。
【0075】
一方、制御指令出力部244は、一定期間が経過した場合は(ステップS43;YES)、発電機100に対して、保守運転を終了させる旨の終了指令を出力することで、保守運転を終了させる(ステップS44)。その後は、既述のステップS37に移行する。
【0076】
一方、制御指令出力部244は、ステップS42で商用電源に停電が生した場合は(ステップS42;YES)、発電機100に対して、停電が解消するまで負荷LDに送電させる制御を行い(ステップS45)、既述のステップS37に移行する。
【0077】
なお、ステップS41で、図1に示す原動機120から電力生成機構110への動力の伝達が断たれる非連結状態で保守運転が開始された場合は、ステップS42でYESと判定されたときに、制御指令出力部244が、図1に示す原動機120から電力生成機構110に動力が伝達される連結状態へと発電機100を切り替えることで、発電機100から負荷LDへの送電が可能となる。
【0078】
本実施形態によれば、発電機100の保守運転を開始した後に、停電が発生した場合には、発電機100の運転が維持されたまま、負荷LDへの送電が開始される。このため、停電の発生から、発電機100から負荷LDへの送電の開始までの期間を、短く抑えることができる。他の構成及び効果は、実施形態1と同様である。
【0079】
[実施形態3]
上記実施形態1では、図4に示したように、発電機制御装置200が、停電確率指数特定手段としての停電確率指数特定部241を備えたが、停電確率指数特定手段は、発電機制御装置200以外の装置が備えてもよい。以下、その具体例について説明する。
【0080】
図10に示すように、本実施形態に係る発電システム500は、停電確率指数特定手段としての停電確率指数特定装置400を備える。停電確率指数特定装置400は、図4に示した停電確率指数特定部241と同じ役割を果たす。即ち、停電確率指数特定装置400は、災害速報システム群DSから災害速報データDTを受信し、受信した災害速報データDTを用いて、停電確率指数を特定する停電確率指数特定処理を行う。
【0081】
また、本実施形態に係る発電システム500は、複数台、具体的には3台の発電機制御装置200A、200B、及び200Cと、発電機制御装置200Aによって制御される発電機100Aと、発電機制御装置200Bによって制御される発電機100Bと、発電機制御装置200Cによって制御される発電機100Cとを備える。
【0082】
停電確率指数特定装置400は、3台の発電機制御装置200A、200B、及び200Cに共通の停電確率指数特定手段として機能する。このため、3台の発電機制御装置200A、200B、及び200Cの各々は、図1に示した発電機制御装置200において、図4に示す停電確率指数特定部241を省略した構成を備える。
【0083】
なお、発電機100A、100B、及び100Cの各々は、図1に示した発電機100と同じ構成を備える。発電機100Aは、負荷LDAに給電し、発電機100Bは、負荷LDBに給電し、発電機100Cは、負荷LDCに給電する。負荷LDA、LDB、及びLDCは、それぞれ異なる地域に配置されている。
【0084】
停電確率指数特定装置400は、災害速報データDTを用いて、3つの停電確率データSA、SB、SCを生成し、通信回線NEを通じて、それぞれ発電機制御装置200A、200B、200Cに出力する。
【0085】
停電確率データSAは、負荷LDAに給電する商用電源が停電する確率を表す停電確率指数を含む。停電確率データSBは、負荷LDBに給電する商用電源が停電する確率を表す停電確率指数を含む。停電確率データSCは、負荷LDCに給電する商用電源が停電する確率を表す停電確率指数を含む。
【0086】
発電機制御装置200Aを構成する図4の判定部243は、停電確率データSAを受信することで、その停電確率データSAに含まれる停電確率指数を取得する。発電機制御装置200Bを構成する図4の判定部243は、停電確率データSBを受信することで、その停電確率データSBに含まれる停電確率指数を取得する。発電機制御装置200Cを構成する図4の判定部243は、停電確率データSCを受信することで、その停電確率データSCに含まれる停電確率指数を取得する。
【0087】
災害速報データDTは、災害が生じた地域別に、その地域における災害の程度を対応付けたものである。災害に起因して停電が発生する確率は、負荷LDA、LDB、及びLDCが配置されている地域によって異なりうる。そこで、停電確率指数特定装置400は、災害速報データDTを用いて、負荷LDA、LDB、及びLDCが配置されている地域別に、停電確率データSA、SB、及びSCを生成する。
【0088】
本実施形態によれば、発電機制御装置200A、200B、及び200Cの各々が、停電確率指数を特定する停電確率指数特定手段の機能を備えなくてよいので、発電機制御装置200A、200B、及び200Cの構成を簡略化できる。他の構成及び効果は、実施形態1と同様である。
【0089】
[実施形態4]
上記実施形態1では、発電機制御装置200が、通信回線NEを介することなく、発電機100と同じ場所に設置された構成を例示した。発電機制御装置200は、発電機100が設置されている場所とは異なる場所に設置してもよい。以下、その具体例について説明する。
