特許第6971982号(P6971982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6971982向上した風味剤放出を有するフィルターを含む喫煙物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6971982
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】向上した風味剤放出を有するフィルターを含む喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A24D3/04
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-526749(P2018-526749)
(86)(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公表番号】特表2018-537094(P2018-537094A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2016079160
(87)【国際公開番号】WO2017093267
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年11月20日
(31)【優先権主張番号】15197103.3
(32)【優先日】2015年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ユテュリー ジェローム
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/179524(WO,A1)
【文献】 特表2013−523114(JP,A)
【文献】 特表2013−502919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
たばこロッドと、
前記たばこロッドと端と端を接した関係で軸方向に整列されたフィルターであって、前記フィルターが、全長(L)をもち、かつ口側の端からたばこロッドの端まで延びる濾過材料の単一のセグメントからなる、フィルターと、
前記フィルターの前記口側の端から第一の距離(V)で前記フィルターセグメントに沿った位置にある、換気帯域と、
前記換気帯域の上流の前記フィルターセグメントに沿った位置に、かつ前記フィルターの前記口側の端から第二の距離(C)にあり、前記換気帯域が添加剤送達要素から少なくとも5ミリメートル離れている、添加剤送達要素と、を含み、
ここにおいて、
前記フィルターの前記全長(L)が、20ミリメートル〜36ミリメートルであり、
前記換気帯域と前記フィルターの前記口側の端との間の前記第一の距離(V)が、11ミリメートル〜28ミリメートルであり、
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記口側の端との間の前記第二の距離(C)が、16ミリメートル〜33ミリメートルであり、
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記たばこロッドの端との間の第三の距離(E)が、10ミリメートル未満である、喫煙物品。
【請求項2】
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記たばこロッドの端との間の前記第三の距離(E)が、少なくとも3ミリメートルである、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記フィルターの前記全長(L)が、少なくとも25ミリメートルである、請求項1または2に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記第二の距離(C)と前記第一の距離(V)との差が、少なくとも18ミリメートルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記第二の距離(C)と前記第一の距離(V)との差の前記全長(L)に対する比((C−V)/L)が、少なくとも0.45である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
喫煙物品を製造する方法であって、前記方法が、
濾過材料の連続的なロッドを提供する工程と、
連続的な添加剤送達要素が前記ロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、添加剤送達要素を前記濾過材料に埋め込む工程であって、前記第一の距離が、22ミリメートル〜56ミリメートルであり、前記第二の距離が、6ミリメートル〜16ミリメートルである、埋め込む工程と、
連続的なフィルターロッドを長手方向に第三の距離(D3)だけ等しく間隙を介した切れ目で切断して、濾過材料のフィルターセグメントを生成する工程であって、前記第三の距離(D3)が、20ミリメートル〜36ミリメートルであり、各フィルターセグメントが、前記フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含む、生成する工程と、
フィルターセグメントをチッピング材料によって端と端を接した関係でたばこロッドに取り付ける工程であって、前記フィルターセグメント内の前記添加剤送達要素とフィルターセグメントの前記たばこロッドの端との間の距離(E)が、10ミリメートル未満である、取り付ける工程と、
前記添加剤送達要素の下流の位置において前記チッピング材料を貫通する穿孔を含む換気帯域を提供する工程であって、前記添加剤送達要素が換気帯域から少なくとも5ミリメートル離れている、提供する工程と、を含む、方法。
【請求項7】
前記連続的なフィルターロッドを切断する工程において、前記切れ目が、各フィルターセグメントにおいて、前記添加剤送達要素が前記フィルターセグメントの一方の端から前記第二の距離(D2)の0.5倍の距離にあり、かつ前記フィルターセグメントの対向する端から前記第一の距離(D1)の0.5倍の距離にあるような間隔で配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記連続的なフィルターロッドを切断する工程の前に、濾過材料の前記連続的なロッドおよび添加剤送達要素をプラグラップの連続的なシートで包み込み、包まれた連続的なフィルターロッドを形成する工程をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
