(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。なお、後述される他の実施の形態に係るロボット遠隔操作装置のいくつかの構成要素は、
図1のロボット遠隔操作装置のいくつかの構成要素と同様である。
【0015】
図1のロボット遠隔操作装置は、少なくとも一つのロボット制御装置と、少なくとも一つの作業支援装置と、表示装置である動作表示装置4とを備える。本実施の形態1では、少なくとも一つのロボット制御装置は一つのロボット制御装置2であり、少なくとも一つの作業支援装置は一つの作業支援装置3である。
【0016】
ロボット制御装置2は、少なくとも一つのロボットを制御する。本実施の形態1では、ロボット制御装置2は、一つのロボット1を制御する。
図1のロボット制御装置2は、通信部2aと、作業指示取得部2bと、状態取得部2cとを含む。
【0017】
通信部2aは、作業支援装置3と通信する。作業指示取得部2bは、作業支援装置3から通信部2aに送信されたロボット動作指令に基づいてロボットを動作させる。つまり、ロボット動作指令は、ロボット制御装置2の制御によってロボット1を動作させるための指令である。
【0018】
状態取得部2cは、ロボットの状態であるロボット状態を取得する。ロボット状態は、例えば、ロボット1またはロボット1に接続されたセンサで検出された値などである。通信部2aは、状態取得部2cで取得されたロボット状態を作業支援装置3に送信する。
【0019】
図1の作業支援装置3は、操作検出部3aと、第1アバター変換部である操作−アバター変換部3bと、ロボット指令変換部である操作−ロボット指令変換部3cと、第2アバター変換部であるロボット−アバター変換部3dと、タイミング制御部3eと、作業者状態遷移記憶部3fと、ロボット状態遷移記憶部3gと、状態管理テーブル記憶部3hと、通信部3iとを含む。作業支援装置3の通信部3iと、ロボット制御装置2の通信部2aとの間でネットワークなどによる通信が行われることにより、作業支援装置3はロボット制御装置2と通信を行う。この通信は、有線、無線、及び、これらの組み合わせのいずれであってもよい。
【0020】
操作検出部3aは、少なくとも一人の作業者の操作を検出する。本実施の形態1では、操作検出部3aは、一人の作業者5の操作を検出する。
【0021】
操作−アバター変換部3bは、操作検出部3aで検出された操作から、第1アバターである作業者アバターに変換する。
【0022】
操作−ロボット指令変換部3cは、操作検出部3aで検出された操作から、上記ロボット動作指令に変換する。
【0023】
ロボット−アバター変換部3dは、通信部3i及びタイミング制御部3eを介してロボット制御装置2から上記ロボット状態を取得する。そして、ロボット−アバター変換部3dは、取得したロボット状態から、第2アバターであるロボット動作アバターに変換する。
【0024】
タイミング制御部3eは、通信部3iを介してロボット制御装置2から上記ロボット状態を取得する。そして、タイミング制御部3eは、操作−ロボット指令変換部3cで得られたロボット動作指令と、ロボット制御装置2からのロボット状態とに基づいて、通信部3iからロボット制御装置2にロボット動作指令を送信するタイミングを制御する。
【0025】
動作表示装置4は、操作−アバター変換部3bで得られた作業者アバター41と、ロボット−アバター変換部3dで得られたロボット動作アバター42とを表示する。なお、動作表示装置4は、例えば、モニタ及びヘッドマウントディスプレイなどを含む。
【0026】
次に、ロボット遠隔操作装置の上記構成要素のいくつかについて詳細に説明する。
【0027】
ロボット遠隔操作装置には、作業開始前に行う初期処理と、作業を行うための作業中処理とからなる2つのフェーズが規定されている。以下、初期処理について説明した後、作業中処理について説明する。
【0028】
<初期処理>
図2は、作業者の行動計画を登録する初期処理の手順を示すフローチャートである。
【0029】
まずステップS1にて、作業者は、作業全体の行動計画を状態遷移として作成する行動計画作成処理を行う。
【0030】
図3は、作業者及びロボットの行動計画を示す状態遷移図である。この状態遷移図は、作業者及びロボットの動作を規定する図であり、
図2のステップS1の行動計画作成処理で作成される。
図3の状態遷移図として、作業者用の作業者状態遷移を示す状態遷移図と、ロボット用のロボット状態遷移を示す状態遷移図とが規定される。なお、作業者状態遷移と、ロボット状態遷移とは実質的に互いに同じである。このため、以下の説明では、作業者状態遷移及びロボット状態遷移の一方の遷移しか説明しない場合もあるが、他方の遷移の説明は一方の遷移の説明と同様である。作成された作業者状態遷移は、作業者状態遷移記憶部3fに記憶され、作成されたロボット状態遷移は、ロボット状態遷移記憶部3gに記憶される。
【0031】
図3の例では、8つの状態((1)〜(8)の状態)と、15つの状態遷移を示す15の矢印とが示されている。ある状態から別の状態に遷移する状態遷移などの処理には一意のIDが付与される。なお、IDの付与はこれに限ったものではなく、例えば、後の実施の形態で説明するように異常復帰などの処理にも一意のIDが付与される。遷移前の状態として規定されたIDに対応する操作が行われると、当該遷移前の状態から、当該ID及び当該操作に対応する遷移後の状態に遷移する。
【0032】
ここで
