(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧力センサは、前記蛇腹または前記隔壁に取り付けられた棒と、電動コイルであって、前記電動コイルが励磁されたときに前記棒を引いて前記蛇腹または前記隔壁を伸長するための前記電動コイルとを更に備える、請求項3に記載の薬物送達装置。
前記圧力センサは、前記蛇腹または前記隔壁に取り付けられたケーブルと、電動モーターであって、前記電動モーターが励磁されたときに前記ケーブルを引き、巻いて前記蛇腹または前記隔壁を伸長するための前記電動モーターとを更に備える、請求項3に記載の薬物送達装置。
前記励磁されたモーターは、前記ケーブルを引き、巻いて前記蛇腹または前記隔壁を伸長するためのトルクを発生させ、前記ケーブルを引き、巻いて前記蛇腹または前記隔壁を伸長するために必要なトルクの量により、露出された前記身体組織と前記蛇腹または前記隔壁との間に負圧が発生しているかどうかを判定し、前記電動モーターによって発生されたトルクの量は、前記電動モーターに流れる電流の量に比例する、請求項10に記載の薬物送達装置。
正圧の供給源を更に備え、前記少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に前記粘着剤層全体に前記正圧を分配するように更に作動する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に前記薬物送達装置と前記身体組織の間に正圧を印加する正圧の供給源を更に備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の薬物送達装置。
【発明の概要】
【0009】
本明細書において開示されるのは薬物送達装置である。薬物送達装置の様々な実施形態は、剛性の基部を備えたハウジングを備えてもよい。剛性の基部は、少なくとも1つの圧力連通経路または開口を画定する表面を有してもよい。この圧力連通経路または開口は、基部全体に負流体圧を分配し、それにより身体組織を基部に対して吸引する。
【0010】
各種実施形態において、薬物送達装置は、少なくとも1つの圧力連通経路または開口を覆って配置された多孔性粘着剤層を更に備えてもよい。この粘着剤層は、薬物送達装置を身体組織に粘着的に取り付ける。少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、負流体圧を粘着剤層全体に分配し、それにより粘着剤層の全表面領域に対して身体組織を均等に吸引する。
【0011】
各種実施形態において、多孔性粘着剤層は弾性を有してもよい。
【0012】
各種実施形態において、薬物送達装置は、ハウジングと、ハウジングの基部を覆って配置された少なくとも1つの空気袋と、少なくとも1つの空気袋を覆って配置された可撓性粘着剤層とを備えてもよい。この粘着剤層は、薬物送達装置を身体組織に粘着的に取り付ける。少なくとも1つの空気袋は、部分的に膨張した、または拡張された状態において、薬物送達装置が印加力によって身体組織に装着されるときに身体組織の起伏に一致し、それにより可撓性粘着剤層の全表面領域にわたって印加力が均等に分配される。薬物送達装置が身体組織に装着された後、少なくとも1つの空気袋を基部に対して折り畳むことによって可撓性粘着剤層が身体組織を基部の方に引くようにし、それにより身体組織を伸ばす。
【0013】
各種実施形態において、少なくとも1つの圧力連通経路は、基部の中心領域に配置された第1端部と、基部の周辺領域に配置された第2端部とを有する螺旋形の溝を備えてもよい。
【0014】
各種実施形態において、少なくとも1つの圧力連通経路は、2つ以上の同心溝を備える。
【0015】
各種実施形態において、剛性の基部は、少なくとも1つの圧力連通経路または開口と流体連通しているポートであって、少なくとも1つの圧力連通経路または開口に負圧を印加するためのポートを更に備えてもよい。
【0016】
各種実施形態において、薬物送達装置は、少なくとも1つの圧力連通経路と流体連通している負圧供給源を更に備えてもよい。
【0017】
各種実施形態において、負圧供給源は薬物送達装置から分離されていてもよい。
【0018】
各種実施形態において、負圧供給源は薬物送達装置と一体化されていてもよい。
【0019】
各種実施形態において、負圧供給源は真空ポンプを備えてもよい。
【0020】
各種実施形態において、真空ポンプによって供給される負圧は、真空ポンプの速度、真空ポンプのストローク長及び真空ポンプへの電力のうちの1つ以上を変えることによって選択されてもよい。
【0021】
各種実施形態において、薬物送達装置は、真空ポンプによって発生された負流体圧を調節するための弁を更に備えてもよい。
【0022】
各種実施形態において、弁は、弁付勢素子の予圧と負流体圧が全体に伝達される弁領域との少なくとも一方を変えることによって選択可能な負差圧設定を有してもよい。
【0023】
各種実施形態において、薬物送達装置はコントローラを更に備えてもよく、弁は、コントローラによって選択可能な負差圧設定を有してもよい。
【0024】
各種実施形態において、薬物送達装置は、真空ポンプと少なくとも1つの圧力連通経路または開口との間に接続された少なくとも2つの固定圧力弁を更に備えてもよく、能動ポンプによって供給される負流体圧は、能動ポンプと少なくとも1つの圧力連通経路または開口との間の負流体圧の流路を変える固定圧力弁のうちの1つ以上を含むか、除外することによって選択されてもよい。
【0025】
各種実施形態において、薬物送達装置は、1つ以上の固定圧力弁と接続された1つ以上のコントローラ作動弁を更に備えてもよく、1つ以上のコントローラ作動弁は、1つ以上の固定圧力弁を含むか、除外するように作用してもよい。
【0026】
各種実施形態において、薬物送達装置は、ユーザー選択可能な負流体圧選択器を更に備えてもよい。この負流体圧選択器により、ユーザーは、真空ポンプによって供給される負流体圧を選択することができる。
【0027】
各種実施形態において、負圧供給源は酸素吸収体を含んでもよい。
【0028】
各種実施形態において、負圧供給源はシリンジを備えてもよい。
【0029】
各種実施形態において、負圧供給源は、最小容積状態から容積を拡張して負圧を発生させる空気チャンバを備えてもよい。
【0030】
各種実施形態において、空気チャンバは、空気チャンバを最小容積状態から拡張するための付勢素子を備えてもよい。
【0031】
各種実施形態において、空気チャンバは、拡張され、折り畳まれる可撓性空気チャンバで構成されてもよい。
【0032】
各種実施形態において、薬物送達装置は、ハウジングに接続された、ユーザーによって作動される第1のレバーであって、空気チャンバを折り畳むための第1のレバーを更に備えてもよい。
【0033】
各種実施形態において、第1のレバーは、ユーザーが第1のレバーを第1の方向に移動させたときに付勢素子を圧縮してもよい。
【0034】
各種実施形態において、薬物送達装置は、互いに対して移動可能に配置されたプランジャとシリンダを更に備えてもよい。いくつかの実施形態において、空気チャンバは、プランジャとシリンダの間に形成されてもよい。
【0035】
各種実施形態において、プランジャとシリンダの一方は、空気チャンバを折り畳むためにユーザーによって移動可能であってもよい。
【0036】
各種実施形態において、プランジャとシリンダの一方は、ユーザーによって押されたときに付勢素子を圧縮してもよい。
【0037】
各種実施形態において、空気チャンバは、弁またはベントであって、空気チャンバが最小容積状態まで折り畳まれるときには空気チャンバ内に収容された空気が当該弁またはベントを通過できるようにし、空気チャンバが最小容積状態から拡張されるときには空気が当該弁またはベントを通過できないようにする弁またはベントを備えてもよい。
【0038】
各種実施形態において、薬物送達装置は、薬物送達装置の使用前に粘着剤層を無菌状態に維持するために粘着剤層を覆って配置された着脱可能な密封膜を更に備えてもよい。いくつかの実施形態において、空気チャンバが最小容積状態まで折り畳まれるときに空気チャンバから排出される空気により、密封膜と粘着剤層の間の密封を破って密封膜の取り外しを容易にしてもよい。
【0039】
各種実施形態において、ユーザーによる薬物送達装置の起動により、空気チャンバから第1のレバーを開放して付勢素子に空気チャンバを展開及び拡張させ、それにより少なくとも1つの経路または開口に負圧を発生させてもよい。
【0040】
各種実施形態において、第1の方向における第1のレバーの移動によって薬物送達装置が起動し、薬物送達装置の起動によって第1のレバーを空気チャンバから開放させて付勢素子に空気チャンバを展開及び拡張させ、それにより少なくとも1つの経路または開口に負圧を発生させてもよい。
【0041】
各種実施形態において、薬物送達装置は、第2のレバーであって、ユーザーが第1のレバーと第2のレバーを共に挟むことによって第1の方向における第1のレバーの移動を容易にする第2のレバーを更に備えてもよい。
【0042】
各種実施形態において、プランジャとシリンダの一方は、付勢素子に空気チャンバを展開及び拡張させ、それにより少なくとも1つの経路または開口に負圧を発生させてもよい。
【0043】
各種実施形態において、プランジャとシリンダの一方を開放することによって空気チャンバを拡張させ、それにより少なくとも1つの経路または開口に負圧を発生させてもよい。
【0044】
各種実施形態において、薬物送達装置は、負圧の量を制御するためのコントローラを更に備えてもよい。
【0045】
各種実施形態において、薬物送達装置は、プランジャと負圧を印加する所望の位置との間にバラスト容積を更に備えてもよい。
【0046】
各種実施形態において、薬物送達装置は、少なくとも1つの圧力連通経路または開口に流体圧を分配するための流体圧分配構造を更に備えてもよい。
【0047】
各種実施形態において、流体圧分配構造は直列構造で構成されてもよい。
【0048】
各種実施形態において、直列構造は、主流体圧伝達管と、主流体圧伝達管から延在する2本以上の副流体圧伝達管とを備えてもよい。
【0049】
各種実施形態において、主流体圧伝達管は、流体圧の供給源に連結されてもよい。
【0050】
各種実施形態において、流体圧分配構造は並列構造で構成されてもよい。
【0051】
各種実施形態において、並列構造は、流体圧の供給源から延在する複数本の流体圧伝達管を備えてもよい。
【0052】
各種実施形態において、薬物送達装置は、流体圧分配構造内に配置された1つ以上の弁を更に備えてもよい。
【0053】
各種実施形態において、弁は、順次開いて、少なくとも1つの圧力連通経路または開口に流体圧を順次分配してもよい。
【0054】
各種実施形態において、副流体圧伝達管は圧力調整器として作用してもよい。
【0055】
各種実施形態において、副流体圧伝達管は、所定の負流体圧で潰れることによって圧力調整器として作用してもよい。
【0056】
各種実施形態において、弁は、副流体圧伝達管が潰れる所定の負流体圧より高い開口の負流体圧を有してもよい。
【0057】
各種実施形態において、1つ以上の弁は所定の負流体圧で開いてもよい。
【0058】
各種実施形態において、所定の負流体圧は、身体組織に印加される負流体圧より高くてもよい。
【0059】
各種実施形態において、薬物送達装置は、注射針侵入部位の周囲に配置された封止リングを更に備えてもよい。
【0060】
各種実施形態において、薬物送達装置は、粘着剤層に部分的に埋め込まれたか、粘着剤層の表面に配置された封止リングであって、薬物送達装置の注射針が針挿入中に通って伸長することが可能な開口を取り囲む封止リングを更に備えてもよい。
【0061】
各種実施形態において、薬物送達装置は、ハウジングの基部に部分的に埋め込まれたか、ハウジングの基部の表面に配置された封止リングであって、薬物送達装置の注射針が針挿入中に通って伸長することが可能な開口を取り囲む封止リングを更に備えてもよい。
【0062】
各種実施形態において、薬物送達装置は、医薬製品または薬物用の容器を含む注射装置を更に備えてもよい。
【0063】
各種実施形態において、医薬製品または薬物は、TNF阻害剤、カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体に対する抗体、コロニー刺激因子、赤血球生成刺激剤、アペリン受容体アゴニスト、抗胸腺間質性リンパ球新生因子抗体、抗胸腺間質性リンパ球新生因子受容体抗体、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型に結合する抗体、及びメタロプロテイアーゼの組織阻害剤からなる群から選択されてもよい。
【0064】
各種実施形態において、薬物送達装置は、薬物送達装置への身体組織の近接を検出するための圧力センサを更に備えてもよい。
【0065】
各種実施形態において、薬物送達装置は、身体組織を粘着剤層に対して吸引する負流体圧の有無を検出するための圧力センサを更に備えてもよい。
【0066】
各種実施形態において、薬物送達装置は、身体組織を基部に対して吸引する負流体圧の有無を検出するための圧力センサを更に備えてもよい。
【0067】
各種実施形態において、圧力センサは、薬物送達装置が身体組織に適切に固定されている場合には負流体圧を検出し、薬物送達装置が身体組織に不適切に固定されている場合には負流体圧を検出しないか、非常に小さい負流体圧を検出する。
【0068】
各種実施形態において、圧力センサは、薬物送達装置が患者の身体組織に適切に固定されているかどうかを判定するためにコントローラによって使用される信号を出力する。
【0069】
各種実施形態において、圧力センサは、絶対圧センサまたは差圧センサで構成されてもよい。
【0070】
各種実施形態において、圧力センサは蛇腹を備えてもよい。
【0071】
各種実施形態において、蛇腹は、圧力センサが負流体圧を検出したときに収縮する。
【0072】
各種実施形態において、蛇腹は、当該蛇腹が正流体圧を検出したときに伸長する。
【0073】
各種実施形態において、蛇腹は1つ以上の接点を備えてもよく、蛇腹が所定の正流体圧閾値を検出した場合に蛇腹の1つ以上の接点によって閉じられる回路を更に備える。
【0074】
各種実施形態において、薬物送達装置は、蛇腹が収縮及び伸長するように付勢するための素子を更に備えてもよい。
【0075】
各種実施形態において、圧力センサはプランジャ及びシリンダと一体化されていてもよい。
【0076】
各種実施形態において、圧力センサは、負圧を受けると予測可能に撓み得る表面に貼り付けられた歪みセンサで構成されてもよい。
【0077】
各種実施形態において、圧力センサは、プランジャとシリンダの一方を押圧することによって空気チャンバが折り畳まれた後にプランジャとシリンダの相対移動を監視する。
【0078】
各種実施形態において、圧力センサは、プランジャとシリンダの一方が開放されたとき、プランジャとシリンダの一方が移動し、次いで空気チャンバが完全に拡張された状態に戻る前に止まった場合に負圧を検出する。
【0079】
各種実施形態において、圧力センサは、プランジャとシリンダの一方が開放されたとき、プランジャとシリンダの一方が移動して空気チャンバを完全に拡張した場合に負圧をほとんどまたは全く検出しない。
【0080】
各種実施形態において、圧力センサは、光学信号を生成するための光源と、光学信号を受信するための光受信機とを備えてもよい。
【0081】
各種実施形態において、光受信機は、薬物送達装置が身体組織に適切に固定されている場合には光源によって生成された光学信号を受信せず、薬物送達装置が身体組織に不適切に固定されている場合には光源によって生成された光学信号を受信する。
【0082】
各種実施形態において、光受信機は、プランジャとシリンダの一方が開放された後に空気チャンバ内に負圧が発生した場合には光源によって生成された光学信号を受信せず、プランジャとシリンダの一方が開放されたときに空気チャンバ内に負圧がほとんどまたは全く発生しなかった場合には光源によって生成された光学信号を受信する。
【0083】
本明細書において更に開示されるのは、薬物送達装置であって、第1の圧力連通開口を有する表面を含む剛性の基部を備えるハウジングと;基部を覆って、または基部の表面に配置された、薬物送達装置を身体組織に粘着的に取り付けるための粘着剤層であって、第1の圧力連通開口と整列させた第2の圧力連通開口を有し、第1及び第2の圧力開口は身体組織の一部を露出させる、粘着剤層と;薬物送達装置が粘着剤層によって身体組織に適切に取り付けられているかどうかを判定するための圧力センサとを備える薬物送達装置である。
【0084】
各種実施形態において、圧力センサは蛇腹または隔壁を備えてもよい。
【0085】
各種実施形態において、蛇腹または隔壁は、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負流体圧を発生させることが可能かどうかを検出するために伸長されてもよい。
【0086】
各種実施形態において、圧力センサは、蛇腹または隔壁に取り付けられた棒と、電動コイルであって、電動コイルが励磁されたときに棒を引いて蛇腹または隔壁を伸長するための電動コイルとを更に備えてもよい。
【0087】
各種実施形態において、励磁されたコイルによって棒を引いて蛇腹または隔壁を伸長するときの速度により、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧が発生しているかどうかを判定する。
【0088】
各種実施形態において、棒が移動しないか、遅く移動している場合、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧が発生しており、それにより薬物送達装置が粘着剤層によって身体組織に適切に取り付けられていることを示す。
【0089】
各種実施形態において、棒が移動しているか、速く移動している場合、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧がほとんどまたは全く発生しておらず、それにより薬物送達装置が粘着剤層によって身体組織に不適切に取り付けられていることを示す。
【0090】
各種実施形態において、電動コイルに流れる電流の形状を経時的に監視することによって棒の速度を監視してもよい。
【0091】
各種実施形態において、回路は、接点を含む電気回路を更に備えてもよく、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負流体圧がほとんどまたは全く発生していない場合において電動コイルに印加される電流によって棒を移動させるのに十分な磁場が生じた場合、棒は接点と係合して電気回路を閉じる。
【0092】
各種実施形態において、圧力センサは、蛇腹または隔壁に取り付けられたケーブルと、電動モーターであって、電動モーターが励磁されたときにケーブルを引き、巻いて蛇腹または隔壁を伸長するための電動モーターとを更に備えてもよい。
【0093】
各種実施形態において、励磁されたモーターは、ケーブルを引き、巻いて蛇腹または隔壁を伸長するためのトルクを発生させ、ケーブルを引き、巻いて蛇腹または隔壁を伸長するために必要なトルクの量により、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧が発生しているかどうかを判定し、電動モーターによって発生されるトルクの量は、電動モーターに流れる電流の量に比例する。
【0094】
各種実施形態において、電動モーターに所定閾値を超える電流が流れてケーブルを引き、巻いた場合、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧が発生している可能性があり、それにより薬物送達装置が粘着剤層によって身体組織に適切に取り付けられていることを示す。
【0095】
各種実施形態において、電動モーターに所定閾値未満の電流が流れてケーブルを引き、巻いた場合、露出された身体組織と蛇腹または隔壁との間に負圧がほとんどまたは全く発生していない可能性があり、それにより薬物送達装置が粘着剤層によって身体組織に不適切に取り付けられていることを示す。
【0096】
各種実施形態において、薬物送達装置は、正流体圧の供給源を更に備えてもよく、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に粘着剤層全体に正流体圧を分配するように更に作用する。