喫煙物品のためのフィルターであって、前記フィルターが、全長(L)をもち、かつ口側の端からたばこロッドの端まで延びる濾過材料の単一のセグメントで形成され、
前記フィルターが、前記口側の端と前記たばこロッドの端との間の前記フィルターセグメントに沿った位置にある換気帯域と、
前記換気帯域と前記たばこロッドの端との間の前記フィルターセグメントに沿った位置にあり、前記換気帯域から少なくとも5ミリメートル離れている、添加剤送達要素と、を含み、ここにおいて、
前記フィルターの前記全長(L)が、20ミリメートル〜36ミリメートルであり、前記換気帯域と前記フィルターの前記口側の端との間の第一の距離が、11ミリメートル〜28ミリメートルであり、
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記口側の端との間の第二の距離(C)が、16ミリメートル〜33ミリメートルであり、
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記たばこロッドの端との間の第三の距離(E)が、10ミリメートル未満である、フィルター。
【請求項10】
前記添加剤送達要素と前記フィルターの前記たばこロッドの端との間の前記第三の距離(E)が、少なくとも3ミリメートルである、請求項9に記載のフィルター。
【請求項11】
喫煙物品用のフィルターを製造する方法であって、前記方法が、
濾過材料の連続的なロッドを提供する工程と、
連続的な添加剤送達要素が前記ロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおくように、添加剤送達要素を前記濾過材料に埋め込む工程であって、前記第一の距離が、22ミリメートル〜56ミリメートルであり、前記第二の距離が、6ミリメートル〜16ミリメートルである、埋め込む工程と、
連続的なフィルターロッドを長手方向に第三の距離(D3)だけ間隙を介した切れ目で切断して、濾過材料のフィルターセグメントを生成する工程であって、前記第三の距離(D3)が、20ミリメートル〜36ミリメートルであり、各フィルターセグメントが、前記フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含み、前記フィルターセグメント内の前記添加剤送達要素と前記フィルターセグメントのたばこロッドの端との間の距離(E)が、10ミリメートル未満である、生成する工程と、
前記添加剤送達要素と換気帯域との間の距離が少なくとも5ミリメートルであるように、前記第一の距離(D1)ずつ間隔をおいて配置された連続的な添加剤送達要素間の位置に、前記換気帯域を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記連続的なフィルターロッドを切断する工程において、前記切れ目が、各フィルターセグメントにおいて、前記添加剤送達要素が前記フィルターセグメントの一方の端からD2の0.5倍の距離にあり、かつ前記フィルターセグメントの対向する端からD1の0.5倍の距離にあるような間隔で配置される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルター付き紙巻たばこなどのフィルターを含む喫煙物品に関連する。さらに、本発明は、そのような喫煙物品およびフィルターのうちの1つを製造するための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
フィルター紙巻たばこは通常、紙ラッパーで囲まれたたばこカットフィラーの円筒形のロッドと、包まれたたばこロッドと端と端を接して軸方向に整列された円筒形のフィルターとを備える。円筒形のフィルターは通常、紙プラグラップによって取り囲まれている濾過材料を含む。通常、包まれたたばこロッドとフィルターは、チッピングラッパーの帯によって結合される。
【0003】
フィルターに沿った位置に換気穿孔をもつフィルターを含む、1つのこうした喫煙物品を提供することが公知である。換気は、喫煙物品を通って流れるすべての材料を希釈し、したがって、主流煙の微粒子相の成分とガス相の成分の両方を減少させる。
【0004】
その喫煙特性を変化させるために燃焼中に喫煙物品の主流煙中に放出される1つ以上の添加剤を含む喫煙物品がまた、当該技術分野において公知である。例えば、風味剤は、たばこ材料の加熱または燃焼によって発生するたばこの風味を向上させるために、またはミントまたはメントールなどの追加的な非たばこ風味を提供するために、使用しうる。添加剤は添加剤を封じ込める構造材料を含む液体送達要素(カプセルなど)内に提供しうる。カプセルに封入された添加剤は、例えば圧潰によって封入構造を変形または破壊することにより、喫煙物品の喫煙前または喫煙中に放出しうる。
【0005】
風味剤送達要素を含む喫煙物品では、換気帯域は一般的に、風味送達要素の上流に提供される。このことは一般的に、主流煙内に放出された風味剤が下流の位置においてフィルター内に引き出された空気によって希釈されないという点において、有利であると考えられる。さらに、1つのこうした配置によって、液体風味剤が換気帯域を画定する穿孔の外へ漏れうる可能性が制限される。
【0006】
一般的に、添加剤の主流煙内への向上した移動をそれにより得ることができる喫煙物品を提供することが望ましい。さらに、1つのこうした改善された喫煙物品が提供され、同時に、タール送達が許容される範囲内に維持されることが望ましい。
【0007】