図3の状態遷移図の処理例について説明する。処理が開始された場合、作業者状態及びロボット状態は「(1)初期状態」となる。「(1)初期状態」のときに、操作検出部3aが、ID1に対応する操作を検出すると、ロボット状態は、「(1)初期状態」から、第1物体の把持位置までロボット1を移動させる「(2)第1物体へ移動」に遷移する。「(1)初期状態」のときに、操作検出部3aが、ID2に対応する操作を検出すると、ロボット状態は、「(1)初期状態」から、第2物体の把持位置までロボット1を移動させる「(3)第2物体へ移動」に遷移する。
【0033】
状態遷移図の作成が完了した後、次に説明する状態管理テーブルの状態番号と遷移先番号とが登録され、全ての状態遷移に対して一意のIDが登録される。
【0034】
図4は、状態管理テーブルを示す図である。
図4の状態管理テーブルは、IDと、状態番号と、状態先番号と、作業者操作と、アバター動作と、ロボットプログラム番号と、現場状態と、タイミング制御とを含む。なお、状態管理テーブルは、状態管理テーブル記憶部3hに記憶される。
【0035】
IDは、上述したように状態遷移に対して一意に付与される。状態番号は、遷移前のロボット状態に対して一意に付与される。状態先番号は、適切な操作が行われた場合に遷移前のロボット状態から遷移すべき遷移後のロボット状態に対して一意に付与される。なお、
図2のステップS1では、遷移に付与される全てのIDについて、状態番号と、当該状態番号から遷移する可能性がある遷移先番号との関連付けが行われる。
【0036】
図4に戻って、作業者操作は、状態番号から遷移先番号へ作業者アバター41を状態遷移させる契機となる操作であり、IDに対応する操作である。なお、異なるIDに同じ操作が対応付けられてもよい。
【0037】
現場状態は、状態番号から遷移先番号へロボット動作アバター42を状態遷移させる契機となる状態であり、ロボット状態と実質的に同じである。
【0038】
アバター動作は、各種アバターの動画像などの画像が登録される。例えば、
図1の操作−アバター変換部3bは、操作検出部3aで検出された操作を、状態管理テーブルの作業者操作から読み出し、当該作業者操作に対応するアバター動作を作業者アバター41として読み出すことによって、操作から作業者アバター41に変換する。例えば、ロボット−アバター変換部3dは、ロボット制御装置2からのロボット状態を、状態管理テーブルの現場状態から読み出し、当該現場状態に対応するアバター動作をロボット動作アバター42として読み出すことによって、ロボット状態からロボット動作アバター42に変換する。
【0039】
ロボットプログラム番号は、操作検出部3aが操作を検出したときにロボット1を動作させるための番号であり、上記ロボット動作指令と実質的に同じである。例えば、
図1の操作−ロボット指令変換部3cは、操作検出部3aで検出された操作を、状態管理テーブルの作業者操作から読み出し、当該作業者操作に対応するロボットプログラム番号を読み出すことによって、操作からロボット動作指令であるロボットプログラム番号に変換する。
【0040】
タイミング制御は、ロボット動作指令とロボット状態とに基づいて、ロボット制御装置2にロボット動作指令を送信するタイミングを制御するか否かが設定される。タイミングを制御する場合、つまりタイミング制御を有効にする場合には「〇」が登録される。
【0041】
図2のステップS2にて、作業者は、
図4の状態管理テーブルの作業者操作を登録する操作登録処理を行う。
図5は、
図2のステップS2の操作登録処理の手順を示すフローチャートである。この
図5の処理を行うことによって、
図4の状態管理テーブルの作業者操作が登録される。なお、ここでは作業者操作は、状態管理テーブルのIDごとに異なるものとして説明する。
【0042】
まずステップS11にて、作業者は、物理的媒体を用いた操作登録装置によって現場状態を作成(規定)する。作成された現場状態は、
図4の状態管理テーブルに登録される。以下、現場状態の作成について説明する。
【0043】
図6は、上記操作登録装置の構成を示す模式図である。
図6の操作登録装置は、
図6の操作状態取得装置66と、
図6の在荷センサ67a,67b,67c,6d,67eとを備える。操作状態取得装置66は、例えばカメラであり、作業者が物体を操作する状態を取得する。在荷センサ67a,67b,67c,6d,67eは、それぞれ第1物体62aの
図6の位置、第2物体62bの
図6の位置、第1場所63a、第2場所63b及び第3場所63cでの物体の有無を検出する。
【0044】
例えば、
図4の状態管理テーブルのIDが0である場合の状態番号(1)は、初期状態を示す。初期状態では、在荷センサ67a,67bのセンサ値は、物体ありを示すONとなり、在荷センサ67c,67d,67eのセンサ値は、物体なしを示すOFFとなる。このように、在荷センサ67a〜67eのセンサ値の組み合わせなどが、各状態番号に対応する実際の状態、ひいては現場状態として作成される。
【0045】
図5のステップS12にて、操作検出部3aは、
図4の状態管理テーブルのIDに対応する作業者操作を登録する。ここで、
図1の作業支援装置3の操作検出部3aは、操作取得部3a1と、状態変化取得部3a2とを含む。
【0046】
状態変化取得部3a2は、在荷センサ67a〜67eのセンサ値に基づいて、状態を遷移する操作が行われたか否かを判定する。例えば、在荷センサ67a,67b,67c,6d,67eのセンサ値が、順にON,ON,OFF,OFF,OFFである状態から、順にON,OFF,OFF,OFF,OFFである状態に変化した場合を想定する。この場合、状態変化取得部3a2は、