【0097】
各種実施形態において、薬物送達装置は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に薬物送達装置と身体組織の間に正流体圧を印加する正流体圧の供給源を更に備えてもよい。
【0098】
各種実施形態において、薬物送達装置は、正流体圧の供給源を更に備えてもよく、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に基部全体に正流体圧を分配するように更に作用する。
【0099】
本明細書において更に開示されるのは、薬物送達装置の患者への取り付け方法である。各種実施形態において、上記方法は、選択された薬物送達部位の患者の身体組織より上に薬物送達装置を配置することと;薬物送達装置のハウジングの基部に設けられた少なくとも1つの圧力連通経路または開口に負流体圧を印加することであって、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、少なくとも1つの圧力連通経路または開口を覆って配置された粘着剤層全体に負流体圧を分配し、それにより粘着剤層の全表面領域に対して身体組織を均等に吸引する、印加することとを含んでもよい。
【0100】
各種実施形態において、上記方法は、選択された薬物送達部位の患者の身体組織上に印加力によって薬物送達装置を配置することであって、薬物送達装置は、基部を備えたハウジングと、基部を覆って配置された少なくとも1つの空気袋と、少なくとも1つの空気袋を覆って配置された可撓性粘着剤層とを備え、少なくとも1つの空気袋は、身体組織の起伏に一致するように部分的に膨張した状態となっており、その結果、印加力が可撓性粘着剤層の全表面領域にわたって均等に分配される、配置することと;少なくとも1つの空気袋を基部に対して折り畳むことによって可撓性粘着剤層が身体組織を基部の方に引くようにし、それにより身体組織を伸ばすこととを含んでもよい。
【0101】
各種実施形態において、上記方法は、選択された薬物送達部位の患者の身体組織より上に薬物送達装置を配置することと;薬物送達装置のハウジングの基部に画定された少なくとも1つの圧力連通経路または開口に負流体圧を印加することであって、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、負流体圧を基部全体に分配し、負流体圧によって患者の身体組織を基部に対して均等に吸引する、印加することとを含んでもよい。
【0102】
各種実施形態において、上記方法は、薬物送達装置のハウジングの基部に画定された少なくとも1つの圧力連通経路または開口に正流体圧を印加することであって、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に粘着剤層全体に正流体圧を分配する、印加することを更に含んでもよい。
【0103】
各種実施形態において、上記方法は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に薬物送達装置と身体組織の間に正流体圧を印加することを更に含んでもよい。
【0104】
各種実施形態において、上記方法は、薬物送達装置のハウジングの基部に画定された少なくとも1つの圧力連通経路または開口に正流体圧を印加することであって、少なくとも1つの圧力連通経路または開口は、投与量の送達が完了したことを示すために注射終了時に基部全体に正流体圧を分配する、印加することを更に含んでもよい。
【0105】
同一の参照番号は、各種実施形態の同一または類似の要素及び構造を識別するために各図面において使用される。
【発明を実施するための形態】
【0107】
各種実施形態の薬物送達装置は、使い捨て単回使用の、または再使用可能な身体装着型注射器(on−body injector)または自動注射器を備えてもよい。これらの注射器は、一定の、または患者/操作者が設定可能な投与量の薬物を、管理または選択された時間にわたって皮下注射によって自動的に送達する。薬物送達装置は、患者による自己投与を目的とするものであるが、介護者、または正式に訓練された医療提供者(操作者)が注射するために使用することもできる。
【0108】
いくつかの実施形態において、薬物送達装置は、薬物送達装置を患者の身体組織(例えば、皮膚、器官及び筋肉)に一時的に取り付けるための粘着剤システム、ならびに、少なくとも薬物送達装置を印加力によって身体組織に最初に装着させるときに負流体圧(すなわち、真空吸引力)を薬物送達装置と患者の身体組織との間に発生させる空気圧システムを備えてもよい。いくつかの実施形態において、負流体圧は、空気圧システムによって粘着剤システムの表面全体にわたって分配されてもよく、それにより粘着剤システムの表面領域全体に対して身体組織を吸引する。これにより、粘着剤システムの表面領域全体にわたって印加力を均等に印加することが可能となる。これにより、特に、起伏のある、かつ/または柔らかい身体組織に薬物送達装置を取り付けるときに粘着剤システムの保持性能が向上する。負流体圧または真空吸引力を使用することは、患者にとって、特に柔らかい身体組織に装着されるときに薬物送達装置と骨または身体組織の裏側の他の構造物との間に身体組織を挟むことに比べてより快適となり得る。空気圧システムにより、より強力でない粘着剤システムを使用することが可能ともなり得る。これにより、より強力でない粘着剤システムの性能を十分に向上させることによって装置を取り外す際の不快感または痛みが緩和されて、当該装置を短期間着用すること(例えば、当該装置を10分間装着すること)が可能となる。更に、粘着剤が流れ、患者の身体組織を覆うにつれて粘着剤システムの保持性能が向上する「湿潤」時間が存在する。空気圧システムは、粘着剤システムが流れ、身体組織を覆って完全に機能するまで更なる保持力を提供することができる。他の実施形態において、薬物送達装置は、粘着剤システムがなしで単独で作動して患者の身体組織に薬物送達装置を一時的に取り付けるように構成された空気圧システムを備えてもよい。そのような実施形態において、患者は、薬物送達装置が患者の身体から取り外されるときに不快感を覚えることもなく痛みも感じない。これは、粘着剤システムが排除されたためである。
【0109】
図1は、本開示に係る一実施形態の薬物送達装置10を示す。薬物送達装置10は、ハウジング12、薬物または医薬品用の主容器14、プランジャ駆動機構16、注射針18、針駆動機構20、装置起動機構24、人体近接センサ26、空気圧システム30及び省略可能な粘着剤システム60を備える。
【0110】
各種実施形態において、ハウジング12は、上部壁12−1、基部または底部壁12−2、及び上部壁12−1と底部壁12−2を接続している1つ以上の側壁12−3を備えてもよい。ハウジング12は、単一の一体型構成要素、または連結されて単一ユニットになる複数の構成要素もしくは区画とすることができる。ハウジング12の上部壁12−1、底部壁12−2及び側壁12−3のうちの1つ以上は、プラスチック及び/または金属を非限定的に含む剛性または実質的に剛性の材料から構成されてもよい。ハウジング12は、主容器14、プランジャ駆動機構16、注射針18、針駆動機構20、装置起動機構24、人体近接センサ26及び空気圧システム30の1つ以上の構成要素を入れるようにサイズ設定されてもよい。設けられている場合、粘着剤システム60は、ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に、またはそれを覆って配置されてもよい。再使用可能な実施形態の薬物送達装置10のハウジング12は、主容器14の取り外し及び挿入を可能にするように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ハウジング12は、主容器14の挿入及び取り外しを可能にする閉止具(図示せず)を備えてもよい。他の実施形態において、ハウジング12は、底部壁12−2をハウジング12の残部から取り外して主容器14の挿入及び取り外しができるように構成されてもよい。他の実施形態において、ハウジング12は、主容器14、または主容器14を搭載しているカートリッジモジュールもしくはカセットを収容するか、取り付けるように構成されてもよい。
【0111】
各種実施形態において、主容器14は、第1端部14−2、及び第1端部14−2の反対側に配置された第2端部14−3を有する円筒形バレル14−1を備えてもよい。バレル14−1の第2端部14−3は開口(見えない)を画定してもよく、バレル部材14−1の第1端部14−2は端部壁14−4によって閉塞されてもよい。端部壁14−4は、主容器14内に貯蔵された薬物または医薬品を投与するための開口(見えない)を備えてもよい。開口は、貫通可能な隔壁または封止材(図示せず)によって密閉されてもよい。ストッパ14−5をバレル部材14−1内に摺動可能に配置して、薬物または医薬品を容器バレル部材14−1から放出できるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、主容器14は、薬物または医薬品で予め充填されていてもよい。
【0112】
主容器14は、管22によって注射針18に連結されてもよい。この管は、主容器14の端部壁14−4に接続された第1端部22−1、及び注射針18の近位端部または他の部分に接続されるか、それと流体連通している第2端部22−2を有し得る。各種実施形態において、管22の第1端部22−1は、主容器14の内部14−6と管22との間の流体連通を可能にするために、主容器14の端部壁14−4の開口を密閉している封止材(設けられている場合)に穿孔するための穿孔機構を備えてもよい。
【0113】
各種実施形態において、針駆動機構20は、第1(隠された/引っ込んだ)位置と第2(挿入)位置の間で注射針18を移動させるように構成されてもよい。第1位置において、注射針18は、ハウジング12の内部12−4の中に完全に配置されてもよく、
図1に示すように図から隠されてもよい。第2位置において、注射針18の少なくとも一部は、例えば、
図4Cに示すように、ハウジング12の底部壁12−2の開口を通って外に伸長して患者の身体組織に貫入してもよい。針駆動機構20のいくつかの実施形態は、1つ以上の付勢素子20−1を備えて、第1位置から第2位置に注射針18を駆動して注射部位の患者の身体組織に注射針18を挿入するようにしてもよく、更に、いくつかの実施形態においては、プランジャ駆動機構16が薬物送達プロセスを完了した後に注射針18を患者の身体組織から引っ込める(すなわち、注射針18を第1位置に戻す)ようにしてもよい。いくつかの実施形態において、付勢素子20−1の1つ以上は、注射針18を駆動し、いくつかの実施形態においては当該針を引っ込めることが可能なばねまたは他の素子を含むことができる。
【0114】
各種実施形態において、プランジャ駆動機構16は、プランジャ16−1及びプランジャ駆動部(図示せず)を備えて、主容器14を通るようにプランジャ16−1を駆動してそこから薬物または医薬品を放出できるようにしてもよい。プランジャ駆動部は、ばねなどの1つ以上の付勢素子からなる機械的機構、1つ以上のモーター及び/またはソレノイドならびに駆動トレーンまたは動力伝達装置を含む電気的/機械的機構、ならびに/または圧縮もしくは液化ガス、ならびにこれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、プランジャ駆動機構16は、針駆動機構20が注射針18を患者の身体組織に挿入した後、薬物または医薬品を主容器14から注射針18を通して患者の身体組織に放出する。前述のように、薬物送達が完了したとき、針駆動機構20は、注射針18を身体組織から引っ込めて第1位置に戻してもよい。他の実施形態において、装置を取り外す際、伸長した注射針18の周囲に針安全ガードを展開させて、注射針との不意の接触を防ぐようにしてもよい。いくつかの実施形態において、注射針18は、従来の硬い注射針を含むことができる。他の実施形態において、注射針18は、例えば、テフロン(登録商標)またはPE製の柔らかいカニューレを含んでもよい。このカニューレは、挿入した直後に引き戻される鋭い内部トロカールと共に導入され、それにより注射針18の引き戻しまたは保護が不要となる。
【0116】
いくつかの実施形態において、患者、操作者及び/または製造業者によってプログラム可能なコントローラ17を、プランジャ駆動機構16の操作を制御するために設けてもよい。コントローラ17は、いくつかの実施形態において、マイクロコントローラを含むことができる。他の実施形態において、コントローラ17は、マイクロプロセッサ、及びプランジャ駆動機構16を制御するように当該マイクロプロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリを含むことができる。いくつかの実施形態において、コントローラ17は、プランジャ機構の速度を制御して一定もしくは可変の薬物送達率を可能にするように、かつ/またはプランジャ機構のストロークを制御して望ましい投与量の医薬品もしくは薬物を送達するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態において、コントローラ17は、針の挿入速度及び引き抜き速度、ならびに/または針の動作を制御するようにプログラムされてもよい。
【0117】
各種実施形態において、装置起動機構24は、ボタン24−1または他のユーザーインターフェース機構を備えてもよい。これにより、患者の身体組織に薬物送達装置10を適切に取り付けた後、患者または操作者が当該装置を始動するか、作動させるか、さもなければ起動することが可能となる。装置起動機構24は、ハウジング12の上部壁12−1または側壁12−3に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、装置起動機構24は、コントローラ17と組み合わせて動作して、空気圧システム30、針駆動機構20及びプランジャ駆動機構16のうちの1つ以上を順次作動させるか、その起動及び/または停止を行わせるようにしてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ボタン24−1または他のユーザーインターフェースの入力によって空気圧システム30を起動して、患者の身体組織に薬物送達装置10を取り付けるか、その取り付けを支援するようにしてもよい。薬物送達装置10を一旦取り付けたら、針駆動機構20を起動して注射針18を身体組織に挿入してもよい。針を挿入した後、プランジャ駆動機構16を起動して身体組織に薬物または医薬品を送達してもよい。送達が完了したとき、針駆動機構20を起動して注射針18を身体組織から引き抜いてもよい。いくつかの実施形態において、空気圧システム30を停止して薬物送達装置10を患者の身体組織から取り外してもよい。
【0118】
他の実施形態において、装置起動機構24は、コントローラ17無しに単独で動作して、空気圧システム30、針駆動機構20及びプランジャ駆動機構16のうちの1つ以上を順次起動してもよい。
【0119】
各種実施形態において、人体近接センサ26は、電気機械式センサを含んでもよい。このセンサは、装置取り付けプロセスを監視して、薬物送達装置10が患者の身体組織に適切に取り付けられる前に当該装置が起動されないようにする。いくつかの実施形態において、人体近接センサ26は、薬物送達装置10を監視し続けて、薬物送達プロセス中に患者の身体組織から当該装置が取り外されたことを感知してもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、電気機械式人体近接センサ26は、ハウジング12の底部壁12−2の開口を通って伸長する検知ピン26−1または他の押圧可能もしくは撓み可能な部材を備えてもよい。検知ピン26−1は、付勢素子26−2によって伸長位置において付勢されていてもよい。この付勢素子は、いくつかの実施形態において、ばねまたは他の弾性素子を含んでもよいが、これに限定されることはない。薬物送達装置10と身体組織が取り付けプロセス中にくっつくとき、伸長した検知ピン26−1は、身体組織に接触する薬物送達装置10の最初の部分となり得る。身体組織と薬物送達装置10の間の距離または隙間が減少するにつれて、伸長した検知ピン26−1は、薬物送達装置10のハウジング12に押し込まれてもよく、さもなければ撓んでもよい。薬物送達装置10が適切に取り付けられ、空気圧システム30を介して、身体組織に固定されたとき、検知ピン26−1は、ハウジング12内の押圧位置に移動され、それにより起動機構24の作動が可能となり、その後、針の挿入、薬物の送達、針の引き抜き(利用可能な場合)、及び注射プロセスのその他の装置機能が続く。装置10が身体組織から部分的または完全に離れた場合、付勢素子26−2は、検知ピン26−1を再度伸長位置に押し、移動させる。いくつかの実施形態において、検知ピン26−1が押圧位置から移動する瞬間、薬物送達装置10は、注射プロセスを終了し、身体組織から注射針18を引き抜いてハウジング12内に移す。いくつかの実施形態において、人体近接センサ26は、コントローラ17にセンサ情報を伝達することが可能であってもよく、それにより、人体近接センサ26がコントローラ17によって監視及び/または制御されるようにしてもよい。
【0121】
電気機械式人体近接センサ26は、検知ピンまたは他の押圧可能または撓み可能な部材が人体検知プロセス中に押圧されるか、撓んだときにその移動を監視するスイッチなどを含んでもよいが、これに限定されることはない。押圧可能な部材及び撓み可能な部材は、圧縮性パッドを含むことができるが、これに限定されることはない。かかるセンサは、容量または抵抗による方法を使用してパッドの圧縮を感知してもよい。いくつかの実施形態において、人体近接センサ26は、容量検出装置、赤外線近接センサまたは赤外線距離センサを非限定的に含む電気センサを備えてもよい。このセンサは、押圧可能または撓み可能なピンも他の可動部材も使用しない。いくつかの実施形態において、人体近接センサ26は、薬物送達装置10と患者の身体組織との間の接触を検知するための機械センサまたは光センサを備えてもよい。
【0122】
各種実施形態において、省略可能な粘着剤システム60は、粘着剤積層体62を備えてもよい。この粘着剤積層体は、それに正負の流体圧を通過させることが可能であり、更に、いくつかの変形例においては、注射部位の患者の身体組織、特に、柔らかい身体組織の起伏に一致することができる。いくつかの実施形態において、以下でより詳しく説明するように、粘着剤層62は、均一または不均一な分布の孔を備えた多孔性シート層であってもよく、あるいは、薬物送達装置のハウジング12の底部壁12−2の経路及び/または開口の幾何学的形状に対応する幾何学的形状を有する1つ以上の開口を備えた非多孔性シート層を備えることができる。先に述べたように、粘着剤システム60の保持性能は、空気圧システム30によって支援され得る。
【0123】
各種実施形態において、空気圧システム30は、負流体圧(真空の吸引力または圧力)を発生させる流体圧供給源31を備えることができる。流体圧供給源31は、他の実施形態において、正流体圧(例えば、空気圧)を発生させるように構成されてもよい。他の実施形態において、空気圧システム30の流体圧供給源31は、第1の動作モードにおいて負流体圧を、第2の動作モードにおいて正流体圧をそれぞれ発生させるように構成されてもよい。
【0124】
図2Aに示すように、
図1の薬物送達装置10のいくつかの実施形態における空気圧システム30は、流体圧分配機構を更に備えてもよい。この流体圧分配機構は、(省略可能な粘着剤システム60無しで示した)ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に設けられた複数の経路または溝42(真空溝2)によって形成されている。各真空溝42は、少なくとも1つの真空ポート42−1を備えてもよい。この真空ポートは、ハウジング12の底部壁12−2を通って延在してもよく、空気圧システム30の流体圧供給源31(
図1)と空気的に連通してもよい。この流体圧供給源は、負流体圧(例えば、装置の取り付け及び保持)または正流体圧(例えば、装置の取り外し)を供給する。真空溝42は、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1全体に流体圧を分配する。ハウジング12の底部壁12−2全体への流体圧の望ましい分配に応じて、真空溝42を、