最終的に、既存の器具およびその製造のための方法の主要な修正が必要ない、費用効果が高く、かつ製造が容易である1つのこうした喫煙物品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様によれば、したがって、たばこロッドと、たばこロッドと端と端を接した関係で軸方向に整列されたフィルターと、を含む喫煙物品であって、フィルターが、全長(L)をもち、かつ口側の端からたばこロッドの端まで延びる濾過材料の単一のセグメントから形成される、喫煙物品が提供される。喫煙物品は、フィルターの口側の端から第一の距離(V)でフィルターセグメントに沿った位置にある換気帯域と、換気帯域が、添加剤送達要素から少なくとも約5ミリメートル離れるように、換気帯域の上流のフィルターセグメントに沿った位置にあり、かつフィルターの口側の端から第二の距離(C)にある添加剤送達要素と、をさらに含む。フィルターの全長(L)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルである。換気帯域とフィルターの口側の端との間の第一の距離(V)は、約11ミリメートル〜約28ミリメートルである。さらに、添加剤送達要素とフィルターの口側の端との間の第二の距離(C)は、約16ミリメートル〜約33ミリメートルである。
【0009】
本発明のさらなる態様によれば、喫煙物品を製造する方法が提供されており、その方法は、濾過材料の連続的なロッドを提供する工程と、連続的な添加剤送達要素がロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、添加剤送達要素を濾過材料に埋め込む工程であって、第一の距離が、約22ミリメートル〜約56ミリメートルであり、第二の距離が、約6ミリメートル〜約16ミリメートルである、埋め込む工程と、連続的なフィルターロッドを長手方向に第三の距離(D3)だけ間隙を介した切れ目で切断して、濾過材料のフィルターセグメントを生成する工程であって、第三の距離(D3)が、約20ミリメートル〜約36ミリメートルであり、各フィルターセグメントが、フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含む、生成する工程と、添加剤送達要素がフィルターセグメントの口側の端よりもフィルターセグメントのたばこロッドの端に近接するように、フィルターセグメントをチッピング材料によって端と端を接した関係でたばこロッドに取り付ける工程と、添加剤送達要素が換気帯域から少なくとも約5ミリメートル離れるように、添加剤送達要素の下流の位置においてチッピング材料を通る穿孔を含む換気帯域を提供する工程と、を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、喫煙物品のためのフィルターであって、フィルターが、全長(L)をもち、かつ第一の端から第二の端まで延びる濾過材料の単一のセグメントで形成される、フィルターが提供される。フィルターは、第一の端と第二の端との間のフィルターセグメントに沿った位置における換気帯域と、添加剤送達要素が、換気帯域から少なくとも約5ミリメートル離れるように、換気帯域と第二の端との間のフィルターセグメントに沿った位置における添加剤送達要素と、を含む。フィルターの全長(L)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルであり、換気帯域とフィルターの第一の端との間の第一の距離は、約11ミリメートル〜約28ミリメートルであり、また添加剤送達要素とフィルターの第一の端との間の第二の距離(C)は、約16ミリメートル〜約33ミリメートルである。
【0011】
本発明の1つのさらなる態様によれば、喫煙物品のためのフィルターを製造する方法が提供されており、その方法は、濾過材料の連続的なロッドを提供する工程と、連続的な添加剤送達要素がロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、添加剤送達要素を濾過材料に埋め込む工程であって、第一の距離が、約22ミリメートル〜約56ミリメートルであり、第二の距離が、約6ミリメートル〜約16ミリメートルである、埋め込む工程と、連続的なフィルターロッドを長手方向に第三の距離(D3)だけ間隙を介した切れ目で切断して、濾過材料のフィルターセグメントを生成する工程であって、第三の距離(D3)が、約20ミリメートル〜約36ミリメートルであり、各フィルターセグメントが、フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含む、生成する工程と、を含む。
【0012】
当然のことながら、本発明の一態様を参照して記述した任意の特徴は、本発明の任意の他の態様にも等しく適用できる。
【0013】
本発明は、たばこロッドとたばこロッドに取り付けられたフィルターとを含むタイプの喫煙物品を提供する。フィルターは、喫煙物品の口側の端からたばこロッドまで全面的に延びる濾過材料の単一のセグメントで形成される。換気帯域は、フィルターの口側の端、また喫煙物品の口側の端から第一の距離(V)において、フィルターセグメントに沿った位置に提供される。既存の喫煙物品と対照的に、本発明によれば、添加剤送達要素は、換気帯域が添加剤送達要素から少なくとも約5ミリメートル離れるように、換気帯域の上流のフィルターセグメントに沿った位置に、かつフィルターの口側の端から第二の距離(C)に配置される。フィルターの全長(L)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルである。換気帯域とフィルターの口側の端との間の第一の距離(V)は、約11ミリメートル〜約28ミリメートルである。添加剤送達要素とフィルターの口側の端との間の第二の距離(C)は、約16ミリメートル〜約33ミリメートルである。
【0014】
実際には、本発明による喫煙物品およびフィルターでは、添加剤送達要素は、不均整である(すなわち、フィルターの他方の端より一方の端に近接する)フィルターの長手方向軸に沿った位置に提供される。特に、添加剤送達要素は、フィルターの口側の端よりもたばこロッドの端に近接し、換気帯域は、添加剤送達要素の下流のフィルターに沿った位置に提供される。
【0015】
理論に束縛されるものではないが、添加剤送達要素は、公知のフィルターにおける場合よりもフィルターのたばこロッドの端に近接して配置されるので、たばこの燃焼により発生した熱が、有利には、添加剤の主流煙内への移動を向上することが理解される。このことは、添加剤がメントールなどの液体風味剤である場合に、特に効果的である。
【0016】
したがって、例えば、風味剤のより激しい破裂などの消費者によって判断されるだけでなく知覚されうる向上した添加剤放出を、喫煙物品に提供することが容易となる。さらに、本発明による喫煙物品およびフィルターは通気がよいので、添加剤の主流煙内への移動における増大が、有利には、制御されたタール送達と一対になる。