図4の状態管理テーブルにおける状態番号(2)から状態番号(4)に遷移する操作、つまりID4に対応する操作が行われたと判定する。
【0047】
操作取得部3a1は、状態変化取得部3a2で操作が行われたと判定された場合に操作状態取得装置66で取得された操作状態を、作業者操作として登録する。例えば、
図4の状態番号(1)から状態番号(2)に遷移する操作が行われたと状態変化取得部3a2で判定された場合に、操作状態取得装置66は操作状態を取得し、操作取得部3a1は、操作状態取得装置66で取得された操作状態を作業者操作の「操作1」として登録する。
【0048】
図5のステップS13にて、作業支援装置3は、登録された作業者操作と、当該操作が行われた後の現場状態とを関連付ける。その後、
図5の処理が終了する。この
図5の動作は、遷移に付与される全てのIDについて行われる。
【0049】
図5の処理からなる
図2のステップS2が終了した後、ステップS3にて、
図4の状態管理テーブルのうち残りの項目が登録される。つまり、アバター動作の登録と、ロボットプログラム番号と、タイミング制御とが関連付けて登録される。その後、
図2の初期処理が完了する。
【0050】
<作業中処理>
次に作業中処理の一例について説明する。最初にロボット遠隔操作装置を起動すると、作業者及びロボットのそれぞれの状態は、
図3の「(1)初期状態」となる。
【0051】
操作検出部3aが、ID1に対応する操作1を検出すると、作業支援装置3の操作−ロボット指令変換部3cは、
図4の状態管理テーブルを参照し、操作1に対応するロボットプログラム番号21をロボット制御装置2に送信する。これにより、ロボットプログラム番号21の制御がロボット制御装置2に依頼される。
【0052】
作業支援装置3は、操作−アバター変換部3bによって操作1から変換されたアバター動作2を動作表示装置4に送信し、動作表示装置4はアバター動作2の画像を作業者アバター41として表示する。以上の動作が終了したとき、作業者状態は、
図3の「(1)初期状態」から「(2)第1物体へ移動」に遷移する。
【0053】
ロボット制御装置2は、ロボットプログラム番号21の実行を完了した場合に、「状態2完了」というロボット状態を作業支援装置3に送信する。作業支援装置3は、ロボット−アバター変換部3dによって「状態2完了」というロボット状態から変換されたアバター動作2を動作表示装置4に送信し、動作表示装置4はアバター動作2の画像をロボット動作アバター42として表示する。以上の動作が終了したとき、ロボット状態は、
図3の「(1)初期状態」から「(2)第1物体へ移動」に遷移する。
【0054】
その後、作業者が、ID4に対応する操作4、ID7に対応する操作7、ID13に対応する操作13を順に行うと、上記と同様の動作が行われ、作業者状態及びロボット状態は、
図3の「(4)第1物体を把持」、「(6)第1場所へ移動・配置」、「(1)初期状態」に順に遷移する。
【0055】
ここで、作業支援装置3とロボット制御装置2との間の通信遅延により、作業者の操作が先行し、ロボット制御装置2の制御が追従しないことがある。このため、例えば通信遅延が大きくなった場合には、ロボットが作業者の操作に対応する作業が部分的に行われないことがあり、その結果として、作業者の操作とロボットの作業との間の整合性が取れないことがある。
【0056】
これに対して本実施の形態1では、状態管理テーブルにてタイミング制御が有効にされている場合に、タイミング制御部3eは、ロボット制御装置2が有効に設定されたレコードのロボットプログラム番号の作業が完了するまで、次のロボットプログラム番号の送信を停止し、次のロボットプログラム番号を保存する。そして、タイミング制御部3eは、ロボット制御装置2が有効に設定されたレコードのロボットプログラム番号の作業が完了した場合に、次のロボットプログラム番号をロボット制御装置2に送信する。
【0057】
以上のような本実施の形態1に係るロボット遠隔操作装置によれば、作業者5は、遠隔地のロボット1の作業状態を把握しながら操作を行うことができる。また、本実施の形態1によれば、タイミング制御部3eにより、作業者5の状態とロボット1の状態との間に乖離が発生した場合に、作業支援装置3からロボット制御装置2へのロボット動作指令を待たせることができるので、作業者5の操作とロボット1の作業との間の整合性を取ることができる。
【0058】
<実施の形態2>
図7は、本発明の実施の形態2に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図7のロボット遠隔操作装置の構成は、
図1の構成に、通信異常検出部3j,2dを追加した構成と同様である。
【0059】
作業支援装置3に含まれる通信異常検出部3jは、ロボット制御装置2へ一定時間間隔で、ロボットプログラム番号などのデータを送信する。ロボット制御装置2に含まれる通信異常検出部2dは、受信したデータについての応答を作業支援装置3に返送する。通信異常検出部3jは、上記一定時間間隔で通信異常検出部2dからの応答を受信しなかった場合に、通信異常が発生したと検出する。つまり、通信異常検出部3jは、ロボット制御装置2作業支援装置3との間のデータの送受信ができない異常である通信異常を検出する。
【0060】