図2Aに示すように互いから分離してもよく、互いに接続してもよく(図示せず)、あるいは、真空溝42のいくつかを互いに分離しつつ他のものを互いに接続してもよい(図示せず)。
【0125】
図2Bに示すように、空気圧システム30の真空分配機構の他の実施形態は、単一の連続的な真空溝44を備えてもよい。この真空溝は、(省略可能な粘着剤システム60無しで示した)ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に形成されている。真空溝44は、少なくとも1つの真空ポート44−1を備えてもよい。この真空ポートは、ハウジング12の底部壁12−2を通って延在してもよく、空気圧システム30の流体圧供給源31(
図1)と空気的に連通してもよい。この流体圧供給源は、負流体圧または正流体圧を供給する。
図2Aの前述の実施形態と同様に、真空溝44は、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1全体に流体圧を分配する。
【0126】
他の実施形態において、
図2Cに示すように、空気圧システム30の真空分配機構は、1つ以上の開口46を備えてもよい。この開口は、(省略可能な粘着剤システム60無しで示した)ハウジング12の底部壁12−2を通って延在し、空気圧システム30の流体圧供給源31(
図1)と空気的に連通している。この流体圧供給源は、負流体圧または正流体圧を供給する。
図2A及び2Bの前述の実施形態と同様に、開口46は、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1全体に流体圧を分配する。従って、ハウジング12の底部壁12−2の圧力連通経路(複数可)及び/または開口(複数可)の構成及び/または配置は、本開示の範囲内で変えることが可能であり、本明細書に開示された具体例に限定されることはないことを理解すべきである。実際に、更なる実施形態が
図2D及び2Eに関連して以下に開示される。
【0127】
次に
図3Aを参照すると、必要に応じて設けられた粘着剤システム60の粘着剤積層体62は、第1の外端面64−1、第2の外端面64−2、及び第1の外端面64−1と第2の外端面64−2を接続している1つ以上の側面64−3を有する圧縮性多孔層64を備えてもよい。第1の外端面64−1は、粘着剤積層体62を装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に粘着的に取り付ける第1の粘着剤層66によって覆われていてもよく、またはそれによってコーティングされていてもよい。第2の外端面64−2は、薬物送達装置10を患者の身体の組織T(
図3C)に粘着的に取り付ける第2の粘着剤層68によって覆われていてもよく、またはそれによってコーティングされていてもよい。1つ以上の側面64−3は、第1の粘着剤層66と第2の粘着剤層68を接続し、多孔層64の側面64−3(複数可)を気密封止する封止層70によって覆われていてもよく、またはそれによってコーティングされていてもよい。他の実施形態において、1つ以上の側面64−3は、孔を封鎖するプロセス(例えば、熱ナイフ切断プロセスまたは熱リフロープロセス)によって封止されてもよい。第1の粘着剤層66は、1つ以上の開口66−1を備えてもよい。この開口は、装置ハウジング12の底部壁12−2において、またはそれによって画定された1つ以上の真空溝または開口42(
図2A〜2Cならびに後述の2D及び2Eに示した真空溝または開口など)のそれぞれと整列され、かつそれに一致するように寸法決めされ、構成されて、多孔層64との流体連通を提供し、空気圧システム30の流体圧供給源31によって供給された負流体圧及び/または正流体圧を粘着剤積層体62の多孔層64の第1の表面64−1全体に分配できるようにする。他の実施形態において、1つ以上の開口66−1は、流体圧供給源31によって供給された負流体圧及び/または正流体圧を粘着剤積層体62の多孔層64の第1の表面64−1全体に分配するその他の適切なパターンで形成されてもよい。第2の粘着剤層68は、多孔層64の第2の表面64−2全体に配置された1つ以上の開口68−1を備えてもよい。1つ以上の開口68−1により、多孔層64の第1の表面64−1全体に印加され、多孔層64を通してその第2の表面64−2に伝達された負流体圧及び/または正流体圧を注射部位全体に印加することができ、負流体圧の場合には粘着剤積層体62に対して患者の身体組織Tが吸引され(
図3C)、あるいは、患者の身体組織Tから薬物送達装置10が解放される。1つ以上の開口68−1は、装置ハウジング12の底部壁12−2において、またはそれによって画定された1つ以上の真空溝または開口42のそれぞれと整列され、かつそれらに一致するように寸法決めされ、構成される。他の実施形態において、1つ以上の開口68−1は、負流体圧及び/または正流体圧を注射部位の患者の組織T全体に印加することを可能にするその他の適切なパターンで形成されてもよい。
図3B及び3Cに示すように、粘着剤積層体62は、開口63−1及び63−2を備えて、注射針18及び人体近接センサ26の検知ピン26−1がそれぞれの開口を通過することができるようにしてもよい。
【0128】
粘着剤積層体62の多孔層64は、連続発泡材料またはその他の適切な圧縮性多孔材料から構成することができる。粘着剤積層体62の第1の粘着剤層66及び第2の粘着剤層68のそれぞれは、両面の医療用粘着テープとすることができる。このテープには、1つ以上の開口66−1または68−1が当該テープを通して穿孔される。第1の粘着剤層66及び第2の粘着剤層68は、開口を形成することが可能なその他の適切な粘着材料を使用して作製することもできる。着脱可能な無菌ライナーまたはバリア膜F(
図3B)を設け、それにより、薬物送達装置10を使用する前に粘着剤積層体62の第2の粘着剤層68を覆ってもよい。膜Fは、その取り外しを容易にするためのプルタブPTを備えてもよい。
【0129】
図3A〜3Cに示した薬物送達装置10において図示した空気圧システム30の流体圧供給源31は、1つ以上の真空保存容器を備えてもよい。これらの容器のそれぞれは、負流体圧を保存する。1つ以上の弁34を設けることにより、装置ハウジング12の底部壁12−2において、またはそれによって画定された1つ以上の真空溝42の真空ポート(見えない)と(または、利用可能な場合には開口に)真空保存容器31を選択的に接続して、真空保存容器31内に含まれる負流体圧または真空を印加するようにしてもよい。真空保存容器31のそれぞれにおいて保存された負流体圧は、薬物送達装置10の操作及び/または製造中に真空保存容器31に着脱自在に接続可能な外部真空ポンプまたは同様の装置(図示せず)によって発生され、または供給されてもよい。
【0130】
動作の際、薬物送達装置10の空気圧システム30は、粘着剤システム60の粘着剤積層体62の全表面領域にわたって負流体圧を発生させ、分配する。それにより、粘着剤積層体62の全表面領域に対して身体組織Tを吸引する。これにより、初期印加力を粘着剤積層体62の全表面領域にわたって均等に印加することができる。それにより、薬物送達装置10の剛性のハウジング12を、湾曲した、かつ/または平坦でない起伏を有する柔らかい組織に粘着剤システム60を介して粘着させることができる。従って、粘着剤システム60の保持性能が向上し得、組織表面が非平面状であることに関連した針挿入時の困難が緩和され得る。
【0131】
図4は、別の実施形態の薬物送達装置10−1を示す。薬物送達装置10−1は、この装置が省略可能な粘着剤システム60を備えていないことを除き、
図1の薬物送達装置10と同様である。空気圧システム30の流体圧供給源31によって供給され、薬物送達装置10−1の底部に印加される負流体圧は、薬物送達装置10−1の方に身体組織Tを吸引する気流または真空吸引力を発生させる。ベルヌーイの定理によれば、身体組織Tと薬物送達装置10−1の底部との間の隙間Gが大きくなるほど、気流または真空吸引力の必要量がより大きくなる。気流の必要量がより大きくなると、負流体圧または真空吸引力をより多く確保することが必要となる。
【0132】
図1及び4を参照すると、例えば、研究室環境において使用される、各実施形態の薬物送達装置10、10−1を大型真空ポンプ31−1に接続することができ、それにより流体圧供給源31を省略、回避または補給することができる。このような実施形態においては、負流体圧を多く確保することは問題ではない。薬物送達装置10の携帯可能な実施形態において、負流体圧は、薬物送達装置10、10−1のハウジング12に配置された空気圧システム30の流体圧供給源31によって供給されなければならない。いくつかの実施形態において、流体圧供給源31は、小型真空ポンプまたはシリンジを備えてもよい。他の実施形態において、流体圧供給源31は、空気圧システムを起動するときに穿孔可能な1つ以上の酸素吸収パケットまたは酸素吸収体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、酸素吸収体は、水分及び酸素と反応して錆を形成する鉄粒子から作製することができる。このプロセスは環境から酸素を除去する。こうした酸素吸収体の1つは、Oxy−Sorbという商標名で販売されている。酸素は、雰囲気の含有量の約21%を構成する。これにより、ある容積を隔離し、次いで酸素(少なくともそのガス状の形態をとっている)を除去した後に最大約−3.0psi(海面の14.7psia×21%)が発生し得る。酸素吸収体は、真空分配機構内に配置することができ、あるいは、真空分配機構から離して配置し、それと結合することができる。
【0133】
流体圧供給源31のサイズは、薬物送達装置10、10−1を患者の身体組織に取り付け、固定するのに必要とされる負流体圧の大きさに実質的に依存する。より大きい負流体圧が必要となる場合、より大きい、かつ/またはより複雑な流体圧供給源31が必要とされ得るが、それにより、薬物送達装置10、10−1の質量、サイズ及び/またはコストが不必要にも増大する。従って、薬物送達装置10、10−1の負流体圧の必要量を最小限にすることが望ましい。その結果、空気圧システム30の流体圧供給源31のサイズを最小限に保つことができ、従って、薬物送達装置10、10−1の質量、サイズ及び/またはコストを最小限にすることができる。
【0134】
図2Dは、空気圧システム30の真空分配機構の別の実施形態を示す。この真空分配システムは、薬物送達装置10、10−1の移動可能な実施形態において負流体圧の必要量を最小限にし、ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に形成された螺旋形の真空溝48を備える。真空溝48は、注射針18が針挿入中にハウジング12から突出する底部壁12−2の領域の周囲で螺旋状になるように構成されてもよい。というのも、薬物送達装置のこの領域は、当該装置の操作中、患者の身体組織に対して確実に保持されなければならないためである。真空溝48は、少なくとも1つの真空ポート26−1を備えてもよい。この真空ポートは、ハウジング12の底部壁12−2を通って延在してもよく、空気圧システム30の流体圧供給源31(
図1及び
図4)と空気的に連通している。この流体圧供給源は、負流体圧を供給する。真空分配機構の先の実施形態(
図2A〜2C)と同様に、螺旋型の真空溝48は、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1全体に負流体圧または真空吸引力を分配する。
【0135】
図1及び4ならびに
図2Dを再度参照すると、
図2Dの真空分配機構を備えた薬物送達装置10、10−1を患者の身体組織、特に身体組織Tの凸状領域(例えば、大腿または腕)に一旦取り付けたら、ハウジングの底部壁12−2の注射針領域を取り囲む螺旋形の溝48の中央の大部分48−2は、注射部位にて組織に最初に接触するように位置決めされなければならない。これは、螺旋形の溝48により、隙間G
1(
図4)が最小の領域に気流が集中するためである。これにより、薬物送達装置10、10−1の底部壁12の注射針領域の方に組織が急速に引かれ、当該領域と係合される。それにより、溝48の中央の大部分が封止される。この位置から負流体圧/真空吸引力を連続的に印加することにより、ハウジングの底部壁12−2の拡大していく領域に対して負流体圧を段階的に分配することが可能となる。このとき、隙間Gが最大の領域に対して負流体圧を印加することも使い果たすこともないまま、注射部位の組織がより近接するように引き込まれる。負流体圧が効率的に使用されるため、薬物送達装置10、10−1の負流体圧の必要量が最小限となる。これにより、空気圧システム30がより小さくなり、従って、薬物送達装置10、10−1の質量、サイズ及び/またはコストが減少する。
【0136】
図2Eは、空気圧システム30の真空分配機構の別の実施形態を示す。本実施形態において、装置ハウジング12の底部壁12−2は、その外表面12−2−1に形成された複数の同心の真空溝50、52、54(単に説明及び例示を容易にするために3つの溝を示す)を備えてもよい。各真空溝50、52、54は、少なくとも1つの真空ポート50−1、52−1、54−1を備えてもよい。この真空ポートは、ハウジング12の底部壁12−2を通って延在してもよく、空気圧システム30の流体圧供給源31(
図1及び4)と空気的に連通している。この流体圧供給源は、負流体圧を供給する。真空溝50、52、54は、注射針18が針の挿入中にハウジング12から突出する底部壁12−2の領域を取り囲むように構成されて、薬物送達装置の動作中、患者の身体組織に対向して当該装置を確実に保持するようにしてもよい。
図2A〜2Dの先の実施形態と同様に、同心の真空溝50、52、54は、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1全体に負流体圧/真空吸引力を分配する。
【0137】
図2Eをなお参照すると、いくつかの実施形態において真空ポート50−1、52−1、54−1を順次開放することにより、径が最小の溝50の真空ポート50−1から始めて、次いで径がより大きい溝の真空ポート52−1及び54−1を径が大きくなる順に開放することができる。加えて、いくつかの実施形態において、各真空溝50、52、54の幅を、径が最小の溝50から径が最大の溝54に移るにつれて徐々に減少させることができる。径が最小の溝50から径が最大の溝54に移るにつれて各溝の幅が徐々に減少することは、真空溝50、52、54の容積、及び身体組織を装置ハウジング12の底部壁12−2の方に引くための、各溝に対応する放射状の空気流量を正規化するように作用する。
【0138】
図5Aは、第1の弁50−2、第2の弁52−2及び第3の弁54−2を含む一連の弁機構の実施形態を示す。この弁機構は、例えば、
図2Eの実施形態に示した、各真空溝50、52及び54の真空ポート50−1、52−1及び54−1を順次開放することにより、患者の身体組織に負流体圧を印加することに優先順位をつける。いくつかの実施形態において、弁50−2、52−2及び54−2の動作は、装置コントローラ17(
図1及び4)によって制御されてもよい。他の実施形態において、弁50−2、52−2及び54−2は、ボール式逆止弁を非限定的に含む逆止弁で構成されてもよい。この逆止弁は、コントローラ17を必要とせずに自動的に作動する。弁機構は、流体圧供給源31と各真空溝50、52及び54の真空ポート50−1、52−1及び54−1との間に延在する一連の流体圧分配構造を更に備えてもよい。一連の流体圧分配構造は、真空供給線56ならびに枝分かれした真空供給線(分枝線)56−1、56−2及び56−3を備えてもよい。第1の弁50−2は、分枝線56−1、径が最小の真空溝50の真空ポート50−1及び第2の弁52−2より前の真空供給線56に配置されてもよい。第2の弁52−2は、分枝線56−2、中間の真空溝52の真空ポート52−1及び第3の弁54−2より前の真空供給線56に配置されてもよい。第3の弁54−2は、分枝線56−3及び径が最大の真空溝54の真空ポート54−1より前の真空供給線56に配置されてもよい。第1の弁50−2は、人体近接センサの限界移動またはその他の類似のトリガーイベントといった、しかしこれらに限定されない、薬物送達装置10と患者の身体との初期接触の時点で開くように構成することができる。装置ハウジング12の底部壁12−2に対して身体組織が引き上げられるとき、径が最小の溝50(
図2E)は、注射針18が針の挿入中に突出するハウジング底部壁12−2の領域を取り囲んでいるため、最初に身体組織に対して封止し(これは、隙間G1が
図4に図示したように最短距離であるためである)、真空溝50の真空吸引力は、流体圧供給源31の負流体圧レベルに近づく。第2の弁52−2は、径が最小の、かつ中央の大部分の真空溝50が身体組織に対して封止されたために装置ハウジング12の底部壁12−2と身体組織との間の隙間G(
図4)が減少したことを示す負流体圧レベルの増加(真空吸引力の増加)に応答して開くように構成することができる。第3の弁54−3は、先の真空溝52が身体組織に対して封止されたために装置ハウジング12の底部壁12−2と身体組織との間の隙間Gが減少したことを示す負流体圧レベルの更なる増加(真空吸引力の更なる増加)に応答して開くように構成することができ、以下同様に行われる。
【0139】
いくつかの実施形態において、患者の身体の組織に印加される負流体圧は、平方インチゲージ(psig)当たり約0.5〜約4ポンド(約3.4kPa〜約27.6kPa)とすることができ、通常は約1.5psig〜約2.5psig(約10.3kPa〜約17.2kPa)とすることができる。負流体圧が約1.5psig〜約2.5psig(約10.3kPa〜約17.2kPa)の場合、流体圧供給源31の能力が向上して、軽微な損壊があるときでも枯渇せずに負流体圧が維持され得る。加えて、負流体圧が約1.5psig〜約2.5psig(約10.3kPa〜約17.2kPa)の場合、十分な粘着力を提供しながらも患者の身体組織の毛細血管の損傷を制限するように上手く折り合いをつけることができる。より大きい負流体圧を印加することにより、システムの弁50−2、52−2及び54−2及び他の構成要素の開放圧力公差がより許容され得る。これにより、公差がより大きい、より低価格な弁及び他の構成要素を使用することが可能となり、それによりシステムのコストが減少し得る。
【0140】
一連の弁機構において分配される流体圧は、いくつかの実施形態において、負流体圧下で自ら潰れる比較的柔軟な管を用いて分枝線56−1、56−2及び56−3を実装することにより(真空供給線56は、負流体圧下で自ら潰れることのない比較的剛直な管を用いて実装される)、真空ポート50−1、52−1、54−1または他の印加位置にて調整することができる。分枝線の柔軟性は、分枝線56−1、56−2、56−3が所望の負流体圧で自ら潰れて分枝線56−1、56−2、56−3を通る流体の流れ(例えば、気流)を実質的に塞ぐように選択することができる。従って、柔軟な分枝線56−1、56−2、56−3は、システムが最大の負流体圧を身体組織に印加することを制限または防止する安価な流体圧調整器として作用する。管材料、ジュロメータ、外径、内径、及びこれらの任意の組み合わせは、分岐管56−1、56−2、56−3に適切な柔軟性を与えることによってそれらが所望の負流体圧で潰れ、流体の流れを実質的に塞ぐように選択することができる。いくつかの実施形態において、所望の負の流体圧は、周囲圧力に対して−1.5ポンド/平方インチ差圧力(psid)(周囲圧力に対して約−10.3kPa)、すなわち、周囲圧力より1.5重量ポンド毎平方インチ(psi)低く(周囲圧力より約10.3kPa低く)することができるが、これに限定されることはない。
【0141】
図5Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、
図5Aに具現化された一連の弁機構及び直列の流体圧分配構造(システム)内の各種位置におけるポンド/平方インチ絶対圧力(psia)の流体圧を弁及び分枝線の種々の遷移時において示す表である。この表は、システムが最初に真空ポート50−1、52−1及び54−1の身体組織に対して封止を施し、かつ、システムが真空供給源P1によって制約を受けないと仮定している。本実施形態において、柔軟な分枝線56−1、56−2、56−3は、周囲圧力に対して約−1.5psid(周囲圧力に対して約−10.3kPa)で閉じるように設定され、逆止弁50−2、52−2、54−2は、弁前後で約2.0psid(弁前後で約13.8kPa)のときに開くように設定される。様々な他の実施形態において、