【0017】
単一のセグメントフィルターを用いたこの向上した添加剤放出効果を達成することは容易である。このことは、当技術分野において公知のマルチセグメントフィルターであって、いくつかのセグメントは、整列される必要があり、また例えば、内部くぼみを形成するために、互いに所定の距離に配置される必要がありうるマルチセグメントフィルターの場合のように、2つ以上の別個のフィルターセグメントを連続的に組み合わせて製造する必要がなく、したがって、この製造プロセスは、きわめて多くの作業が関与することなく、正確かつ調整された種々のフィルター構成要素の取扱いを要求しないという点において、有利である。したがって、既存の装置のわずかな修正のみが、本発明による製造方法を実施するために要求される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「単一のセグメントから形成された」という語句は、喫煙物品の下流端からたばこロッドまで全面的に延びる濾過材料のただ1つのセグメントを含むフィルターを説明するために用いられる。別の言い方をすると、フィルターは、濾過材料またはくぼみまたは管状要素のいくつかの他のセグメントを含まない。
【0019】
「フィルターの全長」という用語は、フィルターを形成する濾過セグメントのみの長さを表わすために本明細書を通じて用いられ、また喫煙物品の下流または口側の端とたばこロッドに隣接するフィルターの上流端との間の距離と解釈される。すべての距離および長さは、喫煙物品およびフィルターの長手方向軸に関して測定される。
【0020】
その多くの総称において、本発明による喫煙物品は、たばこロッドと、たばこロッドと端と端を接した関係で軸方向に整列されたフィルターと、を含み、フィルターは、全長(L)をもち、かつ口側の端からたばこロッドの端まで延びる濾過材料の単一のセグメントで形成される。
【0021】
濾過材料のセグメントは、酢酸セルローストウなどの繊維質濾過材料のプラグとして提供されることが好ましい。フィルター可塑剤を分離したファイバー上に吹き付けることによって従来的な方法で繊維質の濾過材料に塗布しうるが、何らかの追加的材料を濾過材料に塗布する前に行うことが好ましい。濾過材料のセグメントは通常、フィルターラッパー(またはプラグラップ)によって囲まれる。フィルターラッパーは、濾過材料のセグメントの全長を囲むことが好ましい。適切なフィルターラッパー材料の例は、セルロースベースの材料、紙、ボール紙、レコン、セルロースベースのフィルムおよびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0022】
喫煙物品は、フィルターの口側の端から第一の距離(V)でフィルターセグメントに沿った位置に換気帯域をさらに含む。
【0023】
換気帯域は、フィルターラッパーを通じて形成された周辺の少なくとも1列の穿孔を含むことが好ましい。一部の実施形態では、換気帯域は、例えば、周辺の2列の穿孔を含みうる。穿孔は喫煙物品の製造中にオンラインで形成されうる。円周列の穿孔のそれぞれは、8〜30個の穿孔を含むことが好ましい。
【0024】
さらに、喫煙物品は、換気帯域が添加剤送達要素から少なくとも約5ミリメートル離れるように、換気帯域の上流のフィルターセグメントに沿った位置に、かつフィルターの口側の端から第二の距離(C)にある、添加剤送達要素を含む。
【0025】
添加剤送達要素は、壊れやすい外部シェルと、添加剤を含む内部コアと、を含むカプセルまたはマイクロカプセルを含みうる。例えば構造の圧潰または溶融によって封入構造を破壊して開けることによって、喫煙物品の喫煙前または喫煙中に封入された添加剤を放出することができる。1つのこうしたカプセルを圧潰して添加剤を放出する場合、カプセルをある特定の力で破壊して開け、その力で実質的にすべての風味剤を放出する(「単回破裂放出」)。従って、主流煙中の添加剤の濃度は、ピーク値に達するまで非常に急激に増加し、喫煙物品の喫煙中に時間とともに次第に減っていくのみである。
【0026】
別の方法として、添加剤をマトリクス材料の中に封入してもよく、添加剤を放出するためにマトリクス材料に圧縮をかける。
【0027】
マトリクス材料内に封入された添加剤は、カプセルを用いる場合よりもゆっくりと放出される場合がある。カプセルの封入構造とは異なり、マトリクス構造は、特定の力で破壊され開いてすべての添加剤を放出するのではなく、力が持続されるとゆっくりと破壊される。したがって、添加剤がマトリクス材料内に封入された場合に、持続的な、または漸進的な放出が達成される。当業者であれば、「徐放性」という用語が、所与の力において放出される添加剤の量が力をかける時間にさらに依存する実施形態を包含することを理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、2回の短い所与の力をかけることは、単一の延長した所与の力をかけるのと同じ量の添加剤組成物を放出させる場合がある。これらの実施形態では、添加剤送達材料に同一のまたは同様の力を繰返しかけることによって、添加剤含有組成物の多重「投与」を提供するための材料の徐放性特性を使用することができる。さらに、漸進的により高い力を多重にかけることも使用することができ、これは、場合によっては放出される多重「投与」での添加剤の量を増加することができる。
【0028】
本発明による喫煙物品を用いると、添加剤の主流煙内への移動がより効果的であるので、したがって、消費者に新奇な添加剤放出動態を与えることが可能であり、実施形態において、添加剤が風味剤である場合に、より強い風味が長時間にわたって認められる。
【0029】
フィルターの全長(L)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルである。換気帯域とフィルターの口側の端との間の第一の距離(V)は、約11ミリメートル〜約28ミリメートルである。さらに、添加剤送達要素とフィルターの口側の端との間の第二の距離(C)は、約16ミリメートル〜約33ミリメートルである。
【0030】
限界寸法としての、全長(L)、換気帯域とフィルターの口側の端との間の第一の距離(V)、および添加剤送達要素とフィルターの口側の端との間の第二の距離(C)は、その組み合わせにおいて、主流煙内への添加剤移動に有益な影響を与え、一方で、同時に満足のいくRTDおよびタール送達値を導くことを、本発明者は特定した。