本実施の形態2では、作業支援装置3は、通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、ロボット制御装置2に送信しているロボットプログラム番号の状態番号を、現在の状態番号として保存する。つまり、作業支援装置3は、通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、ロボット制御装置2に送信すべきロボット動作指令を保存する。
【0061】
また本実施の形態2では、作業支援装置3は、通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、ロボット制御装置2へのロボットプログラム番号などのデータの送信を停止する。
【0062】
ロボット制御装置2は、上記一定時間間隔で作業支援装置3からのデータを受信しなかった場合、つまり通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、ロボット1の現在位置を保存してロボット1を停止する。
【0063】
通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって作業者アバター41及びロボット動作アバター42に異常を表示する。この場合に、作業支援装置3の操作検出部3aは、作業者からの操作の検出を停止するように構成されてもよい。
【0064】
以上のような本実施の形態2に係るロボット制御装置によれば、作業者5は、保存された現在の状態番号のロボットプログラム番号を確認することにより、通信異常時にロボット制御装置2に送信されていたロボットプログラム番号を確認することができる。また、通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、動作表示装置4が異常を表示するので、作業者5は通信異常の発生を知ることができる。また、通信異常検出部3jで通信異常が検出された場合に、ロボット1を停止させるので、ロボット1によって想定外の作業が行われることを抑制することができる。
【0065】
<実施の形態3>
図8は、本発明の実施の形態3に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態3に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図8のロボット遠隔操作装置の構成は、
図7の構成に、異常復帰部3kを追加した構成と同様である。
【0066】
図9は、本実施の形態3に係る状態管理テーブルを示す図である。
図9の状態管理テーブルでは、
図4の状態管理テーブルにID16が追加されている。ID16に対応する状態番号は「異常復帰」である。ID16に対応する操作16は、ロボット制御装置2と作業支援装置3との間のデータの送受信が異常から正常に移行した場合に行われる操作である。
【0067】
作業者5は、通信異常が取り除かれた場合に、
図9の状態管理テーブルの状態番号「異常復帰」に登録された操作16を行う。操作検出部3aで操作16が検出された場合、異常復帰部3kは、つまりロボット制御装置2と作業支援装置3との間のデータの送受信が異常から正常に移行した場合に、異常復帰部3kは、実施の形態2において保存されたロボット動作指令と、ロボット制御装置2から取得したロボットプログラム番号とに基づいてロボット1への遠隔操作を復帰する。
【0068】
例えば、操作検出部3aで操作16が検出された場合に、異常復帰部3kは、ロボット制御装置2にて最後に実行したロボットプログラム番号を、通信部3iなどを介してロボット制御装置2から取得する。ロボット制御装置2から取得したロボットプログラム番号が、保存された現在の状態番号のロボットプログラム番号と同じである場合には、作業支援装置3の状態とロボット制御装置2の状態とが一致しているため、異常復帰部3kは、作業者からの作業指示の受付を再開する。また、動作表示装置4における異常表示が削除される。
【0069】
ロボット制御装置2から取得したロボットプログラム番号が、保存された現在の状態番号のロボットプログラム番号と異なる場合には、作業支援装置3のロボットプログラム番号が、ロボット制御装置2のロボットプログラム番号と一致するように、異常復帰部3kは、作業支援装置3のロボット状態を変更する。そして、異常復帰部3kは、変更後のロボット状態に対応し、作業者アバター41として表示すべきアバター動作を動作表示装置4へ送信し、作業者からの作業指示の受付を再開する。また、動作表示装置4における異常表示が削除される。
【0070】
なお、異常復帰部3kは、ロボット制御装置2からロボットプログラム番号を取得できない場合には、実施の形態2において保存されたロボット動作指令に基づいてロボット1への遠隔操作を復帰してもよい。
【0071】
以上のような本実施の形態3に係るロボット遠隔操作装置によれば、保存されたロボット動作指令に基づいてロボット1への遠隔操作を復帰することができる。
【0072】
<実施の形態4>
図10は、本発明の実施の形態4に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態4に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図10のロボット遠隔操作装置の構成は、
図8の構成に、作業異常検出部2eを追加した構成と同様である。
【0073】