図5Aの一連の弁機構及び直列の流体圧分配構造内の各種位置における流体圧は、柔軟な分枝線56−1、56−2、56−3の閉鎖流体圧、弁50−2、52−2及び54−2の開放流体圧などを非限定的に含む要因に応じて、
図5Bの表に示したものから変わる可能性があることを理解すべきである。
【0142】
流体圧供給源31が故障した場合、逆止弁50−2、52−2及び54−2は負流体圧を維持することができる。いくつかの実施形態においては、身体組織に印加される負圧より逆止弁開放圧を高くして、負圧が後続の各線からも隔離されるようにすることが有益となり得る。従って、このような実施形態において、逆止弁50−2、52−2及び54−2は、分岐線56−1、56−2、56−3の閉鎖圧より少なくとも高い開放圧を有する必要があり、分枝線閉鎖圧は、患者に印加される圧力に非常に近いか、それと同一である必要がある。例えば、ある非限定的な実施形態において、分枝線56−1、56−2、56−3は、周囲圧力より約1.5psid低い(周囲圧力より約10.3kPa低い)圧力にて閉じてもよく、逆止弁50−2、52−2、54−2は、約2.0psidの差圧(約13.8kPaの差圧)で開いてもよい。従って、流体圧供給源31から最も遠位の分枝線56−3の封止が損なわれても、身体組織における真空吸引力の正味の印加分より真空供給線56の逆止弁開放圧が高い場合、身体組織にて負流体圧を依然として維持することができる。最も遠位の分枝線56−3にて身体組織の封止が妨げられた場合、次の分枝線56−2は、逆止弁開放圧に等しい真空吸引力を保持するのみとなる。そのため、負流体圧が、例えば、身体組織にて約−1.5psig(約−103.kPa)の場合、真空供給線56に沿った逆止弁50−2、52−2、54−2は、少なくとも1.5psidの開放圧を有する必要があり、さもなければ、1つが破られると後続の分枝線が影響を受けることになる。
【0143】
あるいは、直列方式ではなく、溝の予備真空度を基準圧力として使用することにより、真空溝50、52、54をそれらに対応する弁50−2、52−2、54−2を介して流体圧供給源31の真空供給から閉鎖することが可能となり得、不完全な封止または厄介な組織の形状によって流体圧供給源31の負圧度が尽きても真空吸引が維持され得る。
【0144】
更なる実施形態において、流体圧分配システムは、流体圧を真空ポート(図示せず)に分配する複数の真空供給線からなる並列構造を備えてもよい。直列の流体圧分配構造は、並列の流体圧分配構造よりコストがかからず、実装が簡単となる場合があるものの、並列構造により、1つ以上の印加位置(例えば、真空ポート)の封止が損なわれることの影響が抑制され得、システムに求められる全圧差が小さくなり得る。これは、並列構造では、損壊の影響を最小限にするために複数の弁を直列にする必要がないためである。
【0145】
なお更なる実施形態において、流体圧分配システムは、1つ以上の直列の流体圧分配構造と1つ以上の並列の流体圧分配構造との組み合わせを備えてもよい。
【0146】
図6は、別の実施形態の薬物送達装置10−2を示す。この薬物送達装置10−2の実施形態において、流体圧供給源31は、2つの可撓性圧力−真空チャンバ70を備える。これらのチャンバはそれぞれ、患者または操作者によってレバー72を介して(最大容積状態まで)拡張し、(最小容積状態まで)折り畳むことができる。可撓性圧力−真空チャンバ70はそれぞれ、可撓性蛇腹70−1を備えてもよい。この蛇腹は、剛性の端部壁70−2側の第1端部及び装置ハウジング12の底部壁12−2側の第2端部にてそれぞれ封止されている。各レバー72は、装置ハウジング12の上部壁12−1に旋回可能に取り付けられてもよく、ハウジング12の上部壁12−1の開口を通って延在する第1端部72−1、及びそれぞれの可撓性圧力−真空チャンバ70の剛性の端部壁70−2と係合する第2端部72−2を有してもよい。薬物送達装置10−2のいくつかの実施形態は、単一の可撓性圧力−真空チャンバ70のみを使用してもよく、薬物送達装置10−2の他の実施形態は、3つ以上の可撓性圧力−真空チャンバ70を使用してもよい。加えて、レバー72は、いくつかの実施形態において、複数の圧力−真空チャンバ70を折り畳むように構成されてもよい。
【0147】
それぞれの可撓性圧力−真空チャンバ70は、コイルばねを非限定的に含む付勢素子74を内蔵してもよい。この付勢素子は、圧力−真空チャンバ70がレバー72によって折り畳まれた後、当該チャンバを再度拡張するのを支援する。各レバー72の第2端部72−2は、チャンバ70の折り畳み及び拡張中にレバー72が旋回するとき、可撓性圧力−真空チャンバ70の剛性の端部壁70−2上で摺動する足72−3を備えてもよい。
【0148】
レバー72は、レバー72の第1端部72−1が互いに交差するように配置されてもよい。それにより、薬物送達装置10−2を使用する前に、患者がそれらを共に挟んで付勢素子74を圧縮するか、折り曲げ、可撓性圧力−真空チャンバ70を折り畳んでチャンバ70内部から空気を排出することができる。いくつかの実施形態において、空気は、蛇腹70−1または可撓性圧力−真空チャンバ70の他の適切な部分に設けられた一方向弁(図示せず)を通して排出することができる。この弁は、正流体圧(チャンバ70の折り畳み)下で開き、負流体圧(チャンバ70の拡張)下で閉じる。他の実施形態において、可撓性圧力−真空チャンバ70から排出される空気によって正流体圧が生じる。この正流体圧は、装置ハウジング12の底部壁12−2において、またはそれによって画定された1つ以上の真空溝42(または、利用可能な場合には開口42)の真空ポート(見えない)を介して粘着剤積層体62に印加することができ、更に、薬物送達装置10−2を使用する前に粘着剤積層体62を覆い得る着脱可能な無菌バリア膜に印加される。無菌バリア膜に正流体圧が印加されると、当該膜と粘着剤積層体62の間の封止が破られ、それにより粘着剤積層体から無菌バリア膜を取り外すことが容易になる。薬物送達装置10−2を起動すると、(最小容積状態まで)折り畳まれた可撓性圧力−真空チャンバ70は、当該チャンバに内蔵された付勢素子によって拡張される。可撓性圧力−真空チャンバ70が拡張されるとき、これらのチャンバは、装置ハウジング12の底部壁12−2において、またはそれによって画定された1つ以上の真空溝42(または、利用可能な場合には開口42)の真空ポート(見えない)に印加される負流体圧または真空吸引力を発生させる。
【0149】
いくつかの実施形態において、レバー72は、薬物送達装置10−2の起動後、可撓性圧力−真空チャンバ70から分離することができる。他の実施形態において、レバー72は、旋回するのではなく摺動して可撓性圧力−真空チャンバ70を折り畳み、拡張するように構成することができる。他の実施形態において、レバー72は、薬物送達装置10−2を起動するように構成することもできる。上記の可撓性圧力−真空チャンバとレバーの仕組みは、粘着剤システムを使用しないか、両面医療用粘着剤を含む粘着剤システムを使用する薬物送達装置の実施形態において使用することもできる。
【0150】
図7Aは、別の実施形態の薬物送達装置10−3を示す。薬物送達装置10−3は、当該装置が、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に取り付けられた(非加圧状態で図示された)空気袋80を備えていることを除き先に記載した薬物送達装置と同様であり、空気圧システム30の流体圧供給源は、空気袋80に空気的に連結されたプランジャポンプ82を備える。薬物送達装置10−3は、空気袋80の底部表面80−1に取り付けられた従来の可撓性粘着剤層62−1を必要に応じて更に備えることができる。プランジャポンプ82は、装置ハウジング12の底部壁12−2に載置されてもよく、このハウジングに封入されてもよい。ハウジング12の底部壁12−2は、1つ以上のポート86を備える。これらのポートにより、プランジャポンプ82が空気袋80の内部と空気的に連通して空気袋80内に正負の流体圧を選択的に印加することができる。1つ以上の弁(図示せず)を設けてポート86を選択的に開閉してもよい。開口80−2及び80−3は、空気袋80及び粘着剤層62を通して延在しており、これらの開口を通って注射針18(見えない)及び人体近接センサ26の検知ピン26−1が伸長できるようになっている。
図7Aの薬物送達装置10−3の動作については、プランジャポンプ82に関する考察の後に以下で説明する。
【0151】
図8Aを参照すると、プランジャポンプ82の各種実施形態は、円形、楕円形、卵形、正方形などを非限定的に含む任意の所望の形状をとった、端部壁82−1−1側の一端で閉鎖された剛性シリンダ82−1、及びシリンダ82−1内に往復移動可能に配置された、対応する形状のプランジャ82−2を備えてもよい。プランジャ82−2は、対向する自由端82−2−1と作業端82−2−2を含んでもよい。プランジャ82−2の自由端82−2−1は、患者または操作者がプランジャポンプ82を押圧し、それにより当該ポンプを作動させることができるようにハウジング12の側壁の開口を通って外に伸長してもよい(
図8D)。プランジャ82−2の作業端82−2−2とシリンダ82−1の端部壁82−1−1との間の空間は、圧力−真空チャンバ82−3を画定する。ばねを非限定的に含む付勢素子82−4を、プランジャ82−2の作業端82−2−2とシリンダ82−1の端部壁82−1−1との間に配置してもよい。Oリングを非限定的に含む弾性封止材82−5を、シリンダ82−1の開口にて、当該シリンダの内壁表面に形成された溝に配置するか、プランジャ82−2の作業端82−2−2に隣接する当該プランジャの外壁表面に形成された溝に配置して、チャンバ82−3を空気密封してもよい。
【0152】
図8Aに示すように、付勢素子82−4は、空気袋80を展開する前、プランジャポンプ82のプランジャ82−2をシリンダ82−1に対して伸長位置に通常は維持する。(プランジャポンプ82の選択された動作モードに応じて)空気袋80を加圧することによってそれを拡張するか、空気袋80を排気することによってそれを引き戻すためにプランジャ82−2が患者または操作者によって押圧位置までシリンダ82−1に押し込まれるとき、
図8Bに示すように、付勢素子82−4は、プランジャ82−2の作業端82−2−2とシリンダ82−1の端部壁82−1−1との間で圧縮される。プランジャ82−2が開放されると、
図8Cに示すように、患者により、または起動機構の作動により、付勢素子82−4は、押圧位置から伸長位置にプランジャ82−2を移動させ戻す。いくつかの実施形態では、プランジャ82−2の開放を利用して、空気袋80を排気し、引き戻してもよい。
【0153】
図8Dに示すように、いくつかの実施形態においてプランジャ82−2は、プランジャ82−2の着色された、または印付きの部分を非限定的に含む低真空インジケータ83を備えてもよい。いくつかの実施形態において、プランジャの作業端82−2から当該プランジャ82−2の外表面に沿った行程の約1/3までインジケータ83が延在することにより、真空度が所望の閾値未満に低下した場合に当該インジケータが見える状態になるようにしてもよい。これが起きた場合、患者または操作者は、プランジャ82−2を1回以上押して、装置ハウジング12内にインジケータ83が隠れる適切な真空度を復帰させることができる。
【0154】
図8Eは、可動シリンダ92−1、及び可動シリンダ92−1内に配置された固定プランジャ92−2を備える別の実施形態のプランジャポンプ92を示す。可動シリンダ92−1は、患者または操作者によって押されてポンプ92を作動させてもよい。付勢素子92−4は、圧力−真空チャンバ92−3外に配置されている。正圧を必要としない薬物送達装置の実施形態において、プランジャポンプ92は、フラッパ弁を非限定的に含む弁92−5を備えてもよい。このフラッパ弁は、正流体圧下で開き、周囲圧力または負流体圧下で閉じる。かかる弁は、
図8A〜8Dに図示した圧力ポンプにおいて使用されてもよい。バラストチャンバ(図示せず)をフラッパ弁92−5の後に直列に設けて、真空性能を高めると共にプランジャ92−2の複数の圧縮を可能にしてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、
図8A〜8Dに示したプランジャポンプ82、または
図8Eに示したプランジャポンプ92を、
図1及び4に示した、空気袋を備えていない薬物送達装置において使用してもよい。
【0156】
図7B〜7Dは、本開示の一実施形態に係る
図7Aの薬物送達装置10−3の動作を表す。最初に
図7Bを参照すると、プランジャポンプ82のプランジャ82−2を装置ハウジング12に押し込むことによって薬物送達装置10−3を作動させてもよい。それにより、プランジャポンプ82が空気袋80の内部に正流体圧を発生させる。この流体圧は、空気袋80を加圧し、それを少なくとも部分的に膨張させるか、拡張する。弁(図示せず)を、シリンダ82−1に、またはプランジャポンプ82のその他の適切な部分に設けて、空気袋80を過度に膨張させ得る過圧を逃がすようにしてもよい。
【0157】
図7Cにおいて、薬物送達装置10−3は、選択された注射部位の患者の身体組織Tに印加力によって装着され得る。部分的に膨張した空気袋80、特に可撓性粘着剤層62−1を備えた空気袋80の底部壁80−1は、薬物送達装置10−3を注射部位の患者の身体組織Tに装着するときに当該組織の起伏に一致する。空気袋80の底部壁80−1が撓むとき、この底部壁は、可撓性粘着剤層62−1を身体組織Tの起伏に一致させる。その結果、粘着剤層62−1の全表面領域にわたって印加力が均等に分配されて、当該粘着剤層を身体組織Tにより均等に粘着させる。
【0158】
身体組織Tに一旦配置されると、プランジャ82−2は、患者/ユーザーによって手動で、または起動機構26の起動によって押圧位置から開放されてもよい。一旦開放されると、プランジャポンプ82は、負流体圧または真空吸引力を発生させる。この負流体圧または真空吸引力は、
図7Dに示すように、空気袋80の内部から空気を排気し、空気袋80を収縮させ、装置ハウジング12の底部壁12−2の外表面12−2−1に対して引き戻す。これにより、可撓性粘着剤層62−1は、注射部位の身体組織Tに粘着しているため、身体組織Tを装置ハウジング12の底部壁12−2の方に引く。それにより身体組織Tを底部壁12−2の起伏に一致させ、当該組織をピンと張るように伸ばす。装置ハウジング12の底部壁12−2が実質的に平坦である実施形態において、身体組織Tは、実質的に平面方向に伸ばされてもよい。
【0159】
図7A〜7Dを参照して説明した薬物送達装置10−3は、プランジャポンプ82(
図8A〜8D)またはプランジャポンプ92(
図8E)の代わりに、
図6に示した圧力−真空チャンバ70とレバー72の仕組みを利用してもよい。更に、プランジャポンプ82または92を、
図1、3A〜3C及び4に示した薬物送達装置10、10−1の流体圧供給源31として使用してもよい。
【0160】
図9は、別の実施形態の薬物送達装置10−4を示す。薬物送達装置10−4は、
図7A〜7Dに示した薬物送達装置10−3と同様である。ただし、薬物送達装置10−4の空気袋100を、薬物送達装置10−4の製造中に予め膨張させるか、使用時に、約0.5psig〜約8psig(約3.4kPa〜約55.2kPa)を非限定的に含む小さい正圧まで膨張させることにより、患者の身体組織に薬物送達装置10−4を装着する前に、装置ハウジング12の底部壁12−2から離して可撓性粘着剤層62−1を保持していることを除く。加えて、空気袋100は、最小の印加圧力に一旦到達すると空気袋100の内部100−2を排気できるように開く過圧ベント100−3を備えてもよい。それにより、空気袋100の底部壁100−1を覆っている可撓性粘着剤層62−1を機械的に引き戻して、装置ハウジング12の底部壁12−2の方に身体組織を吸引し、それを薬物送達装置10−4に対して平坦な状態に保つことができる。いくつかの実施形態において、空気袋100は、装置ハウジング12内に設けられた複数の棒102によって機械的に引き戻すことができる。これらの棒は、装置ハウジング12の底部壁12−2に形成された対応する開口(見えない)を通って延在し、空気袋100の底部壁100−1または可撓性粘着剤層62−1の基部62−1−1に接続されている。図示した実施形態の各棒92は、ばねを非限定的に含む付勢素子106によって上方に(装置ハウジング12の上部壁12−1の方に)付勢されてもよい。この付勢素子は、装置ハウジング12の底部壁12−2と各棒102の上部に固定的に配置された保持器104との間に配置されてもよい。
【0161】
薬物送達装置10−4を患者の身体組織に取り付ける前に、薬物送達装置10−4の空気袋100を少し加圧することによって棒102が押し下げられる。それにより、保持器104と装置ハウジング12の底部壁12−2との間のばね106が圧縮され、装置ハウジング12の底部壁12−2から離して可撓性粘着剤層62−1が保持される。薬物送達装置10−4が患者の身体組織に対して置かれ、最小の印加圧力に到達すると、過圧ベント100−3が開いて空気袋100の内部100−2を排気させ、それにより空気袋100を収縮させる。空気袋100が収縮するにつれて、ばね106が伸長し、棒102を上に引き上げ、それにより空気袋100の底部壁100−1を覆っている可撓性粘着剤層62−1を装置ハウジング12の底部壁12−2の方に引き戻し、薬物送達装置10−4の底部の方に身体組織を吸引してそれを薬物送達装置10−4に対して平坦な状態に保つ。
【0162】
他の実施形態において、棒102は、シリコーンなどの弾性材料を使用して作製されてもよい。弾性棒は、ここでは付勢素子として機能することができる。それにより、上述の別個の付勢素子を省略することができる。弾性棒102を可撓性粘着剤層62−1の基部62−1−1と共に成形して、薬物送達装置10−4のコストを減少させることができる。
【0163】
空気袋100の膨張圧力は、空気袋100が付勢素子に完全に荷重をかけないように選択されてもよい。それにより、空気袋100は、患者の起伏及び/または柔らかい身体組織に一致することができる。更に、付勢素子によって生じる付勢力は、ピークの引き戻し圧力が、予測された粘着性能より少なくとも15パーセント低くなるように選択されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態において、1つ以上の封止リングを注射針侵入部位の周囲に設けて、負流体圧を当該注射部位から隔離し、薬物が当該侵入部位から引き抜かれるのを防ぐようにしてもよい。封止リング(複数可)は、弾性材料を使用して作製されたOリングを非限定的に含んでもよい。
図2Cに示すように、いくつかの実施形態において封止リング110(複数可)は、装置ハウジング12の底部壁12−2に部分的に埋め込まれてもよく、またはその表面に配置されてもよい。他の実施形態において、封止リング(複数可)110は、
図3Aに示すように粘着剤積層体62に部分的に埋め込まれてもよく、またはその表面に配置されてもよい。加えて、封止リング(複数可)は、本明細書に開示された実施形態のいずれにおいても使用することができる。
【0165】
図10Aは、空気圧システムの流体圧供給源31を備えた別の実施形態の薬物送達装置10−5を示す。この薬物送達装置は、電気機械(能動)ポンプ132、当該ポンプ132と流体連通しているバラストシリンダまたはバラストチャンバ136、バラストチャンバ136及び装置ハウジング12の底部壁12−2の真空分配機構140と流体連通しているユーザー選択可能な負流体圧選択器(真空調整器)134、ならびに真空調整器134とバラストチャンバ136の間に配置されて空気圧システム30の流体圧供給源31を起動及び停止できるようにするための弁138(いくつかの実施形態においてはコントローラ17によって作動可能である)を備える。真空調整器134により、患者または操作者は、能動ポンプ132及び/またはバラストチャンバ136によって供給される負流体圧/真空吸引力を選択することができる。
【0166】