【0031】
理論に束縛されるものではないが、添加剤送達要素が口側の端よりもたばこロッドの端に近接するフィルターに沿った位置で不均整に配置されるので、喫煙中のたばこロッドの燃焼により発生した熱への添加剤送達要素の露出は、向上すると考えられる。高い温度は、特に、多くの風味剤のような揮発性の添加剤の場合に、添加剤の主流煙内への移動を促進する。
【0032】
添加剤送達要素とフィルターのたばこロッドの端との間の第三の距離(E)は、少なくとも約3ミリメートルであることが好ましい。このことは、製造許容差を引き起こし、また有利には、本発明に従って製造されるフィルターが、製品仕様に合わないので除かれる必要がある多くのフィルターが限定されるように、一貫的に所望の位置において添加剤送達要素を含むことを確実にする。
【0033】
添加剤送達要素とフィルターのたばこロッドの端との間の第三の距離(E)は、約10ミリメートル未満であることが好ましい。
【0034】
以下でより詳細に説明されるように(実施例1および2を参照)、本発明者は、フィルターのたばこロッドの端から約10ミリメートル〜約3ミリメートル離れたフィルターに沿った位置に配置された添加剤送達要素は、有利には、喫煙物品の喫煙中に急な温度勾配に晒されることを見出した。さらに、本発明者は、たばこロッドの端から約10ミリメートル〜約3ミリメートル延びるフィルター範囲内に配置された添加剤送達要素は、より下流の位置にある添加剤送達要素と比較して、わずかな回数の吸煙後に高い温度に到達することを観察した。
【0035】
理論に束縛されるものではないが、このことは、添加剤が、すぐに、またより速い速度での主流煙内への移動のために効果的に利用できるように、送達要素から放出された揮発性の液体添加剤の蒸発を加速し、かつ容易にすると理解される。これは、詳細には、添加剤送達要素が添加剤を含む壊れやすいカプセルとして提供され、またカプセルが喫煙物品を点火する前に粉砕される場合の事例である。さらに、それは、添加剤が風味剤である場合のそれらの実施形態において特に有利である。消費者が最初の吸煙の前に送達要素に力を加えることによって風味剤を放出する場合、公知の喫煙物品と比較して、著しくわずかな回数の吸煙の後により多くの量の風味が消費者の口に到達する。したがって、消費者は、異なる知覚体験を有利に提示される。
【0036】
換気帯域と添加剤送達要素との間の距離は、できるだけ長いことが好ましい。別の言い方をすると、第二の距離(C)と第一の距離(V)との差を最大化することが好ましい。
【0037】
理論に束縛されるものではないが、添加剤が送達要素から主流煙内に放出されると、主流煙の流れは、フィルターに沿って、かつ消費者の口に向かって添加剤を搬送することが理解される。フィルターの口側の端に向かって搬送する一方で、添加剤はまた、全体的にフィルターの断面にわたって放散される。
【0038】
従来の喫煙物品において、換気帯域が添加剤送達要素の上流に提供される場合、主流煙は、添加剤送達要素に向かってフィルターに沿って進むにつれて、換気帯域の開口部を通じてフィルター内に引き出された空気で希釈される。したがって、それは、添加剤送達要素に到達する前にすでに希釈した主流煙の流れであり、そのため、消費者の口に到達する前に添加剤と混合される。対照的に、本発明による喫煙物品では、希釈されていない主流煙の流れが、添加剤送達要素に到達し、結果として生じる混合物が換気帯域に到達する前に、送達要素から放出された添加剤と混合される。換気帯域が添加剤送達要素の下流にあり、またフィルターの口側の端に近接しているので、そのような混合物は、消費者の口に到達するまで、わずかな時間で短いフィルター長を沿って移動する。したがって、本発明による喫煙物品では、消費者の口に有効に到達する混合物における添加剤と主流煙の相対的な濃度は、従来の喫煙物品における共通の濃度と著しく異なる。
【0039】
さらに、従来の喫煙物品では、主流煙が、送達要素に到達する前に冷却された周囲空気と希釈されるので、送達要素から放出された添加剤を含む気体状の混合物の温度は、本発明による喫煙物品における送達要素に到達する希釈されていない主流煙の温度よりも著しく低い。
【0040】
換気帯域と添加剤送達要素との間の距離が長いので、添加剤がその間にいくつかの外側の摂動なく放射状に放散される滞留時間は長い。したがって、第二の距離(C)と第一の距離(V)との差を最大化することによって、添加剤のより均一な分布が促進される。添加剤が風味剤である場合に、フラッター濃縮プロフィールは、換気帯域の位置の下流の換気空気と混合することによりもたらされる部分的な希釈効果にもかかわらず、消費者に豊富な、かつより丸みのある風味香気をより提供しやすいので、この条件は特に望ましい。
【0041】
第二の距離(C)と第一の距離(V)との差は、少なくとも約18ミリメートルであることが好ましい。第二の距離(C)と第一の距離(V)との差は、少なくとも約20ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0042】
フィルターの第二の距離(C)と第一の距離(V)との差の全長(L)に対する比は、フィルター容積のいくつかの比率の表示が主流煙内に放出された添加剤を換気空気の流れと混合する前に放散するために利用できるように、得ることができる。したがって、上記で与えられた説明の観点から、(C−V)/L比はまた、主流煙の流れが消費者の口に到達した時に、どの程度均一に添加剤がフィルターの断面を通じて分布されたかを示す表示として考えることができる。
【0043】
(C−V)/L比は、少なくとも約0.45であることが好ましい。(C−V)/L比は、少なくとも約0.55であることがより好ましい。(C−V)/L比は、少なくとも約0.6であることがさらにより好ましい。
【0044】
一部の好ましい実施形態では、フィルターの全長(L)は、約30ミリメートル未満であり、換気帯域とフィルターの口側の端との間の第一の距離(V)は、約22ミリメートル未満であり、添加剤送達要素とフィルターの口側の端との間の第二の距離(C)は、約27ミリメートル未満である。フィルターの全長(L)は、少なくとも約25ミリメートルであることがさらにより好ましい。本発明者は、限界寸法のそのような組み合わせをもつ喫煙物品が、望ましく改善された添加剤移動を特定の満足のいく値の引き出し抵抗(RTD)と組み合わせることを見出した。