作業異常検出部2eは、例えば、ロボット1の干渉、ロボット1によるワークの把持の失敗、ロボット1によるワークの落下など、ロボット1が行う作業の異常である作業異常を、センサなどによって検出する。
【0074】
作業異常検出部2eは、作業異常を検出した場合にロボット1を停止し、実行中のロボットプログラム番号と、センサなどによって検出された作業異常とを、通信部2aなどを介して作業支援装置3へ送信する。
【0075】
作業支援装置3が、ロボット制御装置2から実行中のロボットプログラム番号及び作業異常を受信した場合、つまり、作業異常検出部2eで作業異常が検出された場合に、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によってロボット動作アバター42に異常を表示する。この場合に、作業支援装置3の操作検出部3aは、作業者からの操作の検出を停止するように構成されてもよい。
【0076】
作業異常が取り除かれた場合、作業を再開できる状態までロボット1やワークが、作業者の手作業またはロボット制御装置2の制御によって移動される。当該移動後のロボット1やワークの状態に対応するロボットプログラム番号が、次に実行すべきロボットプログラム番号としてロボット制御装置2に設定される。
【0077】
作業異常検出部2eは、ロボットプログラムの再開コマンドと、ロボット制御装置2に設定されたロボットプログラム番号とを作業支援装置3へ送信する。異常復帰部3kは、ロボットプログラムの再開コマンドとロボットプログラム番号とを通信部3iなどを介して受信した場合、つまり、ロボット1が行う作業が異常から正常に移行した場合に、ロボット1への遠隔操作を復帰する。ロボット1への遠隔操作を復帰の例として、異常復帰部3kは、受信したロボットプログラム番号に該当する現在の状態番号を取得し、ロボット制御装置2へロボットプログラムの実行コマンドを送信する。また、ロボット1が行う作業が異常から正常に移行した場合に、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、状態番号に対応する作業者アバター41を表示する。この際、動作表示装置4における異常表示が削除される。
【0078】
ロボット制御装置2は、ロボットプログラムの実行コマンドを作業支援装置3から受信すると、ロボット制御装置2に設定されたロボットプログラム番号を実行し、当該実行を完了したときにロボット状態を作業支援装置3に送信する。作業支援装置3は、当該ロボット状態から変換されたアバター動作を動作表示装置4に送信し、動作表示装置4は当該アバター動作の画像をロボット動作アバター42として表示する。以上の動作が終了したとき、ロボット状態は次の状態に遷移する。
【0079】
以上のような本実施の形態4に係るロボット遠隔操作装置によれば、作業者5は、現場の作業状態の異常、つまりロボット1の作業状態の異常を知ることができる。また、ロボット1やワークの状態に基づいて作業を再開することができる。
【0080】
<実施の形態5>
図11は、本発明の実施の形態5に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態5に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0081】
本実施の形態5では、少なくとも一つのロボットは、第1ロボット11及び第2ロボット12を含む複数のロボットであり、少なくとも一つのロボット制御装置は、第1ロボット制御装置21及び第2ロボット制御装置22を含む複数のロボット制御装置である。第1ロボット制御装置21の構成は、実施の形態1で説明したロボット制御装置2と同様であり、第1ロボット11を制御する。第2ロボット制御装置22の構成は、実施の形態1で説明したロボット制御装置2と同様であり、第2ロボット12を制御する。
【0082】
少なくとも一つの作業支援装置は、一つの作業支援装置3であり、本実施の形態5に係る作業支援装置3は、一人の作業者5の操作に基づいて、第1及び第2ロボット制御装置21,22にロボット動作指令を送信する。
【0083】
動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第1ロボット11に対応するロボット動作アバターを、第1ロボット動作アバター42aとして表示する。同様に、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第2ロボット12に対応するロボット動作アバターを、第2ロボット動作アバター42bとして表示する。
【0084】
図12は、本実施の形態5に係る状態管理テーブルを示す図である。
図12の状態管理テーブルでは、
図9の状態管理テーブルに、第1及び第2ロボット制御装置21,22のいずれかを示すロボット制御装置番号が追加されている。
【0085】
初期処理では、
図2のステップS2の操作登録処理において、
図12の全てのIDに対応するロボット制御装置番号に、複数のロボット制御装置(第1及び第2ロボット制御装置21,22)のうち、作業者5が操作する装置が登録される。なお、ロボット制御装置番号の「1」は、第1ロボット制御装置21を示し、ロボット制御装置番号の「2」は、第2ロボット制御装置22を示す。
【0086】
作業中処理では、操作検出部3aが操作を検出すると、作業支援装置3の操作−ロボット指令変換部3cは、