【0090】
図11に示すように、本実施形態に係る発電システム600では、発電機制御装置200が、通信回線NEを介して、発電機100が設置されている場所とは異なる場所に設置されている。発電機制御装置200は、通信回線NEを介して、遠隔から発電機100の保守運転の遂行を制御する。
【0091】
本実施形態によれば、発電機100が設置されている場所に発電機制御装置200を配置する必要がない。なお、実施形態3の場合と同様に、発電機100を複数台備え、1台の発電機制御装置200が、それら複数台の発電機100の各々における保守運転の遂行を遠隔から制御してもよい。他の構成及び効果は、実施形態1と同様である。
【0092】
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明はこれに限られず、以下に述べる変形も可能である。
【0093】
上記実施形態1では、経過期間長情報と停電確率情報との組み合わせが、経過期間長指数と停電確率指数との和である場合を述べたが、経過期間長指数、停電確率指数、及び閾値の定義の仕方によっては、経過期間長情報と停電確率情報との組み合わせとは、経過期間長指数と停電確率指数との差、積、若しくは商、又は経過期間長指数と停電確率指数との2変数関数であってもよい。
【0094】
一具体例として、経過期間長指数が、前回の保守運転からの経過期間が浅いほど大きな数値をとるか、又は停電確率指数が、災害の程度が小さいほど大きな数値をとる指数である場合には、経過期間長情報と停電確率情報との組み合わせとは、経過期間長指数と停電確率指数との差であってもよい。
【0095】
また、経過期間長情報は、前回の保守運転からの経過期間長を表す情報であればよく、必ずしも数値をとる指数でなくてもよい。同様に、停電確率情報は、停電をもたらす可能性のある災害が発生したか否か、及び災害が発生した場合におけるその災害に起因する停電の発生確率を表すものであればよく、必ずしも数値をとる指数でなくてもよい。
【0096】
一具体例として、経過期間長情報と停電確率情報の各々が、記号である場合には、それら記号のすべての組み合わせのうち、どの組み合わせが保守運転開始条件を満たすかを定義したテーブルを備えることで、判定部243が行う判定を実現することができる。
【0097】
上記実施形態1では、停電確率指数特定部241が受信する災害速報データDTが、雷又は地震の発生及び程度を表すものであったが、災害速報データDTは、これら以外の災害に関するものであってもよい。一具体例として、災害速報データDTは、台風、津波、又は洪水の発生及び程度を表すものであってもよい。
【0098】
上記実施形態1では、経過期間長指数特定部242が、発電機100の前回の保守運転からの経過期間長を、“日”の単位で計ったが、より細かく“時間”、“分”、又は“秒”の単位で計ってもよい。また、最大許容期間長は、必ずしも30日に限定されず、30日未満の期間であってもよい。
【0099】
上記実施形態1では、原動機120がエンジンによって構成されていたが、原動機120は、電力に変換される運動エネルギを生成する機関であれば、特に限定されない。一具体例として、原動機120は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガスエンジンといったエンジンの他、ガスタービンであってもよい。また、図1図10、及び図11に示した通信回線NEは、専用回線であってもよいし、公衆通信回線であってもよい。
【0100】
上記各実施形態に係る発電機制御装置200は、既存のコンピュータで実現できる。即ち、図2に示す発電機制御プログラム221をコンピュータにインストールすることで、そのコンピュータを発電機制御装置200として機能させることができる。発電機制御プログラム221は、通信ネットワークを介して配布してもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよい。
【符号の説明】
【0101】
100,100A,100B,100C…発電機、110…電力生成機構、120…原動機、200,200A,200B,200C…発電機制御装置、210…通信部、220…補助記憶部、221…発電機制御プログラム、222…保守運転遂行日付データ、223…停電確率指数特定テーブル、230…表示部、240…CPU、241…停電確率指数特定部(停電確率情報特定手段)、242…経過期間長指数特定部(経過期間長情報特定手段)、243…判定部(判定手段)、244…制御指令出力部(制御指令出力手段)、250…主記憶部、300,500,600…発電システム、400…停電確率指数特定装置(停電確率指数特定手段)、CS…制御指令、DS…災害速報システム群、DS1…雷速報システム、DS2…地震速報システム、DT…災害速報データ、LD,LDA,LDB,LDC…負荷、NE…通信回線、SA,SB,SC…停電確率データ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11