【0045】
添加剤送達要素は、液体風味剤を含む壊れやすいカプセルであることが好ましい。したがって、喫煙物品は、消費者に向上した風味剤香気と関連する新奇な知覚体験を与える。
【0046】
液体風味剤によって提供された適切な風味剤は、天然または合成のメントール、ハッカ、スペアミント、コーヒー、お茶、スパイス(クローブなど)、ユーカリ、オイゲノールおよびリナロオールを含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態で、風味剤はメントールを含む。
【0047】
液体風味剤は、精油、または1つ以上の精油の混合物を含むことが好ましい。「精油」は、採取元の植物の特徴的な匂いおよび風味を持つ揮発性オイルである。本発明による喫煙物品の添加剤送達要素内に含めるための適切な精油には、ペパーミント油およびオランダハッカ油が含まれるが、これらに限定されない。1つ以上の精油は、例えば、エタノールの溶液内に提供されうる。
【0048】
本発明による喫煙物品は、連続的な添加剤送達要素がロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、添加剤送達要素を濾過材料の連続的なロッドに埋め込むことであって、第一の距離が、約22ミリメートル〜約56ミリメートルであり、第二の距離が、約6ミリメートル〜約16ミリメートルである、埋め込むことによる、方法によって製造されうる。添加剤送達要素は濾過材料によってすべての面が囲まれることが好ましい。
【0049】
一般的には、濾過材料および添加剤送達要素の連続的なロッドは、プラグラップの連続的なシートで包み込まれて、包まれた連続的なフィルターロッドを形成する。こうして得られた連続的なフィルターロッドは、次に、濾過材料のフィルターセグメントを生成するために、第三の距離(D3)ずつ長手方向に間隙を介した切れ目で切断され、ここにおいて、第三の距離(D3)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルであり、各フィルターセグメントは、フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含む。
【0050】
連続的なフィルターロッドを切断する工程において、切れ目は、各フィルターセグメントにおいて、添加剤送達要素がフィルターセグメントの一方の端から第二の距離(D2)の0.5倍の距離にあり、かつフィルターセグメントの対向する端から第一の距離(D1)の0.5倍の距離にあるような間隔で配置されることが好ましい。1つのこうしたフィルターセグメントは、添加剤送達要素がフィルターセグメントの口側の端よりもフィルターセグメントのたばこロッドの端に近接するように、チッピング材料によって端と端を接した関係においてたばこロッドに取り付けられる。
【0051】
チッピング材料およびプラグラップを通る穿孔を含む換気帯域は、添加剤送達要素と換気帯域との間の距離が少なくとも5ミリメートルであるように、添加剤送達要素の下流の位置に形成される。
【0052】
換気帯域は、フィルターがたばこロッドに取り付けられた後に形成されうる。別の方法として、換気帯域は、フィルターがたばこロッドに取り付けられる前のフィルターの製造の間に、インラインで形成されうる。
【0053】
本発明による喫煙物品のためのフィルターは、連続的な添加剤送達要素がロッドの長手方向において第一の距離(D1)および第二の距離(D2)ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、添加剤送達要素を濾過材料に埋め込むことであって、第一の距離が、約22ミリメートル〜約56ミリメートルであり、第二の距離が、約6ミリメートル〜約16ミリメートルである、埋め込むことによる、方法によって調整されうる。添加剤送達要素は濾過材料によってすべての面が囲まれることが好ましい。
【0054】
一般的には、濾過材料および添加剤送達要素の連続的なロッドは、プラグラップの連続的なシートで包み込まれて、包まれた連続的なフィルターロッドを形成する。
【0055】
こうして得られた連続的なフィルターロッドは、次に、濾過材料のフィルターセグメントを生成するために、第三の距離(D3)ずつ長手方向に間隙を介した切れ目で切断され、ここにおいて、第三の距離(D3)は、約20ミリメートル〜約36ミリメートルであり、各フィルターセグメントは、フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素を含む。
【0056】
このことは、添加剤送達要素などの非切断性物質またはリストリクターを含む喫煙物品のためのフィルターを形成するための公知の方法であって、非切断性物質が濾過材料の連続的なロッドの長手方向軸に沿って均等に一定間隔で配置される方法と、対照的である。さらに、そのような公知の方法では、連続的なフィルターロッドは、各結果として生じるフィルターセグメントがフィルターセグメント内の実質的な中央位置に埋め込まれた添加剤送達要素を含むように、濾過材料の連続的なロッドの長手方向軸に沿った均等な一定間隔の位置で切断される。
【0057】
本発明による方法では、換気帯域は、添加剤送達要素と換気帯域との間の距離が少なくとも5ミリメートルであるように、第一の距離(D1)ずつ間隔をおいて配置された連続的な添加剤送達要素間に形成されることが好ましい。
本発明は、添付の図面の図を参照しながら、例証としてのみではあるがさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、本発明による喫煙物品の概略断面図を示す。
図2図2は、フィルターに沿った位置を示す基準となる喫煙物品のフィルターの概略側面図であり、ここにおいて、喫煙の間の温度が測定される(実施例1)。
図3図3は、図2の位置において、基準となる喫煙物品の喫煙の間の温度の変化を示す図表である。
図4図4は、本発明による喫煙物品の特徴と先行技術に従う基準となる喫煙物品の対応する特徴を比較する棒グラフである。