図12の状態管理テーブルを参照する。そして、操作−ロボット指令変換部3cは、当該操作に対応するロボットプログラム番号を、第1及び第2ロボット制御装置21,22のうち当該操作に対応する一方のロボット制御装置に送信する。例えば、操作検出部3aが操作1を検出すると、作業支援装置3の操作−ロボット指令変換部3cは、
図12の状態管理テーブルを参照し、当該操作1に対応するロボットプログラム番号21を、当該操作1に対応する第1ロボット制御装置21に送信する。これにより、操作検出部3aで検出された操作に対応するロボットプログラム番号の制御が、第1及び第2ロボット制御装置21,22のうち当該操作に対応する一方のロボット制御装置に依頼される。
【0087】
以上のような本実施の形態5に係るロボット遠隔操作装置によれば、一人の作業者5の操作によって、複数のロボット(第1及び第2ロボット11,12)を用いた作業を完遂することができる。
【0088】
<実施の形態6>
図13は、本発明の実施の形態6に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態6に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0089】
少なくとも一つのロボットは、実施の形態5と同様に、第1ロボット11及び第2ロボット12を含む複数のロボットであり、少なくとも一つのロボット制御装置は、実施の形態5と同様に、第1ロボット制御装置21及び第2ロボット制御装置22を含む複数のロボット制御装置である。少なくとも一つの作業支援装置は、一つの作業支援装置3であり、本実施の形態6に係る作業支援装置3は、第1作業者51及び第2作業者52を含む複数人の作業者の操作に基づいて、第1及び第2ロボット制御装置21,22にロボット動作指令を送信する。
【0090】
動作表示装置4は、実施の形態5と同様に、第1及び第2ロボット動作アバター42a,42bを表示する。また本実施の形態6に係る動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第1作業者51に対応する作業者アバターを、第1作業者アバター41aとして表示する。同様に、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第2作業者52に対応する作業者アバターを、第2作業者アバター41bとして表示する。
【0091】
図14は、本実施の形態6に係る状態管理テーブルを示す図である。
図14の状態管理テーブルでは、
図12の状態管理テーブルに、操作装置番号が追加されている。
【0092】
図15は、本実施の形態6に係る初期処理の手順を示すフローチャートである。
図15の処理は、
図2の処理にステップS21を追加した処理と同様である。
【0093】
ロボット遠隔操作装置は、複数の操作装置を有しており、作業者ごとに異なる操作装置が使用される。なお、複数の操作装置は、例えば複数の操作検出部3aに含まれる。各操作装置は特定の操作者のみが使用できるものとする。
【0094】
図2のステップS21では、操作装置ごとに操作可能な作業が割り当てられる作業者登録処理が行われる。次に、このステップS21の作業者登録処理の一例について説明する。
【0095】
第1作業者51は、第1操作装置を接続し、ステップS21の作業者登録処理を実行する。これを実行すると、
図16のような操作装置一覧テーブルが動作表示装置4に表示される。なお、操作装置一覧テーブルは、作業支援装置3に接続された操作装置を示すテーブルである。
【0096】
第1作業者51は、動作表示装置4に表示された操作装置一覧テーブルをみて、第1操作装置に対応する装置番号が「23」であることを確認し、
図14の状態管理テーブルの第1作業者51が操作する全ての処理(ID0〜ID16)の操作装置番号に、「23」という装置番号を登録する。
【0097】
同様に第2作業者52は、第2操作装置を接続し、ステップS21の作業者登録処理を実行する。これを実行すると、
図16のような操作装置一覧テーブルが動作表示装置4に表示される。
【0098】
第2作業者52は、動作表示装置4に表示された操作装置一覧テーブルをみて、第2操作装置に対応する装置番号が「67」であることを確認し、
図14の状態管理テーブルの第2作業者52が操作する全ての処理(ID0〜ID20)の操作装置番号に、「67」という装置番号を登録する。
【0099】
次に作業中処理の一例について説明する。操作検出部3aの第1操作装置が、操作を第1作業者51から検出すると、作業支援装置3は、第1操作装置で検出した操作に関わらず、
図16の操作装置一覧テーブルの操作装置番号から、第1操作装置に対応する装置番号を取得する。次に、作業支援装置3は、
図14の状態管理テーブルを参照し、検出された操作に対応する操作装置番号に、取得された装置番号が含まれているかを判定する。そして、作業支援装置3は、当該操作装置番号に当該装置番号が含まれていると判定した場合に、当該操作に対応するロボットプログラム番号を、当該操作に対応するロボット制御装置に送信する。
【0100】
具体的には、作業者及びロボットのそれぞれの状態が、
図3の「(1)初期状態」であり、かつ、第1操作装置が、ID1に対応する操作1を第1作業者51から検出すると、作業支援装置3は、
図16の操作装置一覧テーブルの操作装置番号から、第1操作装置に対応する装置番号として「23」を取得する。そして、作業支援装置3は、第1操作装置が検出した操作1に対応する操作装置番号に、取得された装置番号「23」が含まれていると判定し、操作1に対応するロボットプログラム番号21を、操作1に対応する第1ロボット制御装置21に送信する。