図10Cに示すように、いくつかの実施形態において、真空調整器134は、チャンバ134−2−1を画定するハウジング134−2を備えてもよい。ハウジング134−2は、弁138と流体連通しているチャンバ流入口134−2−2及び真空分配機構140と流体連通しているチャンバ流出口134−2−3を備える。調整器チャンバ134−2−1は、負流体圧/真空吸引力下で撓む薄い可撓性キャップ134−3によって閉鎖されている。回転可能な調節ノブまたは選択器134−1を設けることにより、患者または操作者が、能動ポンプ132及び/またはバラストチャンバ136によって真空分配機構140に供給される負流体圧/真空吸引力を調節または選択できるようになっている。選択器134−1は、その後部134−1−1から延在する軸134−1−2を備えてもよい。軸134−1−2は、キャップ134−3を通って延在してもよく、調整器ハウジング134−2に螺合してもよい。Oリング封止材134−4を、選択器134−1の後部134−1−1とキャップ134−3の外表面134−3−1との間に配置してもよい。選択器134−1を第1の方向に回転させると、当該選択器は、キャップ134−3を押圧し、調整器チャンバ134−2−1に向けて内側に当該キャップを撓ませる。それにより、能動ポンプ及び/またはバラストチャンバ136によって真空分配機構140に供給される負流体圧/真空吸引力が増加する。選択器134−1を第2の反対方向に回転させると、当該選択器は、キャップ134−3を弛緩させ、従って真空が外気に引き込まれることに応じて当該キャップをより容易に撓ませる。それにより、能動ポンプ及び/またはバラストチャンバ136によって真空分配機構140に供給される負流体圧/真空吸引力が減少する。選択器134−1は、多位置選択器(図示せず)として、または、
図10Bに示したアナログ式の連続可変選択器134−1として構成されてもよい。
【0167】
バラストチャンバ136は、低出力型の能動ポンプ132を使用する実施形態において特に有用であり、高出力型の能動ポンプ132が使用されるときには省略可能である。バラストチャンバ136は、真空分配機構140の弁を不要とするか、その数を減らすことができる。
【0168】
能動ポンプ132によって供給または発生される負流体圧は、いくつかの実施形態において、速度、ストローク長及び/または能動ポンプ132への電力を変えることによって選択または調節することができる。他の実施形態において、能動ポンプ132によって供給される負流体圧は、コントローラ17を経由して能動ポンプ132の前(図示せず)または後(
図10Aに図示)に位置する弁138の差圧設定を変えることによって選択または調節することができる。
【0169】
弁138の差圧設定は、当該弁が逆止弁139で構成されている場合、機械的に変えることが可能であり、その実施形態を
図10Dに示す。逆止弁139は、ハウジング139−1、ハウジング139−1の内部に配置された弁139−2、及び弁139−2を閉位置に付勢するための弁付勢機構139−3を備えることができる。ハウジング139−1は、ハウジング139−1の内部を第1のチャンバ139−1−2と第2のチャンバ139−1−3に分割する内部仕切り壁139−1−1を備えることができる。弁139−2は、頭部139−2−1及び軸139−2−2を備えることができる。弁軸139−2−2は、仕切り壁139−1−1の開口139−1−1−3を通って延在し、ねじ式自由端139−2−2−1を備えることができる。仕切り壁139−1−1の第1の表面139−1−1−1は、例えば、所望の真空度に応じて位置L1またはL2に位置する同心のOリング溝139−1−1−1−1を備えることができる。この溝は、弁頭部139−2−1に対向して配置されている。Oリング139−4は、Oリング溝139−1−1−1−1に配置されている。弁付勢機構139−3は、弁軸139−2−2(ねじ継手)のねじ式自由端139−2−2−1をねじ込みで受けるばね受け139−3−2、及び仕切り壁139−1−1の第2の表面139−1−1−2とばね受け139−3−2との間に配置されたばね139−3−1を備えることができる。弁139の差圧P
1/P
2設定は、ばね139−3−1もしくは他の弁付勢素子の予圧を変えることによって、かつ/または圧力が全体に伝達される弁頭部139−2−1の面積を選択することによって選択されてもよい。ばね139−3−1またはOリング139−4の予圧は、弁軸139−2−2のねじ式自由端139−2−2−1とばね受け139−3−2とのねじ込みカップリングを介して、ばね受けの高さHを下げるか、上げることにより、それぞれ増加させるか、減少させることができる。圧力が全体に伝達される弁頭部139−2−1の面積は、Oリング139−4及びOリング溝139−1−1−1−1を位置L1またはL2に位置付けることによって選択することができる。例えば、圧力が全体に伝達される弁頭部139−2−1の面積は、Oリング139−4及びOリング溝139−1−1−1−1を位置L1に位置付けることによって面積A
1に減少させることができる。圧力が全体に伝達される弁頭部139−2−1の面積は、Oリング139−4及びOリング溝139−1−1−1−2を位置L2に位置付けることによって面積A
2に増加させることができる。
【0170】
図10Eに示すように、他の実施形態において、能動ポンプ132によって供給される負流体圧は、流路を変えて(流れ経路選択)、図示したような能動ポンプ132の前か、能動ポンプ132の後において固定圧力の逆止弁150、152、154のうちの1つ以上が含まれるか、それらが1つも省略されないようにすることにより、選択または調節することができる。1つ以上の弁160、162、164を開放及び/または閉鎖することによって流路を変えてもよい。それにより、直列の逆止弁150、152、154の1つ以上を選択するか、それらを1つも選択しないことが可能となり、それによりシステム170の残部の負流体圧(真空度)が減少する。1つ以上の弁160、162、164のうちの1つ以上は、コントローラによって作動される仕切り弁で構成されてもよい。
【0171】
先に記載した薬物送達装置(例えば、
図1)において使用される人体近接センサは、誤りを防止し、薬物送達装置が正しく装着されたという確信を患者または操作者に与えるのに有用である。しかしながら、一部の患者は、人体近接センサ26の押圧可能または撓み可能な検知ピン26−1が装置ハウジングの底部壁12から伸びているのを煩わしく思う場合がある。検知ピン26−1を備えていない容量式または光学式の人体近接センサをピンセンサ26の代わりに使用することができるものの、こうしたセンサは、駆動するのに相当量の電気エネルギーを必要とする可能性がある。更に、一部の患者は、空気圧システムによって自らの身体組織に印加される負流体圧または真空圧を介して薬物送達装置を固定したことが不快であると認識する場合がある。
【0172】
従って、薬物送達装置のいくつかの実施形態において、空気圧システムは、非侵入型人体近接センサとして実装することができる。このセンサは、ピンを、上述の容量式及び光学式の人体近接センサに置き換える。このような実施形態において、空気圧システムは、先の実施形態に記載した、取り付け及び保持を支援するか、単に薬物送達装置を患者の身体組織に取り付け、保持する負流体圧または真空圧を供給する空気圧システムより低く、侵入しにくい負流体圧または真空圧を印加してもよい。
【0173】
図11は、空気圧システム30を人体近接センサとして構成し、設定した薬物送達装置10−6の実施形態を示す。薬物送達装置10−6は、先に記載し、
図1に示した薬物送達装置10と同様であり、従って、ハウジング12、薬物または医薬品用の主容器14、プランジャ駆動機構16、注射針(見えない)、針駆動機構20、装置起動機構24、空気圧システムの流体圧供給源31、空気圧システムの流体圧分配機構(見えない)、コントローラ17及び省略可能な粘着剤システム60を備えることができる。薬物送達装置10−6は、
図1の人体近接センサ26の代わりに圧力センサ126を更に備える。装置ハウジング12の底部壁12−2は、圧力センサ126と粘着剤システム60の粘着剤積層体62との間の流体圧伝達を可能にする開口127(圧力検出開口)を備えてもよい。圧力センサ126は、粘着剤積層体62を通して、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間に発生した真空圧(及び、加えていくつかの実施形態においては正圧)を検出し、例えば、コントローラ17によって監視可能な信号を出力する。薬物送達装置10−6が患者の身体組織に適切に固定されている場合、圧力センサ126は、薬物送達装置と身体組織の間の真空圧を示すだろう。薬物送達装置が患者の身体組織に適切に固定されていない場合、圧力センサ126は、薬物送達装置と身体組織の間の真空圧をほとんどまたは全く示さない場合がある。コントローラ17は、圧力センサの信号を使用して、薬物送達装置10−6が患者の身体組織に適切に固定されているかどうかを判定する。薬物送達装置10−6が適切に固定されていると判定された場合、注射プロセスを開始または継続することができる。薬物送達装置10−6が適切に固定されていないと判定された場合、注射プロセスを開始しないか、終了できる。薬物送達装置を支援するか、単に患者の身体組織に取り付け、保持するために真空圧を使用しない実施形態において、薬物送達装置10−6の空気圧システム30は、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間の負流体圧または真空圧を、先に記載し、例えば、
図1に示した薬物送達装置10の空気圧システム30より低く発生させるように構成され、設定されてもよい。いくつかの実施形態において、真空圧は、注射針用の開口を取り囲む領域129内の装置ハウジング12の底部壁12−2と患者の身体組織との間に発生させることができる。他の実施形態において、真空圧は、装置ハウジング12の底部壁12−2と患者の身体組織との全体に発生させることができる。なお更なる実施形態において、圧力センサは、圧力チャンバ31の壁などの、負圧を受けると予測可能に撓み得る表面に貼り付けられた歪みセンサ128で構成されてもよい。
【0174】
空気圧システム30は、患者の身体組織からの薬物送達装置10−6の開放を補助するために、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間に正流体圧を発生させることが可能であってもよい。
【0175】
圧力センサ126は、絶対圧または差圧を測定するように構成することができる。しかしながら、差圧を検出する場合、広範囲の気圧/高度にわたる薬物送達装置の使用によって感度を損なうことも読み取り失敗のリスクが増大することもなく、より低い真空圧が使用可能となり得る。
【0176】
図12Aは、薬物送達装置10−6の別の実施形態の圧力センサ226を示す。圧力センサ226は、例えば、弾性材料またはゴム材料で作製された可撓性蛇腹226−1を備えてもよい。この蛇腹は、端部壁226−1−1によって閉じられた一端で閉鎖されている。蛇腹226−1は、圧力検出開口127の上部にある装置ハウジングの底壁12−2に載置されている。コイルばね226−2を、端部壁226−1−1と装置ハウジング12の底部壁12−2との間の蛇腹226−1内に配置してもよい。圧力センサ226は、薬物送達装置10−6(
図11)と患者の身体組織との間に発生する圧力を粘着剤システム60の粘着剤積層体62を介して検出する。
【0177】
圧力センサ226を、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間に真空も正圧も印加されていない中立状態において
図12Aに示す。中立状態において、蛇腹226−1は高さHを有し得る。この場合、コイルばね226−2は、当該蛇腹に作用する圧縮力も張力も実質的に有していない。
図12Bに示すように、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間に印加された真空圧を圧力センサ226が検出した場合、蛇腹226−1は、コイルばね226−2を圧縮し、例えば、高さHVまで高さを下げる。
図12Cに示すように、薬物送達装置10−6と患者の身体組織との間に印加された正圧を圧力センサ226が検出した場合、蛇腹226−1は、コイルばね226−2を伸長させ、例えば、高さHPまで高さを上げる。圧力センサの蛇腹226−1の高さHは、薬物送達装置10−6が患者の身体組織に適切に固定されているかどうかの判定を可能とするために任意の周知の電気的、磁気的または光学的方法を使用して監視することができる。他の実施形態において、接点226−3を蛇腹端部壁226−1−1の外表面に設けることができる。この接点は、(例えば、患者の身体組織から薬物送達装置10−6を開放している間に)圧力センサ226によって検出された正圧が所定の圧力を超えた場合、例えば、プリント回路基板228上に設けられた回路228−1の対応する接点228−1−1と係合する。いくつかの実施形態において、回路288−1は、コントローラ17(
図1)と共に使用されてもよい。他の実施形態において、回路228−1は、コントローラ17の全ての機能を含むように構成することができ、従ってそれを置き換えることができる。
【0178】
図13A〜Dは、空気圧システム30を人体近接センサとして構成し、設定した別の実施形態の薬物送達装置10−7を示す。薬物送達装置10−7は、先に記載し、
図1、2A〜2E及び3A〜3Cに示した薬物送達装置10と同様である。ただし、空気圧システム30の流体圧供給源が、先に記載し、
図7A〜7Cに示したものと同様のプランジャポンプ182を備えていることを除く。プランジャポンプ182は、圧力センサ183/184(
図13B〜13D)を含むように適合及び構成されている。
【0179】
図13Bに示すように、プランジャポンプ182は、端部壁182−1−1側の一端で閉鎖された剛性シリンダ182−1、及びシリンダ182−1内に往復移動可能に配置された、対応する形状のプランジャ182−2を備えてもよい。プランジャ182−2は、対向する自由端182−2−1と作業端182−2−2を含んでもよい。プランジャ182−2の自由端182−2−1は、患者または操作者がプランジャポンプ182を押圧し、それにより当該ポンプを作動させることができるようにシリンダ182−1から外に伸長してもよい。プランジャ182−2の作業端182−2−2とシリンダ182−1の端壁部182−1−1との間の空間は、圧力−真空チャンバ182−3を画定する。ばねを非限定的に含む付勢素子182−4を、プランジャ182−2の作業端182−2−2とシリンダ182−1の端部壁182−1−1との間に配置してもよい。Oリングを非限定的に含む弾性封止材182−5を、シリンダ182−1の開口にて、当該シリンダの内壁表面182−1に形成された溝(見えない)に配置するか、プランジャ182−2の作業端182−2−2に隣接する当該プランジャの外壁表面に形成された溝(見えない)に配置して、チャンバ182−3を空気的に封止してもよい。シリンダ182−1は、真空圧(及び、いくつかの実施形態においては選択されたポンプモードに応じた正流体圧)を装置ハウジング12の底部壁12−2(
図13A)に印加する。圧力センサは、シリンダ182−1に対するプランジャ182−2の移動を監視することが可能な任意の装置を備えてもよい。図示した実施形態において、圧力センサは、光線などの光学信号Sを生成する光源183、及び光センサなどの、当該光学信号を受信する光受信機184を備える。光源183は、シリンダの表面182−1に埋め込むか、当該表面に配置することができ、光受信機184は、光源183の反対側にあり、それと整列されたシリンダの表面182−1に埋め込むか、当該表面に配置することができる。その結果、光源183と光受信機184は、シリンダ182−1の内径間で互いに向き合う。光受信機184は、第1の出力信号を生成するように構成することができる。この信号は、光源183によって生成された光学信号を光受信機184が受信しているとき、薬物送達装置と患者の身体組織との間に真空圧が全く発生していないこと、または不十分な真空圧が発生していることを示す。光受信機184は、第2の出力信号を生成するように構成することもできる。この信号は、光源183によって生成された光学信号を光受信機184が受信してしないとき、薬物送達装置と患者の身体組織との間に十分な真空圧が発生していることを示す。いくつかの実施形態において、光受信機184は、出力信号をコントローラ17に送信してもよい。次いで、当該コントローラは、その信号を使用して、注射プロセスを開始するか、それとも継続するかを決定する。
【0180】
薬物送達装置10−7を患者の身体組織に装着する前に、プランジャ182−2をシリンダ182−1に押し込んで、
図13Cに示すようにシリンダ182−1から空気を排気する。次いで、薬物送達装置10−7を患者の身体組織に装着し、プランジャ182−2を開放する。薬物送達装置10−7が患者の身体組織に適切に固定されている(その結果、薬物送達装置10−7と身体組織の間でプランジャポンプ182によって適切な真空圧を発生させることが可能となる)場合、付勢素子182−4は、プランジャ182−2を移動させてシリンダ182−1から出し戻し、プランジャ182−2を開放したときのその最初の伸長位置(
図13B)に当該プランジャを戻すように試み、それにより薬物送達装置10−7と身体組織の間に真空圧を発生させる。プランジャ182−2が移動してシリンダ182−1から出て戻るにつれて、真空圧は、付勢素子182−4がプランジャ182−2をもはや移動させることができなくなるまで増加する。
図13Dに示すように、薬物送達装置と患者の身体組織との間に発生する真空圧により、プランジャ182−2が部分的に戻った位置に保たれ、光源183によって生成された光学信号が遮られる。その結果、光受信機184は信号を受信しなくなる。続いて、光受信機184は、真空圧が薬物送達装置10−7と患者の身体組織との間に検出されていることを示す第2の出力信号を生成する。プランジャ182−2がシリンダ182−1内で完全な押圧位置から移動して戻る距離は、薬物送達装置10−7と患者の身体組織との間の相対真空圧、相対周囲圧/気圧、及び圧縮ばね182−4などの付勢素子によって与えられる力によって決まる。シリンダ182−1内の光源183及び光受信機184の位置は、プランジャ182−2が後方に移動し、シリンダ182−1に対して一定の位置を保つことで、適切な真空圧が薬物送達装置10−7と患者の身体組織との間に発生したときに、光源183によって生成された光学信号Sを当該プランジャが遮り、その結果、光受信機184が当該信号を受信できなくなるように選択されるべきである。
【0181】
薬物送達装置10−7が患者の身体組織に適切に固定されていない場合、付勢素子182−4は、プランジャ182−2を容易に移動させてシリンダ182−1から出し戻し、
図13Bに示すように、プランジャ182−2を開放したときのその最初の伸長位置に当該プランジャを戻す。これは、薬物送達装置10−7と身体組織の間に真空圧が発生していないためである。プランジャ182−2が伸長位置まで移動して戻ると、当該プランジャは、光源183及び光受信機184の位置を過ぎて移動し、光源183によって生成された光学信号Sを光受信機184で受信することが可能となる。続いて、光受信機184は、真空圧が薬物送達装置10−7と患者の身体組織との間に検出されていないことを示す第1の出力信号を生成する。
【0182】