図5図5は、本発明による喫煙物品のためのフィルターを形成する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、たばこロッド12と、フィルター14と、を含む喫煙物品10を示す。フィルター14は、たばこロッド12と端と端を接した関係で軸方向に整列され、口側の端16からたばこロッドの端18まで延びる濾過材料の単一のセグメントで形成される。フィルター12の全長Lは、約27ミリメートルである。
【0060】
喫煙物品10は、フィルターの周囲に配置される複数の穴を含む換気帯域20を含む。換気帯域20は、口側の端16から約12ミリメートルの距離Vにおいてフィルター12に沿った位置にある。さらに、喫煙物品10は、換気帯域20の上流のフィルターセグメントに沿った位置に、かつ口側の端16から約18ミリメートルの第二の距離Cにある、添加剤送達要素22を含む。したがって、換気帯域20は、添加剤送達要素22から約6ミリメートル離れている。さらに、添加剤送達要素22は、たばこロッドの端18から約9ミリメートルの第三の距離Eにある。添加剤送達要素22は、約4.2ミリメートルの直径をもち、またメントールを含む壊れやすいカプセルとして提供される。
【0061】
温度プロフィール評価
喫煙の間の喫煙物品のフィルター内の温度プロフィールの変動が、ヘルス・カナダ・インテンス(HCI)喫煙法下で評価された。この目的のため、測定は、約57ミリメートルのたばこロッド22および約27ミリメートルの単一のセグメントフィルター24を含む使用された基準となる喫煙物品20(8mgタール(ISO))であって、たばこロッドおよびフィルターが約7.9ミリメートルの直径をもつ、喫煙物品20で実施された。基準となる喫煙物品において、たばこロッドは、約45コレスタ単位の浸透性を有するラッパーで囲まれる。フィルターは、298コレスタ単位の浸透性を有するチッピングの帯によってたばこロッドに取り付けられる。
【0062】
図2に概略的に示されるように、サーモカップルは、フィルターに沿った異なる位置における温度を測定するように配置され、すなわちその位置は以下の点である。
【0063】
P: 口側の端から5ミリメートル;
Q: 口側の端から10ミリメートル;
R: 口側の端から15ミリメートル;
S: 口側の端から20ミリメートル;
T: 口側の端から25ミリメートル。
【0064】
基準となる喫煙物品は、以下のパラメーターを伴うHCI法に基づいて喫煙された。
【0065】
換気: 100%塞がれる;
吸煙周波数: 30秒;
吸煙継続時間: 2秒;
吸煙容積: 55立方センチメートル。
【0066】
図3のグラフは、喫煙の間の時間を通じて、すなわち、吸煙の回数に応じて変化する温度を示す。種々の曲線は、フィルターに沿った位置P−Tに関してプロットされる。当然のことながら、温度は全体的に、たばこロッドの長さが減少し、燃焼面がたばこロッド/フィルター境界面に漸進的に近くなるのにつれて、すべての追加的な吸煙とともにすべての位置で増加する。しかし、三回目の吸煙以降から、温度は、位置PおよびQと比較して、位置R〜Tにおいて、すなわち、口側の端から約15ミリメートル〜約25ミリメートルの位置において、断然早く増加し、また著しく高い値に到達することが、意外にも見出された。さらに、六回目の吸煙以降から、温度プロフィールにおけるさらなる著しい相違点が、位置S〜T、すなわち、口側の端から約20ミリメートル〜約25ミリメートルの位置とその他の下流の位置との間で存在していることが明らかである。
【0067】
最も高い温度は、一貫的に位置Tにおいて到達される。位置P〜Rにおいて、温度は、九回目の吸煙または十回目の吸煙の辺りでほぼ変動の少ないことが分かる一方、位置SおよびTにおいて、単調に増加する傾向が過去を通じて観察される。
【0068】
したがって、口側の端から少なくとも約20ミリメートルの位置、すなわち、たばこロッドの端から7ミリメートル以下の位置では、より下流の位置と比較して概ね高い温度に到達するだけでなく、より大きい温度勾配を受け、したがって、温度がより下流の位置において本質的に安定する場合であっても、より下流の位置よりも高い温度に早く到達し、喫煙の間実質的に温度が増大し続ける。
【0069】
一方では、口側の端から約10ミリメートル〜約15ミリメートルの位置、すなわち、中点(フィルターの口側の端から13.5ミリメートル)辺りの中央の位置において、温度は、全体的な喫煙試験の間一貫的に低いだけでなく、六回目/七回目の吸煙以降から漸進的に低い割合で増加する。
【0070】
換気帯域の上流の本発明による喫煙物品のフィルターの全体的なセクションは、上述の基準となる喫煙物品のフィルターと本質的に同様であることは明らかである。したがって、理論に束縛されるものではないが、少なくとも性質上の用語において、同様の傾向が本発明による喫煙物品の喫煙の間観察されることが合理的に想定されうる。特に、これらの実験に基づく結果は、添加剤の主流煙内への移動が、たばこロッドの端から2ミリメートル〜12ミリメートルの位置に送達要素を配置することによって最も著しく熱的に向上できることを確証する。
【0071】
実施例1
本発明による喫煙物品(上記の喫煙物品10の説明を参照)が、喫煙試験に受けられ、主流煙のその他の特性とともに主流煙(MIS)内へのメントール送達のほかタール送達(タール)が測定された。
【0072】
比較例
換気帯域が添加剤送達システムから上流にある一方で、添加剤送達要素がフィルターの長手方向軸に沿った中央位置に配置される範囲における点のみ実施例1の喫煙物品と異なる喫煙物品10と実質的に同様の基準となる喫煙物品の挙動と、実施例1の喫煙物品の挙動とを比較した。別の言い方をすると、比較用喫煙物品では、L=27ミリメートル、V=18ミリメートル、およびC=13.5ミリメートルである。
【0073】
主流煙におけるメントール含有量の量的な決定は、GC−FIDによって実行される。喫煙装置上で喫煙された紙巻たばこの主流煙は、ガラス繊維フィルターパッド上に収集される。これらのフィルター上に集められた煙のアルコール抽出物を分析する。
【0074】