【0101】
動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第1作業者51に対応する作業者アバターを、第1作業者アバター41aとして表示する。状態管理テーブルの操作装置番号に装置番号「23」が含まれていない場合には、動作表示装置4は、作業支援装置3の制御によって、第1作業者アバター41aについて操作不可エラーを表示する。
【0102】
なお、以上では、第1操作装置が操作を検出した場合について説明したが、第2操作装置が操作を検出した場合も同様である。
【0103】
以上のような本実施の形態6に係るロボット遠隔操作装置によれば、作業者ごとに操作可能な作業を登録することができる。
【0104】
<実施の形態7>
図17は、本発明の実施の形態7に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態7に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0105】
少なくとも一つのロボットは、実施の形態5と同様に、第1ロボット11及び第2ロボット12を含む複数のロボットであり、少なくとも一つのロボット制御装置は、実施の形態5と同様に、第1ロボット制御装置21及び第2ロボット制御装置22を含む複数のロボット制御装置である。
【0106】
本実施の形態7では、少なくとも一つの作業支援装置は、第1作業支援装置31及び第2作業支援装置32を含む複数の作業支援装置である。第1作業支援装置31は、実施の形態5と同様に、第1作業者51の操作を用い、第1及び第2ロボット制御装置21,22にロボット動作指令を送信する。第2作業支援装置32は、実施の形態5と同様に、第2作業者52の操作を用い、第1及び第2ロボット制御装置21,22にロボット動作指令を送信する。なお、第2作業支援装置32は、動作表示装置4と接続されているが、図面の簡略化のため、
図17では、それらの間の接続線の図示は省略している。
【0107】
第1及び第2ロボット制御装置21,22のそれぞれは、第1及び第2作業支援装置31,32のいずれか一方の装置から送信されたロボット動作指令を実行している間に、他方の装置から送信されたロボット動作指令を保存する。本実施の形態7では、第1及び第2ロボット制御装置21,22のそれぞれは、プログラムキュー2fと、タイミング制御部2gと備える。
【0108】
プログラムキュー2fは、実行すべきプログラムを実行順に配列された状態で保存する。タイミング制御部2gは、ロボットがロボットプログラムを実行していない待機状態と、ロボットがロボットプログラムを実行している実行状態とによって、ロボットのプログラム状態を管理する。
【0109】
作業指示取得部2bは、ロボット動作指令であるロボットプログラム番号を受信したときに、タイミング制御部2gにロボットのプログラム状態を問い合わせる。問い合わせた結果が待機状態であれば、作業指示取得部2bは、タイミング制御部2gのプログラム状態を待機状態から実行状態へ遷移させ、受信したロボットプログラム番号をプログラムキュー2fに格納する。問い合わせた結果が実行状態であれば、作業指示取得部2bは、受信したロボットプログラム番号をプログラムキュー2fに格納する。
【0110】
タイミング制御部2gで管理するプログラム状態が実行状態に遷移している場合、作業指示取得部2bは、プログラムキュー2fに格納されている先頭のロボットプログラム番号を削除し、当該先頭のロボットプログラム番号に基づいてロボットを動作させる。
【0111】
ロボットプログラム番号の実行が完了した場合、作業指示取得部2bは、当該ロボットプログラム番号の実行が完了したことを第1及び第2作業支援装置31,32へ送信し、かつ、プログラムキュー2fにロボットプログラム番号が格納されているかを確認する。
【0112】
プログラムキュー2fにロボットプログラム番号が格納されている場合には、作業指示取得部2bは、プログラムキュー2fに格納されている先頭のロボットプログラム番号を削除し、当該先頭のロボットプログラム番号に基づいてロボットを動作させる。プログラムキュー2fにロボットプログラム番号が格納されていない場合には、作業指示取得部2bは、タイミング制御部2gのプログラム状態を実行状態から待機状態へ遷移させる。
【0113】
以上のような本実施の形態7に係るロボット遠隔操作装置によれば、第1及び第2ロボット制御装置21,22のそれぞれは、一の作業支援装置から送信されたロボット動作指令を実行している間に、別の作業支援装置から送信されたロボット動作指令を保存する。このような構成によれば、複数の遠隔地(第1及び第2作業支援装置31,32)にて操作を行うことによって、ロボット制御装置2を用いた作業を適切に行うことができる。
【0114】
<実施の形態8>
図18は、本発明の実施の形態8に係るロボット遠隔操作装置の全体構成を示すブロック図である。以下、本実施の形態8に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
図18のロボット遠隔操作装置の構成は、
図1の構成に、差異検出部3lを追加した構成と同様である。
【0115】