図14Aは、圧力センサの別の実施形態326を示す。圧力センサ326は、薬物送達装置10−8の実施形態と共に記載されている。この薬物送達装置は、空気圧システムを備えておらず、ハウジング底壁12−2の表面に、またはそのハウジング底壁を覆って配置された従来の粘着剤層62−1を備えており、薬物送達装置10−8を患者の身体組織に取り付け、保持できるようになっている。かかる適用例の圧力センサ326を使用して、薬物送達装置10−8が粘着剤層62−1によって患者の身体組織に適切に取り付けられているかどうかを判定することができる。圧力センサ326は、例えば、弾性材料またはゴム材料で作製された可撓性蛇腹326−1を備えてもよい。この蛇腹は、端部壁326−1−1側で閉鎖された一端を有する。蛇腹は、ばね定数を有するように構成されてもよい。蛇腹326−1は、それを注射部位の身体組織に露出させるように載置される。いくつかの実施形態において、蛇腹326−1は、圧力検出開口127の上部の装置ハウジング12の底部壁12−2に載置することができる。この圧力検出開口は、粘着剤層62−1の対応する開口127−1に整列されている。整列された開口127、127−1は、下にある身体組織に取り付けられるときに圧力センサ326をその身体組織に露出する。いくつかの実施形態において、蛇腹326−1は、圧力センサ326が停止しているか、それに力が印加されていないときに平坦となるように構成されてもよい。その結果、圧力センサ326は、重力及び/または患者の向きに影響されなくなる。他の実施形態において、蛇腹326−1がより遠い距離に変位することができ、従って検出性能を向上させるものの、蛇腹326−1の代わりに隔壁(図示せず)を使用することができる。磁性または導電性棒328は、蛇腹326−1の端部壁326−1−1から上に伸長する。選択的に駆動されるコイル329は棒329を取り囲む。いくつかの実施形態において、止め具(図示せず)を棒328の自由端328−1より上に設け、それから離間してもよい。他の実施形態において、棒328を、可撓性電線330によって回路332−1の端子332−2に電気的に接続してもよい。この回路を使用して、蛇腹326−1の移動、及び従って真空圧を監視する。回路332−1は、プリント回路基板332上に設けられてもよい。この基板は、棒328の自由端328−1より上に配置され、それと離間されている。プリント回路基板332は、電気接点332−3を備えてもよい。この接点は、棒328の自由端328−1と向き合い、それと整列されている。棒328が電気接点332−3と係合すると、当該接点は回路332−1を閉じる。
【0183】
圧力センサ326を使用して、薬物送達装置328が患者の身体組織に適切に取り付けられているかどうかを判定することができる。圧力センサ328は、コイル329を駆動するときに作動する。コイル329を駆動することにより、磁場(これによって一定の力が与えられる)が生成される。この磁場により、蛇腹328−1の端部壁326−1−1に取り付けられているか、それと一体である棒328が、止め具(図示せず)の方に、または上にある回路接点332−3の方に引かれる。薬物送達装置10−8が患者の身体組織に適切に取り付けられている場合、粘着剤層62−1によって空気密封が生じる。それにより、コイル329を駆動したときに蛇腹326−1が棒328によって身体組織から引き離されると、蛇腹326−1−1の端部壁の内部側面(蛇腹端部壁326−1−1の外部側面は気圧に曝される)とハウジング底壁12−2及び粘着剤層62−1の圧力検出開口127、127−1によって露出された身体組織の領域との間に真空圧を発生させることができる。作動の際、コイル329は、所定の、かつ限られた量の電力によって駆動され、棒328を、蛇腹326−1の背後の真空圧に比例した距離だけ引く。空気密封に実質的に漏れがない場合、蛇腹326−1の背後で発生する真空圧により、蛇腹326−1を引くために大きくて一定の力が必要となる。いくつかの実施形態においては、コイル329に所定の電気パルスをかけても、棒328を回路接点332−3(または止め具)に突き当たるまで引くのに十分な磁場も力も生じない。それにより、薬物送達装置10−8が身体組織上に確実に配置されており、注射を継続してもよいことを示す。従って、粘着剤層62−1によって生じた密封に実質的に漏れがある場合、蛇腹326を引くのに必要な力が非常に弱くなるが、これは、蛇腹326−1の背後の真空圧がほとんどまたは全く存在していないためである。従って、
図14Bに示すように、コイル329によって生じた磁力は、棒328の自由端328−1が回路接点332−3(または止め具)に接触するまで当該棒を引くのに十分となる。それにより、薬物送達装置10−8が身体組織に確実に配置されておらず、注射を継続すべきではないことを示す。
【0184】
コイル329の磁場の強さは、多くの要因に依存する。このような要因としては、コイル329の形状、コイル329の巻数、コイル329に供給される電圧(電力)、及び棒328の材料などがあるが、これらに限定されることはない。選択されたコイル329及びコイル329に供給される電力により、棒328の自由端328−1が所望の閾値の真空圧にて止め具(図示せず)または回路接点332−3とほぼ係合できるようにする必要がある。
【0185】
コイル329に流れる電流プロファイルの形状は、磁場を介して移動している棒328に影響される可能性がある。従って、いくつかの実施形態において、時間(t)の経過と共にコイル329に流れる電流(I)の形状を監視することによって圧力検出を間接的に実行することができる。棒328が磁場を介してより速く、またはより遅く移動する場合、それによって電流波形に変化が伝わる。
図14Cは、棒328の電流プロファイルの一例を示す。この棒は、移動しないか、磁場を介して遅く移動する。それにより、薬物送達装置10−8と患者の身体組織との間の封止が適切であることを示す。このような判定がなされたときには、注射プロセスを開始または継続することができる。
図14Dは、棒328の電流プロファイルの一例を示す。この棒は、磁場を介して移動するか、速く移動する。それにより、薬物送達装置10−8と患者の身体組織との間の封止が不十分であることを示す。このような判定がなされたときには、注射プロセスを開始すべきでもなく、継続すべきでもない。適切な封止と不十分な封止とを電流プロファイル上で区別するには、いくつかの実施形態において、パルスの開始後に、または非常に複雑であるほぼ完全なプロファイルの比較の後に、(コイルと直列の、例えば、50オーム未満の小さい抵抗の電圧降下を利用して算出される)電流の検出を特定の時点にて(例えば、一定のミリ秒数で)行うことが必要となり得る。電流は、いくつかの実施形態において、コイルと直列の小さい抵抗(例えば、50オーム未満)の電圧降下を算出することによって検出することができる。
【0186】
電流プロファイルの監視を利用して圧力検出を行うようにする場合、先に記載した回路332−1と接点332−3の仕組みの代わりに、先に言及した止め具(図示せず)を使用することができる。というのも、そのような仕組みは、棒の移動が終了したことを監視するのに必須ではないためである。いくつかの実施形態において、止め具を緩衝して、圧力センサ326の静かな動作を注射プロセス中に持続させることができる。
【0187】
上述の、
図14A及び14Bに示した圧力センサ326を、空気圧システムを備えた先述の薬物送達装置のいずれと共に使用してもよい。
【0188】
図15Aを参照すると、センサ426のいくつかの実施形態は、上述の、
図14A及び14Bに示した棒326及びコイル329の代わりに、可撓性の電線状ケーブル428及び電気モーター429を使用することができる。ケーブルの一端428は、蛇腹426の端部壁426−1−1に取り付けられており、他端は、電気モーター429(例えば、DCモーター)の軸429−1に取り付けている。電気モーター429が駆動されると、その軸429が回転し、ケーブル428を巻き上げる。それにより、
図15Bに示すように、蛇腹426−1が患者の身体組織の露出面から引き離される。電気モーター429は、例えば、光学カウンタ(図示せず)によって測定される回転数Xだけ回転するように制御することができる。電気モーター429を駆動している電流量がモーター429のトルクに比例するため、(ケーブル428を引き、巻くのに使用される)電流を使用して、センサの蛇腹426−1を間接的に監視することができる。例えば、使用する電流が所定の電流閾値を超えている場合、このことは、薬物送達装置10−8と患者の身体組織との間の封止が適切であることを示すことができる。光学カウンタは、電流を監視しつつモーターの所望の回転数を計数する。電流は、いくつかの実施形態において、例えば、モーターと直列に置かれた50オーム未満の小さい抵抗の電圧(これは電流に比例する)を監視することによって監視することができる。不十分な封止がなされた場合、そのような封止は漏れの原因となり、これにより、X回回転した後に予測される電流の流れが減少する。これに対し、封止が良好なときには電流の流れが急速に増加し始める。これは、圧力差に対抗してモーターが回転することがより難しくなるためである。他の実施形態において、センサの蛇腹426−1の変位は、回路432−1によって監視することができる。この回路は、蛇腹端部壁426−1−1の外表面に設けられた接点426−2が回路432−1上に設けられた対応する接点432−2と係合すると閉じる。回路432−1は、プリント回路基板432上に設けられてもよい。この基板は、蛇腹426の端部壁426−1−1より上に配置され、それと離間されている。
【0189】
図16は、薬物送達装置の人体近接センサとして空気圧システムを使用するための方法の実施形態を示すフローチャートである。この方法は、粘着剤システムの粘着剤積層体から無菌ライナーを取り外すブロック300で始まる。ブロック302において、薬物送達装置を患者の身体組織に装着し、空気圧システムを起動する。他の実施形態において、薬物送達装置を患者の身体組織に装着する前に空気圧システムを起動してもよい。一旦起動されると、空気圧システムは、薬物送達装置と患者の身体組織との間に真空を発生させる。ブロック304において、真空圧センサは、薬物送達装置と患者の身体組織との間の真空を監視する。ブロック306において、真空圧が所定の真空圧閾値以上であるかどうかに関する判定を行う。真空圧が所定の真空圧閾値以上であると判定された場合、薬物送達装置は、ブロック308において、針挿入及び薬物送達を自動的に開始するか、それらの手動起動を可能にする。薬物送達が一旦完了すると、薬物送達装置は、ブロック310において、注射針を自動的に引き戻すか、針安全ガードの解除を可能にする。ブロック312において、空気圧システムは、真空圧を開放し、いくつかの実施形態においては正流体圧を印加する。それにより、注射プロセスが完了したことを患者に知らせる。いくつかの実施形態において、薬物伝達装置は、注射プロセスが完了したという視覚表示(例えば、テキストの表示及び/もしくは光の活性化)ならびに/または可聴信号(例えば、ビープ音及び/もしくは言葉)を与えるようにも構成され得る。ブロック314において、患者または操作者は、身体組織から薬物送達装置を取り外す。
【0190】
上記の説明には、薬物送達装置と共に使用する各種のシステム及び方法が記載されている。薬物送達装置または方法は、以下に列挙する医薬品を使用することを更に含むことができることは明らかである。ただし、注意する点として、以下のリストは、全てを含むとみなされるべきでもなく、限定的とみなされるべきでもないことである。医薬品は貯蔵部に収容される。いくつかの例において、貯蔵部は、医薬品を用いた治療のために充填されるか、予備充填される主容器である。主容器は、カートリッジまたは予備充填シリンジとすることができる。
【0191】
例えば、薬物送達装置、またはより具体的には薬物送達装置の貯蔵部は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などのコロニー刺激因子で充填されてもよい。かかるG−CSF剤には、ニューポジェン(Neupogen)(登録商標)(フィルグラスチム)及びニューラスタ(Neulasta)(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が含まれるが、これらに限定されることはない。様々な他の実施形態において、薬物送達装置は、赤血球生成刺激剤(ESA)などの各種の医薬製品と共に使用されてもよい。これらの製品は、液体でも凍結乾燥形態でもよい。ESAは、赤血球生成を刺激する任意の分子である。ESAには、エポジェン(Epogen)(登録商標)(エポエチンアルファ)、アラネスプ(Aranesp)(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、ダイネポ(Dynepo)(登録商標)(エポエチンデルタ)、ミルセラ(Mircera)(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール−エポエチンベータ)、ヘマタイド(Hematide)(登録商標)、MRK−2578、INS−22、レタクリット(Retacrit)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ネオレコルモン(Neorecormon)(登録商標)(エポエチンベータ)、サイラポ(Silapo)(登録商標)(エポエチンゼータ)、ビノクリット(Binocrit)(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファヘキサル、アブシームド(Abseamed)(登録商標)(エポエチンアルファ)、ラチオエポ(Ratioepo)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポラチオ(Eporatio)(登録商標)(エポエチンシータ)、ビオポイン(Biopoin)(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、ならびに以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号;米国特許第5,441,868号;米国特許第5,547,933号;米国特許第5,618,698号;米国特許第5,621,080号;米国特許第5,756,349号;米国特許第5,767,078号;米国特許第5,773,569号;米国特許第5,955,422号;米国特許第5,986,047号;米国特許第6,583,272号;米国特許第7,084,245号;及び米国特許第7,271,689号;ならびにPCT出願第WO91/05867号;PCT出願第WO95/05465号;PCT出願第WO96/40772号;PCT出願第WO00/24893号;PCT出願第WO01/81405号;及びPCT出願第WO2007/136752号に記載されているような分子またはその変異体もしくは類似体などがあり、これらの特許または特許出願のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0192】
ESAは、赤血球生成刺激タンパク質とすることができる。本明細書で使用する場合、「赤血球生成刺激タンパク質」は、例えば、エリスロポエチン受容体に結合し、それを二量化させることにより、当該受容体を直接的または間接的に活性化させる任意のタンパク質を意味する。赤血球生成刺激タンパク質には、エリスロポエチン及びエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるその変異体、類似体または誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させる抗体;またはエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるペプチドが含まれる。赤血球生成刺激タンパク質には、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ及びそれらの類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/ヘマタイドを含む)、ならびに模倣抗体が含まれるが、これらに限定されることはない。例示的な赤血球生成刺激タンパク質には、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、及びエリスロポエチン受容体に結合し、当該受容体を活性化させるペプチドまたは抗体(米国公報第2003/0215444号及び米国公報第2006/0040858号に公表された化合物が含まれ、これらの公報のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)、ならびに以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号;米国特許第5,441,868号;米国特許第5,547,933号;米国特許第5,618,698号;米国特許第5,621,080号;米国特許第5,756,349号;米国特許第5,767,078号;米国特許第5,773,569号;米国特許第5,955,422号;米国特許第5,830,851号;米国特許第5,856,298号;米国特許第5,986,047号;米国特許第6,030,086号;米国特許第6,310,078号;米国特許第6,391,633号;米国特許第6,583,272号;米国特許第6,586,398号;米国特許第6,900,292号;米国特許第6,750,369号;米国特許第7,030,226号;米国特許第7,084,245号;及び米国特許第7,217,689号;米国公報第2002/0155998号;米国公報第2003/0077753号;米国公報第2003/0082749号;米国公報第2003/0143202号;米国公報第2004/0009902号;米国公報第2004/0071694号;米国公報第2004/0091961号;米国公報第2004/0143857号;米国公報第2004/0157293号;米国公報第2004/0175379号;米国公報第2004/0175824号;米国公報第2004/0229318号;米国公報第2004/0248815号;米国公報第2004/0266690号;米国公報第2005/0019914号;米国公報第2005/0026834号;米国公報第2005/0096461号;米国公報第2005/0107297号;米国公報第2005/0107591号;米国公報第2005/0124045号;米国公報第2005/0124564号;米国公報第2005/0137329号;米国公報第2005/0142642号;米国公報第2005/0143292号;米国公報第2005/0153879号;米国公報第2005/0158822号;米国公報第2005/0158832号;米国公報第2005/0170457号;米国公報第2005/0181359号;米国公報第2005/0181482号;米国公報第2005/0192211号;米国公報第2005/0202538号;米国公報第2005/0227289号;米国公報第2005/0244409号;米国公報第2006/0088906号;及び米国公報第2006/0111279号;ならびにPCT公報第WO91/05867号;PCT公報第WO95/05465号;PCT公報第WO99/66054号;PCT公報第WO00/24893号;PCT公報第WO01/81405号;PCT公報第WO00/61637号;PCT公報第WO01/36489号;PCT公報第WO02/014356号;PCT公報第WO02/19963号;PCT公報第WO02/20034号;PCT公報第WO02/49673号;PCT公報第WO02/085940号;PCT公報第WO03/029291号;PCT公報第WO2003/055526号;PCT公報第WO2003/084477号;PCT公報第WO2003/094858号;PCT公報第WO2004/002417号;PCT公報第WO2004/002424号;PCT公報第WO2004/009627号;PCT公報第WO2004/024761号;PCT公報第WO2004/033651号;PCT公報第WO2004/035603号;PCT公報第WO2004/043382号;PCT公報第WO2004/101600号;PCT公報第WO2004/101606号;PCT公報第WO2004/101611号;PCT公報第WO2004/106373号;PCT公報第WO2004/018667号;PCT公報第WO2005/001025号;PCT公報第WO2005/001136号;PCT公報第WO2005/021579号;PCT公報第WO2005/025606号;PCT公報第WO2005/032460号;PCT公報第WO2005/051327号;PCT公報第WO2005/063808号;PCT公報第WO2005/063809号;PCT公報第WO2005/070451号;PCT公報第WO2005/081687号;PCT公報第WO2005/084711号;PCT公報第WO2005/103076号;PCT公報第WO2005/100403号;PCT公報第WO2005/092369号;PCT公報第WO2006/50959号;PCT公報第WO2006/02646号;及びPCT公報第WO2006/29094に開示されたような、エリスロポエチン分子、またはその変異体もしくは類似体が含まれ、これらの特許または特許出願のそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0193】