この目的のために、喫煙物品は、Q0309「Determination of Total Particulate Matter and Carbon Monoxide (CO) in Mainstream Smoke Using a Non-Automatic Linear Smoking Machine」、または20チャンネル線型の喫煙装置(Cerulean)が用いられる時の等価物、およびQ0338「Determination of Total Particulate Matter and Carbon Monoxide in Mainstream Smoke using an RM-200 or RM20 Smoking Machine」、または回転喫煙装置(Borgwaldt)が用いられる時の等価物、に従って喫煙される。しかし、メントール含有量の決定において、紙巻たばこサンプルの準備および調整に関して以下の例外が適用される:
−少なくとも80の紙巻たばこのサンプルが、試験に受けられるべきである;
−試験の日に基づいて、40の許容される紙巻たばこは、明白な不適合(空隙端、引き裂かれたロッド、不正確に取り付けられたフィルターなど)を除去するような、また紙巻たばこが喫煙されるまで密封容器内に保存される(最大貯蔵時間は12時間である)ような、検査済みのパックから選択されるべきである;
−メントールは、喫煙の前に添加剤送達要素から放出される(例えば、壊れやすいカプセルの場合には、圧潰によって)べきである;喫煙は、放出の5分以内に開始するべきである。
【0075】
さらに、基準は、ISO 13110「Cigarettes - Determination of menthol in smoke condensates - Gas chromatographic method」から構成されうる。
【0076】
一酸化炭素の含有量は、the CORESTA Recommended Method No. 5 - Determination of Carbon Monoxide in the Mainstream Smoke of Cigarettes by Non-Dispersive Infrared Analysis (second edition, September 1993)に従って決定されうる。ニコチンの含有量は、the CORESTA Recommended Method No. 7 - Determination of Nicotine in the Mainstream Smoke of Cigarettes by Gas Chromatographic Analysis (second edition, August 1991)に従って決定されうる。換気は、the CORESTA Recommended Method No. 6 - Determination of Ventilation: Definitions and Measurement Principles (second edition, March 2000)に従って決定されうる。引き出し抵抗(RTD)は、the CORESTA Recommended Method No. 41 - Determination of the Draw Resistance of Cigarettes and Filter Rods (second edition, June 2007)に従って決定されうる。全粒子状物質(TPM)の含有量は、the CORESTA Recommended Method No. 23 - Determination of Total Particulate Matter and Preparation for Water and Nicotine Measurements (second edition, August 1991)に従って決定されうる。
【0077】
下記の表1は、喫煙試験から得られたデータを含む。図4の棒グラフは、本発明による喫煙物品10の挙動と先行技術による比較用喫煙物品の挙動との間の差を視覚的に示す。
【0078】
【表1】
図示した通り、メントール送達における約35%の増加は、比較用喫煙物品に対する本発明による喫煙物品について得られる。図4の図表で示されるように、このことは、ハッカおよび冷却剤香気の度合いの点だけでなく、喫煙物品の喫煙の間の冷却知覚の持続性の点における、消費者によって容易に知覚される向上した香味効果を導く。このことは、愛煙家のパネルを伴う日常的な調査によって評価された。
【0079】
実施例2
本発明による喫煙物品(A、B、C)の追加的なセットがまた、同様の喫煙試験に受けられた。実施例2の喫煙物品A、B、Cは、添加剤送達要素22が3.5ミリメートルの直径をもつ壊れやすいカプセルとして提供される点において実施例1の喫煙物品と異なる。さらに、実施例2の喫煙物品A、B、Cは、異なるレベルのタール送達(それぞれ約2ミリグラム、7ミリグラム、13ミリグラム)を有するように設計される。本発明に従う各喫煙物品A、B、Cに対して、L=27ミリメートル、V=18ミリメートル、およびC=13.5ミリメートルをもつ対応する基準となる喫煙物品がまた、喫煙された。
【0080】
下記の表2は、喫煙試験から得られたデータを含む。
【0081】
【表2】
これらの実験に基づく結果は、本発明による喫煙物品に関して、主流煙内へのメントールの移動がタール含有量にかかわらず著しく向上することを確証する。特に、メントール放出における増加は、タール含有量が約2ミリグラム〜約7ミリグラム増加するのに従って、約30%において実質的に一定なままである。
【0082】
図5は、本発明による喫煙物品のための複数のフィルターを形成するための処理を示す。濾過材料の実質的に連続的なロッド100内に、添加剤送達要素20は、連続的な添加剤送達要素がロッド100の長手方向において約36ミリメートルの第一の距離D1および約18ミリメートルの第二の距離D2ずつ交互に間隔をおいて配置されるように、埋め込まれる。添加剤送達要素20は濾過材料によってすべての面が囲まれる。
【0083】
実質的に連続的なフィルターロッド100は、切れ目において約27ミリメートルの第三の距離D3ずつ長手方向に一定間隔で配置され、濾過材料のフィルターセグメント12が生成される。したがって、各フィルターセグメント12は、フィルターセグメント内に埋め込まれた添加剤送達要素20を含む。添加剤送達要素20は、フィルターセグメント12の一方の端から約18ミリメートル(D1の0.5倍)にあり、かつフィルターセグメントの対向する端から約9ミリメートル(D2の0.5倍)にある。当然ながら、第二の距離Cは、D1の0.5倍の長さに対応し、また第三の距離Eは、D2の0.5倍の長さに対応する。
図1
図2
図3
図4
図5