差異検出部3lは、作業者アバター41の作業状態である作業者状態遷移回数と、ロボット動作アバター42の作業状態であるロボット状態遷移回数との差異が閾値を超えたか否かを判定する。そして、差異検出部3lは、差異が閾値を超えている場合には、ロボット動作アバター42に薄い赤色を付す指示をロボット−アバター変換部3dに行い、差異が閾値を超えていない場合には、ロボット動作アバター42に薄い赤色を付す指示をロボット−アバター変換部3dに行わない。
【0116】
図19及び
図20は、本実施の形態8に係る動作表示装置4の表示例を示す図である。
図19には、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が閾値以下である場合の表示例が示されている。
図20には、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が閾値を超えた場合の表示例が示されている。
図20では、色が変更されたことがドットハッチングで示されている。このように本実施の形態8では、動作表示装置4は、作業者アバター41の作業状態とロボット動作アバター42の作業状態との差異が閾値を超えた場合には、ロボット動作アバター42の色を変更し、当該差異が閾値を超えない場合には、ロボット動作アバター42を通常表示する。
【0117】
なお、
図19及び
図20の表示例では、差異が閾値を超えた場合にロボット動作アバター42の色が変更されているが、ロボット動作アバター42の色ではなく作業者アバター41の色が変更されてもよい。また、
図19及び
図20に示すように、動作表示装置4は、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異がない場合には作業者アバター41とロボット動作アバター42とを重ねて表示し、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異がある場合には作業者アバター41とロボット動作アバター42とを離間して表示してもよい。また、上記閾値は作業者によって所望の値に適宜設定にされてもよいし、上記色は作業者によって所望の色に適宜設定にされてもよい。
【0118】
以上のような本実施の形態8に係るロボット遠隔操作装置によれば、作業者は、自身の作業状態と、ロボット1の作業状態との差異が大きいか否かを容易に知ることができる。
【0119】
<実施の形態9>
本発明の実施の形態9に係るロボット遠隔操作装置の全体構成は、実施の形態8に係るロボット遠隔操作装置の全体構成(
図18)と同様である。以下、本実施の形態9に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0120】
差異検出部3lは、作業者アバター41の作業状態である作業者状態遷移回数と、ロボット動作アバター42の作業状態であるロボット状態遷移回数との差異である工程差の数を求める。また、差異検出部3lは、予め定められた複数の段階のうち、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が属する段階に基づいて、ロボット動作アバター42の色を変更する指示をロボット−アバター変換部3dに行う。
【0121】
図21は、段階を規定する閾値と、対応する色とを管理する作業差異管理テーブルを示す図である。この作業差異管理テーブルは、差異検出部31に含まれる。例えば、上記差異が、閾値「2」よりも大きく閾値「4」よりも小さい段階に属する場合、差異検出部31は、ロボット動作アバター42に薄い赤色を付す指示をロボット−アバター変換部3dに行う。また例えば、上記差異が、閾値「4」よりも大きく閾値「5」よりも小さい段階に属する場合、差異検出部31は、ロボット動作アバター42に赤色を付す指示をロボット−アバター変換部3dに行う。上記差異が、閾値「5」よりも大きい段階に属する場合、差異検出部31は、ロボット動作アバター42に濃い赤色を付す指示をロボット−アバター変換部3dに行う。なお、上記閾値は作業者によって所望の値に適宜設定にされてもよいし、上記色は作業者によって所望の色に適宜設定にされてもよい。
【0122】
図22及び
図23は、本実施の形態9に係る動作表示装置4の表示例を示す図である。
図22には、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が3である場合の表示例が示されている。この場合、ロボット動作アバター42には薄い赤色が付される。
図23には、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が6である場合の表示例が示されている。この場合、ロボット動作アバター42には濃い赤色が付される。
【0123】
このように本実施の形態9に係る動作表示装置4は、予め定められた複数の段階のうち、作業者状態遷移回数とロボット状態遷移回数との差異が属する段階に基づいて、ロボット動作アバター42の色を変更する。また、動作表示装置4は、
図22及び
図23に示すように、差異検出部31で求めた工程差の数を枠43に表示する。
【0124】
なお、
図22及び
図23の表示例では、差異が閾値を超えた場合にロボット動作アバター42の色が変更されているが、ロボット動作アバター42の色ではなく作業者アバター41の色が変更されてもよい。
【0125】
以上のような本実施の形態9に係るロボット遠隔操作装置によれば、作業者は、自身の作業状態と、ロボット1の作業状態との差異がどれぐらいかを容易に知ることができる。
【0126】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。