薬物送達装置と共に使用するための他の医薬製品の例には、ベクティビックス(Vectibix)(登録商標)(パニツムマブ)、ザイゲバ(Xgeva)(商標)(デノスマブ)及びプロリア(Prolia)(商標)(デノスマブ)などの抗体;エンブレル(Enbrel)(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断剤)、ニューラスタ(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G−CSF、ペグ化hu−Met−G−CSF)、ニューポジェン(登録商標)(フィルグラスチム、G−CSF、hu−MetG−CSF)、ならびにエヌプレート(Nplate)(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物製剤;センシパー(Sensipar)(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が含まれてもよいが、これらに限定されることはない。薬物送達装置は、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質または鉄などの他の化学薬品、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グリコン酸(glyconate)第二鉄及び鉄スクロースと共に使用されてもよい。医薬製品は、液体状であってもよく、または凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0194】
特定の例示的なタンパク質の中には、以下に記載される特異タンパク質(その融合体、断片、類似体、変異体または誘導体を含む)がある。
【0195】
PCT公報第WO03/002713号に記載された抗体を非限定的に含む、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に完全ヒト化モノクローナル抗体などのOPGL特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも呼ばれる)。この公報は、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質、特にこの公報に記載された配列を有するタンパク質、特に、限定されないが、この公報の
図2に記載されたような配列番号2の軽鎖及び/またはこの公報の
図4に記載されたような配列番号4の重鎖を有するOPGL特異抗体を含む、この公報において9H7;18B2;2D8;2E11;16E1及び22B3と指定されたタンパク質に関して、その全体が本明細書に組み込まれ、これらのタンパク質のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0196】
ミオスタチン特異ペプチボディ、特に米国公報第2004/0181033号及びPCT公報第2004/058988号に記載されたものを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報は、特にミオスタチン特異ペプチボディに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。このミオスタチン特異ペプチボディには、限定されないが、TN8−19−1からTN8−19−40、TN8−19con1及びTN8−19con2などの、配列番号305〜351のファミリーを含むmTN8−19ファミリーのペプチボディ;配列番号357〜383のmL2ファミリーのペプチボディ;配列番号384〜409のmL15ファミリー;配列番号410〜438のmL17ファミリー;配列番号439〜446のmL20ファミリー;配列番号447〜452のmL21ファミリー;配列番号453〜454のmL24ファミリー;ならびに配列番号615〜631のファミリーが含まれ、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0197】
PCT公報第WO2005/047331号すなわちPCT出願第PCT/US2004/3742号及び米国公報第2005/112694号に記載されたものを含む、IL−4受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にIL−4及び/またはIL−13を受容体と結合することによって仲介される作用を阻害するもの。これらの公報は、特にIL−4受容体特異抗体、特にこれらの公報に記載されたかかる抗体、特に、限定されないが、上記公報においてL1H1;L1H2;L1H3;L1H4;L1H5;L1H6;L1H7;L1H8;L1H9;L1H10;L1H11;L2H1;L2H2;L2H3;L2H4;L2H5;L2H6;L2H7;L2H8;L2H9;L2H10;L2H11;L2H12;L2H13;L2H14;L3H1;L4H1;L5H1;L6H1と指定されたものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、これらの抗体のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0198】
米国公報第2004/097712号に記載されたものを非限定的に含む、インターロイキン1受容体1(「IL1−R1」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この公報は、IL1−R1特異結合タンパク質、特にモノクローナル抗体、特に、限定されないが、上記公報において15CA、26F5、27F2、24E12及び10H7と指定されたものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、これらのモノクローナル抗体のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0199】
PCT公報第03/057134号及び米国公報第2003/0229023号に記載されたものを非限定的に含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報のそれぞれは、特にAng2特異抗体及びペプチボディなど、特に、これらの公報に記載され、L1(N);L1(N)WT;L1(N)1KWT;2xL1(N);2xL1(N)WT;Con4(N)、Con4(N)1KWT、2xCon4(N)1K;L1C;L1C1K;2xL1C;Con4C;Con4C1K;2xCon4C1K;Con4−L1(N);Con4−L1C;TN−12−9(N);C17(N);TN8−8(N);TN8−14(N);Con1(N)を非限定的に含む配列のものに関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのAng2特異抗体及びペプチボディなどには、PCT公報第2003/030833号に記載されたものなどのAng2特異抗体及び製剤も含まれ、このPCT公報は、同種のものに関して、特に、この公報に記載されたような各種順列における、Ab526;Ab528;Ab531;Ab533;Ab535;Ab536;Ab537;Ab540;Ab543;Ab544;Ab545;Ab546;A551;Ab553;Ab555;Ab558;Ab559;Ab565;AbF1AbFD;AbFE;AbFJ;AbFK;AbG1D4;AbGC1E8;AbH1C12;AblA1;AblF;AblK、AblP;及びAblPに関して、その全体が参照によって組み込まれ、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0200】
特に米国公報第2005/0074821号及び米国特許第6,919,426号に記載されたものを非限定的に含む、NGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの公報及び特許は、この点について特にNGF特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのNGF特異抗体及び関連タンパク質は、特に、上記公報及び特許において4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11と指定されたNGF特異抗体を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0201】
米国特許第5,789,554号に記載されたものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、CD22特異抗体及び関連タンパク質、特に、限定されないがヒト化及び完全ヒト抗体などのヒトCD22特異抗体に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのヒト化及び完全ヒト抗体は、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を非限定的に含み、特に、例えば、CAS登録番号501423−23−0のエプラツズマブにおけるヒトCD22特異完全ヒト化抗体を非限定的に含む、例えば、ヒト−マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖にジスルフィド結合されたヒト−マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖の二量体などのヒトCD22特異IgG抗体を非限定的に含む;
【0202】
PCT公報第06/069202号に記載されたものなどの、IGF−1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この公報は、IGF−1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのIGF−1受容体特異抗体及び関連タンパク質は、上記公報においてL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52と指定されたIGF−1特異抗体、及びIGF−1R結合断片、ならびにそれらの誘導体を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる;
【0203】
また、本発明の方法及び構成で使用するための抗IGF−1R抗体の非限定的な例には、以下に記載されたもののそれぞれ及び全てがある:
(i)米国公報第2006/0040358号(2006年2月23日公開)、米国公報第2005/0008642号(2005年1月13日公開)、米国公報第2004/0228859号(2004年11月18日公開)。これらの公報に記載されているように、例えば、抗体1A(DSMZ寄託番号DSMACC2586)、抗体8(DSMZ寄託番号DSMACC2589)、抗体23(DSMZ寄託番号DSMACC2588)及び抗体18を非限定的に含む;
(ii)PCT公報第06/138729号(2006年12月28日公開)、PCT公報第05/016970号(2005年2月24日公開)、ならびにLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856−2865。これらの文献に記載されているように、抗体2F8、A12及びIMC−A12を非限定的に含む;
(iii)PCT公報第07/012614号(2007年2月1日公開)、PCT公報第07/000328号(2007年1月4日公開)、PCT公報第06/013472号(2006年2月9日公開)、PCT公報第05/058967号(2005年6月30日公開)及びPCT公報第03/059951号(2003年7月24日公開);
(iv)米国公報第2005/0084906号(2005年4月21日公開)。この公報に記載されているように、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体
*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3及び抗体7H2HMを非限定的に含む;
(v)米国公報第2005/0249728号(2005年11月10日公開)、米国公報第2005/0186203号(2005年8月25日公開)、米国公報第2004/0265307号(2004年12月30日公開)及び米国公報第2003/0235582号(2003年12月25日公開)、ならびにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073−5083。これらの文献に記載されているように、抗体EM164、表面が再構成されたEM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2及び、huEM164 v1.3を非限定的に含む;
(vi)米国特許第7,037,498号(2006年5月2日発行)、米国公報第2005/0244408号(2005年11月30日公開)及び米国公報第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、ならびにCohen, et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063−2073、例えば、抗体CP−751、871。これらの文献に記載されているように、ATCC受け入れ番号PTA−2792、PTA−2788、PTA−2790、PTA−2791、PTA−2789、PTA−2793を有するハイブリドーマによって生成された抗体、ならびに抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2及び4.17.3、のそれぞれを非限定的に含む;
(vii)米国公報第2005/0136063号(2005年6月23日公開)及び米国公報第2004/0018191号(2004年1月29日公開)。これらの公報に記載されているように、抗体19D12、ならびにATCCの下の番号PTA−5214で寄託されたプラスミド15H12/19D12HCA(γ4)におけるポリヌクレオチドによってコード化された重鎖及びATCCの下の番号PTA−5220で寄託されたプラスミド15H12/19D12LCF(κ)におけるポリヌクレオチドによってコード化された軽鎖を含む抗体を非限定的に含む;
(viii)米国公報第2004/0202655号(2004年10月14日公開)。この公報に記載されているように、抗体PINT−6A1、PINT−7A2、PINT−7A4、PINT−7A5、PINT−7A6、PINT−8A1、PINT−9A2、PINT−11A1、PINT−11A2、PINT−11A3、PINT−11A4、PINT−11A5、PINT−11A7、PINT−11A12、PINT−12A1、PINT−12A2、PINT−12A3、PINT−12A4及びPINT−12A5を非限定的に含み、これらのそれぞれ及び全ては、特にIGF−1受容体を標的とする上記抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質などに関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0204】
B−7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP−1」、文献においてはB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも呼ばれる)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP−1の第1免疫グロブリン様ドメインにあるエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特に、B7RP−1と、特に活性化T細胞におけるその天然受容体であるICOSとの相互作用を阻害するもの、特に、上記の点の全てにおいて、米国公報第2008/0166352号及びPCT公報第WO07/011941号に開示されたもの。これらの公報は、このような抗体及び関連タンパク質に関して、その全てが参照によって本明細書に組み込まれる。このような抗体及び関連タンパク質は、上記公報において以下のように指定された抗体:16H(配列番号1の軽鎖可変配列及び配列番号7の重鎖可変配列を内部に有する);5D(配列番号2の軽鎖可変配列及び配列番号9の重鎖可変配列を内部に有する);2H(配列番号3の軽鎖可変配列及び配列番号10の重鎖可変配列を内部に有する);43H(配列番号6の軽鎖可変配列及び配列番号14の重鎖可変配列を内部に有する);41H(配列番号5の軽鎖可変配列及び配列番号13の重鎖可変配列を内部に有する);ならびに15H(配列番号4の軽鎖可変配列及び配列番号12の重鎖可変配列を内部に有する)を非限定的に含み、これらのそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって個別にかつ具体的に本明細書に組み込まれる;
【0205】
特にヒト化モノクローナル抗体などの、IL−15特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特に、米国公報第2003/0138421号;米国公報第2003/023586号;及び米国公報第2004/0071702号;ならびに米国特許第7,153,507号のそれぞれに記載されたものなどの抗体。これらの公報及び特許は、IL−15特異抗体及び関連タンパク質に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらのIL−15特異抗体及び関連タンパク質は、特に、例えば、HuMaxIL−15抗体、及び例えば、146B7などの関連タンパク質を非限定的に含むペプチボディを含む;
【0206】
IFNガンマ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、特にヒトIFNガンマ特異抗体、特に、例えば、米国公報第2005/0004353号に記載されたものなどの完全ヒト抗IFNガンマ抗体。この公報は、IFNガンマ特異抗体、特に、例えば、この公報において1118;1118
*;1119;1121;及び1121
*と指定された抗体に関して、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらの抗体のそれぞれの重鎖及び軽鎖の全配列、ならびにこれらの重鎖及び軽鎖の可変領域及び相補性決定領域の配列は、それぞれ、上記公報及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107−1115に開示されているように、その全体が完全に参照によって本明細書に個別にかつ具体的に組み込まれる。加えて、上記公報に記載されたこれらの抗体の特性に関する説明も、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。具体的な抗体には、上記公報に開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの;配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの;配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号22の軽鎖を有するもの;配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの;配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの;ならびに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される具体的な抗体は、上記米国公報に開示されている抗体1119であり、この抗体は、その米国公報に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、かつその米国公報に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する;
【0207】
TALL−1特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、ならびに米国公報第2003/0195156号及び米国公報第2006/0135431号に記載されたものなどの他のTALL特異抗体。これらの公報のそれぞれは、TALL−1結合タンパク質、特に表4及び5Bの分子に関して、その全体が完全に参照によって本明細書に組み込まれ、これらの分子のそれぞれは、上記公報に開示されているように、その全体が完全に参照によって個別にかつ具体的に本明細書に組み込まれる;
【0208】
米国特許第6,756,480号に記載されたものなどの、甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にPTHと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0209】
米国特許第6,835,809号に記載されたものなどの、トロンボポエチン受容体(「TPO−R」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にTPO−Rと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0210】
肝細胞成長因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらのHGF特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質には、米国公報第2005/0118643号及びPCT公報第WO2005/017107号に記載された肝細胞成長因子/分散(HGF/SF)を無効にする完全ヒトモノクローナル抗体、米国特許第7,220,410号に記載されたhuL2G7、ならびに米国特許第5,686,292号及び米国特許第6,468,529号ならびにPCT公報第WO96/38557号に記載されたOA−5d5などの、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c−Met)を標的とするものが含まれ、これらの公報及び特許のそれぞれは、特にHGFと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0211】
米国特許第7,521,048号に記載されたものなどの、TRAIL−R2特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。この特許は、特にTRAIL−R2と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0212】
米国公報第2009/0234106号に記載されたものを非限定的に含む、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など、この公報は、特にアクチビンAと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0213】
米国特許第6,803,453号及び米国公報第2007/0110747号に記載されたものを非限定的に含む、TGFベータ特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など。これらの特許及び公報のそれぞれは、特にTGFベータと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0214】
PCT公報第WO2006/081171号に記載されたものを非限定的に含む、アミロイドベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にアミロイドベータタンパク質と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。企図される1つの抗体は、上記公報に記載されているように、配列番号8を含む重鎖可変領域及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である;
【0215】
米国公報第2007/0253951号に記載されたものを非限定的に含む、c−Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にc−Kit及び/または他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;
【0216】
米国公報第2006/0002929号に記載されたものを非限定的に含む、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など。この公報は、特にOX40L及び/またはOX40L受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に関する部分において、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる;ならびに
【0217】
他の例示的なタンパク質。このようなタンパク質には、アクティベース(Activase)(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);アラネスプ(登録商標)(ダルベポエチンアルファ);エポジェン(登録商標)(エポエチンアルファまたはエリスロポエチン);GLP−1、アボネックス(Avonex)(登録商標)(インターフェロンベータ−1a);ベキサール(Bexxar)(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);ベータセロン(Betaseron)(登録商標)(インターフェロンベータ);キャンパス(Campath)(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);ディネポ(登録商標)(エポエチンデルタ);ベルケイド(Velcade)(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);エンブレル(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断剤);エプレックス(Eprex)(登録商標)(エポエチンアルファ);アービタックス(Erbitux)(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c−ErbB−1);ジェノトロピン(Genotropin)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);ヒューマトロープ(Humatrope)(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);ヒュミラ(Humira)(登録商標)(アダリムマブ);インスリン溶液;インフェルゲン(Infergen)(登録商標)(インターフェロン・アルファコン−1);ナトレコール(Natrecor)(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組み換えヒトBタイプナトリウム利尿ペプチド(hBNP);キネレット(Kineret)(登録商標)(アナキンラ);リューカイン(Leukine)(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM−CSF);リンホシド(Lympho Cide)(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22mAb);ベンリスタ(Benlysta)(商標)(リンフォスタットB(Lymphostat B)、ベリムマブ、抗BlySmAb);メタライズ(Metalyse)(登録商標)(テネクテプラーゼ、t−PA類似体);ミルセラ(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール−エポエチンベータ);マイロターグ(Mylotarg)(登録商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン);ラプティバ(Raptiva)(登録商標)(エファリズマブ);シムジア(Cimzia)(登録商標)(セルトリズマブ・ペゴル、CDP870);ソリリス(Soliris)(商標)(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗C5補体);ヌマックス(Numax)(登録商標)(MEDI−524);ルセンティス(Lucentis)(登録商標)(ラニビズマブ);パノレックス(Panorex)(登録商標)(17−1A、エドレコロマブ);トラビオ(Trabio)(登録商標)(レルデリムマブ);セラシムhR3(ニモツズマブ);オムニターグ(ペルツズマブ、2C4);オシデム(Osidem)(登録商標)(IDM−1);オバレックス(Ova Rex)(登録商標)(B43.13);ヌヴィオン(Nuvion)(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブ・メルタンシン(huC242−DM1);ネオレコルモン(登録商標)(エポエチンベータ);ニューメガ(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン−11);ニューラスタ(登録商標)(ペグ化フィルグラスチム、ペグ化G−CSF、ペグ化hu−Met−G−CSF);ニューポジェン(登録商標)(フィルグラスチム、G−CSF、hu−MetG−CSF);オルソクローンOKT3(Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ−CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、プロクリット(Procrit)(登録商標)(エポエチンアルファ);レミケード(Remicade)(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);レオプロ(Reopro)(登録商標)(アブシキシマブ、抗GPlIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);アクテムラ(Actemra)(登録商標)(抗IL6受容体mAb);アバスチン(Avastin)(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax−CD4(ザノリムマブ);リツキサン(Rituxan)(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20mAb);タルセバ(Tarceva)(登録商標)(エルロチニブ);ロフェロン−A(Roferon−A)(登録商標)−(インターフェロンアルファ−2a);シムレクト(Simulect)(登録商標)(バシリキシマブ);プレクシージュ(Prexige)(登録商標)(ルミラコキシブ);シナジス(Synagis)(登録商標)(パリビズマブ);146B7−CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号参照);タイサブリ(Tysabri)(登録商標)(ナタリズマブ,抗α4インテグリンmAb);バロティム(Valortim)(登録商標)(MDX−1303,抗炭疽菌防御抗原mAb);アブスラックス(ABthrax)(商標);ベクティビックス(登録商標)(パニツムマブ);ゾレア(Xolair)(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSAmAb);IL−1トラップ(ヒトIgG1のFc部分及び(タイプI受容体と受容体アクセサリータンパク質)双方のIL−1受容体成分の細胞外ドメイン);VEGFトラップ(IgG1のFcに融合したVEGFR1のIgドメイン);ゼナパックス(Zenapax)(登録商標)(ダクリズマブ);ゼナパックス(登録商標)(ダクリズマブ,抗IL−2RαmAb);ゼヴァリン(Zevalin)(登録商標)(イブリツモマブ・チウキセタン),ゼチーア(Zetia)(エゼチミブ),オレンシア(Orencia)(登録商標)(アタシセプト、TACI−Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23mAb(ルミリキシマブ);BR2−Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト);CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFαmAb);HGS−ETR1(マパツムマブ;ヒト抗TRAIL受容体−1mAb);HuMax−CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax−EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX−010(イピリムマブ、抗CTLA−4mAb及びVEGFR−1(IMC−18F1);抗BR3mAb;抗C.ディフィシル毒素A及び毒素BCmAb MDX−066(CDA−1)及びMDX−1388);抗CD22dsFv−PE38複合体(CAT−3888及びCAT−8015);抗CD25mAb(HuMax−TAC);抗CD3mAb(NI−0401);アデカツムマブ;抗CD30mAb(MDX−060);MDX−1333(抗IFNAR);抗CD38mAb(HuMaxCD38);抗CD40LmAb;抗CriptomAb;抗CTGF特発性肺線維症フェーズIフィブロゲン(FG−3019);抗CTLA4mAb;抗eotaxin1mAb(CAT−213);抗FGF8mAb;抗ガングリオシドGD2mAb;抗ガングリオシドGM2mAb;抗GDF−8ヒトmAb(MYO−029);抗GM−CSF受容体mAb(CAM−3001);抗HepCmAb(HuMaxHepC);抗IFNαmAb(MEDI−545、MDX−1103);抗IGF1RmAb;抗IGF−1RmAb(HuMax−Inflam);抗IL12mAb(ABT−874);抗IL12/IL23mAb(CNTO1275);抗IL13mAb(CAT−354);抗IL2RamAb(HuMax−TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX−018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX−1100);抗LLY抗体;BMS−66513;抗マンノース受容体/hCGβmAb(MDX−1307);抗メソテリンdsFv−PE38複合体(CAT−5001);抗PD1mAb(MDX−1106(ONO−4538));抗PDGFRα抗体(IMC−3G3);抗TGFβmAb(GC−1008);抗TRAIL受容体−2ヒトmAb(HGS−ETR2);抗TWEAKmAb;抗VEGFR/Flt−1mAb;抗ZP3mAb(HuMax−ZP3);NVS抗体♯1;ならびにNVS抗体♯2などがある。
【0218】
ロモソズマブ、ブロソズマブまたはBPS804(ノバルティス)などを非限定的に含むスクレロスチン抗体も含めることができる。更に、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ビズピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIXまたはXGEVAなどの治療薬を含めることができる。加えて、例えば、米国特許第8,030,547号、米国公報第2013/0064825号、WO2008/057457、WO2008/057458、WO2008/057459、WO2008/063382、WO2008/133647、WO2009/100297、WO2009/100318、WO2011/037791、WO2011/053759、WO2011/053783、WO2008/125623、WO2011/072263、WO2009/055783、WO2012/0544438、WO2010/029513、WO2011/111007、WO2010/077854、WO2012/088313、WO2012/101251、WO2012/101252、WO2012/101253、WO2012/109530及びWO2001/031007などの、ヒトタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)と結合するモノクローナル抗体(IgG)を薬物送達装置に含めることができる。
【0219】
タリモジーン・ラハーパレプベックまたは黒色腫もしくは他の癌の治療用の別の腫瘍溶解性HSVも含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例には、タリモジーン・ラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号及び米国特許第7,537,924号);OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号);OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138−5143);G207,1716;NV1020;NV12023;NV1034及びNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer Gene Ther.,9(12):967−978)が含まれるが、これらに限定されることはない。
【0220】
TIMPも含まれる。TIMPは、内因的なメタロプロテイアーゼの組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP−3は、各種細胞によって発現され、細胞外マトリックス中に存在する。これは、主な軟骨分解メタロプロテイアーゼを全て阻害し、のみならず、関節リウマチや変形性関節症などの結合組織の多くの分解性疾患、ならびに癌及び心血管疾患に関与し得る。TIMP−3のアミノ酸配列及びTIMP−3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号において開示されており、この特許の開示は参照によって本明細書に組み込まれる。TIMP変異体についての記載は、米国公報第2014/0274874号及びPCT公報第WO2014/152012号において見出すことができる。
【0221】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に拮抗する抗体、ならびにCGRP受容体及び他の頭痛の原因となる標的物を標的とする二重特異性抗体分子も含まれる。これらの分子に関する更なる情報は、PCT出願第WO2010/075238号において見出すことができる。
【0222】
加えて、二重特異性T細胞誘導抗体(bispecific T cell engager antibody:BiTe)、例えば、ブリノツモマブ(Blinotumomab)を薬物送達装置に使用することができる。あるいは、APJ大分子アゴニスト、例えば、アペリンまたはその類似体を薬物送達装置に含めることができる。そのような分子に関する情報は、PCT公報第WO2014/099984号において見出すことができる。
【0223】
ある実施形態において、医薬品には、治療上有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)またはTSLP受容体抗体が含まれる。そのような実施形態に使用され得る抗TSLP抗体の例には、米国特許第7,982,016号及び8,232,372号、ならびに米国公報第2009/0186022号に記載されているものが含まれるが、これに限定されることはない。抗TSLP受容体抗体の例には、米国特許第8,101,182号に記載されているものが含まれるが、これに限定されることはない。特に好ましい実施例において、医薬品は、米国特許第7,982,016号内でA5と指定された治療上有効量の抗TSLP抗体を含む。
【0224】
薬物送達装置、方法及びシステムを例示的な実施形態に関して説明してきたが、それらは当該実施形態に限定されることはない。むしろ、添付された特許請求の範囲は、薬物送達装置、方法及びシステムの均等物の有効範囲及び適用範囲から逸脱せずに当業者によってなされ得る他の変形物及びその実施形態を含むように広く解釈されるべきである。